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霊界物語
舎身活躍(第37~48巻)
第38巻(丑の巻)
序歌
総説
第1篇 千万無量
第1章 道すがら
第2章 吉崎仙人
第3章 帰郷
第4章 誤親切
第5章 三人組
第6章 曲の猛
第7章 火事蚊
第2篇 光風霽月
第8章 三ツ巴
第9章 稍安定
第10章 思ひ出(一)
第11章 思ひ出(二)
第12章 思ひ出(三)
第3篇 冒険神験
第13章 冠島
第14章 沓島
第15章 怒濤
第16章 禁猟区
第17章 旅装
第4篇 霊火山妖
第18章 鞍馬山(一)
第19章 鞍馬山(二)
第20章 元伊勢
第5篇 正信妄信
第21章 凄い権幕
第22章 難症
第23章 狐狸狐狸
第24章 呪の釘
第25章 雑草
第26章 日の出
第27章 仇箒
第28章 金明水
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舎身活躍(第37~48巻)
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第38巻(丑の巻)
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(B)
(N)
日の出 >>>
第二五章
雑草
(
ざつさう
)
〔一〇六二〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第38巻 舎身活躍 丑の巻
篇:
第5篇 正信妄信
よみ(新仮名遣い):
せいしんぼうしん
章:
第25章 雑草
よみ(新仮名遣い):
ざっそう
通し章番号:
1062
口述日:
1922(大正11)年10月18日(旧08月28日)
口述場所:
筆録者:
松村真澄
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1924(大正13)年4月3日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
建勲神社に奉仕中、宇津の小西のところに出張してみたが、小西は信者たちの前であからさまに、この人はもう狐がついて抜け殻となっている、と貶めた。
自分はわざと知らないふりをしていたが、小西は北桑田の信者にも悪口を触れまわして自分の勢力を広げようとする。小西の信者のなかでも、湯浅斎次郎氏は小西のやり方を憤慨していた。
喜楽が建勲神社を辞して御嶽教に奉仕していたころ、小西が自分の息子の嫁に、喜楽の妹をもらいたいと言ってきた。喜楽はそうなったら少しは小西も自分の言うことに耳を傾けるようになるだろうと、妹をやった。
しかし小西は改心するどころか、ますます増長した。しかし信者たちが小西への不信を募らせていき、とうとう一人も信者が来ないようになってしまった。
小西は明治四十三年に独断で大本へやってきて引っ掻き回し、教祖様の嫌いな薬の指図などをして、たいへんに気を揉んだ。やがて綾部に居れなくなって宇津に帰ったが、何人かを抱き込んで大本乗っ取りを計画していた。
湯浅氏は小西の味方のふりをして、彼らの陰謀を残らず大本に報告したので、彼らも策の施しようがなくなり、小西派は空中分解をしてしまった。
小西は京都で御嶽教の教導職になったが、病気治しをした先の家の細君と妙な関係になったのを見つけられ、その細君は井戸に身を投げて死んでしまった。それがたいへんな悶着を引き起こし、喜楽に泣きついてきて、金を無理に出させられた。
小西は京都にもいられなくなって宇津に戻ったが、中風になって弱り、大正六年ごろに帰幽した。
小西の弟子の小沢という男も、支部の娘と関係して放り出されたり、綾部で始終役員と喧嘩したりということを繰り返し、最後には祖霊社で自殺してしまった。杉井という男も大本を混ぜ返し、二代澄子に看破されて叱りつけられ、大本を出て大社教の教会をたてて反大本を宣伝しているという。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2022-11-12 10:45:31
OBC :
rm3825
愛善世界社版:
259頁
八幡書店版:
第7輯 256頁
修補版:
校定版:
265頁
普及版:
138頁
初版:
ページ備考:
001
建勲
(
けんくん
)
神社
(
じんじや
)
に
奉仕中
(
ほうしちう
)
、
002
喜楽
(
きらく
)
は
休日
(
きうじつ
)
を
利用
(
りよう
)
して
宇津
(
うつ
)
の
小西
(
こにし
)
の
布教
(
ふけう
)
してゐる
八幡宮
(
はちまんぐう
)
の
社務所
(
しやむしよ
)
へ
出張
(
しゆつちやう
)
して
見
(
み
)
た。
003
さうすると
沢山
(
たくさん
)
な
信者
(
しんじや
)
が
集
(
あつま
)
つて、
004
祈祷
(
きたう
)
して
貰
(
もら
)
うてゐる。
005
湯浅
(
ゆあさ
)
仁斎
(
じんさい
)
氏
(
し
)
の、
006
妻君
(
さいくん
)
も
満艦飾
(
まんかんしよく
)
をこらして
参拝
(
さんぱい
)
して
居
(
ゐ
)
た。
007
さうすると
小西
(
こにし
)
が
大勢
(
おほぜい
)
の
前
(
まへ
)
で、
008
小西
(
こにし
)
『あゝ
会長
(
くわいちやう
)
サン、
009
来
(
き
)
なさつたか、
010
狐
(
けつね
)
はモウ
去
(
い
)
にましたかなア』
011
とおチヨくる
様
(
やう
)
に
無礼
(
ぶれい
)
な
事
(
こと
)
を
言
(
い
)
ふ。
012
喜楽
(
きらく
)
はムツとしたが、
013
いやいや
待
(
ま
)
て
待
(
ま
)
てと
胸
(
むね
)
をなでおろし、
014
喜楽
(
きらく
)
は
永
(
なが
)
らく
綾部
(
あやべ
)
で
大勢
(
おほぜい
)
に
圧迫
(
あつぱく
)
や
妨害
(
ばうがい
)
を
加
(
くは
)
へられ、
015
隠
(
かく
)
れ
忍
(
しの
)
んでやうやう
西田
(
にしだ
)
と
二人
(
ふたり
)
してここにお
広間
(
ひろま
)
を
拵
(
こしら
)
へ、
016
ここを
根拠
(
こんきよ
)
として
大本
(
おほもと
)
の
教
(
をしへ
)
を
開
(
ひら
)
かねばならぬのだから、
017
今
(
いま
)
怒
(
おこ
)
つては
大事
(
だいじ
)
の
前
(
まへ
)
の
小事
(
せうじ
)
だと、
018
ワザと
平気
(
へいき
)
な
顔
(
かほ
)
をして
笑
(
わら
)
うて
居
(
ゐ
)
ると、
019
小西
(
こにし
)
は
尚
(
なほ
)
もつけ
上
(
あが
)
り、
020
小西
(
こにし
)
『
皆
(
みな
)
サン
此
(
この
)
人
(
ひと
)
は
綾部
(
あやべ
)
の
海潮
(
かいてう
)
と
云
(
い
)
ふ
人
(
ひと
)
で、
021
瑞
(
みづ
)
の
御霊
(
みたま
)
の
大神
(
おほかみ
)
様
(
さま
)
が
御
(
ご
)
守護
(
しゆご
)
して
御座
(
ござ
)
つたのぢやが、
022
官幣社
(
くわんぺいしや
)
の
神主
(
かむぬし
)
になつたりするもんだから、
023
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
が
愛想
(
あいさう
)
を
尽
(
つ
)
かして、
024
此
(
この
)
松元
(
しようげん
)
に
移
(
うつ
)
り
替
(
か
)
へなさつたのだから、
025
瑞
(
みづ
)
の
御霊
(
みたま
)
の
御
(
ご
)
神徳
(
しんとく
)
は
皆
(
みな
)
此
(
この
)
松元
(
しようげん
)
におさまり、
026
海潮
(
かいてう
)
サンは
蝉
(
せみ
)
のぬけがらになつた
後
(
あと
)
へ、
027
稲荷山
(
いなりやま
)
のケツネがついて
居
(
ゐ
)
ますから、
028
モウ
駄目
(
だめ
)
です。
029
こんな
人
(
ひと
)
に
鎮魂
(
ちんこん
)
をうけてはいけませぬ』
030
と
人
(
ひと
)
の
前
(
まへ
)
で
臆面
(
おくめん
)
もなく
喋
(
しやべ
)
り
立
(
た
)
てる。
031
喜楽
(
きらく
)
は、
032
喜楽
(
きらく
)
『あゝさうだ、
033
私
(
わたし
)
は
脱殻
(
ぬけがら
)
だ、
034
どうぞ
松元
(
しようげん
)
サンに、
035
一
(
いち
)
時
(
じ
)
も
早
(
はや
)
く
綾部
(
あやべ
)
へ
来
(
き
)
て
御用
(
ごよう
)
をして
貰
(
もら
)
はねばなりませぬ』
036
といつたら、
037
松元
(
しようげん
)
は
得意
(
とくい
)
になつて、
038
小西
(
こにし
)
『
綾部
(
あやべ
)
の
教祖
(
けうそ
)
様
(
さま
)
が
変性
(
へんじやう
)
男子
(
なんし
)
の
御
(
おん
)
身魂
(
みたま
)
で、
039
此
(
この
)
松元
(
しようげん
)
が
松
(
まつ
)
の
大本
(
おほもと
)
で、
040
変性
(
へんじやう
)
女子
(
によし
)
の
御用
(
ごよう
)
をするんだが、
041
モチと
海潮
(
かいてう
)
の
改心
(
かいしん
)
が
出来
(
でき
)
ぬと、
042
中々
(
なかなか
)
行
(
ゆ
)
けませぬワイ』
043
と
云
(
い
)
ひ
乍
(
なが
)
ら、
044
折角
(
せつかく
)
開
(
ひら
)
いて
置
(
お
)
いた
北桑田
(
きたくはだ
)
の
信者
(
しんじや
)
を
小口
(
こぐち
)
から、
045
第二
(
だいに
)
の
中村
(
なかむら
)
のやうに
悪口
(
わるくち
)
を
言
(
い
)
うてふれまはして
了
(
しま
)
うた。
046
其
(
その
)
時
(
とき
)
湯浅
(
ゆあさ
)
夫婦
(
ふうふ
)
も
松元
(
しようげん
)
の
教会
(
けうくわい
)
へ
病気
(
びやうき
)
の
為
(
ため
)
に
参拝
(
さんぱい
)
して
居
(
ゐ
)
たが、
047
湯浅
(
ゆあさ
)
はどうしても
松元
(
しようげん
)
の
行方
(
やりかた
)
が
気
(
き
)
にくはぬので、
048
自分
(
じぶん
)
は
船岡
(
ふなをか
)
の
妙霊
(
めうれい
)
教会
(
けうくわい
)
へ
月参
(
つきまゐ
)
りをし、
049
妻君
(
さいくん
)
のみが
隠
(
かく
)
れて
信仰
(
しんかう
)
をして
居
(
を
)
つた。
050
それから
明治
(
めいぢ
)
四十一
(
よんじふいち
)
年
(
ねん
)
の
二
(
に
)
月
(
ぐわつ
)
の
事
(
こと
)
であつた。
051
会長
(
くわいちやう
)
は
建勲
(
けんくん
)
神社
(
じんじや
)
を
辞職
(
じしよく
)
して、
052
御嶽教
(
みたけけう
)
の
仮本庁
(
かりほんちやう
)
が
伏見
(
ふしみ
)
の
稲荷山
(
いなりやま
)
に
宏大
(
くわうだい
)
な
館
(
やかた
)
を
立
(
た
)
てて
設置
(
せつち
)
されてあつたので、
053
神宮
(
じんぐう
)
官庁
(
くわんちやう
)
から
頼
(
たの
)
まれて、
054
副管長
(
ふくくわんちやう
)
格
(
かく
)
の
主事
(
しゆじ
)
といふ
役
(
やく
)
をつとめて
居
(
ゐ
)
た。
055
喜楽
(
きらく
)
が
御嶽教
(
みたけけう
)
へ
這入
(
はい
)
つたのは
[
*
底本では「這入」ではなく「は入」。
]
、
056
御
(
ご
)
祭神
(
さいしん
)
が
国常立
(
くにとこたちの
)
命
(
みこと
)
であるのと、
057
将来
(
しやうらい
)
神
(
かみ
)
の
道
(
みち
)
を
布教
(
ふけう
)
するに
付
(
つ
)
いて
見学
(
けんがく
)
の
為
(
ため
)
に、
058
無報酬
(
むほうしう
)
でつとめて
居
(
ゐ
)
たのである。
059
そこへ
湯浅
(
ゆあさ
)
斎次郎
(
さいじらう
)
氏
(
し
)
が
小西
(
こにし
)
に
頼
(
たの
)
まれたと
云
(
い
)
つて
使
(
つかひ
)
に
来
(
き
)
た。
060
其
(
その
)
時
(
とき
)
海潮
(
かいてう
)
は
大阪
(
おほさか
)
の
生玉
(
いくたま
)
に
設置
(
せつち
)
されてある、
061
御嶽教
(
みたけけう
)
大教会
(
だいけうくわい
)
へ
教会長
(
けうくわいちやう
)
なので
二三
(
にさん
)
日
(
にち
)
出張
(
しゆつちやう
)
して
居
(
ゐ
)
た。
062
其
(
その
)
不在中
(
ふざいちゆう
)
に
湯浅
(
ゆあさ
)
は
御嶽教
(
みたけけう
)
の
本庁
(
ほんちやう
)
で
泊
(
と
)
めて
貰
(
もら
)
ひ、
063
喜楽
(
きらく
)
の
書
(
か
)
いた
沢山
(
たくさん
)
の
書物
(
しよもつ
)
を
半分
(
はんぶん
)
計
(
ばか
)
り
読
(
よ
)
んで
了
(
しま
)
ひ、
064
非常
(
ひじやう
)
に
信仰
(
しんかう
)
を
固
(
かた
)
めて
居
(
ゐ
)
た。
065
そこへ
喜楽
(
きらく
)
が
帰
(
かへ
)
つて
来
(
き
)
て
湯浅
(
ゆあさ
)
に
会
(
あ
)
ひ
来意
(
らいい
)
を
尋
(
たづ
)
ねると、
066
湯浅
(
ゆあさ
)
『
小西
(
こにし
)
松元
(
しようげん
)
サンの
息子
(
むすこ
)
の
嫁
(
よめ
)
に
妹
(
いもうと
)
のお
君
(
きみ
)
さまを
貰
(
もら
)
ひたい』
067
との
事
(
こと
)
であつた。
068
海潮
(
かいてう
)
は
小西
(
こにし
)
松元
(
しようげん
)
の
為
(
ため
)
には
非常
(
ひじやう
)
に
侮辱
(
ぶじよく
)
されて、
069
余
(
あま
)
り
面白
(
おもしろ
)
くなかつたけれど、
070
お
道
(
みち
)
が
大事
(
だいじ
)
だと
思
(
おも
)
うて
隠忍
(
いんにん
)
して
居
(
ゐ
)
た
所
(
ところ
)
である。
071
一層
(
いつそう
)
の
事
(
こと
)
妹
(
いもうと
)
をやつたならば
小西
(
こにし
)
も
反対
(
はんたい
)
をせず、
072
自分
(
じぶん
)
の
云
(
い
)
ふことを
聞
(
き
)
くやうになるだらうと
思
(
おも
)
ひ、
073
早速
(
さつそく
)
穴太
(
あなを
)
へ
帰
(
かへ
)
つて
母
(
はは
)
と
相談
(
さうだん
)
の
上
(
うへ
)
、
074
僅
(
わづか
)
に
十五
(
じふご
)
才
(
さい
)
の
妹
(
いもうと
)
を
無理
(
むり
)
にたらかして、
075
湯浅
(
ゆあさ
)
氏
(
し
)
の
媒介
(
なかうど
)
で、
076
一先
(
ひとま
)
づ
湯浅
(
ゆあさ
)
の
宅
(
たく
)
へ
落着
(
おちつ
)
き、
077
結婚式
(
けつこんしき
)
を
挙
(
あ
)
げさしたのであつた。
078
それから
小西
(
こにし
)
は
改心
(
かいしん
)
するかと
思
(
おも
)
ひの
外
(
ほか
)
、
079
益々
(
ますます
)
増長
(
ぞうちよう
)
してどうにも
斯
(
か
)
うにもならぬやうになり、
080
遂
(
つひ
)
には
各信者
(
かくしんじや
)
の
小西
(
こにし
)
に
対
(
たい
)
する
不信任
(
ふしんにん
)
が
加
(
くは
)
はつて
来
(
き
)
て、
081
一人
(
ひとり
)
も
来
(
こ
)
ぬやうになつて
了
(
しま
)
つた。
082
さうすると
小西
(
こにし
)
が
独断
(
どくだん
)
で
綾部
(
あやべ
)
の
大本
(
おほもと
)
へ、
083
明治
(
めいぢ
)
四十三
(
しじふさん
)
年
(
ねん
)
にやつて
来
(
き
)
て、
084
お
広間
(
ひろま
)
に
先生顔
(
せんせいがほ
)
をして
坐
(
すわ
)
り
込
(
こ
)
み、
085
薬
(
くすり
)
の
指図
(
さしづ
)
をしたり、
086
鎮魂
(
ちんこん
)
を
始
(
はじ
)
め
出
(
だ
)
した。
087
教祖
(
けうそ
)
さまは
鎮魂
(
ちんこん
)
や
薬
(
くすり
)
の
指図
(
さしづ
)
が
大
(
だい
)
の
嫌
(
きら
)
ひなり、
088
二人
(
ふたり
)
の
中
(
なか
)
に
立
(
た
)
つて
大変
(
たいへん
)
に
気
(
き
)
をもんだ。
089
さうかうして
居
(
ゐ
)
る
内
(
うち
)
に
御嶽教
(
みたけけう
)
の
機関
(
きくわん
)
雑誌
(
ざつし
)
『
経世軍
(
けいせいぐん
)
』といふ
小
(
ちひ
)
さい
発刊物
(
はつかんぶつ
)
の
記者
(
きしや
)
をして
居
(
ゐ
)
た
千葉
(
ちば
)
埴麿
(
はにまろ
)
が
御嶽教
(
みたけけう
)
を
放
(
ほ
)
り
出
(
だ
)
され、
090
食
(
く
)
ふことが
出来
(
でき
)
ぬから、
091
麦飯
(
むぎめし
)
でもよいから
綾部
(
あやべ
)
に
置
(
お
)
いてくれぬか……と
手紙
(
てがみ
)
をよこしたので、
092
承諾
(
しようだく
)
の
旨
(
むね
)
を
答
(
こた
)
へてやると、
093
すぐに
夫婦
(
ふうふ
)
二人
(
ふたり
)
で
綾部
(
あやべ
)
へやつて
来
(
き
)
て、
094
それから
宮沢
(
みやざは
)
円竜
(
ゑんりう
)
といふ
法華
(
ほつけ
)
坊主
(
ばうず
)
上
(
あが
)
りの
神道家
(
しんだうか
)
を
呼
(
よ
)
びよせ、
095
栃木県
(
とちぎけん
)
の
吉田村
(
よしだむら
)
に
二億万
(
におくまん
)
円
(
ゑん
)
の
金
(
かね
)
がいけてあるから、
096
掘
(
ほ
)
り
出
(
だ
)
して
国家
(
こくか
)
の
為
(
ため
)
に
尽
(
つく
)
さうかといひ
出
(
だ
)
し、
097
千
(
せん
)
円
(
ゑん
)
許
(
ばか
)
りも
工面
(
くめん
)
して
大本
(
おほもと
)
から
金
(
かね
)
を
引出
(
ひきだ
)
し、
098
そして
其
(
その
)
実
(
じつ
)
は
半分
(
はんぶん
)
以上
(
いじやう
)
自分
(
じぶん
)
の
借金
(
しやくきん
)
なしをしたりして
了
(
しま
)
ひ、
099
大本
(
おほもと
)
から
小西
(
こにし
)
の
息子
(
むすこ
)
の
増吉
(
ますきち
)
と
田中
(
たなか
)
善吉
(
ぜんきち
)
とが
吉田
(
よしだ
)
へ
金掘
(
かねほり
)
に
行
(
い
)
つた
事
(
こと
)
があつた。
100
モツと
金
(
かね
)
をよこせ、
101
キツと
出
(
で
)
ると
云
(
い
)
つて
来
(
き
)
たけれど、
102
モウそれぎりで
金
(
かね
)
を
送
(
おく
)
らず
田中
(
たなか
)
と
増吉
(
ますきち
)
とを
綾部
(
あやべ
)
へ
呼
(
よ
)
び
返
(
かへ
)
した。
103
サアさうすると
千葉
(
ちば
)
が
教祖
(
けうそ
)
さまに
甘
(
うま
)
く
取入
(
とりい
)
り、
104
ソロソロ
会長
(
くわいちやう
)
の
排斥
(
はいせき
)
運動
(
うんどう
)
に
着手
(
ちやくしゆ
)
し、
105
教祖
(
けうそ
)
の
命
(
めい
)
をうけてはそこら
中
(
ぢう
)
を
訪問
(
はうもん
)
して、
106
自分
(
じぶん
)
勝手
(
かつて
)
なことをやつて
居
(
を
)
つた。
107
小西
(
こにし
)
は
綾部
(
あやべ
)
に
居
(
を
)
れなくなつて、
108
再
(
ふたた
)
び
宇津
(
うつ
)
へ
帰
(
かへ
)
り、
109
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
を
拝
(
をが
)
んで
居
(
ゐ
)
たが、
110
二三十
(
にさんじふ
)
人
(
にん
)
の
信者
(
しんじや
)
が
代
(
かは
)
る
代
(
がは
)
る
参拝
(
さんぱい
)
して
居
(
ゐ
)
た。
111
増吉
(
ますきち
)
は
千葉
(
ちば
)
と
宮沢
(
みやざは
)
にスツカリ
抱込
(
だきこ
)
まれ、
112
大本
(
おほもと
)
へ
反旗
(
はんき
)
を
翻
(
ひるがへ
)
して
両人
(
りやうにん
)
を
吾
(
わが
)
家
(
や
)
へ
連
(
つ
)
れ
帰
(
かへ
)
り、
113
園部
(
そのべ
)
の
片山
(
かたやま
)
源之助
(
げんのすけ
)
や
浅井
(
あさゐ
)
はな
等
(
ら
)
と
諜
(
しめ
)
し
合
(
あ
)
はして
大本
(
おほもと
)
乗取
(
のつと
)
りの
策
(
さく
)
を
講
(
かう
)
じてゐた。
114
そこで
湯浅
(
ゆあさ
)
がワザとに
小西
(
こにし
)
の
味方
(
みかた
)
となつて
陰謀
(
いんぼう
)
を
残
(
のこ
)
らず
探
(
さぐ
)
り
大本
(
おほもと
)
へ
報告
(
はうこく
)
したので、
115
彼
(
かれ
)
等
(
ら
)
も
策
(
さく
)
の
施
(
ほどこ
)
すべき
所
(
ところ
)
なく、
116
とうとう
東京
(
とうきやう
)
へ
宮沢
(
みやざは
)
は
逃
(
に
)
げ
帰
(
かへ
)
り、
117
千葉
(
ちば
)
は
片山
(
かたやま
)
源之助
(
げんのすけ
)
と
園部
(
そのべ
)
の
新町
(
しんまち
)
で
報公
(
はうこう
)
義会
(
ぎくわい
)
といふ
会
(
くわい
)
を
拵
(
こしら
)
へて、
118
片山
(
かたやま
)
を
大将
(
たいしやう
)
とし、
119
浅井
(
あさゐ
)
はなをしまひには
放
(
はう
)
り
出
(
だ
)
して、
120
勝手
(
かつて
)
な
熱
(
ねつ
)
を
吹
(
ふ
)
き、
121
盛
(
さかん
)
に
大本
(
おほもと
)
に
反対
(
はんたい
)
をつづけてゐた。
122
小西
(
こにし
)
はとうとう
御嶽教
(
みたけけう
)
の
教導職
(
けうだうしよく
)
となつて、
123
京都
(
きやうと
)
の
大本
(
おほもと
)
の
信者
(
しんじや
)
の
宅
(
たく
)
へ
入
(
い
)
り
込
(
こ
)
み、
124
盛
(
さかん
)
に
病気
(
びやうき
)
直
(
なほ
)
しをやつて、
125
流行
(
はや
)
らしてゐたが、
126
其
(
その
)
家
(
いへ
)
の
妻君
(
さいくん
)
と
妙
(
めう
)
な
関係
(
くわんけい
)
が
出来
(
でき
)
、
127
主人
(
しゆじん
)
に
見
(
み
)
つけられ、
128
女房
(
にようばう
)
は
直
(
ただち
)
に
裏
(
うら
)
の
井戸
(
ゐど
)
へ
投身
(
とうしん
)
して
死
(
し
)
んで
了
(
しま
)
つた。
129
それから
大変
(
たいへん
)
な
悶着
(
もんちやく
)
が
起
(
おこ
)
り、
130
法律
(
はふりつ
)
問題
(
もんだい
)
が
持上
(
もちあが
)
らうとした。
131
さうすると
小西
(
こにし
)
増吉
(
ますきち
)
が
自分
(
じぶん
)
の
姉
(
あね
)
と
一緒
(
いつしよ
)
にやつて
来
(
き
)
て、
132
反対
(
はんたい
)
に
喜楽
(
きらく
)
に
熱
(
ねつ
)
を
吹
(
ふ
)
き、
133
此
(
この
)
事件
(
じけん
)
を
甘
(
うま
)
く
事
(
こと
)
ずみさせるためのあやまり
金
(
きん
)
を
喜楽
(
きらく
)
の
貧弱
(
ひんじやく
)
な
懐
(
ふところ
)
から
無理
(
むり
)
に
出
(
だ
)
さして
帰
(
かへ
)
つた
事
(
こと
)
がある。
134
それから
小西
(
こにし
)
は
京都
(
きやうと
)
にも
居
(
を
)
れなくなり、
135
再
(
ふたた
)
び
宇津
(
うつ
)
へ
帰
(
かへ
)
り
中風
(
ちうぶ
)
の
気
(
け
)
になつて
弱
(
よわ
)
つてゐたが、
136
大正
(
たいしやう
)
六
(
ろく
)
年
(
ねん
)
頃
(
ごろ
)
とうとう
帰幽
(
きいう
)
して
了
(
しま
)
つた。
137
小西
(
こにし
)
の
弟子
(
でし
)
に
小沢
(
をざは
)
惣祐
(
そういう
)
といふ
男
(
をとこ
)
があつて、
138
これが
又
(
また
)
江州
(
ごうしう
)
の
貝津
(
かひつ
)
へ
支部
(
しぶ
)
を
開
(
ひら
)
きに
行
(
ゆ
)
き、
139
そこの
娘
(
むすめ
)
と
妙
(
めう
)
な
関係
(
くわんけい
)
が
出来
(
でき
)
て
放
(
はう
)
り
出
(
だ
)
され、
140
綾部
(
あやべ
)
へもやつて
来
(
き
)
て
役員
(
やくゐん
)
と
始終
(
しじう
)
喧嘩
(
けんくわ
)
許
(
ばか
)
りしてゐたが、
141
遂
(
つひ
)
には
綾部
(
あやべ
)
を
飛出
(
とびだ
)
し
茨木
(
いばらぎ
)
や
肝川
(
きもがは
)
などにお
広間
(
ひろま
)
を
建
(
た
)
て、
142
暫
(
しばら
)
くすると
其
(
その
)
土地
(
とち
)
の
役員
(
やくゐん
)
と
衝突
(
しようとつ
)
して
飛
(
と
)
び
出
(
だ
)
し、
143
遂
(
つひ
)
には
亀岡
(
かめをか
)
の
旅籠町
(
はたごまち
)
で
京都
(
きやうと
)
の
大内
(
おほうち
)
といふ
後家
(
ごけ
)
をチヨロまかし、
144
又
(
また
)
失敗
(
しつぱい
)
して
大正
(
たいしやう
)
六
(
ろく
)
年
(
ねん
)
頃
(
ごろ
)
綾部
(
あやべ
)
へ
帰
(
かへ
)
つて
来
(
き
)
て、
145
元
(
もと
)
の
祖霊社
(
それいしや
)
で
腹
(
はら
)
を
十文字
(
じふもんじ
)
にかき
切
(
き
)
り、
146
喉
(
のど
)
をきつて
自殺
(
じさつ
)
して
了
(
しま
)
つた。
147
それから
杉井
(
すぎゐ
)
新之助
(
しんのすけ
)
といふ
男
(
をとこ
)
が
出
(
で
)
て
来
(
き
)
て、
148
大本
(
おほもと
)
を
交
(
ま
)
ぜ
返
(
かへ
)
し、
149
自分
(
じぶん
)
が
全権
(
ぜんけん
)
を
握
(
にぎ
)
らうとして、
150
二代
(
にだい
)
澄子
(
すみこ
)
に
看破
(
かんぱ
)
され、
151
叱
(
しか
)
りつけられて、
152
柏原
(
かひはら
)
の
大本
(
おほもと
)
の
支部
(
しぶ
)
へまはされ、
153
そこで
大本
(
おほもと
)
の
反対
(
はんたい
)
運動
(
うんどう
)
を
起
(
おこ
)
し、
154
大社教
(
たいしやけう
)
の
教会
(
けうくわい
)
を
建
(
た
)
て、
155
今
(
いま
)
に
宣伝
(
せんでん
)
してゐるさうである。
156
(
大正一一・一〇・一八
旧八・二八
松村真澄
録)
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