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霊界物語
霊主体従(第1~12巻)
第11巻(戌の巻)
言霊反
凡例
信天翁(二)
総説歌
第1篇 長駆進撃
第1章 クス野ケ原
第2章 一目お化
第3章 死生観
第4章 梅の花
第5章 大風呂敷
第6章 奇の都
第7章 露の宿
第2篇 意気揚々
第8章 明志丸
第9章 虎猫
第10章 立聞
第11章 表教
第12章 松と梅
第13章 転腹
第14章 鏡丸
第3篇 言霊解
第15章 大気津姫の段(一)
第16章 大気津姫の段(二)
第17章 大気津姫の段(三)
第4篇 満目荒寥
第18章 琵琶の湖
第19章 汐干丸
第20章 醜の窟
第21章 俄改心
第22章 征矢の雨
第23章 保食神
第5篇 乾坤清明
第24章 顕国宮
第25章 巫の舞
第26章 橘の舞
第27章 太玉松
第28章 二夫婦
第29章 千秋楽
余白歌
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霊界物語
>
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第11巻(戌の巻)
> 第3篇 言霊解 > 第15章 大気津姫の段(一)
<<< 鏡丸
(B)
(N)
大気津姫の段(二) >>>
第一五章
大気津
(
おほげつ
)
姫
(
ひめ
)
の
段
(
だん
)
(一)〔四八二〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第11巻 霊主体従 戌の巻
篇:
第3篇 言霊解
よみ(新仮名遣い):
ことたまかい
章:
第15章 大気津姫の段(一)
よみ(新仮名遣い):
おおげつひめのだん(一)
通し章番号:
482
口述日:
1920(大正9)年01月16日(旧11月26日)
口述場所:
筆録者:
谷村真友[#講演筆録]
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1922(大正11)年9月10日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
古事記において、天の真奈井の誓約において、素尊の御魂の清明無垢が証明されたため、素尊の部下たちの不満が勃発し、そのために天の岩戸の大事件が発生したのであった。
素尊はその責任を負って、「千位の置戸を負わせられ」て追放されたのであった。千位の置戸とは、一天万乗の位、群臣の上に立つ位を放棄させられて、という意味である。
素尊は万神万有のいっさいの罪科を一身に負って、自ら罪人となって天地の神明に潔白な心性を表示されたのである。世界一切の万類を救うために身を犠牲に供することを、千位の置戸というのである。
「髭を切り」とは、社会的な重要な役職をすべて放擲させられた、ということである。
「手足の爪を抜かしめて」とある手足の爪は、私有財産一切のことである。
「神追い(カムヤラヒ)」とは、ヤは天地自然の大道に帰って万民を教え導くことである。ラは寸暇なき神業奉仕者となることである。ヒとは、天地経綸の司宰者である人の本霊を顕して無上の尊厳を保つことである。すなわち、神追いとは単に神様を追放するということではないのである。
世の中には絶対的な平等もなければ絶対的な差別もない。差別的平等なる天理天則を悟り、もって自らの髭を切り、手足の爪を抜いて天下のために真に意義のある生活に入るべきである。
「食物(おしもの)」とは、衣食住の三種を総称したものである。大気津姫とは、物質文明の極点で、みなこぞってあらゆる贅沢をなし始めたことを言うのである。
それにたいして素尊は、八百万の神々に対して正衣正食することをお諭しになったのである。
世の中が進むについて、国風に合致しない悪風習が現れてきたのである。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
言霊反し(言霊返し)
データ凡例:
データ最終更新日:
2021-06-11 18:40:15
OBC :
rm1115
愛善世界社版:
143頁
八幡書店版:
第2輯 564頁
修補版:
校定版:
143頁
普及版:
61頁
初版:
ページ備考:
初出
[?]
この文献の初出または底本となったと思われる文献です。
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:
神霊界
>
大正10年2月1日号(第134号)【出口王仁三郎執筆】
>
皇典と現代(五)
派生
[?]
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:
出口王仁三郎著作集 > 第二巻 変革と平和 > 第三部 『霊界物語』の思想 > 大気津姫の段
001
『
於是
(
ここに
)
、
002
八百万
(
やほよろづ
)
の
神共
(
かみども
)
に
議
(
はか
)
りて、
003
速
(
はや
)
須佐之男
(
すさのをの
)
命
(
みこと
)
に
千位
(
ちくら
)
の
置戸
(
おきど
)
を
負
(
お
)
はせ、
004
亦
(
また
)
鬚
(
ひげ
)
を
切
(
き
)
り、
005
手足
(
てあし
)
の
爪
(
つめ
)
をも
抜
(
ぬ
)
かしめて、
006
神
(
かむ
)
追
(
やら
)
ひに
追
(
やら
)
ひき』
007
爰
(
ここ
)
に
天照
(
あまてらす
)
大神
(
おほかみ
)
と
速
(
はや
)
須佐之男
(
すさのをの
)
命
(
みこと
)
の
天
(
あめ
)
の
真奈井
(
まなゐ
)
の
誓約
(
せいやく
)
によりて、
008
清明
(
せいめい
)
無垢
(
むく
)
の
素尊
(
そそん
)
の
御魂
(
みたま
)
、
009
三女神
(
さんぢよしん
)
が
現
(
あら
)
はれ
玉
(
たま
)
ひしより、
010
素尊
(
そそん
)
部下
(
ぶか
)
の
諸神
(
しよしん
)
等
(
ら
)
の
不平
(
ふへい
)
勃発
(
ぼつぱつ
)
し、
011
終
(
つひ
)
に
天
(
あま
)
の
岩戸
(
いはと
)
の
大事変
(
だいじへん
)
を
湧起
(
ゆうき
)
せしめ、
012
一
(
いち
)
時
(
じ
)
は
天津
(
あまつ
)
神国
(
かみくに
)
も、
013
葦原
(
あしはら
)
の
中津国
(
なかつくに
)
も
常暗
(
とこやみ
)
の
世
(
よ
)
となり、
014
次
(
つい
)
で
八百万
(
やほよろづ
)
の
神
(
かみ
)
等
(
たち
)
が
天
(
あめ
)
の
安河原
(
やすかはら
)
の
神
(
かむ
)
集
(
つど
)
ひに
集
(
つど
)
ひて、
015
神議
(
かむはか
)
りに
議
(
はか
)
り
玉
(
たま
)
ひ、
016
結局
(
けつきよく
)
大海原
(
おほうなばら
)
の
主神
(
しゆしん
)
たりし
速
(
はや
)
須佐之男
(
すさのをの
)
命
(
みこと
)
に
千位
(
ちくら
)
の
置戸
(
おきど
)
を
負
(
お
)
はせ、
017
亦
(
また
)
鬚
(
ひげ
)
を
切
(
き
)
り、
018
手足
(
てあし
)
の
爪
(
つめ
)
をも
抜
(
ぬ
)
かしめて、
019
天上
(
てんじやう
)
より
神
(
かむ
)
追
(
やら
)
ひに
追
(
やら
)
ひ
玉
(
たま
)
ふの
止
(
や
)
むを
得
(
え
)
ざるに
立到
(
たちいた
)
つたのであります。
020
『
千位
(
ちくら
)
の
置戸
(
おきど
)
を
負
(
お
)
はせて』と
云
(
い
)
ふ
意義
(
いぎ
)
は、
021
一天
(
いつてん
)
万乗
(
ばんじやう
)
の
位
(
くらゐ
)
で、
022
群臣
(
ぐんしん
)
、
023
百僚
(
ひやくれう
)
、
024
百官
(
ひやくくわん
)
の
上
(
うへ
)
に
立
(
た
)
つ
高御座
(
たかみくら
)
を
負
(
お
)
はせ
即
(
すなは
)
ち
放棄
(
はうき
)
させてと
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
であります。
025
父
(
ちち
)
伊邪那岐
(
いざなぎの
)
大神
(
おほかみ
)
より、
026
大海原
(
おほうなばら
)
なる
大地球
(
だいちきう
)
の
統治権
(
とうぢけん
)
を
附与
(
ふよ
)
されて、
027
天下
(
てんか
)
に
君臨
(
くんりん
)
し
玉
(
たま
)
ふべき
素尊
(
そそん
)
でありますけれ
共
(
ども
)
、
028
高天原
(
たかあまはら
)
に
於
(
お
)
ける
天
(
あま
)
の
岩戸
(
いはと
)
の
変
(
へん
)
の
大責任
(
だいせきにん
)
を
負
(
お
)
ひて、
029
衆議
(
しうぎ
)
の
結果
(
けつか
)
千万
(
ちよろづ
)
の
神
(
かみ
)
の
上
(
うへ
)
に
立
(
た
)
つ
千位
(
ちくら
)
の
置戸
(
おきど
)
を
捨
(
す
)
て
玉
(
たま
)
ふに
致
(
いた
)
つたのであります。
030
凡
(
すべ
)
て
万神
(
ばんしん
)
万有
(
ばんいう
)
の
一切
(
いつさい
)
の
罪科
(
ざいくわ
)
を
一身
(
いつしん
)
に
負担
(
ふたん
)
して、
031
自
(
みづか
)
ら
罪人
(
ざいにん
)
となつて、
032
天地
(
てんち
)
の
神明
(
しんめい
)
へ
潔白
(
けつぱく
)
なる
心性
(
しんせい
)
を
表示
(
へうじ
)
されたのであります。
033
斯
(
こ
)
の
温順
(
をんじゆん
)
善美
(
ぜんび
)
なる
命
(
みこと
)
の
御
(
ご
)
精霊
(
せいれい
)
を
称
(
しよう
)
して
瑞
(
みづ
)
の
御魂
(
みたま
)
と
謂
(
い
)
ふのである。
034
基督
(
キリスト
)
が
十字架
(
じふじか
)
に
釘付
(
くぎづ
)
けられて
万民
(
ばんみん
)
の
罪
(
つみ
)
を
贖
(
あがな
)
ふと
云
(
い
)
ふのも、
035
要
(
えう
)
するに
千位
(
ちくら
)
の
置戸
(
おきど
)
を
負
(
お
)
うたと
同
(
おな
)
じ
意味
(
いみ
)
であります。
036
世界
(
せかい
)
一切
(
いつさい
)
の
万類
(
ばんるゐ
)
を
救
(
すく
)
う
為
(
ため
)
に
身
(
み
)
を
犠牲
(
ぎせい
)
に
供
(
きよう
)
する
事
(
こと
)
は、
037
即
(
すなは
)
ち
千位
(
ちくら
)
の
置戸
(
おきど
)
を
負
(
お
)
ふのである。
038
現今
(
げんこん
)
の
如
(
ごと
)
く
罪
(
つみ
)
穢
(
けがれ
)
に
充
(
み
)
ち、
039
腐敗
(
ふはい
)
の
極
(
きよく
)
に
達
(
たつ
)
せる
地上
(
ちじやう
)
も
亦
(
また
)
、
040
至仁
(
しじん
)
至愛
(
しあい
)
なる
瑞
(
みづ
)
の
御魂
(
みたま
)
の
神
(
かみ
)
の
贖罪
(
とくざい
)
ある
為
(
ため
)
に、
041
大難
(
だいなん
)
も
小難
(
せうなん
)
と
成
(
な
)
り、
042
小難
(
せうなん
)
も
消失
(
せうしつ
)
するのである。
043
アヽ
一
(
いち
)
日
(
にち
)
も
早
(
はや
)
く、
044
片時
(
へんじ
)
も
速
(
すみや
)
かに、
045
天下
(
てんか
)
国家
(
こくか
)
の
為
(
ため
)
に
犠牲
(
ぎせい
)
となる
可
(
べ
)
き、
046
瑞
(
みづ
)
の
御魂
(
みたま
)
の
守護
(
しゆご
)
ある
真人
(
しんじん
)
の
各所
(
かくしよ
)
に
出現
(
しゆつげん
)
して、
047
既
(
すで
)
に
倒壊
(
たうくわい
)
せむとする
世界
(
せかい
)
の
現状
(
げんじやう
)
を
救済
(
きうさい
)
せむことを
希望
(
きばう
)
して
止
(
や
)
まぬ
次第
(
しだい
)
である。
048
『
亦
(
また
)
鬚
(
ひげ
)
を
切
(
き
)
り』と
云
(
い
)
ふ
意義
(
いぎ
)
は、
049
ヒ
は、
050
霊
(
れい
)
であり、
051
日
(
ひ
)
の
御子
(
みこ
)
の
朝
(
てう
)
に
仕
(
つか
)
へて
政治
(
せいぢ
)
を
照
(
てら
)
す
言霊
(
ことたま
)
であり、
052
ゲ
は
実名
(
じつめい
)
職掌
(
しよくしやう
)
である。
053
即
(
すなは
)
ち
自分
(
じぶん
)
が
官吏
(
くわんり
)
ならば
官職
(
くわんしよく
)
を
辞
(
じ
)
し、
054
会社
(
くわいしや
)
の
重役
(
ぢゆうやく
)
を
辞
(
じ
)
すと
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
を、
055
ヒ
ゲ
を
抜
(
ぬ
)
くと
云
(
い
)
ふのである。
056
俗
(
ぞく
)
に
何
(
なに
)
も
知
(
し
)
らずに
高
(
たか
)
い
処
(
ところ
)
へ
止
(
と
)
まつてエラサウに
吐
(
ぬか
)
すと、
057
鬚
(
ひげ
)
を
抜
(
ぬ
)
いてやらうかなぞと
言
(
い
)
ふのも、
058
不信任
(
ふしんにん
)
を
表白
(
へうはく
)
した
言葉
(
ことば
)
である。
059
高位
(
かうゐ
)
高官
(
かうくわん
)
の
人
(
ひと
)
や、
060
大会社
(
だいくわいしや
)
の
重役
(
ぢゆうやく
)
や、
061
大
(
だい
)
教育家
(
けういくか
)
なぞが
大本
(
おほもと
)
の
教義
(
けうぎ
)
でなくては
天下
(
てんか
)
国家
(
こくか
)
を
救
(
すく
)
ふ
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
ない
事
(
こと
)
を
心底
(
しんてい
)
より
承認
(
しようにん
)
し
乍
(
なが
)
ら、
062
未
(
ま
)
だ
充分
(
じうぶん
)
の
決心
(
けつしん
)
がつかずして
現在
(
げんざい
)
の
地位
(
ちゐ
)
に
恋々
(
れんれん
)
として、
063
自己
(
じこ
)
の
名利
(
めいり
)
栄達
(
えいたつ
)
にのみ
腐心
(
ふしん
)
して、
064
大本
(
おほもと
)
の
教
(
をしへ
)
を
人眼
(
ひとめ
)
を
忍
(
しの
)
んで
遠
(
とほ
)
くより
研究
(
けんきう
)
し、
065
世人
(
せじん
)
に
知
(
し
)
られる
事
(
こと
)
を
憚
(
はばか
)
つて
居
(
を
)
る
如
(
よ
)
うな
立派
(
りつぱ
)
な
人士
(
じんし
)
が
沢山
(
たくさん
)
に
在
(
あ
)
るが、
066
斯
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
き
人
(
ひと
)
は
至忠
(
しちう
)
思君
(
しくん
)
思国
(
しこく
)
の
日本
(
やまと
)
魂
(
だましひ
)
を
振起
(
しんき
)
して、
067
公然
(
こうぜん
)
大本
(
おほもと
)
の
信者
(
しんじや
)
と
名乗
(
なの
)
り、
068
現代
(
げんだい
)
の
高
(
たか
)
い
位地
(
ゐち
)
なり、
069
名望
(
めいばう
)
を
眼中
(
がんちう
)
に
置
(
お
)
かず、
070
止
(
や
)
むを
得
(
え
)
ざれば
現
(
げん
)
位地
(
ゐち
)
を
擲
(
なげう
)
つて、
071
天下
(
てんか
)
国家
(
こくか
)
の
為
(
ため
)
に、
072
大本
(
おほもと
)
の
主義
(
しゆぎ
)
を
天下
(
てんか
)
に
実行
(
じつかう
)
する
様
(
やう
)
になつた
時
(
とき
)
が、
073
所謂
(
いはゆる
)
鬚
(
ひげ
)
を
切
(
き
)
つて、
074
真個
(
しんこ
)
神明
(
しんめい
)
と
大君
(
おほぎみ
)
と
社会
(
しやくわい
)
とに
奉仕
(
ほうし
)
の
出来
(
でき
)
る
時
(
とき
)
であります。
075
『
手足
(
てあし
)
の
爪
(
つめ
)
まで
抜
(
ぬ
)
かしめて、
076
神
(
かむ
)
追
(
やら
)
ひに
追
(
やら
)
ひ
玉
(
たま
)
ひき』と
云
(
い
)
ふ
意義
(
いぎ
)
は、
077
手足
(
てあし
)
の
爪
(
つめ
)
とは
私有
(
しいう
)
財産
(
ざいさん
)
の
事
(
こと
)
である。
078
手
(
て
)
の
爪
(
つめ
)
は
現代
(
げんだい
)
の
所謂
(
いはゆる
)
動産物
(
どうさんぶつ
)
で
足
(
あし
)
の
爪
(
つめ
)
は
不動産
(
ふどうさん
)
物
(
ぶつ
)
である。
079
要
(
えう
)
するに
一切
(
いつさい
)
の
地位
(
ちゐ
)
を
擲
(
なげう
)
ち、
080
一切
(
いつさい
)
の
財産
(
ざいさん
)
を
顧
(
かへり
)
みず、
081
物質
(
ぶつしつ
)
的
(
てき
)
欲望
(
よくばう
)
を
捨
(
す
)
てて
神明
(
しんめい
)
の
道
(
みち
)
を
天下
(
てんか
)
に
宣伝
(
せんでん
)
する
事
(
こと
)
が、
082
神
(
かむ
)
追
(
やら
)
ひに
追
(
やら
)
ひきと
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
になるのである。
083
従来
(
じうらい
)
の
俗界
(
そくかい
)
を
離
(
はな
)
れて、
084
至聖
(
しせい
)
、
085
至美
(
しび
)
、
086
至直
(
しちよく
)
なる
大神
(
おほかみ
)
の
道
(
みち
)
に
仕
(
つか
)
へ
奉
(
まつ
)
る
事
(
こと
)
を
神
(
かむ
)
やらひと
謂
(
い
)
ふのである。
087
ヤ
ラ
ヒ
の
言霊
(
ことたま
)
を
調
(
しら
)
べる
時
(
とき
)
は、
088
ヤ
は
天地
(
てんち
)
自然
(
しぜん
)
の
大道
(
だいだう
)
に
帰
(
かへ
)
り、
089
世界
(
せかい
)
の
親
(
おや
)
たる
覚悟
(
かくご
)
を
以
(
もつ
)
て
万民
(
ばんみん
)
を
教
(
をし
)
へ
導
(
みちび
)
き、
090
八方
(
はつぱう
)
の
事物
(
じぶつ
)
を
明
(
あきら
)
かに
指示
(
しじ
)
する
事
(
こと
)
である。
091
ラ
は、
092
俗
(
ぞく
)
より
真
(
しん
)
に
反
(
かへ
)
りて、
093
従来
(
じうらい
)
の
体主
(
たいしゆ
)
霊従
(
れいじう
)
的
(
てき
)
行動
(
かうどう
)
を
翻然
(
ほんぜん
)
として
改
(
あらた
)
め、
094
無量寿
(
むりやうじゆ
)
にして
生死
(
せいし
)
の
外
(
ほか
)
に
超然
(
てうぜん
)
として
産霊
(
むすび
)
の
大道
(
だいだう
)
を
実行
(
じつかう
)
し、
095
霊系
(
れいけい
)
高皇
(
たかみ
)
産霊
(
むすびの
)
神
(
かみ
)
の
神業
(
しんげふ
)
を
翼賛
(
よくさん
)
し、
096
極乎
(
きよくこ
)
として
間断
(
かんだん
)
なく
惟神
(
かむながら
)
の
大道
(
だいだう
)
を
天下
(
てんか
)
に
宣伝
(
せんでん
)
し、
097
実行
(
じつかう
)
して、
098
寸暇
(
すんか
)
無
(
な
)
き
神業
(
しんげふ
)
奉仕者
(
ほうししや
)
となる
事
(
こと
)
である。
099
ヒ
は、
100
天理
(
てんり
)
人道
(
じんだう
)
を
明
(
あきら
)
かにし、
101
神妙
(
しんめう
)
不可測
(
ふかそく
)
の
神機
(
しんき
)
に
透徹
(
とうてつ
)
し、
102
過去
(
くわこ
)
、
103
現在
(
げんざい
)
、
104
未来
(
みらい
)
を
明
(
あきら
)
かに
了知
(
れうち
)
し、
105
達観
(
たつくわん
)
し、
106
天地
(
てんち
)
経綸
(
けいりん
)
の
大
(
だい
)
司宰者
(
しさいしや
)
たる
人
(
ひと
)
の
本能
(
ほんのう
)
霊徳
(
れいとく
)
を
顕
(
あら
)
はし、
107
以
(
もつ
)
て
⦿
(
す
)
の
根底
(
こんてい
)
を
結
(
むす
)
び
護
(
まも
)
り、
108
無上
(
むじやう
)
の
尊厳
(
そんげん
)
を
保
(
たも
)
つ
事
(
こと
)
である。
109
故
(
ゆゑ
)
に
神
(
かむ
)
追
(
やら
)
ひは、
110
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
を
追放
(
つゐはう
)
したり、
111
退去
(
たいきよ
)
させたりすると
云
(
い
)
ふ
意義
(
いぎ
)
では
無
(
な
)
い。
112
追
の
漢字
(
かんじ
)
と
退
の
漢字
(
かんじ
)
の
区別
(
くべつ
)
ある
事
(
こと
)
を
能
(
よ
)
く
反省
(
はんせい
)
すべきである。
113
この
点
(
てん
)
は
古事記
(
こじき
)
撰録者
(
せんろくしや
)
の
最
(
もつと
)
も
意
(
い
)
を
用
(
もち
)
ゐたる
点
(
てん
)
にして、
114
実
(
じつ
)
に
其
(
そ
)
の
親切
(
しんせつ
)
と
周到
(
しうたう
)
なる
注意
(
ちうい
)
とは
感謝
(
かんしや
)
すべき
事
(
こと
)
であります。
115
『
神
(
かむ
)
追
(
やら
)
ひ』と
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
を
大本
(
おほもと
)
に
写
(
うつ
)
して
見
(
み
)
る
時
(
とき
)
は、
116
第一
(
だいいち
)
に
各
(
かく
)
役員
(
やくゐん
)
の
如
(
ごと
)
きは、
117
総
(
すべ
)
て
鬚
(
ひげ
)
を
切
(
き
)
り
手足
(
てあし
)
の
爪
(
つめ
)
まで
抜
(
ぬ
)
きて
大本
(
おほもと
)
へ
神追
(
かむやら
)
ひに
追
(
やら
)
はれ
玉
(
たま
)
うた
人々
(
ひとびと
)
であります。
118
併
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら
現今
(
げんこん
)
の
社会
(
しやくわい
)
の
総
(
すべ
)
てが
右
(
みぎ
)
諸子
(
しよし
)
の
如
(
ごと
)
くに
神追
(
かむやら
)
ひに
追
(
やら
)
はれ、
119
且
(
かつ
)
又
(
また
)
鬚
(
ひげ
)
を
切
(
き
)
り
手足
(
てあし
)
の
爪
(
つめ
)
まで
抜
(
ぬ
)
かしめられては
却
(
かへ
)
つて
天下
(
てんか
)
の
政治
(
せいぢ
)
を
乱
(
みだ
)
し、
120
産業
(
さんげふ
)
の
発達
(
はつたつ
)
を
阻止
(
そし
)
し、
121
国力
(
こくりよく
)
を
弱
(
よわ
)
める
事
(
こと
)
になりますから、
122
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
は
神業
(
しんげふ
)
に
直接
(
ちよくせつ
)
奉仕
(
ほうし
)
すべき
身魂
(
みたま
)
の
因縁
(
いんねん
)
ある
真人
(
しんじん
)
のみに
綱
(
つな
)
を
掛
(
か
)
けて、
123
大本
(
おほもと
)
に
御
(
お
)
引寄
(
ひきよ
)
せに
成
(
な
)
つたのであります。
124
故
(
ゆゑ
)
に
身魂
(
みたま
)
に
因縁
(
いんねん
)
の
無
(
な
)
い
人々
(
ひとびと
)
は、
125
最初
(
さいしよ
)
から
何程
(
なにほど
)
熱心
(
ねつしん
)
に
神業
(
しんげふ
)
に
奉仕
(
ほうし
)
せむとしても、
126
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
から
御
(
お
)
使
(
つか
)
ひに
成
(
な
)
らぬから、
127
何
(
なん
)
等
(
ら
)
かの
機会
(
きくわい
)
に
不平
(
ふへい
)
を
起
(
おこ
)
して
脱退
(
だつたい
)
せなくてはならぬ
様
(
やう
)
な
破目
(
はめ
)
に
陥
(
おちい
)
り、
128
終
(
つひ
)
には
某々
(
ぼうぼう
)
氏
(
し
)
等
(
ら
)
の
如
(
ごと
)
く
犬糞
(
けんぷん
)
的
(
てき
)
に
悪胴
(
わるどう
)
を
据
(
す
)
ゑて、
129
一生
(
いつしやう
)
懸命
(
けんめい
)
に
大本
(
おほもと
)
の
攻撃
(
こうげき
)
を
始
(
はじ
)
める
様
(
やう
)
に
成
(
な
)
るのであります。
130
亦
(
また
)
深
(
ふか
)
い
因縁
(
いんねん
)
の
有
(
あ
)
る
人士
(
じんし
)
で、
131
鬚
(
ひげ
)
を
切
(
き
)
り
兼
(
か
)
ね、
132
手足
(
てあし
)
の
爪
(
つめ
)
を
抜
(
ぬ
)
き
兼
(
か
)
ねて、
133
遠
(
とほ
)
くから
奉仕
(
ほうし
)
されて
居
(
ゐ
)
る
人々
(
ひとびと
)
もまだまだ
沢山
(
たくさん
)
にあります。
134
大本
(
おほもと
)
の
神業
(
しんげふ
)
に
直接
(
ちよくせつ
)
奉仕
(
ほうし
)
する
真人
(
しんじん
)
と、
135
又
(
また
)
間接
(
かんせつ
)
に
神業
(
しんげふ
)
に
奉仕
(
ほうし
)
されて
居
(
ゐ
)
る
人士
(
じんし
)
とがあります。
136
是
(
これ
)
は
鬚
(
ひげ
)
を
切
(
き
)
ると
切
(
き
)
らないとの
差異
(
さい
)
でありますが、
137
因縁
(
いんねん
)
ある
人士
(
じんし
)
は
勇猛
(
ゆうまう
)
果断
(
くわだん
)
一日
(
いちじつ
)
も
早
(
はや
)
く、
138
神業
(
しんげふ
)
に
直接
(
ちよくせつ
)
参加
(
さんか
)
せられたいものであります。
139
さうで
無
(
な
)
ければ
天下
(
てんか
)
に
跳梁
(
てうりやう
)
跋扈
(
ばつこ
)
せる
八岐
(
やまた
)
の
大蛇
(
をろち
)
を
亡
(
ほろ
)
ぼし、
140
天
(
あめ
)
の
下
(
した
)
を
至治
(
しぢ
)
泰平
(
たいへい
)
ならしむる
神業
(
しんげふ
)
を
完全
(
くわんぜん
)
に
遂行
(
すゐかう
)
する
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
ないのであります。
141
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
には
小官
(
せうくわん
)
小吏
(
せうり
)
が
鬚
(
ひげ
)
計
(
ばか
)
り
蓄
(
たくは
)
へて
尊大
(
そんだい
)
振
(
ぶ
)
り
真意
(
しんい
)
も
了解
(
れうかい
)
出来
(
でき
)
ぬ
癖
(
くせ
)
に、
142
鰌
(
どぜう
)
や
鯰
(
なまづ
)
の
如
(
よ
)
うな
貧乏鬚
(
びんばふひげ
)
を
揉
(
も
)
みながら、
143
大本
(
おほもと
)
は
淫祠
(
いんし
)
だの
邪教
(
じやけう
)
だのと、
144
大
(
おほ
)
きな
口
(
くち
)
を
開
(
あ
)
けて
泥
(
どろ
)
を
吹
(
ふ
)
き、
145
田螺
(
たにし
)
や
蛙
(
かへる
)
を
脅
(
をど
)
かして、
146
大本
(
おほもと
)
へ
入信
(
にふしん
)
せむとする
可憐
(
かれん
)
な
純良
(
じゆんりやう
)
な
同胞
(
どうはう
)
の
精神
(
せいしん
)
を
濁
(
にご
)
さむとして
居
(
ゐ
)
るのが
沢山
(
たくさん
)
ある。
147
亦
(
また
)
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
には、
148
手足
(
てあし
)
の
爪
(
つめ
)
を
抜
(
ぬ
)
くどころか、
149
爪
(
つめ
)
の
先
(
さき
)
に
火
(
ひ
)
を
点
(
とも
)
して
利己
(
りこ
)
主義
(
しゆぎ
)
一遍
(
いつぺん
)
の
人物
(
じんぶつ
)
があつて
日
(
ひ
)
に
夜
(
よ
)
に
爪
(
つめ
)
を
研
(
と
)
ぎすまし、
150
鷹
(
たか
)
が
雀
(
すずめ
)
を
狙
(
ねら
)
ふ
様
(
やう
)
に、
151
我
(
わ
)
れよしに
浮身
(
うきみ
)
をやつして
居
(
ゐ
)
る
厄介
(
やくかい
)
な
現代
(
げんだい
)
である。
152
亦
(
また
)
現代
(
げんだい
)
の
如
(
ごと
)
き
詰込
(
つめこ
)
み
主義
(
しゆぎ
)
の
教育法
(
けういくはふ
)
は
常
(
つね
)
に
精神
(
せいしん
)
の
自由
(
じいう
)
を
束縛
(
そくばく
)
し、
153
自然
(
しぜん
)
の
良智
(
りやうち
)
良能
(
りやうのう
)
の
発達
(
はつたつ
)
を
妨害
(
ばうがい
)
して
居
(
ゐ
)
るのであるから、
154
床
(
とこ
)
の
間
(
ま
)
の
飾物
(
かざりもの
)
に
成
(
な
)
る
鉢植
(
はちうゑ
)
の
面白
(
おもしろ
)
い
珍木
(
ちんぼく
)
は
出来
(
でき
)
るが、
155
家
(
いへ
)
の
柱
(
はしら
)
となる
良材
(
りやうざい
)
は
到底
(
たうてい
)
出来
(
でき
)
るものでない。
156
天才
(
てんさい
)
教育
(
けういく
)
を
閑却
(
かんきやく
)
し
無理
(
むり
)
無態
(
むたい
)
に
枝
(
えだ
)
を
伐
(
き
)
つたり
曲
(
ま
)
げたり、
157
細
(
ほそ
)
い
銅線
(
どうせん
)
で
縛
(
しば
)
り
付
(
つ
)
けたり、
158
突介棒
(
つつかいぼう
)
をかうたり、
159
葉
(
は
)
を
断
(
た
)
つたり、
160
捻
(
ひね
)
つたり、
161
四方
(
しはう
)
八方
(
はつぱう
)
へ
曲
(
ま
)
げまはして、
162
小
(
ちひ
)
さい
樹
(
き
)
を
拵
(
こしら
)
へて、
163
高価
(
かうか
)
に
売
(
う
)
り
付
(
つ
)
ける
植木商
(
うゑきしやう
)
と
同
(
おな
)
じ
教育
(
けういく
)
の
行
(
や
)
り
方
(
かた
)
であるから、
164
到底
(
たうてい
)
碌
(
ろく
)
な
人材
(
じんざい
)
は
産
(
うま
)
れ
出
(
い
)
づるものでない。
165
一
(
いち
)
日
(
にち
)
も
早
(
はや
)
くこの
爪
(
つめ
)
を
抜
(
ぬ
)
き
除
(
と
)
つて
了
(
しま
)
はねば、
166
帝国
(
ていこく
)
の
前途
(
ぜんと
)
は
実
(
じつ
)
に
風前
(
ふうぜん
)
の
灯火
(
ともしび
)
であります。
167
現代
(
げんだい
)
は
個人
(
こじん
)
有
(
あ
)
つて
国家
(
こくか
)
あるを
忘
(
わす
)
れ、
168
自党
(
じたう
)
ありて
他党
(
たたう
)
あるを
忘
(
わす
)
れて
居
(
ゐ
)
る。
169
他党
(
たたう
)
と
雖
(
いへど
)
も
亦
(
また
)
国家
(
こくか
)
社会
(
しやくわい
)
の
一部
(
いちぶ
)
で、
170
同
(
おな
)
じく
是
(
こ
)
れ
人間
(
にんげん
)
の
儔侶
(
ちうりよ
)
たるものであるが、
171
全
(
まつた
)
く
之
(
これ
)
を
知
(
し
)
らざるが
如
(
ごと
)
き
状況
(
じやうきやう
)
である。
172
故
(
ゆゑ
)
に
朋党
(
ほうたう
)
内
(
うち
)
に
相
(
あひ
)
鬩
(
せめ
)
ぎ、
173
外
(
そと
)
環境
(
くわんきやう
)
の
虎視
(
こし
)
耽々
(
たんたん
)
[
※
一般的には虎視「眈々」と書くが「耽々」でも意味は似ているのでこのままにしておく。
]
として
間隙
(
かんげき
)
に
乗
(
じやう
)
ぜむとするの
危
(
あやふ
)
きに
備
(
そな
)
ふるの
道
(
みち
)
を
知
(
し
)
らず、
174
実
(
じつ
)
に
国家
(
こくか
)
の
前途
(
ぜんと
)
を
憂
(
うれ
)
へざらむとするも
能
(
あた
)
はざる
次第
(
しだい
)
である。
175
アヽ
今
(
いま
)
の
時
(
とき
)
に
於
(
おい
)
て
大偉人
(
だいゐじん
)
の
出現
(
しゆつげん
)
し、
176
以
(
もつ
)
て
国家
(
こくか
)
国民
(
こくみん
)
の
惨状
(
さんじやう
)
を
救
(
すく
)
ふもの
無
(
な
)
くんば
帝国
(
ていこく
)
の
前途
(
ぜんと
)
は
実
(
じつ
)
に
暗澹
(
あんたん
)
たりと
謂
(
い
)
ふべきである。
177
世
(
よ
)
には
絶対
(
ぜつたい
)
の
平等
(
べうどう
)
も
無
(
な
)
ければ、
178
亦
(
また
)
絶対
(
ぜつたい
)
の
差別
(
さべつ
)
も
無
(
な
)
い、
179
平等
(
べうどう
)
の
中
(
うち
)
に
差別
(
さべつ
)
あり、
180
差別
(
さべつ
)
の
中
(
うち
)
に
平等
(
べうどう
)
があるのである。
181
蒼々
(
さうさう
)
として
高
(
たか
)
きは
天
(
てん
)
である。
182
茫々
(
ばうばう
)
として
広
(
ひろ
)
きは
地
(
ち
)
である。
183
斯
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
くにして
既
(
すで
)
に
上下
(
じやうげ
)
あり、
184
何人
(
なんびと
)
か
炭
(
すみ
)
を
白
(
しろ
)
しと
言
(
い
)
ひ
雪
(
ゆき
)
を
黒
(
くろ
)
しと
言
(
い
)
ふものがあらう
乎
(
か
)
。
185
政治家
(
せいぢか
)
も、
186
宗教家
(
しうけうか
)
も、
187
教育家
(
けういくか
)
も
此
(
この
)
時
(
とき
)
此
(
この
)
際
(
さい
)
、
188
差別
(
さべつ
)
的
(
てき
)
平等
(
べうどう
)
なる
天理
(
てんり
)
天則
(
てんそく
)
を
覚知
(
かくち
)
し、
189
以
(
もつ
)
て
天下
(
てんか
)
万民
(
ばんみん
)
の
為
(
ため
)
に、
190
汝
(
なんぢ
)
の
蓄
(
たくは
)
ふる
高慢
(
かうまん
)
なる
城壁
(
じやうへき
)
を
除
(
のぞ
)
き、
191
以
(
もつ
)
て
其
(
その
)
大切
(
たいせつ
)
に
思
(
おも
)
ふ
処
(
ところ
)
の
鬚
(
ひげ
)
を
切
(
き
)
れ。
192
其
(
そ
)
の
暴力
(
ばうりよく
)
に
用
(
もち
)
ゆる
手足
(
てあし
)
の
爪
(
つめ
)
を
抜
(
ぬ
)
き
去
(
さ
)
り、
193
以
(
もつ
)
て
不惜
(
ふしやく
)
身命
(
しんめい
)
、
194
天下
(
てんか
)
の
為
(
ため
)
に
意義
(
いぎ
)
ある
真
(
しん
)
の
生活
(
せいくわつ
)
に
入
(
い
)
れ。
195
斯
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
くにして
始
(
はじ
)
めて、
196
御国
(
みくに
)
を
永遠
(
ゑいゑん
)
に
保全
(
ほぜん
)
し、
197
祖先
(
そせん
)
の
遺風
(
ゐふう
)
を
顕彰
(
けんしやう
)
し、
198
以
(
もつ
)
て
神国
(
しんこく
)
神民
(
しんみん
)
の
天職
(
てんしよく
)
を
全
(
まつた
)
うする
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
るのである。
199
『
又
(
また
)
食物
(
おしもの
)
を
大気津
(
おほげつ
)
比売
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
に
乞
(
こ
)
ひたまひき』
200
食物
(
おしもの
)
の
言霊返
(
ことたまかへ
)
しは、
201
イ
である。
202
イ
は
命
(
いのち
)
であり、
203
出
(
い
)
づる
息
(
いき
)
である。
204
即
(
すなは
)
ち
生命
(
せいめい
)
の
元
(
もと
)
となるのが
食物
(
しよくもつ
)
である。
205
また
クイ
物
(
もの
)
の
クイ
は
キ
と
約
(
つま
)
る。
206
衣服
(
いふく
)
も
亦
(
また
)
、
207
キモノと
云
(
い
)
ふのである。
208
キ
は
生
(
き
)
なり、
209
草
(
くさ
)
也
(
なり
)
、
210
気
(
き
)
なりの
活用
(
くわつよう
)
あり。
211
故
(
ゆゑ
)
に
衣
(
い
)
と
食
(
しよく
)
とは、
212
生命
(
せいめい
)
を
保持
(
ほぢ
)
する
上
(
うへ
)
に
最
(
もつと
)
も
必要
(
ひつえう
)
なものである。
213
故
(
ゆゑ
)
に
人
(
ひと
)
は
オシ
物
(
もの
)
の
イ
と
クイ
物
(
もの
)
の
キ
とに
因
(
よ
)
つて、
214
イキ
て
居
(
を
)
るのである。
215
又
(
また
)
人
(
ひと
)
の
住居
(
すまゐ
)
を
イヘ
と
云
(
い
)
ふ。
216
イヘ
の
霊返
(
たまかへ
)
しは、
217
エ
となる。
218
エ
は
即
(
すなは
)
ち
餌
(
ゑ
)
であり、
219
胞
(
えな
)
である。
220
要
(
えう
)
するに、
221
衣食住
(
いしよくぢゆう
)
の
三種
(
さんしゆ
)
を
総称
(
そうしよう
)
して、
222
食物
(
おしもの
)
と
云
(
い
)
ひ、
223
エ
と
云
(
い
)
ひ
ケ
と
言
(
い
)
ふのであります。
224
大気津
(
おほげつ
)
姫
(
ひめ
)
といふ
言霊
(
ことたま
)
は、
225
要
(
えう
)
するに、
226
物質
(
ぶつしつ
)
文明
(
ぶんめい
)
の
極点
(
きよくてん
)
に
達
(
たつ
)
したる
為
(
ため
)
、
227
天下
(
てんか
)
挙
(
こぞ
)
つて
美衣
(
びい
)
美食
(
びしよく
)
し
大廈
(
たいか
)
高楼
(
かうろう
)
に
安臥
(
あんぐわ
)
して
所在
(
あらゆる
)
贅沢
(
ぜいたく
)
を
尽
(
つく
)
し、
228
体主
(
たいしゆ
)
霊従
(
れいじう
)
の
頂上
(
ちやうじやう
)
に
達
(
たつ
)
したる
事
(
こと
)
を、
229
大気津
(
おほげつ
)
姫
(
ひめ
)
と
云
(
い
)
ふのであります。
230
糧食
(
りやうしよく
)
[
※
「りやうしよく」の霊返しは「ケ」にはならない。RyousyokUで「ル」になる。校定版・八幡版では「糧食」の直後に括弧書きで「(かて)」という言葉を挿入しているが、KatEなら「ケ」になる。その次の「被衣(かぶと)」(「かづき」とも読む)の霊返しも「ケ」にはならず、KabutOなので「コ」である。「家居(かくれ)」はKakurEで「ケ」になる。
]
の
霊返
(
たまかへ
)
しは、
231
ケ
となり、
232
被衣
(
かぶと
)
の
霊返
(
たまかへ
)
しは
ケ
と
成
(
な
)
り、
233
家居
(
かくれ
)
の
霊返
(
たまかへ
)
しは
亦
(
また
)
ケ
となる。
234
故
(
ゆゑ
)
に
衣食住
(
いしよくぢゆう
)
の
大
(
おほい
)
に
発達
(
はつたつ
)
し、
235
且
(
か
)
つ
非常
(
ひじやう
)
なる
驕奢
(
けうしや
)
に、
236
世界中
(
せかいぢう
)
が
揃
(
そろ
)
うてなつて
来
(
き
)
たことを
大気津
(
おほげつ
)
姫
(
ひめ
)
と
云
(
い
)
ふのであります。
237
『
乞
(
こ
)
ひ
玉
(
たま
)
ひき』と
云
(
い
)
ふのは、
238
コ
は
細
(
こま
)
やかの
言霊
(
ことたま
)
、
239
ヒ
は
明
(
あきら
)
かの
言霊
(
ことたま
)
である。
240
要
(
えう
)
するに、
241
素盞嗚
(
すさのをの
)
尊
(
みこと
)
は
八百万
(
やほよろづ
)
の
神
(
かみ
)
に
対
(
たい
)
して、
242
正衣
(
せいい
)
正食
(
せいしよく
)
し、
243
清居
(
せいきよ
)
すべき
道
(
みち
)
を、
244
お
諭
(
さと
)
しになつたのを『
乞
(
こ
)
ひ
玉
(
たま
)
ひき』と、
245
言霊学
(
げんれいがく
)
上
(
じやう
)
謂
(
い
)
ふのであつて、
246
決
(
けつ
)
して
乞食
(
こじき
)
非人
(
ひにん
)
が
食物
(
しよくもつ
)
を
哀求
(
あいきう
)
する
様
(
やう
)
な
意味
(
いみ
)
では
無
(
な
)
いのであります。
247
『
爾
(
ここ
)
に
大気津
(
おほげつ
)
比売
(
ひめ
)
、
248
鼻
(
はな
)
、
249
口
(
くち
)
及
(
および
)
尻
(
しり
)
より、
250
種々
(
くさぐさ
)
の
味物
(
ためつもの
)
を
取出
(
とりい
)
で、
251
種々
(
くさぐさ
)
作
(
つく
)
り
具
(
そな
)
へて
進
(
たてまつ
)
る』
252
鼻
(
はな
)
と
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
は、
253
華
(
はな
)
やかなるの
意義
(
いぎ
)
であつて、
254
立派
(
りつぱ
)
な
高価
(
かうか
)
な
衣服
(
いふく
)
のことである。
255
口
(
くち
)
と
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
は
食餌
(
しよくじ
)
を
意味
(
いみ
)
する。
256
尻
(
しり
)
と
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
は、
257
尻
(
しり
)
を
落着
(
おちつ
)
けて
起臥
(
きぐわ
)
する、
258
家居
(
かきよ
)
を
意味
(
いみ
)
するのである。
259
『
種々
(
くさぐさ
)
の
味物
(
ためつもの
)
』とは、
260
色々
(
いろいろ
)
な
臭気
(
しうき
)
紛々
(
ふんぷん
)
たる
獣肉
(
じうにく
)
や
虫類
(
むしるゐ
)
の
事
(
こと
)
である。
261
亦
(
また
)
『
種々
(
くさぐさ
)
作
(
つく
)
り
具
(
そな
)
へて
進
(
たてまつ
)
る』と
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
は、
262
獣類
(
じうるゐ
)
の
毛皮
(
けがは
)
を
被
(
き
)
たり、
263
骨
(
ほね
)
を
櫛
(
くし
)
や
笄
(
かふがい
)
[
※
髪をとめるかんざしのこと
]
や、
264
其
(
その
)
他
(
た
)
の
道具
(
だうぐ
)
に
愛用
(
あいよう
)
したり、
265
鳥
(
とり
)
や
虫
(
むし
)
の
毛
(
け
)
や
皮
(
かは
)
で、
266
日用品
(
にちようひん
)
を
造
(
つく
)
つたり、
267
人間
(
にんげん
)
の
住居
(
すまゐ
)
する
家
(
いへ
)
の
中
(
なか
)
に
便所
(
べんじよ
)
を
造
(
つく
)
つたり、
268
天則
(
てんそく
)
を
破
(
やぶ
)
つて
人
(
ひと
)
の
住居
(
すまゐ
)
を
作
(
つく
)
るに
檜材
(
ひのきざい
)
を
用
(
もち
)
ゐたり、
269
屋根
(
やね
)
を
葺
(
ふ
)
くにも
檜皮
(
ひのきがは
)
で、
270
恰
(
あたか
)
も
神社
(
じんじや
)
の
如
(
よ
)
うに、
271
分
(
ぶん
)
に
過
(
す
)
ぎた
事
(
こと
)
を
為
(
な
)
したりする
事
(
こと
)
を、
272
種々
(
くさぐさ
)
作
(
つく
)
り
具
(
そな
)
へて
進
(
たてまつ
)
ると
云
(
い
)
ふのである。
273
奉
(
たてまつ
)
ると
云
(
い
)
ふのは、
274
下
(
した
)
から
上位
(
じやうゐ
)
の
方
(
はう
)
へ
上
(
たてまつ
)
ることであるが、
275
此
(
こ
)
の
御
(
ご
)
本文
(
ほんもん
)
の
進
(
たてまつ
)
ると
云
(
い
)
ふ
意味
(
いみ
)
は、
276
進歩
(
しんぽ
)
すると
云
(
い
)
ふことである。
277
要
(
えう
)
するに
物質
(
ぶつしつ
)
文明
(
ぶんめい
)
の
発達
(
はつたつ
)
進歩
(
しんぽ
)
せる
結果
(
けつくわ
)
、
278
国風
(
こくふう
)
に
合致
(
がつち
)
せざる、
279
衣食住
(
いしよくぢう
)
の
進歩
(
しんぽ
)
せる
悪風潮
(
あくふうてう
)
を
指
(
さ
)
して、
280
クサグサ
進
(
たてまつ
)
ると
云
(
い
)
ふのであります。
281
(
大正九・一・一六
講演筆録
谷村真友
)
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