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第71巻(戌の巻)
第72巻(亥の巻)
特別編 入蒙記
天祥地瑞
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第75巻(寅の巻)
第76巻(卯の巻)
第77巻(辰の巻)
第78巻(巳の巻)
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第30巻(巳の巻)
序
凡例
総説
第1篇 高砂の松
01 主従二人
〔843〕
02 乾の滝
〔844〕
03 清めの滝
〔845〕
04 懐旧の歌
〔846〕
第2篇 珍野瞰下
05 下坂の歌
〔847〕
06 樹下の一宿
〔848〕
07 提燈の光
〔849〕
08 露の道
〔850〕
第3篇 神縁微妙
09 醜の言霊
〔851〕
10 妖雲晴
〔852〕
11 言霊の妙
〔853〕
12 マラソン競争
〔854〕
13 都入
〔855〕
第4篇 修理固成
14 霊とパン
〔856〕
15 花に嵐
〔857〕
16 荒しの森
〔858〕
17 出陣
〔859〕
18 日暮シの河
〔860〕
19 蜘蛛の児
〔861〕
20 雉と町
〔862〕
第5篇 山河動乱
21 神王の祠
〔863〕
22 大蜈蚣
〔864〕
23 ブール酒
〔865〕
24 陥穽
〔866〕
附記 湯ケ島温泉
附記 天津祝詞解
附記 デモ国民歌
余白歌
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> 第3篇 神縁微妙 > 第10章 妖雲晴
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(B)
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第一〇章
妖雲晴
(
えううんばれ
)
〔八五二〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第30巻 海洋万里 巳の巻
篇:
第3篇 神縁微妙
よみ(新仮名遣い):
しんえんびみょう
章:
第10章 妖雲晴
よみ(新仮名遣い):
よううんばれ
通し章番号:
852
口述日:
1922(大正11)年08月15日(旧06月23日)
口述場所:
筆録者:
松村真澄
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1923(大正12)年9月15日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
石熊は、得意のときには滅茶苦茶に威張るが、弱り目になってくると顔色を真っ青にしてしまう。精神がまだ定まっていない男であった。末子姫に宣り直しを命じられ、カールの忠言を気にしながらまたしても歌い始めたが、その歌には悲哀の情が表されていた。
前の歌よりも、大蛇に語りかけて改心を願う善言美詞的な歌であったが、やはり効果を表さなかった。末子姫になぜ効果が現れないかと問われて石熊は、自分の過去の罪が深いことを大蛇に見透かされており、言霊を聞いてくれないのだと答えた。
末子姫はその心を忘れないようにと石熊を諭し、決して何々教だとか区別を言わずに大慈大悲の大神の御心を汲むことに専心し神様の御為に尽くすことが、神の道の真相であると告げた。
石熊は涙を流して今までの小さき心を捨てて精進することを末子姫に誓った。
末子姫は、石熊の後詰めとして捨子姫を指名し、大蛇に言霊戦を挑むようにと任じた。捨子姫は水面に向かって言葉涼しく言霊歌を宣りはじめた。その歌は、神から生き物が等しく受けた魂を思い、自らも神の御子であることを悟って改心するよう心から述べ奉るというものであった。
捨子姫の言霊はごく簡単なものであったが、天授の精魂清らかにして汚点も曇りもなく、真如の月が心の海に照り輝いていた。その言霊の効用は著しく現れ、荒波はやみ黒雲は晴れ渡って太陽が輝きだした。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2022-01-24 18:18:06
OBC :
rm3010
愛善世界社版:
120頁
八幡書店版:
第5輯 615頁
修補版:
校定版:
129頁
普及版:
47頁
初版:
ページ備考:
001
石熊
(
いしくま
)
は
改
(
あらた
)
めて
姿勢
(
しせい
)
を
正
(
ただ
)
し、
002
再
(
ふたた
)
び
水面
(
すゐめん
)
に
向
(
むか
)
つて、
003
言霊
(
ことたま
)
を
発射
(
はつしや
)
し
始
(
はじ
)
めた。
004
此
(
この
)
男
(
をとこ
)
は
得意
(
とくい
)
の
時
(
とき
)
には
無茶
(
むちや
)
苦茶
(
くちや
)
に
威張
(
ゐば
)
るなり、
005
少
(
すこ
)
し
弱
(
よわ
)
り
目
(
め
)
になつて
来
(
く
)
ると、
006
顔色
(
かほいろ
)
迄
(
まで
)
真青
(
まつさを
)
にかへる、
007
精神
(
せいしん
)
の
未
(
いま
)
だ
安定
(
あんてい
)
しない
男
(
をとこ
)
であつた。
008
末子姫
(
すゑこひめ
)
に
再
(
ふたた
)
び
宣
(
の
)
り
直
(
なほ
)
しを
命
(
めい
)
ぜられ、
009
且
(
かつ
)
又
(
また
)
カールの
忠言
(
ちうげん
)
を
痛
(
いた
)
く
気
(
き
)
にして
心
(
こころ
)
を
痛
(
いた
)
め
乍
(
なが
)
ら、
010
引
(
ひ
)
くに
引
(
ひ
)
かれぬ
因果腰
(
いんぐわごし
)
を
定
(
さだ
)
めて
又
(
また
)
もや
歌
(
うた
)
ひ
始
(
はじ
)
めた。
011
されど
何処
(
どこ
)
ともなしにハーモニーを
欠
(
か
)
いた
悲哀
(
ひあい
)
の
情
(
じやう
)
を
遺憾
(
ゐかん
)
なく
現
(
あら
)
はして
居
(
ゐ
)
た。
012
其
(
その
)
歌
(
うた
)
、
013
石熊
『
仰
(
あふ
)
げば
高
(
たか
)
し
久方
(
ひさかた
)
の
014
高天原
(
たかあまはら
)
に
現
(
あ
)
れませる
015
皇
(
すめ
)
大神
(
おほかみ
)
の
御言
(
みこと
)
もて
016
豊葦原
(
とよあしはら
)
の
瑞穂国
(
みづほくに
)
017
造
(
つく
)
り
固
(
かた
)
め
玉
(
たま
)
ひつつ
018
世人
(
よびと
)
の
為
(
ため
)
に
御心
(
みこころ
)
を
019
配
(
くば
)
らせ
玉
(
たま
)
ひし
国治立
(
くにはるたち
)
の
020
神
(
かみ
)
の
命
(
みこと
)
の
御
(
おん
)
仕組
(
しぐみ
)
021
普
(
あまね
)
く
世人
(
よびと
)
を
助
(
たす
)
けむと
022
三五教
(
あななひけう
)
の
御教
(
みをしへ
)
を
023
野立
(
のだち
)
の
神
(
かみ
)
と
現
(
あ
)
れまして
024
数多
(
あまた
)
の
神
(
かみ
)
を
呼
(
よ
)
びつどひ
025
開
(
ひら
)
き
玉
(
たま
)
ひし
尊
(
たふと
)
さよ
026
天照
(
あまてら
)
します
大神
(
おほかみ
)
の
027
弟神
(
おとうとがみ
)
と
現
(
あ
)
れませる
028
神
(
かむ
)
素盞嗚
(
すさのをの
)
大神
(
おほかみ
)
は
029
仁慈
(
じんじ
)
無限
(
むげん
)
の
瑞御霊
(
みづみたま
)
030
鬼
(
おに
)
や
大蛇
(
をろち
)
や
曲神
(
まがかみ
)
の
031
日々
(
ひび
)
に
悩
(
なや
)
める
苦
(
くるし
)
みを
032
生言霊
(
いくことたま
)
の
幸
(
さち
)
はひに
033
清
(
きよ
)
く
見直
(
みなほ
)
し
聞直
(
ききなほ
)
し
034
宣
(
の
)
り
直
(
なほ
)
さむと
八洲国
(
やしまくに
)
035
雨
(
あめ
)
の
晨
(
あした
)
や
風
(
かぜ
)
の
宵
(
よひ
)
036
雪
(
ゆき
)
積
(
つ
)
む
野辺
(
のべ
)
も
厭
(
いと
)
ひなく
037
遠
(
とほ
)
き
山河
(
やまかは
)
打
(
うち
)
わたり
038
大海原
(
おほうなばら
)
を
越
(
こ
)
えまして
039
森羅
(
しんら
)
万象
(
ばんしやう
)
悉
(
ことごと
)
く
040
助
(
たす
)
け
玉
(
たま
)
へる
有難
(
ありがた
)
さ
041
皇
(
すめ
)
大神
(
おほかみ
)
の
珍
(
うづ
)
の
子
(
こ
)
と
042
現
(
あら
)
はれませる
末子姫
(
すゑこひめ
)
043
乾
(
いぬゐ
)
の
滝
(
たき
)
に
現
(
あ
)
れまして
044
バラモン
教
(
けう
)
の
石熊
(
いしくま
)
が
045
大蛇
(
をろち
)
の
神
(
かみ
)
に
狙
(
ねら
)
はれて
046
命
(
いのち
)
も
危
(
あやふ
)
き
折柄
(
をりから
)
に
047
三五教
(
あななひけう
)
の
御心
(
みこころ
)
を
048
完美
(
うまら
)
に
委曲
(
つばら
)
に
現
(
あら
)
はして
049
大蛇
(
をろち
)
の
神
(
かみ
)
は
云
(
い
)
ふも
更
(
さら
)
050
此
(
この
)
石熊
(
いしくま
)
が
身魂
(
みたま
)
まで
051
合
(
あは
)
せて
救
(
すく
)
ひ
玉
(
たま
)
ひけり
052
吾
(
わ
)
れは
賤
(
いや
)
しき
人
(
ひと
)
の
身
(
み
)
の
053
天地
(
てんち
)
に
怖
(
お
)
ぢず
暗雲
(
やみくも
)
の
054
高照山
(
たかてるやま
)
の
聖域
(
せいゐき
)
に
055
館
(
やかた
)
を
構
(
かま
)
へて
世
(
よ
)
の
人
(
ひと
)
に
056
神
(
かみ
)
の
使
(
つかひ
)
と
誇
(
ほこ
)
りつつ
057
濁
(
にご
)
り
汚
(
けが
)
れし
言霊
(
ことたま
)
を
058
打出
(
うちだ
)
し
乱
(
みだ
)
す
四方
(
よも
)
の
国
(
くに
)
059
知
(
し
)
らず
知
(
し
)
らずに
悪神
(
あくがみ
)
の
060
醜
(
しこ
)
の
擒
(
とりこ
)
となりにける
061
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
062
御霊
(
みたま
)
の
幸
(
さち
)
を
蒙
(
かうむ
)
りて
063
天地
(
てんち
)
に
充
(
み
)
ちし
罪穢
(
つみけが
)
れ
064
末子
(
すゑこ
)
の
姫
(
ひめ
)
の
言霊
(
ことたま
)
に
065
伊吹
(
いぶき
)
払
(
はら
)
はれ
救
(
すく
)
はれて
066
今
(
いま
)
は
全
(
まつた
)
く
三五
(
あななひ
)
の
067
神
(
かみ
)
の
僕
(
しもべ
)
となりにけり
068
巽
(
たつみ
)
の
池
(
いけ
)
の
底
(
そこ
)
深
(
ふか
)
く
069
堅磐
(
かきは
)
常磐
(
ときは
)
に
鎮
(
しづ
)
まれる
070
大蛇
(
をろち
)
の
神
(
かみ
)
の
御
(
おん
)
前
(
まへ
)
に
071
吾
(
わ
)
れは
謹
(
つつし
)
み
畏
(
かしこ
)
みて
072
生言霊
(
いくことたま
)
を
宣
(
の
)
りまつる
073
大蛇
(
をろち
)
の
神
(
かみ
)
よ
生神
(
いきがみ
)
よ
074
汝
(
なんぢ
)
も
天地
(
てんち
)
の
皇神
(
すめかみ
)
の
075
御水火
(
みいき
)
に
生
(
あ
)
れし
神
(
かみ
)
の
御子
(
みこ
)
076
仮令
(
たとへ
)
姿
(
すがた
)
は
変
(
かは
)
る
共
(
とも
)
077
尊
(
たふと
)
き
神
(
かみ
)
の
御心
(
みこころ
)
に
078
清
(
きよ
)
き
御
(
おん
)
目
(
め
)
に
照
(
て
)
らしなば
079
いかで
差別
(
けじめ
)
のあるべきや
080
汝
(
なれ
)
も
神
(
かみ
)
の
子
(
こ
)
神
(
かみ
)
の
宮
(
みや
)
081
吾
(
わ
)
れも
神
(
かみ
)
の
子
(
こ
)
神
(
かみ
)
の
宮
(
みや
)
082
互
(
たがひ
)
に
睦
(
むつ
)
び
親
(
した
)
しみて
083
天地
(
てんち
)
の
教
(
のり
)
を
伝
(
つた
)
へたる
084
三五教
(
あななひけう
)
の
神
(
かみ
)
の
道
(
みち
)
085
開
(
ひら
)
き
玉
(
たま
)
ひし
言霊
(
ことたま
)
の
086
珍
(
うづ
)
の
力
(
ちから
)
を
味
(
あぢ
)
はひて
087
一日
(
ひとひ
)
も
早
(
はや
)
く
村肝
(
むらきも
)
の
088
心
(
こころ
)
の
岩戸
(
いはと
)
を
開
(
ひら
)
きつつ
089
月日
(
つきひ
)
の
影
(
かげ
)
も
美
(
うる
)
はしく
090
汝
(
なれ
)
が
心
(
こころ
)
に
照
(
て
)
らせかし
091
吾
(
わ
)
れは
賤
(
いや
)
しき
人
(
ひと
)
の
身
(
み
)
よ
092
汝
(
なれ
)
は
尊
(
たふと
)
き
神
(
かみ
)
の
御子
(
みこ
)
093
汝
(
なれ
)
に
向
(
むか
)
つて
言霊
(
ことたま
)
を
094
宣
(
の
)
り
伝
(
つた
)
ふべき
力
(
ちから
)
なし
095
さは
去
(
さ
)
り
乍
(
なが
)
ら
吾
(
わ
)
れも
又
(
また
)
096
尊
(
たふと
)
き
神
(
かみ
)
の
御守
(
みまも
)
りに
097
珍
(
うづ
)
の
柱
(
はしら
)
と
選
(
えら
)
ばれて
098
汝
(
なれ
)
の
霊
(
みたま
)
を
救
(
すく
)
はむと
099
遥々
(
はるばる
)
尋
(
たづ
)
ねて
来
(
きた
)
りけり
100
大蛇
(
をろち
)
の
神
(
かみ
)
よ
生神
(
いきがみ
)
よ
101
心
(
こころ
)
平
(
たひ
)
らに
安
(
やす
)
らかに
102
賤
(
いや
)
しき
者
(
もの
)
の
言霊
(
ことたま
)
を
103
さげすみ
玉
(
たま
)
はず
御心
(
みこころ
)
を
104
鎮
(
しづ
)
めて
深
(
ふか
)
く
聞
(
き
)
き
玉
(
たま
)
へ
105
これの
天地
(
てんち
)
はいと
広
(
ひろ
)
し
106
いかに
御池
(
みいけ
)
は
広
(
ひろ
)
くとも
107
いかに
水底
(
みなそこ
)
深
(
ふか
)
くとも
108
限
(
かぎ
)
りも
知
(
し
)
らぬ
大空
(
おほぞら
)
に
109
比
(
くら
)
べて
見
(
み
)
れば
此
(
この
)
池
(
いけ
)
も
110
物
(
もの
)
の
数
(
かず
)
に
這入
(
はい
)
らない
111
斯
(
か
)
かる
処
(
ところ
)
に
潜
(
ひそ
)
むより
112
天地
(
てんち
)
に
充
(
み
)
てる
言霊
(
ことたま
)
の
113
力
(
ちから
)
に
心
(
こころ
)
を
清
(
きよ
)
めまし
114
大空
(
たいくう
)
高
(
たか
)
く
翔登
(
かけのぼ
)
り
115
尊
(
たふと
)
き
神
(
かみ
)
の
右
(
みぎ
)
に
座
(
ざ
)
し
116
雨
(
あめ
)
をば
降
(
ふ
)
らせ
風
(
かぜ
)
吹
(
ふ
)
かせ
117
青人艸
(
あをひとぐさ
)
に
霑
(
うるほ
)
ひを
118
与
(
あた
)
へて
神
(
かみ
)
の
経綸
(
けいりん
)
に
119
仕
(
つか
)
ふる
神
(
かみ
)
となりませよ
120
幸
(
さいは
)
ひ
汝
(
なれ
)
の
身体
(
からたま
)
は
121
時
(
とき
)
を
得
(
え
)
ずして
池底
(
いけそこ
)
に
122
身
(
み
)
を
潜
(
ひそ
)
む
共
(
とも
)
時津風
(
ときつかぜ
)
123
吹
(
ふき
)
来
(
く
)
る
風
(
かぜ
)
は
忽
(
たちま
)
ちに
124
天地
(
てんち
)
の
間
(
あひだ
)
に
蟠
(
わだか
)
まり
125
風雨
(
ふうう
)
電雷
(
でんらい
)
叱咤
(
しつた
)
して
126
神政
(
しんせい
)
成就
(
じやうじゆ
)
守
(
まも
)
ります
127
素質
(
そしつ
)
のゐます
生神
(
いきがみ
)
ぞ
128
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
129
神
(
かみ
)
の
心
(
こころ
)
を
推
(
お
)
し
量
(
はか
)
り
130
吾
(
わが
)
言霊
(
ことたま
)
を
詳細
(
まつぶさ
)
に
131
聞
(
きこ
)
し
召
(
め
)
しませ
惟神
(
かむながら
)
132
大蛇
(
をろち
)
の
神
(
かみ
)
の
御
(
おん
)
前
(
まへ
)
に
133
三五教
(
あななひけう
)
に
仕
(
つか
)
へたる
134
神
(
かみ
)
の
僕
(
しもべ
)
の
石熊
(
いしくま
)
が
135
謹
(
つつし
)
み
敬
(
うやま
)
ひ
八平手
(
やひらで
)
を
136
拍
(
う
)
ちて
勧告
(
くわんこく
)
仕
(
つかまつ
)
る
137
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
138
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はひましませよ』
139
今度
(
こんど
)
は
最
(
もつと
)
も
叮嚀
(
ていねい
)
に
善言
(
ぜんげん
)
美詞
(
びし
)
的
(
てき
)
に
言霊
(
ことたま
)
を
宣
(
の
)
り
上
(
あ
)
げた。
140
され
共
(
ども
)
水面
(
すゐめん
)
の
光景
(
くわうけい
)
は
依然
(
いぜん
)
として
元
(
もと
)
の
如
(
ごと
)
くであつた。
141
末子姫
(
すゑこひめ
)
『
今度
(
こんど
)
のあなたの
言霊
(
ことたま
)
は
実
(
じつ
)
に
神
(
しん
)
に
入
(
い
)
り、
142
妙
(
めう
)
に
達
(
たつ
)
したと
云
(
い
)
つても
宜
(
よろ
)
しい。
143
併
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら、
144
其
(
その
)
効果
(
かうくわ
)
の
現
(
あら
)
はれないのは、
145
あなた
如何
(
どう
)
御
(
お
)
考
(
かんが
)
へなさいますか』
146
石熊
(
いしくま
)
『ハイ、
147
何
(
なん
)
と
云
(
い
)
うても
過去
(
くわこ
)
の
罪
(
つみ
)
が
深
(
ふか
)
いもので
御座
(
ござ
)
いますから、
148
大蛇
(
をろち
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
も
馬鹿
(
ばか
)
にして、
149
あの
汚
(
けが
)
らはしい
小僧
(
こぞう
)
奴
(
め
)
、
150
何
(
なに
)
を
猪口才
(
ちよこざい
)
な、
151
殊勝
(
しゆしよう
)
らし
事
(
こと
)
を
言
(
い
)
ひよるのだ!……と
云
(
い
)
ふ
様
(
やう
)
なお
心持
(
こころもち
)
で
聞
(
き
)
いて
下
(
くだ
)
さらないのでせう。
152
実
(
じつ
)
にお
恥
(
はづ
)
かしう
御座
(
ござ
)
います』
153
末子
(
すゑこ
)
『あゝさう
御
(
お
)
考
(
かんが
)
へになりましたか、
154
それは
実
(
じつ
)
に
善
(
よ
)
き
御
(
お
)
考
(
かんが
)
へで
御座
(
ござ
)
います。
155
どうぞ
其
(
その
)
心
(
こころ
)
を
忘
(
わす
)
れない
様
(
やう
)
にして
下
(
くだ
)
さい。
156
さうしてあなたは
別
(
べつ
)
に
三五教
(
あななひけう
)
にお
這入
(
はい
)
りにならなくても
宜
(
よろ
)
しい。
157
又
(
また
)
高照山
(
たかてるやま
)
とかの
立派
(
りつぱ
)
な
館
(
やかた
)
を
三五教
(
あななひけう
)
へ
献
(
たてまつ
)
るとか
仰有
(
おつしや
)
つたように
記憶
(
きおく
)
して
居
(
を
)
りますが、
158
決
(
けつ
)
してそんな
御
(
ご
)
心配
(
しんぱい
)
は
要
(
い
)
りませぬ。
159
神
(
かみ
)
さまの
誠
(
まこと
)
の
御教
(
みをしへ
)
は
左様
(
さやう
)
な
小
(
ちい
)
さい
区別
(
くべつ
)
されたものでは
御座
(
ござ
)
いませぬ。
160
三五教
(
あななひけう
)
だとか、
161
バラモン
教
(
けう
)
だとか、
162
ウラル
教
(
けう
)
だとか、
163
いろいろ
小
(
ちい
)
さき
雅号
(
ががう
)
を
拵
(
こしら
)
へ、
164
各自
(
かくじ
)
に
其
(
その
)
区劃
(
くくわく
)
の
中
(
なか
)
に
詰
(
つ
)
め
込
(
こ
)
まれて
蝸牛角上
(
くわぎうかくじやう
)
の
争
(
あらそ
)
ひをして
居
(
ゐ
)
る
様
(
やう
)
なことでは、
165
到底
(
たうてい
)
大慈
(
だいじ
)
大悲
(
だいひ
)
の
大神
(
おほかみ
)
の
御
(
ご
)
神慮
(
しんりよ
)
には
叶
(
かな
)
ひませぬ。
166
誠
(
まこと
)
の
道
(
みち
)
は
古今
(
ここん
)
に
通
(
つう
)
じ、
167
東西
(
とうざい
)
に
亘
(
わた
)
り、
168
単一
(
たんいつ
)
無雑
(
むざつ
)
にして、
169
悠久
(
いうきう
)
且
(
か
)
つ
宏大
(
くわうだい
)
な
物
(
もの
)
、
170
決
(
けつ
)
して
教会
(
けうくわい
)
とか
霊場
(
れいぢやう
)
とか、
171
左様
(
さやう
)
な
名
(
な
)
に
囚
(
とら
)
はれて
居
(
ゐ
)
る
様
(
やう
)
なことでは、
172
誠
(
まこと
)
の
神
(
かみ
)
の
御心
(
みこころ
)
は
分
(
わか
)
るものでは
御座
(
ござ
)
りませぬ。
173
あなたも
三五教
(
あななひけう
)
の
中
(
なか
)
に
宜
(
よろ
)
しい
点
(
てん
)
があるとお
認
(
みと
)
めになれば、
174
そこを
御
(
お
)
用
(
もち
)
ゐになり、
175
バラモン
教
(
けう
)
で
宜
(
よろ
)
しいから、
176
悪
(
わる
)
いと
気
(
き
)
のついた
所
(
ところ
)
は
削
(
けづ
)
り、
177
又
(
また
)
良
(
よ
)
いことがあれば、
178
誰
(
たれ
)
の
言
(
い
)
つた
言葉
(
ことば
)
でも
少
(
すこ
)
しも
構
(
かま
)
ひませぬ。
179
長
(
ちやう
)
を
採
(
と
)
り
短
(
たん
)
を
補
(
おぎな
)
ひ、
180
完全
(
くわんぜん
)
無欠
(
むけつ
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
御教
(
みをしへ
)
を
何卒
(
なにとぞ
)
天下
(
てんか
)
に
拡充
(
くわくじゆう
)
されむことを
希望
(
きばう
)
致
(
いた
)
します。
181
妾
(
わらは
)
も
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
なぞと
言
(
い
)
はれる
度
(
たび
)
毎
(
ごと
)
に、
182
何
(
なん
)
だか
狭苦
(
せまくる
)
しい
箱
(
はこ
)
の
中
(
なか
)
へでも
押込
(
おしこ
)
められる
様
(
やう
)
な
心持
(
こころもち
)
が
致
(
いた
)
しまして、
183
実
(
じつ
)
に
苦
(
くる
)
しう
御座
(
ござ
)
います。
184
すべて
神
(
かみ
)
の
教
(
をしへ
)
は
自由
(
じいう
)
自在
(
じざい
)
に
解放
(
かいはう
)
されて、
185
一
(
ひと
)
つの
束縛
(
そくばく
)
もなく、
186
惟神
(
かむながら
)
的
(
てき
)
でなくてはならないものですよ。
187
どうぞ
其
(
その
)
お
積
(
つも
)
りで
今後
(
こんご
)
は
世界
(
せかい
)
の
為
(
ため
)
に、
188
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
御
(
おん
)
為
(
ため
)
に
力
(
ちから
)
一杯
(
いつぱい
)
誠
(
まこと
)
を
御
(
お
)
尽
(
つく
)
し
下
(
くだ
)
さいませ。
189
これが
此
(
この
)
世
(
よ
)
を
造
(
つく
)
り
玉
(
たま
)
ひし
元津
(
もとつ
)
御祖
(
みおや
)
の
大神
(
おほかみ
)
、
190
国治立
(
くにはるたちの
)
命
(
みこと
)
様
(
さま
)
其
(
その
)
外
(
ほか
)
の
尊
(
たふと
)
き
神々
(
かみがみ
)
様
(
さま
)
に
対
(
たい
)
する
三五
(
あななひ
)
の
道
(
みち
)
の
真相
(
しんさう
)
で
御座
(
ござ
)
いますから……』
191
石熊
(
いしくま
)
は
涙
(
なみだ
)
をハラハラと
流
(
なが
)
し、
192
石熊
(
いしくま
)
『
如何
(
いか
)
にも
公平
(
こうへい
)
無私
(
むし
)
にして、
193
理義
(
りぎ
)
明白
(
めいはく
)
なる
姫
(
ひめ
)
様
(
さま
)
の
御
(
ご
)
教訓
(
けうくん
)
、
194
いやモウ
実
(
じつ
)
に
今日
(
けふ
)
は
結構
(
けつこう
)
な
御
(
ご
)
神徳
(
しんとく
)
を
頂
(
いただ
)
きました。
195
今後
(
こんご
)
はキツと
今迄
(
いままで
)
の
様
(
やう
)
な
小
(
ちい
)
さい
心
(
こころ
)
を
持
(
も
)
たず、
196
努
(
つと
)
めて
大神
(
おほかみ
)
様
(
さま
)
の
御心
(
みこころ
)
に
叶
(
かな
)
ひまつるべく、
197
努力
(
どりよく
)
する
考
(
かんが
)
へで
御座
(
ござ
)
います。
198
何卒
(
なにとぞ
)
御
(
お
)
見捨
(
みす
)
てなく、
199
愚者
(
おろかもの
)
の
私
(
わたし
)
、
200
御
(
ご
)
指導
(
しだう
)
の
程
(
ほど
)
幾重
(
いくへ
)
にも
念
(
ねん
)
じ
上
(
あ
)
げ
奉
(
たてまつ
)
ります』
201
と
合掌
(
がつしやう
)
し、
202
感謝
(
かんしや
)
の
涙
(
なみだ
)
に
声
(
こゑ
)
さへかすんでゐた。
203
末子
(
すゑこ
)
『モシ
捨子姫
(
すてこひめ
)
様
(
さま
)
! あなた
御
(
ご
)
苦労
(
くらう
)
ですが、
204
大蛇
(
をろち
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
に
言霊
(
ことたま
)
をお
手向
(
たむ
)
け
下
(
くだ
)
さいませぬか?
石熊
(
いしくま
)
様
(
さま
)
があの
通
(
とほ
)
りの
不結果
(
ふけつくわ
)
に
終
(
をは
)
られましたから、
205
其
(
その
)
補充
(
ほじゆう
)
として、
206
貴女
(
あなた
)
に
御
(
ご
)
奮戦
(
ふんせん
)
を
御
(
お
)
願
(
ねがひ
)
致
(
いた
)
します』
207
捨子
(
すてこ
)
『
左様
(
さやう
)
なれば、
208
仰
(
あふ
)
せに
従
(
したが
)
ひ、
209
言霊
(
ことたま
)
を
宣
(
の
)
らして
頂
(
いただ
)
きませう』
210
と
云
(
い
)
ひ
乍
(
なが
)
ら、
211
山岳
(
さんがく
)
の
如
(
ごと
)
く、
212
波
(
なみ
)
立
(
た
)
ちさわぐ
水面
(
すゐめん
)
に
向
(
むか
)
つて、
213
言葉
(
ことば
)
涼
(
すず
)
しく
清
(
きよ
)
く
言霊
(
ことたま
)
を
宣
(
の
)
り
始
(
はじ
)
めたり。
214
捨子姫
『
巽
(
たつみ
)
の
池
(
いけ
)
に
永久
(
とこしへ
)
に
215
鎮
(
しづ
)
まりゐます
生神
(
いきがみ
)
の
216
いづの
御前
(
みまへ
)
に
捨子姫
(
すてこひめ
)
217
天
(
あめ
)
と
地
(
つち
)
との
神々
(
かみがみ
)
が
218
授
(
さづ
)
け
玉
(
たま
)
ひし
言霊
(
ことたま
)
を
219
茲
(
ここ
)
に
慎
(
つつし
)
み
宣
(
の
)
りまつる
220
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
221
神
(
かみ
)
の
造
(
つく
)
りし
神
(
かみ
)
の
国
(
くに
)
222
神
(
かみ
)
の
守
(
まも
)
りし
神
(
かみ
)
の
国
(
くに
)
223
成
(
な
)
り
出
(
い
)
でませる
人艸
(
ひとぐさ
)
や
224
森羅
(
しんら
)
万象
(
ばんしやう
)
悉
(
ことごと
)
く
225
神
(
かみ
)
と
神
(
かみ
)
との
御恵
(
みめぐみ
)
を
226
受
(
う
)
けざるものはあらざらむ
227
大蛇
(
をろち
)
の
神
(
かみ
)
よ
生神
(
いきがみ
)
よ
228
神
(
かみ
)
より
受
(
う
)
けし
其
(
その
)
身魂
(
みたま
)
229
時世
(
ときよ
)
時節
(
じせつ
)
と
言
(
い
)
ひ
乍
(
なが
)
ら
230
底
(
そこ
)
ひも
知
(
し
)
れぬ
此
(
この
)
池
(
いけ
)
に
231
忍
(
しの
)
びゐますは
何故
(
なにゆゑ
)
ぞ
232
天津
(
あまつ
)
御空
(
みそら
)
もいや
高
(
たか
)
く
233
翔
(
かけ
)
りて
此
(
この
)
世
(
よ
)
を
守
(
まも
)
るべき
234
汝
(
な
)
が
身
(
み
)
は
実
(
げ
)
にも
皇神
(
すめかみ
)
の
235
珍
(
うづ
)
の
御楯
(
みたて
)
と
選
(
えら
)
ばれし
236
尊
(
たふと
)
き
身魂
(
みたま
)
にあらざるか
237
森羅
(
しんら
)
万象
(
ばんしやう
)
悉
(
ことごと
)
く
238
永遠
(
えいゑん
)
無窮
(
むきう
)
の
生命
(
せいめい
)
を
239
与
(
あた
)
へ
助
(
たす
)
くる
言霊
(
ことたま
)
の
240
神
(
かみ
)
の
御水火
(
みいき
)
を
諾
(
うべな
)
ひて
241
一日
(
ひとひ
)
も
早
(
はや
)
く
片時
(
かたとき
)
も
242
御池
(
みいけ
)
の
波
(
なみ
)
を
掻
(
か
)
き
分
(
わ
)
けて
243
天津
(
あまつ
)
御空
(
みそら
)
の
生神
(
いきがみ
)
と
244
返
(
かへ
)
らせ
玉
(
たま
)
へ
三五
(
あななひ
)
の
245
神
(
かみ
)
の
教
(
をしへ
)
に
仕
(
つか
)
へたる
246
捨子
(
すてこ
)
の
姫
(
ひめ
)
が
真心
(
まごころ
)
を
247
こめて
偏
(
ひとへ
)
に
請
(
こ
)
ひまつる
248
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
249
神
(
かみ
)
の
御霊
(
みたま
)
を
受
(
う
)
けまして
250
限
(
かぎり
)
も
知
(
し
)
れぬ
大空
(
おほそら
)
の
251
尊
(
たふと
)
き
神
(
かみ
)
と
現
(
あ
)
れませよ
252
神
(
かむ
)
素盞嗚
(
すさのをの
)
大神
(
おほかみ
)
の
253
珍
(
うづ
)
の
御子
(
みこ
)
なる
末子姫
(
すゑこひめ
)
254
其
(
その
)
言霊
(
ことたま
)
を
蒙
(
かうむ
)
りて
255
汝
(
な
)
が
身
(
み
)
に
勧
(
すす
)
め
奉
(
たてまつ
)
る
256
汝
(
な
)
が
身
(
み
)
に
勧
(
すす
)
め
奉
(
たてまつ
)
る
257
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
258
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はひましまして
259
捨子
(
すてこ
)
の
姫
(
ひめ
)
の
言霊
(
ことたま
)
を
260
空
(
そら
)
吹
(
ふ
)
く
風
(
かぜ
)
や
川
(
かは
)
の
瀬
(
せ
)
の
261
音
(
おと
)
と
見逃
(
みのが
)
し
玉
(
たま
)
ふまじ
262
大蛇
(
をろち
)
の
神
(
かみ
)
の
御
(
おん
)
前
(
まへ
)
に
263
心
(
こころ
)
をこめて
宣
(
の
)
べまつる
264
心
(
こころ
)
の
丈
(
たけ
)
を
明
(
あ
)
かしつる』
265
と
歌
(
うた
)
ひ
終
(
をは
)
つた。
266
捨子姫
(
すてこひめ
)
の
言霊
(
ことたま
)
は
極
(
きは
)
めて、
267
簡単
(
かんたん
)
なれ
共
(
ども
)
、
268
天授
(
てんじゆ
)
の
精魂
(
せいこん
)
清
(
きよ
)
らかにして、
269
一点
(
いつてん
)
の
汚点
(
をてん
)
もなく、
270
暗雲
(
あんうん
)
もなく、
271
真如
(
しんによ
)
の
月
(
つき
)
は
心
(
こころ
)
の
海
(
うみ
)
に
鏡
(
かがみ
)
の
如
(
ごと
)
く
照
(
て
)
り
輝
(
かがや
)
き
居
(
ゐ
)
たれば、
272
其
(
その
)
言霊
(
ことたま
)
の
効用
(
かうよう
)
著
(
いちじる
)
しく
現
(
あら
)
はれて、
273
さしもに
高
(
たか
)
かりし
荒波
(
あらなみ
)
は
次第
(
しだい
)
々々
(
しだい
)
に
静
(
しづ
)
まり、
274
四辺
(
あたり
)
を
包
(
つつ
)
みし
黒雲
(
くろくも
)
は
忽
(
たちま
)
ち
晴
(
は
)
れわたり、
275
マバラの
雨
(
あめ
)
は
俄
(
にはか
)
に
降
(
ふ
)
りやみ、
276
天津
(
あまつ
)
御空
(
みそら
)
には
金色
(
きんしよく
)
の
太陽
(
たいやう
)
晃々
(
くわうくわう
)
と
輝
(
かがや
)
き
始
(
はじ
)
め
玉
(
たま
)
うた。
277
あゝ
惟神
(
かむながら
)
霊
(
たま
)
幸倍
(
ちはへ
)
坐世
(
ませ
)
。
278
(
大正一一・八・一五
旧六・二三
松村真澄
録)
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