霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
×
設定
URL:
印刷用画面を開く [?]プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。[×閉じる]
話者名の追加表示 [?]セリフの前に話者名が記していない場合、誰がしゃべっているセリフなのか分からなくなってしまう場合があります。底本にはありませんが、話者名を追加して表示します。[×閉じる]
表示できる章
テキストのタイプ [?]ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。[×閉じる]

文字サイズ
行間
ルビの表示


アンカーの表示 [?]本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。[×閉じる]


宣伝歌 [?]宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。[×閉じる]
脚注[※]用語解説 [?][※]、[*]、[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。[※]は主に用語説明、[*]は編集用の脚注で、表示させたり消したりできます。[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。[×閉じる]

脚注[*]編集用 [?][※]、[*]、[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。[※]は主に用語説明、[*]は編集用の脚注で、表示させたり消したりできます。[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。[×閉じる]

外字の外周色 [?]一般のフォントに存在しない文字は専用の外字フォントを使用しています。目立つようにその文字の外周の色を変えます。[×閉じる]
現在のページには外字は使われていません

表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。

第一五章 大気津(おほげつ)姫(ひめ)の段(だん)(一)〔四八二〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第11巻 霊主体従 戌の巻 篇:第3篇 言霊解 よみ(新仮名遣い):ことたまかい
章:第15章 大気津姫の段(一) よみ(新仮名遣い):おおげつひめのだん(一) 通し章番号:482
口述日:1920(大正9)年01月16日(旧11月26日) 口述場所: 筆録者:谷村真友[#講演筆録] 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年9月10日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一部の章はAIによって要約を作成しています。[×閉じる]:
古事記において、天の真奈井の誓約において、素尊の御魂の清明無垢が証明されたため、素尊の部下たちの不満が勃発し、そのために天の岩戸の大事件が発生したのであった。
素尊はその責任を負って、「千位の置戸を負わせられ」て追放されたのであった。千位の置戸とは、一天万乗の位、群臣の上に立つ位を放棄させられて、という意味である。
素尊は万神万有のいっさいの罪科を一身に負って、自ら罪人となって天地の神明に潔白な心性を表示されたのである。世界一切の万類を救うために身を犠牲に供することを、千位の置戸というのである。
「髭を切り」とは、社会的な重要な役職をすべて放擲させられた、ということである。
「手足の爪を抜かしめて」とある手足の爪は、私有財産一切のことである。
「神追い(カムヤラヒ)」とは、ヤは天地自然の大道に帰って万民を教え導くことである。ラは寸暇なき神業奉仕者となることである。ヒとは、天地経綸の司宰者である人の本霊を顕して無上の尊厳を保つことである。すなわち、神追いとは単に神様を追放するということではないのである。
世の中には絶対的な平等もなければ絶対的な差別もない。差別的平等なる天理天則を悟り、もって自らの髭を切り、手足の爪を抜いて天下のために真に意義のある生活に入るべきである。
「食物(おしもの)」とは、衣食住の三種を総称したものである。大気津姫とは、物質文明の極点で、みなこぞってあらゆる贅沢をなし始めたことを言うのである。
それにたいして素尊は、八百万の神々に対して正衣正食することをお諭しになったのである。
世の中が進むについて、国風に合致しない悪風習が現れてきたのである。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]: 備考: タグ:言霊反し(言霊返し) データ凡例: データ最終更新日:2021-06-11 18:40:15 文字数:4271 OBC :rm1115
愛善世界社版:143頁 八幡書店版:第2輯 564頁 修補版: 校定版:143頁 普及版:61頁 初版: ページ備考:
初出[?]この文献の初出または底本となったと思われる文献です。[×閉じる]:神霊界 > 大正10年2月1日号(第134号)【出口王仁三郎執筆】 > 皇典と現代(五)
派生[?]この文献を底本として書かれたと思われる文献です。[×閉じる]:出口王仁三郎著作集 > 第二巻 変革と平和 > 第三部 『霊界物語』の思想 > 大気津姫の段
001 『於是(ここに)、002八百万(やほよろづ)の神共(かみども)に議(はか)りて、003速(はや)須佐之男(すさのをの)命(みこと)に千位(ちくら)の置戸(おきど)を負(お)はせ、004亦(また)鬚(ひげ)を切(き)り、005手足(てあし)の爪(つめ)をも抜(ぬ)かしめて、006神(かむ)追(やら)ひに追(やら)ひき』
007 爰(ここ)に天照(あまてらす)大神(おほかみ)と速(はや)須佐之男(すさのをの)命(みこと)の天(あめ)の真奈井(まなゐ)の誓約(せいやく)によりて、008清明(せいめい)無垢(むく)の素尊(そそん)の御魂(みたま)、009三女神(さんぢよしん)が現(あら)はれ玉(たま)ひしより、010素尊(そそん)部下(ぶか)の諸神(しよしん)等(ら)の不平(ふへい)勃発(ぼつぱつ)し、011終(つひ)に天(あま)の岩戸(いはと)の大事変(だいじへん)を湧起(ゆうき)せしめ、012一(いち)時(じ)は天津(あまつ)神国(かみくに)も、013葦原(あしはら)の中津国(なかつくに)も常暗(とこやみ)の世(よ)となり、014次(つい)で八百万(やほよろづ)の神(かみ)等(たち)が天(あめ)の安河原(やすかはら)の神(かむ)集(つど)ひに集(つど)ひて、015神議(かむはか)りに議(はか)り玉(たま)ひ、016結局(けつきよく)大海原(おほうなばら)の主神(しゆしん)たりし速(はや)須佐之男(すさのをの)命(みこと)に千位(ちくら)の置戸(おきど)を負(お)はせ、017亦(また)鬚(ひげ)を切(き)り、018手足(てあし)の爪(つめ)をも抜(ぬ)かしめて、019天上(てんじやう)より神(かむ)追(やら)ひに追(やら)ひ玉(たま)ふの止(や)むを得(え)ざるに立到(たちいた)つたのであります。
020 『千位(ちくら)の置戸(おきど)を負(お)はせて』と云(い)ふ意義(いぎ)は、021一天(いつてん)万乗(ばんじやう)の位(くらゐ)で、022群臣(ぐんしん)、023百僚(ひやくれう)、024百官(ひやくくわん)の上(うへ)に立(た)つ高御座(たかみくら)を負(お)はせ即(すなは)ち放棄(はうき)させてと云(い)ふ事(こと)であります。025父(ちち)伊邪那岐(いざなぎの)大神(おほかみ)より、026大海原(おほうなばら)なる大地球(だいちきう)の統治権(とうぢけん)を附与(ふよ)されて、027天下(てんか)に君臨(くんりん)し玉(たま)ふべき素尊(そそん)でありますけれ共(ども)、028高天原(たかあまはら)に於(お)ける天(あま)の岩戸(いはと)の変(へん)の大責任(だいせきにん)を負(お)ひて、029衆議(しうぎ)の結果(けつか)千万(ちよろづ)の神(かみ)の上(うへ)に立(た)つ千位(ちくら)の置戸(おきど)を捨(す)て玉(たま)ふに致(いた)つたのであります。030凡(すべ)て万神(ばんしん)万有(ばんいう)の一切(いつさい)の罪科(ざいくわ)を一身(いつしん)に負担(ふたん)して、031自(みづか)ら罪人(ざいにん)となつて、032天地(てんち)の神明(しんめい)へ潔白(けつぱく)なる心性(しんせい)を表示(へうじ)されたのであります。033斯(こ)の温順(をんじゆん)善美(ぜんび)なる命(みこと)の御(ご)精霊(せいれい)を称(しよう)して瑞(みづ)の御魂(みたま)と謂(い)ふのである。034基督(キリスト)が十字架(じふじか)に釘付(くぎづ)けられて万民(ばんみん)の罪(つみ)を贖(あがな)ふと云(い)ふのも、035要(えう)するに千位(ちくら)の置戸(おきど)を負(お)うたと同(おな)じ意味(いみ)であります。036世界(せかい)一切(いつさい)の万類(ばんるゐ)を救(すく)う為(ため)に身(み)を犠牲(ぎせい)に供(きよう)する事(こと)は、037即(すなは)ち千位(ちくら)の置戸(おきど)を負(お)ふのである。038現今(げんこん)の如(ごと)く罪(つみ)穢(けがれ)に充(み)ち、039腐敗(ふはい)の極(きよく)に達(たつ)せる地上(ちじやう)も亦(また)、040至仁(しじん)至愛(しあい)なる瑞(みづ)の御魂(みたま)の神(かみ)の贖罪(とくざい)ある為(ため)に、041大難(だいなん)も小難(せうなん)と成(な)り、042小難(せうなん)も消失(せうしつ)するのである。043アヽ一(いち)日(にち)も早(はや)く、044片時(へんじ)も速(すみや)かに、045天下(てんか)国家(こくか)の為(ため)に犠牲(ぎせい)となる可(べ)き、046瑞(みづ)の御魂(みたま)の守護(しゆご)ある真人(しんじん)の各所(かくしよ)に出現(しゆつげん)して、047既(すで)に倒壊(たうくわい)せむとする世界(せかい)の現状(げんじやう)を救済(きうさい)せむことを希望(きばう)して止(や)まぬ次第(しだい)である。
048 『亦(また)鬚(ひげ)を切(き)り』と云(い)ふ意義(いぎ)は、
049 ヒは、050霊(れい)であり、051日(ひ)の御子(みこ)の朝(てう)に仕(つか)へて政治(せいぢ)を照(てら)す言霊(ことたま)であり、
052 ゲは実名(じつめい)職掌(しよくしやう)である。
053 即(すなは)ち自分(じぶん)が官吏(くわんり)ならば官職(くわんしよく)を辞(じ)し、054会社(くわいしや)の重役(ぢゆうやく)を辞(じ)すと云(い)ふ事(こと)を、055ヒゲを抜(ぬ)くと云(い)ふのである。056俗(ぞく)に何(なに)も知(し)らずに高(たか)い処(ところ)へ止(と)まつてエラサウに吐(ぬか)すと、057鬚(ひげ)を抜(ぬ)いてやらうかなぞと言(い)ふのも、058不信任(ふしんにん)を表白(へうはく)した言葉(ことば)である。059高位(かうゐ)高官(かうくわん)の人(ひと)や、060大会社(だいくわいしや)の重役(ぢゆうやく)や、061大(だい)教育家(けういくか)なぞが大本(おほもと)の教義(けうぎ)でなくては天下(てんか)国家(こくか)を救(すく)ふ事(こと)が出来(でき)ない事(こと)を心底(しんてい)より承認(しようにん)し乍(なが)ら、062未(ま)だ充分(じうぶん)の決心(けつしん)がつかずして現在(げんざい)の地位(ちゐ)に恋々(れんれん)として、063自己(じこ)の名利(めいり)栄達(えいたつ)にのみ腐心(ふしん)して、064大本(おほもと)の教(をしへ)を人眼(ひとめ)を忍(しの)んで遠(とほ)くより研究(けんきう)し、065世人(せじん)に知(し)られる事(こと)を憚(はばか)つて居(を)る如(よ)うな立派(りつぱ)な人士(じんし)が沢山(たくさん)に在(あ)るが、066斯(かく)の如(ごと)き人(ひと)は至忠(しちう)思君(しくん)思国(しこく)の日本(やまと)魂(だましひ)を振起(しんき)して、067公然(こうぜん)大本(おほもと)の信者(しんじや)と名乗(なの)り、068現代(げんだい)の高(たか)い位地(ゐち)なり、069名望(めいばう)を眼中(がんちう)に置(お)かず、070止(や)むを得(え)ざれば現(げん)位地(ゐち)を擲(なげう)つて、071天下(てんか)国家(こくか)の為(ため)に、072大本(おほもと)の主義(しゆぎ)を天下(てんか)に実行(じつかう)する様(やう)になつた時(とき)が、073所謂(いはゆる)鬚(ひげ)を切(き)つて、074真個(しんこ)神明(しんめい)と大君(おほぎみ)と社会(しやくわい)とに奉仕(ほうし)の出来(でき)る時(とき)であります。
075 『手足(てあし)の爪(つめ)まで抜(ぬ)かしめて、076神(かむ)追(やら)ひに追(やら)ひ玉(たま)ひき』と云(い)ふ意義(いぎ)は、
077 手足(てあし)の爪(つめ)とは私有(しいう)財産(ざいさん)の事(こと)である。078手(て)の爪(つめ)は現代(げんだい)の所謂(いはゆる)動産物(どうさんぶつ)で足(あし)の爪(つめ)は不動産(ふどうさん)物(ぶつ)である。079要(えう)するに一切(いつさい)の地位(ちゐ)を擲(なげう)ち、080一切(いつさい)の財産(ざいさん)を顧(かへり)みず、081物質(ぶつしつ)的(てき)欲望(よくばう)を捨(す)てて神明(しんめい)の道(みち)を天下(てんか)に宣伝(せんでん)する事(こと)が、082神(かむ)追(やら)ひに追(やら)ひきと云(い)ふ事(こと)になるのである。083従来(じうらい)の俗界(そくかい)を離(はな)れて、084至聖(しせい)、085至美(しび)、086至直(しちよく)なる大神(おほかみ)の道(みち)に仕(つか)へ奉(まつ)る事(こと)を神(かむ)やらひと謂(い)ふのである。
087 ヤラヒの言霊(ことたま)を調(しら)べる時(とき)は、
088 ヤは天地(てんち)自然(しぜん)の大道(だいだう)に帰(かへ)り、089世界(せかい)の親(おや)たる覚悟(かくご)を以(もつ)て万民(ばんみん)を教(をし)へ導(みちび)き、090八方(はつぱう)の事物(じぶつ)を明(あきら)かに指示(しじ)する事(こと)である。
091 ラは、092俗(ぞく)より真(しん)に反(かへ)りて、093従来(じうらい)の体主(たいしゆ)霊従(れいじう)的(てき)行動(かうどう)を翻然(ほんぜん)として改(あらた)め、094無量寿(むりやうじゆ)にして生死(せいし)の外(ほか)に超然(てうぜん)として産霊(むすび)の大道(だいだう)を実行(じつかう)し、095霊系(れいけい)高皇(たかみ)産霊(むすびの)神(かみ)の神業(しんげふ)を翼賛(よくさん)し、096極乎(きよくこ)として間断(かんだん)なく惟神(かむながら)の大道(だいだう)を天下(てんか)に宣伝(せんでん)し、097実行(じつかう)して、098寸暇(すんか)無(な)き神業(しんげふ)奉仕者(ほうししや)となる事(こと)である。
099 ヒは、100天理(てんり)人道(じんだう)を明(あきら)かにし、101神妙(しんめう)不可測(ふかそく)の神機(しんき)に透徹(とうてつ)し、102過去(くわこ)、103現在(げんざい)、104未来(みらい)を明(あきら)かに了知(れうち)し、105達観(たつくわん)し、106天地(てんち)経綸(けいりん)の大(だい)司宰者(しさいしや)たる人(ひと)の本能(ほんのう)霊徳(れいとく)を顕(あら)はし、107以(もつ)て⦿(す)の根底(こんてい)を結(むす)び護(まも)り、108無上(むじやう)の尊厳(そんげん)を保(たも)つ事(こと)である。
109 故(ゆゑ)に神(かむ)追(やら)ひは、110神(かみ)様(さま)を追放(つゐはう)したり、111退去(たいきよ)させたりすると云(い)ふ意義(いぎ)では無(な)い。112追の漢字(かんじ)と退の漢字(かんじ)の区別(くべつ)ある事(こと)を能(よ)く反省(はんせい)すべきである。113この点(てん)は古事記(こじき)撰録者(せんろくしや)の最(もつと)も意(い)を用(もち)ゐたる点(てん)にして、114実(じつ)に其(そ)の親切(しんせつ)と周到(しうたう)なる注意(ちうい)とは感謝(かんしや)すべき事(こと)であります。
115 『神(かむ)追(やら)ひ』と云(い)ふ事(こと)を大本(おほもと)に写(うつ)して見(み)る時(とき)は、116第一(だいいち)に各(かく)役員(やくゐん)の如(ごと)きは、117総(すべ)て鬚(ひげ)を切(き)り手足(てあし)の爪(つめ)まで抜(ぬ)きて大本(おほもと)へ神追(かむやら)ひに追(やら)はれ玉(たま)うた人々(ひとびと)であります。118併(しか)し乍(なが)ら現今(げんこん)の社会(しやくわい)の総(すべ)てが右(みぎ)諸子(しよし)の如(ごと)くに神追(かむやら)ひに追(やら)はれ、119且(かつ)又(また)鬚(ひげ)を切(き)り手足(てあし)の爪(つめ)まで抜(ぬ)かしめられては却(かへ)つて天下(てんか)の政治(せいぢ)を乱(みだ)し、120産業(さんげふ)の発達(はつたつ)を阻止(そし)し、121国力(こくりよく)を弱(よわ)める事(こと)になりますから、122神(かみ)様(さま)は神業(しんげふ)に直接(ちよくせつ)奉仕(ほうし)すべき身魂(みたま)の因縁(いんねん)ある真人(しんじん)のみに綱(つな)を掛(か)けて、123大本(おほもと)に御(お)引寄(ひきよ)せに成(な)つたのであります。124故(ゆゑ)に身魂(みたま)に因縁(いんねん)の無(な)い人々(ひとびと)は、125最初(さいしよ)から何程(なにほど)熱心(ねつしん)に神業(しんげふ)に奉仕(ほうし)せむとしても、126神(かみ)様(さま)から御(お)使(つか)ひに成(な)らぬから、127何(なん)等(ら)かの機会(きくわい)に不平(ふへい)を起(おこ)して脱退(だつたい)せなくてはならぬ様(やう)な破目(はめ)に陥(おちい)り、128終(つひ)には某々(ぼうぼう)氏(し)等(ら)の如(ごと)く犬糞(けんぷん)的(てき)に悪胴(わるどう)を据(す)ゑて、129一生(いつしやう)懸命(けんめい)に大本(おほもと)の攻撃(こうげき)を始(はじ)める様(やう)に成(な)るのであります。130亦(また)深(ふか)い因縁(いんねん)の有(あ)る人士(じんし)で、131鬚(ひげ)を切(き)り兼(か)ね、132手足(てあし)の爪(つめ)を抜(ぬ)き兼(か)ねて、133遠(とほ)くから奉仕(ほうし)されて居(ゐ)る人々(ひとびと)もまだまだ沢山(たくさん)にあります。134大本(おほもと)の神業(しんげふ)に直接(ちよくせつ)奉仕(ほうし)する真人(しんじん)と、135又(また)間接(かんせつ)に神業(しんげふ)に奉仕(ほうし)されて居(ゐ)る人士(じんし)とがあります。136是(これ)は鬚(ひげ)を切(き)ると切(き)らないとの差異(さい)でありますが、137因縁(いんねん)ある人士(じんし)は勇猛(ゆうまう)果断(くわだん)一日(いちじつ)も早(はや)く、138神業(しんげふ)に直接(ちよくせつ)参加(さんか)せられたいものであります。139さうで無(な)ければ天下(てんか)に跳梁(てうりやう)跋扈(ばつこ)せる八岐(やまた)の大蛇(をろち)を亡(ほろ)ぼし、140天(あめ)の下(した)を至治(しぢ)泰平(たいへい)ならしむる神業(しんげふ)を完全(くわんぜん)に遂行(すゐかう)する事(こと)が出来(でき)ないのであります。141世(よ)の中(なか)には小官(せうくわん)小吏(せうり)が鬚(ひげ)計(ばか)り蓄(たくは)へて尊大(そんだい)振(ぶ)り真意(しんい)も了解(れうかい)出来(でき)ぬ癖(くせ)に、142鰌(どぜう)や鯰(なまづ)の如(よ)うな貧乏鬚(びんばふひげ)を揉(も)みながら、143大本(おほもと)は淫祠(いんし)だの邪教(じやけう)だのと、144大(おほ)きな口(くち)を開(あ)けて泥(どろ)を吹(ふ)き、145田螺(たにし)や蛙(かへる)を脅(をど)かして、146大本(おほもと)へ入信(にふしん)せむとする可憐(かれん)な純良(じゆんりやう)な同胞(どうはう)の精神(せいしん)を濁(にご)さむとして居(ゐ)るのが沢山(たくさん)ある。147亦(また)世(よ)の中(なか)には、148手足(てあし)の爪(つめ)を抜(ぬ)くどころか、149爪(つめ)の先(さき)に火(ひ)を点(とも)して利己(りこ)主義(しゆぎ)一遍(いつぺん)の人物(じんぶつ)があつて日(ひ)に夜(よ)に爪(つめ)を研(と)ぎすまし、150鷹(たか)が雀(すずめ)を狙(ねら)ふ様(やう)に、151我(わ)れよしに浮身(うきみ)をやつして居(ゐ)る厄介(やくかい)な現代(げんだい)である。152亦(また)現代(げんだい)の如(ごと)き詰込(つめこ)み主義(しゆぎ)の教育法(けういくはふ)は常(つね)に精神(せいしん)の自由(じいう)を束縛(そくばく)し、153自然(しぜん)の良智(りやうち)良能(りやうのう)の発達(はつたつ)を妨害(ばうがい)して居(ゐ)るのであるから、154床(とこ)の間(ま)の飾物(かざりもの)に成(な)る鉢植(はちうゑ)の面白(おもしろ)い珍木(ちんぼく)は出来(でき)るが、155家(いへ)の柱(はしら)となる良材(りやうざい)は到底(たうてい)出来(でき)るものでない。156天才(てんさい)教育(けういく)を閑却(かんきやく)し無理(むり)無態(むたい)に枝(えだ)を伐(き)つたり曲(ま)げたり、157細(ほそ)い銅線(どうせん)で縛(しば)り付(つ)けたり、158突介棒(つつかいぼう)をかうたり、159葉(は)を断(た)つたり、160捻(ひね)つたり、161四方(しはう)八方(はつぱう)へ曲(ま)げまはして、162小(ちひ)さい樹(き)を拵(こしら)へて、163高価(かうか)に売(う)り付(つ)ける植木商(うゑきしやう)と同(おな)じ教育(けういく)の行(や)り方(かた)であるから、164到底(たうてい)碌(ろく)な人材(じんざい)は産(うま)れ出(い)づるものでない。165一(いち)日(にち)も早(はや)くこの爪(つめ)を抜(ぬ)き除(と)つて了(しま)はねば、166帝国(ていこく)の前途(ぜんと)は実(じつ)に風前(ふうぜん)の灯火(ともしび)であります。167現代(げんだい)は個人(こじん)有(あ)つて国家(こくか)あるを忘(わす)れ、168自党(じたう)ありて他党(たたう)あるを忘(わす)れて居(ゐ)る。169他党(たたう)と雖(いへど)も亦(また)国家(こくか)社会(しやくわい)の一部(いちぶ)で、170同(おな)じく是(こ)れ人間(にんげん)の儔侶(ちうりよ)たるものであるが、171全(まつた)く之(これ)を知(し)らざるが如(ごと)き状況(じやうきやう)である。172故(ゆゑ)に朋党(ほうたう)内(うち)に相(あひ)鬩(せめ)ぎ、173外(そと)環境(くわんきやう)の虎視(こし)耽々(たんたん)[※一般的には虎視「眈々」と書くが「耽々」でも意味は似ているのでこのままにしておく。]として間隙(かんげき)に乗(じやう)ぜむとするの危(あやふ)きに備(そな)ふるの道(みち)を知(し)らず、174実(じつ)に国家(こくか)の前途(ぜんと)を憂(うれ)へざらむとするも能(あた)はざる次第(しだい)である。175アヽ今(いま)の時(とき)に於(おい)て大偉人(だいゐじん)の出現(しゆつげん)し、176以(もつ)て国家(こくか)国民(こくみん)の惨状(さんじやう)を救(すく)ふもの無(な)くんば帝国(ていこく)の前途(ぜんと)は実(じつ)に暗澹(あんたん)たりと謂(い)ふべきである。177世(よ)には絶対(ぜつたい)の平等(べうどう)も無(な)ければ、178亦(また)絶対(ぜつたい)の差別(さべつ)も無(な)い、179平等(べうどう)の中(うち)に差別(さべつ)あり、180差別(さべつ)の中(うち)に平等(べうどう)があるのである。181蒼々(さうさう)として高(たか)きは天(てん)である。182茫々(ばうばう)として広(ひろ)きは地(ち)である。183斯(かく)の如(ごと)くにして既(すで)に上下(じやうげ)あり、184何人(なんびと)か炭(すみ)を白(しろ)しと言(い)ひ雪(ゆき)を黒(くろ)しと言(い)ふものがあらう乎(か)。185政治家(せいぢか)も、186宗教家(しうけうか)も、187教育家(けういくか)も此(この)時(とき)此(この)際(さい)、188差別(さべつ)的(てき)平等(べうどう)なる天理(てんり)天則(てんそく)を覚知(かくち)し、189以(もつ)て天下(てんか)万民(ばんみん)の為(ため)に、190汝(なんぢ)の蓄(たくは)ふる高慢(かうまん)なる城壁(じやうへき)を除(のぞ)き、191以(もつ)て其(その)大切(たいせつ)に思(おも)ふ処(ところ)の鬚(ひげ)を切(き)れ。192其(そ)の暴力(ばうりよく)に用(もち)ゆる手足(てあし)の爪(つめ)を抜(ぬ)き去(さ)り、193以(もつ)て不惜(ふしやく)身命(しんめい)、194天下(てんか)の為(ため)に意義(いぎ)ある真(しん)の生活(せいくわつ)に入(い)れ。195斯(かく)の如(ごと)くにして始(はじ)めて、196御国(みくに)を永遠(ゑいゑん)に保全(ほぜん)し、197祖先(そせん)の遺風(ゐふう)を顕彰(けんしやう)し、198以(もつ)て神国(しんこく)神民(しんみん)の天職(てんしよく)を全(まつた)うする事(こと)が出来(でき)るのである。
199 『又(また)食物(おしもの)を大気津(おほげつ)比売(ひめ)の神(かみ)に乞(こ)ひたまひき』
200 食物(おしもの)の言霊返(ことたまかへ)しは、201イである。202イは命(いのち)であり、203出(い)づる息(いき)である。204即(すなは)ち生命(せいめい)の元(もと)となるのが食物(しよくもつ)である。205またクイ物(もの)のクイはキと約(つま)る。206衣服(いふく)も亦(また)、207キモノと云(い)ふのである。208キは生(き)なり、209草(くさ)也(なり)、210気(き)なりの活用(くわつよう)あり。211故(ゆゑ)に衣(い)と食(しよく)とは、212生命(せいめい)を保持(ほぢ)する上(うへ)に最(もつと)も必要(ひつえう)なものである。213故(ゆゑ)に人(ひと)はオシ物(もの)のイとクイ物(もの)のキとに因(よ)つて、214イキて居(を)るのである。215又(また)人(ひと)の住居(すまゐ)をイヘと云(い)ふ。216イヘの霊返(たまかへ)しは、217エとなる。218エは即(すなは)ち餌(ゑ)であり、219胞(えな)である。220要(えう)するに、221衣食住(いしよくぢゆう)の三種(さんしゆ)を総称(そうしよう)して、222食物(おしもの)と云(い)ひ、223エと云(い)ひケと言(い)ふのであります。
224 大気津(おほげつ)姫(ひめ)といふ言霊(ことたま)は、225要(えう)するに、226物質(ぶつしつ)文明(ぶんめい)の極点(きよくてん)に達(たつ)したる為(ため)、227天下(てんか)挙(こぞ)つて美衣(びい)美食(びしよく)し大廈(たいか)高楼(かうろう)に安臥(あんぐわ)して所在(あらゆる)贅沢(ぜいたく)を尽(つく)し、228体主(たいしゆ)霊従(れいじう)の頂上(ちやうじやう)に達(たつ)したる事(こと)を、229大気津(おほげつ)姫(ひめ)と云(い)ふのであります。230糧食(りやうしよく)[※「りやうしよく」の霊返しは「ケ」にはならない。RyousyokUで「ル」になる。校定版・八幡版では「糧食」の直後に括弧書きで「(かて)」という言葉を挿入しているが、KatEなら「ケ」になる。その次の「被衣(かぶと)」(「かづき」とも読む)の霊返しも「ケ」にはならず、KabutOなので「コ」である。「家居(かくれ)」はKakurEで「ケ」になる。]の霊返(たまかへ)しは、231ケとなり、232被衣(かぶと)の霊返(たまかへ)しはケと成(な)り、233家居(かくれ)の霊返(たまかへ)しは亦(また)ケとなる。234故(ゆゑ)に衣食住(いしよくぢゆう)の大(おほい)に発達(はつたつ)し、235且(か)つ非常(ひじやう)なる驕奢(けうしや)に、236世界中(せかいぢう)が揃(そろ)うてなつて来(き)たことを大気津(おほげつ)姫(ひめ)と云(い)ふのであります。
237 『乞(こ)ひ玉(たま)ひき』と云(い)ふのは、238コは細(こま)やかの言霊(ことたま)、239ヒは明(あきら)かの言霊(ことたま)である。240要(えう)するに、241素盞嗚(すさのをの)尊(みこと)は八百万(やほよろづ)の神(かみ)に対(たい)して、242正衣(せいい)正食(せいしよく)し、243清居(せいきよ)すべき道(みち)を、244お諭(さと)しになつたのを『乞(こ)ひ玉(たま)ひき』と、245言霊学(げんれいがく)上(じやう)謂(い)ふのであつて、246決(けつ)して乞食(こじき)非人(ひにん)が食物(しよくもつ)を哀求(あいきう)する様(やう)な意味(いみ)では無(な)いのであります。
247 『爾(ここ)に大気津(おほげつ)比売(ひめ)、248鼻(はな)、249口(くち)及(および)尻(しり)より、250種々(くさぐさ)の味物(ためつもの)を取出(とりい)で、251種々(くさぐさ)作(つく)り具(そな)へて進(たてまつ)る』
252 鼻(はな)と云(い)ふ事(こと)は、253華(はな)やかなるの意義(いぎ)であつて、254立派(りつぱ)な高価(かうか)な衣服(いふく)のことである。255口(くち)と云(い)ふ事(こと)は食餌(しよくじ)を意味(いみ)する。256尻(しり)と云(い)ふ事(こと)は、257尻(しり)を落着(おちつ)けて起臥(きぐわ)する、258家居(かきよ)を意味(いみ)するのである。259『種々(くさぐさ)の味物(ためつもの)』とは、260色々(いろいろ)な臭気(しうき)紛々(ふんぷん)たる獣肉(じうにく)や虫類(むしるゐ)の事(こと)である。261亦(また)『種々(くさぐさ)作(つく)り具(そな)へて進(たてまつ)る』と云(い)ふ事(こと)は、262獣類(じうるゐ)の毛皮(けがは)を被(き)たり、263骨(ほね)を櫛(くし)や笄(かふがい)[※髪をとめるかんざしのこと]や、264其(その)他(た)の道具(だうぐ)に愛用(あいよう)したり、265鳥(とり)や虫(むし)の毛(け)や皮(かは)で、266日用品(にちようひん)を造(つく)つたり、267人間(にんげん)の住居(すまゐ)する家(いへ)の中(なか)に便所(べんじよ)を造(つく)つたり、268天則(てんそく)を破(やぶ)つて人(ひと)の住居(すまゐ)を作(つく)るに檜材(ひのきざい)を用(もち)ゐたり、269屋根(やね)を葺(ふ)くにも檜皮(ひのきがは)で、270恰(あたか)も神社(じんじや)の如(よ)うに、271分(ぶん)に過(す)ぎた事(こと)を為(な)したりする事(こと)を、272種々(くさぐさ)作(つく)り具(そな)へて進(たてまつ)ると云(い)ふのである。273奉(たてまつ)ると云(い)ふのは、274下(した)から上位(じやうゐ)の方(はう)へ上(たてまつ)ることであるが、275此(こ)の御(ご)本文(ほんもん)の進(たてまつ)ると云(い)ふ意味(いみ)は、276進歩(しんぽ)すると云(い)ふことである。277要(えう)するに物質(ぶつしつ)文明(ぶんめい)の発達(はつたつ)進歩(しんぽ)せる結果(けつくわ)、278国風(こくふう)に合致(がつち)せざる、279衣食住(いしよくぢう)の進歩(しんぽ)せる悪風潮(あくふうてう)を指(さ)して、280クサグサ進(たてまつ)ると云(い)ふのであります。
281(大正九・一・一六 講演筆録 谷村真友)
このページに誤字・脱字や表示乱れなどを見つけたら教えて下さい。
返信が必要な場合はメールでお送り下さい。【メールアドレス】
合言葉「みろく」を入力して下さい→