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霊界物語
天祥地瑞（第73～81巻）
第76巻（卯の巻）
序文
総説
日本所伝の天地開闢説
支那の開闢説
波斯の宇宙創造説
希臘の天地開闢説
エヂプトの開闢説
メキシコナフア族の天地創造説
マヤ族の万物創造説
北欧に於ける宇宙創造説
太平洋西北岸創造説
英領北亜米利加創造説
亜弗利加神話
ヘブライ天地創造説
パレスチン創造説
ミクロネシヤ創造説
インドネシヤ創造説
第1篇 春風駘蕩
第1章 高宮参拝
第2章 魔の渓流
第3章 行進歌
第4章 怪しの巌山
第5章 露の宿
第2篇 晩春の神庭
第6章 報告祭
第7章 外苑の逍遥
第8章 善言美霊
第3篇 孤軍奮闘
第9章 闇の河畔
第10章 二本松の蔭
第11章 栄城の山彦
第12章 山上の祈り
第13章 朝駒の別れ
第14章 磐楠舟
第15章 御舟巌
余白歌
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第76巻（卯の巻）
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(B)
(N)
英領北亜米利加創造説 ＞＞＞
太平洋
(
たいへいやう
)
西北岸
(
せいほくがん
)
創造
(
さうざう
)
説
(
せつ
)
インフォメーション
著者：
出口王仁三郎
巻：
霊界物語 第76巻 天祥地瑞 卯の巻
篇：
前付
よみ（新仮名遣い）：
章：
太平洋西北岸創造説
よみ（新仮名遣い）：
たいへいようせいほくがんそうぞう
通し章番号：
口述日：
1933（昭和8）年12月07日（旧10月20日）
口述場所：
水明閣
筆録者：
森良仁
校正日：
校正場所：
初版発行日：
1934（昭和9）年3月23日
概要：
舞台：
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です（一部加筆訂正してあります）。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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：
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
：
備考：
タグ：
データ凡例：
データ最終更新日：
OBC ：
rm760011
愛善世界社版：
八幡書店版：
第13輯 458頁
修補版：
校定版：
76頁
普及版：
初版：
ページ備考：
001
銀狐
(
ぎんこ
)
の
世界
(
せかい
)
創造
(
さうざう
)
002
世界
(
せかい
)
の
始
(
はじめ
)
には、
003
水
(
みづ
)
の
外
(
ほか
)
なんにもありませんでした。
004
その
頃
(
ころ
)
、
005
尾
(
を
)
の
長
(
なが
)
い
狼
(
おほかみ
)
と、
006
銀狐
(
ぎんこ
)
とが、
007
天
(
てん
)
に
住
(
す
)
んでゐました。
008
銀狐
(
ぎんこ
)
は、
009
いろんなものを
造
(
つく
)
らうと
気
(
き
)
をあせつてゐましたが、
010
尾
(
を
)
の
長
(
なが
)
い
狼
(
おほかみ
)
が、
011
いつも、
012
『
止
(
よ
)
せ
止
(
よ
)
せ。
013
そんな
事
(
こと
)
をしても、
014
なんにもならんぢやないか』
015
と
言
(
い
)
つて、
016
押止
(
おしと
)
めてゐました。
017
それで
銀狐
(
ぎんこ
)
は、
018
たうとう
狼
(
おほかみ
)
が
自分
(
じぶん
)
の
側
(
そば
)
にゐるのがいやになつて、
019
或日
(
あるひ
)
、
020
『お
前
(
まへ
)
、
021
これから
出掛
(
でか
)
けて
行
(
い
)
つて、
022
焚木
(
たきぎ
)
を
取
(
と
)
つて
来
(
き
)
ておくれ』
023
と
言
(
い
)
ひました。
024
そして、
025
狼
(
おほかみ
)
が
出掛
(
でか
)
けて
行
(
ゆ
)
くと、
026
銀狐
(
ぎんこ
)
は
一本
(
いつぽん
)
の
矢
(
や
)
を
取
(
と
)
り
出
(
だ
)
して、
027
天上
(
てんじやう
)
世界
(
せかい
)
に
穴
(
あな
)
をあけて、
028
遥
(
はる
)
か
下
(
した
)
の
方
(
はう
)
にある
海
(
うみ
)
を
見下
(
みおろ
)
してゐました。
029
やがて、
030
狼
(
おほかみ
)
が
帰
(
かへ
)
つて
来
(
き
)
ましたが、
031
銀狐
(
ぎんこ
)
は、
032
天上
(
てんじやう
)
世界
(
せかい
)
に
穴
(
あな
)
をあけたことを
隠
(
かく
)
してゐました。
033
翌日
(
よくじつ
)
になると、
034
銀狐
(
ぎんこ
)
は、
035
又
(
また
)
狼
(
おほかみ
)
を
焚木取
(
たきぎと
)
りにやりました。
036
そして、
037
その
留守
(
るす
)
に、
038
弓
(
ゆみ
)
の
矢
(
や
)
を
穴
(
あな
)
に
突
(
つ
)
つこんで、
039
下
(
した
)
へ
落
(
おと
)
しますと、
040
弓
(
ゆみ
)
の
矢
(
や
)
は、
041
遥
(
はる
)
か
下
(
した
)
の
方
(
はう
)
の
海
(
うみ
)
に
落
(
お
)
ちて
水
(
みづ
)
の
底
(
そこ
)
に
沈
(
しづ
)
んでしまひました。
042
銀狐
(
ぎんこ
)
は、
043
穴
(
あな
)
から
抜
(
ぬ
)
け
出
(
だ
)
して、
044
下
(
した
)
へ
下
(
した
)
へと
降
(
お
)
りて
行
(
ゆ
)
きました。
045
そして、
046
水
(
みづ
)
の
面
(
おも
)
に
近
(
ちか
)
づくと
小
(
ちひ
)
さい
円
(
まる
)
い
島
(
しま
)
を
一
(
ひと
)
つ
拵
(
こしら
)
へて、
047
そこに
止
(
とど
)
まることにしました。
048
暫
(
しばら
)
くして、
049
狼
(
おほかみ
)
が
帰
(
かへ
)
つて
来
(
き
)
ますと、
050
銀狐
(
ぎんこ
)
の
姿
(
すがた
)
が
見
(
み
)
えませんので、
051
あちらこちらを
探
(
さが
)
しはじめました。
052
そのうちに、
053
天上
(
てんじやう
)
世界
(
せかい
)
に
開
(
あ
)
いてゐる
穴
(
あな
)
を
見
(
み
)
つけ
出
(
だ
)
して、
054
そこから
下
(
した
)
を
覗
(
のぞ
)
きますと、
055
遥
(
はる
)
か
下
(
した
)
の
方
(
はう
)
の
小島
(
こじま
)
に、
056
銀狐
(
ぎんこ
)
が
坐
(
すわ
)
りこんでゐるのを
見
(
み
)
つけました。
057
『おおい、
058
おれは
一人
(
ひとり
)
で
悲
(
かな
)
しくてたまらんよ。
059
どうしてそこへ
降
(
お
)
りてゆくのかね』
060
と
狼
(
おほかみ
)
が
声
(
こゑ
)
をかけました。
061
銀狐
(
ぎんこ
)
は、
062
なんとも
返事
(
へんじ
)
をしませんでした。
063
『そんなに
意地
(
いぢ
)
の
悪
(
わる
)
いことをするもんぢやないよ。
064
どうにかして、
065
おれも
下
(
した
)
に
降
(
お
)
りられるやうにしておくれ』
066
と
狼
(
おほかみ
)
が
又
(
また
)
声
(
こゑ
)
をかけました。
067
そこで、
068
銀狐
(
ぎんこ
)
が、
069
弓
(
ゆみ
)
の
矢
(
や
)
を
天
(
てん
)
の
方
(
はう
)
に
差出
(
さしだ
)
しましたので、
070
狼
(
おほかみ
)
はそれを
伝
(
つた
)
つて
下
(
した
)
へ
降
(
お
)
りて
来
(
き
)
ました。
071
銀狐
(
ぎんこ
)
が
拵
(
こしら
)
へた
島
(
しま
)
は
大層
(
たいそう
)
小
(
ちひ
)
さかつたので、
072
二人
(
ふたり
)
がそこに
住
(
す
)
むことになると、
073
殆
(
ほとん
)
ど
足
(
あし
)
を
伸
(
の
)
ばして
寝
(
ね
)
ることも
出来
(
でき
)
ない
位
(
くらゐ
)
でした。
074
そこで、
075
銀狐
(
ぎんこ
)
が
足
(
あし
)
に
力
(
ちから
)
を
入
(
い
)
れて
踏張
(
ふむば
)
りますと、
076
島
(
しま
)
は、
077
だんだんと
大
(
おほ
)
きくなりました。
078
銀狐
(
ぎんこ
)
は、
079
最初
(
さいしよ
)
に
島
(
しま
)
を
東
(
ひがし
)
に
踏
(
ふ
)
み
伸
(
の
)
ばして、
080
それから
北
(
きた
)
に
踏
(
ふ
)
み
伸
(
の
)
ばして、
081
それから
西
(
にし
)
に
踏
(
ふ
)
み
伸
(
の
)
ばして、
082
一番
(
いちばん
)
おしまひに
南
(
みなみ
)
に
踏
(
ふ
)
み
伸
(
の
)
ばしました。
083
そんなことを、
084
五晩
(
いつばん
)
ほど
続
(
つづ
)
けてゐますと、
085
その
島
(
しま
)
が、
086
今日
(
こんにち
)
のやうな
大
(
おほ
)
きな
世界
(
せかい
)
になりました。
087
銀狐
(
ぎんこ
)
は、
088
島
(
しま
)
を
踏
(
ふ
)
み
伸
(
の
)
ばすたびに、
089
狼
(
おほかみ
)
に
向
(
むか
)
つて、
090
『
島
(
しま
)
のまはりを
一走
(
ひとはし
)
りして、
091
どれ
位
(
くらゐ
)
大
(
おほ
)
きくなつたか
見
(
み
)
とどけて
来
(
き
)
ておくれ』
092
と
言
(
い
)
ひました。
093
そこで、
094
狼
(
おほかみ
)
は、
095
一走
(
ひとはし
)
りすることにしましたが、
096
始
(
はじ
)
めのうちは、
097
島
(
しま
)
が
小
(
ちひ
)
さかつたので、
098
すぐに
廻
(
まは
)
つてしまつてゐましたが、
099
おしまひには、
100
余
(
あま
)
り
大
(
おほ
)
きくなりましたので、
101
元
(
もと
)
のところに
帰
(
かへ
)
つて
来
(
こ
)
ないうちに、
102
ひどく
年
(
とし
)
をとつて、
103
体中
(
からだぢう
)
が
灰色
(
はひいろ
)
になつてしまひました。
104
世界
(
せかい
)
が
出来上
(
できあが
)
ると、
105
銀狐
(
ぎんこ
)
は、
106
人間
(
にんげん
)
や
動物
(
どうぶつ
)
や
木
(
き
)
や
泉
(
いづみ
)
等
(
など
)
を
拵
(
こしら
)
へました。
107
狼
(
おほかみ
)
はそれを
見
(
み
)
ると、
108
『こんなに
沢山
(
たくさん
)
に
生
(
いき
)
ものを
造
(
つく
)
つたんだから、
109
何
(
なに
)
か
食物
(
しよくもつ
)
を
拵
(
こしら
)
へてやらなくてはなるまい』
110
『
一
(
いち
)
年
(
ねん
)
のうちで
十月
(
とつき
)
を
冬
(
ふゆ
)
にしようぢやないか』
111
と
言
(
い
)
ひました。
112
『そんなに
冬
(
ふゆ
)
を
長
(
なが
)
くしたら、
113
食物
(
しよくもつ
)
が
足
(
た
)
りないよ』
114
と
銀狐
(
ぎんこ
)
が
言
(
い
)
ひました。
115
『
食物
(
しよくもつ
)
が
沢山
(
たくさん
)
ない
方
(
はう
)
がいいんだよ。
116
人間
(
にんげん
)
は
塵
(
ちり
)
埃
(
ほこり
)
からお
汁
(
しる
)
を
拵
(
こしら
)
へることが
出来
(
でき
)
るんだらうから』
117
と
狼
(
おほかみ
)
が
言
(
い
)
ひましたが、
118
銀狐
(
ぎんこ
)
はやはり
何
(
なん
)
とも
返事
(
へんじ
)
をしませんでした。
119
しかし、
120
暫
(
しばら
)
くすると、
121
『
冬
(
ふゆ
)
を
十月
(
とつき
)
にするのは、
122
よくないよ。
123
二月
(
ふたつき
)
で
沢山
(
たくさん
)
だ。
124
そしたら、
125
人間
(
にんげん
)
は、
126
日向葵
(
ひまはり
)
の
種
(
たね
)
や
木
(
き
)
の
根
(
ね
)
や
果実
(
このみ
)
を
食
(
た
)
べることが
出来
(
でき
)
るんだから』
127
と
言
(
い
)
ひました。
128
『いや、
129
いけないよ。
130
やつぱり
冬
(
ふゆ
)
は
十月
(
とつき
)
にしなくちやだめだ』
131
と
狼
(
おほかみ
)
が
何処
(
どこ
)
までも
言
(
い
)
ひ
張
(
は
)
りました。
132
そこで、
133
銀狐
(
ぎんこ
)
が、
134
たうとう
怒
(
おこ
)
り
出
(
だ
)
して、
135
『お
前
(
まへ
)
は、
136
あんまりしやべり
過
(
す
)
ぎるよ。
137
わしは
一
(
いち
)
年
(
ねん
)
を
四月
(
よつき
)
にするつもりだ。
138
冬
(
ふゆ
)
が
二月
(
ふたつき
)
で
春
(
はる
)
と
秋
(
あき
)
とが
一月
(
ひとつき
)
づつだ。
139
それで
結構
(
けつこう
)
だ。
140
もうこの
事
(
こと
)
に
就
(
つい
)
ては、
141
とやかくいはないでおくれ』
142
と
言
(
い
)
ひました。
143
かうして
人間
(
にんげん
)
世界
(
せかい
)
が
出来
(
でき
)
るし、
144
一
(
いち
)
年
(
ねん
)
が
春
(
はる
)
秋
(
あき
)
冬
(
ふゆ
)
の
三
(
み
)
つに
分
(
わか
)
れるやうになつたのです。
145
註アメリカ
印度人
(
いんどじん
)
は、
146
日本
(
にほん
)
などと
違
(
ちが
)
つて、
147
一
(
いち
)
年
(
ねん
)
を
三期
(
さんき
)
にわけてゐます。
148
この
神話
(
しんわ
)
は、
149
即
(
すなは
)
ちさうした
観念
(
くわんねん
)
を
反映
(
はんえい
)
してゐるのです。
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