霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
目 次設 定
設定
印刷用画面を開く [?]プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。[×閉じる]
話者名の追加表示 [?]セリフの前に話者名が記していない場合、誰がしゃべっているセリフなのか分からなくなってしまう場合があります。底本にはありませんが、話者名を追加して表示します。[×閉じる]
表示できる章
テキストのタイプ [?]ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。[×閉じる]

文字サイズ
フォント

ルビの表示



アンカーの表示 [?]本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。[×閉じる]


宣伝歌 [?]宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。[×閉じる]
脚注 [?][※]や[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。まだ少ししか付いていませんが、目障りな場合は「表示しない」設定に変えて下さい。ただし[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。[×閉じる]


文字の色
背景の色
ルビの色
傍点の色 [?]底本で傍点(圏点)が付いている文字は、『霊界物語ネット』では太字で表示されますが、その色を変えます。[×閉じる]
外字1の色 [?]この設定は現在使われておりません。[×閉じる]
外字2の色 [?]文字がフォントに存在せず、画像を使っている場合がありますが、その画像の周囲の色を変えます。[×閉じる]

  

表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。


【新着情報】サイトの全面改修に伴いサブスク化します。詳しくはこちらをどうぞ。(2023/12/19)
マーキングパネル
設定パネルで「全てのアンカーを表示」させてアンカーをクリックして下さい。

【引数の設定例】 &mky=a010-a021a034  アンカー010から021と、034を、イエローでマーキング。

          

第二章 ()渓流(けいりう)〔一九一九〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第76巻 天祥地瑞 卯の巻 篇:第1篇 春風駘蕩 よみ(新仮名遣い):しゅんぷうたいとう
章:第2章 魔の渓流 よみ(新仮名遣い):まのけいりゅう 通し章番号:1919
口述日:1933(昭和8)年12月05日(旧10月18日) 口述場所:水明閣 筆録者:谷前清子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1934(昭和9)年3月23日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
高地秀の宮への帰り道、鋭敏鳴出の神は行進歌を歌いながら進んで行った。
すると、行く手に断崖の渓流が現れた。天津高宮への詣でのときにはこのような渓流はなかったので、一同は曲津神にたくらみであると悟った。そして、心身を清めて言霊で渓流を退けようと、まず高野比女が言霊歌を詠み始めた。
鋭敏鳴出の神は、言霊の限りを尽くして『ウーウーウー』と唸り出れば、渓流の水はたちまち雲となって天に上り出し、風になびいて東の空に立ち去ってしまった。
一同は鋭敏鳴出の神の言霊をたたえる歌を歌い、引き続き高地秀の宮へ進んで行った。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm7602
愛善世界社版: 八幡書店版:第13輯 498頁 修補版: 校定版:161頁 普及版: 初版: ページ備考:
001 ここに八柱(やはしら)御樋代(みひしろ)(がみ)遥々(はるばる)天津(あまつ)高宮(たかみや)()(つど)ひ、002祈願(きぐわん)をこらすべく(のぼ)らせ(たま)ひ、003()大神(おほかみ)神言(みこと)もちて、004高地秀(たかちほ)(みや)神司(かむつかさ)として鋭敏鳴出(うなりづ)(かみ)005天津(あまつ)女雄(めを)(かみ)二柱(ふたはしら)(さづ)けられ、006いそいそとして白馬(しらこま)(またが)り、007(ひづめ)(おと)(いさ)ましく、008高地秀(たかちほ)(みや)をさして(かへ)らせ(たま)ひつつ、009鋭敏鳴出(うなりづ)(かみ)行進歌(かうしんか)をうたはせ(たま)ふ。
010()大神(おほかみ)神言(みこと)もて
011八柱神(やはしらがみ)(まも)りつつ
012紫微(しび)天界(てんかい)真秀良場(まほらば)
013そそり()ちたる高地秀(たかちほ)
014(かみ)御山(みやま)(ふもと)なる
015高地秀(たかちほ)(みや)(つか)へむと
016(かみ)(こころ)(まか)せつつ
017(すす)()くこそ(たの)しけれ
018御空(みそら)にかかる月光(つきかげ)
019天津(あまつ)陽光(ひかげ)(きよ)らかに
020雲霧(くもきり)()れて天地(あめつち)
021常世(とこよ)(はる)(うた)ふなり
022(もも)木草(きぐさ)(かむ)ばしき
023(かを)りを(はな)種々(くさぐさ)
024(えん)(きそ)へる(はな)()
025げに(たの)もしき国原(くにはら)
026小鳥(ことり)はうたひ(てふ)()
027紫微(しび)天界(てんかい)真秀良場(まほらば)
028(かみ)神言(みこと)(かか)ぶりて
029百神(ももがみ)(たち)諸共(もろとも)
030(すす)まむ(みち)にさやるべき
031(しこ)曲津見(まがつみ)もあらざらむ
032ああ惟神(かむながら)々々(かむながら)
033万里(ばんり)山坂(やまさか)のり()えて
034(われ)堂々(どうどう)(すす)むなり
035わが()(こま)(うづ)(こま)
036()()(かぜ)(たてがみ)
037(みぎ)(ひだり)()けながら
038(いなな)(つよ)()()だす
039ああ惟神(かむながら)々々(かむながら)
040今日(けふ)旅路(たびぢ)のいさましさ』
041 ()(うた)ひつつ(すす)(たま)ふや、042行手(ゆくて)(よこた)はる川底(かはそこ)(ふか)溪流(けいりう)043如何(いか)なる神馬(しんめ)()ゆるあたはず。044西岸(せいがん)断崖(だんがい)絶壁(ぜつぺき)()(なが)めながら、045各自(おのもおのも)(こま)()()岸辺(きしべ)()ちて(やす)らひ(なが)ら、046この溪川(たにがは)如何(いか)にして()えむかと(かた)()(たま)ひぬ。047八柱(やはしら)比女神(ひめがみ)天津(あまつ)高宮(たかみや)(まう)(たま)ひし行手(ゆくて)(みち)には、048かかる(ふか)溪川(たにがは)あらざりしに、049(かへ)()(あた)りて(おな)道筋(みちすぢ)に、050かかる危険(きけん)溪流(けいりう)(よこた)はるは、051大曲津見(おほまがつみ)(かみ)神業(みわざ)をさまたげむとしての奸計(わるだくみ)ならむ。052(こころ)(きよ)()(きよ)め、053(しづか)生言霊(いくことたま)()()げて、054この溪川(たにがは)(とほ)彼方(かなた)(うみ)退(しりぞ)けやらむと、055()高野(たかの)比女(ひめ)(かみ)生言霊(いくことたま)御歌(みうた)()ませ(たま)ふ。
056()(かみ)神言(みこと)(かしこ)(われ)伊行(いゆ)
057(みち)にさやらむ(かみ)はあるべき
058(あき)らけき紫微(しび)天界(てんかい)国中(くになか)
059さやる曲津(まがつ)はかならず(ほろ)びむ
060(かく)(しの)びいたづらを()醜神(しこがみ)
061御魂(みたま)あらはさむわが言霊(ことたま)
062さやります(かみ)大蛇(をろち)醜神(しこがみ)
063姿(すがた)あらはせわが()のまへに
064滝津瀬(たきつせ)()ゆるが(ごと)(ひび)くなる
065この溪川(たにがは)大蛇(をろち)化身(けしん)
066長々(ながなが)()てしも()らぬ溪川(たにがは)
067(なが)れはいたく(にご)らへるかな
068()てしなきこの天界(てんかい)(なか)にして
069(ちひ)さき(まが)のすさびおそれむや
070曲津見(まがつみ)(しこ)(たけ)びの(つよ)くとも
071いかで(おそ)れむ(かみ)なるわれは
072八十(やそ)曲津見(まがつみ)如何(いか)にすさぶとも(たけ)るとも
073生言霊(いくことたま)水火(いき)にはかなはじ
074(わが)(すす)(みち)にさやらむものあらば
075真言(まこと)(つるぎ)もちてはふらむ
076いすくはし(かみ)()さしの御樋代(みひしろ)
077まけられし(われ)(みち)(ひら)けよ
078()(くさ)(かみ)(をしへ)になびく()
079など曲神(まがかみ)(みち)にさやれる
080敷島(しきしま)大和心(やまとごころ)太刀(たち)もちて
081()りてはふらむ八十(やそ)曲津見(まがつみ)
082千早振(ちはやぶ)(かみ)()さしの(われ)なれば
083(やす)(わた)らむ溪川(たにがは)うづめて
084西(にし)宮居(みや)(まう)でで(かへ)(みち)しばに
085さやりけるかな曲津(まがつ)(かみ)
086久方(ひさかた)(あめ)高地秀(たかちほ)(みや)(つか)
087(つかさ)()でましよ(おそ)(かしこ)
088御樋代(みひしろ)(かみ)()さしの八柱(やはしら)
089(いま)()らずや曲津見(まがつみ)(なれ)
090いみじくも(なが)るる(ふか)溪川(たにがは)
091水瀬(みなせ)()めて(われ)(わた)らばや
092(わが)(こま)はたてがみふるひ(いなな)きぬ
093これの溪川(たにがは)やすく(わた)らむと
094鋭敏鳴出(うなりづ)(かみ)()でまし()らざるか
095八十(やそ)曲津見(まがつみ)(かみ)のおろかさ
096黒雲(くろくも)(なか)にかくるる曲津見(まがつみ)
097(いま)にほろびむ(とき)()にける
098()(かみ)(つく)(たま)ひし天界(かみくに)
099曲津(まがつ)(かみ)()まむ(みち)なし
100(つき)()御空(みそら)(かがや)(たま)ひつつ
101(われ)()行手(ゆくて)(まも)らせ(たま)
102奴婆玉(ぬばたま)(やみ)()らして厳御霊(いづみたま)
103(みづ)御霊(みたま)はかがやきたまへり
104()して()(あふ)ぎては()天地(あめつち)
105くしき姿(すがた)にわれはかしこむ
106むらむらと溪川(たにがは)(ふか)()()てる
107(くも)にひそめる八十(やそ)曲津見(まがつみ)
108湯気(ゆげ)(ごと)(けむり)(ごと)()(のぼ)
109(くも)姿(すがた)のあやしきろかも
110鋭敏鳴出(うなりづ)(かみ)(いさを)曲津見(まがつみ)
111さまたげ(はら)ひて(われ)(すす)まむ
112(えら)まれて御樋代(みひしろ)(がみ)となりし(われ)
113(しこ)雲霧(くもきり)いかでおそれむ
114(けが)れたる水火(いき)(あつま)りて曲津見(まがつみ)
115なる(たましひ)をあはれとおもふ
116せせらぎの(おと)高々(たかだか)(きこ)ゆなり
117(たに)のながれは(いはほ)()みて
118()()ちて天津(あまつ)真言(まこと)神言(かみごと)
119曲津見(まがつみ)(ため)()()げて()
120ねもごろに()(さと)せども曲津見(まがつみ)
121(こころ)はますますくもるのみなる
122(たひら)けくいと(やす)らけき天国(かみくに)
123(みち)にさやれる曲津見(まがつみ)あはれ
124()()ゆるものことごとは()(かみ)
125水火(いき)より()でしみたまものなる
126()(さか)(よろこ)(いさ)みて(くら)すべき
127紫微(しび)天界(てんかい)にさやる曲津見(まがつみ)
128(とほ)(ちか)差別(けぢめ)()らに(まも)ります
129(かみ)(ひか)りを()らずや曲津見(まがつみ)
130(おに)大蛇(をろち)(しこ)曲津見(まがつみ)もことごとく
131(かみ)水火(いき)より(うま)れたるはや
132村肝(むらきも)(こころ)(あら)ひて(みち)()
133御樋代(みひしろ)(がみ)(とほ)曲津見(まがつみ)
134そば()てるこの溪川(たにがは)高岸(たかぎし)
135()きなづみつつ神言(かみごと)()るも
136(ともな)ひし御樋代(みひしろ)(がみ)はことごとく
137言霊(ことたま)きよき神柱(みはしら)(かみ)
138()(やま)(むらさき)(くも)ただよへる
139紫微(しび)天界(てんかい)退(しりぞ)曲津見(まがつみ)
140ほのぼのと(むらさき)(くも)()(のぼ)
141この天界(てんかい)(かみ)ます神苑(みその)
142もろもろの曲津見(まがつみ)ここに(あつま)りて
143深溪川(ふかたにがは)(よこ)たはるかも
144よしやよし(この)川岸(かはぎし)(たか)くとも
145生言霊(いくことたま)にうづめて()かむ
146(をさ)まりて日々(ひび)(さか)ゆる天界(てんかい)
147(みだ)さむとする曲津見(まがつみ)あはれ』
148 この御歌(みうた)鋭敏鳴出(うなりづ)(かみ)は、149この溪川(たにがは)こそ八十(やそ)曲津見(まがつみ)化身(けしん)なりてふことを(はや)くも(さと)らせ(たま)ひ、150生言霊(いくことたま)(かぎ)りをつくし、151『ウーウーウー』と(うな)()(たま)へば、152如何(いかが)はしけむ、153深溪川(ふかたにがは)溪水(たにみづ)真綿(まわた)をちぎりたる(ごと)(くも)154()()ぎに()()でて(てん)(ちう)し、155(かぜ)になびきて(ひがし)(そら)さして幾百千(いくひやくせん)ともなき雲片(くもきれ)は、156(かぜ)のまにまに()()りにける。
157 八十(やそ)曲津見(まがつみ)(ふか)溪流(けいりう)は、158次第(しだい)々々(しだい)にふくれ(あが)りて、159またたく(うち)平地(へいち)となり(かは)りたれば、160百神(ももがみ)(たち)鋭敏鳴出(うなりづ)(かみ)功績(いさをし)(した)()き、161感歎(かんたん)(あま)御歌(みうた)()ませ(たま)ふ。
162 梅咲(うめさく)比女(ひめ)(かみ)御歌(みうた)
163鋭敏鳴出(うなりづ)(かみ)神言(みこと)功績(いさをし)
164(まが)溪川(たにがは)()()せにける
165曲津見(まがつみ)雲霧(くもきり)となり川底(かはそこ)
166()(のぼ)りつつ()()りしはや
167鋭敏鳴出(うなりづ)(かみ)御水火(みいき)曲津見(まがつみ)
168(くも)(かすみ)()()りにける
169(くも)となり(かすみ)となりて曲津見(まがつみ)
170ほろび()きけむ(ひがし)(そら)
171鋭敏鳴出(うなりづ)(かみ)()れます高地秀(たかちほ)
172宮居(みや)今日(けふ)よりやすけかるらむ
173曲津見(まがつみ)雄猛(をたけ)如何(いか)(つよ)くとも
174(なに)かおそれむ言霊(ことたま)水火(いき)
175紫微(しび)宮居(みや)神言(かみごと)()りて(かへ)るさの
176(みち)にさやりし曲津見(まがつみ)あはれ
177曲津見(まがつみ)生言霊(いくことたま)()らされて
178(くも)となりつつ()げうせにける』
179 香具(かぐ)比女(ひめ)(かみ)御歌(みうた)()ませ(たま)ふ。
180曲津見(まがつみ)奸計(たくみ)(ふか)溪川(たにがは)
181(かみ)御稜威(みいづ)()()せにけり
182神々(かみがみ)(さか)えをよろこび曲津見(まがつみ)
183(ほろ)びを唯一(ゆいつ)(たの)しみとなすも
184深溪川(ふかたにがは)(つつ)みし(くも)滝津瀬(たきつせ)
185ウの言霊(ことたま)にほろび()せける
186鋭敏鳴出(うなりづ)(かみ)神言(みこと)功績(いさをし)
187(けむり)となれる曲津見(まがつみ)あはれ
188天地(あめつち)一度(いちど)(ひら)きし心地(ここち)せり
189曲津(まが)奸計(たくみ)(まく)はやぶれて』
190 寿々子(すずこ)比女(ひめ)(かみ)御歌(みうた)()ませ(たま)ふ。
191御樋代(みひしろ)(かみ)(つか)へし(はじ)めより
192かかるためしは()ざりけるかも
193曲津見(まがつみ)深溪川(ふかたにがは)()(へん)
194わが()(みち)をさへぎりしはや
195(けが)れなきこの天界(かみくに)にも(かく)(ごと)
196曲業(まがわざ)ありとは()らざりにけり
197(つか)()(こころ)(ゆる)せぬ天界(かみくに)
198つくづく(おも)へり()溪川(たにがは)()
199今日(けふ)よりは(みづ)御霊(みたま)(うら)むまじ
200いづれも(かみ)御心(みこころ)なりせば
201(わが)岐美(きみ)のつれなき(こころ)(うら)みてし
202(わらは)今更(いまさら)はづかしくなりぬ
203よしやよしこのまま天界(みくに)()ふるとも
204(みづ)御霊(みたま)永久(とは)(うら)まじ
205()(よる)(こころ)くるしめ(たま)ひつつ
206岐美(きみ)万里(ばんり)(たび)()たせり
207()()きに八十(やそ)曲津見(まがつみ)(わざはひ)
208()()(すす)ます岐美(きみ)(かしこ)き』
209 朝香(あさか)比女(ひめ)(かみ)御歌(みうた)()ませ(たま)ふ。
210永久(とこしへ)(つか)(まつ)ると(おも)ひてし
211岐美(きみ)万里(ばんり)(たび)にいませり
212幾万(いくまん)()山野(やまぬ)(わた)西(にし)(みや)
213(まう)でて(こころ)あらたまりしはや
214曲津見(まがつみ)(ふか)奸計(たくみ)にかからむと
215せし今日(けふ)()にたすけられにき
216鋭敏鳴出(うなりづ)(かみ)(いさを)のいまさずば
217この溪川(たにがは)()えざらましを
218曲津見(まがつみ)(しこ)大蛇(をろち)姿(すがた)なれや
219(みち)にさやりし深溪川(ふかたにがは)
220何事(なにごと)(かみ)御心(みこころ)(さと)りつつ
221をりをりくもる(こころ)はづかし
222(こま)()めて(いき)(やす)めつ曲津見(まがつみ)
223化身(けしん)溪川(たにがは)(のぞ)みけるはや
224(やま)となり溪川(たにがは)となり(いは)となり
225八十(やそ)曲津見(まがつみ)真道(まみち)にさやるも
226この(うへ)言霊(ことたま)みがき(みそぎ)して
227(かみ)大道(おほぢ)をひたに(すす)まむ
228(わが)岐美(きみ)()ひつ(うら)みつあこがれつ
229()にし月日(つきひ)(くも)となりけり
230(わが)(おも)(くも)()()(きり)()えて
231天津(あまつ)月日(つきひ)をつつまひてゐし
232()(かみ)(きよ)(ひかり)にあてられて
233われは(こころ)(くも)をはらひぬ
234ねたみたる(こころ)(くも)()()きて
235(むね)にかがやく月日(つきひ)御光(みひかり)
236大空(おほぞら)月日(つきひ)をうつして(わが)(むね)
237(かがみ)のごとくかがよひにけり
238(くさ)()天津(あまつ)神国(みくに)をゑらぐ()
239如何(いか)でなげかむ(ちひ)さき(こと)
240御樋代(みひしろ)(かみ)にまけられ村肝(むらきも)
241(こころ)にくもりありしを()ゆるも
242(わが)岐美(きみ)(われ)()見捨(みす)てて()でましし
243まことの(こころ)(いま)さとりけり
244(わが)(こころ)(くも)らひあれば水火(いき)水火(いき)
245()はさむ(すべ)もなかりけらしな
246(わが)岐美(きみ)(うら)むるよりも(わが)(こころ)
247くもりしを()(うら)むべかりし』
248 宇都子(うづこ)比女(ひめ)(かみ)御歌(みうた)()ませ(たま)ふ。
249非時(ときじく)香具(かぐ)()()()れながら
250わが魂線(たましひ)はくもりてありき
251くもりたる(こころ)(いだ)きて御樋代(みひしろ)
252おごりし(こと)今更(いまさら)()ゆるも
253(やま)()(はな)(にほ)へど百鳥(ももとり)
254うたへど(はる)心地(ここち)せざりき
255掛巻(かけまく)(あや)(たふと)高地秀(たかちほ)
256宮居(みや)(けが)せしわれなりにけり
257宇都比女(うづひめ)(うづ)御名(みな)さへ(はづか)しも
258くもり(けが)れし神魂(みたま)いだきて
259くもりたる(こころ)(たま)(あら)はむと
260この溪川(たにがは)()()でにけむ
261村肝(むらきも)(こころ)曲津見(まがつみ)()まひつつ
262(わが)()(みち)をさへぎりにけむ
263曲神(まがかみ)(あだ)とし(おも)はず(わが)(たま)
264くもりゆ()れし深溪川(ふかたにがは)
265鋭敏鳴出(うなりづ)生言霊(いくことたま)(おどろ)きて
266ふるひをののき(まが)()でけり
267鋭敏鳴出(うなりづ)(かみ)()らせる言霊(ことたま)
268()魂線(たましひ)もをののきにけり
269今日(けふ)よりは(もと)(こころ)()(かへ)
270(みそぎ)神事(わざ)につかへまつらむ』
271 狭別(さわけ)比女(ひめ)(かみ)御歌(みうた)()ませ(たま)ふ。
272幾年(いくとせ)高地秀(たかちほ)宮居(みや)(つか)へつつ
273なほわが魂線(たましひ)のくもり()らずも
274わが岐美(きみ)()ふる(こころ)(かさ)なりて
275神魂(みたま)水火(いき)もくもらひしはや
276村肝(むらきも)(こころ)(きよ)今日(けふ)よりは
277まごころもちて(かみ)(つか)へむ
278何事(なにごと)(かみ)()さしの神業(かむわざ)
279(おも)へば岐美(きみ)(うら)まむすべなし
280道立(みちたつ)(かみ)姿(すがた)(たふと)さを
281(あふ)ぎて一入(ひとしほ)岐美(きみ)をおもふも
282久方(ひさかた)天之(あめの)道立(みちたつ)神柱(かむばしら)
283いとおごそかに()ませ(たま)ひぬ
284道立(みちたつ)(かみ)にも()して(わが)岐美(きみ)
285気高(けだか)(おも)へば()へやらぬかも
286()へがたき(こころ)おさへて年月(としつき)
287(つか)ふる()こそ(くる)しかりける
288(くや)みてもかへらぬ(こと)とは()りながら
289をりをり(かな)しくなりにけらしな
290山川(やまかは)(きよ)くさやけく百鳥(ももとり)
291(こゑ)()めどもさみしかりける
292さみしてふ(こころ)(くも)()れにけり
293今日(けふ)生日(いくひ)(むね)さえにつつ』
294 花子(はなこ)比女(ひめ)(かみ)御歌(みうた)()ませ(たま)ふ。
295()(やま)百花(ももばな)千花(ちばな)(にほ)へども
296われ(うるは)しと(おも)はざりけり
297(わが)(こころ)ねぢり(まが)りてひたすらに
298岐美(きみ)(うへ)のみ(うら)みてしはや
299わが岐美(きみ)万里(ばんり)(そと)旅枕(たびまくら)
300天界(みくに)(つく)るとなやみたまはむ
301(やす)らかに高地秀(たかちほ)宮居(みや)(つか)へつつ
302なやみの岐美(きみ)をうらみけるはや
303岐美(きみ)こそは顕津男(あきつを)(かみ)国土(くに)()
304国魂(くにたま)()ます神柱(みはしら)なりし
305朝夕(あさゆふ)岐美(きみ)のつれなき心根(こころね)
306(うら)みまつりし(われ)はづかしき
307日並(けなら)べて(たび)()ちつつ(おも)ふかな
308()てしも()らぬ岐美(きみ)のみゆきを
309()みきりし紫微(しび)天界(てんかい)(なか)(うま)
310(なに)(なげ)かむ御樋代(みひしろ)(がみ)われは
311(よし)(あし)(たの)しみと(くる)しみ()(ちが)
312紫微(しび)天界(てんかい)はありがたかりけり
313(わざはひ)()ひて真言(まこと)(よろこ)びを
314つぶさに(さと)天界(かみよ)なりけり
315(よろこ)びになるればまことの(よろこ)びも
316(あま)(たの)しと(おも)はざりける
317(やす)らけき月日(つきひ)(すご)せし(われ)にして
318神世(みよ)(なげ)きしことを()ゆるも
319(よろこ)びと(くる)しみ(たがひ)()()ひて
320()永久(とこしへ)(さか)ゆべかりけり』
321 小夜子(さよこ)比女(ひめ)(かみ)御歌(みうた)()ませ(たま)ふ。
322小夜衣(さよごろも)(かさ)ぬる(ひま)もあらなくに
323岐美(きみ)()たせり(なが)旅路(たびぢ)
324御子生(みこう)みの(たび)()たせる(わが)岐美(きみ)
325(なや)(おも)ひてわれは()くなり
326わが(なみだ)(てん)(のぼ)りて(くも)となり
327(あめ)()りつつ岐美(きみ)(そそ)がむ
328岐美(きみ)()(たび)なる(くに)春雨(はるさめ)
329日夜(にちや)になげきしわが(なみだ)かも
330(こひ)すてふ(こころ)(くも)(つつ)まれて
331(たま)のゆくへも()らず(みだ)れし
332いざさらば百神(ももがみ)(たち)(こま)()めて
333(ひがし)(みや)(すす)ませたまへ
334鋭敏鳴出(うなりづ)(かみ)(いさを)曲津見(まがつみ)
335(かげ)()せつつやすく(かよ)はむ』
336 天津(あまつ)女雄(めを)(かみ)御歌(みうた)()ませ(たま)ふ。
337八柱(やはしら)御樋代(みひしろ)(がみ)(まも)りつつ
338()溪川(たにがは)()きあたりける
339鋭敏鳴出(うなりづ)(かみ)(いさを)今更(いまさら)
340さとりて(こころ)かしこみしはや
341高野(たかの)比女(ひめ)(かみ)神言(みこと)のさとき()
342曲津(まがつ)はすがたを(あら)はせしはや
343駿馬(はやこま)(いなな)()めたりいざさらば
344百神(ももがみ)たちよ(くら)()しませ
345曲神(まがかみ)行手(ゆくて)(みち)にさやるとも
346いかで(おそ)れむ言霊(ことたま)武器(ぶき)に』
347 ここに一行(いつかう)神々(かみがみ)は、348(あめ)駿馬(はやこま)にひらりと(またが)り、349()()(かぜ)(こま)のたてがみに()()けつつ、350(すず)()(いさ)ましく、351鋭敏鳴出(うなりづ)(かみ)先頭(せんとう)に、352天津(あまつ)女雄(めを)(かみ)殿(しんが)りとして、353高地秀(たかちほ)(みや)聖場(せいぢやう)さして(すす)ませ(たま)ふぞ(かしこ)けれ。
354昭和八・一二・五 旧一〇・一八 於水明閣 谷前清子謹録)

王仁三郎が著した「大作」がこれ1冊でわかる!
飯塚弘明・他著『あらすじで読む霊界物語』(文芸社文庫)
絶賛発売中!

目で読むのに疲れたら耳で聴こう!
霊界物語の朗読 ユーチューブに順次アップ中!
霊界物語の音読まとめサイト
オニド関連サイト最新更新情報
10/22【霊界物語ネット】王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)』をテキスト化しました。
5/8【霊界物語ネット】霊界物語ネットに出口王仁三郎の第六歌集『霧の海』を掲載しました。
このページに誤字・脱字や表示乱れなどを見つけたら教えて下さい。
返信が必要な場合はメールでお送り下さい。【メールアドレス
合言葉「みろく」を入力して下さい→