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霊界物語
海洋万里(第25~36巻)
第30巻(巳の巻)
序
凡例
総説
第1篇 高砂の松
第1章 主従二人
第2章 乾の滝
第3章 清めの滝
第4章 懐旧の歌
第2篇 珍野瞰下
第5章 下坂の歌
第6章 樹下の一宿
第7章 提燈の光
第8章 露の道
第3篇 神縁微妙
第9章 醜の言霊
第10章 妖雲晴
第11章 言霊の妙
第12章 マラソン競争
第13章 都入
第4篇 修理固成
第14章 霊とパン
第15章 花に嵐
第16章 荒しの森
第17章 出陣
第18章 日暮シの河
第19章 蜘蛛の児
第20章 雉と町
第5篇 山河動乱
第21章 神王の祠
第22章 大蜈蚣
第23章 ブール酒
第24章 陥穽
附記 湯ケ島温泉
附記 天津祝詞解
附記 デモ国民歌
余白歌
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霊界物語
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海洋万里(第25~36巻)
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第30巻(巳の巻)
> 第3篇 神縁微妙 > 第12章 マラソン競争
<<< 言霊の妙
(B)
(N)
都入 >>>
第一二章 マラソン
競争
(
きやうそう
)
〔八五四〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第30巻 海洋万里 巳の巻
篇:
第3篇 神縁微妙
よみ(新仮名遣い):
しんえんびみょう
章:
第12章 マラソン競争
よみ(新仮名遣い):
まらそんきょうそう
通し章番号:
854
口述日:
1922(大正11)年08月15日(旧06月23日)
口述場所:
筆録者:
松村真澄
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1923(大正12)年9月15日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
末子姫、捨子姫、カール、石熊と、一行を迎えに来た春公、幾公、鷹公の七人は、巽の池の竜神を解脱せしめ、今後この池に再び竜神が棲んで人々を苦しめることがないように深く鎮魂を施した。
一行はいよいよ珍の都に向かって進んで行く。このとき、不思議にも左右違っていたカールの足の長さは、いつの間にか長短そろい、歩行が容易になっていた。しかしカールは少しもそのことに気付いていなかった。
末子姫は天津祝詞を奏上し天の数歌を歌い上げ、先に立って進み始めた。石熊は、なぜか足が立たなくなっていたので皆を呼び止めて助けを求めた。末子姫は、時節が来ればきっと立つようになる、不言実行だと諭した。
カールは残って石熊の足を立たせようとすることになり、他の一行は先に珍の都に向かって出発することになった。カールは、バラモン教に潜入していたときに石熊に世話になったのだから、恩返しとして何とか足を立たせてやろうと祈念を凝らし始めた。
カールは天の数歌を歌いながら石熊の足を撫で、言霊歌を歌い始めた。カールは滑稽な歌で石熊の改心と足の平癒を祈願していたが、最後には石熊をからかい、置いてさっさと先に逃げだした。
石熊は歯噛みをしながらも、怒りにまぎれて足の痛みを忘れ、立ってカールを追いかけ始めた。追いかけているうちに石熊は、わざと自分を怒らせて足を立たせてくれたカールの心を悟り、お礼を言おうとカールを呼ばわりながら走っていく。
カールは都についたらとっくり聞かせてやろうと先に走って行く。二人はマラソン競争のように都に向かって走っていった。
これこそ、カールが大神に教えられた神策を実地に活用させた働きであった。二人は珍の都に着くと、互いに胸を割って慈愛の神の御心を語り合い、感謝するのであった。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2022-01-28 20:06:57
OBC :
rm3012
愛善世界社版:
138頁
八幡書店版:
第5輯 621頁
修補版:
校定版:
148頁
普及版:
53頁
初版:
ページ備考:
001
茲
(
ここ
)
に
末子姫
(
すゑこひめ
)
は
捨子姫
(
すてこひめ
)
、
002
カール、
003
春公
(
はるこう
)
、
004
幾公
(
いくこう
)
、
005
鷹公
(
たかこう
)
、
006
石熊
(
いしくま
)
の
一行
(
いつかう
)
と
共
(
とも
)
に
芽出
(
めで
)
たく
巽
(
たつみ
)
の
池
(
いけ
)
の
大蛇
(
をろち
)
を
言向
(
ことむ
)
け
和
(
やは
)
し、
007
解脱
(
げだつ
)
せしめ、
008
池
(
いけ
)
に
向
(
むか
)
つて
感謝
(
かんしや
)
の
詞
(
ことば
)
を
述
(
の
)
べ、
009
向後
(
こうご
)
決
(
けつ
)
して
此
(
この
)
池
(
いけ
)
に、
010
従前
(
じゆうぜん
)
の
如
(
ごと
)
き
竜蛇神
(
りうじやしん
)
の
棲居
(
せいきよ
)
して、
011
世人
(
よびと
)
を
苦
(
くるし
)
めざる
様
(
やう
)
と
深
(
ふか
)
く
鎮魂
(
ちんこん
)
を
修
(
しう
)
し、
012
災
(
わざはひ
)
を
封
(
ふう
)
じおき、
013
いよいよ
珍
(
うづ
)
の
都
(
みやこ
)
に
向
(
むか
)
つて
進
(
すす
)
むこととなりにけり。
014
此
(
この
)
時
(
とき
)
不思議
(
ふしぎ
)
にもカールの
足
(
あし
)
の
長短
(
ちやうたん
)
は
何時
(
いつ
)
の
間
(
ま
)
にか
両足
(
りやうあし
)
相揃
(
あひそろ
)
ひ、
015
行歩
(
かうほ
)
極
(
きは
)
めて
容易
(
ようい
)
になつてゐた。
016
されどカールは
少
(
すこ
)
しも
気付
(
きづ
)
かず、
017
依然
(
いぜん
)
として
跛
(
びつこ
)
の
不具者
(
かたは
)
と
信
(
しん
)
じてゐるものの
如
(
ごと
)
くであつた。
018
末子姫
(
すゑこひめ
)
は
天津
(
あまつ
)
祝詞
(
のりと
)
を
奏上
(
そうじやう
)
し、
019
天
(
あま
)
の
数歌
(
かずうた
)
を
歌
(
うた
)
ひ
上
(
あ
)
げ、
020
一同
(
いちどう
)
に
向
(
むか
)
ひ、
021
末子姫
(
すゑこひめ
)
『サア
皆様
(
みなさま
)
、
022
御
(
ご
)
苦労
(
くらう
)
で
御座
(
ござ
)
いました。
023
これからボツボツと
参
(
まゐ
)
りませう』
024
と
先
(
さき
)
に
立
(
た
)
つて
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く。
025
石熊
(
いしくま
)
『モシモシ
皆様
(
みなさま
)
!
待
(
ま
)
つて
下
(
くだ
)
さい。
026
どうしたものか、
027
チツとも
足
(
あし
)
が
動
(
うご
)
かなくなりました。
028
どうぞ
鎮魂
(
ちんこん
)
をして
下
(
くだ
)
さいませ。
029
何
(
なん
)
だか
締
(
しめ
)
つけられる
様
(
やう
)
で、
030
仕方
(
しかた
)
が
御座
(
ござ
)
いませぬ』
031
カール『もし、
032
末子姫
(
すゑこひめ
)
様
(
さま
)
、
033
石熊
(
いしくま
)
の
大将
(
たいしやう
)
、
034
足
(
あし
)
が
立
(
た
)
たないと
云
(
い
)
つてゐます。
035
困
(
こま
)
つた
者
(
もの
)
ですなア』
036
末子
(
すゑこ
)
『イエイエ
決
(
けつ
)
して
御
(
ご
)
心配
(
しんぱい
)
には
及
(
およ
)
びませぬ。
037
キツと
時節
(
じせつ
)
が
参
(
まゐ
)
れば、
038
立
(
た
)
つ
様
(
やう
)
になります……なア、
039
カールさま、
040
不言
(
ふげん
)
実行
(
じつかう
)
と
云
(
い
)
ふことを
御存
(
ごぞん
)
じですか?』
041
カール『ハイ、
042
分
(
わか
)
りました。
043
どうぞ、
044
そんなら
姫
(
ひめ
)
様
(
さま
)
、
045
一足
(
ひとあし
)
お
先
(
さき
)
へお
越
(
こ
)
し
下
(
くだ
)
さいませ。
046
捨子姫
(
すてこひめ
)
様
(
さま
)
も
御
(
ご
)
一緒
(
いつしよ
)
に
御
(
お
)
願
(
ねがひ
)
致
(
いた
)
します……オイ
春
(
はる
)
、
047
幾
(
いく
)
、
048
鷹
(
たか
)
の
三公
(
さんこう
)
、
049
お
前
(
まへ
)
はお
二人
(
ふたり
)
様
(
さま
)
のお
伴
(
とも
)
して
帰
(
かへ
)
つて
呉
(
く
)
れ。
050
俺
(
おれ
)
は
少
(
すこ
)
し
石熊
(
いしくま
)
の
大将
(
たいしやう
)
の
足
(
あし
)
を
直
(
なほ
)
してから
帰
(
かへ
)
るから……』
051
春
(
はる
)
『オイ、
052
カール、
053
いい
加減
(
かげん
)
にしとかぬかい。
054
余
(
あま
)
り
今迄
(
いままで
)
悪党
(
あくたう
)
なこと
計
(
ばか
)
りやつて
来
(
き
)
た
酬
(
むく
)
いで
神罰
(
しんばつ
)
が
当
(
あた
)
つたのだ。
055
お
前
(
まへ
)
がどれ
丈
(
だけ
)
言霊
(
ことたま
)
が
上手
(
じやうづ
)
でも
御
(
お
)
祈
(
いの
)
りが
立派
(
りつぱ
)
でも
駄目
(
だめ
)
だよ。
056
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
が
御
(
お
)
許
(
ゆる
)
しがなければ
到底
(
たうてい
)
足
(
あし
)
が
立
(
た
)
つ
筈
(
はず
)
がないワ。
057
余
(
あま
)
り
汚
(
けが
)
れた
身魂
(
みたま
)
だから、
058
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
がウヅの
聖地
(
せいち
)
へ
来
(
こ
)
ないようと、
059
不動
(
ふどう
)
の
金縛
(
かなしば
)
りをかけて
御座
(
ござ
)
るのだよ。
060
いい
加減
(
かげん
)
に
帰
(
かへ
)
つたらどうだ』
061
カール『そんな
訳
(
わけ
)
に
行
(
ゆ
)
くものか。
062
人
(
ひと
)
の
難儀
(
なんぎ
)
を
見
(
み
)
て、
063
それを
救
(
すく
)
はずに
帰
(
かへ
)
る
様
(
やう
)
なことで、
064
如何
(
どう
)
して
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
取次
(
とりつぎ
)
が
出来
(
でき
)
るものか。
065
何
(
なに
)
は
兎
(
と
)
もあれ
姫
(
ひめ
)
様
(
さま
)
の
御
(
ご
)
命令
(
めいれい
)
だ。
066
グツグヅ
云
(
い
)
はずに
早
(
はや
)
く
姫
(
ひめ
)
様
(
さま
)
の
御
(
お
)
伴
(
とも
)
をして
帰
(
かへ
)
つて
呉
(
く
)
れ。
067
すぐに
俺
(
おれ
)
は
追
(
お
)
ひ
付
(
つ
)
くから……』
068
春
(
はる
)
『さうか、
069
ソリヤ
実
(
じつ
)
に
感心
(
かんしん
)
な
心
(
こころ
)
になつたものだなア』
070
と
嘲
(
あざけ
)
る
様
(
やう
)
に
言
(
い
)
ひ
乍
(
なが
)
ら、
071
二人
(
ふたり
)
の
後
(
あと
)
に
従
(
したが
)
ひ、
072
ウヅの
都
(
みやこ
)
をさして
帰
(
かへ
)
り
行
(
ゆ
)
く。
073
後
(
あと
)
に
二人
(
ふたり
)
は
稍
(
やや
)
少時
(
しばし
)
、
074
水面
(
すゐめん
)
に
向
(
むか
)
つて
暗祈
(
あんき
)
黙祷
(
もくたう
)
を
続
(
つづ
)
けて
居
(
ゐ
)
た。
075
カール『オイ
石熊
(
いしくま
)
の
大将
(
たいしやう
)
!
今迄
(
いままで
)
俺
(
おれ
)
はお
前
(
まへ
)
の
弟子
(
でし
)
となつて、
076
エライお
世話
(
せわ
)
になつたものだ。
077
今日
(
けふ
)
は
其
(
その
)
御恩
(
ごおん
)
返
(
がへ
)
しと
罪亡
(
つみほろ
)
ぼしの
為
(
ため
)
に、
078
邪
(
じや
)
が
非
(
ひ
)
でもお
前
(
まへ
)
の
足
(
あし
)
を
直
(
なほ
)
して、
079
やらねばならぬ。
080
如何
(
どう
)
しても
足
(
あし
)
が
立
(
た
)
たなければ、
081
俺
(
おれ
)
が
背中
(
せなか
)
に
負
(
お
)
うてでもウヅの
都
(
みやこ
)
へ
連
(
つ
)
れて
行
(
ゆ
)
く
覚悟
(
かくご
)
だからマア
安心
(
あんしん
)
せよ』
082
石熊
(
いしくま
)
『ソリヤどうも
有難
(
ありがた
)
い。
083
苦労
(
くらう
)
をかけて
済
(
す
)
まぬなア』
084
カール『
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
は
相身互
(
あひみたがひ
)
だ。
085
さう
病気
(
びやうき
)
も
直
(
なほ
)
らない
内
(
うち
)
から
礼
(
れい
)
を
云
(
い
)
つてくれると、
086
如何
(
どう
)
云
(
い
)
つて
良
(
よ
)
いやら、
087
俺
(
おれ
)
も
返答
(
へんたふ
)
に
困
(
こま
)
つて
了
(
しま
)
ふ。
088
マアゆつくりと
気
(
き
)
をしづめたが
良
(
よ
)
からう。
089
マア
待
(
ま
)
て、
090
俺
(
おれ
)
が
是
(
これ
)
から
新規
(
しんき
)
蒔直
(
まきなほ
)
しの
言霊
(
ことたま
)
を
奏上
(
そうじやう
)
するから、
091
キツとお
前
(
まへ
)
の
足
(
あし
)
が
巽
(
たつみ
)
の
池
(
いけ
)
となるのは
受合
(
うけあひ
)
だ。
092
さうなつたら
二人
(
ふたり
)
手
(
て
)
に
手
(
て
)
を
取
(
と
)
つて
潔
(
いさぎよ
)
く
宣伝歌
(
せんでんか
)
を
謡
(
うた
)
ひ、
093
ウヅの
都
(
みやこ
)
をさしてサツサと
乾
(
いぬゐ
)
の
池
(
いけ
)
だよ。
094
水
(
みづ
)
も
洩
(
も
)
らさぬ
二人
(
ふたり
)
の
仲
(
なか
)
だ。
095
池
(
いけ
)
ないことは
互
(
たがひ
)
に
堤
(
つつみ
)
かくさず、
096
打明
(
うちあ
)
けて、
097
兄弟
(
きやうだい
)
の
如
(
ごと
)
く
親切
(
しんせつ
)
を
尽
(
つく
)
し
合
(
あ
)
はうぢやないか。
098
此
(
この
)
池
(
いけ
)
の
様
(
やう
)
に
水
(
みづ
)
がタツプリ
過
(
す
)
ぎて、
099
水臭
(
みづくさ
)
い
交際
(
かうさい
)
は
最早
(
もはや
)
改
(
あらた
)
めねばならないよ。
100
サア
是
(
これ
)
から
一
(
ひと
)
つカールさまの
生言霊
(
いくことたま
)
だ。
101
マアそこへ
足
(
あし
)
をニヨツと
出
(
だ
)
せ。
102
一
(
ひと
)
つ
鎮魂
(
ちんこん
)
を
御
(
お
)
願
(
ねがひ
)
してやらう。
103
さうして
言霊歌
(
ことたまうた
)
を
奏上
(
そうじやう
)
することにせう。
104
笑
(
わら
)
ふなよ!』
105
石熊
(
いしくま
)
『
勿体
(
もつたい
)
ない、
106
祈念
(
きねん
)
をして
貰
(
もら
)
つて
笑
(
わら
)
ふ
奴
(
やつ
)
があるものか。
107
併
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら
病気
(
びやうき
)
が
直
(
なほ
)
つたら、
108
余
(
あま
)
り
嬉
(
うれ
)
しくて、
109
笑
(
わら
)
ひ
泣
(
な
)
きをするかも
知
(
し
)
れないから、
110
夫丈
(
それだけ
)
は
前以
(
まへもつ
)
てお
断
(
ことわ
)
りをしておく』
111
カール『
嬉
(
うれ
)
し
笑
(
わら
)
ひなら、
112
ドツサリ
笑
(
わら
)
つて
呉
(
く
)
れ。
113
俺
(
おれ
)
も
手
(
て
)
を
拍
(
う
)
つて
嬉
(
うれ
)
し
笑
(
わら
)
ひをするからなア』
114
石熊
(
いしくま
)
は
池
(
いけ
)
の
畔
(
ほとり
)
の
芝生
(
しばふ
)
の
上
(
うへ
)
に
足
(
あし
)
をヌツと
揃
(
そろ
)
へ、
115
突出
(
つきだ
)
してゐる。
116
カールは
例
(
れい
)
に
依
(
よ
)
り、
117
叮嚀
(
ていねい
)
に
大腿骨
(
だいたいこつ
)
の
辺
(
あた
)
りから
爪先
(
つまさき
)
まで、
118
天
(
あま
)
の
数歌
(
かずうた
)
を
謡
(
うた
)
ひ
乍
(
なが
)
ら、
119
幾回
(
いくくわい
)
となく
撫
(
な
)
でおろし、
120
そろそろ
祈願
(
きぐわん
)
の
歌
(
うた
)
を
謡
(
うた
)
ひ
始
(
はじ
)
めた。
121
其
(
その
)
歌
(
うた
)
、
122
カール
『
天津
(
あまつ
)
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
八百万
(
やほよろづ
)
123
国津
(
くにつ
)
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
八百万
(
やほよろづ
)
124
此奴
(
こいつ
)
は
余
(
あんま
)
り
悪
(
あく
)
が
過
(
す
)
ぎた
故
(
ゆゑ
)
125
最早
(
もはや
)
運命
(
うんめい
)
は
月照彦
(
つきてるひこ
)
の
126
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
どうぞ
此
(
この
)
足
(
あし
)
を
127
カールに
直
(
なほ
)
して
下
(
くだ
)
さんせ
128
高砂島
(
たかさごじま
)
を
守
(
まも
)
ります
129
生国魂
(
いくくにたま
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
よ
130
石熊
(
いしくま
)
さまの
両足
(
りやうあし
)
が
131
一
(
いち
)
時
(
じ
)
も
早
(
はや
)
く
竜世姫
(
たつよひめ
)
132
立
(
た
)
つて
踊
(
をど
)
つてシヤンシヤンと
133
ウヅの
国
(
くに
)
へと
喜
(
よろこ
)
んで
134
勇
(
いさ
)
んで
参
(
まゐ
)
ります
様
(
やう
)
に
135
お
守
(
まも
)
りなさつて
下
(
くだ
)
さりませい
136
一
(
いち
)
時
(
じ
)
も
早
(
はや
)
く
此
(
この
)
躄
(
いざり
)
137
巽
(
たつみ
)
の
池
(
いけ
)
の
竜神
(
たつがみ
)
の
138
罪
(
つみ
)
はほどけて
天上
(
てんじやう
)
に
139
立帰
(
たちかへ
)
りました
其
(
その
)
如
(
ごと
)
く
140
忽
(
たちま
)
ち
平癒
(
へいゆ
)
さしてたべ
141
腰
(
こし
)
から
上
(
うへ
)
はどうもない
142
なぜ
此
(
この
)
足
(
あし
)
が
悪
(
わる
)
いだろ
143
ヤツパリあしき
事
(
こと
)
をした
144
深
(
ふか
)
いめぐりが
来
(
き
)
たのだろ
145
悪
(
あし
)
きを
払
(
はら
)
うて
助
(
たす
)
け
玉
(
たま
)
へ
146
転輪王
(
てんりんわう
)
ではなけれ
共
(
ども
)
147
天
(
てん
)
にまします
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
よ
148
地
(
つち
)
にまします
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
よ
149
カールが
代
(
かは
)
つて
御
(
おん
)
願
(
ねがひ
)
150
完美
(
うまら
)
に
委曲
(
つばら
)
にきこし
召
(
め
)
し
151
早
(
はや
)
く
助
(
たす
)
けて
下
(
くだ
)
さりませい
152
私
(
わたし
)
もこんな
男
(
をとこ
)
をば
153
連
(
つ
)
れにするのは
厭
(
いや
)
なれど
154
旅
(
たび
)
は
道伴
(
みちづ
)
れ
世
(
よ
)
は
情
(
なさけ
)
155
神
(
かみ
)
の
戒
(
いまし
)
め
恐
(
こは
)
い
故
(
ゆゑ
)
156
せうことなさに
介抱
(
かいほう
)
する
157
オツトドツコイ
石熊
(
いしくま
)
さま
158
これは
私
(
わたし
)
の
冗談
(
ぜうだん
)
だ
159
瓢箪
(
へうたん
)
からは
駒
(
こま
)
が
出
(
で
)
る
160
冗談
(
ぜうだん
)
からは
隙
(
ひま
)
が
出
(
で
)
る
161
灰吹
(
はひふ
)
きからは
蛇
(
じや
)
アが
出
(
で
)
る
162
一
(
いち
)
時
(
じ
)
も
早
(
はや
)
く
石熊
(
いしくま
)
に
163
憑依
(
ひようい
)
致
(
いた
)
した
悪霊
(
あくれい
)
が
164
出
(
で
)
る
様
(
やう
)
に
守
(
まも
)
つて
下
(
くだ
)
さんせ
165
此奴
(
こいつ
)
の
体
(
からだ
)
に
這入
(
はい
)
つた
以上
(
いじやう
)
166
キツと
入口
(
いりぐち
)
あるであろ
167
出口
(
でぐち
)
の
神
(
かみ
)
さま
一時
(
いつとき
)
も
168
早
(
はや
)
く
追
(
お
)
ひ
出
(
だ
)
し
下
(
くだ
)
さんせ
169
百人
(
ひやくにん
)
一首
(
いつしゆ
)
ぢやなけれ
共
(
ども
)
170
足
(
あし
)
を
痛
(
いた
)
めた
足引
(
あしびき
)
の
171
山鳥
(
やまどり
)
の
尾
(
を
)
のしだり
尾
(
を
)
の
172
長々
(
ながなが
)
しくも
何時迄
(
いつまで
)
も
173
斯
(
か
)
うしてゐては
堪
(
たま
)
らない
174
どうで
罪
(
つみ
)
をば
重
(
かさ
)
ねた
男
(
をとこ
)
175
御
(
ご
)
無礼
(
ぶれい
)
の
数々
(
かずかず
)
いつとなく
176
尽
(
つく
)
しましたで
御座
(
ござ
)
いませう
177
お
腹
(
はら
)
の
立
(
た
)
つのは
尤
(
もつと
)
もぢや
178
併
(
しか
)
し
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
私
(
わたくし
)
の
179
願
(
ねがひ
)
を
容
(
い
)
れて
腹立
(
はらた
)
てず
180
足
(
あし
)
の
立
(
た
)
つよにしてお
呉
(
く
)
れ
181
夜明
(
よあ
)
けに
立
(
た
)
つは○○ぢや
182
親
(
おや
)
と
一度
(
いちど
)
に
生
(
うま
)
れたる
183
伜
(
せがれ
)
は
見
(
み
)
ん
事
(
ごと
)
立
(
た
)
つなれど
184
此奴
(
こいつ
)
の
足
(
あし
)
はどうしてか
185
容易
(
ようい
)
に
立
(
た
)
たうと
致
(
いた
)
さない
186
如何
(
いか
)
なる
罪
(
つみ
)
があらうとも
187
今度
(
こんど
)
計
(
ばか
)
りはお
助
(
たす
)
けを
188
たつて
御
(
お
)
願
(
ねがひ
)
申
(
まを
)
します
189
こりや
又
(
また
)
不思議
(
ふしぎ
)
何時
(
いつ
)
の
間
(
ま
)
に
190
俺
(
おれ
)
の
一方
(
いつぱう
)
の
長
(
なが
)
い
足
(
あし
)
191
誰
(
たれ
)
が
盗
(
ぬす
)
んで
帰
(
い
)
んだのか
192
いつの
間
(
あひだ
)
にやら
両足
(
りやうあし
)
が
193
高低
(
たかひく
)
なしに
揃
(
そろ
)
うてゐる
194
かうなる
上
(
うへ
)
は
俺
(
おれ
)
とても
195
採長
(
さいちやう
)
補短
(
ほたん
)
の
融通
(
ゆうづう
)
は
196
コレから
利
(
き
)
かすこた
出来
(
でき
)
ぬ
197
いやまて
暫
(
しば
)
し
待
(
ま
)
てしばし
198
そんな
不足
(
ふそく
)
は
云
(
い
)
はれない
199
これも
尊
(
たふと
)
き
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
が
200
一方
(
いつぱう
)
の
足
(
あし
)
を
縮
(
ちぢ
)
めたか
201
但
(
ただし
)
は
一方
(
いつぱう
)
を
伸
(
の
)
ばしたか
202
何
(
なん
)
ぢや
知
(
し
)
らぬが
嬉
(
うれ
)
しいぞ
203
心
(
こころ
)
もカールなつて
来
(
き
)
た
204
石熊
(
いしくま
)
さまよ! これ
見
(
み
)
やれ
205
誠
(
まこと
)
が
天地
(
てんち
)
に
通
(
つう
)
じたら
206
一生
(
いつしやう
)
病
(
やまひ
)
のド
跛
(
ちんば
)
も
207
いつの
間
(
ま
)
にやら
神
(
かみ
)
さまが
208
頼
(
たの
)
みもせぬのに
気
(
き
)
を
利
(
き
)
かし
209
チヤンと
直
(
なほ
)
して
下
(
くだ
)
さつた
210
お
前
(
まへ
)
の
足
(
あし
)
は
真直
(
まつすぐ
)
に
211
長
(
なが
)
い
短
(
みじか
)
いない
足
(
あし
)
だ
212
こんな
所
(
ところ
)
で
腰
(
こし
)
ぬかし
213
立
(
た
)
つも
立
(
た
)
たぬもあるものか
214
気
(
き
)
を
引立
(
ひきた
)
てて
立
(
た
)
つてみよ
215
三五教
(
あななひけう
)
の
御教
(
みをしへ
)
に
216
経
(
たて
)
と
緯
(
よこ
)
との
御
(
おん
)
仕組
(
しぐみ
)
217
艮
(
うしとら
)
鬼門
(
きもん
)
金神
(
こんじん
)
の
218
気勘
(
きかん
)
に
叶
(
かな
)
うたことなれば
219
錦
(
にしき
)
の
綾
(
あや
)
の
機
(
はた
)
をあげ
220
天晴
(
あつぱ
)
れ
神
(
かみ
)
の
太柱
(
ふとはしら
)
221
下
(
した
)
つ
岩根
(
いはね
)
に
立
(
た
)
て
通
(
とほ
)
し
222
上
(
うは
)
つ
岩根
(
いはね
)
につきこらし
223
信仰
(
しんかう
)
の
徳
(
とく
)
をつむならば
224
どんな
悪魔
(
あくま
)
もたてつかぬ
225
立
(
た
)
てよ
立
(
た
)
て
立
(
た
)
て
早
(
はや
)
く
立
(
た
)
て
226
立
(
た
)
てと
云
(
い
)
うたら
立
(
た
)
たぬかい
227
お
前
(
まへ
)
は
余程
(
よつぽど
)
腰抜
(
こしぬけ
)
だ
228
巽
(
たつみ
)
の
池
(
いけ
)
の
竜神
(
りうじん
)
の
229
あの
勢
(
いきほひ
)
に
辟易
(
へきえき
)
し
230
肝玉
(
きもだま
)
つぶして
腰
(
こし
)
をぬき
231
アタ
恥
(
はづ
)
かしい
荒男
(
あらをとこ
)
232
腰
(
こし
)
をぬかして
何
(
なん
)
とする
233
俺
(
おれ
)
のぬかすは
口
(
くち
)
計
(
ばか
)
り
234
何時
(
いつ
)
もグヅグヅ
吐
(
ぬか
)
す
奴
(
やつ
)
235
黙
(
だま
)
つて
居
(
を
)
れよと
何時
(
いつ
)
の
日
(
ひ
)
か
236
俺
(
おれ
)
を
叱
(
しか
)
つたことがあろ
237
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
238
叶
(
かな
)
はぬなれば
立
(
たち
)
あがれ
239
性
(
たち
)
のよくない
此
(
この
)
病
(
やまひ
)
240
耆婆
(
きば
)
扁鵲
(
へんじやく
)
が
現
(
あら
)
はれて
241
忽
(
たちま
)
ち
直
(
なほ
)
して
呉
(
く
)
れまいか
242
俺
(
おれ
)
の
言霊
(
ことたま
)
立所
(
たちどこ
)
に
243
御兆候
(
みしるし
)
がなければならぬ
筈
(
はず
)
244
恥
(
はづか
)
し
乍
(
なが
)
ら
是程
(
これほど
)
に
245
言霊車
(
ことたまぐるま
)
を
運転
(
うんてん
)
し
246
きばつて
見
(
み
)
れどまだ
立
(
た
)
たぬ
247
立
(
た
)
つた
立
(
た
)
つた
立
(
た
)
つた
立
(
た
)
つたラツパ
節
(
ぶし
)
248
法螺貝
(
ほらがい
)
吹
(
ふ
)
いた
其
(
その
)
酬
(
むく
)
い
249
こんな
憂目
(
うきめ
)
に
合
(
あ
)
ふのだろ
250
竜世
(
たつよ
)
の
姫
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
さまよ
251
お
前
(
まへ
)
の
水火
(
いき
)
に
生
(
うま
)
れた
子
(
こ
)
252
なぜに
立
(
た
)
たして
下
(
くだ
)
さらぬ
253
私
(
わたし
)
は
痛
(
いた
)
うも
痒
(
か
)
ゆもない
254
さは
去
(
さ
)
り
乍
(
なが
)
ら
心
(
こころ
)
の
中
(
なか
)
は
255
ホンに
歯痒
(
はがゆ
)
い
痛
(
いた
)
ましい
256
いたつて
口
(
くち
)
のやかましい
257
此
(
この
)
石熊
(
いしくま
)
も
今
(
いま
)
は
早
(
はや
)
258
往生
(
わうじやう
)
致
(
いた
)
して
居
(
を
)
りまする
259
最早
(
もはや
)
慢心
(
まんしん
)
致
(
いた
)
すまい
260
改心
(
かいしん
)
記念
(
きねん
)
に
今
(
いま
)
一度
(
いちど
)
261
足
(
あし
)
が
立
(
た
)
つよに
頼
(
たの
)
みます
262
衝
(
つ
)
き
立
(
た
)
つ
船戸
(
ふなど
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
263
御
(
おん
)
名
(
な
)
を
負
(
お
)
へる
此
(
この
)
杖
(
つゑ
)
を
264
力
(
ちから
)
にチヨツと
立
(
た
)
つて
見
(
み
)
よ
265
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
266
どうして
是程
(
これほど
)
お
前
(
まへ
)
の
病
(
やまひ
)
267
しぶとう
直
(
なほ
)
らぬ
事
(
こと
)
だらう
268
末子
(
すゑこ
)
の
姫
(
ひめ
)
の
御
(
ご
)
一行
(
いつかう
)
269
立
(
た
)
つて
行
(
ゆ
)
かれた
其
(
その
)
跡
(
あと
)
で
270
気
(
き
)
が
気
(
き
)
でならぬ
二人
(
ふたり
)
連
(
づ
)
れ
271
神
(
かみ
)
さまたつて
頼
(
たの
)
みます
272
オイオイ
石熊
(
いしくま
)
立
(
た
)
つて
見
(
み
)
よ
273
立
(
た
)
つて
立
(
た
)
てない
事
(
こと
)
はない
274
お
前
(
まへ
)
の
心
(
こころ
)
を
引立
(
ひきた
)
てて
275
誠
(
まこと
)
の
道
(
みち
)
を
立
(
た
)
て
通
(
とほ
)
し
276
猜疑
(
さいぎ
)
の
心
(
こころ
)
を
絶
(
た
)
つならば
277
キツと
此
(
この
)
足
(
あし
)
立
(
た
)
つだらう
278
たつからお
前
(
まへ
)
を
眺
(
なが
)
めても
279
横
(
よこ
)
から
見
(
み
)
ても
気
(
き
)
にくはぬ
280
ハラの
立
(
た
)
つよなスタイルだ
281
これでは
役
(
やく
)
に
立
(
た
)
つまいぞ
282
ヤレ
立
(
た
)
て ソラ
立
(
た
)
て
早
(
はや
)
う
立
(
た
)
て
283
ドツコイドツコイ ドツコイシヨ
284
転
(
こ
)
けつ
輾
(
まろ
)
びつ
気
(
き
)
を
引立
(
ひきた
)
つて
285
カールの
後
(
あと
)
に
跟
(
つ
)
いて
来
(
こ
)
い
286
最早
(
もはや
)
俺
(
おれ
)
さまは
立
(
た
)
つ
程
(
ほど
)
に
287
石熊
(
いしくま
)
さまよ
御
(
ご
)
ゆつくり
288
そこで
御
(
ご
)
隠居
(
いんきよ
)
なされませ
289
お
腹
(
はら
)
が
立
(
た
)
つかは
知
(
し
)
らね
共
(
ども
)
290
立
(
た
)
たねばならぬ
此
(
この
)
場合
(
ばあひ
)
291
早
(
はや
)
く
帰
(
かへ
)
りて
姫
(
ひめ
)
様
(
さま
)
の
292
お
役
(
やく
)
に
立
(
た
)
つが
俺
(
おれ
)
の
役
(
やく
)
293
サアサア
行
(
ゆ
)
かうサア
行
(
ゆ
)
かう
294
ドツコイドツコイ ドツコイシヨ
295
ウントコ
立
(
た
)
つたり
石熊
(
いしくま
)
さま
296
気張
(
きば
)
つて
立
(
た
)
つたり
石熊
(
いしくま
)
さま
297
左
(
ひだり
)
のお
足
(
あし
)
を
一寸
(
ちよつと
)
屈
(
かが
)
め
298
右
(
みぎ
)
の
御
(
お
)
足
(
あし
)
を
一寸
(
ちよつと
)
屈
(
かが
)
め
299
神
(
かみ
)
さま
力
(
ちから
)
に
立
(
た
)
つて
見
(
み
)
よ
300
立
(
た
)
つに
立
(
た
)
たれぬことはない
301
心
(
こころ
)
一
(
ひと
)
つの
持様
(
もちやう
)
だ
302
さらばさらば』と
立帰
(
たちかへ
)
る
303
後
(
あと
)
に
石熊
(
いしくま
)
只一人
(
ただひとり
)
304
石熊
(
いしくま
)
『オイオイカール
待
(
ま
)
つて
呉
(
く
)
れ
305
俺
(
おれ
)
達
(
たち
)
一人
(
ひとり
)
をこんな
所
(
とこ
)
に
306
捨
(
す
)
てておくのは
胴欲
(
どうよく
)
ぢや
307
こんな
無情
(
むじやう
)
な
事
(
こと
)
されて
308
腹
(
はら
)
が
立
(
た
)
たずにおかうかい
309
腹
(
はら
)
が
立
(
た
)
たずに
済
(
す
)
むものか
310
残念
(
ざんねん
)
至極
(
しごく
)
思
(
おも
)
ひ
知
(
し
)
れ』
311
無念
(
むねん
)
の
歯
(
は
)
がみし
乍
(
なが
)
らも
312
怒
(
いか
)
りにまぎれて
両足
(
りやうあし
)
の
313
痛
(
いたみ
)
を
忘
(
わす
)
れて
立上
(
たちあ
)
がり
314
『コラコラカール
一寸
(
ちよつと
)
待
(
ま
)
て
315
貴様
(
きさま
)
は
誠
(
まこと
)
に
済
(
す
)
まぬ
奴
(
やつ
)
316
コレから
素首
(
そつくび
)
引抜
(
ひきぬ
)
いて
317
命
(
いのち
)
を
取
(
と
)
らねばおかうか』と
318
尻
(
しり
)
ひつからげドンドンと
319
カールの
後
(
あと
)
を
追
(
お
)
うて
行
(
ゆ
)
く。
320
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
321
神
(
かみ
)
の
御霊
(
みたま
)
の
幸
(
さち
)
はひて
322
カールの
願
(
ねがひ
)
も
竜世姫
(
たつよひめ
)
323
完美
(
うまら
)
に
委曲
(
つばら
)
に
聞
(
きこ
)
し
召
(
め
)
し
324
助
(
たす
)
け
玉
(
たま
)
ひし
有難
(
ありがた
)
さ
325
足
(
あし
)
の
立
(
た
)
つたる
石熊
(
いしくま
)
は
326
始
(
はじ
)
めて
天地
(
てんち
)
の
神徳
(
しんとく
)
を
327
悟
(
さと
)
ると
共
(
とも
)
に
逃
(
にげ
)
て
行
(
ゆ
)
く
328
カールの
心
(
こころ
)
を
能
(
よ
)
く
悟
(
さと
)
り
329
忽
(
たちま
)
ち
両手
(
りやうて
)
を
合
(
あは
)
せつつ
330
『コレコレカール
待
(
ま
)
つて
呉
(
く
)
れ
331
お
前
(
まへ
)
のおかげで
立
(
た
)
ちました
332
忽
(
たちま
)
ち
神徳
(
しんとく
)
現
(
あら
)
はれて
333
俺
(
おれ
)
の
体
(
からだ
)
は
此
(
この
)
通
(
とほ
)
り
334
決
(
けつ
)
してお
前
(
まへ
)
を
恨
(
うら
)
まない
335
一口
(
ひとくち
)
お
前
(
まへ
)
に
追
(
お
)
ひついて
336
今
(
いま
)
の
御
(
お
)
礼
(
れい
)
が
申
(
まを
)
したい
337
たつて
頼
(
たの
)
みぢや
待
(
ま
)
つて
呉
(
く
)
れ』
338
声
(
こゑ
)
を
限
(
かぎ
)
りにドンドンと
339
後
(
あと
)
おつかけて
走
(
はし
)
り
行
(
ゆ
)
く
340
カールは
後
(
あと
)
を
振返
(
ふりかへ
)
り
341
カール『ここまで
厶
(
ござ
)
れ
早
(
はや
)
厶
(
ござ
)
れ
342
甘酒
(
あまざけ
)
飲
(
の
)
まして
上
(
あ
)
げませう
343
ウヅの
都
(
みやこ
)
に
末子姫
(
すゑこひめ
)
344
捨子
(
すてこ
)
の
姫
(
ひめ
)
の
両人
(
りやうにん
)
が
345
首
(
くび
)
を
伸
(
のば
)
して
待
(
ま
)
つて
御座
(
ござ
)
る
346
お
前
(
まへ
)
の
様
(
やう
)
なヒヨツトコに
347
話
(
はなし
)
する
間
(
ま
)
があるものか
348
用
(
よう
)
があるなら
従
(
つ
)
いて
来
(
こ
)
い
349
ウヅの
都
(
みやこ
)
でトツクリと
350
お
前
(
まへ
)
の
合点
(
がてん
)
が
行
(
ゆ
)
く
様
(
やう
)
に
351
詳
(
くは
)
しう
説明
(
せつめい
)
してやらう
352
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
353
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はひましませ』と
354
二人
(
ふたり
)
はマラソン
競争
(
きやうそう
)
の
355
決勝点
(
けつしようてん
)
を
競
(
きそ
)
ふよに
356
大地
(
だいち
)
を
威喝
(
ゐかつ
)
させ
乍
(
なが
)
ら
357
阿修羅
(
あしうら
)
の
荒
(
あれ
)
たる
勢
(
いきほひ
)
で
358
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
くこそ
勇
(
いさ
)
ましき。
359
これぞカールが
大神
(
おほかみ
)
に
360
教
(
をし
)
へられたる
神策
(
しんさく
)
を
361
実地
(
じつち
)
に
活用
(
くわつよう
)
致
(
いた
)
したる
362
千変
(
せんぺん
)
万化
(
ばんくわ
)
の
働
(
はたら
)
きぞ
363
いよいよ
茲
(
ここ
)
に
両人
(
りやうにん
)
は
364
ウヅの
都
(
みやこ
)
に
安着
(
あんちやく
)
し
365
互
(
たがひ
)
に
胸
(
むね
)
を
打割
(
うちわ
)
つて
366
慈愛
(
じあい
)
の
神
(
かみ
)
の
御心
(
みこころ
)
を
367
涙
(
なみだ
)
と
共
(
とも
)
に
語
(
かた
)
り
合
(
あ
)
ひ
368
感謝
(
かんしや
)
するこそ
畏
(
かしこ
)
けれ
369
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
370
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はひましませよ。
371
(
大正一一・八・一五
旧六・二三
松村真澄
録)
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