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霊界物語
天祥地瑞(第73~81巻)
第76巻(卯の巻)
序文
総説
日本所伝の天地開闢説
支那の開闢説
波斯の宇宙創造説
希臘の天地開闢説
エヂプトの開闢説
メキシコナフア族の天地創造説
マヤ族の万物創造説
北欧に於ける宇宙創造説
太平洋西北岸創造説
英領北亜米利加創造説
亜弗利加神話
ヘブライ天地創造説
パレスチン創造説
ミクロネシヤ創造説
インドネシヤ創造説
第1篇 春風駘蕩
第1章 高宮参拝
第2章 魔の渓流
第3章 行進歌
第4章 怪しの巌山
第5章 露の宿
第2篇 晩春の神庭
第6章 報告祭
第7章 外苑の逍遥
第8章 善言美霊
第3篇 孤軍奮闘
第9章 闇の河畔
第10章 二本松の蔭
第11章 栄城の山彦
第12章 山上の祈り
第13章 朝駒の別れ
第14章 磐楠舟
第15章 御舟巌
余白歌
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(B)
(N)
北欧に於ける宇宙創造説 >>>
マヤ
族
(
ぞく
)
の
万物
(
ばんぶつ
)
創造
(
さうざう
)
説
(
せつ
)
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第76巻 天祥地瑞 卯の巻
篇:
前付
よみ(新仮名遣い):
章:
マヤ族の万物創造説
よみ(新仮名遣い):
まやぞくのばんぶつそうぞうせつ
通し章番号:
口述日:
1933(昭和8)年12月07日(旧10月20日)
口述場所:
水明閣
筆録者:
白石恵子
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1934(昭和9)年3月23日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
rm760009
愛善世界社版:
八幡書店版:
第13輯 444頁
修補版:
校定版:
51頁
普及版:
初版:
ページ備考:
001
太初
(
はじめ
)
この
世
(
よ
)
には
何
(
なに
)
も
無
(
な
)
くて
常闇
(
とこやみ
)
が
八方
(
はつぱう
)
に
広
(
ひろ
)
がつてゐた。
002
そして
只
(
ただ
)
神々
(
かみがみ
)
だけが
存在
(
そんざい
)
してゐた。
003
神々
(
かみがみ
)
の
名
(
な
)
は「フラカン」といひ、
004
「グクマッツ」(
若
(
もし
)
くはクェツァルコアトル)と
言
(
い
)
ひ、
005
「エックスビヤコック」と
言
(
い
)
ひ、
006
「エックスムカネ」と
言
(
い
)
つた。
007
これ
等
(
ら
)
の
神々
(
かみがみ
)
は
先
(
ま
)
づ
大地
(
だいち
)
を
造
(
つく
)
らなくては
何事
(
なにごと
)
も
出来
(
でき
)
ぬと
言
(
い
)
つて、
008
一人
(
ひとり
)
の
神
(
かみ
)
が
大
(
おほ
)
きな
声
(
こゑ
)
で、
009
『
大地
(
だいち
)
よ、
010
現
(
あら
)
はれよ』
011
と
叫
(
さけ
)
んだ。
012
忽
(
たちま
)
ちその
声
(
こゑ
)
に
応
(
おう
)
じて
大地
(
だいち
)
が
現
(
あら
)
はれた。
013
(言霊の妙用を漏らしたる物語也)
014
神々
(
かみがみ
)
はお
互
(
たがひ
)
に
相談
(
さうだん
)
をして
種々
(
しゆじゆ
)
の
動物
(
どうぶつ
)
を
拵
(
こしら
)
へて
大地
(
だいち
)
の
上
(
うへ
)
に
住
(
す
)
ませる
事
(
こと
)
にした。
015
それから
一番
(
いちばん
)
終
(
をは
)
りの
木
(
き
)
を
刻
(
きざ
)
んで
沢山
(
たくさん
)
の
小
(
ちひ
)
さい
人間
(
にんげん
)
を
造
(
つく
)
つたが、
016
これ
等
(
ら
)
の
人間
(
にんげん
)
どもは、
017
どうも
性質
(
せいしつ
)
が
悪
(
わる
)
くて
神々
(
かみがみ
)
を
蔑視
(
べつし
)
するので、
018
神々
(
かみがみ
)
はひどく
腹
(
はら
)
を
立
(
た
)
てて、
019
『こんなやくざな
生物
(
せいぶつ
)
は、
020
一思
(
ひとおも
)
ひに
滅
(
ほろ
)
ぼして
了
(
しま
)
つた
方
(
はう
)
が
良
(
よ
)
い』
021
と
考
(
かんが
)
へたので、
022
「フラカン」
神
(
がみ
)
は
大地
(
だいち
)
の
水
(
みづ
)
と
言
(
い
)
ふ
水
(
みづ
)
の
量
(
りやう
)
を
増
(
ま
)
し、
023
同時
(
どうじ
)
に
幾日
(
いくにち
)
も
幾日
(
いくにち
)
も
大雨
(
おほあめ
)
を
降
(
ふ
)
り
続
(
つづ
)
かせたので、
024
見
(
み
)
る
見
(
み
)
る
恐
(
おそ
)
ろしい
洪水
(
こうずゐ
)
が
人間
(
にんげん
)
を
襲
(
おそ
)
うて
来
(
き
)
た。
025
人間
(
にんげん
)
は
驚
(
おどろ
)
き
騒
(
さわ
)
いで、
026
あちらこちらに
逃
(
に
)
げまどうた。
027
それを
追
(
お
)
ひまはすやうにして、
028
「エックセコトコブァック」と
言
(
い
)
ふ
鳥
(
とり
)
は
其
(
そ
)
の
目
(
め
)
をつつき
出
(
だ
)
し、
029
「カムラッツ」といふ
鳥
(
とり
)
はその
頭
(
かしら
)
を
咬
(
か
)
みきり、
030
「コツバラム」といふ
鳥
(
とり
)
はその
肉
(
にく
)
を
噉
(
くら
)
ひつくし、
031
「テクムバラム」といふ
鳥
(
とり
)
はその
骨
(
ほね
)
を
砕
(
くだ
)
くのであつた。
032
いな、
033
人間
(
にんげん
)
に
飼
(
か
)
はれてゐた
家畜
(
かちく
)
や
人間
(
にんげん
)
に
使
(
つか
)
はれてゐた
道具
(
だうぐ
)
さへも、
034
逃
(
に
)
げまどひ
泣
(
な
)
きさけぶ
人間
(
にんげん
)
を
眺
(
なが
)
めて
気持
(
きもち
)
よささうに
嘲
(
あざけ
)
り
笑
(
わら
)
ふのであつた。
035
『お
前
(
まへ
)
さんたちは
是
(
これ
)
までわたしたちをひどい
目
(
め
)
にあはせて
居
(
ゐ
)
たんだ。
036
今度
(
こんど
)
はわたしたちの
番
(
ばん
)
だ。
037
思
(
おも
)
ひきり
咬
(
か
)
みついてやるよ』
038
と
犬
(
いぬ
)
や
鶏
(
にはとり
)
が
言
(
い
)
つた。
039
『お
前
(
まへ
)
さんたちは
毎日
(
まいにち
)
夜
(
よる
)
となく
昼
(
ひる
)
となく、
040
わたしたちを
苦
(
くる
)
しめた。
041
わたしたちはいつも
泣
(
な
)
き
叫
(
さけ
)
んで
居
(
ゐ
)
た。
042
さあ
今度
(
こんど
)
はこつちの
番
(
ばん
)
だ。
043
わたしたちの
力
(
ちから
)
の
程
(
ほど
)
を
見
(
み
)
せてやるよ。
044
お
前
(
まへ
)
さんたちの
肉
(
にく
)
を
碾
(
ひ
)
き
砕
(
くだ
)
いて
肉団子
(
にくだんご
)
を
拵
(
こしら
)
へてやるよ』
045
と
石臼
(
いしうす
)
どもが
言
(
い
)
つた。
046
『お
前
(
まへ
)
さんたちは、
047
わたしたちの
頭
(
あたま
)
や
脇腹
(
わきばら
)
をいぶしたし、
048
火
(
ひ
)
の
上
(
うへ
)
にかけて
火傷
(
やけど
)
をさせたり、
049
随分
(
ずゐぶん
)
と
痛
(
いた
)
い
目
(
め
)
にあはせたね。
050
さあ
今度
(
こんど
)
はこちらの
番
(
ばん
)
だ。
051
思
(
おも
)
ひきり
火傷
(
やけど
)
をさせてやるよ』
052
と
茶碗
(
ちやわん
)
や
皿
(
さら
)
が
言
(
い
)
つた。
053
人間
(
にんげん
)
どもは、
054
みんなに
追
(
お
)
ひかけられて、
055
苦
(
くる
)
しまぎれに
家
(
いへ
)
の
屋根
(
やね
)
によぢ
登
(
のぼ
)
つた。
056
屋根
(
やね
)
は、
057
『この
悪者
(
わるもの
)
め、
058
かうしてくれるぞ』
059
と
言
(
い
)
つて、
060
わざと
地面
(
ぢべた
)
に
突
(
つ
)
き
伏
(
ふ
)
してしまつた。
061
人間
(
にんげん
)
は
周章
(
しうしやう
)
狼狽
(
らうばい
)
して
樹
(
き
)
の
上
(
うへ
)
に
登
(
のぼ
)
つた。
062
さうすると
樹
(
き
)
は、
063
『このやくざもの
奴
(
め
)
、
064
かうしてくれるぞ』
065
と
言
(
い
)
つて、
066
烈
(
はげ
)
しく
枝
(
えだ
)
を
動
(
うご
)
かして
人間
(
にんげん
)
どもを
大地
(
だいち
)
にふりおとした。
067
人間
(
にんげん
)
どもはモウ
困
(
こま
)
つてしまつて
洞穴
(
ほらあな
)
の
中
(
なか
)
へ
潜
(
もぐ
)
り
込
(
こ
)
まうとした。
068
すると
洞穴
(
ほらあな
)
は、
069
『この
性悪
(
しやうわる
)
ものめ、
070
かうしてくれる』
071
と
言
(
い
)
つて、
072
いきなり
口
(
くち
)
を
閉
(
と
)
ぢてしまつた。
073
かうして
大地
(
だいち
)
の
上
(
うへ
)
を
右往
(
うわう
)
左往
(
さわう
)
に
逃
(
に
)
げまはつてゐるうちに、
074
小
(
ちひ
)
さい
人間
(
にんげん
)
どもは、
075
水
(
みづ
)
に
責
(
せ
)
められ、
076
生物
(
いきもの
)
に
苦
(
くる
)
しめられ、
077
種々
(
しゆじゆ
)
の
品物
(
しなもの
)
に
痛
(
いた
)
め
付
(
つ
)
けられて、
078
たうとう
皆
(
みな
)
滅
(
ほろ
)
びて
了
(
しま
)
つた。
079
「フラカン」
神
(
がみ
)
を
始
(
はじ
)
め
天界
(
てんかい
)
にある
神々
(
かみがみ
)
は、
080
新
(
あたら
)
しく
人間
(
にんげん
)
を
造
(
つく
)
らうと
考
(
かんが
)
へた。
081
そこで
種々
(
しゆじゆ
)
と
相談
(
さうだん
)
した
末
(
すゑ
)
に、
082
黄色
(
きいろ
)
い
玉蜀黍
(
たうもろこし
)
の
粉
(
こ
)
と
白
(
しろ
)
い
玉蜀黍
(
たうもろこし
)
の
粉
(
こ
)
とを
捏
(
ね
)
つて、
083
一種
(
いつしゆ
)
の
糊
(
のり
)
をこしらへて、
084
その
糊
(
のり
)
で
四
(
よ
)
人
(
にん
)
の
男
(
をとこ
)
の
人間
(
にんげん
)
を
造
(
つく
)
つた。
085
一人
(
ひとり
)
は「バラムキッチェ」(
美
(
うつく
)
しい
歯
(
は
)
を
持
(
も
)
つ
虎
(
とら
)
の
義
(
ぎ
)
)と
呼
(
よ
)
ばれ、
086
一人
(
ひとり
)
は「バラムアガブ」(
夜
(
よる
)
の
虎
(
とら
)
の
義
(
ぎ
)
)と
呼
(
よ
)
ばれ、
087
一人
(
ひとり
)
は「マハクター」(
著
(
いちじる
)
しき
名
(
な
)
の
義
(
ぎ
)
)と
呼
(
よ
)
ばれ、
088
残
(
のこ
)
りの
一人
(
ひとり
)
は「イキバラム」(
月
(
つき
)
の
虎
(
とら
)
の
義
(
ぎ
)
)と
呼
(
よ
)
ばれた。
089
これ
等
(
ら
)
の
人間
(
にんげん
)
は
姿
(
すがた
)
も
心
(
こころ
)
の
働
(
はたら
)
きも
殆
(
ほとん
)
ど
神
(
かみ
)
とかはらなかつた。
090
「フラカン」
神
(
がみ
)
はそれが
気
(
き
)
に
入
(
い
)
らなかつた。
091
『わしたちの
手
(
て
)
から
造
(
つく
)
り
出
(
だ
)
されたものが、
092
わしたちのやうに
偉
(
えら
)
いものであるのは、
093
どうも
面白
(
おもしろ
)
くない。
094
何
(
なん
)
とか
為
(
せ
)
なくてはならぬ』
095
「フラカン」
神
(
がみ
)
はかう
考
(
かんが
)
へて、
096
モウ
一度
(
いちど
)
他
(
た
)
の
神々
(
かみがみ
)
と
相談
(
さうだん
)
をした。
097
そして、
098
『
人間
(
にんげん
)
と
言
(
い
)
ふものは、
099
もつと
不完全
(
ふくわんぜん
)
でなくてはならぬ。
100
もつと
知識
(
ちしき
)
が
少
(
すくな
)
い
方
(
はう
)
が
良
(
よ
)
い。
101
人間
(
にんげん
)
は
決
(
けつ
)
して
神
(
かみ
)
となつてはならぬ』
102
と
言
(
い
)
ふことに
話
(
はなし
)
がきまつた。
103
そこで「フラカン」
神
(
がみ
)
は
四
(
よ
)
人
(
にん
)
の
男
(
をとこ
)
の
目
(
め
)
をねらつて、
104
フツと
息
(
いき
)
を
吹
(
ふ
)
きかけると、
105
眼
(
め
)
がくもつて
大地
(
だいち
)
の
一部
(
いちぶ
)
しか
見
(
み
)
えなくなつた。
106
神々
(
かみがみ
)
は
大地
(
だいち
)
の
隅
(
すみ
)
から
隅
(
すみ
)
まで
見
(
み
)
ることが
出来
(
でき
)
るのであつた。
107
かうして
四
(
よ
)
人
(
にん
)
の
男
(
をとこ
)
を
自分
(
じぶん
)
たちより
劣
(
おと
)
つたものにすると、
108
神々
(
かみがみ
)
は
男
(
をとこ
)
たちを
深
(
ふか
)
い
眠
(
ねむ
)
りに
陥
(
おとしい
)
れて、
109
それから
四
(
よ
)
人
(
にん
)
の
女
(
をんな
)
を
拵
(
こしら
)
へて
男
(
をとこ
)
たちに
妻
(
つま
)
として
与
(
あた
)
へることにした。
110
四
(
よ
)
人
(
にん
)
の
女
(
をんな
)
はそれぞれ「カハ・バルマ」(
落
(
お
)
ちる
水
(
みづ
)
の
義
(
ぎ
)
)と
呼
(
よ
)
ばれ、
111
「チヨイマ」(
美
(
うつく
)
しい
水
(
みづ
)
の
義
(
ぎ
)
)と
呼
(
よ
)
ばれ、
112
「ツヌニハ」(
水
(
みづ
)
の
家
(
いへ
)
の
義
(
ぎ
)
)と
呼
(
よ
)
ばれ、
113
「カキクサ」(
暉
(
かがや
)
く
水
(
みづ
)
の
義
(
ぎ
)
)と
呼
(
よ
)
ばれた。
114
これ
等
(
ら
)
の
八
(
はち
)
人
(
にん
)
の
男女
(
だんぢよ
)
が
人類
(
じんるゐ
)
の
祖先
(
そせん
)
である。
115
次
(
つぎ
)
に
火
(
ひ
)
の
起源
(
きげん
)
について
面白
(
おもしろ
)
い
話
(
はなし
)
がある。
116
それによると
人間
(
にんげん
)
どもは
初
(
はじ
)
め
火
(
ひ
)
を
持
(
も
)
つて
居
(
ゐ
)
なかつた。
117
だから
夜
(
よる
)
は
真暗
(
まつくら
)
な
所
(
ところ
)
に
居
(
ゐ
)
なくてはならぬし、
118
寒
(
さむ
)
い
時
(
とき
)
には
只
(
ただ
)
がたがたと
顫
(
ふる
)
へて
居
(
ゐ
)
なくてはならなかつた。
119
そして
折角
(
せつかく
)
鳥
(
とり
)
や
獣
(
けもの
)
を
手
(
て
)
に
入
(
い
)
れても
生
(
なま
)
のままで
食
(
た
)
べるより
外
(
ほか
)
なかつた。
120
「トヒル」(ぶらつく
者
(
もの
)
の
意
(
い
)
)といふ
神
(
かみ
)
がそれを
見
(
み
)
て、
121
『どうも
可哀
(
かあい
)
さうだ。
122
人間
(
にんげん
)
どもに
火
(
ひ
)
を
与
(
あた
)
へてやる
事
(
こと
)
にしよう』
123
と
言
(
い
)
つて、
124
両方
(
りやうはう
)
の
脚
(
あし
)
を
烈
(
はげ
)
しく
摩
(
す
)
り
合
(
あは
)
せると
忽
(
たちま
)
ち
火
(
ひ
)
が
燃
(
も
)
えだした。
125
人間
(
にんげん
)
どもはその
火
(
ひ
)
をもらつて
皆
(
みな
)
で
分
(
わ
)
けることにした。
126
そしてそれを
消
(
き
)
やさないやうに
大切
(
たいせつ
)
にしてゐたが、
127
ある
時
(
とき
)
大雨
(
おほあめ
)
が
降
(
ふ
)
りつづいて
国中
(
くにぢう
)
の
火
(
ひ
)
をすつかり
消
(
け
)
してしまつた。
128
人間
(
にんげん
)
どもは
非常
(
ひじやう
)
に
嘆
(
なげ
)
きかなしんだ。
129
すると「トヒル」
神
(
がみ
)
がそれを
見
(
み
)
て、
130
『よし、
131
わしがモ
一度
(
いちど
)
火
(
ひ
)
を
拵
(
こしら
)
へてやらう』
132
と
言
(
い
)
つて、
133
自分
(
じぶん
)
の
脚
(
あし
)
と
脚
(
あし
)
とを
摩
(
す
)
り
合
(
あは
)
せると、
134
忽
(
たちま
)
ち
火
(
ひ
)
が
燃
(
も
)
え
出
(
だ
)
した。
135
かうして
人間
(
にんげん
)
どもは
火
(
ひ
)
をなくする
度
(
たび
)
に「トヒル」
神
(
がみ
)
のお
蔭
(
かげ
)
で、
136
それを
手
(
て
)
に
入
(
い
)
れることが
出来
(
でき
)
るのであつた。
137
神
(
かみ
)
から
造
(
つく
)
られた
四
(
よ
)
人
(
にん
)
の
男
(
をとこ
)
と
四
(
よ
)
人
(
にん
)
の
女
(
をんな
)
とは、
138
暗
(
やみ
)
の
世界
(
せかい
)
に
住
(
す
)
んでゐなくてはならなかつた。
139
その
頃
(
ころ
)
はまだ
太陽
(
たいやう
)
がなかつたので、
140
八
(
はち
)
人
(
にん
)
の
男女
(
だんぢよ
)
は
天
(
てん
)
を
仰
(
あふ
)
いで
神々
(
かみがみ
)
に、
141
『どうか、
142
わたくし
達
(
たち
)
に
光明
(
くわうみやう
)
を
与
(
あた
)
へて
下
(
くだ
)
さい。
143
安
(
やす
)
らかな
生活
(
せいくわつ
)
を
恵
(
めぐ
)
んで
下
(
くだ
)
さい』
144
と
祈
(
いの
)
つた。
145
が、
146
いつまで
経
(
た
)
つても
太陽
(
たいやう
)
は
現
(
あら
)
はれなかつた。
147
彼
(
かれ
)
等
(
ら
)
は
悲
(
かな
)
しみ
悩
(
なや
)
んで「ツラン・ジヴァ」(
七
(
なな
)
つの
洞窟
(
どうくつ
)
の
義
(
ぎ
)
)といふ
地
(
ち
)
に
移
(
うつ
)
つて
行
(
い
)
つた。
148
併
(
しか
)
しそこでも
太陽
(
たいやう
)
を
見
(
み
)
る
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
なかつた。
149
さうしてゐるうちに、
150
どうしたのか、
151
言葉
(
ことば
)
の
混乱
(
こんらん
)
が
起
(
おこ
)
つて
八
(
はち
)
人
(
にん
)
の
男女
(
だんぢよ
)
は、
152
お
互
(
たがひ
)
にお
互
(
たがひ
)
の
言
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
が
解
(
わか
)
らぬやうになつた。
153
彼
(
かれ
)
等
(
ら
)
はモウすつかり
困
(
こま
)
つてしまつて「トヒル」
神
(
がみ
)
に、
154
『どうかわたくし
等
(
たち
)
を
率
(
ひき
)
ゐて、
155
どこかもつと
幸福
(
かうふく
)
な
土地
(
とち
)
に
移
(
うつ
)
して
下
(
くだ
)
さい』
156
と
祈
(
いの
)
つた。
157
たうとう
彼
(
かれ
)
等
(
ら
)
は「トヒル」
神
(
がみ
)
の
教
(
をしへ
)
によつて
長
(
なが
)
い
旅路
(
たびぢ
)
についた。
158
高
(
たか
)
い
山
(
やま
)
をいくつとなく
越
(
こ
)
えて
行
(
ゆ
)
くうちに、
159
大
(
おほ
)
きな
海
(
うみ
)
に
出
(
で
)
た。
160
船
(
ふね
)
を
持
(
も
)
たぬ
彼
(
かれ
)
等
(
ら
)
は、
161
どうして
漫々
(
まんまん
)
たる
海原
(
うなばら
)
を
渡
(
わた
)
らうかと
思
(
おも
)
ひ
煩
(
わづら
)
つて
居
(
ゐ
)
ると、
162
不思議
(
ふしぎ
)
にも
水
(
みづ
)
がさつと
二
(
ふた
)
つに
分
(
わか
)
れて、
163
一筋
(
ひとすぢ
)
の
路
(
みち
)
が
出来
(
でき
)
た。
164
彼
(
かれ
)
等
(
ら
)
はその
道
(
みち
)
を
辿
(
たど
)
つて「ハカヴィツ」といふ
山
(
やま
)
の
麓
(
ふもと
)
に
来
(
き
)
た。
165
『わたしたちは、
166
ここに
留
(
とどま
)
らなくてはならぬ。
167
「トヒル」
神
(
がみ
)
さまのお
告
(
つ
)
げによると、
168
わしたちは
此所
(
ここ
)
で
太陽
(
たいやう
)
を
見
(
み
)
ることが
出来
(
でき
)
るのだから』
169
と
四
(
よ
)
人
(
にん
)
の
男
(
をとこ
)
が
言
(
い
)
つた。
170
『ええさうしませう。
171
日
(
ひ
)
の
光
(
ひかり
)
を
見
(
み
)
ることが
出来
(
でき
)
たら、
172
どんなに
嬉
(
うれ
)
しいでせう』
173
と
四
(
よ
)
人
(
にん
)
の
女
(
をんな
)
が
言
(
い
)
つた。
174
かうして
彼
(
かれ
)
等
(
ら
)
がひたすら
日
(
ひ
)
の
光
(
ひかり
)
を
待
(
ま
)
ちこがれてゐると、
175
やがて
太陽
(
たいやう
)
が
赤々
(
あかあか
)
と
東
(
ひがし
)
の
空
(
そら
)
から
現
(
あら
)
はれて、
176
明
(
あか
)
るく
温
(
あたた
)
かな
日
(
ひ
)
の
光
(
ひかり
)
が
野山
(
のやま
)
に
充
(
み
)
ち
満
(
み
)
ちた。
177
もつとも
初
(
はじ
)
めのうちは
日
(
ひ
)
の
光
(
ひかり
)
が、
178
さほど
強
(
つよ
)
くなかつた。
179
あとでは
祭壇
(
さいだん
)
の
上
(
うへ
)
の
犠牲
(
いけにへ
)
の
血
(
ち
)
をすぐに
吸
(
す
)
ひとつてしまふほど
烈
(
はげ
)
しい
熱
(
ねつ
)
を
発
(
はつ
)
するやうになつた。
180
太陽
(
たいやう
)
も
始
(
はじ
)
めて
八
(
はち
)
人
(
にん
)
の
男女
(
だんぢよ
)
の
目
(
め
)
にうつつた
時
(
とき
)
には、
181
鏡
(
かがみ
)
の
中
(
なか
)
の
影
(
かげ
)
のやうに
見
(
み
)
えたのであつた。
182
それでも
始
(
はじ
)
めて
太陽
(
たいやう
)
を
見
(
み
)
たので、
183
男
(
をとこ
)
も
女
(
をんな
)
も
獣類
(
けだもの
)
も
嬉
(
うれ
)
しさの
余
(
あま
)
り
殆
(
ほとん
)
ど
踊
(
をど
)
り
狂
(
くる
)
はむばかりであつた。
184
彼
(
かれ
)
等
(
ら
)
は
声
(
こゑ
)
をそろへて「カムク」といふ
歌
(
うた
)
をうたひ
出
(
だ
)
した。
185
「カムク」とは「
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
は
見
(
み
)
つ」といふ
意味
(
いみ
)
で、
186
つまり
始
(
はじ
)
めて
太陽
(
たいやう
)
を
見
(
み
)
た
時
(
とき
)
の
胸
(
むね
)
の
中
(
うち
)
の
歓喜
(
くわんき
)
がおのづから
迸
(
ほとばし
)
り
出
(
で
)
たのであつた。
187
かうして
八
(
はち
)
人
(
にん
)
の
男女
(
だんぢよ
)
は「ハカヴィツ」
山
(
やま
)
の
麓
(
ふもと
)
に「キシエ」
族
(
ぞく
)
の
最初
(
さいしよ
)
の
町
(
まち
)
をこしらへて、
188
そこに
永
(
なが
)
く
住
(
す
)
むことになつた。
189
時
(
とき
)
がたつにつれて、
190
人間
(
にんげん
)
の
数
(
かず
)
がだんだんに
殖
(
ふ
)
ゑて
来
(
き
)
た。
191
そしてその
祖
(
そ
)
である
八
(
はち
)
人
(
にん
)
の
男女
(
だんぢよ
)
も、
192
だんだんと
年老
(
としよ
)
りになつた。
193
ある
日
(
ひ
)
、
194
神々
(
かみがみ
)
が
幻
(
まぼろし
)
のやうに
八
(
はち
)
人
(
にん
)
の
男女
(
だんぢよ
)
たちの
前
(
まへ
)
に
現
(
あら
)
はれて、
195
『お
前
(
まへ
)
たちの
子孫
(
しそん
)
が
末長
(
すゑなが
)
く
栄
(
さか
)
えることを
願
(
ねが
)
ふなら、
196
わたしたちに
人間
(
にんげん
)
の
犠牲
(
いけにへ
)
をささげなくてはならぬ』
197
と
言
(
い
)
つた。
198
八
(
はち
)
人
(
にん
)
の
男女
(
だんぢよ
)
は
神々
(
かみがみ
)
の
教
(
をしへ
)
に
従
(
したが
)
ふために、
199
近
(
ちか
)
くの
地
(
ち
)
に
住
(
す
)
んでゐる
他
(
た
)
の
部落
(
ぶらく
)
を
襲
(
おそ
)
うた。
200
他
(
た
)
の
部落
(
ぶらく
)
のもの
共
(
ども
)
は、
201
八
(
はち
)
人
(
にん
)
の
男女
(
だんぢよ
)
に
率
(
ひき
)
ゐられた「キシェ」
族
(
ぞく
)
に
対
(
たい
)
して
烈
(
はげ
)
しく
争
(
あらそ
)
つた。
202
血腥
(
ちなまぐさ
)
い
戦
(
たたかひ
)
が
長
(
なが
)
く
続
(
つづ
)
いて、
203
どちらが
勝
(
か
)
つとも
見
(
み
)
えなかつた。
204
すると、
205
どこからとなく
地蜂
(
ぢばち
)
や
熊蜂
(
くまばち
)
の
群
(
むれ
)
が
現
(
あら
)
はれて
来
(
き
)
て、
206
「キシェ」
族
(
ぞく
)
を
助
(
たす
)
けて
敵
(
てき
)
の
兵
(
つはもの
)
どもの
顔
(
かほ
)
に
飛
(
と
)
びついては
烈
(
はげ
)
しくその
眼
(
め
)
を
刺
(
さ
)
した。
207
敵
(
てき
)
の
兵
(
つはもの
)
は
目
(
め
)
がつぶれて
武器
(
ぶき
)
を
振
(
ふ
)
りまはすことが
出来
(
でき
)
なくなつて
悉
(
ことごと
)
く
降参
(
かうさん
)
してしまつた。
208
八
(
はち
)
人
(
にん
)
の
男女
(
だんぢよ
)
は
敵勢
(
てきぜい
)
のうちから
幾人
(
いくにん
)
かを
選
(
え
)
り
出
(
だ
)
して
犠牲
(
いけにへ
)
として
神々
(
かみがみ
)
にささげた。
209
かうして「キシェ」
族
(
ぞく
)
は
次第
(
しだい
)
に
近
(
ちか
)
くの
部落
(
ぶらく
)
をきり
従
(
したが
)
へて
行
(
い
)
つたが、
210
その
中
(
うち
)
に
彼
(
かれ
)
等
(
ら
)
の
祖
(
そ
)
である
四
(
よ
)
人
(
にん
)
の
男
(
をとこ
)
はいよいよ
年
(
とし
)
がいつた。
211
彼
(
かれ
)
等
(
ら
)
は
臨終
(
りんじう
)
が
近
(
ちか
)
づいたといふ
事
(
こと
)
を
悟
(
さと
)
つて、
212
別
(
わか
)
れの
言葉
(
ことば
)
を
言
(
い
)
つて
聞
(
き
)
かすために、
213
子
(
こ
)
や
孫
(
まご
)
や
親族
(
しんぞく
)
たちを
自分
(
じぶん
)
のまはりに
呼
(
よ
)
びよせた。
214
そして
別
(
わか
)
れの
言葉
(
ことば
)
がすむと
四
(
よ
)
人
(
にん
)
の
男
(
をとこ
)
の
姿
(
すがた
)
が
忽
(
たちま
)
ち
見
(
み
)
えなくなつた。
215
そして
其
(
その
)
あとに
大
(
おほ
)
きな
巻束
(
まきたば
)
が
現
(
あら
)
はれた。
216
「キシェ」
族
(
ぞく
)
はその
巻束
(
まきたば
)
を「
包
(
つつ
)
まれたる
厳
(
いづ
)
の
宝
(
たから
)
」と
名
(
な
)
づけて、
217
決
(
けつ
)
して
之
(
これ
)
を
開
(
ひら
)
かなかつた。
218
要
(
えう
)
するに、
219
この
物語
(
ものがたり
)
は「キシェ」
族
(
ぞく
)
が
寒
(
さむ
)
い
地方
(
ちはう
)
から
暖
(
あたたか
)
い
南方
(
なんばう
)
に
移住
(
いぢう
)
した
史的
(
してき
)
事実
(
じじつ
)
を
反映
(
はんえい
)
してゐるやうに
考
(
かんが
)
へられるのである。
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