霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一一章 言霊(ことたま)の妙(めう)〔八五三〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第30巻 海洋万里 巳の巻 篇:第3篇 神縁微妙 よみ(新仮名遣い):しんえんびみょう
章:第11章 言霊の妙 よみ(新仮名遣い):ことたまのみょう 通し章番号:853
口述日:1922(大正11)年08月15日(旧06月23日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年9月15日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]:
言霊の妙用は一声よく天地を震動し、一音よく風雨雷霆を叱咤し駆使する絶対無限の権力があるのだが、これを使用する人々の正邪によって非常な違いが出てくる。昨日まで誤った信仰を続け心がねじまがった石熊は、万有に対して少しも感動を与えないのは、実に神律の厳然として動かすことのできないことから来るのである。
捨子姫の言霊は簡単なものであったが、清明無垢の捨子姫の臍下丹田からほとばしる、万有愛護の至誠から出た言霊には、大蛇といえどもこれに抵抗する余地なく、心和らぎ、言霊の権威によって黒雲も払拭されてしまったのである。
神界最大の重宝である言霊の神器は、混濁する身魂では容易に使用することができないことがわかるのである。
末子姫は厳然として立ち上がり、凪ぎ渡った水面に向かって言葉さわやかに歌い始めた。その歌は、大神の徳を称え、改心と救いを大神に求めるようにと大蛇に促していた。
歌い終わると池の水は二つに分かれ、白竜が姿を表し、末子姫の側近く進んでくると、感謝の涙をはらはらと流し、首を垂れた。しばらくすると白竜はその体を縮小し、見えなくなってしまった。
頭上からは音楽が聞こえて来た。竜神解脱を喜び祝う天人たちが、麗しい女神の姿となった巽の池の竜神を守りつつ天空高く消えていった。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2022-01-26 18:49:20 文字数:1835 OBC :rm3011
愛善世界社版:131頁 八幡書店版:第5輯 619頁 修補版: 校定版:141頁 普及版:51頁 初版: ページ備考:
001 言霊(ことたま)の妙用(めうよう)は一声(いつせい)よく天地(てんち)を震動(しんどう)し、002一音(いちおん)よく風雨(ふうう)雷霆(らいてい)を駆使(くし)し叱咤(しつた)する絶対(ぜつたい)無限(むげん)の権力(けんりよく)あれ共(ども)、003之(これ)を使用(しよう)する人々(ひとびと)の正邪(せいじや)に依(よ)りて、004非常(ひじやう)なる径庭(けいてい)のあるものである。005昨日(きのふ)迄(まで)バラモン教(けう)を開(ひら)き、006誤(あやま)りたる信仰(しんかう)を続(つづ)け、007心(こころ)は拗(ねぢ)け、008魂(たま)は曇(くも)り、009言霊(ことたま)の曇(くも)りたる者(もの)は、010如何(いか)に完全(くわんぜん)に、011能弁(のうべん)に善言(ぜんげん)美詞(びし)を述(の)べ立(た)つればとて、012万有(ばんいう)一切(いつさい)に対(たい)し毫末(がうまつ)も、013其(その)感動(かんどう)を与(あた)へざるは、014実(じつ)に神律(しんりつ)の厳(げん)として冒(をか)す可(べか)らざる所以(ゆゑん)である。015又(また)魂(こん)よく研(みが)け慈愛(じあい)に富(と)み、016心中(しんちう)常(つね)に寛容(くわんよう)の徳(とく)ある捨子姫(すてこひめ)の言霊(ことたま)は、017前者(ぜんしや)に比(ひ)して極(きは)めて簡単(かんたん)なものであつた。018されど暴悪(ばうあく)無道(ぶだう)の醜(しこ)の大蛇(をろち)も、019厳(げん)として動(うご)かす可(べか)らざる捨子姫(すてこひめ)の清明(せいめい)無垢(むく)の臍下(さいか)丹田(たんでん)より迸(ほとばし)れる万有(ばんいう)愛護(あいご)の至誠(しせい)より出(い)でたる言霊(ことたま)には、020如何(いか)に頑強(ぐわんきやう)なる邪神(じやしん)と雖(いへど)も、021到底(たうてい)之(こ)れに抵抗(ていかう)するの余地(よち)なく、022漸(やうや)く心(こころ)和(やは)らぎ、023浪(なみ)静(しづ)まり、024雨(あめ)は止(や)みあたりを包(つつ)む黒雲(くろくも)も次第(しだい)に、025言霊(ことたま)の権威(けんゐ)に依(よ)つて払拭(ふつしき)されて了(しま)つたのである。026これにしても神界(しんかい)の最大(さいだい)重宝(ぢうはう)たる言霊(ことたま)の神器(しんき)は、027混濁(こんだく)せる身魂(みたま)の容易(ようい)に使用(しよう)し得(う)可(べ)からざる事(こと)を知(し)らるるであらう。028あゝ惟神(かむながら)霊(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)。
029 末子姫(すゑこひめ)は厳然(げんぜん)として立上(たちあが)り、030漸(やうや)く凪(なぎ)渡(わた)りし水面(すゐめん)に向(むか)ひ言葉(ことば)さわやかに歌(うた)ひ始(はじ)めた。031其(その)歌(うた)、
032末子姫『誠(まこと)の神(かみ)の造(つく)らしし
033此(この)天地(あめつち)の不思議(ふしぎ)さよ
034天津(あまつ)御空(みそら)は青雲(あをくも)の
035底(そこ)ひも知(し)らぬ天(あま)の川(かは)
036森羅(しんら)万象(ばんしやう)睥睨(へいげい)し
037清(きよ)く流(なが)れて果(は)てしなく
038星(ほし)の光(ひかり)はキラキラと
039永遠(とは)に輝(かがや)く美(うる)はしさ
040天津(あまつ)日(ひ)の神(かみ)東天(とうてん)に
041昇(のぼ)りましては又(また)西(にし)に
042清(きよ)き姿(すがた)を隠(かく)しまし
043夜(よ)は又(また)月(つき)の大御神(おほみかみ)
044清(きよ)き光(ひかり)を投(な)げ玉(たま)ひ
045下界(げかい)の万有(ばんいう)一切(いつさい)に
046恵(めぐみ)の露(つゆ)を垂(た)れ玉(たま)ふ
047月日(つきひ)は清(きよ)く天渡(あまわた)り
048浜(はま)の真砂(まさご)の数(かず)の如(ごと)
049光(ひかり)眩(まば)ゆき百星(ひやくせい)の
050或(あるひ)は白(しろ)く又(また)赤(あか)く
051淡(あは)き濃(こ)き色(いろ)取交(とりま)ぜて
052際涯(はてし)も知(し)らぬ大空(おほぞら)を
053飾(かざ)らせ玉(たま)ふ尊(たふと)さよ
054眼(まなこ)を転(てん)じて葦原(あしはら)の
055瑞穂(みづほ)の国(くに)を眺(なが)むれば
056山野(さんや)は青(あを)く茂(しげ)り合(あ)ひ
057野辺(のべ)の千草(ちぐさ)はまちまちに
058青(あお)赤(あか)白(しろ)黄(き)紫(むらさき)と
059咲(さ)き乱(みだ)れたる楽(たの)しさよ
060河(かは)の流(なが)れはいと清(きよ)く
061稲(いね)麦(むぎ)豆(まめ)粟(あは)黍(きび)の類(るゐ)
062所狭(ところせ)きまで稔(みの)りつつ
063味(あぢ)よき木実(このみ)は野(の)に山(やま)に
064枝(えだ)もたわわに香(かを)りけり
065天津(あまつ)御空(みそら)の神国(かみくに)を
066此(この)土(ど)の上(うへ)に相写(あひうつ)し
067四方(よも)の神人(かみびと)木(き)や草(くさ)や
068鳥(とり)獣(けだもの)や虫族(むしけら)の
069小(ちい)さきものに至(いた)る迄(まで)
070神(かみ)の御水火(みいき)をかけ玉(たま)ひ
071尊(たふと)き霊(みたま)を配(くば)らせて
072天(あめ)と地(つち)とは睦(むつ)び合(あ)ひ
073影(かげ)と日向(ひなた)は抱(いだ)き合(あ)ひ
074男子(をのこ)女子(をみな)は相睦(あひむつ)び
075上(かみ)と下(しも)とは隔(へだ)てなく
076互(たがひ)に心(こころ)を打明(うちあ)けて
077暮(くら)す此(この)世(よ)は神(かみ)の国(くに)
078高天原(たかあまはら)の活映(いきうつ)し
079天地(てんち)の合(あは)せ鏡(かがみ)ぞや
080あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
081神(かみ)の御霊(みたま)の幸(さち)はひて
082風(かぜ)吹渡(ふきわた)り荒波(あらなみ)の
083巽(たつみ)の池(いけ)に現(あ)れませる
084神(かみ)の御水火(みいき)に生(うま)れたる
085大蛇(をろち)の神(かみ)よ活神(いきがみ)よ
086汝(なれ)は神(かみ)の子(こ)神(かみ)の宮(みや)
087吾(わ)れも神(かみ)の子(こ)神(かみ)の宮(みや)
088汝(なれ)と妾(わらは)とのみならず
089山河木草(やまかはきくさ)鳥獣(とりけもの)
090大魚(おほうを)小魚(こうを)虫族(むしけら)も
091神(かみ)の恵(めぐみ)に漏(も)れざらめ
092况(ま)して尊(たふと)き汝(な)が姿(すがた)
093人(ひと)の体(からだ)にいや優(まさ)り
094いよいよ太(ふと)くいや長(なが)く
095陸(くが)にも棲(す)めば水(みづ)に棲(す)み
096雲(くも)にも乗(の)りて大空(おほぞら)を
097翔(かけ)りて昇(のぼ)る神力(しんりき)を
098生(うま)れ乍(なが)らに持(も)たせつつ
099何故(なにゆゑ)狭(せま)き此(この)池(いけ)に
100鎮(しづ)まりまして世(よ)の人(ひと)に
101悪(あし)き災(わざはひ)なし玉(たま)ふや
102神(かむ)素盞嗚(すさのをの)大神(おほかみ)が
103八洲(やしま)の国(くに)に蟠(わだかま)る
104八岐(やまた)大蛇(をろち)や醜神(しこがみ)を
105稜威(いづ)の言霊(ことたま)宣(の)べ伝(つた)へ
106伊吹(いぶき)の狭霧(さぎり)吹棄(ふきす)てて
107すべての物(もの)に安息(あんそく)を
108与(あた)へ給(たま)はる大神業(おほみわざ)
109此(この)神業(かむわざ)の一(ひと)つだも
110補(おぎな)ひ奉(まつ)り万有(ばんいう)に
111恵(めぐみ)の乳(ちち)を含(ふく)ませて
112救(すく)はむものと末子姫(すゑこひめ)
113捨子(すてこ)の姫(ひめ)を伴(ともな)ひて
114まだ十六(じふろく)の莟(つぼみ)の身(み)をば
115雨(あめ)に曬(さら)され荒風(あらかぜ)に
116梳(くしけ)づりつつ霜(しも)をふみ
117雪(ゆき)を渉(わた)りてやうやうに
118浜辺(はまべ)に着(つ)きて荒波(あらなみ)に
119猛(たけ)り狂(くる)へる和田(わだ)の原(はら)
120漸(やうや)く越(こ)えてテルの国(くに)
121テル山峠(やまたうげ)の急坂(きふはん)を
122登(のぼ)りつ下(くだ)りつ膝栗毛(ひざくりげ)
123鞭(むち)うち進(すす)む二人(ふたり)連(づ)れ
124かよわき女(をんな)の身(み)を持(も)つて
125天涯(てんがい)万里(ばんり)の此(この)島(しま)に
126渡(わた)り来(きた)るも何故(なにゆゑ)ぞ
127顕幽神(けんいうしん)の三界(さんかい)の
128身魂(みたま)を助(たす)け救(すく)ふ為(ため)
129あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
130神(かみ)の水火(いき)より生(うま)れたる
131末子(すゑこ)の姫(ひめ)の言霊(ことたま)を
132完美(うまら)に委曲(つばら)にきこしめし
133一日(ひとひ)も早(はや)く此(この)池(いけ)を
134見(み)すてて天(あめ)に昇(のぼ)りませ
135如何(いか)なる罪(つみ)のあるとても
136千座(ちくら)の置戸(おきど)を負(お)ひ玉(たま)ふ
137神(かむ)素盞嗚(すさのを)の贖(あがな)ひに
138忽(たちま)ち消(き)ゆる春(はる)の雪(ゆき)
139花(はな)は紅(くれなゐ)、葉(は)は緑(みどり)
140吾(わが)言霊(ことたま)に汝(な)が命(みこと)
141感(かん)じ玉(たま)はば今直(いますぐ)に
142此(こ)れの古巣(ふるす)を振棄(ふりす)てて
143元(もと)つ御座(みくら)に返(かへ)りませ
144あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
145御霊(みたま)幸(さち)はひましませよ』
146と歌(うた)ひ終(をは)つた。147不思議(ふしぎ)や池水(ちすゐ)は左右(さいう)にパツと開(ひら)けて、148白竜(はくりう)の姿(すがた)忽然(こつぜん)として現(あら)はれ、149末子姫(すゑこひめ)が側近(そばちか)く進(すす)み来(きた)り、150感謝(かんしや)の涙(なみだ)をハラハラと流(なが)し、151頭首(かうべ)を垂(た)れ、152暫(しば)しは身動(みうご)きもせず俯伏(ふふく)しゐる。
153 稍(やや)あつて白竜(はくりう)は其(その)体(たい)を縮小(しゆくせう)し、154遂(つひ)には目(め)に止(と)まらなくなつて了(しま)つた。155──頭上(づじやう)に聞(きこ)ゆる音楽(おんがく)の声(こゑ)、156一同(いちどう)空(そら)を仰(あふ)ぎ眺(なが)むれば、157竜神(りうじん)解脱(げだつ)の喜(よろこ)びに数多(あまた)の天人(てんにん)舞(ま)ひ下(くだ)り来(きた)り、158さも麗(うるは)しき女神(めがみ)の姿(すがた)と化(くわ)したる巽(たつみ)の池(いけ)の竜神(りうじん)を守(まも)りつつ、159天空(てんくう)高(たか)く消(き)えて行(ゆ)くのであつた。
160(大正一一・八・一五 旧六・二三 松村真澄録)
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