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霊界物語
霊主体従(第1~12巻)
第11巻(戌の巻)
言霊反
凡例
信天翁(二)
総説歌
第1篇 長駆進撃
第1章 クス野ケ原
第2章 一目お化
第3章 死生観
第4章 梅の花
第5章 大風呂敷
第6章 奇の都
第7章 露の宿
第2篇 意気揚々
第8章 明志丸
第9章 虎猫
第10章 立聞
第11章 表教
第12章 松と梅
第13章 転腹
第14章 鏡丸
第3篇 言霊解
第15章 大気津姫の段(一)
第16章 大気津姫の段(二)
第17章 大気津姫の段(三)
第4篇 満目荒寥
第18章 琵琶の湖
第19章 汐干丸
第20章 醜の窟
第21章 俄改心
第22章 征矢の雨
第23章 保食神
第5篇 乾坤清明
第24章 顕国宮
第25章 巫の舞
第26章 橘の舞
第27章 太玉松
第28章 二夫婦
第29章 千秋楽
余白歌
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霊界物語
>
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>
第11巻(戌の巻)
> 第2篇 意気揚々 > 第11章 表教
<<< 立聞
(B)
(N)
松と梅 >>>
第一一章
表教
(
おもてけう
)
〔四七八〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第11巻 霊主体従 戌の巻
篇:
第2篇 意気揚々
よみ(新仮名遣い):
いきようよう
章:
第11章 表教
よみ(新仮名遣い):
おもてきょう
通し章番号:
478
口述日:
1922(大正11)年03月01日(旧02月03日)
口述場所:
筆録者:
北村隆光
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1922(大正11)年9月10日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
扉を開けて館から出てきた孔雀姫は、満面に笑みをたたえて一同を招きいれた。男たちは孔雀姫の美しさに見とれているが、梅ケ香姫はなにやら合点した様子で、泰然とニコニコ笑っている。
館の中からは、女の涼しい声で、ウラル教の宣伝歌が聞こえてきた。勝公、八公、鴨公はウラル教の仲間と勘違いして、にわかに元気付いている。一行はどんどん屋敷の奥へと入っていった。
奥の間にいる孔雀姫に、勝公は、あなたはウラル教でしょう、と問いかけるが、孔雀姫は、自分はオモテ教だ、と答える。勝公はにわかに、それなら心機一転オモテ教に改心する、と宣言する。
時公は、なんとなく孔雀姫が梅ケ香姫に似ていることに気づいた。梅ケ香姫はなにやら孔雀姫と相通じているようなので、みな孔雀姫は三五教ではないかと気づき始めた。
梅ケ香姫はすっくと立って宣伝歌を歌い始めた。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
rm1111
愛善世界社版:
104頁
八幡書店版:
第2輯 550頁
修補版:
校定版:
104頁
普及版:
44頁
初版:
ページ備考:
001
門
(
もん
)
の
戸
(
と
)
、
002
細目
(
ほそめ
)
に
開
(
ひら
)
いて
一寸
(
ちよつと
)
覗
(
のぞ
)
いた
美人
(
びじん
)
は、
003
満面
(
まんめん
)
笑
(
ゑみ
)
を
湛
(
たた
)
へ
白
(
しろ
)
き
優
(
やさ
)
しき
手
(
て
)
を
伸
(
の
)
べて、
004
一同
(
いちどう
)
に
向
(
むか
)
ひ
手招
(
てまね
)
きをし
乍
(
なが
)
ら
早
(
はや
)
くも
門内
(
もんない
)
に
姿
(
すがた
)
を
隠
(
かく
)
したりける。
005
時公
(
ときこう
)
『ヤア
孔雀姫
(
くじやくひめ
)
とか
聞
(
き
)
くからには、
006
別嬪
(
べつぴん
)
だらうとは
思
(
おも
)
つて
居
(
ゐ
)
たが、
007
思
(
おも
)
つたよりも
幾層倍
(
いくそうばい
)
の
別嬪
(
べつぴん
)
だ。
008
一瞥
(
いちべつ
)
克
(
よ
)
く
天地
(
てんち
)
を
覆
(
くつが
)
へすと
言
(
い
)
ふ
絶世
(
ぜつせい
)
の
美人
(
びじん
)
だ。
009
大抵
(
たいてい
)
の
者
(
もの
)
はあの
目
(
め
)
で
一寸
(
ちよつと
)
視
(
み
)
られたが
最後
(
さいご
)
、
010
腰
(
こし
)
も
何
(
なに
)
も
フニヤ
フニヤになつて
仕舞
(
しま
)
ふだらう。
011
俺
(
おれ
)
も
如何
(
どう
)
やら
腰
(
こし
)
の
具合
(
ぐあひ
)
が
変
(
へん
)
になつて
来
(
き
)
たぞ』
012
梅ケ香姫
(
うめがかひめ
)
は
何
(
なに
)
か
確信
(
かくしん
)
あるものの
如
(
ごと
)
く
泰然
(
たいぜん
)
としてニコニコと
笑
(
わら
)
ふ。
013
勝公
(
かつこう
)
『ヤア
梅ケ香姫
(
うめがかひめ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
も
綺麗
(
きれい
)
と
思
(
おも
)
つたが、
014
貴方
(
あなた
)
のニコニコより
弥
(
いや
)
勝
(
まさ
)
るニコニコだ。
015
一寸
(
ちよつと
)
こちらを
向
(
む
)
いてニタニタと
笑
(
わら
)
つた
時
(
とき
)
は、
016
こちらもシタシタと
思
(
おも
)
つたよ。
017
舌々
(
したした
)
八
(
やつ
)
タ
舌々
(
したした
)
八
(
やつ
)
タだ』
018
鴨公
(
かもこう
)
『コレ
時
(
とき
)
さま、
019
お
前
(
まへ
)
も
腰
(
こし
)
が
変
(
へん
)
になつたか、
020
俺
(
わし
)
も
変
(
へん
)
だ』
021
時公
(
ときこう
)
『
貴様
(
きさま
)
の
腰
(
こし
)
は
抜
(
ぬ
)
けたのだ、
022
生憎
(
あひにく
)
鯡
(
にしん
)
も
無
(
な
)
し、
023
困
(
こま
)
つた
事
(
こと
)
だ』
024
八公
(
やつこう
)
『
丸
(
まる
)
で
人
(
ひと
)
を
猫
(
ねこ
)
みた
様
(
やう
)
に
云
(
い
)
ひやがる、
025
二進
(
につち
)
も
三進
(
さつち
)
も、
026
斯
(
こ
)
う
腰
(
こし
)
が
抜
(
ぬ
)
けては
動
(
うご
)
けたものぢやない』
027
時公
(
ときこう
)
『
俺
(
おれ
)
たちは
悠然
(
ゆつくり
)
と
孔雀姫
(
くじやくひめ
)
に
御
(
ご
)
対面
(
たいめん
)
遊
(
あそ
)
ばして
結構
(
けつこう
)
な
御
(
お
)
待遇
(
もてなし
)
に
会
(
あ
)
うて
来
(
く
)
るから、
028
まあ
悠然
(
ゆつくり
)
腰
(
こし
)
でも
下
(
おろ
)
し、
029
ドツコイ
抜
(
ぬ
)
かして
其処
(
そこら
)
中
(
ぢう
)
の
雪
(
ゆき
)
を
孔雀姫
(
くじやくひめ
)
の
白
(
しろ
)
き
顔
(
かほ
)
と
思
(
おも
)
つて
見
(
み
)
てゐるが
良
(
よ
)
いワイ。
030
サアサ、
031
梅ケ香姫
(
うめがかひめ
)
さま、
032
お
這入
(
はい
)
りなさいませ、
033
お
見掛
(
みかけ
)
通
(
どほ
)
りの
茅屋
(
あばらや
)
で
御座
(
ござ
)
いまするが、
034
これが
妾
(
わらは
)
の
住家
(
すみか
)
、
035
お
心
(
こころ
)
おき
無
(
な
)
う、
036
ゆるゆる
御
(
ご
)
逗留
(
とうりう
)
なして
下
(
くだ
)
さいませ』
037
勝公
(
かつこう
)
『オイ
時
(
とき
)
さま、
038
何
(
なに
)
を
言
(
い
)
ふのだ、
039
見
(
み
)
つともない、
040
腰
(
こし
)
をペコペコさして
大
(
おほ
)
きな
口
(
くち
)
を
オチヨボ
口
(
ぐち
)
にしたつて
振
(
ふる
)
ひ
付
(
つ
)
きはせぬぞ』
041
時公
(
ときこう
)
『マア
八釜
(
やかま
)
しう
言
(
い
)
ふない。
042
孔雀姫
(
くじやくひめ
)
さまの
代
(
かは
)
りを
勤
(
つと
)
めてるのだ』
043
此
(
この
)
時
(
とき
)
、
044
館
(
やかた
)
の
中
(
なか
)
より、
045
飲
(
の
)
めよ
騒
(
さわ
)
げよ
一寸先
(
いつすんさき
)
や
暗
(
やみ
)
よ
046
闇
(
やみ
)
の
後
(
あと
)
には
月
(
つき
)
が
出
(
で
)
る
047
と
言
(
い
)
ふ
女
(
をんな
)
の
清
(
すず
)
しい
声
(
こゑ
)
が
響
(
ひび
)
いて
来
(
き
)
た。
048
勝公
(
かつこう
)
『ヤア、
049
此奴
(
こいつ
)
は
豪気
(
がうき
)
だ、
050
矢張
(
やつぱ
)
りウラル
教
(
けう
)
だ、
051
斯
(
か
)
うなつて
来
(
く
)
ると
三五教
(
あななひけう
)
も
余
(
あんま
)
り
幅
(
はば
)
が
利
(
き
)
かぬ。
052
オイオイ
八公
(
やつこう
)
、
053
鴨公
(
かもこう
)
、
054
安心
(
あんしん
)
せい、
055
此処
(
ここ
)
はウラル
教
(
けう
)
だぞ、
056
貴様
(
きさま
)
たちの
幅
(
はば
)
が
利
(
き
)
く
処
(
ところ
)
だ。
057
ハイ
梅ケ香
(
うめがか
)
さま、
058
お
生憎
(
あひにく
)
様
(
さま
)
、
059
三五教
(
あななひけう
)
でなくて、
060
怨
(
うら
)
めしいウラル
教
(
けう
)
、
061
ヘン、
062
済
(
す
)
みませぬな、
063
貴方
(
あなた
)
は
門
(
もん
)
の
外
(
そと
)
に
立
(
た
)
つて
居
(
ゐ
)
なさい。
064
サアサ、
065
八
(
やつ
)
、
066
鴨
(
かも
)
、
067
心配
(
しんぱい
)
いらぬ、
068
出
(
で
)
て
来
(
こ
)
い
出
(
で
)
て
来
(
こ
)
い』
069
八
(
やつ
)
、
070
鴨
(
かも
)
は
此
(
この
)
声
(
こゑ
)
に
力
(
ちから
)
を
得
(
え
)
て
抜
(
ぬ
)
かした
腰
(
こし
)
を
立
(
た
)
て
直
(
なほ
)
し、
071
八
(
やつ
)
、
072
鴨
(
かも
)
『
何
(
なに
)
、
073
ウラル
教
(
けう
)
か、
074
そいつは
面白
(
おもしろ
)
い』
075
と
肩臂
(
かたひぢ
)
を
怒
(
いか
)
らして
門内
(
もんない
)
に
進
(
すす
)
み
入
(
い
)
る。
076
時公
(
ときこう
)
『アハヽヽヽヽ
現金
(
げんきん
)
な
奴
(
やつ
)
だ。
077
これだから
貴様
(
きさま
)
の
改心
(
かいしん
)
も
当
(
あた
)
にならぬと
言
(
い
)
ふのだ』
078
勝公
(
かつこう
)
『
叶
(
かな
)
はん
時
(
とき
)
の
神頼
(
かみだの
)
みだ』
079
と
言
(
い
)
ひ
乍
(
なが
)
ら
勢
(
いきほひ
)
よく
表戸
(
おもてど
)
を
開
(
あ
)
けて、
080
勝公
(
かつこう
)
『ヘイ、
081
御免
(
ごめん
)
なせい、
082
私
(
わたくし
)
は
北野
(
きたの
)
の
村
(
むら
)
の
勝公
(
かつこう
)
と
言
(
い
)
ふウラル
教
(
けう
)
の
目付役
(
めつけやく
)
でげす。
083
今
(
いま
)
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
を
生捕
(
いけど
)
つて
来
(
き
)
ました、
084
ちよつくら
一寸
(
ちよつと
)
、
085
手剛
(
てごは
)
い
奴
(
やつ
)
だから
応援
(
おうゑん
)
をお
頼
(
たの
)
みします。
086
折角
(
せつかく
)
の
玉
(
たま
)
を
取
(
と
)
り
外
(
はづ
)
したら、
087
お
たまり
零
(
こぼ
)
しがありませぬから』
088
梅ケ香姫
(
うめがかひめ
)
『ホヽヽヽヽ
勝
(
かつ
)
さま、
089
心配
(
しんぱい
)
して
下
(
くだ
)
さるな。
090
逃
(
に
)
げも
隠
(
かく
)
れも
致
(
いた
)
しませぬ。
091
妾
(
わたし
)
の
言霊
(
ことたま
)
で
美事
(
みごと
)
帰順
(
きじゆん
)
させて
見
(
み
)
せませう』
092
勝公
(
かつこう
)
『ヘン、
093
仰有
(
おつしや
)
るワイ』
094
と
言
(
い
)
ひ
乍
(
なが
)
らドシドシと
我
(
わが
)
家
(
いへ
)
へ
帰
(
かへ
)
つた
様
(
やう
)
な
心持
(
こころもち
)
で
奥
(
おく
)
に
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く。
095
一同
(
いちどう
)
は
勝公
(
かつこう
)
の
後
(
あと
)
に
跟
(
つ
)
いて
行
(
ゆ
)
く。
096
余
(
あま
)
り
広
(
ひろ
)
き
家
(
いへ
)
ではないが、
097
小
(
こ
)
ザツパリ
とした
座敷
(
ざしき
)
がある。
098
其処
(
そこ
)
に
当
(
たう
)
の
主人公
(
しゆじんこう
)
たる
孔雀姫
(
くじやくひめ
)
は
一絃琴
(
いちげんきん
)
を
前
(
まへ
)
に
置
(
お
)
いて
坐
(
すわ
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
099
梅ケ香姫
(
うめがかひめ
)
は
一目
(
ひとめ
)
見
(
み
)
るなり、
100
梅ケ香姫
(
うめがかひめ
)
『ヤア、
101
貴方
(
あなた
)
は、
102
ま………』
103
と
言
(
い
)
ひかけて
俄
(
にはか
)
に
口
(
くち
)
を
袖
(
そで
)
に
包
(
つつ
)
んだ。
104
勝公
(
かつこう
)
『これこれ、
105
梅ケ香
(
うめがか
)
さま、
106
ウラル
教
(
けう
)
の
孔雀姫
(
くじやくひめ
)
さまに「
貴女
(
あなた
)
はまア」だとは
何
(
なん
)
と
言
(
い
)
ふ
失礼
(
しつれい
)
な
事
(
こと
)
を
仰
(
おつ
)
しやる。
107
魔
(
ま
)
でも
何
(
なん
)
でもない、
108
結構
(
けつこう
)
な
神
(
かみ
)
さまだ』
109
時公
(
ときこう
)
『ヤア、
110
一寸
(
ちよつと
)
孔雀姫
(
くじやくひめ
)
さまとやらにお
尋
(
たづ
)
ねしますが、
111
路傍
(
ろばう
)
伝
(
つた
)
ふる
所
(
ところ
)
に
依
(
よ
)
れば、
112
貴女
(
あなた
)
は
此処
(
ここ
)
を
往来
(
わうらい
)
する
人間
(
にんげん
)
を
誰
(
たれ
)
も
彼
(
かれ
)
も
皆
(
みな
)
、
113
喰
(
く
)
つて
仕舞
(
しま
)
うと
言
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
だが
真実
(
ほんたう
)
に
喰
(
く
)
ふのですか』
114
孔雀姫
(
くじやくひめ
)
『ハイ
妾
(
わらは
)
は
往来
(
ゆきき
)
の
人
(
ひと
)
を
老若
(
らうにやく
)
男女
(
なんによ
)
の
区別
(
くべつ
)
なく
噛
(
か
)
んで
呑
(
の
)
む
様
(
やう
)
に
言
(
い
)
ふ
て
上
(
あ
)
げて………』
115
八公
(
やつこう
)
『エ、
116
何
(
なん
)
と、
117
噛
(
か
)
んで
呑
(
の
)
む、
118
湯
(
ゆ
)
であげて
丸
(
まる
)
で
章魚
(
たこ
)
を
茹
(
ゆ
)
でる
様
(
やう
)
にするのですな。
119
熱
(
あつ
)
い
湯
(
ゆ
)
の
中
(
なか
)
に
入
(
い
)
れて
茹
(
ゆ
)
でられて、
120
丸
(
まる
)
で
コロモ
揚
(
あ
)
げにしられて、
121
噛
(
か
)
んで
呑
(
の
)
む
様
(
やう
)
にするのだなぞと、
122
丸
(
まる
)
でウラル
彦
(
ひこ
)
の
守護神
(
しゆごじん
)
八岐
(
やまた
)
の
大蛇
(
をろち
)
の
御
(
ご
)
化身
(
けしん
)
ですか』
123
孔雀姫
(
くじやくひめ
)
『ホヽヽヽヽ』
124
勝公
(
かつこう
)
『
貴女
(
あなた
)
はウラル
教
(
けう
)
でせう。
125
私
(
わたくし
)
はウラル
教
(
けう
)
の
目付役
(
めつけやく
)
、
126
斯
(
か
)
う
云
(
い
)
ふ
ケチ
な
野郎
(
やらう
)
でげすが、
127
お
見知
(
みし
)
り
置
(
お
)
き
下
(
くだ
)
さつて
何卒
(
どうぞ
)
、
128
可愛
(
かあい
)
がつて
使
(
つか
)
つてやつて
下
(
くだ
)
さいませ』
129
孔雀姫
(
くじやくひめ
)
『
妾
(
わらは
)
はウラル
教
(
けう
)
では
御座
(
ござ
)
いませぬ』
130
勝公
(
かつこう
)
『エ、
131
何
(
なん
)
と、
132
ウラル
教
(
けう
)
でないと、
133
そんなら
何教
(
なにけう
)
で
御座
(
ござ
)
いますか』
134
孔雀姫
(
くじやくひめ
)
『オモテ
教
(
けう
)
です』
135
勝公
(
かつこう
)
『ハアハ、
136
畳
(
たたみ
)
の
様
(
やう
)
な
名
(
な
)
ですな、
137
畳
(
たたみ
)
が
破
(
やぶ
)
れて
仕替
(
しか
)
へ
度
(
た
)
いと
始終
(
しじう
)
オモテゐる、
138
私
(
わたくし
)
も
魂
(
たましひ
)
が
何
(
なん
)
だか
変
(
へん
)
になつたから
仕替
(
しか
)
へて
貰
(
もら
)
ひ
度
(
た
)
いとオモテゐる、
139
さうするとウラル
教
(
けう
)
とは
如何
(
どん
)
な
関係
(
くわんけい
)
があるのですか』
140
孔雀姫
(
くじやくひめ
)
『ウラ、
141
オモテです、
142
畢竟
(
つまり
)
反対
(
はんたい
)
の
教
(
をしへ
)
です。
143
ウラル
教
(
けう
)
のお
方
(
かた
)
が
見
(
み
)
えたら
片
(
かた
)
つ
端
(
ぱし
)
から
噛
(
か
)
んで
哺
(
くく
)
めて……』
144
勝公
(
かつこう
)
『もしもし
私
(
わたくし
)
もオモテ
教
(
けう
)
になりまする、
145
今
(
いま
)
までウラル
教
(
けう
)
は、
146
面白
(
おもしろ
)
く
無
(
な
)
いと
思
(
おも
)
つて
居
(
ゐ
)
た
処
(
ところ
)
』
147
時公
(
ときこう
)
『ハヽヽヽヽ
現金
(
げんきん
)
な
奴
(
やつ
)
だな』
148
勝公
(
かつこう
)
『
心機
(
しんき
)
一転
(
いつてん
)
だ、
149
刹那心
(
せつなしん
)
だ、
150
こんな
切
(
せつ
)
ない
思
(
おも
)
ひをした
事
(
こと
)
はないわ。
151
案
(
あん
)
に
相違
(
さうゐ
)
の
裏
(
うら
)
、
152
表
(
おもて
)
、
153
根
(
ね
)
つから
葉
(
は
)
つから
訳
(
わけ
)
が
分
(
わか
)
らぬ
様
(
やう
)
になつて
仕舞
(
しま
)
つた』
154
時公
(
ときこう
)
『モシモシ
梅ケ香
(
うめがか
)
さま、
155
貴女
(
あなた
)
は
何処
(
どこ
)
ともなしに
此処
(
ここ
)
の
御
(
ご
)
主人
(
しゆじん
)
に
能
(
よ
)
く
似
(
に
)
てゐらつしやる
様
(
やう
)
だ。
156
貴女
(
あなた
)
もクス
野ケ原
(
のがはら
)
で
一寸
(
ちよつと
)
化
(
ば
)
け
損
(
そこ
)
なつた
様
(
やう
)
だが、
157
あの
魔
(
ま
)
とは
違
(
ちが
)
ひますかな』
158
梅ケ香姫
(
うめがかひめ
)
『マアマア
宜
(
よろ
)
しい』
159
時公
(
ときこう
)
『「マアマア
宜
(
よろ
)
しい」なんて
魔
(
ま
)
は
悪
(
わる
)
いにきまつたもんだ、
160
アタ
魔
(
ま
)
の
悪
(
わる
)
い、
161
斯
(
こ
)
んな
処
(
ところ
)
にマゴマゴとして
居
(
を
)
つたら
如何
(
どん
)
な
目
(
め
)
に
遭
(
あ
)
ふやら
知
(
し
)
れやしない』
162
梅ケ香姫
(
うめがかひめ
)
『
世界
(
せかい
)
に
鬼
(
おに
)
はありませぬ。
163
先
(
ま
)
づ
先
(
ま
)
づ
気
(
き
)
を
落
(
お
)
ちつけなさい』
164
時公
(
ときこう
)
『
梅ケ香
(
うめがか
)
さまは
何
(
なん
)
だか
妙
(
めう
)
な
目遣
(
めづか
)
ひをして、
165
此処
(
ここ
)
の
魔神
(
ましん
)
さまと
以心
(
いしん
)
伝心
(
でんしん
)
とか
言
(
い
)
ふ
様
(
やう
)
な
事
(
こと
)
をやつて
居
(
ゐ
)
ましたな』
166
梅ケ香姫
(
うめがかひめ
)
『ホヽヽヽヽ』
167
勝公
(
かつこう
)
『こいつは
変
(
へん
)
だ、
168
オイ
八公
(
やつこう
)
、
169
鴨公
(
かもこう
)
、
170
此奴
(
こいつ
)
は
三五教
(
あななひけう
)
の
やつかも
知
(
し
)
れんぞ』
171
八
(
やつ
)
、
172
鴨
(
かも
)
『
八
(
やつ
)
も
鴨
(
かも
)
も
三五教
(
あななひけう
)
と
違
(
ちが
)
ふワイ、
173
オモテ
教
(
けう
)
だ』
174
時公
(
ときこう
)
『
貴様
(
きさま
)
、
175
俄
(
にはか
)
に
掌
(
てのひら
)
を
覆
(
かへ
)
してオモテ
教
(
けう
)
だなんて
寝返
(
ねがへ
)
りを
打
(
う
)
つた
処
(
ところ
)
で
大持
(
おほも
)
て
に
もてる
気
(
き
)
づかひは
無
(
な
)
いぞ』
176
八公
(
やつこう
)
『
神
(
かみ
)
が
表
(
おもて
)
に
現
(
あら
)
はれて
善
(
ぜん
)
と
悪
(
あく
)
とを
立別
(
たてわけ
)
ると
言
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
があるぢやないか、
177
これは
ヒヨツト
したら
三五教
(
あななひけう
)
の
一派
(
いつぱ
)
かも
知
(
し
)
れぬぞ』
178
梅ケ香姫
(
うめがかひめ
)
は
スツク
と
立
(
た
)
つて
宣伝歌
(
せんでんか
)
を
歌
(
うた
)
ひ
始
(
はじ
)
めた。
179
(
大正一一・三・一
旧二・三
北村隆光
録)
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