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霊界物語
海洋万里(第25~36巻)
第30巻(巳の巻)
序
凡例
総説
第1篇 高砂の松
第1章 主従二人
第2章 乾の滝
第3章 清めの滝
第4章 懐旧の歌
第2篇 珍野瞰下
第5章 下坂の歌
第6章 樹下の一宿
第7章 提燈の光
第8章 露の道
第3篇 神縁微妙
第9章 醜の言霊
第10章 妖雲晴
第11章 言霊の妙
第12章 マラソン競争
第13章 都入
第4篇 修理固成
第14章 霊とパン
第15章 花に嵐
第16章 荒しの森
第17章 出陣
第18章 日暮シの河
第19章 蜘蛛の児
第20章 雉と町
第5篇 山河動乱
第21章 神王の祠
第22章 大蜈蚣
第23章 ブール酒
第24章 陥穽
附記 湯ケ島温泉
附記 天津祝詞解
附記 デモ国民歌
余白歌
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霊界物語
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海洋万里(第25~36巻)
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第30巻(巳の巻)
> 第5篇 山河動乱 > 第24章 陥穽
<<< ブール酒
(B)
(N)
附記 湯ケ島温泉 >>>
第二四章
陥穽
(
おとしあな
)
〔八六六〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第30巻 海洋万里 巳の巻
篇:
第5篇 山河動乱
よみ(新仮名遣い):
さんかどうらん
章:
第24章 陥穽
よみ(新仮名遣い):
おとしあな
通し章番号:
866
口述日:
1922(大正11)年08月16日(旧06月24日)
口述場所:
筆録者:
松村真澄
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1923(大正12)年9月15日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
アナンとユーズは酔ってへべれけになった人数を引き連れて岩窟の入口にやってきたが、キジとマチに向かって、中に入って仲良く一杯やろうと声をかけるのみであった。キジとマチは、ただエスを渡せと言い、ウラル教徒たちを押し分けて岩窟内に入った。
ユズとキジは教主室に入ると、震えているブールのそっ首を捕まえて、エスを引き渡すようにと迫った。ブールは震えながら、岩窟内をキジとマチの先に立って案内する。
向こう側から酔ったアナンとユーズがやってきたが、油断していたキジとマチに千鳥足を装ってぶつかった。するとキジとマチは落とし穴に突き落とされてしまった。
陥穽に落ち込んで、しまったと思うキジとマチの上から、ブール、アナン、ユーズは嘲笑している。キジ、マチ、そしてエスの運命は如何になるだろうか。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2022-02-22 18:36:40
OBC :
rm3024
愛善世界社版:
274頁
八幡書店版:
第5輯 669頁
修補版:
校定版:
291頁
普及版:
112頁
初版:
ページ備考:
001
アナン、
002
ユーズの
領袖
(
りやうしう
)
連
(
れん
)
はヘベレケに
酔
(
ゑ
)
ひ、
003
足
(
あし
)
も
碌
(
ろく
)
に
立
(
た
)
たず、
004
舌
(
した
)
もまはらぬ
連中
(
れんちう
)
を
数多
(
あまた
)
引率
(
いんそつ
)
し、
005
石門
(
いしもん
)
のふちに
現
(
あら
)
はれ、
006
アナン『
其
(
その
)
方
(
はう
)
は
昨夜
(
さくや
)
、
007
丸木橋
(
まるきばし
)
の
畔
(
ほとり
)
に
於
(
おい
)
て
吾々
(
われわれ
)
に
抵抗
(
ていかう
)
至
(
いた
)
した
三五教
(
あななひけう
)
の
奴
(
やつ
)
だらう。
008
サア、
009
良
(
い
)
い
所
(
ところ
)
へ
来
(
き
)
やがつた。
010
今
(
いま
)
貴様
(
きさま
)
と
戦争
(
せんそう
)
したおかげで
凱旋
(
がいせん
)
祝
(
いはひ
)
の
酒宴
(
しゆえん
)
を
催
(
もよほ
)
うし、
011
俺
(
おれ
)
達
(
たち
)
は
酔
(
ゑい
)
が
廻
(
まは
)
つて
気分
(
きぶん
)
が
好
(
よ
)
い
最中
(
さいちう
)
だ。
012
何用
(
なによう
)
があつて
来
(
き
)
たのか
知
(
し
)
らぬが、
013
そんなむづかしい
顔
(
かほ
)
をしないで、
014
酒
(
さけ
)
でもくらつてゆつくりと
談判
(
だんぱん
)
をせうぢやないか?
固苦
(
かたくる
)
しいこと
許
(
ばか
)
り
言
(
い
)
つてると
命
(
いのち
)
が
縮
(
ちぢ
)
まるワ。
015
たまには
命
(
いのち
)
の
洗濯
(
せんたく
)
や
睾玉
(
きんたま
)
の
皺伸
(
しわの
)
ばしをやらないと、
016
人間
(
にんげん
)
の
様
(
やう
)
な
気持
(
きもち
)
がせぬワイ。
017
そんな
野暮
(
やぼ
)
な
顔
(
かほ
)
しないで、
018
トツトと
中
(
なか
)
へ
這入
(
はい
)
つて
機嫌
(
きげん
)
よく
一杯
(
いつぱい
)
やらぬかい』
019
キジ『
昨夜
(
さくや
)
は
脆
(
もろ
)
くも
泡
(
あわ
)
を
食
(
く
)
つて
逃
(
に
)
げ
失
(
う
)
せ、
020
到底
(
たうてい
)
正面
(
しやうめん
)
の
戦
(
たたか
)
ひにては、
021
われわれを
如何
(
いかん
)
ともすることが
出来
(
でき
)
ないと
思
(
おも
)
ひ、
022
毒酒
(
どくしゆ
)
を
呑
(
の
)
まして
俺
(
おれ
)
達
(
たち
)
をよわらせる
猾
(
ずる
)
き
考
(
かんが
)
へだらう。
023
そんな
策
(
て
)
に
乗
(
の
)
る
此
(
この
)
方
(
はう
)
ぢやないぞ。
024
ゴテゴテ
吐
(
ぬ
)
かさずに、
025
其方
(
そのはう
)
等
(
ら
)
が
押込
(
おしこ
)
めて
居
(
を
)
る
宣伝使
(
せんでんし
)
のエスを
牢獄
(
らうごく
)
から
出
(
だ
)
して、
026
俺
(
おれ
)
たちに
渡
(
わた
)
せ! グヅグヅ
吐
(
ぬ
)
かすと、
027
岩屋
(
いはや
)
退治
(
たいぢ
)
を
始
(
はじ
)
めようか』
028
マチ『サア、
029
アナン、
030
ユーズ
其
(
その
)
他
(
た
)
の
奴原
(
やつばら
)
、
031
早
(
はや
)
くエスを
此処
(
ここ
)
へ
連
(
つ
)
れて
来
(
こ
)
い!』
032
アナン『ヤイヤイ
喧
(
や
)
かましう
言
(
い
)
ふない。
033
そんなことどこかい。
034
今日
(
けふ
)
は
貴様
(
きさま
)
に
負
(
まけ
)
たおかげで、
035
結構
(
けつこう
)
な
酒
(
さけ
)
を
鱈腹
(
たらふく
)
のんで、
036
精神
(
せいしん
)
恍惚
(
くわうこつ
)
とし、
037
何
(
な
)
にもかも
忘
(
わす
)
れて
了
(
しま
)
つて、
038
極
(
ごく
)
愉快
(
ゆくわい
)
になつてる
所
(
ところ
)
だ。
039
天
(
あめ
)
が
下
(
した
)
に
酒
(
さけ
)
さへあれば、
040
別
(
べつ
)
に
敵
(
てき
)
だの
味方
(
みかた
)
だのと、
041
せせこましいことは
要
(
い
)
らない。
042
酒
(
さけ
)
程
(
ほど
)
親密
(
しんみつ
)
なものはない。
043
マア
一杯
(
いつぱい
)
這入
(
はい
)
つてやらぬかい。
044
どんなエライ
喧嘩
(
けんくわ
)
でも
和睦
(
なかなほり
)
には
酒
(
さけ
)
だい。
045
人
(
ひと
)
と
交際
(
かうさい
)
するのに
小
(
こ
)
むつかしい
牆壁
(
せうへき
)
を
設
(
まう
)
けるものぢやない。
046
世界
(
せかい
)
同胞
(
どうはう
)
主義
(
しゆぎ
)
を
盛
(
さかん
)
に
称
(
とな
)
へられる
今日
(
こんにち
)
だ。
047
マア、
048
エスはエスでエスとしておいて、
049
奥
(
おく
)
へトツトと
通
(
とほ
)
つて
呉
(
く
)
れ』
050
キジ『
貴様
(
きさま
)
はどこまでもヅーヅーしい
奴
(
やつ
)
だなア。
051
余程
(
よほど
)
俺
(
おれ
)
達
(
たち
)
二人
(
ふたり
)
が
恐
(
おそ
)
ろしいと
見
(
み
)
えるな』
052
アナン『そりやヅイ
分
(
ぶん
)
恐
(
おそ
)
ろしいよ。
053
閻魔
(
えんま
)
が
亡者
(
もうじや
)
の
帳面
(
ちやうめん
)
を
繰
(
く
)
るよな
面付
(
つらつき
)
をして、
054
やつて
来
(
く
)
るのだからなア。
055
オイ、
056
キジ
公
(
こう
)
とやら、
057
何
(
なん
)
と
云
(
い
)
ふ
七六
(
しちむ
)
つかしいシヤツ
面
(
つら
)
をして
居
(
ゐ
)
るのだ。
058
今
(
いま
)
の
内
(
うち
)
に
美顔術
(
びがんじゆつ
)
でも
施
(
ほどこ
)
しておかぬと、
059
年
(
とし
)
が
老
(
と
)
つて
皮
(
かは
)
が
固
(
かた
)
くなり、
060
皺
(
しわ
)
が
深
(
ふか
)
くなつてからは
駄目
(
だめ
)
だぞ』
061
キジ『エヽ、
062
要
(
い
)
らぬことを
云
(
い
)
ふな。
063
これから
俺
(
おれ
)
が
岩窟内
(
がんくつない
)
へふみ
込
(
こ
)
んで
直接
(
ちよくせつ
)
にエスの
所在
(
ありか
)
を
調
(
しら
)
べてやらう。
064
邪魔
(
じやま
)
いたすと
為
(
ため
)
にならぬぞ。
065
サア
来
(
こ
)
い、
066
マチ
公
(
こう
)
!』
067
と
云
(
い
)
ひ
乍
(
なが
)
ら、
068
アナン、
069
ユーズを
始
(
はじ
)
め、
070
其
(
その
)
他
(
た
)
の
者共
(
ものども
)
を
押分
(
おしわ
)
け、
071
突倒
(
つきたふ
)
し、
072
窟内
(
くつない
)
深
(
ふか
)
く
進
(
すす
)
み
入
(
い
)
り、
073
遂
(
つひ
)
には
教主
(
けうしゆ
)
ブールの
居間
(
ゐま
)
に
侵入
(
しんにふ
)
し、
074
ブルブル
慄
(
ふる
)
ひて
居
(
ゐ
)
るブールの
素首
(
そつくび
)
をグツと
握
(
にぎ
)
り、
075
キジ『サア、
076
モウ
斯
(
こ
)
うなつては
駄目
(
だめ
)
だ。
077
何
(
なに
)
をブールブール
慄
(
ふる
)
うてゐるのだ。
078
早
(
はや
)
く
宣伝使
(
せんでんし
)
のエスをここへ
出
(
だ
)
さぬか』
079
マチ『ウラル
教
(
けう
)
の
親方
(
おやかた
)
、
080
グヅグヅして
居
(
を
)
ると
生首
(
なまくび
)
を
引抜
(
ひきぬ
)
かれて
了
(
しま
)
うぞ。
081
お
前
(
まへ
)
は
何時
(
いつ
)
も
此
(
この
)
娑婆
(
しやば
)
を
穢土
(
ゑど
)
だと
云
(
い
)
ひ、
082
霊
(
みたま
)
の
国
(
くに
)
を
天国
(
てんごく
)
浄土
(
じやうど
)
と
云
(
い
)
つて、
083
憧憬
(
どうけい
)
してゐるのだから、
084
今
(
いま
)
首
(
くび
)
を
引抜
(
ひきぬ
)
かれて
霊
(
れい
)
になり、
085
天国
(
てんごく
)
へ
行
(
ゆ
)
くのは
満足
(
まんぞく
)
だらうが、
086
何程
(
なにほど
)
天国
(
てんごく
)
でも、
087
首
(
くび
)
がなくては
駄目
(
だめ
)
だ。
088
サア
早
(
はや
)
くエスの
所在
(
ありか
)
を
白状
(
はくじやう
)
せぬか』
089
ブールは
慄
(
ふる
)
ひ
乍
(
なが
)
ら、
090
ブール
『ハイ
今
(
いま
)
出
(
だ
)
させますから、
091
一寸
(
ちよつと
)
待
(
ま
)
つて
下
(
くだ
)
さい』
092
マチ『
早
(
はや
)
く
出
(
だ
)
せ、
093
出
(
だ
)
し
次第
(
しだい
)
天国
(
てんごく
)
へ
褒美
(
ほうび
)
として、
094
昇
(
のぼ
)
れる
様
(
やう
)
にしてやらう。
095
どうだ
首
(
くび
)
を
持
(
も
)
つたなり、
096
天国
(
てんごく
)
へ
死
(
し
)
んで
行
(
ゆ
)
くのは
嬉
(
うれ
)
しかろ、
097
アハヽヽヽ。
098
何
(
なん
)
と
妙
(
めう
)
な
教
(
をしへ
)
だなア。
099
人
(
ひと
)
には
死
(
し
)
んでからの
世界
(
せかい
)
が
結構
(
けつこう
)
だと
云
(
い
)
ひ
乍
(
なが
)
ら、
100
サア
自分
(
じぶん
)
が
死
(
し
)
ぬと
云
(
い
)
ふ
段取
(
だんどり
)
りになると、
101
ヤツパリ
厭
(
いや
)
だと
見
(
み
)
えて、
102
ビリビリ
慄
(
ふる
)
うて
厶
(
ござ
)
るワイ。
103
さうすりやヤツパリ、
104
口
(
くち
)
と
心
(
こころ
)
と
裏表
(
うらおもて
)
のことを
言
(
い
)
つてゐるんだなア。
105
俺
(
おれ
)
達
(
たち
)
も
今迄
(
いままで
)
はウラル
教
(
けう
)
の
熱心
(
ねつしん
)
な
信者
(
しんじや
)
であり、
106
二度
(
にど
)
もここへ
参
(
まゐ
)
り、
107
お
前
(
まへ
)
をこんな
腰抜
(
こしぬけ
)
とは
知
(
し
)
らずに、
108
活神
(
いきがみ
)
さまだと
思
(
おも
)
つて
跪
(
ひざまづ
)
き
拝
(
をが
)
んで
居
(
を
)
つたかと
思
(
おも
)
へば、
109
馬鹿
(
ばか
)
らしうなつて
来
(
き
)
た。
110
サア
俺
(
おれ
)
達
(
たち
)
の
案内
(
あんない
)
をしてエスの
所在
(
ありか
)
を
知
(
し
)
らせ。
111
隠
(
かく
)
し
立
(
だ
)
てをすると
最早
(
もはや
)
了見
(
れうけん
)
はならぬぞ。
112
俺
(
おれ
)
達
(
たち
)
二人
(
ふたり
)
に
夜前
(
やぜん
)
の
様
(
やう
)
に
数百
(
すうひやく
)
人
(
にん
)
もやつて
来
(
き
)
て
泡
(
あわ
)
を
吹
(
ふ
)
き
逃
(
に
)
げ
散
(
ち
)
る
様
(
やう
)
な
弱虫
(
よわむし
)
計
(
ばか
)
り、
113
幾万
(
いくまん
)
人
(
にん
)
連
(
つ
)
れて
居
(
を
)
つたつて、
114
何
(
なに
)
なるか。
115
どれもこれも
酒
(
さけ
)
にヘベレケに
酔
(
よ
)
ひ、
116
今
(
いま
)
のザマは
何
(
なん
)
だ。
117
肝腎
(
かんじん
)
のアナンやユーズ
迄
(
まで
)
が
碌
(
ろく
)
に
舌
(
した
)
も
廻
(
まは
)
らず、
118
腰
(
こし
)
はフラフラになつて、
119
ひよろついてるぢやないか。
120
こんな
事
(
こと
)
で、
121
三五教
(
あななひけう
)
の
吾々
(
われわれ
)
に
対
(
たい
)
し、
122
挑戦
(
てうせん
)
するとは
片腹
(
かたはら
)
痛
(
いた
)
い』
123
ブール『
仕方
(
しかた
)
がありませぬ。
124
吾々
(
われわれ
)
の
命
(
いのち
)
さへ
助
(
たす
)
けて
下
(
くだ
)
さらば、
125
エスを
渡
(
わた
)
しませう』
126
と
先
(
さき
)
に
立
(
た
)
つて
行
(
ゆ
)
く。
127
二人
(
ふたり
)
はブールを
見失
(
みうしな
)
はじと
飛耳
(
ひじ
)
張目
(
ちやうもく
)
十二分
(
じふにぶん
)
の
注意
(
ちうい
)
を
払
(
はら
)
つて
岩窟内
(
がんくつない
)
を
進
(
すす
)
んで
行
(
ゆ
)
く。
128
向
(
むか
)
うよりアナン、
129
ユーズの
両人
(
りやうにん
)
はヒヨロヒヨロし
乍
(
なが
)
ら
巻舌
(
まきじた
)
になり、
130
アナンはキジ
公
(
こう
)
に、
131
ユーズはマチ
公
(
こう
)
にワザとにぶつかつた。
132
其
(
その
)
途端
(
とたん
)
に、
133
二足
(
ふたあし
)
三足
(
みあし
)
ヒヨロヒヨロとひよろつき、
134
深
(
ふか
)
き
企
(
たく
)
みの
陥穽
(
おとしあな
)
に
脆
(
もろ
)
くも
落込
(
おちこ
)
んで
了
(
しま
)
つた。
135
『サア
失敗
(
しま
)
つた!』とキジ、
136
マチの
二人
(
ふたり
)
は
陥穽
(
おとしあな
)
の
中
(
なか
)
で
無念
(
むねん
)
の
歯
(
は
)
がみをなし、
137
一生
(
いつしやう
)
懸命
(
けんめい
)
に
神言
(
かみごと
)
を
唱
(
とな
)
へて
居
(
ゐ
)
る。
138
ブールは
陥穽
(
おとしあな
)
を
覗
(
のぞ
)
き
込
(
こ
)
み、
139
さも
愉快
(
ゆくわい
)
げに、
140
ブール『アハヽヽヽ、
141
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
乍
(
なが
)
ら、
142
万劫
(
まんがふ
)
末代
(
まつだい
)
、
143
穴
(
あな
)
の
底
(
そこ
)
で
木乃伊
(
みいら
)
になる
所
(
とこ
)
まで
辛抱
(
しんばう
)
したがよからう』
144
アナン、
145
ユーズの
両人
(
りやうにん
)
は
二人
(
ふたり
)
の
落
(
お
)
ちた
穴
(
あな
)
を
互
(
たがひ
)
に
覗
(
のぞ
)
き
込
(
こ
)
み、
146
アナン、ユーズ
『ワハヽヽヽ、
147
ても
心地
(
ここち
)
よいことだなア』
148
と
罵詈
(
ばり
)
嘲笑
(
てうせう
)
を
逞
(
たくま
)
しくして
居
(
ゐ
)
る。
149
エスを
始
(
はじ
)
めキジ、
150
マチの
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
運命
(
うんめい
)
は
果
(
はた
)
して
如何
(
いかが
)
なり
行
(
ゆ
)
くならむか。
151
(
大正一一・八・一六
旧六・二四
松村真澄
録)
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