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惚(ほ)れられる人(ひと)

インフォメーション
鏡：玉鏡 題名：惚れられる人 よみ： 著者：出口王仁三郎
神の国掲載号：1932（昭和7）年09月号 八幡書店版：152頁 愛善世界社版：224頁 著作集：17頁 第五版：215頁 第三版：218頁 全集： 初版：183頁
概要： 備考： タグ： データ凡例： データ最終更新日： OBC ：kg661
001　女(をんな)から惚(ほ)れられぬ男(をとこ)、002男(をとこ)から惚(ほ)れられぬ女(をんな)、003いづれもさういふ人々(ひとびと)には何(なん)の仕事(しごと)も出来(でき)るものではない。004男(をとこ)からも、005女(をんな)からも、006老人(らうじん)からも、007子供(こども)からも惚(ほ)れられる様(やう)な人間(にんげん)であつて、008初(はじ)めて天下(てんか)にわが志(こころざ)すところのものを、009成(な)し遂(と)げ得(え)らるるのである。010「今頃(いまごろ)の男(をとこ)は女(をんな)からすこし秋波(しうは)を送(おく)れば、011すぐデレデレして来(く)る」と云(い)ふのか。012王仁(わたし)が云(い)うて居(ゐ)るのは、013さうした技巧(ぎかう)を弄(ろう)して強(し)ひて惹(ひ)きつけるものの謂(ゐ)ひではない。014男(をとこ)が惚(ほ)れるやうな男(をとこ)、015女(をんな)が惚(ほ)れるやうな女(をんな)の事(こと)である。016「桃李(たうり)物(もの)云(い)はず下(した)自(おのづか)ら径(みち)をなす」と云(い)ふ様(やう)な惚(ほ)れられ方(かた)でなくては駄目(だめ)である。017惚(ほ)れられる秘訣(ひけつ)？　愛善(あいぜん)が徹底(てつてい)すればよいのである。018自分(じぶん)の事(こと)よりも相手(あひて)の幸福(かうふく)を思(おも)つてやる心(こころ)だ。019愛(あい)するものの為(ため)には自分(じぶん)の幸福(かうふく)を犠牲(ぎせい)にすると云(い)ふ心(こころ)だ。020王仁(わたし)は初(はじ)めてあつた人(ひと)でも、021話(はなし)を聞(き)いて居(ゐ)る中(うち)にその人(ひと)の将来(しやうらい)まで心配(しんぱい)してやる心(こころ)になる。022王仁(わたし)はいつも他人(たにん)の事(こと)ばかり思(おも)つて、023自分(じぶん)の事(こと)はちつとも思(おも)つて居(ゐ)ない。024だから又(また)他人(たにん)が王仁(わたし)の事(こと)を思(おも)ひ、025王仁(わたし)を愛(あい)して呉(く)れる。026王仁(わたし)は又(また)、027わが愛人(あいじん)に他(た)の愛人(あいじん)が出来(でき)た場合(ばあひ)にも其(その)事(こと)に対(たい)して極(きは)めて寛大(くわんだい)である。028本当(ほんたう)に人(ひと)を愛(あい)するならば、029愛(あい)するものが幸福(かうふく)にあることを心(こころ)の底(そこ)から祈(いの)るのが真(しん)の愛(あい)である。030他(た)に走(はし)つたからと云(い)うて、031嫉(ねた)み妬(そね)むのならば、032それは自己(じこ)の愛(あい)である。033相手(あひて)を愛(あい)してゐたのではなくて、034自分(じぶん)の愛欲(あいよく)を満足(まんぞく)さす為(た)めに愛人(あいじん)を犠牲(ぎせい)にして居(ゐ)たに過(す)ぎない。035王仁(わたし)の目(め)から見(み)れば、036近代(きんだい)の恋愛(れんあい)は真(しん)の恋愛(れんあい)ではない、037偏狭(へんけふ)なる自己愛(じこあい)の固(かた)まりだ。038かういふかたくなな心(こころ)で、039どうして愛(あい)が徹底(てつてい)するものか。040惚(ほ)れられる秘訣(ひけつ)、041唯(ただ)相手(あひて)の幸福(かうふく)をのみ祈(いの)る愛善(あいぜん)の心(こころ)だ、042そして又(また)其(その)実際化(じつさいくわ)だ。
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