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霊界物語
霊主体従(第1~12巻)
第11巻(戌の巻)
言霊反
凡例
信天翁(二)
総説歌
第1篇 長駆進撃
第1章 クス野ケ原
第2章 一目お化
第3章 死生観
第4章 梅の花
第5章 大風呂敷
第6章 奇の都
第7章 露の宿
第2篇 意気揚々
第8章 明志丸
第9章 虎猫
第10章 立聞
第11章 表教
第12章 松と梅
第13章 転腹
第14章 鏡丸
第3篇 言霊解
第15章 大気津姫の段(一)
第16章 大気津姫の段(二)
第17章 大気津姫の段(三)
第4篇 満目荒寥
第18章 琵琶の湖
第19章 汐干丸
第20章 醜の窟
第21章 俄改心
第22章 征矢の雨
第23章 保食神
第5篇 乾坤清明
第24章 顕国宮
第25章 巫の舞
第26章 橘の舞
第27章 太玉松
第28章 二夫婦
第29章 千秋楽
余白歌
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霊界物語
>
霊主体従(第1~12巻)
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第11巻(戌の巻)
> 第1篇 長駆進撃 > 第3章 死生観
<<< 一目お化
(B)
(N)
梅の花 >>>
第三章
死生観
(
しせいくわん
)
〔四七〇〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第11巻 霊主体従 戌の巻
篇:
第1篇 長駆進撃
よみ(新仮名遣い):
ちょうくしんげき
章:
第3章 死生観
よみ(新仮名遣い):
しせいかん
通し章番号:
470
口述日:
1922(大正11)年02月28日(旧02月02日)
口述場所:
筆録者:
岩田久太郎
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1922(大正11)年9月10日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
この吉兆に、時公も東彦(本当は高彦)を疑う心はやや晴れ、宣伝使の話を聞かせて欲しいと願い出た。
東彦は、人間とは神様の水火(いき)から生まれたもので、神の御子たるはたらきをするために、肉体に入って生まれてきたのだ、と説いた。
時公は、何千万年も前から自分が生き通しであるとは信じられない、と返すが、東彦は、それは一日も長く現世に留まって、つらい現世の勤めを果たすために、死を恐れる精神を与えられてあるからだ、と答えた。
さらに東彦は、人間と生まれた本分を尽くし、神様のために御用を勤めて、霊界から天使のお迎えがあるまでは、何ほど自分が死にたいと思っても、神様がお許しにならなければ死ぬことはできない、と説いた。
時公は、子供のときは何もわからないのはどうしてでしょう、と質問した。東彦は答えて、子供は身体がまだ弱いので、霊魂が肉体に全部移って働くのは、一人前の体になってからだからだ、と答えた。
続けて、しかし現世で悪事ばかりをなした人間は、結構な霊界に帰ることができず、根の国底の国に落ちてしまうのだ、と注意を促した。
暗くなってきたので、二人はその場で野宿することになった。東彦は、人間の霊魂は生き通しであり、この世に肉体を持って何度も生まれ変わってくるのは、神様の御用を現世で行うためである、という宣伝歌を歌った。
時公は続けて、人間の霊魂が生き通しであることを聞いた喜びを、滑稽な宣伝歌に歌った。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2020-08-11 19:10:01
OBC :
rm1103
愛善世界社版:
26頁
八幡書店版:
第2輯 523頁
修補版:
校定版:
26頁
普及版:
10頁
初版:
ページ備考:
派生
[?]
この文献を底本として書かれたと思われる文献です。
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:
出口王仁三郎著作集 > 第三巻 愛と美といのち > [2] 人生 > [2-1] 永遠のいのち > [2-1-3] 死生観
001
冴
(
さ
)
え
渡
(
わた
)
る
音楽
(
おんがく
)
の
声
(
こゑ
)
、
002
馥郁
(
ふくいく
)
たる
花
(
はな
)
の
香
(
かを
)
りに
包
(
つつ
)
まれて、
003
忽
(
たちま
)
ち
時公
(
ときこう
)
は
精神
(
せいしん
)
恍惚
(
くわうこつ
)
とし、
004
天
(
てん
)
を
仰
(
あふ
)
いで
声
(
こゑ
)
する
方
(
はう
)
を
眺
(
なが
)
めてゐる。
005
梅
(
うめ
)
か
桜
(
さくら
)
か
桃
(
もも
)
の
花
(
はな
)
か、
006
翩翻
(
へんぽん
)
として
麗
(
うるは
)
しき
花瓣
(
はなびら
)
は
雪
(
ゆき
)
の
如
(
ごと
)
くに
降
(
ふ
)
つて
来
(
く
)
る。
007
香
(
か
)
はますます
馨
(
かんば
)
しく、
008
音楽
(
おんがく
)
はいよいよ
冴
(
さ
)
え、
009
神
(
しん
)
に
入
(
い
)
り
妙
(
めう
)
に
徹
(
てつ
)
する
斗
(
ばか
)
りなり。
010
東彦
(
あづまひこ
)
(本当は高彦)
『オー、
011
時
(
とき
)
さま、
012
目
(
め
)
の
帳
(
とばり
)
は
上
(
あが
)
つただらう、
013
耳
(
みみ
)
の
蓋
(
ふた
)
は
取
(
と
)
れたであらう。
014
鼻
(
はな
)
も
活返
(
いきかへ
)
つたであらう』
015
時公
『ヤアー、
016
豁然
(
かつぜん
)
として
蓮
(
はちす
)
の
花
(
はな
)
の
一度
(
いちど
)
にパツと
開
(
ひら
)
いたごとき
心持
(
こころもち
)
になりました』
017
東彦(本当は高彦)
『
是
(
これ
)
でも
私
(
わし
)
を
化物
(
ばけもの
)
と
思
(
おも
)
ふか』
018
時公
『
化物
(
ばけもの
)
は
化物
(
ばけもの
)
だが、
019
一寸
(
ちよつと
)
良
(
よ
)
い
方
(
はう
)
の
化物
(
ばけもの
)
ですなア。
020
是
(
これ
)
丈
(
だけ
)
では
時公
(
ときこう
)
もトント
合点
(
がつてん
)
が
行
(
ゆ
)
きませぬが、
021
最前
(
さいぜん
)
貴方
(
あなた
)
のおつしやつた、
022
私
(
わたくし
)
の
何万
(
なんまん
)
年
(
ねん
)
とやら
前
(
まへ
)
に
生
(
いき
)
て
居
(
を
)
つたとか
云
(
い
)
ふ、
023
その
訳
(
わけ
)
を
聞
(
き
)
かして
下
(
くだ
)
さい』
024
東彦
(
あづまひこ
)
(本当は高彦)
『
今度
(
こんど
)
は
真面目
(
まじめ
)
に
聞
(
き
)
きなさい。
025
人間
(
にんげん
)
と
云
(
い
)
ふものは、
026
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
水火
(
いき
)
から
生
(
うま
)
れたものだ。
027
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
は
万劫
(
まんがふ
)
末代
(
まつだい
)
生通
(
いきとほ
)
しだ。
028
その
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
分霊
(
わけみたま
)
が
人間
(
にんげん
)
となるのだ。
029
さうして、
030
肉体
(
にくたい
)
は
人間
(
にんげん
)
の
容
(
い
)
れ
物
(
もの
)
だ。
031
この
肉体
(
にくたい
)
は
神
(
かみ
)
の
宮
(
みや
)
であつて、
032
人間
(
にんげん
)
ではないのだ。
033
人間
(
にんげん
)
はこの
肉体
(
にくたい
)
を
使
(
つか
)
つて、
034
神
(
かみ
)
の
御子
(
みこ
)
たる
働
(
はたら
)
きをせなくてはならぬ。
035
肉体
(
にくたい
)
には
栄枯
(
えいこ
)
盛衰
(
せいすい
)
があつて、
036
何時
(
いつ
)
迄
(
まで
)
も
花
(
はな
)
の
盛
(
さか
)
りで
居
(
を
)
ることは
出来
(
でき
)
ぬ。
037
されどもその
本体
(
ほんたい
)
は
生替
(
いきかは
)
り
死替
(
しにかは
)
り、
038
つまり
肉体
(
にくたい
)
を
新
(
あたら
)
しうして、
039
それに
這入
(
はい
)
り、
040
古
(
ふる
)
くなつて
用
(
よう
)
に
立
(
た
)
たなくなれば、
041
また
出直
(
でなほ
)
して
新
(
あたら
)
しい
身体
(
しんたい
)
に
宿
(
やど
)
つて
来
(
く
)
るのだ。
042
人間
(
にんげん
)
が
死
(
し
)
ぬといふことは、
043
別
(
べつ
)
に
憂
(
うれ
)
ふべき
事
(
こと
)
でも
何
(
なん
)
でもない。
044
ただ
墓場
(
はかば
)
を
越
(
こ
)
えて、
045
もう
一
(
ひと
)
つ
向
(
むか
)
ふの
新
(
あたら
)
しい
肉体
(
にくたい
)
へ
入
(
い
)
れ
替
(
かは
)
ると
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
だ。
046
元来
(
ぐわんらい
)
神
(
かみ
)
には
生死
(
せいし
)
の
区別
(
くべつ
)
がない、
047
その
分霊
(
わけみたま
)
を
享
(
う
)
けた
人間
(
にんげん
)
もまた
同様
(
どうやう
)
である。
048
死
(
し
)
すると
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
を、
049
今
(
いま
)
の
人間
(
にんげん
)
は
非常
(
ひじやう
)
に
厭
(
いや
)
な
事
(
こと
)
のやうに
思
(
おも
)
ふが、
050
人間
(
にんげん
)
の
本体
(
ほんたい
)
としては
何
(
なん
)
ともない
事
(
こと
)
だ』
051
時公
(
ときこう
)
『さうすれば、
052
私
(
わたくし
)
は
何万年
(
なんまんねん
)
前
(
ぜん
)
から
生
(
いき
)
て
居
(
を
)
つたと
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
が、
053
自分
(
じぶん
)
に
分
(
わか
)
りさうなものだのにチツとも
分
(
わか
)
りませぬ。
054
貴方
(
あなた
)
のおつしやる
通
(
とほ
)
りなら、
055
前
(
さき
)
の
世
(
よ
)
には
何
(
なん
)
と
云
(
い
)
ふ
者
(
もの
)
に
生
(
うま
)
れ、
056
何処
(
どこ
)
にどうして
居
(
を
)
つて、
057
どういう
手続
(
てつづ
)
きで
生
(
うま
)
れて
来
(
き
)
たと
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
を
覚
(
おぼ
)
えて
居
(
を
)
りさうなものです。
058
さうしてそんな
結構
(
けつこう
)
な
事
(
こと
)
なれば、
059
なぜ
今
(
いま
)
はの
際
(
きは
)
まで、
060
死
(
し
)
ぬと
云
(
い
)
ふことが
厭
(
いや
)
なやうな
気
(
き
)
がするのでせうか』
061
東彦
(
あづまひこ
)
(本当は高彦)
『そこが
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
有難
(
ありがた
)
いところだ。
062
お
前
(
まへ
)
が
前
(
さき
)
の
世
(
よ
)
では、
063
かう
云
(
い
)
う
事
(
こと
)
をして
来
(
き
)
た、
064
霊界
(
れいかい
)
でこンな
結構
(
けつこう
)
なことがあつたと
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
を
記憶
(
きおく
)
して
居
(
を
)
らうものなら、
065
アヽアヽ、
066
こんな
辛
(
つら
)
い
戦
(
たたか
)
ひの
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
に
居
(
ゐ
)
るよりも、
067
元
(
もと
)
の
霊界
(
れいかい
)
へ
早
(
はや
)
く
帰
(
かへ
)
りたい、
068
死
(
し
)
んだがましだと
云
(
い
)
ふ
気
(
き
)
になつて、
069
人生
(
じんせい
)
の
本分
(
ほんぶん
)
を
尽
(
つく
)
す
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
ない。
070
総
(
すべ
)
て
人間
(
にんげん
)
が
此
(
この
)
世
(
よ
)
へ
肉体
(
にくたい
)
を
備
(
そな
)
へて
来
(
き
)
たのは、
071
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
或
(
ある
)
使命
(
しめい
)
を
果
(
はた
)
す
為
(
ため
)
に
来
(
き
)
たのである。
072
死
(
し
)
ぬのが
惜
(
をし
)
いと
云
(
い
)
ふ
心
(
こころ
)
があるのは、
073
つまり
一
(
いち
)
日
(
にち
)
でもこの
世
(
よ
)
に
長
(
なが
)
く
居
(
を
)
つて、
074
一
(
ひと
)
つでも
余計
(
よけい
)
に
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
御用
(
ごよう
)
を
勤
(
つと
)
めさせる
為
(
ため
)
に、
075
死
(
し
)
を
恐
(
おそ
)
れる
精神
(
せいしん
)
を
与
(
あた
)
へられて
居
(
を
)
るのだ。
076
実際
(
じつさい
)
の
事
(
こと
)
を
云
(
い
)
へば、
077
現界
(
げんかい
)
よりも
霊界
(
れいかい
)
の
方
(
はう
)
が、
078
いくら
楽
(
たのし
)
いか
面白
(
おもしろ
)
いか
分
(
わか
)
つたものでない、
079
いづれ
千年先
(
せんねんさき
)
になれば、
080
お
前
(
まへ
)
も
私
(
わし
)
も
霊界
(
れいかい
)
へ
這入
(
はい
)
つて「ヤア、
081
東彦
(
あづまひこ
)
様
(
さん
)
」「ヤア
時様
(
ときさん
)
か」「どうして
居
(
を
)
つた」「お
前
(
まへ
)
は
何時
(
いつ
)
死
(
し
)
んだのか」「さうだつたかね、
082
ホンニホンニ
何時
(
いつ
)
やら
死
(
し
)
んだやうに
思
(
おも
)
ふなア」ナント
云
(
い
)
つて
互
(
たがひ
)
に
笑
(
わら
)
ふ
事
(
こと
)
があるのだ』
083
時公
(
ときこう
)
『アヽそンなものですか。
084
そんなら
私
(
わたくし
)
の
様
(
やう
)
に、
085
この
様
(
やう
)
に
長生
(
ながいき
)
をして
罪
(
つみ
)
を
作
(
つく
)
るより、
086
罪
(
つみ
)
を
作
(
つく
)
らん
中
(
うち
)
に、
087
早
(
はや
)
く
死
(
し
)
ンだ
方
(
はう
)
が
却
(
かへ
)
つて
幸福
(
かうふく
)
ですなア』
088
東彦
(
あづまひこ
)
(本当は高彦)
『サア、
089
さう
云
(
い
)
ふ
気
(
き
)
になるから、
090
霊界
(
れいかい
)
の
事
(
こと
)
を
聞
(
き
)
かすことが
出来
(
でき
)
ぬのだ。
091
この
世
(
よ
)
ほど
結構
(
けつこう
)
なとこは
無
(
な
)
い。
092
一
(
いち
)
日
(
にち
)
でも
長生
(
ながいき
)
をしたいと
思
(
おも
)
うて、
093
その
間
(
あひだ
)
に
人間
(
にんげん
)
と
生
(
うま
)
れた
本分
(
ほんぶん
)
を
尽
(
つく
)
し、
094
一
(
ひと
)
つでも
善
(
よ
)
いことを
為
(
な
)
し、
095
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
為
(
ため
)
に
御用
(
ごよう
)
を
勤
(
つと
)
めて、
096
もう
是
(
これ
)
でよいから
霊界
(
れいかい
)
へ
帰
(
かへ
)
れと、
097
天使
(
てんし
)
の
御
(
お
)
迎
(
むか
)
ひがある
迄
(
まで
)
は、
098
勝手
(
かつて
)
気儘
(
きまま
)
にこの
世
(
よ
)
を
去
(
さ
)
る
事
(
こと
)
は
出来
(
でき
)
ぬ。
099
何
(
なに
)
ほど
自分
(
じぶん
)
から
死
(
し
)
に
度
(
た
)
いと
思
(
おも
)
つても、
100
神
(
かみ
)
が
御
(
お
)
許
(
ゆる
)
しなければ
死
(
し
)
ぬ
事
(
こと
)
は
出来
(
でき
)
ぬものだ』
101
時公
(
ときこう
)
『
一
(
ひと
)
つ
尋
(
たづ
)
ねますが、
102
私
(
わたくし
)
が
子供
(
こども
)
の
時
(
とき
)
は、
103
西
(
にし
)
も
東
(
ひがし
)
も
知
(
し
)
らなかつた。
104
昔
(
むかし
)
から
生通
(
いきどほ
)
しの
神
(
かみ
)
の
霊魂
(
みたま
)
であるとすれば、
105
子供
(
こども
)
の
時
(
とき
)
から、
106
もう
少
(
すこ
)
し
何
(
なに
)
も
彼
(
か
)
も
分
(
わか
)
つて
居
(
を
)
りさうなものだのに、
107
段々
(
だんだん
)
と
教
(
をし
)
へられて、
108
追々
(
おひおひ
)
に
智慧
(
ちゑ
)
がついて
来
(
き
)
たやうに
思
(
おも
)
ひます。
109
是
(
これ
)
は
一体
(
いつたい
)
どう
云
(
い
)
ふ
訳
(
わけ
)
ですか』
110
東彦
(
あづまひこ
)
(本当は高彦)
『
子供
(
こども
)
の
肉体
(
にくたい
)
は
虚弱
(
きよじやく
)
だから、
111
それに
応
(
おう
)
ずる
程度
(
ていど
)
の
魂
(
たましひ
)
が
宿
(
やど
)
るのだ。
112
全部
(
ぜんぶ
)
本人
(
ほんにん
)
の
霊魂
(
みたま
)
が
肉体
(
にくたい
)
に
移
(
うつ
)
つて
働
(
はたら
)
くのは、
113
一人前
(
いちにんまへ
)
の
身体
(
からだ
)
になつた
上
(
うへ
)
の
事
(
こと
)
だ。
114
それ
迄
(
まで
)
は
少
(
すこ
)
し
宛
(
づつ
)
生
(
うま
)
れ
替
(
かは
)
るのだ』
115
時公
(
ときこう
)
『さうすると
人間
(
にんげん
)
の
本尊
(
ほんぞん
)
は
十月
(
とつき
)
も
腹
(
はら
)
に
居
(
を
)
つて、
116
それから、
117
あと
二十
(
にじふ
)
年
(
ねん
)
もせぬと、
118
スツカリと
生
(
うま
)
れ
替
(
かは
)
る
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
ぬのですか』
119
東彦
(
あづまひこ
)
(本当は高彦)
『マアそンなものだ。
120
併
(
しか
)
し
何
(
なに
)
ほど
霊界
(
れいかい
)
が
結構
(
けつこう
)
だと
云
(
い
)
つても、
121
人生
(
じんせい
)
の
使命
(
しめい
)
を
果
(
はた
)
さず、
122
悪
(
わる
)
い
事
(
こと
)
を
云
(
い
)
うたり、
123
悪
(
あく
)
ばかりを
働
(
はたら
)
いて
死
(
し
)
んだら、
124
決
(
けつ
)
して
元
(
もと
)
の
結構
(
けつこう
)
な
処
(
ところ
)
へは
帰
(
かへ
)
る
事
(
こと
)
は
出来
(
でき
)
ぬ。
125
それこそ
根
(
ね
)
の
国
(
くに
)
底
(
そこ
)
の
国
(
くに
)
の、
126
無限
(
むげん
)
の
責苦
(
せめく
)
を
受
(
うけ
)
るのだ。
127
それだから
此
(
この
)
生
(
しやう
)
の
間
(
あひだ
)
に、
128
一
(
ひと
)
つでも
善
(
よ
)
い
事
(
こと
)
をせなくてはならぬ』
129
時公
(
ときこう
)
『
大分
(
だいぶ
)
に
分
(
わか
)
りました。
130
一遍
(
いつぺん
)
に
教
(
をし
)
へて
貰
(
もら
)
うと、
131
忘
(
わす
)
れますから、
132
又
(
また
)
少
(
すこ
)
し
宛
(
づつ
)
小出
(
こだ
)
しをして
下
(
くだ
)
さい』
133
東彦
(
あづまひこ
)
(本当は高彦)
『サア、
134
行
(
ゆ
)
かう、
135
夜
(
よる
)
の
旅
(
たび
)
は
却
(
かへ
)
つて
面白
(
おもしろ
)
いものだ』
136
時公
(
ときこう
)
『エー、
137
終日
(
しうじつ
)
荒野
(
あれの
)
を
歩
(
ある
)
いて、
138
夜
(
よる
)
迄
(
まで
)
も
歩
(
ある
)
くとは、
139
チツト
勉強
(
べんきやう
)
が
過
(
す
)
ぎはしませぬか。
140
日輪
(
にちりん
)
様
(
さま
)
でも
夜
(
よ
)
さりは
黒幕
(
くろまく
)
を
下
(
おろ
)
してお
休
(
やす
)
みだのに、
141
それは
余
(
あま
)
りです』
142
東彦
(
あづまひこ
)
(本当は高彦)
『
夜
(
よる
)
の
旅
(
たび
)
と
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
は
寝
(
ね
)
る
事
(
こと
)
だ。
143
サア、
144
憩
(
いこ
)
うと
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
は
休
(
やす
)
むと
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
だ、
145
アハヽヽヽヽ。
146
また
今晩
(
こんばん
)
も
茅
(
かや
)
の
褥
(
しとね
)
に
肱枕
(
ひぢまくら
)
、
147
雲
(
くも
)
の
蒲団
(
ふとん
)
でお
寝
(
やす
)
みだ。
148
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐみ
)
の
露
(
つゆ
)
の
御恩
(
ごおん
)
を
感謝
(
かんしや
)
する
為
(
ため
)
に、
149
神言
(
かみごと
)
を
奏上
(
そうじやう
)
し、
150
宣伝歌
(
せんでんか
)
を
歌
(
うた
)
つて
寝
(
やす
)
む
事
(
こと
)
としよう』
151
時公
(
ときこう
)
『
新
(
あたら
)
しい
宣伝歌
(
せんでんか
)
は
根
(
ね
)
つから
存
(
ぞん
)
じませぬ。
152
何
(
なん
)
でも
宜
(
よろ
)
しいか』
153
東彦
(
あづまひこ
)
(本当は高彦)
『
先
(
ま
)
づ
私
(
わし
)
から
宣伝歌
(
せんでんか
)
を
唱
(
とな
)
へるから、
154
お
前
(
まへ
)
はお
前
(
まへ
)
の
言霊
(
ことたま
)
に
任
(
まか
)
して
歌
(
うた
)
ふのだ』
155
と
云
(
い
)
ひ
乍
(
なが
)
ら
東彦
(
あづまひこ
)
は
直
(
ただち
)
に
立
(
たつ
)
て、
156
東彦(本当は高彦)
『
天
(
あめ
)
と
地
(
つち
)
とは
永久
(
とこしへ
)
に
157
陰
(
いん
)
と
陽
(
やう
)
との
生通
(
いきどほ
)
し
158
神
(
かみ
)
の
水火
(
いき
)
より
生
(
うま
)
れたる
159
人
(
ひと
)
は
神
(
かみ
)
の
子
(
こ
)
神
(
かみ
)
の
宮
(
みや
)
160
生
(
い
)
くるも
死
(
し
)
ぬるも
同
(
おな
)
じ
事
(
こと
)
161
是
(
これ
)
をば
物
(
もの
)
に
譬
(
たと
)
ふれば
162
神
(
かみ
)
の
世界
(
せかい
)
は
故郷
(
ふるさと
)
の
163
恋
(
こひ
)
しき
親
(
おや
)
のゐます
家
(
いへ
)
164
此
(
この
)
世
(
よ
)
に
生
(
う
)
まれた
人生
(
じんせい
)
は
165
露
(
つゆ
)
の
褥
(
しとね
)
の
草枕
(
くさまくら
)
166
旅
(
たび
)
に
出
(
いで
)
たる
旅人
(
たびびと
)
の
167
クス
野
(
の
)
を
辿
(
たど
)
るが
如
(
ごと
)
くなり
168
辿
(
たど
)
り
辿
(
たど
)
りて
黄昏
(
たそがれ
)
に
169
いづれの
家
(
いへ
)
か
求
(
もと
)
めつつ
170
是
(
これ
)
に
宿
(
やど
)
りし
其
(
その
)
時
(
とき
)
は
171
此
(
この
)
世
(
よ
)
を
去
(
さ
)
りし
時
(
とき
)
ぞかし
172
一夜
(
ひとよ
)
の
宿
(
やど
)
を
立
(
た
)
ち
出
(
いで
)
て
173
又
(
また
)
もや
旅
(
たび
)
をなす
時
(
とき
)
は
174
又
(
また
)
人間
(
にんげん
)
と
生
(
うま
)
れ
来
(
き
)
て
175
神
(
かみ
)
の
働
(
はたら
)
きなす
時
(
とき
)
ぞ
176
生
(
うま
)
れて
一
(
いち
)
日
(
にち
)
働
(
はたら
)
いて
177
死
(
し
)
んで
一夜
(
ひとよ
)
を
又
(
また
)
休
(
やす
)
む
178
死
(
し
)
ぬと
云
(
い
)
ふのは
人
(
ひと
)
の
世
(
よ
)
の
179
果
(
はて
)
には
非
(
あら
)
ず
生魂
(
いくたま
)
の
180
重荷
(
おもに
)
下
(
おろ
)
して
休
(
やす
)
む
時
(
とき
)
181
神
(
かみ
)
の
御前
(
みまへ
)
に
遊
(
あそ
)
ぶ
時
(
とき
)
182
栄
(
さか
)
えの
花
(
はな
)
の
開
(
ひら
)
く
時
(
とき
)
183
歓喜
(
よろこび
)
充
(
み
)
てる
時
(
とき
)
ぞかし
184
又
(
また
)
もや
神
(
かみ
)
の
命令
(
いひつけ
)
に
185
神世
(
かみよ
)
の
宿
(
やど
)
を
立出
(
たちいで
)
て
186
再
(
ふたた
)
び
人生
(
じんせい
)
の
旅
(
たび
)
をする
187
旅
(
たび
)
は
憂
(
う
)
いもの
辛
(
つら
)
いもの
188
辛
(
つら
)
い
中
(
なか
)
にも
亦
(
また
)
一
(
ひと
)
つ
189
都
(
みやこ
)
に
至
(
いた
)
る
限
(
かぎ
)
りなき
190
歓喜
(
くわんき
)
の
花
(
はな
)
は
咲
(
さ
)
き
匂
(
にほ
)
ふ
191
神
(
かみ
)
の
御子
(
みこ
)
たる
人
(
ひと
)
の
身
(
み
)
は
192
生
(
うま
)
れて
死
(
し
)
んで
又
(
また
)
生
(
うま
)
れ
193
死
(
し
)
んで
生
(
うま
)
れて
又
(
また
)
生
(
うま
)
れ
194
死
(
し
)
んで
生
(
うま
)
れて
又
(
また
)
生
(
うま
)
れ
195
どこどこ
迄
(
まで
)
も
限
(
かぎ
)
りなく
196
堅磐
(
かきは
)
常盤
(
ときは
)
に
栄
(
さか
)
え
行
(
ゆ
)
く
197
常磐
(
ときは
)
の
松
(
まつ
)
の
美
(
うま
)
し
世
(
よ
)
の
198
五六七
(
みろく
)
の
神
(
かみ
)
の
太柱
(
ふとばしら
)
199
玉
(
たま
)
の
礎
(
いしずゑ
)
搗
(
つ
)
き
固
(
かた
)
め
200
高天原
(
たかあまはら
)
に
千木
(
ちぎ
)
高
(
たか
)
く
201
宮居
(
みやゐ
)
を
造
(
つく
)
る
働
(
はたら
)
きは
202
神
(
かみ
)
の
御子
(
みこ
)
たる
人
(
ひと
)
の
身
(
み
)
の
203
勤
(
つと
)
めの
中
(
なか
)
の
勤
(
つと
)
めなり
204
嗚呼
(
ああ
)
頼
(
たの
)
もしき
人
(
ひと
)
の
旅
(
たび
)
205
嗚呼
(
ああ
)
頼
(
たの
)
もしき
人
(
ひと
)
の
身
(
み
)
の
206
人
(
ひと
)
は
神
(
かみ
)
の
子
(
こ
)
神
(
かみ
)
の
宮
(
みや
)
207
神
(
かみ
)
と
人
(
ひと
)
とは
生替
(
いきかは
)
り
208
死
(
し
)
に
替
(
かは
)
りして
永久
(
とこしへ
)
に
209
五六七
(
みろく
)
の
世
(
よ
)
迄
(
まで
)
栄
(
さか
)
え
行
(
ゆ
)
く
210
五六七
(
みろく
)
の
世
(
よ
)
迄
(
まで
)
栄
(
さか
)
え
行
(
ゆ
)
く』
211
時公
(
ときこう
)
『ヤア、
212
面白
(
おもしろ
)
い
面白
(
おもしろ
)
い、
213
有難
(
ありがた
)
い
有難
(
ありがた
)
い』
214
東彦
(
あづまひこ
)
(本当は高彦)
『
分
(
わか
)
つたか』
215
時公
(
ときこう
)
『ハイ、
216
今度
(
こんど
)
は
根
(
ね
)
つから
葉
(
は
)
つからよう
分
(
わか
)
りました』
217
東彦
(
あづまひこ
)
(本当は高彦)
『
分
(
わか
)
つた
様
(
やう
)
な、
218
分
(
わか
)
らぬ
様
(
やう
)
な
答
(
こたへ
)
だなア』
219
時公
(
ときこう
)
『
分
(
わか
)
つた
様
(
やう
)
で
分
(
わか
)
らぬ
様
(
やう
)
なのが
神
(
かみ
)
の
道
(
みち
)
、
220
人生
(
じんせい
)
の
行路
(
かうろ
)
です。
221
この
先
(
さき
)
にどんな
化物
(
ばけもの
)
が
出
(
で
)
るか
貴方
(
あなた
)
分
(
わか
)
つてますか』
222
東彦
(
あづまひこ
)
(本当は高彦)
『
困
(
こま
)
つた
奴
(
やつ
)
だなア』
223
時公
(
ときこう
)
『
奥歯
(
おくば
)
に
物
(
もの
)
のコマツタやうな、
224
困
(
こま
)
らぬ
様
(
やう
)
な
事
(
こと
)
を
云
(
い
)
ふ
奴
(
やつ
)
だ。
225
アハヽヽヽヽ』
226
東彦
(
あづまひこ
)
(本当は高彦)
『サア、
227
時公
(
ときこう
)
、
228
貴様
(
きさま
)
の
宣伝歌
(
せんでんか
)
を
聞
(
き
)
かう』
229
時公
(
ときこう
)
『
災
(
わざはひ
)
多
(
おほ
)
い
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
に
230
ヒヨイト
生
(
うま
)
れた
時公
(
ときこう
)
の
231
胸
(
むね
)
はトキトキ
時
(
とき
)
の
間
(
ま
)
も
232
死
(
し
)
ぬのは
恐
(
こは
)
い
怖
(
おそ
)
ろしい
233
どうしてこの
世
(
よ
)
に
何時
(
いつ
)
までも
234
死
(
し
)
なず
老
(
おい
)
ずに
居
(
ゐ
)
られよかと
235
朝
(
あさ
)
な
夕
(
ゆう
)
なに
案
(
あん
)
じたが
236
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
237
石凝姥
(
いしこりどめ
)
や
梅ケ香
(
うめがか
)
の
238
姫
(
ひめ
)
の
命
(
みこと
)
がやつて
来
(
き
)
て
239
穴無
(
あなな
)
い
教
(
けう
)
と
云
(
い
)
ふ
故
(
ゆゑ
)
に
240
コイツアー
死
(
し
)
なでもよいワイと
241
思
(
おも
)
つて
居
(
ゐ
)
たら
東彦
(
あづまひこ
)
242
人
(
ひと
)
はこの
世
(
よ
)
に
生
(
うま
)
れ
来
(
き
)
て
243
墓
(
はか
)
に
行
(
ゆ
)
くのが
目的
(
もくてき
)
と
244
聞
(
き
)
いたる
時
(
とき
)
の
吃驚
(
びつくり
)
は
245
矢張
(
やつぱ
)
り
墓
(
はか
)
の
穴有教
(
あなありけう
)
と
246
力
(
ちから
)
も
何
(
なに
)
も
落
(
お
)
ち
果
(
は
)
てた
247
一
(
ひと
)
つ
目
(
め
)
小僧
(
こぞう
)
が
現
(
あらは
)
れて
248
一
(
ひと
)
つの
穴
(
あな
)
へ
時公
(
ときこう
)
を
249
連
(
つ
)
れて
行
(
い
)
かうと
云
(
い
)
うた
時
(
とき
)
250
アナ
怖
(
おそ
)
ろしやアナ
恐
(
こは
)
や
251
案内
(
あない
)
も
知
(
し
)
らぬ
田圃道
(
たんぼみち
)
252
草
(
くさ
)
押
(
お
)
し
分
(
わ
)
けて
来
(
き
)
て
見
(
み
)
れば
253
又
(
また
)
も
一
(
ひと
)
つの
化物
(
ばけもの
)
が
254
茅
(
かや
)
の
芒
(
すすき
)
の
間
(
あひだ
)
から
255
ヌツと
立
(
た
)
ちたる
恐
(
おそ
)
ろしさ
256
コイツも
矢
(
や
)
つ
張
(
ぱ
)
り
化物
(
ばけもの
)
と
257
一目
(
ひとめ
)
見
(
み
)
るより
鉄
(
かね
)
の
杖
(
つゑ
)
258
振
(
ふ
)
つて
見
(
み
)
せたらヤイ
待
(
ま
)
てと
259
掛
(
か
)
けたる
声
(
こゑ
)
は
魔
(
ま
)
か
人
(
ひと
)
か
260
将
(
は
)
た
化物
(
ばけもの
)
か
何
(
なん
)
だろと
261
胸
(
むね
)
もドキドキ
十木公
(
ときこう
)
が
262
狽
(
うろた
)
へ
騒
(
さわ
)
ぐ
折
(
をり
)
からに
263
サツト
吹
(
ふ
)
き
来
(
く
)
る
木枯
(
こがらし
)
の
264
風
(
かぜ
)
より
太
(
ふと
)
い
唸
(
うな
)
り
声
(
ごゑ
)
265
虎
(
とら
)
狼
(
おほかみ
)
か
獅子
(
しし
)
鬼
(
おに
)
か
266
地獄
(
ぢごく
)
の
底
(
そこ
)
を
行
(
ゆ
)
く
様
(
やう
)
な
267
厭
(
いや
)
な
気持
(
きもち
)
になつた
時
(
とき
)
268
天
(
てん
)
の
恵
(
めぐみ
)
か
地
(
ち
)
の
恩
(
おん
)
か
269
耳
(
みみ
)
爽
(
さわや
)
かな
音楽
(
おんがく
)
は
270
聞
(
きこ
)
えて
花
(
はな
)
の
雨
(
あめ
)
が
降
(
ふ
)
り
271
心
(
こころ
)
の
空
(
そら
)
も
一時
(
いつとき
)
に
272
パツと
開
(
ひら
)
いた
花
(
はな
)
蓮
(
はちす
)
273
コイツアー
誠
(
まこと
)
の
人間
(
にんげん
)
と
274
覚
(
さと
)
つた
時
(
とき
)
の
嬉
(
うれ
)
しさは
275
生
(
いき
)
ても
忘
(
わす
)
れぬ
死
(
し
)
んだとて
276
是
(
これ
)
が
忘
(
わす
)
れてよからうか
277
どうぞ
一生
(
いつしやう
)
死
(
し
)
なぬ
様
(
やう
)
と
278
頼
(
たの
)
む
神
(
かみ
)
さま
仏
(
ほとけ
)
さま
279
妙見
(
めうけん
)
さまもチヨロ
臭
(
くさ
)
い
280
ウラルの
山
(
やま
)
の
法螺
(
ほら
)
吹
(
ふき
)
嶽
(
だけ
)
に
281
止
(
とどま
)
り
玉
(
たま
)
ふ
天狗
(
てんぐ
)
さまに
282
一
(
ひと
)
つお
願
(
ねが
)
ひ
掛巻
(
かけまく
)
も
283
畏
(
かしこ
)
き
神
(
かみ
)
の
御
(
ご
)
利益
(
りやく
)
で
284
人
(
ひと
)
の
生死
(
いきし
)
ぬ
有様
(
ありさま
)
を
285
聞
(
き
)
いたる
時
(
とき
)
の
嬉
(
うれ
)
しさよ
286
斯
(
か
)
うなるからは
何時
(
いつ
)
にても
287
死
(
し
)
んでもかまはぬ
時
(
とき
)
さまの
288
ヤツト
覚
(
さと
)
つた
虎
(
とら
)
の
巻
(
まき
)
289
嬉
(
うれ
)
しい
嬉
(
うれ
)
しい
有難
(
ありがた
)
い
290
ドツコイ ドツコイ ドツコイシヨ』
291
東彦
(
あづまひこ
)
(本当は高彦)
『アハヽヽヽヽ、
292
オイ
時公
(
ときこう
)
、
293
ソンナ
宣伝歌
(
せんでんか
)
があるか。
294
宣
(
の
)
り
直
(
なほ
)
せ
宣
(
の
)
り
直
(
なほ
)
せ』
295
時公
(
ときこう
)
『
宣
(
の
)
り
直
(
なほ
)
したいとは
思
(
おも
)
へども、
296
生憎
(
あいにく
)
旅
(
たび
)
のこととて
肝腎要
(
かんじんかなめ
)
の
女房
(
にようばう
)
を、
297
連
(
つ
)
れて
来
(
き
)
て
居
(
を
)
らぬので……』
298
東彦
(
あづまひこ
)
(本当は高彦)
『
馬鹿
(
ばか
)
ツ』
299
時公
(
ときこう
)
『
馬鹿
(
ばか
)
とはどうです。
300
宣
(
の
)
り
直
(
なほ
)
したり、
301
宣
(
の
)
り
直
(
なほ
)
したり』
302
東彦
(
あづまひこ
)
(本当は高彦)
『
宣
(
の
)
り
直
(
なほ
)
せとは
抜
(
ぬ
)
け
目
(
め
)
の
無
(
な
)
い
男
(
をとこ
)
だなア』
303
夜
(
よ
)
は
深々
(
しんしん
)
と
更
(
ふ
)
け
渡
(
わた
)
る。
304
烈
(
はげ
)
しき
野分
(
のわき
)
に
二人
(
ふたり
)
は
笠
(
かさ
)
を
被
(
かぶ
)
つて
心持
(
こころもち
)
よく
寝
(
しん
)
に
就
(
つ
)
きける。
305
(
大正一一・二・二八
旧二・二
岩田久太郎
録)
Δこのページの一番上に戻るΔ
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(B)
(N)
梅の花 >>>
霊界物語
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【第3章 死生観|第11巻|霊主体従|霊界物語|/rm1103】
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