霊界物語.ネット
~出口王仁三郎 大図書館~
設定
|
ヘルプ
ホーム
霊界物語
天祥地瑞(第73~81巻)
第76巻(卯の巻)
序文
総説
日本所伝の天地開闢説
支那の開闢説
波斯の宇宙創造説
希臘の天地開闢説
エヂプトの開闢説
メキシコナフア族の天地創造説
マヤ族の万物創造説
北欧に於ける宇宙創造説
太平洋西北岸創造説
英領北亜米利加創造説
亜弗利加神話
ヘブライ天地創造説
パレスチン創造説
ミクロネシヤ創造説
インドネシヤ創造説
第1篇 春風駘蕩
第1章 高宮参拝
第2章 魔の渓流
第3章 行進歌
第4章 怪しの巌山
第5章 露の宿
第2篇 晩春の神庭
第6章 報告祭
第7章 外苑の逍遥
第8章 善言美霊
第3篇 孤軍奮闘
第9章 闇の河畔
第10章 二本松の蔭
第11章 栄城の山彦
第12章 山上の祈り
第13章 朝駒の別れ
第14章 磐楠舟
第15章 御舟巌
余白歌
×
設定
この文献を王仁DBで開く
印刷用画面を開く
[?]
プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。
[×閉じる]
話者名の追加表示
[?]
セリフの前に話者名が記していない場合、誰がしゃべっているセリフなのか分からなくなってしまう場合があります。底本にはありませんが、話者名を追加して表示します。
[×閉じる]
追加表示する
追加表示しない
【標準】
表示できる章
テキストのタイプ
[?]
ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。
[×閉じる]
通常のテキスト
【標準】
コピー用のテキスト
文字サイズ
S
【標準】
M
L
ルビの表示
通常表示
【標準】
括弧の中に表示
表示しない
アンカーの表示
[?]
本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。
[×閉じる]
左側だけに表示する
【標準】
表示しない
全てのアンカーを表示
宣伝歌
[?]
宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。
[×閉じる]
一段組
【標準】
二段組
脚注[※]用語解説
[?]
[※]、[*]、[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。[※]は主に用語説明、[*]は編集用の脚注で、表示させたり消したりできます。[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。
[×閉じる]
脚注マークを表示する
【標準】
脚注マークを表示しない
脚注[*]編集用
[?]
[※]、[*]、[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。[※]は主に用語説明、[*]は編集用の脚注で、表示させたり消したりできます。[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。
[×閉じる]
脚注マークを表示する
脚注マークを表示しない
【標準】
外字の外周色
[?]
一般のフォントに存在しない文字は専用の外字フォントを使用しています。目立つようにその文字の外周の色を変えます。
[×閉じる]
無色
【標準】
赤色
現在のページには外字は使われていません
表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。
【新着情報】
サイトをリニューアルしました。不具合がある場合は
従来バージョン
をお使い下さい|
サブスク
のお知らせ
霊界物語
>
天祥地瑞(第73~81巻)
>
第76巻(卯の巻)
> 第3篇 孤軍奮闘 > 第13章 朝駒の別れ
<<< 山上の祈り
(B)
(N)
磐楠舟 >>>
第一三章
朝駒
(
あさこま
)
の
別
(
わか
)
れ〔一九三〇〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第76巻 天祥地瑞 卯の巻
篇:
第3篇 孤軍奮闘
よみ(新仮名遣い):
こぐんふんとう
章:
第13章 朝駒の別れ
よみ(新仮名遣い):
あさこまのわかれ
通し章番号:
1930
口述日:
1933(昭和8)年12月07日(旧10月20日)
口述場所:
水明閣
筆録者:
林弥生
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1934(昭和9)年3月23日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
[×閉じる]
:
栄城山の五柱の神々は、朝香比女をねぎらおうと、八尋殿に集まってご馳走をならべ、にぎやかに歌い舞い、宴を張った。
機造男の神が歌を歌えば、四柱の神々は調子に合わせて足を踏み、手を打って舞い踊った。
朝香比女の顕津男の神への恋を歌った歌に、比女は恥ずかしがりながらも、顕津男の神への恋の思いを燃え上がらせ、今すぐにでも発って顕津男の神を追っていきたい、と歌った。
比女の思いの強さに、神々はその強さを驚きあきれ、またたたえる述懐の歌をそれぞれ歌った。
こうして無礼講を終え、朝香比女はもう一泊栄城山にとどまり、魂を養った後、翌朝駒に鞭を打って大野ケ原へ出立した。
五柱の神々は別れを惜しみ、また旅の無事を祈る歌で比女を送った。比女は神々に感謝の歌を歌いつつ、もや立ち込める朝の大野ケ原を進んで行った。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
rm7613
愛善世界社版:
八幡書店版:
第13輯 564頁
修補版:
校定版:
410頁
普及版:
初版:
ページ備考:
001
栄城山
(
さかきやま
)
の
聖場
(
せいぢやう
)
に
仕
(
つか
)
へ
給
(
たま
)
ふ
五柱
(
いつはしら
)
の
神司
(
かむつかさ
)
等
(
たち
)
は、
002
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
の
長途
(
ちやうと
)
の
疲
(
つか
)
れをねぎらはむとして、
003
又
(
また
)
送別
(
そうべつ
)
の
宴
(
えん
)
を
兼
(
か
)
ねつつ
八尋殿
(
やひろどの
)
に
集
(
あつ
)
まりて、
004
種々
(
くさぐさ
)
の
美味物
(
うましもの
)
を
机代
(
つくゑしろ
)
に
置
(
お
)
き
足
(
た
)
らはし、
005
百木
(
ももぎ
)
百草
(
ももぐさ
)
の
花
(
はな
)
を
飾
(
かざ
)
りて、
006
歌
(
うた
)
ひ
舞
(
ま
)
ひつつ、
007
賑
(
にぎや
)
かに
宴
(
うたげ
)
し
給
(
たま
)
ふ。
008
機造男
(
はたつくりを
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
へば、
009
四柱
(
よはしら
)
の
神
(
かみ
)
は
歌
(
うた
)
の
調子
(
てうし
)
に
合
(
あは
)
せて、
010
手
(
て
)
を
打
(
う
)
ち、
011
足
(
あし
)
を
踏
(
ふ
)
み
鳴
(
な
)
らせて
踊
(
をど
)
らせ
給
(
たま
)
ふ。
012
『
朝日
(
あさひ
)
直射
(
たださ
)
す
栄城
(
さかき
)
の
山
(
やま
)
に
013
夕陽
(
ゆふひ
)
かがよふ
紅葉山
(
もみぢやま
)
014
御空
(
みそら
)
碧々
(
あをあを
)
大地
(
だいち
)
は
広
(
ひろ
)
し
015
中
(
なか
)
を
岐美
(
きみ
)
ゆゑ
一人旅
(
ひとりたび
)
016
遠
(
とほ
)
き
旅路
(
たびぢ
)
も
岐美
(
きみ
)
故
(
ゆゑ
)
なれば
017
命
(
いのち
)
死
(
し
)
すとも
恐
(
おそ
)
れまじ
018
岐美
(
きみ
)
は
万里
(
ばんり
)
の
旅寝
(
たびね
)
の
枕
(
まくら
)
019
一人
(
ひとり
)
寝
(
ぬ
)
る
夜
(
よ
)
の
夢
(
ゆめ
)
に
見
(
み
)
る
020
岐美
(
きみ
)
の
御後
(
みあと
)
を
遥々
(
はろばろ
)
慕
(
した
)
ひ
021
まぎて
来
(
き
)
ませる
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
022
月
(
つき
)
は
御空
(
みそら
)
に
星光
(
ほしかげ
)
冴
(
さ
)
えて
023
比女
(
ひめ
)
を
迎
(
むか
)
ふる
栄城山
(
さかきやま
)
024
千里
(
せんり
)
万里
(
ばんり
)
も
恋
(
こひ
)
故
(
ゆゑ
)
なれば
025
如何
(
いか
)
でいとはむ
岐美
(
きみ
)
の
側
(
そば
)
』
026
神々
(
かみがみ
)
は
各々
(
おのおの
)
手
(
て
)
を
打
(
う
)
ち
足拍手
(
あしびやうし
)
を
揃
(
そろ
)
へて、
027
うたひ
舞
(
ま
)
ひ
給
(
たま
)
ふにぞ、
028
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
はやや
面
(
おも
)
ほてりつつ
御歌
(
みうた
)
うたひ
給
(
たま
)
ふ。
029
『はづかしき
今日
(
けふ
)
の
宴
(
うたげ
)
よ
百神
(
ももがみ
)
に
030
からかはれつつ
面
(
おも
)
ほてるなり
031
からかはれ
笑
(
わら
)
はるるとも
何
(
なに
)
かあらむ
032
恋
(
こひ
)
しき
岐美
(
きみ
)
に
会
(
あ
)
ふ
日
(
ひ
)
ありせば
033
かく
迄
(
まで
)
も
岐美
(
きみ
)
を
恋
(
こ
)
ひつつ
玉
(
たま
)
の
緒
(
を
)
の
034
命
(
いのち
)
ささぐと
誓
(
ちか
)
ひしわれなり
035
栄城山
(
さかきやま
)
尾
(
を
)
の
上
(
へ
)
の
松
(
まつ
)
は
枯
(
か
)
るるとも
036
岐美
(
きみ
)
恋
(
こ
)
ふ
心
(
こころ
)
はほろびざるべし
037
天地
(
あめつち
)
は
闇
(
やみ
)
となるともいとはまじ
038
光明
(
ひかり
)
の
神
(
かみ
)
の
岐美
(
きみ
)
ましませば
039
曲津
(
まが
)
神
(
かみ
)
の
荒
(
すさ
)
びもいとはず
尋
(
たづ
)
ねゆくも
040
われは
恋
(
こひ
)
しさあまればなりけり
041
かくならば
総
(
すべ
)
ての
心
(
こころ
)
さらけ
出
(
だ
)
して
042
神々
(
かみがみ
)
等
(
たち
)
の
肝
(
きも
)
冷
(
ひ
)
やさばや
043
笑
(
わら
)
はれて
心
(
こころ
)
は
変
(
か
)
へじ
謗
(
そし
)
られて
044
恋路
(
こひぢ
)
は
捨
(
す
)
てじ
命
(
いのち
)
のかぎりは
045
わが
命
(
いのち
)
よし
死
(
し
)
するとも
岐美許
(
きみがり
)
に
046
魂
(
たま
)
は
通
(
かよ
)
ひて
水火
(
いき
)
を
合
(
あ
)
はさむ
047
百神
(
ももがみ
)
等
(
たち
)
如何
(
いか
)
に
議
(
はか
)
らひ
給
(
たま
)
ふとも
048
われはひるまじ
恋路
(
こひぢ
)
の
坂
(
さか
)
を
049
いざさらば
岐美
(
きみ
)
の
恋
(
こ
)
ふしくなりつれば
050
一時
(
ひととき
)
も
早
(
はや
)
くこの
場
(
ば
)
を
立
(
た
)
たむ』
051
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
の
思
(
おも
)
ひ
切
(
き
)
つたる
御歌
(
みうた
)
に、
052
百神
(
ももがみ
)
等
(
たち
)
は
舌
(
した
)
を
巻
(
ま
)
きながら、
053
踊
(
をどり
)
の
手
(
て
)
を
止
(
と
)
めて
各自
(
おのもおのも
)
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
054
機造男
(
はたつくりを
)
の
神
(
かみ
)
の
神歌
(
みうた
)
。
055
『
白梅
(
しらうめ
)
の
花
(
はな
)
にもまして
美
(
うる
)
はしき
056
比女
(
ひめ
)
の
言葉
(
ことば
)
のおほらかなるかも
057
かくの
如
(
ごと
)
面勝神
(
おもかつがみ
)
と
知
(
し
)
らざりき
058
射向
(
いむか
)
ひまつらむわれは
術
(
すべ
)
なし
059
おほらかにおはする
比女
(
ひめ
)
よおほらかに
060
恋
(
こひ
)
の
御歌
(
みうた
)
を
詠
(
よ
)
ませたまへり
061
かくの
如
(
ごと
)
細女
(
くはしめ
)
賢女
(
さかしめ
)
に
慕
(
した
)
はるる
062
顕津男
(
あきつを
)
の
神
(
かみ
)
の
幸
(
さち
)
をおもへり
063
幾万
(
いくまん
)
里
(
り
)
の
道
(
みち
)
もいとはずと
宣
(
の
)
らしませし
064
比女
(
ひめ
)
のこころの
素直
(
すなほ
)
なるかも
065
われも
亦
(
また
)
神
(
かみ
)
の
御許
(
みゆる
)
しあるならば
066
かかる
雄々
(
をを
)
しき
比女
(
ひめ
)
を
娶
(
めと
)
らむ』
067
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
068
『
細女
(
くはしめ
)
に
見合
(
みあ
)
ひまさむとおもほさば
069
しばし
神魂
(
みたま
)
を
引
(
ひ
)
き
締
(
し
)
め
給
(
たま
)
はれ
070
緩
(
ゆる
)
みたる
神魂
(
みたま
)
を
持
(
も
)
ちて
細女
(
くはしめ
)
に
071
あはむと
宣
(
の
)
らすをかしき
公
(
きみ
)
かも
072
眉目
(
みめ
)
容姿
(
かたち
)
勝
(
すぐ
)
れし
神
(
かみ
)
に
非
(
あら
)
ざれば
073
烏
(
からす
)
も
妻
(
つま
)
にならざるべきを
074
百神
(
ももがみ
)
よわが
言
(
こと
)
の
葉
(
は
)
を
許
(
ゆる
)
せかし
075
いつはりのなき
真言
(
まこと
)
なりせば
076
此処
(
ここ
)
にます
神
(
かみ
)
の
面
(
おも
)
ざしことごとに
077
女神
(
めがみ
)
にかなへる
御姿
(
みすがた
)
はなし
078
永久
(
とこしへ
)
に
栄城
(
さかき
)
の
宮居
(
みや
)
の
神社
(
かむなび
)
に
079
仕
(
つか
)
へて
神業
(
みわざ
)
を
励
(
はげ
)
ませたまへ
080
わが
為
(
ため
)
にひらき
給
(
たま
)
ひしこの
宴
(
うたげ
)
081
白
(
しら
)
けけるかな
言霊
(
ことたま
)
すさみて
082
ともかくもわが
背
(
せ
)
の
岐美
(
きみ
)
は
恋
(
こ
)
ふしもよ
083
眉目
(
みめ
)
も
容姿
(
かたち
)
も
勝
(
すぐ
)
れたまへば
084
神々
(
かみがみ
)
は
数多
(
あまた
)
あれども
背
(
せ
)
の
岐美
(
きみ
)
と
085
仰
(
あふ
)
がむ
魂
(
たま
)
はかげだにもなし』
086
散花男
(
ちるはなを
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
087
『
白梅
(
しらうめ
)
も
散
(
ち
)
りたるあとは
小鳥
(
ことり
)
さへ
088
梢
(
うれ
)
にとまらぬ
浮世
(
うきよ
)
なるかも
089
かくの
如
(
ごと
)
醜
(
みにく
)
き
面
(
おも
)
を
持
(
も
)
つわれは
090
つつしみ
畏
(
かしこ
)
み
恋
(
こひ
)
は
語
(
かた
)
らじ
091
勝
(
まさ
)
りたる
男神
(
をがみ
)
なけれど
優
(
すぐ
)
れたる
092
女神
(
めがみ
)
またなき
浮世
(
うきよ
)
なりけり
093
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
神
(
かみ
)
の
神言
(
みこと
)
の
美
(
うる
)
はしさ
094
桜
(
さくら
)
の
花
(
はな
)
のさかりに
似
(
に
)
たるも
095
何時迄
(
いつまで
)
も
花
(
はな
)
は
梢
(
こずゑ
)
にとどまらで
096
嵐
(
あらし
)
に
散
(
ち
)
りゆく
夜半
(
よは
)
のあはれさよ
097
天
(
あま
)
渡
(
わた
)
る
月
(
つき
)
にも
盈
(
み
)
つる
虧
(
か
)
くるあり
098
朝香
(
あさか
)
の
比女
(
ひめ
)
も
今
(
いま
)
さかりなる
099
時
(
とき
)
来
(
く
)
ればやがて
萎
(
しを
)
れむ
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
100
とく
出
(
い
)
でませよ
背
(
せ
)
の
岐美許
(
きみがり
)
に
101
束
(
つか
)
の
間
(
ま
)
にも
桜
(
さくら
)
の
花
(
はな
)
は
散
(
ち
)
る
世
(
よ
)
なり
102
いそがせ
給
(
たま
)
へ
背
(
せ
)
の
岐美
(
きみ
)
の
許
(
もと
)
へ』
103
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
はこれに
答
(
こた
)
へて、
104
『
村肝
(
むらきも
)
の
心
(
こころ
)
いそげど
焦
(
あせ
)
れども
105
万里
(
ばんり
)
の
山河
(
やまかは
)
せむすべもなし
106
さりながら
瑞
(
みづ
)
の
御霊
(
みたま
)
の
夢見
(
ゆめみ
)
さへ
107
わが
魂線
(
たましひ
)
はよみがへるなり』
108
中割男
(
なかさきを
)
の
神
(
かみ
)
はあきれながら、
109
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
110
『
男神
(
をがみ
)
数多
(
あまた
)
集
(
つど
)
へる
蓆
(
むしろ
)
に
比女神
(
ひめがみ
)
は
111
憚
(
はばか
)
りもなくのろけますかも
112
かくの
如
(
ごと
)
雄々
(
をを
)
しき
賢
(
さか
)
しき
細女
(
くはしめ
)
と
113
今
(
いま
)
の
今
(
いま
)
までおもはざりけり
114
面白
(
おもしろ
)
き
比女神
(
ひめがみ
)
なるかも
背
(
せ
)
の
岐美
(
きみ
)
の
115
艶事
(
つやごと
)
のみを
時
(
とき
)
じく
宣
(
の
)
らすも
116
天界
(
かみくに
)
に
生
(
うま
)
れてわれはかくの
如
(
ごと
)
き
117
雄々
(
をを
)
しき
女神
(
めがみ
)
に
会
(
あ
)
はざりにけり
118
細女
(
くはしめ
)
にして
賢女
(
さかしめ
)
よ
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
の
119
神
(
かみ
)
は
面勝
(
おもかつ
)
射向
(
いむか
)
ふ
神
(
かみ
)
はも
120
かくの
如
(
ごと
)
雄々
(
をを
)
しき
女神
(
めがみ
)
の
前
(
まへ
)
に
出
(
い
)
でて
121
伊竦
(
いすく
)
みにけり
男神
(
をがみ
)
のことごとは』
122
小夜更
(
さよふけ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
123
『
比女神
(
ひめがみ
)
のこれの
聖所
(
すがど
)
に
来
(
き
)
ませしゆ
124
栄城
(
さかき
)
の
山
(
やま
)
は
花
(
はな
)
満
(
み
)
ちにけり
125
いさぎよく
雄々
(
をを
)
しく
宣
(
の
)
らす
言霊
(
ことたま
)
に
126
うたれて
返
(
かへ
)
さむ
言
(
こと
)
の
葉
(
は
)
もなし
127
比女神
(
ひめがみ
)
のこの
雄健
(
をたけ
)
びに
曲津見
(
まがつみ
)
は
128
雲
(
くも
)
をかすみと
逃
(
に
)
げ
去
(
さ
)
りにけむ
129
憚
(
はばか
)
りもなく
真心
(
まごころ
)
をさらけ
出
(
だ
)
して
130
恥
(
はぢ
)
らひ
給
(
たま
)
はぬ
比女
(
ひめ
)
の
雄々
(
をを
)
しさ』
131
親幸男
(
ちかさちを
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
132
『
顕津男
(
あきつを
)
の
神
(
かみ
)
の
御樋代
(
みひしろ
)
比女神
(
ひめがみ
)
は
133
さこそあらむと
思
(
おも
)
ひけるかな
134
顕津男
(
あきつを
)
の
神
(
かみ
)
も
驚
(
おどろ
)
きたまふらむ
135
はろばろ
訪
(
と
)
ひし
比女
(
ひめ
)
のまことに
136
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
は
勇
(
いさ
)
み
進
(
すす
)
みて
己自
(
おのがじし
)
137
行
(
ゆ
)
くべき
道
(
みち
)
を
拓
(
ひら
)
くべきかな
138
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
神
(
かみ
)
の
雄建
(
をたけ
)
び
勇
(
いさ
)
ましく
139
醜
(
しこ
)
の
雲霧
(
くもきり
)
かげをひそめむ
140
一
(
ひと
)
つ
目
(
め
)
の
八口
(
やくち
)
の
曲津
(
まが
)
も
比女神
(
ひめがみ
)
の
141
生言霊
(
いくことたま
)
に
逃
(
に
)
げ
散
(
ち
)
りしとふ
142
潔
(
いさぎ
)
よき
比女
(
ひめ
)
の
神言
(
みこと
)
を
迎
(
むか
)
へまして
143
栄城
(
さかき
)
の
山
(
やま
)
に
春
(
はる
)
よみがへる
144
比女神
(
ひめがみ
)
と
倶
(
とも
)
にしあれば
常春
(
とこはる
)
の
145
花
(
はな
)
咲
(
さ
)
き
匂
(
にほ
)
ふ
心地
(
ここち
)
するかも』
146
神々
(
かみがみ
)
は
他愛
(
たあい
)
もなく、
147
心
(
こころ
)
の
丈
(
たけ
)
を
互
(
たがひ
)
に
打開
(
うちあ
)
けながら、
148
無礼講
(
ぶれいかう
)
を
終
(
をは
)
り
給
(
たま
)
ひける。
149
ここに
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
は、
150
其
(
その
)
日
(
ひ
)
を
一日
(
ひとひ
)
これの
神山
(
みやま
)
にとどまり
給
(
たま
)
ひ、
151
百鳥
(
ももどり
)
の
声
(
こゑ
)
、
152
百木
(
ももぎ
)
の
花
(
はな
)
の
香
(
かを
)
りに
魂
(
たま
)
を
養
(
やしな
)
ひながら、
153
翌日
(
よくじつ
)
の
朝
(
あさ
)
又
(
また
)
もや
駒
(
こま
)
に
鞭
(
むち
)
うちて、
154
靄
(
もや
)
立
(
た
)
ち
昇
(
のぼ
)
る
荒野
(
あらの
)
ケ
原
(
はら
)
を
立
(
た
)
ち
出
(
い
)
で
給
(
たま
)
はむとして
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
155
『
三日
(
みか
)
三夜
(
みよさ
)
わが
魂線
(
たましひ
)
を
遊
(
あそ
)
ばせし
156
栄城
(
さかき
)
の
山
(
やま
)
はあこがれの
山
(
やま
)
よ
157
百神
(
ももがみ
)
のあつき
心
(
こころ
)
にほだされて
158
思
(
おも
)
はず
知
(
し
)
らず
日
(
ひ
)
を
重
(
かさ
)
ねけり
159
栄城山
(
さかきやま
)
に
楽
(
たの
)
しく
嬉
(
うれ
)
しく
遊
(
あそ
)
びてし
160
この
思
(
おも
)
ひ
出
(
で
)
は
千代
(
ちよ
)
につづかむ
161
大空
(
おほぞら
)
のあらむ
限
(
かぎ
)
りは
青雲
(
あをくも
)
の
162
空
(
そら
)
なりにけりわが
立
(
た
)
つよき
日
(
ひ
)
は
163
百神
(
ももがみ
)
よさらばこれより
草枕
(
くさまくら
)
164
旅
(
たび
)
に
立
(
た
)
たなむ
安
(
やす
)
くましませ
165
大宮居
(
おほみや
)
に
朝
(
あさ
)
な
夕
(
ゆふ
)
なを
仕
(
つか
)
へつつ
166
生言霊
(
いくことたま
)
に
世
(
よ
)
をひらきませ
167
懐
(
なつ
)
かしく
親
(
した
)
しくなりし
神々
(
かみがみ
)
に
168
別
(
わか
)
るる
今朝
(
けさ
)
の
名残
(
なごり
)
惜
(
を
)
しまる
169
何一
(
なにひと
)
つ
心
(
こころ
)
にかかる
雲
(
くも
)
もなし
170
はばかりもなく
語
(
かた
)
らひにつつ』
171
機造男
(
はたつくりを
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
172
『なつかしの
朝香
(
あさか
)
の
比女
(
ひめ
)
は
今日
(
けふ
)
を
限
(
かぎ
)
り
173
旅
(
たび
)
に
立
(
た
)
たすと
思
(
おも
)
へばさびしも
174
幾年
(
いくとせ
)
も
倶
(
とも
)
に
居
(
ゐ
)
まして
語
(
かた
)
らまく
175
思
(
おも
)
ひしことも
夢
(
ゆめ
)
なりにけり
176
国土生
(
くにう
)
みの
神業
(
みわざ
)
に
仕
(
つか
)
ふる
比女神
(
ひめがみ
)
を
177
止
(
とど
)
むるよしもわれなかりける
178
比女神
(
ひめがみ
)
よ
顕津男
(
あきつを
)
の
神
(
かみ
)
に
会
(
あ
)
ひまさば
179
𪫧怜
(
うまら
)
に
委曲
(
つばら
)
に
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
をつたへよ
180
顕津男
(
あきつを
)
の
神
(
かみ
)
の
御幸
(
みさち
)
を
祈
(
いの
)
りつつ
181
神
(
かみ
)
に
仕
(
つか
)
ふとつたへませ
公
(
きみ
)
182
雨
(
あめ
)
降
(
ふ
)
れば
比女神
(
ひめがみ
)
おもひ
風
(
かぜ
)
吹
(
ふ
)
けば
183
汝
(
なれ
)
を
偲
(
しの
)
ばむ
機造男
(
はたつくりを
)
われは
184
比女神
(
ひめがみ
)
の
立
(
た
)
たせ
給
(
たま
)
ひし
栄城山
(
さかきやま
)
は
185
又
(
また
)
もや
日々
(
ひび
)
に
淋
(
さび
)
しくならむを
186
行
(
ゆ
)
く
水
(
みづ
)
の
止
(
とど
)
めもあへぬ
公
(
きみ
)
ゆゑに
187
われあきらめて
見送
(
みおく
)
りまつるも』
188
散花男
(
ちるはなを
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
189
『
春
(
はる
)
の
野
(
の
)
に
咲
(
さ
)
く
百花
(
ももばな
)
も
散
(
ち
)
る
世
(
よ
)
なり
190
こころして
行
(
ゆ
)
け
大野
(
おほの
)
の
旅
(
たび
)
を
191
雄々
(
をを
)
しくも
出
(
い
)
で
立
(
た
)
ちますか
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
192
神
(
かみ
)
の
神言
(
みこと
)
は
世
(
よ
)
を
照
(
て
)
らしつつ
193
駿馬
(
はやこま
)
の
嘶
(
いなな
)
き
高
(
たか
)
く
進
(
すす
)
みます
194
公
(
きみ
)
の
行手
(
ゆくて
)
を
安
(
やす
)
かれと
祈
(
いの
)
る』
195
中割男
(
なかさきを
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
196
『
何時
(
いつ
)
までも
名残
(
なご
)
り
惜
(
を
)
しけれど
詮
(
せん
)
もなし
197
いざや
女神
(
めがみ
)
よ
別
(
わか
)
れまつらむ
198
西方
(
にしかた
)
の
国土
(
くに
)
は
曲津見
(
まがつみ
)
棲
(
す
)
むと
聞
(
き
)
く
199
心
(
こころ
)
注
(
そそ
)
ぎて
出
(
い
)
でませ
比女神
(
ひめがみ
)
よ
200
汝
(
なれ
)
こそは
面勝神
(
おもかつがみ
)
と
射向
(
いむか
)
ふ
神
(
かみ
)
よ
201
如何
(
いか
)
なる
曲津
(
まが
)
もやらひますらむ
202
一日
(
ひとひ
)
なりと
泊
(
とま
)
らせ
給
(
たま
)
へと
祈
(
いの
)
りつつ
203
惜
(
を
)
しき
別
(
わか
)
れとなりにけらしな』
204
小夜更
(
さよふけ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
205
『わけもなき
事
(
こと
)
語
(
かた
)
り
合
(
あ
)
ひて
親
(
した
)
しみし
206
比女神
(
ひめがみ
)
今日
(
けふ
)
を
旅
(
たび
)
に
立
(
た
)
たすも
207
惜
(
を
)
しめども
今日
(
けふ
)
の
別
(
わか
)
れは
詮
(
せん
)
もなし
208
神
(
かみ
)
の
依
(
よ
)
さしの
神業
(
みわざ
)
なりせば
209
長
(
なが
)
き
世
(
よ
)
に
又
(
また
)
会
(
あ
)
ふ
事
(
こと
)
のあらむかと
210
当
(
あて
)
なきことを
頼
(
たの
)
みて
待
(
ま
)
たむ
211
小夜
(
さよ
)
更
(
ふ
)
けて
天地
(
あめつち
)
しづまる
頃
(
ころ
)
とならば
212
比女
(
ひめ
)
のすがたの
目
(
め
)
に
浮
(
うか
)
ぶらむ
213
ともかくも
公
(
きみ
)
を
門辺
(
かどべ
)
に
送
(
おく
)
り
来
(
き
)
つ
214
別
(
わか
)
れのなみだ
雨
(
あめ
)
と
降
(
ふ
)
るかも』
215
親幸男
(
ちかさちを
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
216
『はろばろと
出
(
い
)
でましし
比女
(
ひめ
)
ははろばろと
217
旅
(
たび
)
に
立
(
た
)
たすか
別
(
わか
)
れ
惜
(
を
)
しまる
218
折々
(
をりをり
)
は
栄城
(
さかき
)
の
山
(
やま
)
の
松ケ枝
(
まつがえ
)
に
219
汝
(
な
)
が
魂線
(
たましひ
)
を
移
(
うつ
)
させたまへ
220
今日
(
けふ
)
の
日
(
ひ
)
の
別
(
わか
)
れ
惜
(
を
)
しむか
真鶴
(
まなづる
)
の
221
うたへる
声
(
こゑ
)
も
悲
(
かな
)
しかりけり
222
百鳥
(
ももどり
)
の
鳴
(
な
)
く
音
(
ね
)
も
今日
(
けふ
)
はしめりたり
223
公
(
きみ
)
の
出
(
い
)
で
立
(
た
)
ち
惜
(
を
)
しむなるらむ
224
高照
(
たかてる
)
の
山
(
やま
)
ははろけし
心
(
こころ
)
して
225
旅
(
たび
)
に
出
(
い
)
でませ
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
よ』
226
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
は
駒
(
こま
)
に
跨
(
またが
)
り、
227
諸神
(
しよしん
)
に
黙礼
(
もくれい
)
しながら、
228
『ゆかりあるこれの
聖所
(
すがど
)
を
後
(
あと
)
にして
229
旅
(
たび
)
ゆくわれはかなしかりけり
230
百神
(
ももがみ
)
のあつき
心
(
こころ
)
は
忘
(
わす
)
れまじ
231
岐美
(
きみ
)
にし
会
(
あ
)
へば
詳細
(
つぶさ
)
に
伝
(
つた
)
へむ
232
いざさらば
百神
(
ももがみ
)
等
(
たち
)
よ
永久
(
とこしへ
)
に
233
命
(
いのち
)
栄
(
さか
)
えてかがやきたまへ』
234
と
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませつつ
駒
(
こま
)
に
鞭
(
むち
)
うち、
235
栄城山
(
さかきやま
)
を
後
(
あと
)
に、
236
靄
(
もや
)
立
(
た
)
ち
籠
(
こ
)
むる
朝明
(
あさあけ
)
の
大野
(
おほの
)
ケ
原
(
はら
)
を、
237
進
(
すす
)
ませ
給
(
たま
)
ふぞ
雄々
(
をを
)
しけれ。
238
(
昭和八・一二・七
旧一〇・二〇
於水明閣
林弥生
謹録)
Δこのページの一番上に戻るΔ
<<< 山上の祈り
(B)
(N)
磐楠舟 >>>
霊界物語
>
天祥地瑞(第73~81巻)
>
第76巻(卯の巻)
> 第3篇 孤軍奮闘 > 第13章 朝駒の別れ
このページに誤字・脱字や表示乱れなどを見つけたら教えて下さい。
返信が必要な場合はメールでお送り下さい。【
メールアドレス
】
【第13章 朝駒の別れ|第76巻|天祥地瑞|霊界物語|/rm7613】
合言葉「みろく」を入力して下さい→