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祟(たた)り

インフォメーション
鏡：玉鏡 題名：祟り よみ： 著者：出口王仁三郎
神の国掲載号：1932（昭和7）年01月号 八幡書店版：223頁 愛善世界社版：275頁 著作集： 第五版：68頁 第三版：68頁 全集： 初版：47頁
概要： 備考： タグ： データ凡例： データ最終更新日： OBC ：kg513
001　昔(むかし)亀岡(かめをか)の或(あ)る家(いへ)の主人(しゆじん)が代々(だいだい)四十二歳(しじふにさい)になると死(し)んだ。002何(なに)かの祟(たた)りであらうと心(こころ)を悩(なや)まして居(ゐ)た。003或(あ)る時(とき)一人(ひとり)の修験者(しゆげんじや)がやつて来(き)て、004その事(こと)を他家(たけ)で聞(き)いて、005その家(いへ)を尋(たづ)ねて行(い)つた。006そして其(その)修験者(しゆげんじや)が「貴方(あなた)の家(いへ)は、007何時(いつ)も御主人(ごしゆじん)が四十二歳(しじふにさい)になると亡(な)くなりますね」と云(い)つた。008その家(いへ)の主人(しゆじん)は「如何(どう)してそれが分(わか)りますか」と云(い)へば、009修験者(しゆげんじや)は「法力(ほふりき)で判(わか)るのだ」と答(こた)へた。010主人(しゆじん)は是非(ぜひ)長生(ながいき)したいと言(い)うて相談(さうだん)した。011修験者(しゆげんじや)はそれには八百万(やほよろづ)の神仏(しんぶつ)を供養(くやう)せねばならぬ。012その為(ため)にはあらゆる日本(につぽん)の神社(じんじや)仏閣(ぶつかく)を巡拝(じゆんぱい)せねばならぬから、013その旅費(りよひ)を出(だ)せと云(い)つたので主人(しゆじん)は快(こころよ)く承諾(しようだく)した。014そして修験者(しゆげんじや)は何(なに)か書(か)いて封(ふう)じて、015お呪禁(まじなひ)と云(い)つて高(たか)い所(ところ)に掛(か)けて置(お)いた。016其(その)主人(しゆじん)は九十歳(きうじつさい)位(くらゐ)まで長生(ながいき)し、017その又(また)息子(むすこ)もそれほど長生(ながいき)した。018其後(そののち)その孫(まご)に当(あた)る人(ひと)が、019近所(きんじよ)にも短命(たんめい)な人(ひと)があるので、020人助(ひとだす)けだと思(おも)つて彼(か)のお呪禁(まじなひ)に如何(どん)なことが書(か)いてあるかと思(おも)つて、021お詫(わび)をしながら恐(おそ)る恐(おそ)る開(ひら)いて見(み)た。022すると中(なか)には「本来無東西、023何処有南北迷故三界城、024悟故十方空」と書(か)いてあつた。025つまり悟(さと)るも迷(まよ)ふも心(こころ)一(ひと)つ、026祟(たた)るも祟(たた)らぬも心(こころ)一(ひと)つとの意味(いみ)である。027そしても一(ひと)つの紙(かみ)には「祟(たた)らば祟(たた)れ家主(いへぬし)に」と書(か)いてあつた。028之(これ)を見(み)た家(いへ)の主人(しゆじん)は吃驚(びつくり)して、029ウンといつて死(し)んで了(しま)つたといふ話(はなし)がある。030つまり神経(しんけい)を起(おこ)したのである。031世(よ)の中(なか)はまづザツトこんなものだ。
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