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霊界物語
舎身活躍(第37~48巻)
第38巻(丑の巻)
序歌
総説
第1篇 千万無量
第1章 道すがら
第2章 吉崎仙人
第3章 帰郷
第4章 誤親切
第5章 三人組
第6章 曲の猛
第7章 火事蚊
第2篇 光風霽月
第8章 三ツ巴
第9章 稍安定
第10章 思ひ出(一)
第11章 思ひ出(二)
第12章 思ひ出(三)
第3篇 冒険神験
第13章 冠島
第14章 沓島
第15章 怒濤
第16章 禁猟区
第17章 旅装
第4篇 霊火山妖
第18章 鞍馬山(一)
第19章 鞍馬山(二)
第20章 元伊勢
第5篇 正信妄信
第21章 凄い権幕
第22章 難症
第23章 狐狸狐狸
第24章 呪の釘
第25章 雑草
第26章 日の出
第27章 仇箒
第28章 金明水
余白歌
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舎身活躍(第37~48巻)
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第38巻(丑の巻)
> 第2篇 光風霽月 > 第9章 稍安定
<<< 三ツ巴
(B)
(N)
思ひ出(一) >>>
第九章
稍安定
(
ややあんてい
)
〔一〇四六〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第38巻 舎身活躍 丑の巻
篇:
第2篇 光風霽月
よみ(新仮名遣い):
こうふうせいげつ
章:
第9章 稍安定
よみ(新仮名遣い):
ややあんてい
通し章番号:
1046
口述日:
1922(大正11)年10月16日(旧08月26日)
口述場所:
筆録者:
北村隆光
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1924(大正13)年4月3日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
足立、中村、四方春蔵らが喜楽への反対運動を激しくしてきたので、福島寅之助氏の神がかりはますます激しさを増した。谷口もそれに加わり、遂には教祖様を退隠させて喜楽を放逐しようと謀議をこらしていた。
福島氏の荒れ方は次第に激しくなり、遂には中村や四方春蔵にも手に負えなくなってきた。巡査もやってきて小言を言うようになってきたので、祐助爺さんが喜楽に助けを求めてきた。
教祖様はこれを聞いて、上田先生一人で邪神の群れに飛び込むことはならぬ、澄子を連れて行くように、と命じた。自分は祐助爺さんと澄子と三人連れで上谷の修行場に駆け付けた。
福島ら神がかりの連中は家中を暴れまわり、中村、四方春蔵、谷口らは手品がききすぎて手が付けられなくなり、家の隅で小さくなって震えている始末である。
神がかりの福島は喜楽の顔を見ると、信者らに霊縛するようにと命じた。一同は手を組んでウンウン唸っているが、喜楽の身体には何の影響もない。そこに澄子が現れてウンと一息にらむと、二十余人が一時にバタバタと将棋倒しになり、身体強直して動けなくなってしまった。
足立、中村、四方春蔵らは蒼白となり、許しを請うのみであった。澄子が改心すればゆるす、というと一同の身体はたちまちもとに戻った。
村上房之助、野崎篤三郎はどこともなく姿を隠して帰ってこない。二人の両親が、大切な息子を狂人にしたと怒鳴り込んできた。喜楽が両親を諭していると、村上・野崎両人は、新しい信者を連れて帰ってきた。
福島氏はひとまず八木へ帰ることになり、後は喜楽と澄子が審神者となってひとまず金明会は治まるようになった。反対者たちもようやく教祖様や喜楽の指図に従うようになった。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2022-11-03 14:57:14
OBC :
rm3809
愛善世界社版:
98頁
八幡書店版:
第7輯 194頁
修補版:
校定版:
98頁
普及版:
49頁
初版:
ページ備考:
001
福島
(
ふくしま
)
氏
(
し
)
は
依然
(
いぜん
)
として
数多
(
あまた
)
の
役員
(
やくゐん
)
や
修行者
(
しうぎやうしや
)
と
共
(
とも
)
に、
002
福島
(
ふくしま
)
『
丑
(
うし
)
の
年
(
とし
)
に
生
(
うま
)
れた
寅之助
(
とらのすけ
)
の
艮
(
うしとら
)
の
金神
(
こんじん
)
は
此
(
この
)
方
(
はう
)
だ』
003
と
威張
(
ゐば
)
り
散
(
ち
)
らして
猛
(
たけ
)
り
狂
(
くる
)
うて
居
(
ゐ
)
る。
004
そこへ
喜楽
(
じぶん
)
に
大反対
(
だいはんたい
)
の
足立
(
あだち
)
、
005
中村
(
なかむら
)
、
006
四方
(
しかた
)
春三
(
はるざう
)
等
(
ら
)
が、
007
益々
(
ますます
)
反対
(
はんたい
)
の
気勢
(
きせい
)
を
煽
(
あふ
)
るので、
008
自称
(
ししよう
)
艮
(
うしとら
)
の
金神
(
こんじん
)
の
狂態
(
きやうたい
)
は
愈
(
いよいよ
)
激烈
(
げきれつ
)
を
加
(
くは
)
へるばかり、
009
遂
(
つひ
)
には
教祖
(
けうそ
)
を
退隠
(
たいいん
)
せしめ
喜楽
(
きらく
)
を
放逐
(
はうちく
)
し、
010
福島
(
ふくしま
)
を
以
(
もつ
)
て
綾部
(
あやべ
)
の
艮
(
うしとら
)
の
金神
(
こんじん
)
の
教祖
(
けうそ
)
となし、
011
足立
(
あだち
)
を
以
(
もつ
)
て
教主
(
けうしゆ
)
となすべく
熟議
(
じゆくぎ
)
を
凝
(
こ
)
らし、
012
着々
(
ちやくちやく
)
実行
(
じつかう
)
の
歩
(
ほ
)
を
進
(
すす
)
めてゐた。
013
谷口
(
たにぐち
)
熊吉
(
くまきち
)
も
無論
(
むろん
)
共謀者
(
きようぼうしや
)
であつた。
014
勝
(
かち
)
に
乗
(
じやう
)
じて
心
(
こころ
)
驕
(
おご
)
るは
凡夫
(
ぼんぶ
)
の
常
(
つね
)
、
015
福島
(
ふくしま
)
は
日
(
ひ
)
に
日
(
ひ
)
に
狂的
(
きやうてき
)
行動
(
かうどう
)
を
加
(
くは
)
へて
来
(
く
)
るが、
016
足立
(
あだち
)
、
017
谷口
(
たにぐち
)
、
018
四方
(
しかた
)
、
019
中村
(
なかむら
)
等
(
ら
)
は
深
(
ふか
)
い
計略
(
けいりやく
)
の
各自
(
めいめい
)
にある
事
(
こと
)
とて
少
(
すこ
)
しも
之
(
これ
)
を
制止
(
せいし
)
せず、
020
却
(
かへつ
)
て
煽動
(
せんどう
)
するばかりで
始末
(
しまつ
)
におへなくなつて
来
(
き
)
た。
021
要
(
えう
)
するに
穴太
(
あなを
)
から
喜楽
(
きらく
)
がやつて
来
(
き
)
て
神懸
(
かむがかり
)
[
※
初版・愛世版では「神懸」、校定版では「神がかり」。
]
を
始
(
はじ
)
めたから、
022
こんな
狂乱
(
きやうらん
)
が
出来
(
でき
)
たのだと
云
(
い
)
つて
喜楽
(
きらく
)
を
失敗
(
しつぱい
)
せしめ、
023
且
(
かつ
)
霊学
(
れいがく
)
の
弊害
(
へいがい
)
を
一般
(
いつぱん
)
に
認
(
みと
)
めさせ、
024
喜楽
(
きらく
)
の
立退
(
たちの
)
きを
余儀
(
よぎ
)
なくせしめんとの
策略
(
さくりやく
)
であるから
堪
(
たま
)
つたものでない。
025
たまたま
修業者
(
しうげふしや
)
の
一
(
いち
)
人
(
にん
)
なる
村上
(
むらかみ
)
房之助
(
ふさのすけ
)
が
少
(
すこ
)
しく
覚醒
(
かくせい
)
して
福島
(
ふくしま
)
の
乱暴
(
らんばう
)
を
改
(
あらた
)
めしめやうと
自分
(
じぶん
)
が
審神者
(
さには
)
に
着手
(
ちやくしゆ
)
したが、
026
一
(
ひと
)
つ
二
(
ふた
)
つ
問答
(
もんだふ
)
の
末
(
すゑ
)
、
027
福島
(
ふくしま
)
虎之助
(
とらのすけ
)
は
答弁
(
たふべん
)
に
苦
(
くる
)
しみ、
028
直
(
ただ
)
ちに
立
(
た
)
ち
上
(
あが
)
つて、
029
福島
(
ふくしま
)
『こりや
村上
(
むらかみ
)
の
奴
(
やつ
)
、
030
生意気
(
なまいき
)
な
事
(
こと
)
を
申
(
まを
)
すな。
031
此
(
この
)
方
(
はう
)
は
理屈
(
りくつ
)
は
嫌
(
きら
)
ひだ。
032
それよりも
実地
(
じつち
)
の
神力
(
しんりき
)
を
見
(
み
)
せてやらう』
033
と
云
(
い
)
ふより
早
(
はや
)
く、
034
村上
(
むらかみ
)
の
首筋
(
くびすぢ
)
をつかんで
蛙
(
かへる
)
を
投
(
な
)
げる
様
(
やう
)
に、
035
二三間
(
にさんげん
)
先
(
さき
)
へ
投
(
な
)
げつけて
了
(
しま
)
ふた。
036
村上
(
むらかみ
)
も
真蒼
(
まつさを
)
の
顔
(
かほ
)
になつて
低頭
(
ていとう
)
平身
(
へいしん
)
只管
(
ひたすら
)
に
謝
(
あやま
)
つてばかり
居
(
ゐ
)
る。
037
福島
(
ふくしま
)
は
荒
(
あ
)
れに
荒
(
あ
)
れ、
038
狂
(
くる
)
ひに
狂
(
くる
)
つて、
039
今度
(
こんど
)
は
中村
(
なかむら
)
や
四方
(
しかた
)
の
手
(
て
)
にもあはなくなつて
了
(
しま
)
つた。
040
淵垣
(
ふちがき
)
の
駐在所
(
ちうざいしよ
)
から
巡査
(
じゆんさ
)
が
出張
(
しゆつちやう
)
して
来
(
き
)
て、
041
愚図
(
ぐづ
)
々々
(
ぐづ
)
と
小言
(
こごと
)
を
云
(
い
)
ふので、
042
例
(
れい
)
の
何方
(
どちら
)
へもつく
愚直爺
(
ぐちよくぢい
)
の
祐助
(
いうすけ
)
が
綾部
(
あやべ
)
へ
飛
(
と
)
んで
来
(
き
)
て
神懸
(
かむがかり
)
[
※
初版・愛世版では「神懸」、校定版では「神がかり」。
]
の
鎮定
(
ちんてい
)
を
歎願
(
たんぐわん
)
する。
043
見
(
み
)
るに
見
(
み
)
かねて
喜楽
(
きらく
)
は
鎮圧
(
ちんあつ
)
の
為
(
た
)
め
出張
(
しゆつちやう
)
せむとするや、
044
教祖
(
けうそ
)
はこれを
聞
(
き
)
いて、
045
教祖
(
けうそ
)
『
先生
(
せんせい
)
一人
(
ひとり
)
では
邪神
(
じやしん
)
の
群
(
むれ
)
へ
行
(
ゆ
)
く
事
(
こと
)
はなりませぬ。
046
澄子
(
すみこ
)
を
連
(
つ
)
れて
行
(
い
)
つて
下
(
くだ
)
さい』
047
との
言葉
(
ことば
)
に
従
(
したが
)
ひ、
048
自分
(
じぶん
)
は
澄子
(
すみこ
)
と
祐助
(
いうすけ
)
と
三
(
さん
)
人
(
にん
)
づれにて
上谷
(
うへだに
)
の
修行場
(
しうぎやうば
)
へと
駆
(
かけ
)
つけた。
049
行
(
い
)
つて
見
(
み
)
れば、
050
福島
(
ふくしま
)
を
始
(
はじ
)
め
一同
(
いちどう
)
は
家中
(
いへぢう
)
を
暴
(
あば
)
れ
狂
(
くる
)
ひ、
051
福島
(
ふくしま
)
『
艮
(
うしとら
)
の
金神
(
こんじん
)
の
神力
(
しんりき
)
は
此
(
この
)
通
(
とほ
)
りだ』
052
と
云
(
い
)
つて
始末
(
しまつ
)
がつかぬ。
053
足立
(
あだち
)
も
谷口
(
たにぐち
)
も
四方
(
しかた
)
も
手品
(
てじな
)
の
薬
(
くすり
)
が
利
(
き
)
きすぎて、
054
案外
(
あんぐわい
)
猛烈
(
まうれつ
)
な
狂乱
(
きやうらん
)
的
(
てき
)
憑霊
(
ひようれい
)
に
畏縮
(
ゐしゆく
)
して
了
(
しま
)
ひ、
055
家
(
いへ
)
の
隅
(
すみ
)
に
小
(
ちひ
)
さくなつて
震
(
ふる
)
ふて
居
(
ゐ
)
る。
056
福島
(
ふくしま
)
は
村中
(
むらぢう
)
に
響
(
ひび
)
く
様
(
やう
)
な
大
(
おほ
)
きな
声
(
こゑ
)
で、
057
福島
(
ふくしま
)
『
三千
(
さんぜん
)
世界
(
せかい
)
一度
(
いちど
)
に
開
(
ひら
)
く
梅
(
うめ
)
の
花
(
はな
)
、
058
艮
(
うしとら
)
の
金神
(
こんじん
)
の
世
(
よ
)
になりたぞよ。
059
須弥仙
(
しゆみせん
)
山
(
ざん
)
に
腰
(
こし
)
をかけ
鬼門
(
きもん
)
の
金神
(
こんじん
)
此
(
この
)
世
(
よ
)
の
守護
(
しゆご
)
を
致
(
いた
)
すぞよ。
060
大
(
だい
)
の
字
(
じ
)
逆様
(
さかさま
)
の
世
(
よ
)
になりたぞよ。
061
此
(
この
)
福島
(
ふくしま
)
寅之助
(
とらのすけ
)
は
世
(
よ
)
の
変
(
かは
)
り
目
(
め
)
に
神
(
かみ
)
の
御用
(
ごよう
)
に
立
(
た
)
てるために
三千
(
さんぜん
)
年
(
ねん
)
の
昔
(
むかし
)
から
世
(
よ
)
に
落
(
おと
)
してかくしてありた
結構
(
けつこう
)
な
身魂
(
みたま
)
でありたぞよ。
062
けれども
神
(
かみ
)
が
世
(
よ
)
に
落
(
おと
)
して
化
(
ば
)
かしてありたから
今
(
いま
)
の
人民
(
じんみん
)
は
侮
(
あなど
)
りて
居
(
を
)
るぞよ。
063
結構
(
けつこう
)
な
身魂
(
みたま
)
ほど
世
(
よ
)
に
落
(
おと
)
してありたぞよ。
064
牛
(
うし
)
の
糞
(
くそ
)
が
天下
(
てんか
)
をとると
申
(
まを
)
すのは
今度
(
こんど
)
の
譬
(
たと
)
えであるぞよ。
065
神
(
かみ
)
が
表
(
おもて
)
に
現
(
あら
)
はれて
善悪
(
ぜんあく
)
の
立替
(
たてかへ
)
を
致
(
いた
)
すぞよ』
066
と
筆先
(
ふでさき
)
の
真似
(
まね
)
をして、
067
朝
(
あさ
)
から
晩
(
ばん
)
まで
連続
(
れんぞく
)
的
(
てき
)
に
叫
(
さけ
)
び
乍
(
なが
)
ら
荒
(
あ
)
れ
狂
(
くる
)
ふてゐる。
068
足立
(
あだち
)
を
始
(
はじ
)
め
其
(
その
)
他
(
た
)
の
役員
(
やくゐん
)
神懸
(
かむがか
)
り
[
※
初版・愛世版では「神懸り」、校定版では「神憑(かむがかり)」。
]
は、
069
平生
(
ふだん
)
から
筆先
(
ふでさき
)
の
聞
(
き
)
きかじりを
覚
(
おぼ
)
えて
居
(
を
)
るから、
070
今
(
いま
)
の
福島
(
ふくしま
)
の
憑霊
(
ひようれい
)
の
言葉
(
ことば
)
を
聞
(
き
)
いて、
071
真似
(
まね
)
をして
居
(
ゐ
)
るものとは
思
(
おも
)
はず、
072
誠
(
まこと
)
の
艮
(
うしとらの
)
金神
(
こんじん
)
に
相違
(
さうゐ
)
ないと
固
(
かた
)
く
信
(
しん
)
じて
居
(
を
)
るから
堪
(
たま
)
らぬ。
073
福島
(
ふくしま
)
は
喜楽
(
きらく
)
の
顔
(
かほ
)
を
見
(
み
)
るなり、
074
福島
(
ふくしま
)
『サア
又
(
また
)
上田
(
うへだ
)
が
来
(
き
)
たぞよ。
075
皆
(
みな
)
の
眷族
(
けんぞく
)
共
(
ども
)
、
076
上田
(
うへだ
)
を
調伏
(
てうふく
)
致
(
いた
)
して
改心
(
かいしん
)
させねばならぬぞよ。
077
今
(
いま
)
に
神
(
かみ
)
が
懲戒
(
みせしめ
)
を
致
(
いた
)
してアフンとさして
見
(
み
)
せるぞよ。
078
おちぶれ
者
(
もの
)
を
侮
(
あなど
)
る
事
(
こと
)
はならぬぞよ。
079
結構
(
けつこう
)
な
方
(
かた
)
を
世
(
よ
)
に
落
(
おと
)
して
結構
(
けつこう
)
の
御用
(
ごよう
)
をさしてありたぞよ。
080
其
(
その
)
御
(
おん
)
方
(
かた
)
と
申
(
まを
)
すのは
出口
(
でぐち
)
直
(
なほ
)
ではなかりたぞよ。
081
福島
(
ふくしま
)
寅之助
(
とらのすけ
)
でありたぞよ。
082
サア
一同
(
いちどう
)
の
者
(
もの
)
よ、
083
上田
(
うへだ
)
を
早
(
はや
)
く
叩
(
たた
)
き
出
(
だ
)
して
了
(
しま
)
へよ。
084
神界
(
しんかい
)
の
仕組
(
しぐみ
)
の
邪魔
(
じやま
)
になるぞよ』
085
と
命令
(
めいれい
)
をする。
086
一同
(
いちどう
)
は
一生
(
いつしやう
)
懸命
(
けんめい
)
に
喜楽
(
じぶん
)
の
前
(
まへ
)
に
立
(
た
)
ち
塞
(
ふさ
)
がり、
087
両手
(
りやうて
)
を
組
(
く
)
んでウンウンと
力
(
ちから
)
一杯
(
いつぱい
)
息
(
いき
)
をつめ
鎮魂
(
ちんこん
)
で
縛
(
しば
)
らうとしてゐる、
088
其
(
その
)
可笑
(
おか
)
しさ。
089
何程
(
なにほど
)
ウンウンと
気張
(
きば
)
つても
喜楽
(
きらく
)
の
体
(
からだ
)
はビクともせない。
090
一同
(
いちどう
)
は
一生
(
いつしやう
)
懸命
(
けんめい
)
になつて
益々
(
ますます
)
ウンウンを
続
(
つづ
)
けて
居
(
ゐ
)
る。
091
そこへ
澄子
(
すみこ
)
が
現
(
あら
)
はれてウンと
一息
(
ひといき
)
呼吸
(
いき
)
を
込
(
こ
)
めて
睨
(
にら
)
むと、
092
二十
(
にじふ
)
余
(
よ
)
人
(
にん
)
が
一
(
いち
)
時
(
じ
)
にバタバタと
将棋倒
(
しやうぎだふ
)
しになり、
093
身体
(
しんたい
)
強直
(
きやうちよく
)
して
動
(
うご
)
けぬ
様
(
やう
)
になつて
了
(
しま
)
つた。
094
足立
(
あだち
)
、
095
中村
(
なかむら
)
、
096
四方
(
しかた
)
春三
(
はるざう
)
の
三
(
さん
)
人
(
にん
)
は
顔色
(
かほいろ
)
を
蒼白
(
まつさを
)
に
変
(
へん
)
じ、
097
許
(
ゆる
)
しを
乞
(
こ
)
ふ
事
(
こと
)
頻
(
しき
)
りであつた。
098
澄子
(
すみこ
)
は
只
(
ただ
)
一言
(
ひとこと
)
、
099
澄子
(
すみこ
)
『
改心
(
かいしん
)
すれば
許
(
ゆる
)
す』
100
と
言
(
い
)
つた
言霊
(
ことたま
)
の
妙用
(
めうよう
)
忽
(
たちま
)
ち
現
(
あら
)
はれ、
101
一同
(
いちどう
)
は
元
(
もと
)
の
体
(
からだ
)
に
帰
(
かへ
)
つた。
102
これに
驚
(
おどろ
)
いて
村上
(
むらかみ
)
房之助
(
ふさのすけ
)
、
103
野崎
(
のざき
)
篤三郎
(
とくさぶらう
)
は
何処
(
どこ
)
ともなく
姿
(
すがた
)
を
隠
(
かく
)
し、
104
三日
(
みつか
)
も
四日
(
よつか
)
も
帰
(
かへ
)
つて
来
(
こ
)
ない。
105
そこで
二人
(
ふたり
)
の
行衛
(
ゆくゑ
)
が
知
(
し
)
れぬと
云
(
い
)
つて
大騒動
(
おほさうどう
)
が
持
(
も
)
ち
上
(
あが
)
つた。
106
上谷
(
うへだに
)
の
修行者
(
しうぎやうしや
)
一同
(
いちどう
)
は
残
(
のこ
)
らず
綾部
(
あやべ
)
の
広間
(
ひろま
)
へ
帰
(
かへ
)
つて
来
(
き
)
た。
107
村上
(
むらかみ
)
と
野崎
(
のざき
)
の
両親
(
りやうしん
)
が
非常
(
ひじやう
)
に
立腹
(
りつぷく
)
してつめかけ、
108
『
一体
(
いつたい
)
私
(
わたくし
)
方
(
かた
)
の
掛替
(
かけがへ
)
のない
大切
(
たいせつ
)
の
息子
(
むすこ
)
を
全気狂
(
まるきちがひ
)
にして
了
(
しま
)
ふた
挙句
(
あげく
)
、
109
行衛
(
ゆくゑ
)
も
知
(
し
)
れぬ
様
(
やう
)
になつたのは
足立
(
あだち
)
サンや
中村
(
なかむら
)
サンが
行
(
ゆ
)
き
届
(
とど
)
かぬとは
云
(
い
)
へ、
110
もとは
上田
(
うへだ
)
サンが
出
(
で
)
てきて
神懸
(
かむがかり
)
[
※
初版・愛世版では「神懸」、校定版では「神がかり」。
]
だ
等
(
など
)
と
申
(
まを
)
して、
111
狐
(
きつね
)
や
狸
(
たぬき
)
を
大切
(
たいせつ
)
の
息子
(
むすこ
)
に
憑
(
つ
)
けたからぢや。
112
さあ
今
(
いま
)
此処
(
ここ
)
へ
息子
(
むすこ
)
を
出
(
だ
)
して
返
(
かへ
)
して
呉
(
く
)
れ。
113
万々一
(
まんまんいち
)
池河
(
いけかは
)
へでも
身
(
み
)
を
投
(
な
)
げて
死
(
し
)
んで
居
(
を
)
つたら
如何
(
どう
)
して
下
(
くだ
)
さる。
114
さあ
早
(
はや
)
く
返答
(
へんたふ
)
を
聞
(
き
)
かせ。
115
もう
了見
(
れうけん
)
ならぬ』
116
と
大
(
だい
)
の
男
(
をとこ
)
が
目
(
め
)
を
剥
(
む
)
いて
睨
(
にら
)
みつける。
117
喜楽
(
きらく
)
は
黙然
(
もくねん
)
として
暫
(
しば
)
し
考
(
かんが
)
へ、
118
喜楽
(
きらく
)
『
御
(
ご
)
心配
(
しんぱい
)
は
入
(
い
)
りませぬ。
119
只今
(
ただいま
)
お
目
(
め
)
にかけて
安心
(
あんしん
)
さして
上
(
あ
)
げます』
120
と
言葉
(
ことば
)
の
終
(
をは
)
るや
否
(
いな
)
や、
121
村上
(
むらかみ
)
房之助
(
ふさのすけ
)
は
生田村
(
いくたむら
)
の
旧
(
きう
)
神官
(
しんくわん
)
福林
(
ふくばやし
)
安之助
(
やすのすけ
)
氏
(
し
)
を
伴
(
とも
)
なひ、
122
意気
(
いき
)
揚々
(
やうやう
)
として
帰
(
かへ
)
つて
来
(
き
)
た。
123
福林
(
ふくばやし
)
が
大本
(
おほもと
)
の
忠実
(
ちうじつ
)
な
役員
(
やくゐん
)
となつたのはこれが
動機
(
どうき
)
である。
124
次
(
つぎ
)
に
野崎
(
のざき
)
は
志賀郷
(
しがさと
)
村
(
むら
)
字
(
あざ
)
西方
(
にしがた
)
の
竹原
(
たけはら
)
房太郎
(
ふさたらう
)
を
伴
(
ともな
)
ひ
帰
(
かへ
)
つて
来
(
き
)
た。
125
竹原
(
たけはら
)
はもとから
綾部
(
あやべ
)
金光
(
こんくわう
)
教会
(
けうくわい
)
の
古
(
ふる
)
い
世話方
(
せわかた
)
であつたが、
126
金明会
(
きんめいくわい
)
へ
入会
(
にふくわい
)
した
動機
(
どうき
)
もこれが
始
(
はじ
)
めであつた。
127
さうして
福島
(
ふくしま
)
は
一先
(
ひとま
)
づ
八木
(
やぎ
)
へ
立
(
た
)
ち
帰
(
かへ
)
る
事
(
こと
)
となり、
128
後
(
あと
)
は
喜楽
(
きらく
)
、
129
澄子
(
すみこ
)
の
二人
(
ふたり
)
が
審神者
(
さには
)
となり
何
(
いづ
)
れの
神懸
(
かむがかり
)
[
※
初版・愛世版では「神懸」、校定版では「神がかり」。
]
もよく
鎮
(
しづ
)
まりそれぞれの
神徳
(
しんとく
)
を
受
(
う
)
け、
130
金明会
(
きんめいくわい
)
は
一先
(
ひとま
)
づ
治
(
をさ
)
まり、
131
反対者
(
はんたいしや
)
も
我
(
が
)
を
折
(
を
)
つて
教祖
(
けうそ
)
や
喜楽
(
きらく
)
の
指図
(
さしづ
)
に
服
(
ふく
)
する
事
(
こと
)
となつた。
132
(
大正一一・一〇・一六
旧八・二六
北村隆光
録)
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(B)
(N)
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