霊界物語.ネット
~出口王仁三郎 大図書館~
設定
|
ヘルプ
ホーム
霊界物語
舎身活躍(第37~48巻)
第38巻(丑の巻)
序歌
総説
第1篇 千万無量
第1章 道すがら
第2章 吉崎仙人
第3章 帰郷
第4章 誤親切
第5章 三人組
第6章 曲の猛
第7章 火事蚊
第2篇 光風霽月
第8章 三ツ巴
第9章 稍安定
第10章 思ひ出(一)
第11章 思ひ出(二)
第12章 思ひ出(三)
第3篇 冒険神験
第13章 冠島
第14章 沓島
第15章 怒濤
第16章 禁猟区
第17章 旅装
第4篇 霊火山妖
第18章 鞍馬山(一)
第19章 鞍馬山(二)
第20章 元伊勢
第5篇 正信妄信
第21章 凄い権幕
第22章 難症
第23章 狐狸狐狸
第24章 呪の釘
第25章 雑草
第26章 日の出
第27章 仇箒
第28章 金明水
余白歌
×
設定
この文献を王仁DBで開く
印刷用画面を開く
[?]
プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。
[×閉じる]
話者名の追加表示
[?]
セリフの前に話者名が記していない場合、誰がしゃべっているセリフなのか分からなくなってしまう場合があります。底本にはありませんが、話者名を追加して表示します。
[×閉じる]
追加表示する
追加表示しない
【標準】
表示できる章
テキストのタイプ
[?]
ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。
[×閉じる]
通常のテキスト
【標準】
コピー用のテキスト
文字サイズ
S
【標準】
M
L
ルビの表示
通常表示
【標準】
括弧の中に表示
表示しない
アンカーの表示
[?]
本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。
[×閉じる]
左側だけに表示する
【標準】
表示しない
全てのアンカーを表示
宣伝歌
[?]
宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。
[×閉じる]
一段組
【標準】
二段組
脚注[※]用語解説
[?]
[※]、[*]、[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。[※]は主に用語説明、[*]は編集用の脚注で、表示させたり消したりできます。[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。
[×閉じる]
脚注マークを表示する
【標準】
脚注マークを表示しない
脚注[*]編集用
[?]
[※]、[*]、[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。[※]は主に用語説明、[*]は編集用の脚注で、表示させたり消したりできます。[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。
[×閉じる]
脚注マークを表示する
脚注マークを表示しない
【標準】
外字の外周色
[?]
一般のフォントに存在しない文字は専用の外字フォントを使用しています。目立つようにその文字の外周の色を変えます。
[×閉じる]
無色
【標準】
赤色
現在のページには外字は使われていません
表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。
【新着情報】
サイトをリニューアルしました。不具合がある場合は
従来バージョン
をお使い下さい|
サブスク
のお知らせ
霊界物語
>
舎身活躍(第37~48巻)
>
第38巻(丑の巻)
> 第1篇 千万無量 > 第5章 三人組
<<< 誤親切
(B)
(N)
曲の猛 >>>
第五章
三人組
(
さんにんぐみ
)
〔一〇四二〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第38巻 舎身活躍 丑の巻
篇:
第1篇 千万無量
よみ(新仮名遣い):
せんまんむりょう
章:
第5章 三人組
よみ(新仮名遣い):
さんにんぐみ
通し章番号:
1042
口述日:
1922(大正11)年10月14日(旧08月24日)
口述場所:
筆録者:
北村隆光
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1924(大正13)年4月3日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
[×閉じる]
:
喜楽は弟の幸吉と道々、神様の話にふけりながら北へと進んで行った。修行場に到着すると、心配していた四方春蔵ら三人の姿が見えない。
聞けば、教祖様が直々に使いをよこして連れて行ったという。四方平蔵氏は、いくら上田先生の言いつけでも、教祖様のお言葉に逆らうことはできないと抗弁した。
四方氏はあくまで教祖様の言葉を神様の御用だと信じ、喜楽が綾部に三人を連れ戻しに行くつもりだということを急告した。綾部では、自分が上谷の修行場に帰ってきたと聞いた福島寅之助と四方春蔵らは、奇妙な神がかりを始めたという。
自分はしかたなく、翌日も修行者の鎮魂をしていた。すると午前十時ごろに綾部から四方祐助爺さんがやってきて、福島寅之助らが近所の家の大黒柱を掘り返したりして警察が来る騒ぎになっているという。
二三日立つと足立正信氏らがやってきて、教祖様が警察を怒鳴りつけたが、何のお咎めもないので、それが神様の御威徳によるものだと喜んでにこにこしている。
また、教祖様の長女・お米さんが九年ほど気狂いになっていたが、先日大広間にやってきたとき、教祖様がお米の夫は大江山の酒呑童子の御魂、お米は教祖様の娘ながらこの世を乱した大蛇の御魂だと宣言たという。
そして、これまで見せしめのために罰として気狂いとしていたが、改心したら赦してやろう、と言うと、お米さんはその場に倒れて昏倒してしまった。一時間ほど経つとお米さんが息を吹き返したが、その言行は普通の人間と同じようになっていたので、信者一同神様の神力に感嘆した、と熱心に語るのであった。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2022-10-31 14:12:24
OBC :
rm3805
愛善世界社版:
47頁
八幡書店版:
第7輯 174頁
修補版:
校定版:
47頁
普及版:
23頁
初版:
ページ備考:
001
喜楽
(
きらく
)
、
002
幸吉
(
かうきち
)
の
二人
(
ふたり
)
は、
003
道々
(
みちみち
)
神話
(
しんわ
)
に
耽
(
ふけ
)
り
乍
(
なが
)
ら、
004
虎口
(
ここう
)
を
逃
(
のが
)
れた
様
(
やう
)
な
心持
(
こころもち
)
で
北
(
きた
)
へ
北
(
きた
)
へと
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く。
005
穴
(
あな
)
を
出
(
で
)
て
穴
(
あな
)
に
入
(
い
)
るまで
穴
(
あな
)
の
世話
(
せわ
)
006
穴
(
あな
)
恐
(
おそ
)
ろしい
穴
(
あな
)
の
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
007
一休
(
いつきう
)
禅師
(
ぜんし
)
の
歌
(
うた
)
や、
008
故郷
(
ふるさと
)
は
穴太
(
あなを
)
の
少
(
すこ
)
し
上小口
(
うはこぐち
)
009
只
(
ただ
)
茫々
(
ばうばう
)
と
生
(
は
)
えし
叢
(
くさむら
)
010
等
(
など
)
と
観音
(
くわんおん
)
の
化身
(
けしん
)
が
詠
(
よ
)
んだと
云
(
い
)
ふ
狂歌
(
きやうか
)
を
謡
(
うた
)
ひ
乍
(
なが
)
ら、
011
足
(
あし
)
に
任
(
まか
)
せて
十余
(
じふよ
)
里
(
り
)
の
道程
(
だうてい
)
を、
012
漸
(
やうや
)
くにして
上谷
(
うへだに
)
の
修行場
(
しうぎやうば
)
へ
安着
(
あんちやく
)
した。
013
帰
(
かへ
)
つて
修行場
(
しうぎやうば
)
を
調
(
しら
)
べて
見
(
み
)
ると、
014
第一
(
だいいち
)
懸念
(
けねん
)
して
居
(
ゐ
)
た
黒田
(
くろだ
)
きよ、
015
四方
(
しかた
)
春三
(
はるざう
)
、
016
塩見
(
しほみ
)
せいの
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
姿
(
すがた
)
が
見
(
み
)
えぬので、
017
留守中
(
るすちう
)
を
依頼
(
いらい
)
したる
四方
(
しかた
)
氏
(
し
)
に
尋
(
たづ
)
ねて
見
(
み
)
ると、
018
四方
(
しかた
)
『
一昨日
(
おととひ
)
の
夕方
(
ゆふがた
)
教祖
(
けうそ
)
が
態々
(
わざわざ
)
御
(
お
)
出
(
い
)
でになつて……
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
御
(
ご
)
命令
(
めいれい
)
だ……と
仰有
(
おつしや
)
つて、
019
私
(
わたくし
)
の
留
(
と
)
めるのを
諾
(
き
)
かずに、
020
三
(
さん
)
人
(
にん
)
を
連
(
つ
)
れて
帰
(
かへ
)
られました』
021
との
答
(
こたへ
)
である。
022
『あゝ
頼
(
たの
)
み
甲斐
(
がひ
)
のない
人
(
ひと
)
ぢやなア…』と
思
(
おも
)
ひ
乍
(
なが
)
ら、
023
四方
(
しかた
)
甚之丞
(
じんのじよう
)
と
云
(
い
)
ふ
修行者
(
しうぎやうしや
)
を
綾部
(
あやべ
)
へ
遣
(
つか
)
はして、
024
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
修行者
(
しうぎやうしや
)
を
今夜
(
こんや
)
の
中
(
うち
)
に
是非
(
ぜひ
)
とも
上谷
(
うへだに
)
へ
帰
(
かへ
)
つて
来
(
く
)
る
様
(
やう
)
にと
厳
(
きび
)
しく
申付
(
まをしつけ
)
たら、
025
側
(
そば
)
に
居
(
ゐ
)
た
四方
(
しかた
)
平蔵
(
へいざう
)
氏
(
し
)
が
口
(
くち
)
を
出
(
だ
)
し、
026
四方
(
しかた
)
『
上田
(
うへだ
)
先生
(
せんせい
)
が
何
(
なん
)
と
云
(
い
)
はれても、
027
教祖
(
けうそ
)
様
(
さま
)
の
御
(
お
)
言葉
(
ことば
)
ですから、
028
御
(
ご
)
三体
(
さんたい
)
の
大神
(
おほかみ
)
様
(
さま
)
のお
憑
(
うつ
)
り
遊
(
あそ
)
ばしたお
三人
(
さんにん
)
様
(
さま
)
を
今夜
(
こんや
)
の
中
(
うち
)
に
呼
(
よ
)
び
寄
(
よ
)
するなんて、
029
そんな
途方
(
とはう
)
もない
事
(
こと
)
は
出来
(
でき
)
ませぬ』
030
と
首
(
くび
)
を
振
(
ふ
)
つてゐる。
031
自分
(
じぶん
)
は
重
(
かさ
)
ねて、
032
喜楽
(
きらく
)
『
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
者
(
もの
)
を
明日
(
あす
)
の
朝
(
あさ
)
迄
(
まで
)
綾部
(
あやべ
)
へおく
事
(
こと
)
は
出来
(
でき
)
ぬ。
033
邪神
(
じやしん
)
が
憑
(
うつ
)
つて
又々
(
またまた
)
狂態
(
きやうたい
)
を
演
(
えん
)
じ、
034
其
(
その
)
筋
(
すぢ
)
のお
手数
(
てかず
)
に
預
(
あづか
)
らねばならぬ
様
(
やう
)
な
事
(
こと
)
が
出来
(
しゆつたい
)
するから、
035
是非
(
ぜひ
)
とも
今夜
(
こんや
)
の
中
(
うち
)
に、
036
三
(
さん
)
人
(
にん
)
を
此処
(
ここ
)
へ
連
(
つ
)
れて
帰
(
かへ
)
つて
貰
(
もら
)
ひ
度
(
た
)
い』
037
と
厳
(
きび
)
しく
云
(
い
)
ひ
張
(
は
)
つても、
038
四方
(
しかた
)
平蔵
(
へいざう
)
氏
(
し
)
始
(
はじ
)
め
一同
(
いちどう
)
腹
(
はら
)
を
合
(
あは
)
して
聞
(
き
)
き
入
(
い
)
れぬのみか、
039
四方
(
しかた
)
『
先生
(
せんせい
)
に
今
(
いま
)
帰
(
かへ
)
つて
貰
(
もら
)
ふと、
040
神
(
かみ
)
さまの
肝賢
(
かんじん
)
のお
仕組
(
しぐみ
)
の
邪魔
(
じやま
)
になるから、
041
お
迎
(
むか
)
へに
来
(
く
)
る
迄
(
まで
)
綾部
(
あやべ
)
へは
決
(
けつ
)
して
帰
(
かへ
)
つて
下
(
くだ
)
さるな。
042
貴方
(
あなた
)
は
緯役
(
よこやく
)
で、
043
大神
(
おほかみ
)
様
(
さま
)
のお
仕組
(
しぐみ
)
の
反対
(
はんたい
)
をなさるお
役
(
やく
)
ぢやさうなから……』
044
と
妖魅
(
えうみ
)
の
言葉
(
ことば
)
を
信
(
しん
)
じきつて
居
(
ゐ
)
る。
045
四方
(
しかた
)
平蔵
(
へいざう
)
氏
(
し
)
は
自分
(
じぶん
)
に
隠
(
かく
)
れて、
046
ソツと
綾部
(
あやべ
)
の
金明会
(
きんめいくわい
)
へ
馳
(
は
)
せ
帰
(
かへ
)
り、
047
幸吉
(
かうきち
)
と
云
(
い
)
ふ
弟
(
おとうと
)
と
共
(
とも
)
に
上谷
(
うへだに
)
迄
(
まで
)
帰
(
かへ
)
つた
事
(
こと
)
を
急告
(
きふこく
)
した。
048
サアさうすると、
049
福島
(
ふくしま
)
寅之助
(
とらのすけ
)
を
始
(
はじ
)
め
三
(
さん
)
人
(
にん
)
が
慌出
(
あわてだ
)
し、
050
『
何
(
なに
)
、
051
上田
(
うへだ
)
が
上谷
(
うへだに
)
迄
(
まで
)
帰
(
かへ
)
つて
来
(
き
)
たか。
052
そりや
大変
(
たいへん
)
ぢや、
053
早
(
はや
)
う
上田
(
うへだ
)
の
帰
(
かへ
)
らぬ
中
(
うち
)
に、
054
仕組
(
しぐみ
)
をせねばならぬぞ』
055
と
四
(
よ
)
人
(
にん
)
は
襖
(
ふすま
)
を
閉
(
し
)
めきつて、
056
奇妙
(
きめう
)
奇天烈
(
きてれつ
)
の
神懸
(
かむがかり
)
[
※
校定版では「神憑(かむがかり)」
]
を
続行
(
ぞくかう
)
してゐた。
057
自分
(
じぶん
)
は
仕方
(
しかた
)
なしに
幸吉
(
かうきち
)
と
共
(
とも
)
に、
058
上谷
(
うへだに
)
に
残
(
のこ
)
つてる
修行者
(
しうぎやうしや
)
を
鎮魂
(
ちんこん
)
して
居
(
ゐ
)
た。
059
其
(
その
)
翌日
(
よくじつ
)
の
十
(
じふ
)
時
(
じ
)
頃
(
ごろ
)
になると、
060
四方
(
しかた
)
祐助
(
いうすけ
)
爺
(
ぢい
)
サンが
顔色
(
かほいろ
)
を
変
(
か
)
へて
出
(
で
)
て
来
(
き
)
て、
061
震
(
ふる
)
うてゐるので
自分
(
じぶん
)
は、
062
喜楽
(
きらく
)
『
祐助
(
いうすけ
)
サン、
063
碌
(
ろく
)
な
事
(
こと
)
で
来
(
き
)
たのぢやなからうな』
064
と
問
(
と
)
ひかくれば、
065
爺
(
ぢい
)
サンは
直
(
すぐ
)
に
大地
(
だいち
)
へ
手
(
て
)
をついて、
066
祐助
(
いうすけ
)
『ハイハイ
恐
(
おそ
)
れ
入
(
い
)
りました。
067
外
(
ほか
)
の
事
(
こと
)
では
御座
(
ござ
)
りませぬが、
068
綾部
(
あやべ
)
は
大変
(
たいへん
)
で
御座
(
ござ
)
います。
069
お
三体
(
さんたい
)
の
大神
(
おほかみ
)
様
(
さま
)
がお
三
(
さん
)
人
(
にん
)
サンへお
憑
(
うつ
)
り
遊
(
あそ
)
ばして、
070
口々
(
くちぐち
)
に……
三人世
(
さんにんよ
)
の
元
(
もと
)
、
071
結構
(
けつこう
)
々々
(
けつこう
)
……と
百遍
(
ひやつぺん
)
ほども
仰有
(
おつしや
)
つて、
072
終
(
しま
)
ひには
新宮
(
しんぐう
)
の
安藤
(
あんどう
)
金助
(
きんすけ
)
サン
処
(
とこ
)
の
庭
(
には
)
に、
073
大地
(
だいち
)
の
金神
(
こんじん
)
金勝要
(
きんかつかね
)
の
神
(
かみ
)
さまが
埋
(
うづ
)
もつて
居
(
ゐ
)
るから、
074
之
(
これ
)
を
掘
(
ほ
)
り
出
(
だ
)
して
鄭重
(
ていちよう
)
にお
祀
(
まつ
)
りせんならんと
云
(
い
)
つて、
075
三
(
さん
)
人
(
にん
)
がおいでになり
金助
(
きんすけ
)
サンとこの
大黒柱
(
だいこくばしら
)
の
根元
(
ねもと
)
を
三四
(
さんし
)
尺
(
しやく
)
ばかり、
076
一生
(
いつしやう
)
懸命
(
けんめい
)
になつて
掘
(
ほ
)
り
出
(
だ
)
しなさつたけれども、
077
石
(
いし
)
一
(
ひと
)
つ
碌
(
ろく
)
に
出
(
で
)
て
来
(
こ
)
ぬので
未
(
ま
)
だ
掘
(
ほ
)
り
様
(
やう
)
が
足
(
た
)
らぬのだ。
078
もつともつとと
云
(
い
)
つて、
079
三
(
さん
)
人
(
にん
)
サンは
水
(
みづ
)
をかぶり
白衣
(
はくい
)
を
着
(
つ
)
け、
080
緋
(
ひ
)
の
袴
(
はかま
)
を
穿
(
は
)
いて
掘
(
ほ
)
つて
居
(
を
)
られた
処
(
ところ
)
へ、
081
警察
(
けいさつ
)
の
署長
(
しよちやう
)
サンが
前
(
まへ
)
を
通
(
とほ
)
つて、
082
此
(
この
)
有様
(
ありさま
)
を
見
(
み
)
つけ、
083
……
一体
(
いつたい
)
お
前
(
まへ
)
等
(
ら
)
はそんな
風
(
ふう
)
をして
何
(
なに
)
をしてゐるのか、
084
尋
(
たづ
)
ね
度
(
た
)
い
事
(
こと
)
があるから
一寸
(
ちよつと
)
来
(
こ
)
い……と
云
(
い
)
つて、
085
三
(
さん
)
人
(
にん
)
共
(
とも
)
警察
(
けいさつ
)
へ
連
(
つ
)
れて
去
(
い
)
なはりましたので、
086
私
(
わたし
)
も
吃驚
(
びつくり
)
して
早速
(
さつそく
)
其
(
その
)
由
(
よし
)
を
教祖
(
けうそ
)
様
(
さま
)
に
申
(
まをし
)
ましたら、
087
教祖
(
けうそ
)
さまは
平然
(
へいぜん
)
として……
何事
(
なにごと
)
も
皆
(
みな
)
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
御
(
ご
)
都合
(
つがふ
)
ぢや、
088
チツとも
心配
(
しんぱい
)
は
要
(
い
)
りませぬ、
089
又
(
また
)
土
(
つち
)
の
中
(
なか
)
から
形
(
かたち
)
のある
御
(
ご
)
神体
(
しんたい
)
が
出
(
で
)
るのではない、
090
大地
(
だいち
)
の
金神
(
こんじん
)
様
(
さま
)
の
霊気
(
れいき
)
が、
091
地
(
ち
)
の
上
(
うへ
)
へおでましになる
事
(
こと
)
ぢや……と
仰有
(
おつしや
)
つて
居
(
を
)
られますが、
092
此
(
この
)
爺
(
ぢい
)
には
根
(
ね
)
つから
合点
(
がてん
)
が
参
(
まゐ
)
りませぬ。
093
四方
(
しかた
)
春三
(
はるざう
)
サンや
外
(
ほか
)
二人
(
ふたり
)
は、
094
警察
(
けいさつ
)
へひかれたきりで
未
(
ま
)
だ
帰
(
かへ
)
つて
来
(
こ
)
られず、
095
如何
(
どう
)
しやうと
思案
(
しあん
)
に
暮
(
く
)
れて、
096
皆
(
みな
)
サンに
隠
(
かく
)
れて
爺
(
ぢい
)
の
心
(
こころ
)
で
先生
(
せんせい
)
にお
伺
(
うかが
)
ひに
出
(
で
)
ました』
097
とオドオドし
乍
(
なが
)
ら、
098
半泣
(
はんな
)
きになつて
居
(
ゐ
)
る。
099
然
(
しか
)
し
此
(
この
)
事件
(
じけん
)
は
何
(
なん
)
ともなしに
治
(
おさ
)
まり、
100
自分
(
じぶん
)
は
依然
(
いぜん
)
として
幸吉
(
かうきち
)
と
共
(
とも
)
に
上谷
(
うへだに
)
で
審神
(
さには
)
をつとめて
居
(
ゐ
)
た。
101
二三
(
にさん
)
日
(
にち
)
経
(
た
)
つと、
102
今度
(
こんど
)
は
足立
(
あだち
)
正信
(
まさのぶ
)
氏
(
し
)
の
代理
(
だいり
)
として、
103
新宮
(
しんぐう
)
の
四方
(
しかた
)
源之助
(
げんのすけ
)
、
104
西原
(
にしばら
)
の
西村
(
にしむら
)
文右衛門
(
ぶんうゑもん
)
の
両氏
(
りやうし
)
が、
105
上谷
(
うへだに
)
へ
態々
(
わざわざ
)
やつて
来
(
き
)
てニコニコし
乍
(
なが
)
ら、
106
『
上田
(
うへだ
)
先生
(
せんせい
)
、
107
喜
(
よろこ
)
んで
下
(
くだ
)
さいませ。
108
今日
(
けふ
)
から
教祖
(
けうそ
)
様
(
さま
)
は、
109
出口
(
でぐち
)
お
直
(
なほ
)
さまと
申
(
まを
)
さずに、
110
信者
(
しんじや
)
一同
(
いちどう
)
から
出口
(
でぐち
)
の
神
(
かみ
)
と
崇敬
(
すうけい
)
致
(
いた
)
す
様
(
やう
)
になりました。
111
神
(
かみ
)
さまと
申
(
まを
)
す
訳
(
わけ
)
は、
112
二三
(
にさん
)
日
(
にち
)
以前
(
いぜん
)
に
綾部
(
あやべ
)
の
警察
(
けいさつ
)
から、
113
署長
(
しよちやう
)
サンが
二人
(
ふたり
)
も
巡査
(
じゆんさ
)
をつれて
来
(
き
)
て、
114
何
(
なに
)
か
怪
(
あや
)
しいものを
祀
(
まつ
)
つて
沢山
(
たくさん
)
の
人
(
ひと
)
を
騙
(
だま
)
し
金儲
(
かねまう
)
けをして
居
(
ゐ
)
るのぢやないかと
疑
(
うたが
)
ふて、
115
大広前
(
おほひろまへ
)
を
隅
(
すみ
)
から
隅
(
すみ
)
迄
(
まで
)
調
(
しら
)
べて
見
(
み
)
ましたが、
116
別
(
べつ
)
に
胡乱
(
うろん
)
の
事
(
こと
)
がないので、
117
何
(
なん
)
とも
云
(
い
)
はれずに
帰
(
かへ
)
られましたが、
118
其
(
その
)
時
(
とき
)
教祖
(
けうそ
)
さまが
署長
(
しよちやう
)
サンに
向
(
むか
)
ひ、
119
大
(
おほ
)
きな
声
(
こゑ
)
で……
明治
(
めいぢ
)
廿五
(
にじふご
)
年
(
ねん
)
から
出口
(
でぐち
)
直
(
なほ
)
は
神
(
かみ
)
の
因縁
(
いんねん
)
ありて、
120
表向
(
おもてむ
)
き
狂人
(
きちがひ
)
の
様
(
やう
)
に
致
(
いた
)
して、
121
警察
(
けいさつ
)
の
側
(
そば
)
において、
122
世界
(
せかい
)
の
事
(
こと
)
を
言
(
い
)
はして
気
(
き
)
を
付
(
つ
)
けてありたぞよ。
123
それに
此
(
この
)
神
(
かみ
)
の
誠
(
まこと
)
が
分
(
わか
)
らぬか……と
呶鳴
(
どな
)
られましたが、
124
相手
(
あひて
)
にもならず
帰
(
かへ
)
られましたが、
125
これ
全
(
まつた
)
く
神
(
かみ
)
の
御
(
ご
)
神徳
(
しんとく
)
で
御座
(
ござ
)
います。
126
万一
(
まんいち
)
私
(
わたし
)
等
(
ら
)
が
警察
(
けいさつ
)
の
署長
(
しよちやう
)
サンに
向
(
むか
)
つて、
127
そんな
事
(
こと
)
でも
云
(
い
)
はうものなら、
128
官史
(
くわんり
)
侮辱
(
ぶじよく
)
だとか
云
(
い
)
つてやられて
了
(
しま
)
ひます。
129
何
(
なん
)
と
教祖
(
けうそ
)
様
(
さま
)
の
御
(
ご
)
神徳
(
しんとく
)
といふものは
偉
(
えら
)
いもので
御座
(
ござ
)
います。
130
も
一
(
ひと
)
つ
恐
(
おそ
)
れ
入
(
い
)
つた
御
(
ご
)
神徳
(
しんとく
)
は
外
(
ほか
)
でもありませぬが、
131
出口
(
でぐち
)
の
神
(
かみ
)
の
総領
(
そうりやう
)
娘
(
むすめ
)
のお
米
(
よね
)
サンが、
132
西町
(
にしまち
)
の
大槻
(
おほつき
)
鹿造
(
しかざう
)
の
嫁
(
よめ
)
になつて
居
(
を
)
られまして、
133
明治
(
めいぢ
)
廿五
(
にじふご
)
年
(
ねん
)
から
今年
(
ことし
)
迄
(
まで
)
足掛
(
あしかけ
)
け
九
(
く
)
年
(
ねん
)
振
(
ぶ
)
り、
134
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
罰
(
ばち
)
が
当
(
あた
)
つて
丸狂人
(
まるきちがひ
)
になつて
居
(
を
)
られた
所
(
ところ
)
、
135
一昨日
(
おととひ
)
其
(
その
)
お
米
(
よね
)
サンが、
136
金明会
(
きんめいくわい
)
の
大広前
(
おほひろまへ
)
へおいでになると、
137
出口
(
でぐち
)
の
神
(
かみ
)
の
仰
(
あふ
)
せには……
大槻
(
おほつき
)
鹿造
(
しかざう
)
は
大江山
(
おほえやま
)
の
酒天
(
しゆてん
)
童子
(
どうじ
)
の
霊魂
(
みたま
)
であるぞよ。
138
其
(
その
)
女房
(
にようばう
)
となつて
居
(
ゐ
)
るお
米
(
よね
)
は
出口
(
でぐち
)
直
(
なほ
)
の
子
(
こ
)
であれど、
139
大蛇
(
だいじや
)
の
霊魂
(
みたま
)
で
此
(
この
)
世
(
よ
)
を
乱
(
みだ
)
して、
140
世界
(
せかい
)
の
人間
(
にんげん
)
を
苦
(
くる
)
しめた
極悪神
(
ごくあくがみ
)
であるから、
141
世界
(
せかい
)
の
見
(
み
)
せしめの
為
(
た
)
めに、
142
今日
(
こんにち
)
迄
(
まで
)
狂人
(
きちがひ
)
に
致
(
いた
)
して
懺悔
(
ざんげ
)
を
曝
(
さら
)
さして、
143
九
(
く
)
年
(
ねん
)
振
(
ぶ
)
り
懲戒
(
いましめ
)
致
(
いた
)
したなれど、
144
今日
(
こんにち
)
限
(
かぎ
)
り
改心
(
かいしん
)
したらば
許
(
ゆる
)
してやらう……と
仰有
(
おつしや
)
つたら、
145
あら
有難
(
ありがた
)
や、
146
あら
不思議
(
ふしぎ
)
や、
147
其
(
その
)
場
(
ば
)
でお
米
(
よね
)
サンが
打倒
(
うちたふ
)
れ、
148
サツパリ
正念
(
しやうねん
)
がない
様
(
やう
)
になつて
了
(
しま
)
ひ、
149
体
(
からだ
)
がダンダンと
冷
(
つめ
)
たくなつて
来
(
き
)
ました。
150
死人
(
しにん
)
同様
(
どうやう
)
に
息
(
いき
)
一
(
ひと
)
つ
出
(
で
)
ませぬので、
151
私
(
わたし
)
達
(
たち
)
役員
(
やくゐん
)
は……サア
水
(
みづ
)
ぢや、
152
お
神酒
(
みき
)
ぢや、
153
おひねりさまぢや……と
云
(
い
)
つて
騒
(
さわ
)
ぎ
出
(
だ
)
しましたら、
154
出口
(
でぐち
)
の
神
(
かみ
)
さまは
平気
(
へいき
)
な
者
(
もの
)
で……
何
(
なに
)
も
皆
(
みな
)
サン、
155
御
(
ご
)
心配
(
しんぱい
)
には
及
(
およ
)
びませぬ。
156
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
御
(
ご
)
都合
(
つがふ
)
ぢやから
後
(
あと
)
で
分
(
わか
)
ります……と
仰有
(
おつしや
)
つて、
157
奥
(
おく
)
の
間
(
ま
)
へ
這入
(
はい
)
つて、
158
知
(
し
)
らぬ
顔
(
かほ
)
でお
筆先
(
ふでさき
)
をお
書
(
か
)
きになつて
居
(
を
)
られましたが、
159
教祖
(
けうそ
)
様
(
さま
)
の
仰
(
あふ
)
せの
通
(
とほ
)
り、
160
一
(
いち
)
時間
(
じかん
)
ばかり
経
(
た
)
つとお
米
(
よね
)
サンが
息
(
いき
)
を
吹
(
ふ
)
き
返
(
かへ
)
し、
161
元
(
もと
)
の
体
(
からだ
)
となり、
162
其
(
そ
)
れきりさしも
猛烈
(
まうれつ
)
な
狂乱
(
きやうらん
)
も
俄
(
にはか
)
に
平癒
(
へいゆ
)
しまして、
163
其
(
その
)
言行
(
げんかう
)
が
普通
(
ふつう
)
の
人間
(
にんげん
)
とチツとも
変
(
か
)
はらぬ
様
(
やう
)
になつたので、
164
皆
(
みな
)
の
信者
(
しんじや
)
が
感心
(
かんしん
)
して、
165
思
(
おも
)
はず
知
(
し
)
らず
出口
(
でぐち
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
と
口
(
くち
)
で
一斉
(
いつせい
)
に
唱
(
とな
)
へたので
御座
(
ござ
)
ります。
166
九分
(
くぶ
)
九厘
(
くりん
)
迄
(
まで
)
死
(
し
)
んで
生
(
い
)
きかへると
云
(
い
)
ふ
様
(
やう
)
な
事
(
こと
)
は
到底
(
たうてい
)
普通
(
ふつう
)
の
神力
(
しんりき
)
では
出来
(
でき
)
ませぬ。
167
人間業
(
にんげんわざ
)
では
無
(
な
)
い。
168
正
(
まさ
)
しく
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
のお
力
(
ちから
)
である、
169
誠
(
まこと
)
の
艮
(
うしとら
)
の
金神
(
こんじん
)
様
(
さま
)
に
間違
(
まちが
)
ひはないと
合点
(
がてん
)
して、
170
今迄
(
いままで
)
疑
(
うたが
)
ふて
居
(
ゐ
)
た
無礼
(
ぶれい
)
を
一同
(
いちどう
)
がお
詫
(
わび
)
致
(
いた
)
しました。
171
それだから
先生
(
せんせい
)
も
一
(
いち
)
時
(
じ
)
も
早
(
はや
)
う
我
(
が
)
を
折
(
お
)
つて、
172
出口
(
でぐち
)
の
神
(
かみ
)
さまにお
詫
(
わび
)
をして
下
(
くだ
)
さる
様
(
やう
)
にお
知
(
し
)
らせに
来
(
き
)
ました』
173
と
熱心
(
ねつしん
)
面
(
おもて
)
に
現
(
あら
)
はしての
永
(
なが
)
い
物語
(
ものがたり
)
であつた。
174
自分
(
じぶん
)
は、
175
『はあはあ』
176
と
云
(
い
)
ひ
乍
(
なが
)
ら
二人
(
ふたり
)
の
話
(
はなし
)
を
聞了
(
ききをは
)
り、
177
茶
(
ちや
)
等
(
など
)
を
進
(
すす
)
めて
一寸
(
ちよつと
)
一服
(
いつぷく
)
して
居
(
ゐ
)
ると、
178
二人
(
ふたり
)
は
又
(
また
)
ソロソロ
綾部
(
あやべ
)
の
話
(
はなし
)
をし
出
(
だ
)
し
始
(
はじ
)
めた。
179
(
大正一一・一〇・一四
旧八・二四
北村隆光
録)
Δこのページの一番上に戻るΔ
<<< 誤親切
(B)
(N)
曲の猛 >>>
霊界物語
>
舎身活躍(第37~48巻)
>
第38巻(丑の巻)
> 第1篇 千万無量 > 第5章 三人組
このページに誤字・脱字や表示乱れなどを見つけたら教えて下さい。
返信が必要な場合はメールでお送り下さい。【
メールアドレス
】
【第5章 三人組|第38巻|舎身活躍|霊界物語|/rm3805】
合言葉「みろく」を入力して下さい→