霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第六章 報告祭(はうこくさい)〔一九二三〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第76巻 天祥地瑞 卯の巻 篇:第2篇 晩春の神庭 よみ(新仮名遣い):ばんしゅんのしんてい
章:第6章 報告祭 よみ(新仮名遣い):ほうこくさい 通し章番号:1923
口述日:1933(昭和8)年12月06日(旧10月19日) 口述場所:水明閣 筆録者:森良仁 校正日: 校正場所: 初版発行日:1934(昭和9)年3月23日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
春の陽気に桜の花が爛漫と咲き乱れる真昼頃、高野比女の神一同は、高地秀の宮居の清庭に駒のくつわを並べ、顔を輝かせて帰りついた。
留守を守っていた胎別男(みわけお)の神は、一同の無事の姿に喜び、長旅をねぎらおうと、諸神に命じて別殿に歓迎の宴の準備を始めた。
高野比女の神は大宮居の大前に禊祓い、感謝の祭典を行い太祝詞をあげた。その概要は:
掛巻(かけまく)も畏き紫微天界の真秀良場(まほらば)である高地秀山の岩底深く、宮柱を立て、高天原に千木が届くほど高く宮を構えて永遠に鎮まっておられる主の神、その大前に、御樋代の神である高野比女らは、謹んでかしこみかしこみも申し上げます。
そもそも、天界(かみくに)は、主の大神の広く厚い大御恵みと、赤く直く、正しい生言霊の神聖な威力によって鳴出でてできあがった国土である。
だから、わけ隔てなく大神の恩頼(みたまのふゆ)によって永遠に栄えるものであるし、大神の御恵みがなければ、立ち行かないものである。
そのことを深く悟り広く知って、ますますその偉大さを恐れ敬い奉ろうと、某吉日に万里の道を馬に乗って旅立ち、草枕の宿を重ねて、天津高宮に詣で奉った。
そこで、大神御自ら清く赤きご託宣を承り、一言も漏らさず肝に銘じて、その大御恵みをかたじけなく受け取らせていただいた。さらに、恐れ多くも主の神より、高地秀の宮居の宮司として、鋭敏鳴出(うなりづ)の神、天津女雄(あまつめを)の神の二神をお授けいただいた。
これで高地秀の宮居も栄えるだろうと思って嬉しく、おのおの御樋代神たちは玉の泉に禊を修め、感謝言を宣り、再び駒にまたがって大野ケ原を帰り来た。
途中、多くの曲津神の妨害も、主の大神の深く厚き守りに、事無く乗り越えて、今日この吉日に帰り来ることができた。
その嬉しさの千分の一でも報い奉ろうと、海河山野さまざまの美味のものを、机に横山のようにいっぱいに置き並べて奉ります。
この様子をよろしくご覧になりご理解いただきまして、この宮居に仕える者たちが、主の神の大御心に違えたり逆らったりすることがなく、いただいた真言の光を照らして仕え、罪穢れ・過ちなく、よろしく仕えられますよう、かしこみかしこみもお願い申し上げ奉ります。
また、別に申し上げます。高地秀の宮居を真中として、四方にある未だ若い国土の国津神たちが、おのおの日々の業務を励み勤めて、緩んだり怠ったりすることがありませんように。この天界がさらにさらに拓き栄えますように。また、紫微天界の真秀良場である貴い御名を落とさないよう、皆が励んで活動できますように。たった一つの我が膝をおり伏せ、鵜のごとく首をついて、かしこくもお願い申し上げます次第です。
惟神霊幸倍坐世、惟神霊幸倍坐世。
高野比女の神は、祝詞を終わり、諸神とともに直会の席につき、しばらく合掌しながら、この旅を振り返る述懐の歌を詠んだ。
次に鋭敏鳴出の神が述懐の歌を詠んだ。すると、ちょうど桜の花びらが一枚、ひらひらと、朝香比女の神の持った盃の上に落ちてきた浮かんだ。
朝香比女の神は微笑みつつ歌を歌った。
背の岐美(きみ)の 清き心の一弁(ひとひら)か わが盃に浮ける桜は
背の岐美の 心と思へば捨てられじ 花もろともにいただかむかな
そして花びらの浮いた神酒をぐっと飲み下し、次の歌を歌った。
背の岐美の 深き心の花弁(はなびら)と 神酒諸共に飲み干しにけり
御樋代の神と選まれ 背の君の水火(いき)と思ひて 飲みし花酒(はなざけ)よ
斯くならば 吾は御樋代神として 岐美の在所(ありか)をたづね行くべし
そして、各御樋代神たちはそれぞれ、この旅が成功に終わったことを寿ぐ述懐の歌を歌った。
十柱の神たちは、大宮に詣でた報告祭を奏上し終わると直会の席についた。そして、今回の旅で学んだ言霊の真理を告白しつつ、各々の居間に戻り、休みを取った。
折りしも、吹き来る春風に、庭いっぱいの桜は雪のごとく夕立のごとく、算を乱して清庭のおもてに散り敷き、庭は一面の花筵となった。そこに名残を惜しむように数多の胡蝶がやって来て、低く舞い遊び戯れていた。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm7606
愛善世界社版: 八幡書店版:第13輯 526頁 修補版: 校定版:267頁 普及版: 初版: ページ備考:
001 (はる)陽気(やうき)(ただよ)ひて、002桜花(あうくわ)爛漫(らんまん)()(みだ)れ、003(には)(おもて)一弁(ひとひら)二弁(ふたひら)(しづか)(さくら)花弁(はなびら)()りこぼれたる真昼頃(まひるごろ)004高地秀(たかちほ)宮居(みや)清庭(すがには)(こま)(くつわ)(なら)べて、005高野(たかの)比女(ひめ)(かみ)一行(いつかう)御面(みおも)(かがや)かせ、006目出度(めでた)此所(ここ)(かへ)(たま)ひければ、007胎別男(みわけを)(かみ)比女神(ひめがみ)姿(すがた)()るより打喜(うちよろこ)び、008(うやうや)しく()(むか)へて長途(ちやうと)(たび)(つかれ)(ねぎら)ふべく、009別殿(べつでん)歓迎(くわんげい)馳走(ちそう)準備(じゆんび)(いそが)しく諸神(しよしん)(とく)して、010忠実(まめ)々々(まめ)しく()(はたら)(たま)ひける。
011 (ここ)高野(たかの)比女(ひめ)(かみ)一行(いつかう)は、012大宮居(おほみや)大前(おほまへ)禊祓(みそぎはら)ひを(をは)り、013感謝(ゐやひ)祭典(まつり)(おこな)太祝詞(ふとのりと)()らせ(たま)ふ。
014 海河(うみかは)山野(やまぬ)種々(くさぐさ)美味物(うましもの)八足(やたり)机代(つくゑしろ)()(たら)はし、015十柱(とはしら)(かみ)式場(しきぢやう)列座(れつざ)(その)()神々(かみがみ)末座(まつざ)拝跪(はいき)して、016今日(けふ)目出度(めでた)祭典(さいてん)(れつ)(たま)ひつつ、017(てん)(はい)()(はい)(よろこ)ばせ(たま)ふ。
018 高野(たかの)比女(ひめ)(かみ)御前(みまへ)拍手(はくしゆ)して、
 
019掛巻(かけまく)(かしこ)紫微(しび)天界(てんかい)真秀良場(まほらば)なる高地秀(たかちほ)(やま)下津(したつ)岩根(いはね)に、020宮柱(みやばしら)太敷(ふとしき)()高天原(たかあまはら)千木高(ちぎたか)()りて、021堅磐(かきは)常磐(ときは)(しづ)まりいます()大神(おほかみ)大前(おほまへ)に、022御樋代(みひしろ)(かみ)高野(たかの)比女(ひめ)()023(つつし)(ゐやま)(かしこ)(かしこ)みも(まを)さく。024(そも)(これ)天界(かみくに)()大神(おほかみ)(ひろ)(あつ)大御恵(おほみめぐみ)と、025(あか)(なほ)(ただ)しき生言霊(いくことたま)御稜威(みいづ)()りて、026()()(たま)ひし国土(くに)にしあれば、027(うみ)(くが)との(わか)ちなく(やま)(かは)との差別(けぢめ)なく、028(ひろ)(あつ)恩頼(みたまのふゆ)(かかぶ)りて、029弥遠永(いやとほなが)立栄(たちさか)ゆるものにしあれば、030一日(ひとひ)片時(かたとき)()大神(おほかみ)御恵(みめぐみ)(はな)れては、031()()つべからざる(こと)(よし)を、032(ふか)(さと)(ひろ)(きは)めて、033弥益々(いやますます)(その)(かしこ)さに戦慄(をのの)(おそ)(ゐやま)(まつ)らむとして、034()ぎつる吉月(よきつき)吉日(よきひ)(えら)み、035万里(ばんり)(みち)遥々(はろばろ)(こま)()(またが)り、036岩根(いはね)木根(きね)()佐久美(さくみ)天津(あまつ)高宮(たかみや)に、037草枕(くさまくら)(たび)宿(やど)りを(かさ)ねつつ(まう)(まつ)り、038大御神(おほみかみ)御口自(みくちづ)から(きよ)(あか)(たふと)大神宣(おほみのり)(うけたまは)り、039唯一言(ただひとこと)()らさじ(わす)れじと(こころ)(こま)手綱(たづな)引締(ひきし)め、040(うなじ)()けて(つか)()(わす)るる(こと)なく、041村肝(むらきも)(こころ)(いだ)(むね)()め、042大御恵(おほみめぐみ)(かたじ)けなみつつありしが、043(おそ)(おほ)くも()大御神(おほみかみ)より高地秀(たかちほ)宮居(みや)宮司(みやつかさ)として、044(この)(たび)(あらた)鋭敏鳴出(うなりづ)(かみ)045(その)添柱(そへばしら)として天津(あまつ)女雄(めを)(かみ)(さづ)(たま)ひぬ。046天晴(あは)天晴(あは)今日(けふ)よりは高地秀(たかちほ)宮居(みや)弥生(やよひ)(はな)()()つるが(ごと)く、047(あき)(かへで)(くれなゐ)()むるが(ごと)く、048弥美(いやうる)はしく弥清(いやすが)しく(さか)えまさむ(こと)を、049(おも)(はか)りて(うれ)しみに()へず、050各自(おのもおのも)御樋代(みひしろ)(がみ)(たち)(たま)(いづみ)(みそぎ)(をさ)め、051感謝言(ゐやひごと)神嘉言(かむよごと)()()へて、052(ふたた)(こま)(またが)りつ十柱(とはしら)(かみ)(たち)(はて)しも()らぬ大野原(おほのがはら)(こま)(いなな)(いさ)ましく、053()()()ぎて(かへ)らむ(みち)に、054さやりたる八十(やそ)曲津見(まがつみ)曲業(まがわざ)も、055()大御神(おほみかみ)(ふか)(あつ)御守(みまも)りに、056()なく(こと)なく今日(けふ)吉日(よきひ)吉時(よきとき)に、057()大御神(おほみかみ)(まつ)りたる(これ)宮居(みやゐ)(かへ)りける、058(その)(うれ)しさの千重(ちへ)一重(ひとへ)だも(むく)(まつ)らむとして、059海河(うみかは)山野(やまぬ)種々(くさぐさ)美味物(うましもの)百取(ももとり)机代(つくゑしろ)横山(よこやま)(ごと)()(たら)はして(たてまつ)(さま)を、060𪫧怜(うまら)委曲(つばら)聞食(きこしめし)相諾(あひうづな)(たま)ひて、061(これ)宮居(みやゐ)(つか)(まつ)司神(つかさかみ)(たち)大御心(おほみこころ)(たが)(まつ)らず(さから)(まつ)らず、062大御神(おほみかみ)(さづ)(たま)ひし真言(まこと)(てり)()らし(つか)へ、063(つみ)(けがれ)(あやまち)なく𪫧怜(うまら)委曲(つばら)(つか)へしめ(たま)へと(かしこ)(かしこ)みも()(まつ)る。
064 言別(ことわ)けて(まを)さく、065高地秀(たかちほ)宮居(みや)真中(まなか)として、066四方(よも)(めぐ)れる稚国土原(わかくにはら)の、067国津神(くにつかみ)(たち)各自(おのもおのも)日々(ひび)業務(なりはひ)(いそ)しみ(つと)めて(ゆる)(こと)なく、068(をこた)(こと)なく、069(これ)天界(みくに)弥益(いやます)(ひら)かせ(さか)えしめ(たま)ひて、070紫微(しび)天界(てんかい)真秀良場(まほらば)たる(たふと)御名(みな)(おと)さじと、071(はげ)(はげ)活動(はたら)かしめ(たま)へと、072鹿児自(かごじ)(もの)膝折伏(ひざをりふ)せ、073宇自物(うじもの)頸根(うなね)突貫(つきぬ)きて(かしこ)(かしこ)みも()(まつ)らくと(まを)す。074惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)
 
075 高野(たかの)比女(ひめ)(かみ)大前(おほまへ)祝詞(のりと)(をは)り、076しづしづと御前(みまへ)(くだ)諸神(しよしん)(とも)に、077直会(なほらひ)(せき)()かせ(たま)ひ、078合掌(がつしやう)(ひさ)しうしつつ御歌(みうた)()ませ(たま)ふ。
079足引(あしびき)山鳥(やまどり)()長旅(ながたび)
080(かみ)(めぐみ)にやすくをはれり
081遥々(はろばろ)筑紫(つくし)宮居(みや)(こま)()べて
082(まう)()つるも惟神(かむながら)われ()
083()(かみ)(あつ)(めぐみ)しなかりせば
084()旅立(たびだ)ちは(かた)かりしものを
085広々(ひろびろ)(はて)しも()らぬ(つち)(わか)
086国原(くにはら)()(あやふ)(たび)なりし
087曲津(まが)(かみ)(いた)(ところ)にさやらむと
088手組脛(てぐすね)()きて待構(まちかま)へたりき
089(かく)(ごと)(あやふ)(たび)(つつが)なく
090今日(けふ)御前(みまへ)(かへ)()しはや
091十柱(とはしら)(にぎ)はしき(たび)(かく)(ごと)
092(くる)しきものをと()岐美(きみ)(おも)
093()岐美(きみ)(たび)(なや)みを今更(いまさら)
094(さと)りけるかな(おろ)かしき(われ)
095何事(なにごと)(かみ)(こころ)(まま)にして
096()るべきものと(さと)らひにけり
097()(かみ)宮居(みや)(つかさ)鋭敏鳴出(うなりづ)
098(かみ)聖所(すがど)(くだ)したまひぬ
099鋭敏鳴出(うなりづ)(かみ)(つかさ)添柱(そへばしら)
100(くだ)()ませる天津(あまつ)女雄(めを)(かみ)
101高地秀(たかちほ)(みね)(はる)()(ただよ)ひて
102(いま)をさかりと(さくら)()くなり
103桜木(さくらぎ)(こずゑ)にうたふ(うぐひす)
104(こゑ)長閑(のどか)なる(ひがし)宮居(みや)はも
105草枕(くさまくら)(なが)(たび)より(かへ)()れば
106この清庭(すがには)(はる)はふかめり
107御木(みき)(くさ)瑞気(みづき)()ちつつ(わか)やぎて
108天界(みくに)(はる)言祝(ことほ)(がほ)なる』
109 鋭敏鳴出(うなりづ)(かみ)御歌(みうた)()ませ(たま)ふ。
110御樋代(みひしろ)(がみ)御供(みとも)(つか)(やうや)くに
111(これ)聖所(すがど)にわれ()つるかも
112(ひむがし)宮居(みや)(つか)へて(おも)ふかな
113これの聖所(すがど)はまた()になしと
114高地秀(たかちほ)(やま)(くま)なく桜木(さくらぎ)
115(はな)()()ちて長閑(のどか)なりけり
116此処(ここ)()(はじ)めて()りぬ天界(かみくに)
117(はる)景色(けしき)のさわやかなるを
118西(にし)宮居(みや)(まつ)神苑(みその)(くら)ぶれば
119華美(はなやか)なるも(ひがし)宮居(みや)
120西(にし)宮居(みや)(こころ)(しづ)かに落付(おちつ)けど
121(ひがし)宮居(みや)(こころ)ときめく
122ときめける(こころ)(いだ)きて高地秀(たかちほ)
123宮居(みや)(つか)へつ国土(くに)(かた)めばや
124御樋代(みひしろ)比女神(ひめがみ)(たち)(こころ)にも
125()()()れし(さくら)(さか)りは
126非時(ときじく)(はな)()らざれ(しを)れざれ
127()きたる(かみ)(には)()(はな)は』
128 (をり)もあれ(さくら)花弁(はなびら)は、129ひらひらと直会(なほらひ)(せき)(つら)なり(たま)朝香(あさか)比女(ひめ)(かみ)()たせる御盃(みさかづき)(うへ)に、130一弁(ひとひら)()(きた)(うか)びたれば、131朝香(あさか)比女(ひめ)(かみ)はほほ()みつつ御歌(みうた)()ませ(たま)ふ。
132()岐美(きみ)(きよ)(こころ)一弁(ひとひら)
133わが(さかづき)()ける(さくら)
134()岐美(きみ)(こころ)(おも)へば()てられじ
135(はな)もろともにいただかむかな』
136 ()(うた)ひながら花弁(はなびら)()ける神酒(みき)をぐつと()(くだ)(たま)ひ、
137()岐美(きみ)(ふか)(こころ)花弁(はなびら)
138神酒(みき)諸共(もろとも)()()しにけり
139御樋代(みひしろ)(かみ)(えら)まれ()岐美(きみ)
140水火(いき)(おも)ひて()みし花酒(はなざけ)
141()くならば(われ)御樋代(みひしろ)(がみ)として
142岐美(きみ)在所(ありか)をたづね()くべし』
143 梅咲(うめさく)比女(ひめ)(かみ)御歌(みうた)()ませ(たま)ふ。
144(うめ)(はな)ははや()()てて桜花(さくらばな)
145また()()めぬ(かみ)御前(みまへ)
146(うつ)()()有様(ありさま)をまつぶさに
147(うめ)(さくら)(はな)()しはや
148白梅(しらうめ)のつぼめる(あさ)()()でて
149桜花(さくらばな)()(はる)(かへ)れり
150今日(けふ)よりは(こころ)(あらた)めて大宮居(おほみや)
151(あさ)(ゆふ)なを真言(まこと)(ささ)げむ
152言霊(ことたま)森羅万象(すべてのもの)(うま)るてふ
153(よし)(さと)りし(われ)(かしこ)
154終日(ひねもす)(かみ)御前(みまへ)太祝詞(ふとのりと)
155言霊(ことたま)(ささ)げて(つか)へまつらな
156朝夕(あさゆふ)祝詞(のりと)(おろ)()(ひる)
157かたみに()るべき祝詞(のりと)なりけり
158言霊(ことたま)稜威(いづ)(さか)ゆる森羅万象(ものみな)
159(また)言霊(ことたま)(ちから)なりける』
160 香具(かぐ)比女(ひめ)(かみ)御歌(みうた)()ませ(たま)ふ。
161非時(ときじく)香具(かぐ)()()言霊(ことたま)
162(たふと)水火(いき)()()でしはや
163(われ)(また)香具(かぐ)()()(うま)れたる
164(かみ)にしあらば言霊(ことたま)たふとし
165言霊(ことたま)(こゑ)()かずば片時(かたとき)
166(くる)しさ(おぼ)ゆる吾体(わがみ)なりけり
167言霊(ことたま)水火(いき)空気(くうき)(つく)()
168(もも)生命(いのち)()()だすなり
169(ただ)しかる神魂(みたま)水火(いき)天界()(ひら)
170(くも)れる水火(いき)天界(みよ)(そこな)
171村肝(むらきも)(こころ)(くも)りて(にご)りたる
172言霊(ことたま)水火(いき)()()づるなり
173()(かみ)常磐(とは)(まつ)りし高地秀(たかちほ)
174宮居(みや)(すが)しも言霊(ことたま)()めば
175()(わた)(こずゑ)(かぜ)(さはや)かに
176言霊(ことたま)(きよ)()(ひび)くなり
177(には)()(なが)るる瀬見(せみ)川水(かはみづ)
178()みきり()みきり()(とほ)りつつ
179常磐木(ときはぎ)(まつ)()()()()つる
180(さくら)(なが)めは殊更(ことさら)目出度(めでた)き』
181 寿々子(すずこ)比女(ひめ)(かみ)御歌(みうた)()ませ(たま)ふ。
182『はろばろと(とほ)旅路(たびぢ)(かさ)()
183目出度(めでた)今日(けふ)感謝言(ゐやひごと)()
184言霊(ことたま)水火(いき)()()でし天界(かみくに)
185()める言霊(ことたま)(わが)生命(いのち)かも
186言霊(ことたま)活用(はたらき)なくば(つか)()
187()きて(さか)えぬ天界(みくに)なりけり
188わがもてる意志(いし)想念(さうねん)(ことごと)
189生言霊(いくことたま)(ひかり)なるらむ
190(ただ)しかる生言霊(いくことたま)(ひか)天界()
191言葉(ことば)のはしも(つつし)むべきなり
192顕津男(あきつを)(かみ)(ひら)きし高地秀(たかちほ)
193(やま)姿(すがた)()(とほ)しなり
194高地秀(たかちほ)(やま)朝夕(あさゆふ)(なが)めつつ
195(わが)()岐美(きみ)(つか)(まつ)るも
196長旅(ながたび)(まみ)()ざりし高地秀(たかちほ)
197(やま)(ひと)しほ(こひ)しき(われ)なり
198()宮居(みや)(わが)()岐美(きみ)(きづ)きたる
199(うづ)宮居(みやゐ)殊更(ことさら)うるはし
200朝夕(あさゆふ)にこれの神山(みやま)(ちから)とし
201(わが)()岐美(きみ)となして()くるも
202草枕(くさまくら)(たび)(かさ)ねて()岐美(きみ)
203(なや)みを(ふか)(さと)りつつ()くも』
204 宇都子(うづこ)比女(ひめ)(かみ)御歌(みうた)()ませ(たま)ふ。
205今日(けふ)よりは鋭敏鳴出(うなりづ)(かみ)()れまして
206宮居(みや)(つかさ)(つか)へますかも
207天津(あまつ)女雄(めを)(かみ)()でまして大宮居(おほみや)
208日々(ひび)(つか)へも(あらた)まるべし
209御樋代(みひしろ)(がみ)(たび)なるあとは胎別男(みわけを)
210(かみ)(つかさ)()さしなりけり
211胎別男(みわけを)(かみ)今日(けふ)より鋭敏鳴出(うなりづ)
212(かみ)(つかさ)神業(みわざ)(たす)けよ
213御樋代(みひしろ)八柱神(やはしらがみ)聖殿(すがどの)
214終日(ひねもす)(つど)ひて言霊(ことたま)()るべし
215言霊(ことたま)水火(いき)(とど)まれば天界(かみくに)
216森羅万象(すべてのもの)()(しぼ)むなり
217御樋代(みひしろ)(かみ)御子生(みこう)みのみならず
218生言霊(いくことたま)樋代(ひしろ)なりしよ
219顕津男(あきつを)(かみ)御樋代(みひしろ)()けられしも
220生言霊(いくことたま)(たす)くるためなりき
221樋代(ひしろ)とは生代(いきしろ)()国魂(くにたま)
222(かみ)()むのみの(つかさ)にあらずも
223今日(けふ)までは(わが)(つと)めさへ()らずして
224岐美(きみ)をのみ()ひしことの(はづ)かしき』
225 狭別(さわけ)比女(ひめ)(かみ)御歌(みうた)()ませ(たま)ふ。
226宇都子(うづこ)比女(ひめ)(かみ)言霊(ことたま)()くにつけ
227(われ)(さと)りぬ御樋代(みひしろ)(つかさ)
228雲霧(くもきり)()けて(のぼ)らす天津(あまつ)()
229()言霊(ことたま)()()でましける
230(つき)()(ほし)(ことごと)言霊(ことたま)
231水火(いき)(おも)へば(たふと)きろかも
232(くさ)()(とり)(けもの)言霊(ことたま)
233水火(いき)(そだ)つる天界(みくに)なりけり
234桜花(さくらばな)()くも()らすも()(かぜ)
235(みな)言霊(ことたま)水火(いき)なりにけり
236吾身(わがみ)(また)生言霊(いくことたま)(さち)はひに
237(うま)れて言霊(ことたま)(つか)(まつ)()
238言霊(ことたま)水火(いき)(さち)はひ()かりせば
239この天界(かみくに)(ただ)(ほろ)びむ
240遥々(はろばろ)(たび)(かさ)ねて(まが)もなく
241(かへ)りしわれも言霊(ことたま)(さち)なり
242(かく)(ごと)(たふと)稜威(いづ)言霊(ことたま)
243(わす)れて祝詞(のりと)(おこた)るべしやは
244気魂(からたま)(にご)らば(こころ)(にご)るべし
245(こころ)(にご)らば言霊(ことたま)(けが)れむ
246()(きよ)(こころ)(きよ)めて(つか)へなば
247生言霊(いくことたま)(おのづ)()るべし
248神々(かみがみ)(かなめ)(つとめ)朝夕(あさゆふ)
249(みそぎ)神事(わざ)にまさるものなし
250(あるじ)なき宮居(みやゐ)(とみ)(さび)しけれ
251生言霊(いくことたま)祝詞(のりと)なければ
252胎別男(みわけを)(かみ)()らする言霊(ことたま)
253祝詞(のりと)(よわ)くうすら(にご)りぬ
254御樋代(みひしろ)(がみ)いまさぬ宮居(みや)(さび)しさは
255()(かみ)()さぬ(ごと)くなりけり』
256 花子(はなこ)比女(ひめ)(かみ)御歌(みうた)()ませ(たま)ふ。
257高地秀(たかちほ)(やま)(いま)(さか)りと()(にほ)
258(さくら)もしばしの(いのち)なるかも
259()しめども(はな)(こずゑ)(とど)まらず
260そよ()(かぜ)にも()()めにつつ
261夜嵐(よあらし)(はな)()らすかと(われ)はただ
262生言霊(いくことたま)(ささ)へて()るも
263(つか)()(はな)()らざれと(ささ)へつる
264(わが)言霊(ことたま)(あや)しくなりぬ
265夜嵐(よあらし)()かねど(こずゑ)桜花(さくらばな)
266(とき)()つればこぼれ()ちつつ
267()()りし(には)花弁(はなびら)(なが)めつつ
268()むさへ()しく(おも)はるるかも
269(うつ)()()有様(ありさま)高地秀(たかちほ)
270宮居(みや)(さくら)(さと)らひしはや
271(はな)()れど(こずゑ)若葉(わかば)もえ()ちて
272()あたらしく(なつ)をさかえむ
273桜花(さくらばな)()りたる(には)(あか)(しろ)
274(にほ)へる牡丹(ぼたん)のあでやかなるも
275さりながら(また)(なつ)()けて丹牡丹(にぼたん)
276(はな)一弁(ひとひら)々々(ひとひら)くづれむ
277丹牡丹(にぼたん)(つぼみ)ほぐれて()()めし
278()より三日(みつか)()(また)()()なるも
279清庭(すがには)白梅(しらうめ)(はな)()()てて
280(あと)青々(あをあを)つぶら()()れり
281白梅(しらうめ)(ひら)きて()りて()(むす)
282(うつ)()()(さま)(をし)ゆも』
283 小夜子(さよこ)比女(ひめ)(かみ)御歌(みうた)()ませ(たま)ふ。
284『はろばろと(とほ)旅路(たびぢ)(かさ)ねつつ
285(いま)大前(おほまへ)復命(かへりごと)せり
286今日(けふ)よりは神魂(みたま)(きよ)むと朝夕(あさゆふ)
287(みそぎ)神事(みわざ)(おこた)らざるべし
288(みそぎ)して()言霊(ことたま)天界(かみくに)
289()らすは御樋代(みひしろ)(がみ)(つと)めよ
290朝夕(あさゆふ)()ふも(さら)なり(いとま)あらば
291(みそぎ)(うづ)言霊(ことたま)()らばや
292言霊(ことたま)天照(あまて)(たす)()くる国土(くに)
293(をこた)るべしやは生言霊(いくことたま)
294言霊(ことたま)水火(いき)()みきらひて天地(あめつち)
295弥遠永(いやとほなが)(さか)えますべし
296(つき)()生言霊(いくことたま)()(わた)
297(くも)るは曲津(まが)水火(いき)にこそあれ』
298 (かく)(ごと)十柱(とはしら)神々(かみがみ)は、299下向(げかう)報告祭(はうこくさい)大宮(おほみや)奏上(そうじやう)(をは)りて、300直会(なほらひ)(しき)(れつ)(たま)ひ、301(この)(たび)旅行(りよかう)にて(まな)()たる言霊(ことたま)真理(しんり)告白(こくはく)しながら、302各自(おのもおのも)居間(ゐま)()かせ安々(やすやす)今日(けふ)一日(ひとひ)(やす)らはせ(たま)ひける。303(をり)しもあれ、304ぼやぼやと()()春風(はるかぜ)満庭(まんてい)(さくら)(ゆき)(ごと)夕立(ゆふだち)(ごと)く、305(さん)(みだ)して清庭(すがには)(おもて)()()きければ、306(には)一面(いちめん)花筵(はなむしろ)となりて、307名残(なごり)()しげに数多(あまた)胡蝶(こてふ)(きた)りて、308(ひく)()(あそ)(たはむ)()たりける。
309昭和八・一二・六 旧一〇・一九 於水明閣 森良仁謹録)

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10/22【霊界物語ネット】王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)』をテキスト化しました。
5/8【霊界物語ネット】霊界物語ネットに出口王仁三郎の第六歌集『霧の海』を掲載しました。
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