霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第二章 一目(ひとつめ)お化(ばけ)〔四六九〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第11巻 霊主体従 戌の巻 篇:第1篇 長駆進撃 よみ(新仮名遣い):ちょうくしんげき
章:第2章 一目お化 よみ(新仮名遣い):ひとつめおばけ 通し章番号:469
口述日:1922(大正11)年02月28日(旧02月02日) 口述場所: 筆録者:藤津久子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年9月10日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一部の章はAIによって要約を作成しています。[×閉じる]:
東彦(本当は高彦)は時公とともにアーメニヤに通じる野を進んで行く。時公ははかない命の人間だから、ちょっと休憩しましょう、と宣伝使に話しかけるが、東彦は人間は千万年も生き通しだから心配するな、と取り合わない。
時公は、人間は死なないなどというのは化け物だ、と本気で東彦を疑い出す。その様を見て東彦は面白がりつつ、これが神の教えだと時公をたしなめた。
そうしているうちに、芳香が四辺に満ち、美しい音楽がどこからともなく響いてきた。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2020-10-07 18:47:42 文字数:2361 OBC :rm1102
愛善世界社版:18頁 八幡書店版:第2輯 520頁 修補版: 校定版:18頁 普及版:7頁 初版: ページ備考:
001 東彦(あづまひこ)の神(かみ)の宣伝使(せんでんし)は時公(ときこう)を伴(ともな)ひ、002果(は)てしもなきクス野ケ原(のがはら)を進(すす)みつつ宣伝歌(せんでんか)を歌(うた)ひ行(ゆ)く。
003東彦(本当は高彦)『三五教(あななひけう)の宣伝使(せんでんし)
004天津(あまつ)御神(みかみ)の神言(かみごと)に
005八十(やそ)の曲津(まがつ)の許々多久(ここたく)の
006醜女(しこめ)探女(さぐめ)を言向(ことむ)けて
007百八十(ももやそ)神(がみ)や八十人(やそびと)を
008神(かみ)の誠(まこと)の大道(おほみち)に
009救(すく)はんものと海山(うみやま)を
010越(こ)えてやうやうクスの原(はら)
011北光彦(きたてるひこ)の神(かみ)ならで
012一目(ひとめ)の曲(まが)におどかされ
013円(まど)かな夢(ゆめ)を破(やぶ)られて
014起(お)き出(い)で四方(よも)を眺(なが)むれば
015虎(とら)狼(おほかみ)の叫(さけ)び声(ごゑ)
016枯野(かれの)を渡(わた)る風(かぜ)の音(おと)
017寒(さむ)さに顫(ふる)ふ其(その)時(とき)に
018思(おも)ひもよらぬ時(とき)さんの
019時(とき)に取(と)つての御(ご)愛嬌(あいけう)
020大(おほ)きな法螺(ほら)を吹(ふ)く風(かぜ)に
021又(また)もや眠(ねむ)りを醒(さ)ましつつ
022茲(ここ)に二人(ふたり)は転(ころ)び寝(ね)の
023水(みづ)も漏(も)らさぬ三五(あななひ)の
024神(かみ)の教(をしへ)の友(とも)となり
025寂(さび)しき野辺(のべ)を賑(にぎは)しく
026進(すす)み行(ゆ)くこそ楽(たの)しけれ
027朝日(あさひ)は照(て)るとも曇(くも)るとも
028月(つき)は盈(み)つとも虧(か)くるとも
029風(かぜ)も荒野(あれの)の狼(おほかみ)や
030獅子(しし)や大蛇(をろち)の千万(ちよろづ)の
031曲(まが)の一度(いちど)に迫(せま)るとも
032などか怖(おそ)れむ敷島(しきしま)の
033神(かみ)の教(をしへ)の宣伝使(せんでんし)
034神(かみ)の御水火(みいき)に吹(ふ)き払(はら)ひ
035我(わ)が言霊(ことたま)に追(お)ひ散(ち)らし
036誠(まこと)明志(あかし)の湖(みづうみ)を
037渡(わた)りて又(また)もや荒野原(あれのはら)
038虎(とら)伏(ふ)す野辺(のべ)の膝栗毛(ひざくりげ)
039心(こころ)の駒(こま)に鞭(むち)うちて
040鏡(かがみ)の如(ごと)き琵琶(びは)の海(うみ)
041神(かみ)の救(すく)ひの船(ふね)に乗(の)り
042心(こころ)は堅(かた)き磐樟(いはくす)の
043船(ふね)を力(ちから)にアーメニヤ
044曲(まが)の都(みやこ)に立(た)ち向(むか)ふ
045此(この)世(よ)を造(つく)りし神直日(かむなほひ)
046心(こころ)も広(ひろ)き大直日(おほなほひ)
047直日(なほひ)の御霊(みたま)伊都能売(いづのめ)の
048日(ひ)の出神(でのかみ)や木(こ)の花(はな)の
049神(かみ)の教(をしへ)を杖(つゑ)として
050道奥(みちのく)までも恙(つつが)なく
051進(すす)み行(ゆ)くこそ楽(たの)しけれ』
052時公(ときこう)『宣伝使(せんでんし)様(さま)の御(お)蔭(かげ)で、053人(ひと)の通(とほ)つた事(こと)のない様(やう)なこの曠原(かうげん)を、054知(し)らず識(し)らずの間(あひだ)に進(すす)んで来(き)ました。055然(しか)し大分(だいぶ)に膝栗毛(ひざくりげ)が草臥(くたび)れた様(やう)ですから一杯(いつぱい)水(みづ)でも飲(の)ましてやりませうか』
056東彦(あづまひこ)(本当は高彦)『マア、057行(ゆ)かうぢやないか。058一足(ひとあし)々々(ひとあし)アーメニヤに近寄(ちかよ)るのだからな。059日天(につてん)様(さま)でも一(いつ)分間(ぷんかん)も御(お)休(やす)みにならぬのだから、060休(やす)むのは勿体(もつたい)ない』
061時公(ときこう)『一息(ひといき)々々(ひといき)アーメニヤに近(ちか)づくのは結構(けつこう)だが、062この間(あひだ)も石凝姥(いしこりどめ)の宣伝使(せんでんし)の言葉(ことば)に、063吾々(われわれ)は斯(か)うして天下(てんか)の為(た)めに活動(くわつどう)して居(を)るのは、064一息(ひといき)々々(ひといき)墓場(はかば)に近(ちか)づいて行(ゆ)くのだと云(い)はれました。065そんなことを聞(き)くと人間(にんげん)も頼(たよ)りなくて足(あし)が倦(だる)くて行(ゆ)く気(き)になりませぬわ。066長(なが)い月日(つきひ)に短(みじか)い命(いのち)だ。067一寸(ちよつと)一服(いつぷく)しませうかい』
068東彦(あづまひこ)(本当は高彦)『人間(にんげん)は一息(ひといき)々々(ひといき)墓場(はかば)へ近(ちか)づいて、069それから墓場(はかば)の向(むか)ふの国(くに)へ行(ゆ)くのだ。070吾々(われわれ)の目的(もくてき)は墓場(はかば)を越(こ)えるのだよ』
071時公(ときこう)『墓(はか)へ近(ちか)づくなぞと、072ハカない浮世(うきよ)か、073ハカある浮世(うきよ)か、074根(ね)つから葉(は)つからはかばかしうないわ。075馬鹿(ばか)々々(ばか)しい様(やう)な気(き)がします』
076東彦(あづまひこ)(本当は高彦)『人生(じんせい)の目的(もくてき)はそこにあるのだ。077人(ひと)は生(い)き変(かは)り死(し)に変(かは)り、078若返(わかがへ)り若返(わかがへ)り幽界(いうかい)現界(げんかい)に出入(しゆつにふ)して、079永遠(ゑいゑん)無窮(むきう)の命(いのち)をつないで行(ゆ)くものだ。080千(せん)年(ねん)も万(まん)年(ねん)も不老(ふらう)不死(ふし)だよ。081お前(まへ)たちもこの世(よ)へ生(うま)れて、082時(とき)さまと云(い)うて威張(ゐば)り散(ち)らして居(ゐ)るのは僅(わづ)かに四十(しじふ)年(ねん)許(ばか)りだが、083お前(まへ)の御(ご)本体(ほんたい)は何万年(なんまんねん)前(まへ)から生(うま)れて居(ゐ)るのだ』
084時公(ときこう)『一寸(ちよつと)待(ま)つて下(くだ)さい』
085と云(い)ひながら道(みち)ばたの草(くさ)の上(うへ)にドツカと腰(こし)を下(おろ)し、086眉毛(まゆげ)に唾(つば)をつけ、
087時公(ときこう)『オイオイ化(ばけ)さま、088御(お)交際(つきあい)に一服(いつぷく)せぬか。089化物(ばけもの)やアクマは吐(ぬか)す事(こと)が通録(つうろく)せぬと云(い)ふ事(こと)だが、090矢張(やつぱ)り貴様(きさま)は尻尾(しつぽ)を出(だ)しやがつた』
091東彦(あづまひこ)(本当は高彦)『お前(まへ)また遽(にはか)に汚(きた)なげにものを云(い)ひ出(だ)したな』
092時公(ときこう)『定(きま)つた事(こと)だ。093化物(ばけもの)のアクマ彦(ひこ)に叮嚀(ていねい)なことを云(い)つて関係(かかりあ)つて居(ゐ)ようものなら、094どんな目(め)に会(あ)はしやがるか分(わか)るものぢやない。095そろそろ日(ひ)が暮(く)れかかつたものだから本性(ほんしやう)を現(あら)はしやがつた』
096東彦(あづまひこ)(本当は高彦)『アハヽヽヽヽ』
097 時公(ときこう)は、
098時公『分(わか)らぬ奴(やつ)だな』
099と首(くび)を傾(かたむ)けてゐる。
100時公『人間(にんげん)は一度(いちど)死(し)んだら二度(にど)と死(し)なん代(かは)りに、101一度(いちど)生(うま)れたら二度(にど)と生(うま)れるものか。102生(い)きたり死(し)んだりする奴(やつ)は狐(きつね)か狸(たぬき)だ。103狐(きつね)の七化(ななば)け狸(たぬき)の八化(やば)け、104化(ばけ)の皮(かは)を現(あら)はし呉(く)れむ』
105と東彦(あづまひこ)の尻(しり)を半信(はんしん)半疑(はんぎ)で一寸(ちよつと)突(つ)いて見(み)ながら、
106時公『やつてやろか、107然(しか)し本物(ほんもの)だつたら俺(おれ)に罰(ばち)が当(あた)るから困(こま)るし、108なんともかとも正体(しやうたい)の分(わか)らぬ奴(やつ)ぢや。109俺(おれ)は日(ひ)の暮(くれ)になると朝(あさ)の元気(げんき)に引換(ひきか)へて歩(ある)き草臥(くたび)れて足(あし)が棒(ぼう)になつて、110如何(いか)に我慢(がまん)な時公(ときこう)さまでも一服(いつぷく)したい様(やう)になつて来(く)るのに、111日(ひ)の暮(くれ)になるほど元気(げんき)付(づ)きやがるのが一(ひと)つの不思議(ふしぎ)だ。112化物(ばけもの)といふ奴(やつ)は夜(よ)さりになつたらはしやぐ奴(やつ)だ』
113と鉄棒(てつぼう)を地(ち)に突立(つきた)てながら、114東彦(あづまひこ)の顔(かほ)をイヤらしきほど睨(にら)みつける。
115東彦『ハヽア十分(じふぶん)に目(め)を光(ひか)らして私(わし)の顔(かほ)を調(しら)べて置(お)くが宜(よ)い。116夜分(やぶん)になつてから誤解(ごかい)されては困(こま)るからな』
117 時公(ときこう)は少(すこ)し頭(あたま)を傾(かたむ)け、
118時公『人間(にんげん)が三分(さんぶ)に化物(ばけもの)が七分(しちぶ)か、119人三(にんさん)化七(ばけしち)、120夜分(やぶん)になると、121人一(にんいち)化九(ばけきう)になるのだらう。122死(し)んでは生(うま)れ、123生(うま)れては死(し)ぬなんて手品師(てじなし)か役者(やくしや)のやうな事(こと)を云(い)ひやがつて、124真面目(まじめ)に白状(はくじやう)せんと時(とき)さまの腕(うで)には骨(ほね)があるぞ。125斯(か)う之(これ)を見(み)い』
126と左(ひだり)の手(て)をニユーと延(の)ばし、127節(ふし)くれ立(だ)つたり気張(きば)つたりといふ力瘤(ちからこぶ)だらけの腕(うで)を捲(まく)り、128右(みぎ)の手(て)にて左(ひだり)の腕(うで)をたたいて見(み)せる。
129東彦(あづまひこ)(本当は高彦)『アハヽヽヽ、130面白(おもしろ)いおもしろい。131こんな寂(さび)しい処(ところ)で結構(けつこう)な俳優(わざおぎ)を見(み)せて貰(もら)つて、132旅(たび)の疲(つか)れも忘(わす)れて了(しま)つた。133斯(か)う云(い)へば又(また)日(ひ)の暮(くれ)にはしやぐ化物(ばけもの)といふか知(し)らんが、134本当(ほんたう)に生(い)き返(かへ)つた様(やう)な気(き)がして元気(げんき)ますます旺盛(わうせい)だ』
135時公(ときこう)『賢(かしこ)い様(やう)でも流石(さすが)は曲津(まがつ)神(かみ)だ。136到頭(たうとう)白状(はくじやう)しやがつた。137貴様(きさま)は鬼(おに)の亡者(まうじや)だらう。138死(し)んで居(ゐ)やがる証拠(せうこ)には、139今(いま)生(い)き返(かへ)つた様(やう)な気(き)がすると吐(ぬか)したではないか。140サアどうぢや。141もう斯(か)うなる上(うへ)は貴様(きさま)の方(はう)から白状(はくじやう)したのだから逃(に)げ道(みち)はあるまい。142執念深(しふねんぶか)くこの世(よ)へ迷(まよ)うて来(き)よつて……一(ひと)つ目(め)の化物(ばけもの)奴(め)が』
143東彦(あづまひこ)(本当は高彦)『アハヽヽヽヽ』
144時公(ときこう)『亡者(まうじや)と思(おも)へば何(なん)だか其処(そこ)らが、145もじやもじやして気分(きぶん)が悪(わる)くなつて来(き)た』
146東彦(あづまひこ)(本当は高彦)『お前(まへ)の目(め)の帳(とばり)をサラリと上(あ)げて、147耳(みみ)の蓋(ふた)を取(と)つて私(わし)の言(い)ふ事(こと)を良(よ)く聞(き)くのだ、148見違(みちが)ひ聞違(ききちが)ひをするな。149直日(なほひ)に見直(みなほ)し聞直(ききなほ)しといふ事(こと)がある。150さうしたら、151今(いま)までお前(まへ)のほざいた悪言(あくげん)暴語(ばうご)も発根(ほつこん)と善言(ぜんげん)美詞(びし)に宣(の)り直(なほ)す様(やう)になる』
152時公(ときこう)『ヘン、153馬鹿(ばか)にするない。154一(ひと)つ目(め)の化物(ばけもの)ぢやあるまいし、155二(ふた)ツ目(め)の兄(にい)さまだぞ。156化物(ばけもの)のやうに眼(め)に帳(とばり)を下(おろ)したり、157耳(みみ)に蓋(ふた)をして堪(たま)るか。158三五教(あななひけう)の宣伝歌(せんでんか)をみん事(ごと)聞(き)きはつりやがつて、159見直(みなほ)せ聞(き)き直(なほ)せなぞと莫迦(ばか)にするない』
160 この時(とき)得(え)も云(い)はれぬ芳香(はうかう)四辺(しへん)に満(み)ち、161錚々(そうそう)たる音楽(おんがく)が何処(いづこ)ともなく聞(きこ)え来(き)たる。
162(大正一一・二・二八 旧二・二 藤津久子録)
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