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天祥地瑞
第73巻(子の巻)
第74巻(丑の巻)
第75巻(寅の巻)
第76巻(卯の巻)
第77巻(辰の巻)
第78巻(巳の巻)
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第76巻(卯の巻)
序文
総説
日本所伝の天地開闢説
支那の開闢説
波斯の宇宙創造説
希臘の天地開闢説
エヂプトの開闢説
メキシコナフア族の天地創造説
マヤ族の万物創造説
北欧に於ける宇宙創造説
太平洋西北岸創造説
英領北亜米利加創造説
亜弗利加神話
ヘブライ天地創造説
パレスチン創造説
ミクロネシヤ創造説
インドネシヤ創造説
第1篇 春風駘蕩
01 高宮参拝
〔1918〕
02 魔の渓流
〔1919〕
03 行進歌
〔1920〕
04 怪しの巌山
〔1921〕
05 露の宿
〔1922〕
第2篇 晩春の神庭
06 報告祭
〔1923〕
07 外苑の逍遥
〔1924〕
08 善言美霊
〔1925〕
第3篇 孤軍奮闘
09 闇の河畔
〔1926〕
10 二本松の蔭
〔1927〕
11 栄城の山彦
〔1928〕
12 山上の祈り
〔1929〕
13 朝駒の別れ
〔1930〕
14 磐楠舟
〔1931〕
15 御舟巌
〔1932〕
余白歌
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第76巻
> 第2篇 晩春の神庭 > 第8章 善言美霊
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第八章
善言美霊
(
ぜんげんびれい
)
〔一九二五〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第76巻 天祥地瑞 卯の巻
篇:
第2篇 晩春の神庭
よみ(新仮名遣い):
ばんしゅんのしんてい
章:
第8章 善言美霊
よみ(新仮名遣い):
ぜんげんびれい
通し章番号:
1925
口述日:
1933(昭和8)年12月06日(旧10月19日)
口述場所:
水明閣
筆録者:
林弥生
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1934(昭和9)年3月23日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
朝香比女の神は、顕津男の神を慕う狂おしい心に、御樋代神たちや宮司神たちのいさめを聞かず、白馬に鞭打ち、黄昏の空を東南指して駆け出でてしまった。
後に残された宮居の神々たちは、朝香比女の短慮を怒り嘆いたが、高地秀の宮居の聖殿に心静かに帰って朝香比女の神の旅の無事を祈るしかなかった。
一同は祭典の準備が整うと、鋭敏鳴出の神が宮居の司の務めとして、自ら高御座の大前にひれ伏し、声さわやかに、朝香比女の無事を願う祝詞を奏上した。
高野比女の神は御祭りの庭に立って朝香比女の行動を述懐し、皆のいさめを聞かずに飛び出した比女を「面勝神」と宣すが、無事を祈る歌を歌った。そして最後には、朝香比女の内に秘められた、激しく顕津男の神を思う心に思い至り、その心を汲むことができなかった自分を悔い、宣りなおした。
神々はそれぞれ、西方の国へ向かった朝香比女の無事を祈る歌を歌い継いだ。そして御樋代神の中には、「面勝神」である朝香比女が、実は曲津神をも糺す力を持った雄雄しい神であることを悟るものもあった。
最後に天津女雄の神は、朝香比女の雄雄しさに打たれ、西方の国魂神を生むべく旅立っていったその心をたたえた。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
rm7608
愛善世界社版:
八幡書店版:
第13輯 539頁
修補版:
校定版:
314頁
普及版:
初版:
ページ備考:
001
ここに
朝香比女
(
あさかひめ
)
の
神
(
かみ
)
は、
002
顕津男
(
あきつを
)
の
神
(
かみ
)
を
慕
(
した
)
はせ
給
(
たま
)
ふ
心
(
こころ
)
の
駒
(
こま
)
の
狂
(
くる
)
ひたちて
足掻
(
あが
)
き
止
(
や
)
まねば、
003
御樋代神
(
みひしろがみ
)
等
(
たち
)
、
004
宮司神
(
みやつかさがみ
)
等
(
たち
)
の
心
(
こころ
)
を
籠
(
こ
)
め
力
(
ちから
)
を
尽
(
つく
)
しての
諫
(
いさ
)
めも、
005
空
(
そら
)
吹
(
ふ
)
く
風
(
かぜ
)
と
聞
(
き
)
き
流
(
なが
)
し、
006
白馬
(
しらこま
)
に
鞭
(
むち
)
うち、
007
黄昏
(
たそがれ
)
の
空
(
そら
)
を
東南
(
とうなん
)
指
(
さ
)
して
駆
(
か
)
け
出
(
い
)
で
給
(
たま
)
ふぞ
雄々
(
をを
)
しけれ。
008
後
(
あと
)
に
残
(
のこ
)
れる
御樋代神
(
みひしろがみ
)
等
(
たち
)
は
慨然
(
がいぜん
)
として
歎
(
なげ
)
かせ
給
(
たま
)
ひつつ、
009
高地秀
(
たかちほ
)
の
宮居
(
みや
)
の
聖殿
(
すがどの
)
に
心
(
こころ
)
静
(
しづ
)
かに
帰
(
かへ
)
らせ
給
(
たま
)
ひて、
010
朝香比女
(
あさかひめ
)
の
神
(
かみ
)
の
旅
(
たび
)
の
無事
(
ぶじ
)
を
祈
(
いの
)
らむと、
011
種々
(
くさぐさ
)
の
美味物
(
うましもの
)
を
奉
(
たてまつ
)
り、
012
大御前
(
おほみまへ
)
に
祈
(
いの
)
りの
祝詞
(
のりと
)
を
奏上
(
そうじやう
)
し
給
(
たま
)
ひぬ。
013
先
(
ま
)
づ
例
(
かた
)
の
如
(
ごと
)
く
祭典
(
さいてん
)
の
用意
(
ようい
)
整
(
ととの
)
ひたれば、
014
鋭敏鳴出
(
うなりづ
)
の
神
(
かみ
)
は
宮居
(
みや
)
の
司
(
つかさ
)
の
務
(
つとめ
)
として、
015
御自
(
みみづか
)
ら
高御座
(
たかみくら
)
の
大前
(
おほまへ
)
にひれ
伏
(
ふ
)
し、
016
御声
(
みこゑ
)
爽
(
さはや
)
かに
太祝詞
(
ふとのりと
)
白
(
まを
)
し
給
(
たま
)
ふ。
017
『
掛巻
(
かけま
)
くも
綾
(
あや
)
に
畏
(
かしこ
)
き
高地秀山
(
たかちほやま
)
の
下津岩根
(
したついはね
)
に
大宮柱
(
おほみやばしら
)
太
(
ふと
)
しき
建
(
た
)
て、
018
高天原
(
たかあまはら
)
に
千木高知
(
ちぎたかし
)
りて、
019
堅磐常磐
(
かきはときは
)
に
此
(
これ
)
の
聖所
(
すがど
)
を
領有
(
うしは
)
ぎ
鎮
(
しづ
)
まりいます
主
(
ス
)
の
大神
(
おほかみ
)
の
大御前
(
おほみまへ
)
に、
020
斎主
(
いはひぬし
)
鋭敏鳴出
(
うなりづ
)
の
神
(
かみ
)
、
021
謹
(
つつし
)
み
敬
(
ゐやま
)
ひ
畏
(
かしこ
)
み
畏
(
かしこ
)
みも
白
(
まを
)
さく。
022
如何
(
いか
)
なる
神
(
かみ
)
の
経綸
(
しぐみ
)
なるかも、
023
如何
(
いか
)
なる
神
(
かみ
)
の
計
(
はか
)
らひなるかも、
024
御樋代比女神
(
みひしろひめがみ
)
と
神
(
かみ
)
の
依
(
よ
)
さしに
朝
(
あさ
)
な
夕
(
ゆふ
)
なを
仕
(
つか
)
へましし、
025
其
(
そ
)
が
中
(
なか
)
の
一柱
(
ひとはしら
)
とます
朝香
(
あさか
)
の
比女神
(
ひめがみ
)
は、
026
百神等
(
ももがみたち
)
の
諫
(
いさ
)
め
止
(
とど
)
むる
言霊
(
ことたま
)
をも
聞
(
き
)
かせ
給
(
たま
)
はず、
027
駿馬
(
はやこま
)
に
鞭
(
むち
)
うち
給
(
たま
)
ひて
常闇
(
とこやみ
)
の
夕
(
ゆふべ
)
の
空
(
そら
)
を、
028
太元顕津男
(
おほもとあきつを
)
の
神
(
かみ
)
の
御許
(
みもと
)
に
詣
(
まう
)
で
仕
(
つか
)
へむと、
029
心
(
こころ
)
雄々
(
をを
)
しく
出
(
い
)
でましぬ。
030
かれかくなりし
上
(
うへ
)
は、
031
吾等
(
われら
)
が
真心
(
まごころ
)
もちて
止
(
とど
)
めまつらむ
由
(
よし
)
もなければ、
032
惟神
(
かむながら
)
神
(
かみ
)
に
任
(
まか
)
せて、
033
比女神
(
ひめがみ
)
の
旅路
(
たびぢ
)
を
安
(
やす
)
らけく
平
(
たひら
)
けく
渡
(
わた
)
らせ
給
(
たま
)
へと
祈
(
いの
)
るより
外
(
ほか
)
に
詮術
(
せんすべ
)
無
(
な
)
かりければ、
034
ここに
神々
(
かみがみ
)
相議
(
あひはか
)
りて、
035
今日
(
けふ
)
の
御祭
(
みまつり
)
仕
(
つか
)
へまつると、
036
海河山野
(
うみかはやまぬ
)
種々
(
くさぐさ
)
の
美味物
(
うましもの
)
を、
037
八足
(
やたり
)
の
机代
(
つくゑしろ
)
に
横山
(
よこやま
)
なす
置
(
お
)
き
足
(
た
)
らはして、
038
奉
(
たてまつ
)
る
状
(
さま
)
を、
039
平
(
たひら
)
けく
安
(
やす
)
らけく
穏
(
おだひ
)
に
聞
(
きこ
)
し
召
(
め
)
しまして、
040
朝香比女
(
あさかひめ
)
の
神
(
かみ
)
が
伊行
(
いゆ
)
き
給
(
たま
)
ふ
道
(
みち
)
の
隈手
(
くまで
)
も
恙
(
つつが
)
なく
聖所
(
すがど
)
に
進
(
すす
)
ませ
給
(
たま
)
へかし。
041
過
(
あやま
)
ち
犯
(
をか
)
さむ
事
(
こと
)
しあらば、
042
神直日
(
かむなほひ
)
大直日
(
おほなほひ
)
に
見直
(
みなほ
)
し
聞直
(
ききなほ
)
し
宣
(
の
)
り
直
(
なほ
)
しまして、
043
比女
(
ひめ
)
の
神言
(
みこと
)
の
出立
(
いでたち
)
に
恙
(
つつが
)
あらせじと、
044
夜
(
よ
)
の
守
(
まも
)
り
日
(
ひ
)
の
守
(
まも
)
りに
守
(
まも
)
り
幸
(
さきは
)
へ
給
(
たま
)
へと、
045
鹿児自物
(
かごじもの
)
膝折
(
ひざを
)
り
伏
(
ふ
)
せ
宇自物
(
うじもの
)
頸根突貫
(
うなねつきぬ
)
きて
畏
(
かしこ
)
み
畏
(
かしこ
)
みも
祈願
(
こひのみ
)
奉
(
まつ
)
らくと
白
(
まを
)
す。
046
一
(
ひと
)
二
(
ふた
)
三
(
み
)
四
(
よ
)
五
(
いつ
)
六
(
むゆ
)
七
(
なな
)
八
(
や
)
九
(
ここの
)
十
(
たり
)
百
(
もも
)
千
(
ち
)
万
(
よろづ
)
、
047
惟神
(
かむながら
)
霊
(
たま
)
幸倍
(
ちはへ
)
坐世
(
ませ
)
、
048
惟神
(
かむながら
)
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はへましませよ』
049
高野比女
(
たかのひめ
)
の
神
(
かみ
)
は
御祭
(
みまつり
)
の
庭
(
には
)
に
立
(
た
)
たせ
給
(
たま
)
ひて、
050
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
051
『
高地秀
(
たかちほ
)
の
貴
(
うづ
)
の
宮居
(
みやゐ
)
に
永久
(
とこしへ
)
に
052
ます
大神
(
おほかみ
)
に
願
(
ね
)
ぎごと
白
(
まを
)
さむ
053
朝香比女
(
あさかひめ
)
神
(
かみ
)
は
夕
(
ゆふ
)
べを
立
(
た
)
ち
出
(
い
)
でぬ
054
つつがあらすな
道
(
みち
)
の
隈手
(
くまで
)
も
055
朝香比女
(
あさかひめ
)
は
面勝神
(
おもかつがみ
)
よ
射向
(
いむか
)
ふ
神
(
かみ
)
056
わが
言霊
(
ことたま
)
も
聞
(
き
)
かず
出
(
い
)
でましぬ
057
思
(
おも
)
ひ
立
(
た
)
ちし
事
(
こと
)
を
貫
(
つらぬ
)
く
朝香比女
(
あさかひめ
)
の
058
こころの
駒
(
こま
)
は
止
(
とど
)
め
得
(
え
)
ざりき
059
かくならば
詮術
(
せんすべ
)
もなし
主
(
ス
)
の
神
(
かみ
)
の
060
あつき
恵
(
めぐ
)
みにすがらむと
思
(
おも
)
ふ
061
曲津神
(
まがかみ
)
の
伊猛
(
いたけ
)
り
狂
(
くる
)
ふ
荒野原
(
あらのはら
)
を
062
進
(
すす
)
ます
比女
(
ひめ
)
の
身
(
み
)
をあやぶみぬ
063
危
(
あや
)
ふかる
旅
(
たび
)
の
枕
(
まくら
)
を
重
(
かさ
)
ねむと
064
朝香
(
あさか
)
の
比女
(
ひめ
)
は
雄々
(
をを
)
しく
出
(
い
)
でませり
065
かくまでも
其
(
そ
)
の
心
(
こころ
)
ばせを
立
(
た
)
て
通
(
とほ
)
す
066
朝香
(
あさか
)
の
比女
(
ひめ
)
は
面勝神
(
おもかつがみ
)
なり
067
御樋代神
(
みひしろがみ
)
われは
司
(
つかさ
)
と
任
(
ま
)
けられて
068
詫
(
わ
)
びごと
宣
(
の
)
らむ
言
(
こと
)
の
葉
(
は
)
も
出
(
で
)
ず
069
わが
心
(
こころ
)
おろそかにして
朝香比女
(
あさかひめ
)
の
070
こころを
今
(
いま
)
まで
悟
(
さと
)
らざりしよ
071
悟
(
さと
)
らざりしわが
過
(
あやま
)
ちを
神直日
(
かむなほひ
)
072
大直日神
(
おほなほひかみ
)
宣
(
の
)
り
直
(
なほ
)
しませ』
073
鋭敏鳴出
(
うなりづ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
074
『
朝香比女
(
あさかひめ
)
神
(
かみ
)
の
雄々
(
をを
)
しき
心
(
こころ
)
ばせを
075
われは
気付
(
きづ
)
かず
眠
(
ねむ
)
らひにけり
076
予
(
かね
)
てよりかくと
定
(
さだ
)
めし
朝香比女
(
あさかひめ
)
の
077
こころの
駒
(
こま
)
は
止
(
とど
)
め
得
(
え
)
ざりき
078
朝香比女
(
あさかひめ
)
神
(
かみ
)
の
神言
(
みこと
)
はまさしくや
079
射向
(
いむか
)
ふ
神
(
かみ
)
なり
面勝神
(
おもかつがみ
)
なる
080
果
(
は
)
てしなき
荒野
(
あらの
)
を
一人
(
ひとり
)
出
(
い
)
で
立
(
た
)
たす
081
雄々
(
をを
)
しき
比女
(
ひめ
)
をまもらせたまへ
082
曲津神
(
まがかみ
)
は
姿
(
すがた
)
をいろいろ
変
(
か
)
へにつつ
083
比女
(
ひめ
)
の
行方
(
ゆくへ
)
にさやらむとすも
084
曲津見
(
まがつみ
)
の
猛
(
たけ
)
びは
如何
(
いか
)
に
強
(
つよ
)
くとも
085
喪
(
も
)
なく
事
(
こと
)
なくすすませたまへ
086
八百万
(
やほよろづ
)
神
(
かみ
)
ましませど
朝香比女
(
あさかひめ
)
の
087
雄々
(
をを
)
しき
心
(
こころ
)
は
誰
(
た
)
も
持
(
も
)
たなくに』
088
梅咲比女
(
うめさくひめ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
089
『
東南
(
とうなん
)
の
荒野
(
あらの
)
は
山
(
やま
)
も
高
(
たか
)
くして
090
初夏
(
はつなつ
)
ながら
春
(
はる
)
の
気
(
き
)
漂
(
ただよ
)
はむ
091
白梅
(
しらうめ
)
の
花
(
はな
)
はあちこちに
匂
(
にほ
)
ひつつ
092
比女神
(
ひめがみ
)
の
旅
(
たび
)
を
慰
(
なぐさ
)
むなるらむ
093
白梅
(
しらうめ
)
の
匂
(
にほ
)
へる
山路
(
やまぢ
)
を
踏
(
ふ
)
みわけて
094
白毛
(
しろげ
)
の
駒
(
こま
)
に
鞭
(
むち
)
うたすらむ
095
主
(
ス
)
の
神
(
かみ
)
の
厚
(
あつ
)
き
恵
(
めぐ
)
みに
朝香比女
(
あさかひめ
)
の
096
神
(
かみ
)
はやすやす
進
(
すす
)
ませ
給
(
たま
)
はむ
097
言霊
(
ことたま
)
の
幸
(
さち
)
はひたすくる
天界
(
かみくに
)
に
098
さやらむ
曲津
(
まが
)
は
必
(
かなら
)
ず
亡
(
ほろ
)
びむ
099
さりながら
朝香
(
あさか
)
の
比女
(
ひめ
)
の
草枕
(
くさまくら
)
100
旅
(
たび
)
の
苦
(
くる
)
しさわれにせまるも
101
朝夕
(
あさゆふ
)
を
神
(
かみ
)
の
御前
(
みまへ
)
に
祈
(
いの
)
らばや
102
朝香
(
あさか
)
の
比女
(
ひめ
)
に
恙
(
つつが
)
なかれと
103
四方八方
(
よもやも
)
に
白梅
(
しらうめ
)
薫
(
かを
)
る
春
(
はる
)
の
野
(
の
)
を
104
心
(
こころ
)
豊
(
ゆたか
)
に
立
(
た
)
ち
出
(
い
)
でますらむ』
105
香具比女
(
かぐひめ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
106
『
非時
(
ときじく
)
に
香具
(
かぐ
)
の
木
(
こ
)
の
実
(
み
)
の
香
(
かを
)
りたる
107
紫微天界
(
しびてんかい
)
はにぎはしきかも
108
桜花
(
さくらばな
)
散
(
ち
)
り
敷
(
し
)
く
庭
(
には
)
の
夕
(
ゆふ
)
ぐれを
109
朝香
(
あさか
)
の
比女
(
ひめ
)
は
一人
(
ひとり
)
立
(
た
)
たせる
110
神々
(
かみがみ
)
の
誠
(
まこと
)
をこめての
言霊
(
ことたま
)
も
111
聞
(
き
)
かさず
立
(
た
)
ちし
比女神
(
ひめがみ
)
天晴
(
あは
)
れ
112
比女神
(
ひめがみ
)
の
後姿
(
うしろで
)
見送
(
みおく
)
りてわれはただ
113
故
(
ゆゑ
)
知
(
し
)
らぬ
涙
(
なみだ
)
ほとばしりぬる
114
今日
(
けふ
)
を
限
(
かぎ
)
り
長
(
なが
)
の
別
(
わか
)
れにならむかと
115
おもへば
悲
(
かな
)
しくなみだぐまるも
116
大野原
(
おほのはら
)
駒
(
こま
)
に
鞭
(
むち
)
うち
一人
(
ひとり
)
ゆかす
117
雄々
(
をを
)
しき
比女
(
ひめ
)
の
心
(
こころ
)
いたまし
118
背
(
せ
)
の
岐美
(
きみ
)
をおもふあまりの
旅立
(
たびだ
)
ちと
119
おもへばわれも
悲
(
かな
)
しくなりぬ
120
神
(
かみ
)
思
(
おも
)
ひ
岐美
(
きみ
)
を
慕
(
した
)
ひて
胸
(
むね
)
の
火
(
ひ
)
の
121
炎
(
ほのほ
)
消
(
け
)
さむと
出
(
い
)
でませしはや
122
燃
(
も
)
ゆる
火
(
ひ
)
も
溢
(
あふ
)
るる
水
(
みづ
)
もいとひなく
123
恋路
(
こひぢ
)
のためには
命
(
いのち
)
惜
(
を
)
しまさず
124
玉
(
たま
)
の
緒
(
を
)
の
命
(
いのち
)
捧
(
ささ
)
げし
岐美
(
きみ
)
ゆゑに
125
かくもありけむ
朝香比女神
(
あさかひめがみ
)
は
126
よしやよし
曲津見
(
まがつみ
)
のさやり
繁
(
しげ
)
くとも
127
つらぬき
通
(
とほ
)
せ
公
(
きみ
)
の
真心
(
まごころ
)
を』
128
寿々子比女
(
すずこひめ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
129
『
朝香比女
(
あさかひめ
)
道
(
みち
)
の
隈手
(
くまで
)
も
恙
(
つつが
)
なかれと
130
こころ
清
(
きよ
)
めて
祈
(
いの
)
りけらしな
131
駿馬
(
はやこま
)
に
鞭
(
むち
)
をうたせて
出
(
い
)
で
立
(
た
)
ちし
132
比女
(
ひめ
)
の
姿
(
すがた
)
は
雄々
(
をを
)
しかりける
133
岐美
(
きみ
)
おもふ
心
(
こころ
)
の
征矢
(
そや
)
を
通
(
とほ
)
さむと
134
駒
(
こま
)
にまたがり
駆
(
か
)
け
出
(
い
)
で
給
(
たま
)
ひぬ
135
春
(
はる
)
さりて
夏
(
なつ
)
来
(
きた
)
りける
大野原
(
おほのはら
)
を
136
進
(
すす
)
ます
公
(
きみ
)
のすがた
偲
(
しの
)
ばゆ
137
昆虫
(
はふむし
)
の
災
(
わざはひ
)
もなく
高津神
(
たかつかみ
)
の
138
さまたげもなく
進
(
すす
)
み
給
(
たま
)
はれ
139
一度
(
ひとたび
)
は
止
(
とど
)
めまつれど
如何
(
いか
)
にせむ
140
かくなるうへはただに
祈
(
いの
)
らむ
141
比女神
(
ひめがみ
)
の
進
(
すす
)
ます
道
(
みち
)
は
安
(
やす
)
くあれ
142
高津鳥
(
たかつとり
)
等
(
ら
)
のわざはひもなく
143
山
(
やま
)
を
越
(
こ
)
え
野
(
の
)
を
越
(
こ
)
え
溪川
(
たにがは
)
渡
(
わた
)
りつつ
144
出
(
い
)
で
行
(
ゆ
)
く
公
(
きみ
)
の
雄々
(
をを
)
しきろかも
145
かくならば
後
(
あと
)
に
残
(
のこ
)
りしわれわれも
146
比女神
(
ひめがみ
)
の
旅
(
たび
)
を
祈
(
いの
)
るのみなる』
147
宇都子比女
(
うづこひめ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
148
『
高地秀
(
たかちほ
)
の
宮居
(
みや
)
の
聖所
(
すがど
)
を
後
(
あと
)
にして
149
山河
(
やまかは
)
わたり
比女神
(
ひめがみ
)
出
(
い
)
でましぬ
150
数千里
(
すせんり
)
の
旅
(
たび
)
の
枕
(
まくら
)
をかさねつつ
151
一人
(
ひとり
)
出
(
い
)
でます
比女神
(
ひめがみ
)
天晴
(
あは
)
れ
152
百神
(
ももがみ
)
の
神言
(
みこと
)
の
止
(
とど
)
めも
聞
(
き
)
かずして
153
雄々
(
をを
)
しも
比女
(
ひめ
)
は
出
(
い
)
でましにける』
154
狭別比女
(
さわけひめ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
155
『
幾十日
(
いくじふにち
)
筑紫
(
つくし
)
の
宮居
(
みや
)
の
旅
(
たび
)
をへて
156
間
(
ま
)
もなく
比女神
(
ひめがみ
)
又
(
また
)
旅
(
たび
)
に
立
(
た
)
てり
157
気魂
(
からたま
)
も
神魂
(
みたま
)
も
強
(
つよ
)
き
比女神
(
ひめがみ
)
の
158
こころの
駒
(
こま
)
を
止
(
と
)
むる
術
(
すべ
)
なし
159
幾千里
(
いくせんり
)
荒野
(
あらの
)
をわたり
旅立
(
たびだ
)
たす
160
朝香
(
あさか
)
の
比女
(
ひめ
)
は
雄々
(
をを
)
しき
神
(
かみ
)
なり
161
徒
(
いたづら
)
に
月日
(
つきひ
)
送
(
おく
)
らむ
苦
(
くる
)
しさに
162
朝香
(
あさか
)
の
比女
(
ひめ
)
は
立
(
た
)
ち
出
(
い
)
でにけむ
163
主
(
ス
)
の
神
(
かみ
)
の
御許
(
みゆる
)
しもなくただ
一人
(
ひとり
)
164
立
(
た
)
たせる
朝香比女
(
あさかひめ
)
の
神
(
かみ
)
はも
165
朝香比女
(
あさかひめ
)
神
(
かみ
)
の
神言
(
みこと
)
のとりしわざは
166
かへりて
神
(
かみ
)
に
叶
(
かな
)
ふなるらむ
167
主
(
ス
)
の
神
(
かみ
)
の
御旨
(
みむね
)
に
叶
(
かな
)
はぬわざなれば
168
朝香
(
あさか
)
の
比女
(
ひめ
)
の
駒
(
こま
)
は
走
(
はし
)
らじ
169
黄昏
(
たそがれ
)
の
闇
(
やみ
)
を
駆
(
か
)
け
出
(
だ
)
しし
雄々
(
をを
)
しかる
170
すがたに
神旨
(
みむね
)
をわれはうたがふ
171
村肝
(
むらきも
)
の
心
(
こころ
)
照
(
て
)
らして
言霊
(
ことたま
)
の
172
水火
(
いき
)
清
(
きよ
)
まらばすべてはならむも
173
朝香比女
(
あさかひめ
)
神
(
かみ
)
はかならず
顕津男
(
あきつを
)
の
174
神
(
かみ
)
と
御水火
(
みいき
)
を
合
(
あ
)
はせますらむ
175
西方
(
にしかた
)
の
国土
(
くに
)
稚
(
わか
)
ければ
御樋代
(
みひしろ
)
の
176
神
(
かみ
)
まさぬ
世
(
よ
)
を
悟
(
さと
)
らしにけむ
177
西方
(
にしかた
)
の
国土
(
くに
)
の
御樋代神
(
みひしろがみ
)
となり
178
国魂神
(
くにたまがみ
)
を
生
(
う
)
ます
旅
(
たび
)
かも
179
西方
(
にしかた
)
の
国土
(
くに
)
は
黒雲
(
くろくも
)
立
(
た
)
ちこめて
180
大曲津見
(
おほまがつみ
)
の
棲
(
す
)
めるとぞ
聞
(
き
)
く
181
曲津見
(
まがつみ
)
のほしいままなる
振舞
(
ふるまひ
)
を
182
たださむとして
出
(
い
)
でましにけむ
183
朝香比女
(
あさかひめ
)
神
(
かみ
)
は
面勝神
(
おもかつがみ
)
なれば
184
大曲津見
(
おほまがつみ
)
もただになびかむ
185
かくの
如
(
ごと
)
雄々
(
をを
)
しき
神
(
かみ
)
はあらざりき
186
御樋代神
(
みひしろがみ
)
は
数多
(
あまた
)
ませども』
187
花子比女
(
はなこひめ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
188
『
高地秀
(
たかちほ
)
の
峰
(
みね
)
の
桜
(
さくら
)
は
早
(
は
)
や
散
(
ち
)
りて
189
青葉
(
あをば
)
の
園
(
その
)
となりにけらしな
190
野
(
の
)
に
山
(
やま
)
に
若葉
(
わかば
)
若草
(
わかぐさ
)
萌
(
も
)
え
立
(
た
)
ちて
191
夏
(
なつ
)
の
御空
(
みそら
)
は
来
(
き
)
むかひにけり
192
青葉
(
あをば
)
萌
(
も
)
ゆる
山河
(
やまかは
)
渡
(
わた
)
り
駒
(
こま
)
の
背
(
せ
)
に
193
乗
(
の
)
りて
出
(
い
)
でます
朝香比女
(
あさかひめ
)
はも
194
朝香比女
(
あさかひめ
)
神
(
かみ
)
はかならず
曲津見
(
まがつみ
)
の
195
猛
(
たけ
)
びにくるしみ
給
(
たま
)
ふなるらむ
196
朝香比女
(
あさかひめ
)
旅
(
たび
)
の
悩
(
なや
)
みをおもひつつ
197
腮辺
(
しへん
)
につたふわがなみだかな
198
西方
(
にしかた
)
の
国土
(
くに
)
は
黒雲
(
くろくも
)
立
(
た
)
ちこめて
199
スウヤトゴルの
曲津
(
まが
)
は
火
(
ひ
)
を
吐
(
は
)
く
200
非時
(
ときじく
)
に
黒雲
(
くろくも
)
むらむら
立
(
た
)
ち
上
(
のぼ
)
り
201
御空
(
みそら
)
をつつむ
西方
(
にしかた
)
小暗
(
をぐら
)
き
202
月
(
つき
)
も
日
(
ひ
)
も
星
(
ほし
)
もかげなき
西方
(
にしかた
)
の
203
国土
(
くに
)
造
(
つく
)
るべく
出
(
い
)
でましにけむ
204
朝香比女
(
あさかひめ
)
神
(
かみ
)
の
雄々
(
をを
)
しき
心
(
こころ
)
ばせを
205
われは
朝夕
(
あさゆふ
)
悟
(
さと
)
り
居
(
ゐ
)
しはや
206
かくの
如
(
ごと
)
思
(
おも
)
ひきりたる
草枕
(
くさまくら
)
207
旅
(
たび
)
にたたすをうべよと
思
(
おも
)
へり
208
今
(
いま
)
とならば
止
(
とど
)
めむよしもなきままに
209
恙
(
つつが
)
なかれと
祈
(
いの
)
るのみなる
210
朝香比女
(
あさかひめ
)
功
(
いさを
)
を
太
(
ふと
)
しく
建
(
た
)
てまさば
211
御樋代神
(
みひしろがみ
)
のほまれなるかも
212
八柱
(
やはしら
)
の
御樋代比女神
(
みひしろひめがみ
)
の
中
(
なか
)
にして
213
雄々
(
をを
)
しき
神
(
かみ
)
の
出
(
い
)
でますは
嬉
(
うれ
)
し』
214
小夜子比女
(
さよこひめ
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
215
『
丹牡丹
(
にぼたん
)
の
花
(
はな
)
はくづれて
庭池
(
にはいけ
)
の
216
菖蒲
(
あやめ
)
の
紫
(
むらさき
)
匂
(
にほ
)
ひ
初
(
そ
)
めたり
217
大庭
(
おほには
)
の
瀬見
(
せみ
)
の
小川
(
をがは
)
にかげうつす
218
菖蒲
(
あやめ
)
の
花
(
はな
)
のつやつやしかも
219
菖蒲
(
あやめ
)
咲
(
さ
)
くころの
聖所
(
すがど
)
を
後
(
あと
)
にして
220
朝香
(
あさか
)
の
比女
(
ひめ
)
は
旅立
(
たびだ
)
たしける
221
朝香比女
(
あさかひめ
)
は
燃
(
も
)
ゆる
心
(
こころ
)
の
苦
(
くる
)
しさに
222
菖蒲
(
あやめ
)
も
目
(
め
)
にはうつらざりけむ
223
庭
(
には
)
の
面
(
も
)
に
咲
(
さ
)
ける
菖蒲
(
あやめ
)
や
燕子花
(
かきつばた
)
224
何
(
いづ
)
れをそれと
別
(
わか
)
ち
兼
(
か
)
ねつつ
225
朝香比女
(
あさかひめ
)
の
今日
(
けふ
)
の
旅立
(
たびだ
)
ちよしあしの
226
あやめもわかずわれは
黙
(
もだ
)
さむ
227
何事
(
なにごと
)
も
主
(
ス
)
の
大神
(
おほかみ
)
の
御心
(
みこころ
)
に
228
任
(
まか
)
すは
真
(
まこと
)
のつとめなるらむ
229
如何
(
いか
)
ならむ
太
(
ふと
)
しき
功
(
いさを
)
たつるとも
230
御神
(
みかみ
)
の
御許
(
みゆる
)
しなきは
仇
(
あだ
)
なり
231
主
(
ス
)
の
神
(
かみ
)
の
生言霊
(
いくことたま
)
に
依
(
よ
)
らずして
232
われは
進
(
すす
)
まむ
雄心
(
をごころ
)
起
(
おこ
)
らず
233
徒
(
いたづら
)
に
長
(
なが
)
き
月日
(
つきひ
)
を
送
(
おく
)
りしと
234
思
(
おも
)
ふは
心
(
こころ
)
のひがみなりしよ
235
朝夕
(
あさゆふ
)
に
神
(
かみ
)
に
仕
(
つか
)
へて
祝詞
(
のりと
)
宣
(
の
)
るは
236
御樋代神
(
みひしろがみ
)
のつとめなりける
237
地
(
つち
)
稚
(
わか
)
きこの
天界
(
かみくに
)
を
固
(
かた
)
めむと
238
御樋代神
(
みひしろがみ
)
を
生
(
う
)
ましし
神
(
かみ
)
はや
239
御子生
(
みこう
)
みの
神業
(
わざ
)
はさておき
言霊
(
ことたま
)
の
240
御樋代
(
みひしろ
)
として
生
(
あ
)
れ
出
(
い
)
でしならむ
241
かくならば
朝
(
あさ
)
な
夕
(
ゆふ
)
なに
世
(
よ
)
の
為
(
ため
)
に
242
御樋代神
(
みひしろがみ
)
は
言霊
(
ことたま
)
宣
(
の
)
らばや
243
一日
(
ひとひ
)
だも
生言霊
(
いくことたま
)
をおこたらば
244
乱
(
みだ
)
るる
世
(
よ
)
なりと
悟
(
さと
)
らひにけり』
245
天津女雄
(
あまつめを
)
の
神
(
かみ
)
は
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませ
給
(
たま
)
ふ。
246
『
御樋代
(
みひしろ
)
の
比女神等
(
ひめがみたち
)
に
従
(
したが
)
ひて
247
珍
(
めづら
)
しき
事
(
こと
)
を
見聞
(
みき
)
きするかも
248
真心
(
まごころ
)
を
筑紫
(
つくし
)
の
宮居
(
みやゐ
)
あとにして
249
高地秀
(
たかちほ
)
の
宮居
(
みや
)
に
仕
(
つか
)
へつるかも
250
朝香比女
(
あさかひめ
)
神
(
かみ
)
の
旅立
(
たびだ
)
ち
送
(
おく
)
りつつ
251
雄々
(
をを
)
しき
姿
(
すがた
)
に
見
(
み
)
とれけるかな
252
かくの
如
(
ごと
)
雄々
(
をを
)
しき
神
(
かみ
)
にいますとは
253
愚
(
おろ
)
かしきわれは
悟
(
さと
)
らざりしよ
254
この
上
(
うへ
)
は
朝
(
あさ
)
な
夕
(
ゆふ
)
なを
大宮居
(
おほみや
)
に
255
祈
(
いの
)
りて
比女
(
ひめ
)
の
幸
(
さち
)
を
守
(
まも
)
らむ
256
西方
(
にしかた
)
の
国魂神
(
くにたまがみ
)
を
生
(
う
)
ますべく
257
雄々
(
をを
)
しく
一人
(
ひとり
)
出
(
い
)
でましにけむ
258
今
(
いま
)
となりて
悔
(
くや
)
むも
詮
(
せん
)
なし
真心
(
まごころ
)
を
259
持
(
も
)
ちて
祈
(
いの
)
らむ
神
(
かみ
)
の
御前
(
みまへ
)
に』
260
かくの
如
(
ごと
)
く、
261
神々
(
かみがみ
)
は
大宮居
(
おほみや
)
の
前
(
まへ
)
に
比女神
(
ひめがみ
)
の
無事
(
ぶじ
)
を
祈
(
いの
)
りつつ
各自
(
おのもおのも
)
述懐歌
(
じゆつくわいか
)
をうたひて、
262
静
(
しづ
)
かに
定
(
さだ
)
めの
居間
(
ゐま
)
に
就
(
つ
)
かせ
給
(
たま
)
ひける。
263
(
昭和八・一二・六
旧一〇・一九
於水明閣
林弥生
謹録)
Δこのページの一番上に戻るΔ
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ブログ更新。「三鏡解説」を011まで載せました。
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9/1
【
飯塚弘明.com
】
「霊界物語スーパーメールマガジン」に昨年から連載している三鏡の解説を、加筆訂正してブログに順次掲載して行きます。「
三鏡解説 目次
」
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【08 善言美霊|第76巻(卯の巻)|霊界物語/rm7608】
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