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霊界物語
天祥地瑞(第73~81巻)
第76巻(卯の巻)
序文
総説
日本所伝の天地開闢説
支那の開闢説
波斯の宇宙創造説
希臘の天地開闢説
エヂプトの開闢説
メキシコナフア族の天地創造説
マヤ族の万物創造説
北欧に於ける宇宙創造説
太平洋西北岸創造説
英領北亜米利加創造説
亜弗利加神話
ヘブライ天地創造説
パレスチン創造説
ミクロネシヤ創造説
インドネシヤ創造説
第1篇 春風駘蕩
第1章 高宮参拝
第2章 魔の渓流
第3章 行進歌
第4章 怪しの巌山
第5章 露の宿
第2篇 晩春の神庭
第6章 報告祭
第7章 外苑の逍遥
第8章 善言美霊
第3篇 孤軍奮闘
第9章 闇の河畔
第10章 二本松の蔭
第11章 栄城の山彦
第12章 山上の祈り
第13章 朝駒の別れ
第14章 磐楠舟
第15章 御舟巌
余白歌
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> 第3篇 孤軍奮闘 > 第10章 二本松の蔭
<<< 闇の河畔
(B)
(N)
栄城の山彦 >>>
第一〇章
二本松
(
にほんまつ
)
の
蔭
(
かげ
)
〔一九二七〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第76巻 天祥地瑞 卯の巻
篇:
第3篇 孤軍奮闘
よみ(新仮名遣い):
こぐんふんとう
章:
第10章 二本松の蔭
よみ(新仮名遣い):
にほんまつのかげ
通し章番号:
1927
口述日:
1933(昭和8)年12月07日(旧10月20日)
口述場所:
水明閣
筆録者:
内崎照代
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1934(昭和9)年3月23日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
見渡す限り夏草が萌える大野ケ原を進みつつ、朝香比女は馬上に歌を吟じながら進んでいた。昨日の曲津神の来襲と勝利をふりかえりつつ、顕津男の神への思いをつづっていた。
比女は駒をひらりと降りると、二本松の樹下にしばし休らった。どこまでも広がる青空の下の草原の木陰で休息を取った朝香比女は、顕津男の神への思いを述懐歌に歌った。
日のまだ高いうちに再び馬上の人となった比女は、栄城山を目指して進んだ。顕津男の神が、御樋代神もおらず、スウヤトゴルの大曲津神が待ち受けている西方の国へと向かったことを風の便りに聞き、かの地に思いを馳せた。
その日の黄昏頃、比女は栄城山に着いた。栄城山の神々たちは、御樋代神がやってくることを伝え聞いており、山麓の谷川の岸辺まで出迎えに来ていた。機造男の神、散花男の神、中割男の神、小夜更の神、親幸男の神の五柱、いずれもウ声の言霊から生る出でた神々だった。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
rm7610
愛善世界社版:
八幡書店版:
第13輯 549頁
修補版:
校定版:
352頁
普及版:
初版:
ページ備考:
001
見渡
(
みわた
)
す
限
(
かぎ
)
り
夏草
(
なつぐさ
)
萌
(
も
)
ゆる
大野
(
おほの
)
ケ
原
(
はら
)
の
露
(
つゆ
)
を
駒
(
こま
)
の
蹄
(
ひづめ
)
に
踏
(
ふ
)
みくだきながら、
002
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
は
馬上
(
ばじやう
)
豊
(
ゆたか
)
に、
003
小声
(
こごゑ
)
に
御歌
(
みうた
)
吟
(
ぎん
)
じつつ
進
(
すす
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
004
『
丹牡丹
(
にぼたん
)
燃
(
も
)
ゆる
高地秀
(
たかちほ
)
の
005
宮居
(
みや
)
の
聖所
(
すがど
)
を
立
(
た
)
ち
出
(
い
)
でて
006
駿馬
(
はやこま
)
の
背
(
せ
)
に
跨
(
またが
)
りつ
007
果
(
はて
)
しも
知
(
し
)
らぬ
大野原
(
おほのはら
)
008
進
(
すす
)
みて
来
(
きた
)
る
折
(
をり
)
もあれ
009
霞
(
かすみ
)
ただよふ
野
(
の
)
の
果
(
はて
)
に
010
ひとり
淋
(
さび
)
しも
天津
(
あまつ
)
日
(
ひ
)
かげは
地
(
ち
)
にかくれ
011
黄昏
(
たそがれ
)
の
幕
(
まく
)
はおそひ
来
(
き
)
ぬ
012
駒
(
こま
)
の
脚並
(
あしなみ
)
いそいそと
013
とある
河辺
(
かはべ
)
に
着
(
つ
)
きぬれば
014
闇
(
やみ
)
はますます
深
(
ふか
)
みつつ
015
ただ
一条
(
ひとすぢ
)
の
河瀬
(
かわせ
)
の
色
(
いろ
)
は
016
闇
(
やみ
)
に
白々
(
しろじろ
)
横
(
よこた
)
はり
017
せせらぎの
音
(
おと
)
幽
(
かすか
)
に
響
(
ひび
)
く
018
かかる
淋
(
さび
)
しき
河
(
かは
)
の
辺
(
べ
)
に
019
駒
(
こま
)
に
跨
(
またが
)
り
佇
(
たたず
)
める
020
折
(
をり
)
しもあれや
曲津見
(
まがつみ
)
は
021
火玉
(
ひだま
)
となりて
河下
(
かはしも
)
ゆ
022
闇
(
やみ
)
を
照
(
て
)
らしつ
迫
(
せま
)
り
来
(
く
)
る
023
よくよく
見
(
み
)
れば
火
(
ひ
)
の
玉
(
たま
)
は
024
眼
(
まなこ
)
一
(
ひと
)
つに
口
(
くち
)
八
(
やつ
)
つ
025
各自
(
おのもおのも
)
に
口
(
くち
)
開
(
ひら
)
き
026
巨大
(
きよだい
)
の
蜂
(
はち
)
を
吐
(
は
)
き
出
(
いだ
)
し
027
吾
(
われ
)
と
駒
(
こま
)
とを
襲
(
おそ
)
ひければ
028
駒
(
こま
)
はかしこく
水中
(
すゐちう
)
に
029
身
(
み
)
ををどらして
飛
(
と
)
び
込
(
こ
)
みつ
030
蜂
(
はち
)
の
禍
(
わざはひ
)
のがれける
031
妾
(
わらは
)
は
言霊
(
ことたま
)
宣
(
の
)
り
上
(
あ
)
げて
032
神
(
かみ
)
を
祈
(
いの
)
りつ
燧石
(
ひうちいし
)
033
かちりかちりと
打
(
う
)
ち
出
(
だ
)
せば
034
忽
(
たちま
)
ち
真火
(
まひ
)
はほとばしり
035
あたりを
照
(
て
)
らす
功績
(
いさをし
)
に
036
さすが
曲津見
(
まがつみ
)
恐
(
おそ
)
れ
出
(
だ
)
し
037
煙
(
けむり
)
となりて
消
(
き
)
え
去
(
さ
)
りぬ
038
折
(
をり
)
しもあれや
東
(
ひむがし
)
の
039
空
(
そら
)
はほのぼの
東雲
(
しのの
)
めて
040
鵲
(
かささぎ
)
の
声
(
こゑ
)
さわやかに
041
虫
(
むし
)
の
音
(
ね
)
清
(
きよ
)
く
朝風
(
あさかぜ
)
は
042
おもむろに
大野
(
おほの
)
ケ
原
(
はら
)
を
吹
(
ふ
)
き
043
せせらぎの
音
(
おと
)
さやさやに
044
響
(
ひび
)
き
渡
(
わた
)
れる
暁
(
あかつき
)
の
045
空
(
そら
)
より
昇
(
のぼ
)
る
天津
(
あまつ
)
日
(
ひ
)
は
046
光
(
ひかり
)
の
限
(
かぎ
)
りを
光
(
ひか
)
らせつ
047
草葉
(
くさば
)
の
露
(
つゆ
)
を
玉
(
たま
)
と
照
(
て
)
らし
048
中天
(
ちうてん
)
高
(
たか
)
く
昇
(
のぼ
)
ります
049
ああ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
050
高地秀
(
たかちほ
)
山
(
やま
)
を
立
(
た
)
ち
出
(
い
)
でて
051
初
(
はじ
)
めて
遇
(
あ
)
ひし
曲津見
(
まがつみ
)
の
052
曲
(
まが
)
の
禍
(
わざはひ
)
追
(
お
)
ひ
払
(
はら
)
ひ
053
極
(
きは
)
みも
知
(
し
)
らぬ
夏
(
なつ
)
の
野
(
の
)
を
054
吾
(
われ
)
ただ
一人
(
ひとり
)
進
(
すす
)
むなり
055
わが
背
(
せ
)
の
岐美
(
きみ
)
は
今
(
いま
)
何処
(
いづこ
)
056
一日
(
ひとひ
)
も
早
(
はや
)
く
巡
(
めぐ
)
り
逢
(
あ
)
ひ
057
積
(
つも
)
る
思
(
おも
)
ひの
数々
(
かずかず
)
を
058
岐美
(
きみ
)
の
御前
(
みまへ
)
に
打
(
う
)
ち
開
(
あ
)
けて
059
日頃
(
ひごろ
)
の
恋
(
こひ
)
の
意地
(
いぢ
)
を
立
(
た
)
て
060
水火
(
いき
)
と
水火
(
いき
)
とを
合
(
あは
)
せつつ
061
神
(
かみ
)
の
依
(
よ
)
さしの
神業
(
かむわざ
)
に
062
仕
(
つか
)
へ
奉
(
まつ
)
らでおくべきか
063
吾
(
われ
)
は
女神
(
めがみ
)
の
身
(
み
)
なれども
064
御樋代
(
みひしろ
)
神
(
がみ
)
と
選
(
えら
)
まれし
065
主
(
ス
)
の
大神
(
おほかみ
)
が
国土生
(
くにう
)
みの
066
貴
(
うづ
)
の
器
(
うつは
)
ぞ
宝
(
たから
)
ぞや
067
鶴
(
つる
)
は
御空
(
みそら
)
に
舞
(
ま
)
ひ
遊
(
あそ
)
び
068
小鳥
(
ことり
)
は
天界
(
みよ
)
の
春
(
はる
)
うたひ
069
千草
(
ちぐさ
)
にすだく
虫
(
むし
)
の
音
(
ね
)
は
070
わが
出
(
い
)
で
立
(
た
)
ちを
寿
(
ことほ
)
ぎつ
071
駒
(
こま
)
の
嘶
(
いなな
)
き
勇
(
いさ
)
ましく
072
風
(
かぜ
)
の
響
(
ひびき
)
も
冴
(
さ
)
えきりて
073
わが
行
(
ゆ
)
く
野辺
(
のべ
)
は
広々
(
ひろびろ
)
と
074
果
(
はて
)
しも
知
(
し
)
らぬ
主
(
ス
)
の
神
(
かみ
)
の
075
御稜威
(
みいづ
)
を
此処
(
ここ
)
にあらはせり
076
ああ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
077
栄城
(
さかき
)
の
山
(
やま
)
も
近
(
ちか
)
づきぬ
078
駿馬
(
はやこま
)
の
蹄
(
ひづめ
)
休
(
やす
)
めて
今
(
いま
)
しばし
079
吾
(
われ
)
も
憩
(
いこ
)
はむ
常磐樹
(
ときはぎ
)
の
080
二本
(
ふたもと
)
並
(
なら
)
ぶこの
樹蔭
(
こかげ
)
』
081
と
歌
(
うた
)
はせつつ
駒
(
こま
)
をひらりと
飛
(
と
)
び
下
(
お
)
り、
082
二本松
(
にほんまつ
)
の
樹下
(
こした
)
に
暫
(
しば
)
しを
休
(
やす
)
らひ
給
(
たま
)
ふ。
083
『
久方
(
ひさかた
)
の
御空
(
みそら
)
は
高
(
たか
)
し
野
(
の
)
は
広
(
ひろ
)
し
084
その
真中
(
まんなか
)
をわれ
一人
(
ひとり
)
行
(
ゆ
)
くも
085
国土
(
くに
)
稚
(
わか
)
き
大野
(
おほの
)
を
駒
(
こま
)
に
跨
(
またが
)
りて
086
行
(
ゆ
)
くはたのしも
岐美
(
きみ
)
を
力
(
ちから
)
に
087
目
(
め
)
にさはるもの
一
(
ひと
)
つなき
広野原
(
ひろのはら
)
に
088
珍
(
めづら
)
しきかも
二本
(
ふたもと
)
の
松
(
まつ
)
089
二本
(
ふたもと
)
の
松
(
まつ
)
の
樹蔭
(
こかげ
)
に
休
(
やす
)
らへば
090
御空
(
みそら
)
に
低
(
ひく
)
う
田鶴
(
たづ
)
の
舞
(
ま
)
ふなり
091
この
松
(
まつ
)
は
梢
(
こずゑ
)
こもれり
真鶴
(
まなづる
)
の
092
翼
(
つばさ
)
休
(
やす
)
むる
聖所
(
すがど
)
なるらむ
093
駿馬
(
はやこま
)
は
青草
(
あをぐさ
)
むしりわれは
今
(
いま
)
094
生言霊
(
いくことたま
)
の
水火
(
いき
)
を
吸
(
す
)
ふなり
095
天界
(
かみくに
)
に
生
(
うま
)
れて
清
(
きよ
)
き
言霊
(
ことたま
)
の
096
水火
(
いき
)
を
吸
(
す
)
ひつつ
生
(
い
)
くる
吾
(
われ
)
なり
097
百草
(
ももぐさ
)
の
花
(
はな
)
はいろいろ
咲
(
さ
)
き
満
(
み
)
ちて
098
わが
行
(
ゆ
)
く
道
(
みち
)
を
飾
(
かざ
)
りたつるも
099
種々
(
くさぐさ
)
の
花
(
はな
)
咲
(
さ
)
き
匂
(
にほ
)
ふ
大野原
(
おほのはら
)
に
100
暫
(
しば
)
しやすらひ
岐美
(
きみ
)
の
歌
(
うた
)
詠
(
よ
)
まむ
101
顕津男
(
あきつを
)
の
神
(
かみ
)
の
神言
(
みこと
)
の
瑞御霊
(
みづみたま
)
102
あつき
心
(
こころ
)
のわれには
解
(
と
)
けむ
103
冬
(
ふゆ
)
の
日
(
ひ
)
の
氷
(
こほり
)
の
如
(
ごと
)
く
堅
(
かた
)
くとも
104
熱
(
ねつ
)
には
解
(
と
)
くる
瑞御霊
(
みづみたま
)
かも
105
御子生
(
みこう
)
みの
神業
(
みわざ
)
に
仕
(
つか
)
ふる
岐美
(
きみ
)
故
(
ゆゑ
)
に
106
わが
伊行
(
いゆ
)
くとも
辞
(
いな
)
みたまはじ
107
おほらかに
御樋代
(
みひしろ
)
神
(
がみ
)
と
名乗
(
なの
)
りつつ
108
われは
仕
(
つか
)
へむ
岐美
(
きみ
)
の
御前
(
みまへ
)
に
109
その
岐美
(
きみ
)
の
在処
(
ありか
)
は
未
(
いま
)
だ
知
(
し
)
らねども
110
矢竹心
(
やたけごころ
)
のかよはざらめや
111
高地秀
(
たかちほ
)
の
貴
(
うづ
)
の
宮居
(
みやゐ
)
を
立
(
た
)
ち
出
(
い
)
でて
112
一人旅
(
ひとりたび
)
すも
岐美
(
きみ
)
に
逢
(
あ
)
はむと
113
曲津見
(
まがつみ
)
の
醜
(
しこ
)
の
荒
(
すさ
)
びを
言
(
こと
)
むけて
114
岐美
(
きみ
)
に
会
(
あ
)
はむとわが
来
(
き
)
つるかも
115
よしやよし
万里
(
ばんり
)
の
遠
(
とほ
)
きにいますとも
116
たづね
行
(
ゆ
)
かなむ
真心
(
まごころ
)
の
駒
(
こま
)
に
117
わが
駒
(
こま
)
は
歩
(
あゆ
)
みも
速
(
はや
)
し
幾万
(
いくまん
)
里
(
り
)
118
彼方
(
あなた
)
の
空
(
そら
)
もやすく
進
(
すす
)
まむ
119
二本
(
ふたもと
)
の
常磐
(
ときは
)
の
松
(
まつ
)
の
蔭
(
かげ
)
に
立
(
た
)
ちて
120
岐美
(
きみ
)
と
吾
(
われ
)
とのすがた
見
(
み
)
るかな
121
一本
(
ひともと
)
は
雄松
(
をまつ
)
なりけり
一本
(
ひともと
)
は
122
わが
身
(
み
)
に
似
(
に
)
たる
雌松
(
めまつ
)
なるかも
123
落
(
お
)
ち
散
(
ち
)
りし
松
(
まつ
)
の
一葉
(
ひとは
)
も
二本
(
ふたもと
)
の
124
鉢葉
(
はりは
)
は
堅
(
かた
)
くはなれざりけり
125
広々
(
ひろびろ
)
と
果
(
はて
)
しも
知
(
し
)
らぬ
野
(
の
)
の
中
(
なか
)
に
126
生
(
お
)
ふる
二本
(
ふたもと
)
の
松
(
まつ
)
めづらしも
127
雌雄
(
めを
)
の
松
(
まつ
)
梢
(
こずゑ
)
手折
(
たを
)
りてわが
髪
(
かみ
)
に
128
かざし
進
(
すす
)
まむ
遠
(
とほ
)
き
大野
(
おほの
)
を
129
わがかざす
松
(
まつ
)
の
梢
(
こずゑ
)
は
岐美
(
きみ
)
がりに
130
誓
(
ちか
)
ひまゐらすしるしともがな
131
わが
行手
(
ゆくて
)
祝
(
いは
)
ひて
舞
(
ま
)
ふか
真鶴
(
まなづる
)
は
132
頭上
(
づじやう
)
を
高
(
たか
)
くつばさ
搏
(
う
)
つなり
133
安
(
やす
)
らかにあるべき
身
(
み
)
ながら
恋
(
こひ
)
故
(
ゆゑ
)
に
134
われは
万里
(
ばんり
)
の
旅
(
たび
)
に
立
(
た
)
つかも
135
広々
(
ひろびろ
)
と
果
(
はて
)
しも
知
(
し
)
らぬ
天界
(
かみくに
)
を
136
一人
(
ひとり
)
の
岐美
(
きみ
)
に
会
(
あ
)
はむと
行
(
ゆ
)
くかも
137
わが
恋
(
こひ
)
は
御空
(
みそら
)
の
如
(
ごと
)
くはろけかり
138
月読
(
つきよみ
)
の
舟
(
ふね
)
のそれならなくに
139
比女神
(
ひめがみ
)
の
固
(
かた
)
き
心
(
こころ
)
は
岩ケ根
(
いはがね
)
も
140
貫
(
つらぬ
)
かずしておくべきものかは
141
いざさらば
再
(
ふたた
)
び
駒
(
こま
)
に
跨
(
またが
)
りて
142
万里
(
ばんり
)
の
広野
(
ひろの
)
を
駈
(
か
)
け
行
(
ゆ
)
かむかも』
143
斯
(
か
)
く
歌
(
うた
)
ひ
給
(
たま
)
ひ、
144
ひらりと
駒
(
こま
)
に
跨
(
またが
)
り、
145
御空
(
みそら
)
に
輝
(
かがや
)
く
日
(
ひ
)
の
御光
(
みかげ
)
を
仰
(
あふ
)
ぎながら、
146
またもや
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
147
『
高照
(
たかてる
)
の
山
(
やま
)
の
尾
(
を
)
の
上
(
へ
)
を
出
(
い
)
でし
日
(
ひ
)
は
148
わが
頭辺
(
かしらべ
)
にかがやき
給
(
たま
)
へり
149
高地秀
(
たかちほ
)
の
峰
(
みね
)
に
沈
(
しづ
)
ます
頃
(
ころ
)
ほひは
150
栄城
(
さかき
)
の
山
(
やま
)
にわれは
進
(
すす
)
まむ
151
なつかしき
栄城
(
さかき
)
の
山
(
やま
)
よわが
岐美
(
きみ
)
の
152
祈
(
いの
)
りたまひし
聖所
(
すがど
)
と
思
(
おも
)
へば
153
栄城山
(
さかきやま
)
尾
(
を
)
の
上
(
へ
)
の
宮居
(
みや
)
に
詣
(
まう
)
でつつ
154
岐美
(
きみ
)
の
行方
(
ゆくへ
)
をうかがはむかも
155
南
(
みむなみ
)
の
国土
(
くに
)
を
巡
(
めぐ
)
りて
西方
(
にしかた
)
の
156
国土
(
くに
)
にいますと
便
(
たよ
)
りは
聞
(
き
)
けども
157
西方
(
にしかた
)
の
国土
(
くに
)
には
御樋代
(
みひしろ
)
神
(
がみ
)
あらず
158
われは
進
(
すす
)
みて
神業
(
みわざ
)
に
仕
(
つか
)
へむ
159
スウヤトゴルの
大曲津見
(
おほまがつみ
)
は
黒雲
(
くろくも
)
と
160
なりて
日
(
ひ
)
に
夜
(
よ
)
に
猛
(
たけ
)
ぶとぞ
聞
(
き
)
く
161
背
(
せ
)
の
岐美
(
きみ
)
を
悩
(
なや
)
ます
醜
(
しこ
)
の
曲津見
(
まがつみ
)
を
162
吾
(
われ
)
はやらはむ
真火
(
まひ
)
の
功
(
いさを
)
に
163
鋭敏鳴出
(
うなりづ
)
の
神
(
かみ
)
の
神言
(
みこと
)
の
教
(
をし
)
へたる
164
真火
(
まひ
)
の
力
(
ちから
)
に
刃向
(
はむか
)
ふ
曲津
(
まが
)
なし
165
曲津見
(
まがつみ
)
に
向
(
むか
)
ひてこよなき
武器
(
ぶき
)
こそは
166
燧
(
ひうち
)
の
真火
(
まひ
)
にまさるものなし
167
曲津見
(
まがつみ
)
は
陽火
(
やうくわ
)
をおそれ
陰火
(
いんくわ
)
もて
168
国津神
(
くにつかみ
)
等
(
たち
)
を
悩
(
なや
)
ましをるかも
169
そよそよと
吹
(
ふ
)
き
来
(
く
)
る
風
(
かぜ
)
も
芳
(
かむ
)
ばしき
170
栄城
(
さかき
)
の
山
(
やま
)
の
千花
(
ちばな
)
のかをりか
171
由縁
(
ゆかり
)
ある
栄城
(
さかき
)
の
山
(
やま
)
に
駈
(
か
)
けつけて
172
岐美
(
きみ
)
の
御後
(
みあと
)
を
偲
(
しの
)
びまつらむ
173
栄城山
(
さかきやま
)
遠野
(
とほの
)
の
奥
(
おく
)
に
霞
(
かす
)
みたり
174
ひと
鞭
(
むち
)
あててわれ
急
(
いそ
)
がばや』
175
斯
(
か
)
く
歌
(
うた
)
はせ
給
(
たま
)
ひつつ、
176
遥
(
はるか
)
の
空
(
そら
)
にぼんやりと
霞
(
かす
)
む
栄城
(
さかき
)
の
山
(
やま
)
を
目当
(
めあて
)
に、
177
其
(
そ
)
の
日
(
ひ
)
の
黄昏
(
たそが
)
れる
頃
(
ころ
)
、
178
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
は
安々
(
やすやす
)
と
着
(
つ
)
かせ
給
(
たま
)
ひける。
179
栄城山
(
さかきやま
)
の
神々
(
かみがみ
)
は
御樋代
(
みひしろ
)
神
(
がみ
)
出
(
い
)
でますと、
180
雁
(
かりがね
)
の
便
(
たよ
)
りに
聞
(
き
)
き
知
(
し
)
りまして、
181
山麓
(
さんろく
)
に
横
(
よこた
)
はる
細溪川
(
ほそたにがは
)
の
岸辺
(
きしべ
)
まで
出迎
(
でむか
)
へ
給
(
たま
)
ふ。
182
其
(
そ
)
の
神
(
かみ
)
の
御名
(
みな
)
は
機造男
(
はたつくりを
)
の
神
(
かみ
)
、
183
散花男
(
ちるはなを
)
の
神
(
かみ
)
、
184
中割男
(
なかさきを
)
の
神
(
かみ
)
、
185
小夜更
(
さよふけ
)
の
神
(
かみ
)
、
186
親幸男
(
ちかさちを
)
の
神
(
かみ
)
の
五柱
(
いつはしら
)
にして、
187
何
(
いづ
)
れもウ
声
(
ごゑ
)
の
言霊
(
ことたま
)
より
生
(
な
)
り
出
(
い
)
で
給
(
たま
)
ひし
神々
(
かみがみ
)
におはせり。
188
(
昭和八・一二・七
旧一〇・二〇
於水明閣
内崎照代
謹録)
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(B)
(N)
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