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霊界物語
霊主体従(第1~12巻)
第11巻(戌の巻)
言霊反
凡例
信天翁(二)
総説歌
第1篇 長駆進撃
第1章 クス野ケ原
第2章 一目お化
第3章 死生観
第4章 梅の花
第5章 大風呂敷
第6章 奇の都
第7章 露の宿
第2篇 意気揚々
第8章 明志丸
第9章 虎猫
第10章 立聞
第11章 表教
第12章 松と梅
第13章 転腹
第14章 鏡丸
第3篇 言霊解
第15章 大気津姫の段(一)
第16章 大気津姫の段(二)
第17章 大気津姫の段(三)
第4篇 満目荒寥
第18章 琵琶の湖
第19章 汐干丸
第20章 醜の窟
第21章 俄改心
第22章 征矢の雨
第23章 保食神
第5篇 乾坤清明
第24章 顕国宮
第25章 巫の舞
第26章 橘の舞
第27章 太玉松
第28章 二夫婦
第29章 千秋楽
余白歌
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第11巻(戌の巻)
> 第4篇 満目荒寥 > 第19章 汐干丸
<<< 琵琶の湖
(B)
(N)
醜の窟 >>>
第一九章
汐干丸
(
しほひまる
)
〔四八六〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第11巻 霊主体従 戌の巻
篇:
第4篇 満目荒寥
よみ(新仮名遣い):
まんもくこうりょう
章:
第19章 汐干丸
よみ(新仮名遣い):
しおひまる
通し章番号:
486
口述日:
1922(大正11)年03月03日(旧02月05日)
口述場所:
筆録者:
藤津久子
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1922(大正11)年9月10日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
松代姫はすっくと立って宣伝歌を歌い、その中に自らの素性を歌いこんだ。
大工たちは、その歌を聞いて、大気津姫が手配している姉妹の宣伝使であることを悟り、何とか捕まえて褒美にあずかろうとしきりに相談している。
時公、鴨公、八公の三人の従者は、それを聞いて大工たちを責め立てた。時公は、コーカス山側の人々に対して、宣伝歌を歌い改心を促した。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2020-08-11 19:49:30
OBC :
rm1119
愛善世界社版:
182頁
八幡書店版:
第2輯 579頁
修補版:
校定版:
184頁
普及版:
80頁
初版:
ページ備考:
001
松代姫
(
まつよひめ
)
は
矗然
(
すつく
)
と
立
(
た
)
つて、
002
松代姫
(
まつよひめ
)
『
心
(
こころ
)
も
広
(
ひろ
)
き
琵琶
(
びは
)
の
湖
(
うみ
)
003
恵
(
めぐみ
)
も
深
(
ふか
)
き
琵琶
(
びは
)
の
湖
(
うみ
)
004
浪
(
なみ
)
に
浮
(
うか
)
べる
松
(
まつ
)
の
島
(
しま
)
005
千歳
(
ちとせ
)
の
松
(
まつ
)
の
青々
(
あをあを
)
と
006
繁
(
しげ
)
り
栄
(
さか
)
ゆる
神心
(
かみごころ
)
007
一度
(
いちど
)
に
開
(
ひら
)
く
梅
(
うめ
)
の
島
(
しま
)
008
処
(
ところ
)
狭
(
せ
)
き
迄
(
まで
)
なよ
竹
(
たけ
)
の
009
風
(
かぜ
)
に
揉
(
も
)
まるる
竹
(
たけ
)
の
島
(
しま
)
010
荒風
(
あらかぜ
)
強
(
つよ
)
く
渡
(
わた
)
るとも
011
仮令
(
たとへ
)
深雪
(
みゆき
)
にたわむとも
012
千代
(
ちよ
)
に
八千代
(
やちよ
)
にさき
竹
(
たけ
)
の
013
悩
(
なや
)
みも
知
(
し
)
らぬ
勇
(
いさ
)
ましさ
014
妾
(
わらは
)
は
神世
(
かみよ
)
を
松代姫
(
まつよひめ
)
015
この
世
(
よ
)
を
乱
(
みだ
)
す
大気津
(
おほげつ
)
の
016
姫
(
ひめ
)
の
奢侈
(
おご
)
りを
戒
(
いまし
)
めて
017
心
(
こころ
)
の
仇花
(
あだばな
)
咲
(
さ
)
き
散
(
ち
)
らし
018
天津
(
あまつ
)
御神
(
みかみ
)
の
賜
(
たま
)
ひたる
019
我
(
わ
)
が
言霊
(
ことたま
)
に
逸早
(
いちはや
)
く
020
開
(
ひら
)
く
梅ケ香姫
(
うめがかひめ
)
の
神
(
かみ
)
021
竹野
(
たけの
)
の
姫
(
ひめ
)
の
窟戸
(
いはやど
)
に
022
立
(
た
)
て
籠
(
こ
)
められて
千万
(
ちよろづ
)
の
023
憂
(
うき
)
に
逢瀬
(
あふせ
)
を
助
(
たす
)
けむと
024
進
(
すす
)
む
時
(
とき
)
こそ
来
(
きた
)
りけり
025
憂
(
う
)
しや
辛
(
つら
)
しの
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
に
026
我
(
わが
)
身
(
み
)
一人
(
ひとり
)
はうまうまと
027
鹿
(
しか
)
の
妻恋
(
つまこ
)
ふ
奥山
(
おくやま
)
に
028
みづの
御
(
み
)
あらか
立
(
た
)
て
構
(
かま
)
へ
029
虎
(
とら
)
狼
(
おほかみ
)
に
勝
(
まさ
)
りたる
030
醜
(
しこ
)
の
曲津
(
まがつ
)
の
曲業
(
まがわざ
)
を
031
祓
(
はら
)
ひ
清
(
きよ
)
めむ
松代姫
(
まつよひめ
)
032
梅ケ香姫
(
うめがかひめ
)
と
諸共
(
もろとも
)
に
033
待
(
ま
)
ちに
待
(
ま
)
ちたる
時津風
(
ときつかぜ
)
034
吹
(
ふ
)
く
春
(
はる
)
こそは
楽
(
たの
)
しけれ
035
竹野
(
たけの
)
の
姫
(
ひめ
)
の
消息
(
せうそく
)
を
036
はしなく
聞
(
き
)
きし
船
(
ふね
)
の
上
(
うへ
)
037
飢
(
うゑ
)
な、まかるな、なよ
竹
(
たけ
)
の
038
女
(
をんな
)
ながらも
神国
(
かみくに
)
に
039
尽
(
つく
)
す
誠
(
まこと
)
の
竹野姫
(
たけのひめ
)
040
救
(
すく
)
ひの
神
(
かみ
)
と
現
(
あら
)
はれて
041
茲
(
ここ
)
に
三人
(
みたり
)
の
姉妹
(
おとどひ
)
の
042
語
(
かた
)
り
合
(
あ
)
ふ
夜
(
よ
)
も
束
(
つか
)
の
間
(
ま
)
の
043
堪
(
こら
)
へ
忍
(
しの
)
びの
荒魂
(
あらみたま
)
044
勇
(
いさ
)
みて
待
(
ま
)
てよ
妹
(
いもうと
)
よ
045
汝
(
な
)
が
身
(
み
)
を
思
(
おも
)
ふ
松梅
(
まつうめ
)
の
046
魂
(
たま
)
は
通
(
かよ
)
へよ
千引岩
(
ちびきいは
)
047
窟
(
いはや
)
の
中
(
なか
)
の
妹
(
いも
)
が
辺
(
へ
)
に
048
窟
(
いはや
)
の
中
(
なか
)
の
妹
(
いも
)
が
辺
(
へ
)
に』
049
と
歌
(
うた
)
つて
元
(
もと
)
の
座
(
ざ
)
に
就
(
つ
)
きける。
050
牛公
(
うしこう
)
『オイ
兄弟分
(
きやうだいぶん
)
(
少
(
すこ
)
し
小声
(
こごゑ
)
になつて)
今
(
いま
)
の
のた
が
聞
(
きこ
)
えたか』
051
馬公
(
うまこう
)
『
のた
と
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
があるかい。
052
何
(
なん
)
でも
長
(
なが
)
たらしい、
053
のたのたと
訳
(
わけ
)
の
分
(
わか
)
らぬ
事
(
こと
)
を
のた
つとつたではないか』
054
鹿公
(
しかこう
)
『オイ
違
(
ちが
)
ふよ。
055
ありや
歌
(
うた
)
と
云
(
い
)
ふものだ』
056
牛公
(
うしこう
)
『アヽさうか、
057
何
(
なん
)
でも、
058
うた
がはしい
事
(
こと
)
をウタウタと
囀
(
さへづ
)
つて
居
(
を
)
つた。
059
彼奴
(
あいつ
)
は
歌
(
うた
)
よみの
乞食
(
こじき
)
かも
知
(
し
)
れぬぞ。
060
「
歌々
(
うたうた
)
と
歌
(
うた
)
を
囀
(
さへづ
)
る
歌
(
うた
)
作
(
つく
)
り
うた
うた
出来
(
でき
)
ぬ
身
(
み
)
こそ
うた
てき」』
061
馬公
(
うまこう
)
『
何
(
なに
)
を
吐
(
ぬか
)
しやがるのだ。
062
うた
つ
目
(
め
)
には
うた
うた
囀
(
さへづ
)
りやがつて、
063
そんな
処
(
どころ
)
かい。
064
彼奴
(
あいつ
)
が
例
(
れい
)
の
代物
(
しろもの
)
だ、
065
彼奴
(
あいつ
)
を、
066
俺
(
おい
)
等
(
ら
)
が
力
(
ちから
)
を
合
(
あは
)
してふん
縛
(
じば
)
つて
了
(
しま
)
へばもう
占
(
し
)
めたものだ。
067
松
(
まつ
)
だとか
梅
(
うめ
)
だとか
白状
(
はくじやう
)
し
居
(
を
)
つたではないか』
068
鹿公
(
しかこう
)
『しかし
乍
(
なが
)
ら
一寸
(
ちよつと
)
見
(
み
)
た
処
(
ところ
)
、
069
なかなか
豪胆
(
がうたん
)
な
女
(
をんな
)
らしい。
070
二人
(
ふたり
)
や
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
梃
(
てこ
)
に
合
(
あ
)
ふ
様
(
やう
)
な
奴
(
やつ
)
ぢやあるまい。
071
それに
貴様
(
きさま
)
あんな
大
(
おほ
)
きな
男
(
をとこ
)
がひつついて
居
(
ゐ
)
るのだから、
072
到底
(
たうてい
)
そんな
野心
(
やしん
)
を
起
(
おこ
)
しても
駄目
(
だめ
)
かも
知
(
し
)
れぬぞ』
073
虎公
(
とらこう
)
『しかりしかり、
074
而
(
しか
)
うして
聊
(
いささ
)
か
以
(
もつ
)
て
手強
(
てごわ
)
い
奴
(
やつ
)
だ。
075
下手
(
へた
)
にマゴ
付
(
つ
)
くと、
076
スツトコドツコイのオタンチン、
077
チンチクリンのチンチクリン』
078
馬公
(
うまこう
)
『そりや
何
(
なに
)
吐
(
ぬか
)
す』
079
鹿公
(
しかこう
)
『まことに
はや
、
080
しだいがらだ』
081
牛公
(
うしこう
)
『
時
(
とき
)
に
取
(
と
)
つての
儲
(
まう
)
け
物
(
もの
)
だ。
082
うまいうまい、
083
しか
と
虎
(
とら
)
まへるのだな』
084
馬公
(
うまこう
)
『
俺
(
おい
)
等
(
ら
)
の
名
(
な
)
を
並
(
なら
)
べやがつて、
085
うま
い
事
(
こと
)
吐
(
ほざ
)
きやがる』
086
牛公
(
うしこう
)
『
もう
斯
(
こ
)
うなつては、
087
廐
(
うまや
)
の
隅
(
すみ
)
にも
置
(
お
)
いとけぬワイ』
088
鹿公
(
しかこう
)
『
しか
りしかり
しか
も
座敷
(
ざしき
)
の
真中
(
まんなか
)
か、
089
コーカス
山
(
ざん
)
の
中
(
なか
)
のお
宮
(
みや
)
の
御
(
おん
)
住
(
すま
)
ひ』
090
虎公
(
とらこう
)
『
とら
マア
結構
(
けつこう
)
な
事
(
こと
)
だなア』
091
牛公
(
うしこう
)
『
洒落
(
しやれ
)
やがるない。
092
人
(
ひと
)
の
真似
(
まね
)
計
(
ばか
)
りしやがつてモウそんな
話
(
はなし
)
は
止
(
や
)
めようかい』
093
馬公
(
うまこう
)
『
ば
かばかしいからな。
094
うま
い
話
(
はなし
)
と
化物
(
ばけもの
)
とは
滅多
(
めつた
)
に
会
(
あ
)
はれるものぢやない』
095
鹿公
(
しかこう
)
『
しか
し
乍
(
なが
)
らコーカス
山
(
ざん
)
には
沢山
(
たくさん
)
な
化物
(
ばけもの
)
が
集
(
あつ
)
まつて
居
(
ゐ
)
ると
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
だ。
096
うま
い
話
(
はなし
)
も
沢山
(
たくさん
)
あるぢやないか』
097
虎公
(
とらこう
)
『
虎
(
とら
)
でも、
098
獅子
(
しし
)
でも、
099
狼
(
おほかみ
)
でも、
100
熊
(
くま
)
でも、
101
狐
(
きつね
)
でも、
102
狸
(
たぬき
)
でも、
103
犬
(
いぬ
)
でも、
104
猫
(
ねこ
)
でも、
105
杓子
(
しやくし
)
でも、
106
瓢箪
(
へうたん
)
でも、
107
酒
(
さけ
)
の
粕
(
かす
)
でも、
108
コーカスでも、
109
狡猾
(
かうくわつ
)
な
奴
(
やつ
)
計
(
ばか
)
りが
集
(
あつ
)
まつて
利己主義
(
われよし
)
をやつて
居
(
ゐ
)
るのだと
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
よ。
110
これから
虎
(
とら
)
さんもちつと
狡猾
(
かうくわつ
)
になつて
猫
(
ねこ
)
でも
被
(
かぶ
)
つて
虎猫
(
とらねこ
)
になつて
見
(
み
)
よう、
111
ニヤーンと
妙案
(
めうあん
)
だらう』
112
時公
(
ときこう
)
『オイオイ
牛
(
うし
)
、
113
馬
(
うま
)
、
114
鹿
(
しか
)
、
115
虎
(
とら
)
、
116
俺
(
おれ
)
が
最前
(
さいぜん
)
から
狸
(
たぬき
)
の
空寝入
(
そらねい
)
りをして
貴様
(
きさま
)
等
(
ら
)
の
囁
(
ささや
)
きを
聞
(
き
)
いて
居
(
を
)
れば、
117
太
(
ふと
)
い
奴
(
やつ
)
だ。
118
牛公
(
うしこう
)
の
儲
(
まう
)
け
話
(
ばなし
)
、
119
馬公
(
うまこう
)
の
甘
(
うま
)
い
算段
(
さんだん
)
、
120
鹿公
(
しかこう
)
の
狡猾目的
(
ずるいしがく
)
、
121
虎公
(
とらこう
)
の
猫
(
ねこ
)
被
(
かぶ
)
り、
122
トラ
猫
(
ねこ
)
のコーカス
野郎
(
やらう
)
、
123
大気津
(
おほげつ
)
姫
(
ひめ
)
が
呆
(
あき
)
れるワイ。
124
サア、
125
ま
一度
(
いちど
)
時
(
とき
)
さまの
前
(
まへ
)
で
云
(
い
)
つて
見
(
み
)
よ』
126
八公
(
やつこう
)
『こら
四
(
よ
)
人
(
にん
)
の
獣
(
けもの
)
、
127
四足
(
よつあし
)
、
128
俺
(
おれ
)
は
八
(
やつ
)
さまだぞ。
129
知
(
し
)
つてるか
四
(
よ
)
ツの
倍
(
ばい
)
が
八
(
やつ
)
だ。
130
ぐづぐづ
吐
(
ぬか
)
すと
八裂
(
やつざき
)
だぞ』
131
鴨公
(
かもこう
)
『ヤイ、
132
貴様
(
きさま
)
等
(
たち
)
、
133
松
(
まつ
)
がどうだの、
134
梅
(
うめ
)
がどうだのと
何
(
なに
)
をかまふのだ。
135
かも
て
呉
(
く
)
れるな。
136
此
(
この
)
方
(
はう
)
は
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
だ。
137
何
(
なに
)
も
か
も
御
(
ご
)
承知
(
しようち
)
だから
かも
さまと
云
(
い
)
ふのだ。
138
貴様
(
きさま
)
の
悪
(
わる
)
い
企
(
たくみ
)
はちやんと
看破
(
かんぱ
)
して
居
(
ゐ
)
るのだ。
139
どうだ
何
(
なに
)
も
かも
白状
(
はくじやう
)
するか』
140
牛公
(
うしこう
)
『
もう
もうもう
何
(
なに
)
も
彼
(
か
)
も
白状
(
はくじやう
)
致
(
いた
)
します』
141
馬公
(
うまこう
)
『
うま
うま
待
(
ま
)
つて
下
(
くだ
)
さい』
142
鹿公
(
しかこう
)
『
鹿
(
しか
)
つめらしい
顔
(
かほ
)
して
しか
つて
下
(
くだ
)
さるな』
143
虎公
(
とらこう
)
『お
前
(
まへ
)
さま
等
(
ら
)
に
とら
まへられぬ
先
(
さき
)
に
尾
(
を
)
を
捲
(
ま
)
きます』
144
鴨公
(
かもこう
)
『
宜
(
よろ
)
しい。
145
これから
何
(
なに
)
も
か
も
気
(
き
)
を
付
(
つ
)
けるが
宜
(
よ
)
からうぞ』
146
時公
(
ときこう
)
『アハヽヽヽヽ』
147
時公
(
ときこう
)
はすつくと
立
(
た
)
つて、
148
宣伝歌
(
せんでんか
)
を
歌
(
うた
)
ひ
始
(
はじ
)
めた。
149
時公
『
浪音
(
なみおと
)
高
(
たか
)
き
琵琶
(
びは
)
の
湖
(
うみ
)
150
鳴
(
な
)
る
言霊
(
ことたま
)
の
此処
(
ここ
)
彼処
(
かしこ
)
151
また
来
(
く
)
る
春
(
はる
)
を
松島
(
まつしま
)
や
152
浪風
(
なみかぜ
)
高
(
たか
)
き
竹
(
たけ
)
の
島
(
しま
)
153
見
(
み
)
ても
強
(
つよ
)
そな
梅
(
うめ
)
の
島
(
しま
)
154
浮
(
うか
)
ぶ
景色
(
けしき
)
も
面白
(
おもしろ
)
く
155
一寸
(
ちよつと
)
三島
(
みしま
)
の
沖
(
おき
)
越
(
こ
)
えて
156
真帆
(
まほ
)
に
風
(
かぜ
)
をば
孕
(
はら
)
ませつ
157
此処
(
ここ
)
まで
来
(
き
)
たる
時
(
とき
)
も
時
(
とき
)
158
ぎう
と
詰
(
つ
)
まつた
船
(
ふね
)
の
客
(
きやく
)
159
うし
や
苦
(
くる
)
しと
泡
(
あわ
)
を
吹
(
ふ
)
く
160
角
(
つの
)
の
立
(
た
)
つたる
牛公
(
うしこう
)
や
161
尻
(
しり
)
の
始末
(
しまつ
)
に
馬
(
うま
)
さまが
162
豆屁
(
まめべ
)
の
様
(
やう
)
な
法螺
(
ほら
)
を
吹
(
ふ
)
き
163
欲
(
よく
)
と
酒
(
さけ
)
とにからまれて
164
心
(
こころ
)
は
紅葉
(
もみぢ
)
鹿
(
しか
)
の
鳴
(
な
)
く
165
しか
め
面
(
づら
)
した
鹿
(
しか
)
さまや
166
荒肝
(
あらぎも
)
とら
れた
虎
(
とら
)
さまの
167
コーカス
山
(
ざん
)
の
物語
(
ものがたり
)
168
大気津
(
おほげつ
)
姫
(
ひめ
)
が
呆
(
あき
)
れたと
169
屁
(
へ
)
を
放
(
ひ
)
る
様
(
やう
)
な
小理屈
(
こりくつ
)
を
170
やつとかました
八公
(
やつこう
)
の
171
骨
(
ほね
)
も
身
(
み
)
もないかけ
合
(
あ
)
ひだ
172
墨
(
すみ
)
を
吹
(
ふ
)
いたる
蛸
(
たこ
)
の
様
(
よ
)
な
173
禿
(
はげ
)
ちやま
頭
(
あたま
)
の
鴨公
(
かもこう
)
が
174
かもかかもかと
威張
(
ゐば
)
り
出
(
だ
)
す
175
朝日
(
あさひ
)
は
照
(
て
)
るとも
曇
(
くも
)
るとも
176
月
(
つき
)
は
盈
(
み
)
つとも
虧
(
か
)
くるとも
177
コーカス
山
(
ざん
)
の
曲神
(
まがかみ
)
を
178
この
時
(
とき
)
さまが
現
(
あら
)
はれて
179
時
(
とき
)
をうつさず
言霊
(
ことたま
)
の
180
誠
(
まこと
)
の
道
(
みち
)
を
説
(
と
)
き
分
(
わ
)
けて
181
欲
(
よく
)
に
迷
(
まよ
)
うた
曲神
(
まがかみ
)
の
182
心
(
こころ
)
のもつれ
解
(
と
)
いてやる
183
牛
(
うし
)
の
糞
(
くそ
)
でも
天下
(
てんか
)
取
(
と
)
る
184
うま
い
話
(
はなし
)
にのせられた
185
船
(
ふね
)
の
上
(
うへ
)
にてうつかりと
186
ほざいた
鼻鹿
(
はなしか
)
物語
(
ものがたり
)
187
叱
(
しか
)
り
散
(
ち
)
らすは
易
(
やす
)
けれど
188
とら
まへ
処
(
どこ
)
のない
虎公
(
とらこう
)
189
直日
(
なほひ
)
に
見直
(
みなほ
)
し
聞直
(
ききなほ
)
し
190
宣
(
の
)
り
直
(
なほ
)
し
行
(
ゆ
)
く
船
(
ふね
)
の
上
(
うへ
)
191
牛
(
うし
)
馬
(
うま
)
鹿
(
しか
)
虎
(
とら
)
のみならず
192
この
船中
(
せんちう
)
の
人々
(
ひとびと
)
よ
193
鑿
(
のみ
)
や
鉋
(
かんな
)
や
鋸
(
のこぎり
)
の
194
働
(
はたら
)
く
如
(
ごと
)
く
今
(
いま
)
よりは
195
心
(
こころ
)
の
曲
(
まが
)
をきり
払
(
はら
)
ひ
196
垢
(
あか
)
を
削
(
けづ
)
れよ
三五
(
あななひ
)
の
197
神
(
かみ
)
の
教
(
をしへ
)
にまつらうて
198
栄耀
(
えいよう
)
栄華
(
えいぐわ
)
に
暮
(
くら
)
し
居
(
を
)
る
199
大気津
(
おほげつ
)
姫
(
ひめ
)
の
真似
(
まね
)
をすな
200
従順
(
すなを
)
に
心
(
こころ
)
改
(
あらた
)
めて
201
早
(
はや
)
く
乗
(
の
)
り
換
(
か
)
へ
神
(
かみ
)
の
船
(
ふね
)
202
この
世
(
よ
)
を
救
(
すく
)
ふ
神
(
かみ
)
の
船
(
ふね
)
203
目無
(
めなし
)
堅間
(
かたま
)
の
救
(
すく
)
ひ
船
(
ぶね
)
204
浪風
(
なみかぜ
)
荒
(
あら
)
き
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
も
205
溺
(
おぼ
)
れる
案
(
あん
)
じあら
波
(
なみ
)
の
206
浪
(
なみ
)
に
漂
(
ただよ
)
ふ
松代姫
(
まつよひめ
)
207
神
(
かみ
)
の
教
(
をしへ
)
の
一時
(
いつとき
)
に
208
開
(
ひら
)
く
梅ケ香姫
(
うめがかひめ
)
の
神
(
かみ
)
209
此
(
この
)
二方
(
ふたかた
)
の
宣伝歌
(
せんでんか
)
210
確
(
しつか
)
り
聞
(
き
)
いて
改
(
あらた
)
めよ
211
この
世
(
よ
)
ばかりか
先
(
さき
)
の
世
(
よ
)
の
212
力
(
ちから
)
となるは
神
(
かみ
)
の
教
(
のり
)
213
教
(
のり
)
の
友船
(
ともぶね
)
幾千代
(
いくちよ
)
も
214
老
(
おい
)
ず
死
(
まか
)
らず
天津
(
あまつ
)
日
(
ひ
)
の
215
神
(
かみ
)
の
御国
(
みくに
)
へ
救
(
すく
)
ひ
行
(
ゆ
)
く
216
神
(
かみ
)
の
救
(
すく
)
ひの
御
(
おん
)
船
(
ふね
)
に
217
一日
(
ひとひ
)
も
早
(
はや
)
く
乗
(
の
)
り
直
(
なほ
)
せ
218
乗
(
の
)
れよ
乗
(
の
)
れ
乗
(
の
)
れ
神
(
かみ
)
の
船
(
ふね
)
219
醜
(
しこ
)
の
言霊
(
ことたま
)
詔
(
の
)
り
直
(
なほ
)
せ
220
神
(
かみ
)
は
汝
(
なんぢ
)
と
倶
(
とも
)
にあり
221
嗚呼
(
ああ
)
有難
(
ありがた
)
き
神
(
かみ
)
の
恩
(
おん
)
222
嗚呼
(
ああ
)
有難
(
ありがた
)
き
神
(
かみ
)
の
徳
(
とく
)
223
とつくり
思案
(
しあん
)
した
上
(
うへ
)
で
224
神
(
かみ
)
に
貰
(
もら
)
うた
生粋
(
きつすゐ
)
の
225
心
(
こころ
)
の
色
(
いろ
)
を
現
(
あら
)
はせよ
226
コーカス
山
(
ざん
)
は
高
(
たか
)
く
共
(
とも
)
227
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐ
)
みに
比
(
くら
)
ぶれば
228
足元
(
あしもと
)
さへも
寄
(
よ
)
り
付
(
つ
)
けぬ
229
琵琶
(
びわ
)
の
荒湖
(
あらうみ
)
深
(
ふか
)
くとも
230
深
(
ふか
)
き
恵
(
めぐ
)
みに
比
(
くら
)
ぶれば
231
たとへにならぬものぞかし
232
畏
(
かしこ
)
き
神
(
かみ
)
の
御教
(
みをしへ
)
に
233
まつろひまつれ
諸人
(
もろびと
)
よ
234
禍
(
わざはひ
)
多
(
おほ
)
き
人
(
ひと
)
の
世
(
よ
)
は
235
神
(
かみ
)
を
離
(
はな
)
れて
易々
(
やすやす
)
と
236
くれ
行
(
ゆ
)
く
事
(
こと
)
は
難
(
むづ
)
かしい
237
ほめよたたへよ
神
(
かみ
)
の
徳
(
とく
)
238
祈
(
いの
)
れよ
祈
(
いの
)
れ
神
(
かみ
)
の
前
(
まへ
)
239
前
(
まへ
)
や
後
(
うしろ
)
や
右
(
みぎ
)
左
(
ひだり
)
240
神
(
かみ
)
の
御水火
(
みいき
)
に
包
(
つつ
)
まれて
241
生
(
い
)
きて
行
(
ゆ
)
くなる
人
(
ひと
)
の
身
(
み
)
は
242
神
(
かみ
)
に
離
(
はな
)
れな
捨
(
す
)
てられな
243
アヽ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
244
御霊
(
みたま
)
幸
(
さちは
)
ひましまして
245
世
(
よ
)
の
諸人
(
もろびと
)
の
身魂
(
みたま
)
をば
246
研
(
みが
)
かせ
給
(
たま
)
へ
研
(
みが
)
きませ
247
心
(
こころ
)
の
岩戸
(
いはと
)
押
(
お
)
しあけて
248
清
(
きよ
)
き
月日
(
つきひ
)
を
照
(
て
)
らせかし
249
清
(
きよ
)
き
月日
(
つきひ
)
を
照
(
て
)
らせかし』
250
と
歌
(
うた
)
ひ
終
(
をは
)
つて
元
(
もと
)
の
座
(
ざ
)
に
就
(
つ
)
きけり。
251
(
大正一一・三・三
旧二・五
藤津久子
録)
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【第19章 汐干丸|第11巻|霊主体従|霊界物語|/rm1119】
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