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霊界物語
海洋万里(第25~36巻)
第30巻(巳の巻)
序
凡例
総説
第1篇 高砂の松
第1章 主従二人
第2章 乾の滝
第3章 清めの滝
第4章 懐旧の歌
第2篇 珍野瞰下
第5章 下坂の歌
第6章 樹下の一宿
第7章 提燈の光
第8章 露の道
第3篇 神縁微妙
第9章 醜の言霊
第10章 妖雲晴
第11章 言霊の妙
第12章 マラソン競争
第13章 都入
第4篇 修理固成
第14章 霊とパン
第15章 花に嵐
第16章 荒しの森
第17章 出陣
第18章 日暮シの河
第19章 蜘蛛の児
第20章 雉と町
第5篇 山河動乱
第21章 神王の祠
第22章 大蜈蚣
第23章 ブール酒
第24章 陥穽
附記 湯ケ島温泉
附記 天津祝詞解
附記 デモ国民歌
余白歌
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霊界物語
>
海洋万里(第25~36巻)
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第30巻(巳の巻)
> 第2篇 珍野瞰下 > 第6章 樹下の一宿
<<< 下坂の歌
(B)
(N)
提燈の光 >>>
第六章
樹下
(
じゆか
)
の
一宿
(
いつしゆく
)
〔八四八〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第30巻 海洋万里 巳の巻
篇:
第2篇 珍野瞰下
よみ(新仮名遣い):
うづのかんか
章:
第6章 樹下の一宿
よみ(新仮名遣い):
じゅかのいっしゅく
通し章番号:
848
口述日:
1922(大正11)年08月14日(旧06月22日)
口述場所:
筆録者:
松村真澄
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1923(大正12)年9月15日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
一行はカールの滑稽歌を肴に休息の間に話に花を咲かせた。出立すると、カールはまたもや調子に乗って、おかしな歌を歌いながら坂を下っていく。
カールは、これから下っていった先に巽の池があり、そこにも八岐大蛇の片割れが棲んでいるから、国人のために大蛇を征服して欲しいと歌った。
一行は麓に着いて、楠の森で休息した。カールと石熊は軽口を叩き合っている。末子姫は、先ほどのカールの歌にあった大蛇に言及し、明日は大蛇退治に行こうと提案した。石熊は随行を願い出て許された。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2022-06-10 17:28:06
OBC :
rm3006
愛善世界社版:
72頁
八幡書店版:
第5輯 597頁
修補版:
校定版:
78頁
普及版:
26頁
初版:
ページ備考:
001
四
(
よ
)
人
(
にん
)
は
天然
(
てんねん
)
椅子
(
いす
)
の
岩
(
いは
)
の
上
(
うへ
)
に
端座
(
たんざ
)
し、
002
稍
(
やや
)
少時
(
しばらく
)
息
(
いき
)
を
休
(
やす
)
めた。
003
捨子姫
(
すてこひめ
)
は、
004
捨子姫
『カールさま、
005
随分
(
ずゐぶん
)
偉
(
えら
)
いメートルを
上
(
あ
)
げましたねえ。
006
おかげで
面白
(
おもしろ
)
く
急坂
(
きふはん
)
を
知
(
し
)
らぬ
間
(
ま
)
にここまで
下
(
くだ
)
つて
来
(
き
)
ました。
007
歌
(
うた
)
と
云
(
い
)
ふものは
本当
(
ほんたう
)
に
旅
(
たび
)
には
欠
(
か
)
く
可
(
べ
)
からざるものだと
感
(
かん
)
じました。
008
面白
(
おもしろ
)
く
節
(
ふし
)
をつけて
歌
(
うた
)
つて
下
(
くだ
)
さつたおかげで、
009
重
(
おも
)
たい
足
(
あし
)
も
体
(
からだ
)
も
躍動
(
やくどう
)
致
(
いた
)
しまして
大変
(
たいへん
)
に
愉快
(
ゆくわい
)
でしたワ』
010
カール
『ハイ
私
(
わたくし
)
のカールい
口
(
くち
)
で
出鱈目
(
でたらめ
)
を
喋
(
しやべ
)
りました。
011
其
(
その
)
御
(
お
)
神徳
(
かげ
)
で
貴女
(
あなた
)
の
御足
(
みあし
)
がカール
動
(
うご
)
きましただらう、
012
アハヽヽヽ。
013
併
(
しか
)
し
石熊
(
いしくま
)
がゴロゴロして
居
(
を
)
るので、
014
邪魔
(
じやま
)
になつて、
015
随分
(
ずゐぶん
)
目
(
め
)
を
使
(
つか
)
はれたでせう』
016
石熊
(
いしくま
)
『
何
(
なん
)
だか
知
(
し
)
らぬが、
017
此
(
この
)
急坂
(
きふはん
)
に
団子石
(
だんごいし
)
かカール
石
(
いし
)
のやうな
物
(
もの
)
がゴロゴロしてをつて、
018
カールはづみには
足
(
あし
)
も
運
(
はこ
)
べず、
019
あまり
可笑
(
をか
)
しい
歌
(
うた
)
で、
020
膝坊主
(
ひざばうづ
)
まで
笑
(
わら
)
つて
居
(
ゐ
)
ましたよ、
021
石原
(
いしはら
)
に
薬鑵
(
やかん
)
を
引摺
(
ひきづ
)
る
様
(
やう
)
な
声
(
こゑ
)
で、
022
ズイ
分
(
ぶん
)
有難
(
ありがた
)
迷惑
(
めいわく
)
を
感
(
かん
)
じました。
023
アハヽヽヽ』
024
カール『
有難
(
ありがた
)
迷惑
(
めいわく
)
とはチツと
口
(
くち
)
が
悪
(
わる
)
いぢやありませぬか。
025
お
前
(
まへ
)
さまはヤツパリ
意地苦根
(
いぢくね
)
が……オツトドツコイ
石熊
(
いしくま
)
が
善
(
よ
)
くないと
見
(
み
)
えますなア』
026
石熊
(
いしくま
)
『サア
皆
(
みな
)
さま、
027
又
(
また
)
ボツボツとテクリませうか』
028
末子
(
すゑこ
)
『ハイそろそろと
参
(
まゐ
)
りませう。
029
……カールさま、
030
どうぞ
又
(
また
)
頼
(
たの
)
みますよ』
031
カール『オイ
石熊
(
いしくま
)
さま、
032
如何
(
どう
)
だい、
033
能
(
よ
)
く
持
(
も
)
てたものだろ。
034
お
前
(
まへ
)
の
歌
(
うた
)
はどうだつたい、
035
見
(
み
)
つともない、
036
二人
(
ふたり
)
のナイスに
一寸
(
ちよつと
)
ホの
字
(
じ
)
とレの
字
(
じ
)
だつたなどと、
037
亡国
(
ばうこく
)
的
(
てき
)
の
哀音
(
あいおん
)
を
駄句
(
だく
)
つたぢやないか。
038
チツとしつかりして
貰
(
もら
)
ひませうかい』
039
石熊
(
いしくま
)
『やかましう
云
(
い
)
ふな、
040
佯
(
いつは
)
らざる
情
(
じやう
)
の
執着
(
しふちやく
)
だ』
041
カール『
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
石熊
(
いしくま
)
さまの
改心
(
かいしん
)
帰順
(
きじゆん
)
で、
042
此
(
この
)
カール
大
(
だい
)
宣伝使
(
せんでんし
)
も
心
(
こころ
)
の
底
(
そこ
)
より
祝着
(
しうちやく
)
に
存
(
ぞん
)
ずるワイ、
043
アツハヽヽヽ。
044
サア
又
(
また
)
言霊車
(
ことたまぐるま
)
を
運転
(
うんてん
)
しますから、
045
……
一
(
いち
)
二
(
に
)
三
(
さん
)
、
046
全体
(
ぜんたい
)
進
(
すす
)
めツ』
047
石熊
(
いしくま
)
『アハヽヽヽ、
048
仕方
(
しかた
)
のない
男
(
をとこ
)
だなア……サア
姫
(
ひめ
)
様
(
さま
)
、
049
御
(
お
)
立
(
た
)
ち
遊
(
あそ
)
ばせ、
050
お
伴
(
とも
)
を
致
(
いた
)
しませう』
051
カール『アハヽヽヽ、
052
変
(
かは
)
ればカール
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
だなア。
053
今迄
(
いままで
)
は
石
(
いし
)
の
様
(
やう
)
な
無情漢
(
むじやうかん
)
で
女
(
をんな
)
を
見
(
み
)
れば
苦虫
(
にがむし
)
をかみ
潰
(
つぶ
)
したやうな
面構
(
つらがま
)
へをして
御座
(
ござ
)
つた、
054
バラモン
教
(
けう
)
の
教主
(
けうしゆ
)
様
(
さま
)
が
鰐口
(
わにぐち
)
を
俄
(
にはか
)
におチヨボ
口
(
ぐち
)
にしたり、
055
団栗目
(
どんぐりめ
)
を
細
(
ほそ
)
うしたり
遊
(
あそ
)
ばして……サア
姫
(
ひめ
)
様
(
さま
)
お
立
(
た
)
ち
遊
(
あそ
)
ばせ、
056
お
伴
(
とも
)
を
致
(
いた
)
しませう……ナンノカンノつて、
057
抱腹
(
ほうふく
)
絶倒
(
ぜつたう
)
の
至
(
いた
)
りだ。
058
余
(
あま
)
り
姫
(
ひめ
)
様
(
さま
)
のスタイル
許
(
ばか
)
りに
気
(
き
)
を
取
(
と
)
られてゐると、
059
それこそ
坂路
(
さかみち
)
で
転覆
(
てんぷく
)
絶倒
(
ぜつたう
)
せなくてはならなくなるよ。
060
困
(
こま
)
つた
唐変木
(
たうへんぼく
)
が
道伴
(
みちづ
)
れになつたものだ。
061
併
(
しか
)
し
枯木
(
かれき
)
も
山
(
やま
)
の
賑
(
にぎは
)
ひだ、
062
ないよりましかい』
063
末子
(
すゑこ
)
『あのマア、
064
カールさまのお
口
(
くち
)
の
悪
(
わる
)
いこと』
065
石熊
(
いしくま
)
『いゝえ、
066
此
(
この
)
カールは
口
(
くち
)
が
善過
(
よす
)
ぎて、
067
よく
囀
(
さへづ
)
るのですよ。
068
百舌
(
もず
)
といふ
鳥
(
とり
)
の
様
(
やう
)
な
男
(
をとこ
)
ですから、
069
何
(
いづ
)
れ
地獄
(
ぢごく
)
へ
往
(
い
)
つたら、
070
釘抜
(
くぎぬき
)
の
御
(
ご
)
厄介
(
やくかい
)
になる
代物
(
しろもの
)
ですよ。
071
アハヽヽヽ』
072
捨子
(
すてこ
)
『オホヽヽヽ、
073
サアいよいよ
発足
(
はつそく
)
致
(
いた
)
しませう。
074
今度
(
こんど
)
は
妾
(
わたし
)
が
猿田彦
(
さるたひこ
)
となつて、
075
お
先
(
さき
)
へ
参
(
まゐ
)
ります』
076
と
先
(
さき
)
に
立
(
た
)
ち、
077
急坂
(
きふはん
)
を
下
(
くだ
)
り
行
(
ゆ
)
く。
078
調子
(
てうし
)
に
乗
(
の
)
つてカールは
又
(
また
)
もや
一歩
(
ひとあし
)
々々
(
ひとあし
)
拍子
(
へうし
)
を
取
(
と
)
り、
079
ヤツコス
神
(
がみ
)
が
六方
(
ろくぱう
)
を
踏
(
ふ
)
むやうなスタイルで
唄
(
うた
)
ひ
出
(
だ
)
した。
080
カール『ウントコドツコイ、ドツコイシヨ
081
石熊
(
いしくま
)
だらけの
山路
(
やまみち
)
を
082
末子
(
すゑこ
)
の
姫
(
ひめ
)
や
捨子姫
(
すてこひめ
)
083
二人
(
ふたり
)
のお
方
(
かた
)
の
御
(
お
)
伴
(
とも
)
して
084
崎嶇
(
きく
)
たる
坂路
(
さかみち
)
下
(
くだ
)
り
行
(
ゆ
)
く
085
日輪
(
にちりん
)
様
(
さま
)
はカンカンと
086
頭
(
あたま
)
の
上
(
うへ
)
にテルの
国
(
くに
)
087
テル
山峠
(
やまたうげ
)
の
急坂
(
きふはん
)
を
088
オツトドツコイ
危
(
あぶな
)
いぞ
089
又
(
また
)
石熊
(
いしくま
)
に
乗
(
の
)
りました
090
ゴウゴウ
云
(
い
)
ふのは
谷川
(
たにがは
)
か
091
ジヤンジヤン
吐
(
ぬか
)
すな
油蝉
(
あぶらぜみ
)
092
ドツコイシヨウ ドツコイシヨウ
093
汗
(
あせ
)
も
脂
(
あぶら
)
も
一絞
(
ひとしぼ
)
り
094
うちのお
嬶
(
かか
)
がドツコイシヨ
095
夜
(
よ
)
の
目
(
め
)
もねずに
親切
(
しんせつ
)
に
096
縫
(
ぬ
)
うてくれたる
単衣
(
ひとへもの
)
097
ドツコイドツコイびしよ
濡
(
ぬ
)
れに
098
なつて
了
(
しま
)
うたドツコイシヨ
099
二人
(
ふたり
)
のナイスが
此
(
この
)
通
(
とほ
)
り
100
お
先
(
さき
)
に
立
(
た
)
つてドシドシと
101
お
下
(
くだ
)
り
遊
(
あそ
)
ばすスタイルは
102
天
(
あめ
)
の
八重雲
(
やへくも
)
かき
分
(
わ
)
けて
103
棚機姫
(
たなばたひめ
)
の
天降
(
あまくだ
)
り
104
遊
(
あそ
)
ばす
様
(
やう
)
ないさぎよさ
105
鼻息
(
はないき
)
荒
(
あら
)
くフウフウと
106
弱
(
よわ
)
り
切
(
き
)
つたる
石熊
(
いしくま
)
の
107
其
(
その
)
足並
(
あしなみ
)
は
何
(
なん
)
のザマ
108
一丈
(
いちぢやう
)
二
(
に
)
尺
(
しやく
)
の
褌
(
ふんどし
)
を
109
かいた
手前
(
てまへ
)
もあらうぞよ
110
昔
(
むかし
)
の
神代
(
かみよ
)
にウヅの
国
(
くに
)
111
桃上彦
(
ももがみひこ
)
の
御
(
おん
)
娘
(
むすめ
)
112
松
(
まつ
)
竹
(
たけ
)
梅
(
うめ
)
のドツコイシヨ
113
オツト
危
(
あぶな
)
い
躓
(
つまづ
)
いた
114
花
(
はな
)
を
欺
(
あざむ
)
く
宣伝使
(
せんでんし
)
115
淤縢山津見
(
おどやまづみ
)
や
駒山彦
(
こまやまひこ
)
の
116
ドツコイドツコイすさび
男
(
を
)
の
117
お
先
(
さき
)
に
立
(
た
)
つて
蚊々虎
(
かがとら
)
の
118
神
(
かみ
)
の
化身
(
けしん
)
と
諸共
(
もろとも
)
に
119
此
(
この
)
急坂
(
きふはん
)
をドシドシと
120
登
(
のぼ
)
つてハラの
港
(
みなと
)
まで
121
お
出
(
い
)
でなさつた
事
(
こと
)
思
(
おも
)
や
122
きついと
云
(
い
)
つても
下
(
くだ
)
り
坂
(
ざか
)
123
何
(
なん
)
の
苦
(
くるし
)
い
事
(
こと
)
あろか
124
ウントコドツコイ、ドツコイシヨ
125
意地
(
いぢ
)
くね
悪
(
わる
)
い
石熊
(
いしくま
)
が
126
そこらにゴロゴロ
転
(
ころ
)
げてる
127
皆
(
みな
)
さま
気
(
き
)
をつけなされませ
128
若
(
も
)
し
過
(
あやま
)
つて
仰向
(
あふむ
)
けに
129
玉
(
たま
)
の
御舟
(
みふね
)
を
坂道
(
さかみち
)
に
130
ドツコイ ドツコイ ドツコイシヨ
131
オツト
失礼
(
しつれい
)
コリヤ
失敗
(
しも
)
うた
132
調子
(
てうし
)
に
乗
(
の
)
つて
舟
(
ふね
)
のこと
133
車
(
くるま
)
の
梶
(
かぢ
)
を
取
(
と
)
り
外
(
はづ
)
し
134
知
(
し
)
らず
知
(
し
)
らずにドツコイシヨ
135
脱線振
(
だつせんぶり
)
を
発揮
(
はつき
)
した
136
それに
付
(
つ
)
けてもネロの
奴
(
やつ
)
137
何処
(
どこ
)
に
如何
(
どう
)
して
居
(
ゐ
)
るだろか
138
シーナ、チールやイサクをば
139
甘
(
うま
)
くドツコイ、チヨロまかし
140
二人
(
ふたり
)
のナイスを
助
(
たす
)
けむと
141
従
(
つ
)
いて
行
(
い
)
たのは
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
ぢや
142
石熊
(
いしくま
)
さまが
三五
(
あななひ
)
の
143
神
(
かみ
)
のお
道
(
みち
)
に
帰順
(
きじゆん
)
して
144
当
(
たう
)
の
仇敵
(
かたき
)
と
狙
(
ねら
)
ひたる
145
二人
(
ふたり
)
のナイスの
従者
(
とも
)
となり
146
ウヅの
都
(
みやこ
)
へドツコイシヨ
147
お
伴
(
とも
)
をしたと
聞
(
き
)
いたなら
148
イサク、シーナ、チールの
奴
(
やつ
)
149
どれ
丈
(
だけ
)
ビツクリするであらう
150
あゝ
面白
(
おもしろ
)
い
面白
(
おもしろ
)
い
151
昨日
(
きのふ
)
に
変
(
かは
)
る
今日
(
けふ
)
の
空
(
そら
)
152
晴天
(
せいてん
)
忽
(
たちま
)
ち
雨
(
あめ
)
となり
153
蒼海
(
さうかい
)
変
(
へん
)
じて
土
(
つち
)
となる
154
天候
(
てんこう
)
忽
(
たちま
)
ち
激変
(
げきへん
)
し
155
敵
(
てき
)
の
陣地
(
ぢんち
)
に
降参
(
かうさん
)
し
156
鉾
(
ほこ
)
を
戢
(
をさ
)
めて
旗
(
はた
)
を
巻
(
ま
)
き
157
ドツコイ ドツコイ
痩犬
(
やせいぬ
)
が
158
甘
(
あま
)
い
顔
(
かほ
)
した
旅人
(
たびびと
)
に
159
尻尾
(
しつぽ
)
をふつてドツコイシヨ
160
従
(
つ
)
いて
来
(
く
)
るよなスタイルで
161
バラモン
教
(
けう
)
の
神司
(
かむづかさ
)
162
お
伴
(
とも
)
をしたと
聞
(
き
)
いたなら
163
さぞやビツクリ
仰天
(
ぎやうてん
)
し
164
肝玉
(
きもたま
)
天
(
てん
)
に
飛
(
と
)
びあがり
165
ドツコイ ドツコイ
睾丸
(
きんたま
)
は
166
忽
(
たちま
)
ち
洋行
(
やうかう
)
するであろ
167
ドツコイ、
辷
(
すべ
)
つたアイタヽヽ
168
円転
(
ゑんてん
)
滑脱
(
かつだつ
)
遅滞
(
ちたい
)
なく
169
甘
(
うま
)
く
転
(
ころ
)
んだ
口車
(
くちぐるま
)
170
序
(
ついで
)
にモ
一
(
ひと
)
つ
石車
(
いしぐるま
)
171
油断
(
ゆだん
)
のならぬ
下
(
くだ
)
り
坂
(
ざか
)
172
皆
(
みな
)
さま
確
(
しつか
)
り
頼
(
たの
)
みます
173
ウントコドツコイ、
危
(
あぶ
)
ないぞ
174
これから
少
(
すこ
)
し
下
(
くだ
)
つたら
175
八岐
(
やまた
)
の
大蛇
(
をろち
)
の
乾児
(
こぶん
)
等
(
ら
)
が
176
潜
(
ひそ
)
んで
居
(
ゐ
)
ると
聞
(
きこ
)
えたる
177
巽
(
たつみ
)
の
池
(
いけ
)
が
青々
(
あをあを
)
と
178
鏡
(
かがみ
)
の
様
(
やう
)
に
光
(
ひか
)
つてる
179
噂
(
うはさ
)
にきけばドツコイシヨ
180
乾
(
いぬゐ
)
の
池
(
いけ
)
の
大蛇
(
をろち
)
奴
(
め
)
が
181
片割
(
かたわ
)
れなりと
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
だ
182
モウシ
末子
(
すゑこ
)
のお
姫
(
ひめ
)
様
(
さま
)
183
一層
(
いつそう
)
序
(
ついで
)
に
立寄
(
たちよ
)
りて
184
大蛇
(
をろち
)
の
霊
(
みたま
)
を
言霊
(
ことたま
)
の
185
威力
(
ゐりよく
)
に
征服
(
せいふく
)
遊
(
あそ
)
ばして
186
ドツコイ ドツコイ
行掛
(
ゆきがけ
)
の
187
功名
(
こうみやう
)
手柄
(
てがら
)
を
遊
(
あそ
)
ばせよ
188
私
(
わたし
)
が
案内
(
あんない
)
致
(
いた
)
します
189
臆病風
(
おくびやうかぜ
)
に
襲
(
おそ
)
はれた
190
石熊
(
いしくま
)
さまは
何
(
ど
)
うか
知
(
し
)
ら
191
私
(
わたし
)
はどしても
行
(
い
)
て
見
(
み
)
たい
192
あなたの
清
(
きよ
)
き
言霊
(
ことたま
)
は
193
邪神
(
じやしん
)
悪鬼
(
あくき
)
も
忽
(
たちま
)
ちに
194
ドツコイ ドツコイ
危
(
あぶ
)
ないぞ
195
危
(
あぶ
)
ないきつい
道
(
みち
)
だなア
196
キツと
帰順
(
きじゆん
)
をするであろ
197
又
(
また
)
と
得
(
え
)
られぬ
此
(
この
)
機会
(
きくわい
)
198
平
(
ひら
)
に
御
(
お
)
願
(
ねがひ
)
申
(
まを
)
します
199
アルゼンチンの
国人
(
くにびと
)
が
200
日夜
(
にちや
)
に
悩
(
なや
)
む
悪神
(
あくがみ
)
の
201
災
(
わざはひ
)
除
(
のぞ
)
かせ
玉
(
たま
)
ひなば
202
貴女
(
あなた
)
はウヅの
神柱
(
かむばしら
)
203
国民
(
こくみん
)
一同
(
いちどう
)
悦服
(
えつぷく
)
し
204
宏大
(
くわうだい
)
無辺
(
むへん
)
の
神徳
(
しんとく
)
を
205
仰
(
あふ
)
ぎまつつて
三五
(
あななひ
)
の
206
神
(
かみ
)
の
御徳
(
みとく
)
になづくだろ
207
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
208
神
(
かみ
)
の
心
(
こころ
)
を
発揮
(
はつき
)
して
209
必
(
かなら
)
ず
断行
(
だんかう
)
願
(
ねが
)
ひます
210
これぞカールが
一生
(
いつしやう
)
の
211
生命
(
いのち
)
かけての
御
(
おん
)
願
(
ねが
)
ひ
212
謹
(
つつし
)
み
畏
(
かしこ
)
み
御
(
お
)
二方
(
ふたかた
)
213
珍
(
うづ
)
の
御前
(
みまへ
)
に
願
(
ね
)
ぎまつる
214
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
215
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はひましませよ』
216
と
歌
(
うた
)
ひ
了
(
をは
)
り、
217
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
後
(
あと
)
から
蚤取
(
のみとり
)
眼
(
まなこ
)
で、
218
一歩
(
ひとあし
)
々々
(
ひとあし
)
、
219
気
(
き
)
を
附
(
つ
)
け
乍
(
なが
)
ら、
220
馬
(
うま
)
の
背
(
せ
)
を
立
(
た
)
てた
様
(
やう
)
な、
221
細
(
ほそ
)
き
険
(
さか
)
しき
石原路
(
いしはらみち
)
を、
222
右
(
みぎ
)
に
左
(
ひだり
)
に
体
(
たい
)
をかはし、
223
千鳥
(
ちどり
)
が
坂
(
さか
)
を
下
(
くだ
)
る
様
(
やう
)
なスタイルで
跟
(
つ
)
いて
行
(
ゆ
)
く。
224
元来
(
ぐわんらい
)
此
(
この
)
男
(
をとこ
)
は
少
(
すこ
)
しく
両足
(
りやうあし
)
に、
225
生
(
うま
)
れ
乍
(
なが
)
ら
長短
(
ちやうたん
)
があるので、
226
下
(
くだ
)
り
坂
(
ざか
)
には
非常
(
ひじやう
)
に
困難
(
こんなん
)
を
感
(
かん
)
じ、
227
一歩
(
ひとあし
)
々々
(
ひとあし
)
拍子
(
へうし
)
を
取
(
と
)
らねば
容易
(
ようい
)
に
歩
(
あゆ
)
めないのであつた。
228
漸
(
やうや
)
くにして
下
(
くだ
)
り
八
(
はち
)
里
(
り
)
の
急坂
(
きふはん
)
を
黄昏
(
たそが
)
るる
頃
(
ころ
)
、
229
麓
(
ふもと
)
に
下
(
くだ
)
り、
230
樟
(
くす
)
の
森
(
もり
)
に、
231
夜露
(
よつゆ
)
を
凌
(
しの
)
ぎ、
232
一行
(
いつかう
)
四
(
よ
)
人
(
にん
)
息
(
いき
)
を
休
(
やす
)
めて、
233
又
(
また
)
もや
話
(
はなし
)
に
耽
(
ふけ
)
る。
234
末子
(
すゑこ
)
『おかげ
様
(
さま
)
で
楽
(
らく
)
に
難関
(
なんくわん
)
を
越
(
こ
)
えて
参
(
まゐ
)
りました。
235
言霊
(
ことたま
)
の
徳
(
とく
)
と
云
(
い
)
ふものは、
236
本当
(
ほんたう
)
に
結構
(
けつこう
)
なものですなア』
237
カール『
御尤
(
ごもつと
)
も
千万
(
せんばん
)
です。
238
特
(
とく
)
に
私
(
わたし
)
の
言霊
(
ことたま
)
はハーモニーがよく
取
(
と
)
れますから、
239
天地
(
てんち
)
神明
(
しんめい
)
も
感動
(
かんどう
)
遊
(
あそ
)
ばし、
240
焼
(
や
)
きつく
様
(
やう
)
な
日輪
(
にちりん
)
様
(
さま
)
もとうとう、
241
吾々
(
われわれ
)
を
可愛
(
かあい
)
がつて、
242
地平線
(
ちへいせん
)
下
(
か
)
にお
隠
(
かく
)
れになつたでせう』
243
石熊
(
いしくま
)
『アハヽヽヽ
何
(
なに
)
を
吐
(
ぬか
)
すのだ。
244
暮
(
く
)
れる
時
(
とき
)
が
来
(
く
)
れば、
245
貴様
(
きさま
)
の
言霊
(
ことたま
)
がなく
共
(
とも
)
、
246
日輪
(
にちりん
)
様
(
さま
)
は
勝手
(
かつて
)
にお
入
(
はい
)
り
遊
(
あそ
)
ばすのだ。
247
余
(
あま
)
り
調子
(
てうし
)
に
乗
(
の
)
つて
自惚
(
うぬぼれ
)
をすな』
248
カール『コリヤ
一寸
(
ちよつと
)
景物
(
けいぶつ
)
だ。
249
余
(
よ
)
つ
程
(
ぽど
)
融通
(
ゆうづう
)
の
利
(
き
)
かぬ
馬鹿
(
ばか
)
正直
(
しやうぢき
)
な
男
(
をとこ
)
だなア。
250
長短
(
ちやうたん
)
宜
(
よろ
)
しきを
得
(
え
)
て
社会
(
しやくわい
)
に
処
(
しよ
)
するのが
人生
(
じんせい
)
の
最
(
もつと
)
も
貴
(
たつと
)
ぶべき
手段
(
しゆだん
)
だ。
251
これではバラモン
教
(
けう
)
の
教主
(
けうしゆ
)
も
駄目
(
だめ
)
だなア』
252
石熊
(
いしくま
)
『お
前
(
まへ
)
の
如
(
や
)
うに、
253
片
(
かた
)
つ
方
(
ぱう
)
の
足
(
あし
)
が
短
(
みじか
)
く
出来
(
でき
)
て
居
(
を
)
る
人間
(
にんげん
)
は、
254
それや
又
(
また
)
採長
(
さいちやう
)
補短
(
ほたん
)
がないのだから、
255
到底
(
たうてい
)
お
前
(
まへ
)
の
真似
(
まね
)
は
出来
(
でき
)
ないよ』
256
カール『
馬鹿
(
ばか
)
言
(
い
)
うな。
257
片足
(
かたあし
)
が
短
(
みじか
)
いのだない、
258
片足
(
かたあし
)
がお
前
(
まへ
)
達
(
たち
)
よりは
長
(
なが
)
いのだ、
259
アハヽヽヽ』
260
石熊
(
いしくま
)
『
負
(
まけ
)
ん
気
(
ぎ
)
の
強
(
つよ
)
い、
261
跛理窟
(
ちんばりくつ
)
を
云
(
い
)
ふ
男
(
をとこ
)
だなア。
262
コーカス
山
(
さん
)
だないが、
263
ビツコス
神
(
がみ
)
がヤツコスの
六方
(
ろくぱう
)
を
踏
(
ふ
)
むと
云
(
い
)
ふスタイルで、
264
急坂
(
きふはん
)
を
下
(
くだ
)
るのだから、
265
ズイ
分
(
ぶん
)
見
(
み
)
てゐると
滑稽
(
こつけい
)
だつた』
266
捨子
(
すてこ
)
『ホヽヽヽヽ、
267
あなた
方
(
がた
)
と
旅行
(
りよかう
)
して
居
(
ゐ
)
ると、
268
随分
(
ずゐぶん
)
愉快
(
ゆくわい
)
ですなア』
269
カール『そら
其
(
その
)
筈
(
はず
)
ですよ。
270
ゆかい
も
現界
(
げんかい
)
も
神界
(
しんかい
)
も
一目
(
ひとめ
)
に
見
(
み
)
すかしたチーチヤーだから、
271
当然
(
たうぜん
)
の
帰結
(
きけつ
)
ですワ。
272
アハヽヽヽ』
273
石熊
(
いしくま
)
『
帰結
(
きけつ
)
も
転
(
こ
)
けつもあつたものかい。
274
コレつぱかしの
急坂
(
きふはん
)
に、
275
こけつ
輾
(
まろ
)
びつと
云
(
い
)
ふ
豪傑
(
がうけつ
)
だからなア』
276
カール『ケツはケツだが、
277
ジヤンヂヤヒエールの
英傑
(
えいけつ
)
だ。
278
人民
(
じんみん
)
の
分際
(
ぶんざい
)
として、
279
ケツケツ
云
(
い
)
ふない』
280
末子
(
すゑこ
)
『オホヽヽヽ、
281
顕恩郷
(
けんおんきやう
)
を
出発
(
しゆつぱつ
)
以来
(
いらい
)
、
282
今日
(
けふ
)
位
(
くらゐ
)
愉快
(
ゆくわい
)
な
思
(
おも
)
ひをした
事
(
こと
)
はありませぬ。
283
……
併
(
しか
)
しカールさま、
284
あなた
最前
(
さいぜん
)
巽
(
たつみ
)
の
池
(
いけ
)
とかに、
285
乾
(
いぬゐ
)
の
池
(
いけ
)
の
大蛇
(
をろち
)
の
片割
(
かたわ
)
れが
潜
(
ひそ
)
んでゐて、
286
国民
(
こくみん
)
に
害
(
がい
)
を
与
(
あた
)
へるとか
仰有
(
おつしや
)
いましたねえ』
287
カール『ハイ、
288
是
(
これ
)
から
三
(
さん
)
里
(
り
)
許
(
ばか
)
り
南
(
みなみ
)
へ
参
(
まゐ
)
りますと、
289
大変
(
たいへん
)
な
深
(
ふか
)
い
広
(
ひろ
)
い
池
(
いけ
)
が
御座
(
ござ
)
います。
290
そこに
大蛇
(
をろち
)
の
魔神
(
まがみ
)
が
何時
(
いつ
)
の
程
(
ほど
)
にか
棲処
(
すみか
)
を
致
(
いた
)
し、
291
通
(
とほ
)
りかかりの
若
(
わか
)
い
男
(
をとこ
)
を
見
(
み
)
ると、
292
直
(
すぐ
)
に
妙齢
(
めうれい
)
の
美人
(
びじん
)
と
変化
(
へんくわ
)
し、
293
甘
(
うま
)
く
偽
(
いつは
)
つて
池
(
いけ
)
の
中
(
なか
)
へ
連
(
つ
)
れ
込
(
こ
)
み
呑
(
の
)
んで
了
(
しま
)
ふのです。
294
大蛇
(
をろち
)
の
為
(
ため
)
に
生命
(
いのち
)
を
取
(
と
)
られた
者
(
もの
)
は
幾百
(
いくひやく
)
人
(
にん
)
あるか
分
(
わか
)
りませぬ。
295
それで
貴女
(
あなた
)
に
一
(
ひと
)
つ
御
(
お
)
願
(
ねがひ
)
したいと
思
(
おも
)
ふので
御座
(
ござ
)
います』
296
末子
(
すゑこ
)
『それは
面白
(
おもしろ
)
う
御座
(
ござ
)
いませう。
297
今晩
(
こんばん
)
はここで
雨宿
(
あまやど
)
りを
致
(
いた
)
しまして、
298
明朝
(
みやうてう
)
早々
(
さうさう
)
巽
(
たつみ
)
の
池
(
いけ
)
へ
立寄
(
たちよ
)
り、
299
言霊戦
(
ことたません
)
を
始
(
はじ
)
めて
見
(
み
)
ませう。
300
……
捨子姫
(
すてこひめ
)
さま、
301
あなた
如何
(
どう
)
思
(
おも
)
ひますか?』
302
捨子
(
すてこ
)
『
至極
(
しごく
)
賛成
(
さんせい
)
です。
303
明日
(
あす
)
の
日
(
ひ
)
を
楽
(
たの
)
しんで、
304
今宵
(
こよひ
)
は
此処
(
ここ
)
で
待
(
ま
)
つことに
致
(
いた
)
しませう』
305
カール『
早速
(
さつそく
)
の
御
(
ご
)
承知
(
しようち
)
、
306
有難
(
ありがた
)
う
御座
(
ござ
)
います。
307
……オイ
石熊
(
いしくま
)
さま、
308
お
前
(
まへ
)
は
又
(
また
)
強直
(
きやうちよく
)
状態
(
じやうたい
)
になつて
了
(
しま
)
うと、
309
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
だから、
310
免除
(
めんぢよ
)
する
事
(
こと
)
にしてやらう』
311
石熊
(
いしくま
)
『モシ、
312
お
二方
(
ふたかた
)
様
(
さま
)
……どうぞ
私
(
わたくし
)
も
見学
(
けんがく
)
の
為
(
ため
)
、
313
随行
(
ずゐかう
)
さして
下
(
くだ
)
さいませぬか』
314
末子
(
すゑこ
)
『どうぞ
跟
(
つ
)
いて
来
(
き
)
て
下
(
くだ
)
さい』
315
石熊
(
いしくま
)
『
有難
(
ありがた
)
う
御座
(
ござ
)
います。
316
私
(
わたくし
)
も
明日
(
あす
)
は
千騎
(
せんき
)
一騎
(
いつき
)
の
活動
(
くわつどう
)
を
致
(
いた
)
しまして、
317
カールさまに
一
(
ひと
)
つビツクリさしてやらねばなりませぬからなア』
318
捨子
(
すてこ
)
『さうなさいませ』
319
茲
(
ここ
)
に
四
(
よ
)
人
(
にん
)
は
楠
(
くすのき
)
の
空
(
そら
)
を
封
(
ふう
)
じたる
密林
(
みつりん
)
に
雨露
(
うろ
)
を
凌
(
しの
)
ぎ
夜
(
よ
)
を
明
(
あ
)
かすこととなりける。
320
(
大正一一・八・一四
旧六・二二
松村真澄
録)
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【第6章 樹下の一宿|第30巻|海洋万里|霊界物語|/rm3006】
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