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第一九章 蜘蛛(くも)()〔八六一〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第30巻 海洋万里 巳の巻 篇:第4篇 修理固成 よみ(新仮名遣い):しゅうりこせい
章:第19章 蜘蛛の児 よみ(新仮名遣い):くものこ 通し章番号:861
口述日:1922(大正11)年08月16日(旧06月24日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1923(大正12)年9月15日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
国依別は武装したウラル教徒の一団を見て打ち笑い、キジとマチに、神力を与えるから二人で彼らを蹴散らして見たらどうか、と促した。
キジは腕力に、マチは機転に自信があると、国依別の提案に乗った。国依別は自分は司令官となると言って丸木橋の上に陣取り、キジとマチに、くれぐれも敵の命だけは取らないようにと念を押した。
アナンとユーズが率いる武装隊の前に、マチは暗がりのなか立ちはだかり、大音声で言依別命だと名乗った。言依別命と聞いてウラル教徒たちは早くも心の中で恐れを抱きながらも、ユーズの下知で襲い掛かった。
マチは素早く体をかわして隠れてしまうと、ウラル教徒たちは暗がりの中で同士討ちを始めてしまった。一方キジは、アナンが率いる隊に向かって立ちはだかり、国依別を名乗って怒鳴りたてた。
アナンの号令でウラル教徒たちはキジに突っ込んできたが、キジは次々に日暮シ川に取って投げてたちまち人の山を築いてしまった。
国依別は橋の上からサーチライトのように霊光を放射して、戦場を射照らしている。アナンとユーズはたまらず、退却を命じてウラル教徒たちは逃げて行った。マチとキジは国依別の元に凱旋する。国依別は、マチとキジの勇気と働きに喜んだ。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2022-02-17 18:47:31 OBC :rm3019
愛善世界社版:219頁 八幡書店版:第5輯 649頁 修補版: 校定版:234頁 普及版:88頁 初版: ページ備考:
001 幾十旒(いくじふりう)とも(わか)らぬ白旗(はくき)(よる)(かぜ)(ひるがへ)し、002旗鼓(きこ)堂々(だうだう)と、003(かは)(つつみ)両方(りやうはう)より(すす)(きた)数百(すうひやく)集団(しふだん)(なが)めて、004国依別(くによりわけ)打笑(うちわら)ひ、
005国依別『アハヽヽヽ、006マチさま、007キジさま、008面白(おもしろ)くなつて()たぢやないか。009昨夜(さくや)(あら)しの(もり)数百(すうひやく)(にん)のウラル(けう)連中(れんぢう)010吾々(われわれ)一人(ひとり)十重(とへ)二十重(はたへ)取巻(とりまき)(なが)ら、011(もろ)くも国依別(くによりわけ)言霊(ことたま)吹散(ふきち)らされて、012(くも)(かすみ)逃去(にげさ)つたウラル(けう)手合(てあひ)が、013今度(こんど)はどうやら武装(ぶさう)(ととの)捲土(けんど)重来(ぢうらい)(きよ)()よつたらしい。014なんと愉快(ゆくわい)(こと)()()たものだ。015(まへ)(たち)両人(りやうにん)は、016入信(にふしん)記念(きねん)(ため)(ひと)南北(なんぽく)(わか)れて、017両方(りやうはう)(てき)(あた)り、018縦横(じうわう)無尽(むじん)にかけ(なや)まして()たら如何(どう)だ。019(その)(かは)りに国依別(くによりわけ)無限(むげん)神力(しんりき)(あた)へるから、020万々一(まんまんいち)(まへ)(たち)不利(ふり)()たならば、021(きう)(たま)神力(しんりき)(もつ)て、022(てき)射倒(いたふ)して(しま)成算(せいさん)十分(じふぶん)にあるから、023試験(しけん)(てき)にやつて()やうではないか?』
024キジ『(ねが)うてもなき(その)言葉(ことば)025(わたくし)もテルの(くに)(おい)ては相当(さうたう)に、026神力(しんりき)はなけれ(ども)027腕力(わんりよく)(なら)(もの)なしと()はれて()豪傑(がうけつ)ですから、028こんな面白(おもしろ)機会(きくわい)はありますまい。029如何(いか)なる武器(ぶき)(もつ)()(きた)(とも)030(この)(うで)(ひと)つあれば大丈夫(だいぢやうぶ)です。031何卒(どうぞ)(わたくし)(その)(にん)(あた)らして(くだ)さい』
032マチ『(わたくし)はキジの(やう)(ちから)()りませぬが、033気転(きてん)()かす(だん)(おい)ては、034(けつ)して人後(じんご)におちない(つも)りです。035そんなら両人(りやうにん)(この)(かは)南北(なんぽく)(わか)れ、036(ひと)奮戦(ふんせん)激闘(げきとう)をやつて()ませう。037あゝ面白(おもしろ)面白(おもしろ)い、038天運(てんうん)循環(じゆんくわん)(きた)つて、039優曇華(うどんげ)(はな)()(にほ)(はる)()うたる心地(ここち)がする』
040力瘤(ちからこぶ)だらけの(うで)をまくり、041ブンブンと()りまはし、042(より)をかけて()る。
043国依(くにより)『そんなら両人(りやうにん)044(ひと)つやつて()よ……国依別(くによりわけ)司令(しれい)長官(ちやうくわん)になつて、045(この)丸木橋(まるきばし)(うへ)から戦況(せんきやう)調(しら)べる(こと)にせう。046あゝ()(つき)だ。047こんな愉快(ゆくわい)(こと)は、048滅多(めつた)にあるものぢやない。049(しか)(なが)()るべくは、050両人(りやうにん)(てき)生命(いのち)をとらない(やう)にしてくれ』
051キジ『(よろ)しい、052一人(ひとり)(のこ)らず(この)空川(からかは)(はう)りこみ、053人間(にんげん)(やま)(きづ)いてお()にかけませう』
054 ()()(うち)055ウラル(けう)大部隊(だいぶたい)最早(もはや)間近(まぢか)くなつて()た。056マチは北側(きたがは)を、057キジは南側(みなみがは)(くさ)(なか)()(ひそ)めて、058(てき)近付(ちかづ)くのを(いま)(おそ)しと、059(うで)(うな)らせ、060片唾(かたづ)()んで(ひか)えてゐる。
061 (みなみ)一隊(いつたい)はアナン(これ)(ひき)ゐ、062北側(きたがは)一隊(いつたい)はユーズ(これ)(しやう)として、063(いきほ)(すさ)まじく川辺(かはべ)(くだ)(きた)物々(ものもの)しさ。064マチは(たちま)敵前(てきぜん)(ふさ)がり大音声(だいおんじやう)
065マチ『ヤアヤア、066ウラル(けう)宣伝使(せんでんし)067それに(したが)小童(こわつぱ)(ども)068よつく()け! (われ)こそは三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)069言依別(ことよりわけの)(みこと)070御倉山(みくらやま)谷間(たにあひ)(おい)て、071(この)(はう)言霊(ことたま)神力(しんりき)(あわ)()き、072(もろ)くも()()つたる弱武者(よわむしや)(ども)073サア吾々(われわれ)神勅(しんちよく)()つて、074(なんぢ)(ここ)数多(あまた)人々(ひとびと)()きつれ、075武器(ぶき)(たづさ)へ、076()(くだ)(きた)(こと)前知(ぜんち)せしを(もつ)て、077(なんぢ)()一人(ひとり)(のこ)らず素首(そつくび)引抜(ひきぬ)き、078(なんぢ)(もつと)希求(ききう)する(れい)(くに)079天国(てんごく)引導(いんだう)(わた)してくれむ。080覚悟(かくご)(いた)せ!』
081呶鳴(どな)()てた。082ユーズは(やぶ)から(ぼう)の、083どこともなく権威(けんゐ)(みた)された(この)言霊(ことたま)辟易(へきえき)し、084数多(あまた)部下(ぶか)(ひき)ゐ、085堂々(だうだう)とここまで(すす)(きた)れる手前(てまへ)退却(たいきやく)もならず、086(とどろ)(むね)無理(むり)(おさ)へ、
087ユーズ『ナヽヽ(なん)(まを)す。088(なんぢ)体主(たいしゆ)霊従(れいじう)邪教(じやけう)(ほう)ずる言依別(ことよりわけの)(みこと)なるか。089如何(いか)獅子王(ししわう)(いきほひ)あればとて、090雲霞(うんか)(ごと)大軍(たいぐん)(むか)つて、091如何(いか)孤軍(こぐん)奮闘(ふんとう)すればとて、092(なんぢ)(ちから)(およ)(ところ)にあらず、093()らざる(こと)(いた)して、094(いのち)をすてるよりも、095神妙(しんめう)(わが)軍門(ぐんもん)(くだ)れ』
096マチ『ナニ猪口才(ちよこざい)千万(せんばん)な、097(なんぢ)こそ(それがし)(まへ)閉口(へいこう)頓首(とんしゆ)して(つみ)(しや)し、098貴重(きちよう)なる生命(せいめい)無事(ぶじ)()つて(かへ)れ。099(なんぢ)()天国(てんごく)(いた)(こと)無上(むじやう)光栄(くわうゑい)とする(もの)ならば、100一人(ひとり)(のこ)さず、101(れい)(くに)へやつてやるのはいと(やす)(こと)なれ(ども)102さう(いた)しては懲戒(ちようかい)にならぬ。103(なんぢ)(もつと)()(きら)娑婆(しやば)世界(せかい)()いて(くるし)めてやらむ、104覚悟(かくご)(いた)せ。105アハヽヽヽ』
106ユーズ『(なん)(その)(はう)(めう)(こと)(まを)(やつ)107人間(にんげん)生命(いのち)大切(たいせつ)だ。108肉体(にくたい)なくして神業(しんげふ)(つと)まると(おも)ふか。109馬鹿(ばか)(まを)せ、110(なんぢ)こそ(いま)(それがし)が、111生命(いのち)をとり、112地獄(ぢごく)引導(いんだう)(わた)してくれむ、113覚悟(かくご)(いた)せ……ヤアヤア者共(ものども)114言依別(ことよりわけ)(むか)つて()つてかかれよ』
115采配(さいはい)ふつて下知(げち)すれば、116数多(あまた)部下(ぶか)はマチ一人(ひとり)(とり)まき、117()つてかかる。118(むか)うは大勢(おほぜい)119此方(こちら)只一人(ただひとり)120すばしこくも(たい)(かわ)して、121(くさ)(しげ)みに(かく)れて(しま)つた。122大勢(おほぜい)はあわてふためき、123(たがひ)(やいば)火花(ひばな)()らし、124ケチンケチンと同士打(どうしうち)(はじ)めてゐる(その)可笑(をか)しさ。
125 (また)一方(いつぱう)南岸(なんがん)(むか)うたキジは、126アナンの引率(いんそつ)せる一部隊(いちぶたい)(むか)ひ、127(くさむら)より忽然(こつぜん)(あら)はれ、128大音声(だいおんじやう)
129キジ『ヤア(その)(はう)はウラル(けう)宣伝使(せんでんし)であらう。130(われ)こそは三五教(あななひけう)神司(かむづかさ)国依別(くによりわけ)なるぞ。131()んで()()(なつ)(むし)132()くマア()()よつたなア。133サア(これ)より(この)(はう)発射(はつしや)する言霊(ことたま)弾丸(だんぐわん)()びて、134(なんぢ)(もつと)()(きら)現界(げんかい)()天国(てんごく)(すく)(あた)へむ。135どうぢや(うれ)しいか』
136呶鳴(どな)()て、137大声(おほごゑ)(ひと)もなげに(わら)()した。138アナンは国依別(くによりわけ)()いて、139(こころ)(をのの)(なが)ら、140空元気(からげんき)()し、
141アナン『アハヽヽヽ、142(なん)(まを)す、143国依別(くによりわけ)144()けたと()せかけ御倉山(みくらやま)谷川(たにがは)(おい)逸早(いちはや)姿(すがた)をかくし、145(また)(あら)しの(もり)(おい)てワザと敗軍(はいぐん)(よそほ)ひ、146(なんぢ)をここにおびきよせむとの(われ)()計略(けいりやく)147うつかりと()てうせた痴呆者(うつけもの)148モウ()うなる(うへ)百年目(ひやくねんめ)149神妙(しんめう)(わが)軍門(ぐんもん)(くだ)るか、150ゴテゴテ(ぬか)さば、151(なんぢ)素首(そつくび)引抜(ひきぬ)いて天下(てんか)(がい)()ち、152(なんぢ)身魂(みたま)地獄(ぢごく)()ひおとしくれむ……サア部下(ぶか)者共(ものども)153国依別(くによりわけ)(むか)つて()りつけよ』
154下知(げち)すれば『オウ』と(こた)へて数多(あまた)人数(にんずう)155竹槍(たけやり)をすごき、156キジ一人(ひとり)目当(めあて)突込(つつこ)(きた)る。157キジは大手(おほで)(ひろ)げ、158()(やつ)()(やつ)159ひつ(つか)んでは日暮(ひぐら)(がは)にドツと(ばか)()()み、160(またた)(うち)数十(すうじふ)(にん)人山(ひとやま)(きづ)いた。
161 此方(こちら)のユーズの部下(ぶか)(いづ)れも長剣(ちやうけん)(もつ)(たたか)ひ、162南方(なんぱう)のアナンの部下(ぶか)(いづ)れも竹槍(たけやり)(もつ)てキジ一人(ひとり)(むか)つて(たたか)つてゐる。163されどキジの()(かか)つて、164最早(もはや)数十(すうじふ)(にん)河中(かちう)投込(なげこ)まれ、165(こし)()ち、166(あし)(くぢ)き、167(いた)さに身動(みうご)きも()せず、168(ふる)(をのの)いてゐた。169国依別(くによりわけ)丸木橋(まるきばし)(うへ)より(ゆび)をさし()べ、170サーチライトの(ごと)霊光(れいくわう)発射(はつしや)して、171(この)(ゐき)射照(いて)らしてゐる。172アナンは最早(もはや)(かな)はじと(おも)ひきや、173采配(さいはい)(うち)ふり(うち)ふり、
174アナン『退却(たいきやく)! 退却(たいきやく)!』
175連呼(れんこ)(なが)ら、176()()りバラバラに(さん)(みだ)して敗走(はいそう)する。
177 此方(こなた)ユーズは味方(みかた)同士打(どうしうち)()(うしな)ひ、178()むを()采配(さいはい)打振(うちふ)り、179(また)もや南方(なんぱう)のアナンに(なら)つて『退却(たいきやく)! 々々(たいきやく)!』と号令(がうれい)する。180(この)(こゑ)にユーズの部下(ぶか)(おも)(おも)ひに元来(もとき)(みち)(さき)(あらそ)()げて()(その)可笑(をか)しさ。181マチは(これ)(なが)めて高笑(たかわら)ひ、
182マチ『アハヽヽヽ、183(もろ)いものだなア。184(おれ)もこれ(だけ)神力(しんりき)()るとは(おも)はなかつたが、185(じつ)不思議(ふしぎ)だ。186これも(まつた)三五教(あななひけう)(かみ)(さま)()神徳(しんとく)187()いでは(かみ)(さま)のお使(つか)ひになる神魚(しんぎよ)(くら)つた(ため)でもあらう。188(じつ)有難(ありがた)いものだなア。189ドレドレ国依別(くによりわけ)(さま)戦況(せんきやう)(つぶ)さに報告(はうこく)せねばなろまい。190それに()いても何処(どこ)ともなく、191強烈(きやうれつ)なる(ひかり)(あら)はれた(とき)192(てき)(ひかり)()たれて狼狽(ろうばい)する(さま)(じつ)痛快(つうくわい)であつた』
193独言(ひとりご)ちつつ、194国依別(くによりわけ)(かたはら)意気(いき)揚々(やうやう)として(かへ)つて()た。
195 南方(なんぱう)(むか)うたキジも(また)()(ほこ)つたる面色(おももち)にて、196力瘤(ちからこぶ)だらけの(うで)(うち)ふり(なが)(かへ)(きた)り、
197キジ『宣伝使(せんでんし)(さま)198(じつ)有難(ありがた)御座(ござ)いました。199(うま)れて以来(このかた)200斯様(かやう)愉快(ゆくわい)(こと)御座(ござ)いませぬ。201(たたか)ひの最中(さいちう)202あなたより強烈(きやうれつ)なる霊光(れいくわう)(おく)つて(くだ)さつた(とき)(その)気強(きづよ)さ、203面白(おもしろ)さ、204いやモウ終生(しうせい)(わす)(べか)らざる愉快(ゆくわい)印象(いんしやう)(あた)へられました。205アハヽヽヽ』
206国依(くにより)『ヤア両人共(りやうにんども)207天晴(あつぱ)天晴(あつぱ)れお手柄(てがら)だつた。208あれ(だけ)勇気(ゆうき)があれば、209最早(もはや)三五教(あななひけう)布教者(ふけうしや)としても大丈夫(だいぢやうぶ)だ。210国依別(くによりわけ)幸福(かうふく)だ。211(なん)()弟子(でし)出来(でき)たものだなア』
212キジ『本当(ほんたう)仰有(おつしや)(とほ)り、213古今(ここん)独歩(どくぽ)神力(しんりき)充実(じゆうじつ)せるあなたに(たい)し、214斯様(かやう)英雄(えいゆう)豪傑(がうけつ)がお弟子(でし)になるのも(まつた)(かみ)(さま)のお引合(ひきあは)せでせう』
215国依(くにより)『アハヽヽヽ、216随分(ずゐぶん)()(こと)()きますねえ。217ヤア面白(おもしろ)面白(おもしろ)い、218それ(だけ)気概(きがい)がなくては駄目(だめ)だ』
219マチ『(わたくし)だつて、220ヤツパリあなたの()家来(けらい)として(あま)不適当(ふてきたう)(もの)ではありますまい。221どうです宣伝使(せんでんし)(さま)222あなたの()感想(かんさう)は……』
223国依(くにより)『アハヽヽヽ、224()ちらも(かつ)いだら(ぼう)()れる(やう)だ。225(ちから)甲乙(かふおつ)()くて面白(おもしろ)い。226マア(これ)からは慢心(まんしん)をせない(やう)心得(こころえ)て、227神界(しんかい)(ため)にドシドシと(つく)して(もら)はうかなア』
228両人(りやうにん)『ハイ承知(しようち)(いた)しました。229今日(けふ)腕試(うでだめ)しに()つて、230最早(もはや)(かみ)()加護(かご)ある(こと)(さと)つた以上(いじやう)は、231天下(てんか)何者(なにもの)をか(おそ)れむやで御座(ござ)る』
232(うで)(ゆす)つて雄健(をたけ)びする(その)可笑(をか)しさ。233国依別(くによりわけ)は……(めう)(やつ)()つて()(もの)だ……と(こころ)(ひそ)かに微笑(ほほゑ)(なが)二人(ふたり)(ともな)ひ、234()けかかる()(みち)を、235(かは)(わた)つて、236(きた)(きた)へと(あし)(はや)宣伝歌(せんでんか)(こゑ)(たか)(うた)(なが)ら、237ヒルの(みやこ)()して(すす)()く。
238 (そら)(かがや)きし(つき)(やうや)(ひか)()せ、239(ほし)次第(しだい)(かげ)(ぼつ)し、240絵絹(ゑぎぬ)(ひろ)げた(やう)(あづま)(そら)は、241(くれなゐ)(てう)(はじ)めたり。
242大正一一・八・一六 旧六・二四 松村真澄録)

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