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霊界物語
天祥地瑞(第73~81巻)
第73巻(子の巻)
序文
総説
第1篇 紫微天界
第1章 天之峯火夫の神
第2章 高天原
第3章 天之高火男の神
第4章 ⦿の神声
第5章 言幸比古の神
第6章 言幸比女の神
第7章 太祓
第8章 国生み神生みの段
第9章 香具の木の実
第10章 婚ぎの御歌
第11章 紫微の宮司
第12章 水火の活動
第13章 神の述懐歌(一)
第14章 神の述懐歌(二)
第2篇 高照神風
第15章 国生みの旅
第16章 八洲の河
第17章 駒の嘶き
第18章 佐田の辻
第19章 高日の宮
第20章 廻り逢ひ
第21章 禊の段
第22章 御子生みの段
第23章 中の高滝
第24章 天国の旅
第25章 言霊の滝
第3篇 東雲神国
第26章 主神の降臨
第27章 神秘の扉
第28章 心内大蛇
第29章 無花果
第30章 日向の河波
第31章 夕暮の館
第32章 玉泉の月
第33章 四馬の遠乗
第34章 国魂の発生
第35章 四鳥の別れ
第36章 荒野の駿馬
第37章 玉手の清宮
余白歌
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<<< 水火の活動
(B)
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第一三章
神
(
かみ
)
の
述懐歌
(
じゆつくわいか
)
(一)〔一八四四〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第73巻 天祥地瑞 子の巻
篇:
第1篇 紫微天界
よみ(新仮名遣い):
しびてんかい
章:
第13章 神の述懐歌(一)
よみ(新仮名遣い):
かみのじゅつかいか
通し章番号:
1844
口述日:
1933(昭和8)年10月11日(旧08月22日)
口述場所:
水明閣
筆録者:
森良仁
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1933(昭和8)年11月22日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
太元顕津男の神は、御霊を月界にとどめ、肉体は高地秀の宮に仕えて神の経綸を遂行していたが、厳の御霊の教えを誤って信じた凡神は、種々あらぬことを言いふらして顕津男の神を力限りに妨げた。
太元顕津男の神は高地秀の峰に登り、自分が救おうとしている神々から救いの業を妨げられ、大神の経綸を果たせないでいる苦悶の心を、述懐の歌に歌った。
また顕津男の神に仕える八十柱の比女神たちも、いたずらに時を過ごし老い去り、その間にも世はますます曇りすさんで、天界も邪神のために収拾がつかない状態になってしまった。
顕津男の神に側近く仕える八柱の比女神たちもまた、顕津男の神に対しての述懐を三十一文字の歌に歌い、顕津男と歌を交わした。
寿々子比女、朝香比女、宇都子比女、梅咲比女、花子比女らは、凡神らの妨げによって顕津男の神との契りがずっとできないでいることを嘆き、顕津男を責めながらも、顕津男の神への思慕の念を歌い、妨害を打ち破るよう顕津男を励ます。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
rm7313
愛善世界社版:
八幡書店版:
第13輯 56頁
修補版:
校定版:
94頁
普及版:
初版:
ページ備考:
001
太元
(
おほもと
)
顕津男
(
あきつを
)
の
神
(
かみ
)
は
太陰
(
たいいん
)
を
機関
(
きくわん
)
として、
002
御霊
(
みたま
)
を
月界
(
げつかい
)
に
止
(
とど
)
めて
其
(
その
)
肉体
(
にくたい
)
は
高地秀
(
たかちほ
)
の
宮
(
みや
)
に
朝
(
あさ
)
な
夕
(
ゆふ
)
なに
仕
(
つか
)
へまし、
003
神
(
かみ
)
の
経綸
(
しぐみ
)
を
行
(
おこな
)
はむとして、
004
彼方
(
かなた
)
此方
(
こなた
)
に
教司
(
をしへつかさ
)
を
分配
(
まくば
)
りて
天界
(
てんかい
)
の
経綸
(
けいりん
)
に
仕
(
つか
)
へ
奉
(
まつ
)
れども、
005
厳
(
いづ
)
の
御霊
(
みたま
)
の
御教
(
みをしへ
)
を
誤信
(
ごしん
)
せる
凡神
(
ぼんしん
)
は
個神的
(
こしんてき
)
小乗教
(
せうじやうけう
)
に
傾
(
かたむ
)
く
神
(
かみ
)
のみ
多
(
おほ
)
くして、
006
国生
(
くにう
)
み
神生
(
かみう
)
みなる
天界
(
てんかい
)
経綸
(
けいりん
)
の
御
(
ご
)
神業
(
しんげふ
)
を
悟
(
さと
)
らず、
007
種々
(
しゆじゆ
)
のあらぬことのみ
言
(
い
)
ひ
触
(
ふ
)
らして
力限
(
ちからかぎ
)
りに
妨
(
さまた
)
ぐるぞ
是非
(
ぜひ
)
もなき。
008
太元
(
おほもと
)
顕津男
(
あきつを
)
の
神
(
かみ
)
は
高地秀
(
たかちほ
)
の
峰
(
みね
)
に
登
(
のぼ
)
らせ
給
(
たま
)
ひ、
009
天
(
てん
)
を
拝
(
はい
)
し
地
(
ち
)
を
拝
(
はい
)
し
述懐
(
じゆつくわい
)
を
謡
(
うた
)
ひ
給
(
たま
)
ふ。
010
『
主
(
ス
)
の
神
(
かみ
)
の
依
(
よ
)
さしはおろそかならねども
011
手
(
て
)
を
下
(
くだ
)
すべき
余地
(
よち
)
もなきかな
012
国
(
くに
)
を
生
(
う
)
み
神生
(
かみう
)
み
万
(
よろづ
)
のものを
生
(
う
)
む
013
我
(
わが
)
神業
(
かむわざ
)
は
果
(
はた
)
し
得
(
え
)
ざるか
014
主
(
ス
)
の
神
(
かみ
)
の
神宣
(
みこと
)
畏
(
かしこ
)
し
国魂
(
くにたま
)
の
015
神
(
かみ
)
生
(
う
)
まばやと
思
(
おも
)
ふ
朝夕
(
あさゆふ
)
016
我
(
われ
)
にして
怪
(
あや
)
しき
心
(
こころ
)
持
(
も
)
たねども
017
百神
(
ももがみ
)
達
(
たち
)
はわが
道
(
みち
)
なみする
018
ゆとりなき
心
(
こころ
)
を
持
(
も
)
てる
凡神
(
ただがみ
)
の
019
醜
(
しこ
)
のささやき
由々
(
ゆゆ
)
しかりけり
020
凡神
(
ただがみ
)
の
心
(
こころ
)
に
従
(
したが
)
ふ
我
(
われ
)
なれば
021
妨
(
さまた
)
げらるることもあるまじ
022
凡神
(
ただがみ
)
の
心
(
こころ
)
に
叶
(
かな
)
へば
主
(
ス
)
の
神
(
かみ
)
の
023
神慮
(
しんりよ
)
に
合
(
あ
)
はず
我
(
われ
)
如何
(
いか
)
にせむ
024
主
(
ス
)
の
神
(
かみ
)
の
大経綸
(
だいけいりん
)
を
知
(
し
)
らずして
025
我
(
われ
)
を
悪
(
あ
)
しさまに
言
(
い
)
ふぞうたてき
026
主
(
ス
)
の
神
(
かみ
)
の
心
(
こころ
)
は
深
(
ふか
)
く
又
(
また
)
広
(
ひろ
)
し
027
小
(
ちひ
)
さき
神
(
かみ
)
の
如何
(
いか
)
で
悟
(
さと
)
らむ
028
凡神
(
ただがみ
)
は
浜
(
はま
)
の
真砂
(
まさご
)
の
数
(
かず
)
の
如
(
ごと
)
029
多
(
おほ
)
く
居坐
(
ゐま
)
せば
詮術
(
せんすべ
)
もなし
030
主
(
ス
)
の
神
(
かみ
)
の
御心
(
みこころ
)
覚
(
さと
)
る
敏
(
さと
)
き
神
(
かみ
)
031
少
(
すくな
)
き
神世
(
みよ
)
の
経綸
(
しぐみ
)
は
苦
(
くる
)
し
032
遠近
(
をちこち
)
に
御樋代
(
みひしろ
)
神
(
がみ
)
は
配
(
くば
)
りあれど
033
相見
(
あひみ
)
むよしも
無
(
な
)
き
身
(
み
)
なりけり
034
いすくはし
神
(
かみ
)
を
生
(
う
)
まむと
朝
(
あさ
)
な
夕
(
ゆふ
)
な
035
願
(
ねが
)
ひしこともあだとなりぬる
036
主
(
ス
)
の
神
(
かみ
)
の
造
(
つく
)
り
給
(
たま
)
ひし
天界
(
てんかい
)
の
037
清明
(
せいめい
)
真悟
(
しんご
)
の
神
(
かみ
)
ぞすくなき
038
主
(
ス
)
の
神
(
かみ
)
の
依
(
よ
)
さしを
如何
(
いか
)
に
果
(
はた
)
さむと
039
我
(
われ
)
は
久
(
ひさ
)
しく
艱
(
なや
)
みけるかな
040
皇神
(
すめかみ
)
の
依
(
よ
)
さし
給
(
たま
)
ひしくはし
女
(
め
)
も
041
又
(
また
)
さかし
女
(
め
)
もあはむすべなし
042
御依
(
みよ
)
さしに
反
(
そむ
)
くと
思
(
おも
)
へど
天界
(
てんかい
)
の
043
乱
(
みだ
)
れ
思
(
おも
)
ひてためらふ
我
(
われ
)
なり』
044
主
(
ス
)
の
神
(
かみ
)
が
顕津男
(
あきつを
)
の
神
(
かみ
)
に
天界
(
てんかい
)
経綸
(
けいりん
)
の
為
(
た
)
め
授
(
さづ
)
け
給
(
たま
)
ひし
八十
(
やそ
)
の
比女神
(
ひめがみ
)
は、
045
徒
(
いたづ
)
らに
神命
(
しんめい
)
を
待
(
ま
)
ちつつ
長
(
なが
)
き
年月
(
としつき
)
を
経給
(
へたま
)
ひにける。
046
とりわけ
側近
(
そばちか
)
く
仕
(
つか
)
へ
奉
(
まつ
)
れる
八柱
(
やはしら
)
の
比女神
(
ひめがみ
)
も、
047
凡神
(
ぼんしん
)
の
囁
(
ささや
)
き
余
(
あま
)
り
強
(
つよ
)
きに
怖
(
お
)
ぢ
給
(
たま
)
ひて
空
(
むな
)
しく
神業
(
みわざ
)
を
放棄
(
はうき
)
し、
048
只時
(
ただとき
)
の
到
(
いた
)
るを
待
(
ま
)
ち
給
(
たま
)
ふのみ。
049
終
(
つひ
)
には
老
(
お
)
い
去
(
さ
)
り
給
(
たま
)
ひて
神業
(
みわざ
)
を
果
(
はた
)
し
得
(
え
)
ず、
050
世
(
よ
)
は
益々
(
ますます
)
曇
(
くも
)
らひ
荒
(
すさ
)
びて、
051
さしもの
天界
(
てんかい
)
も
日
(
ひ
)
に
月
(
つき
)
に
邪神
(
じやしん
)
蔓延
(
まんえん
)
し、
052
収拾
(
しうしふ
)
すべからざるに
至
(
いた
)
れるこそ
是非
(
ぜひ
)
なけれ。
053
顕津男
(
あきつを
)
の
神
(
かみ
)
は
大
(
だい
)
勇猛心
(
ゆうまうしん
)
を
発揮
(
はつき
)
し、
054
其
(
その
)
神業
(
みわざ
)
を
敢行
(
かんかう
)
せむと、
055
村肝
(
むらきも
)
の
心
(
こころ
)
の
駒
(
こま
)
を
立直
(
たてなお
)
し
給
(
たま
)
ひしこと
幾度
(
いくたび
)
なりしか、
056
されど
終
(
つひ
)
には
百神
(
ももがみ
)
の
雄猛
(
をたけ
)
びに
妨
(
さまた
)
げられて、
057
遂行
(
すゐかう
)
し
給
(
たま
)
はざりしこそ
永劫
(
えいごふ
)
の
遺憾
(
ゐかん
)
なりける。
058
八柱
(
やはしら
)
の
御側
(
みそば
)
近
(
ちか
)
く
仕
(
つか
)
へ
奉
(
まつ
)
る
比女神
(
ひめがみ
)
は、
059
顕津男
(
あきつを
)
の
神
(
かみ
)
に
対
(
たい
)
し
述懐
(
じゆつくわい
)
を
述
(
の
)
べ
給
(
たま
)
ふ。
060
其
(
そ
)
の
御
(
おん
)
歌
(
うた
)
、
061
『
主
(
ス
)
の
神
(
かみ
)
の
御霊
(
みたま
)
を
受
(
う
)
けし
寿々子
(
すずこ
)
比女
(
ひめ
)
の
062
心
(
こころ
)
しらずやあが
主
(
ス
)
の
岐美
(
きみ
)
は
063
結
(
むす
)
ぼれし
心
(
こころ
)
を
解
(
と
)
かむ
術
(
すべ
)
もなし
064
神業
(
みわざ
)
に
仕
(
つか
)
ふる
暇
(
ひま
)
にしなければ
065
天界
(
てんかい
)
の
穢
(
けが
)
れを
水
(
みづ
)
に
寿々子
(
すずこ
)
比女
(
ひめ
)
066
深
(
ふか
)
き
流
(
なが
)
れに
落
(
お
)
ち
入
(
い
)
りにける
067
天界
(
てんかい
)
はさやけく
広
(
ひろ
)
し
曇
(
くも
)
りたる
068
心
(
こころ
)
いだきて
縮
(
ちぢ
)
まるべきやは
069
玉
(
たま
)
の
緒
(
を
)
の
生命
(
いのち
)
の
限
(
かぎ
)
り
仕
(
つか
)
へむと
070
思
(
おも
)
ふ
誠
(
まこと
)
を
岐美
(
きみ
)
は
汲
(
く
)
まずや
071
吾心
(
わがこころ
)
淋
(
さび
)
しくなりぬ
朝夕
(
あさゆふ
)
を
072
御側
(
みそば
)
に
仕
(
つか
)
へて
詮術
(
せんすべ
)
なければ
073
朝夕
(
あさゆふ
)
を
岐美
(
きみ
)
に
仕
(
つか
)
ふる
身
(
み
)
ながらも
074
夢
(
ゆめ
)
うつつなる
御霊
(
みたま
)
の
吾
(
われ
)
なり
075
夢
(
ゆめ
)
かあらず
顕
(
うつつ
)
かあらず
幻
(
まぼろし
)
か
076
まぼろしならぬ
岐美
(
きみ
)
が
神姿
(
みすがた
)
077
高地秀
(
たかちほ
)
の
宮
(
みや
)
に
朝夕
(
あさゆふ
)
祈
(
いの
)
りつつ
078
まだ
吾時
(
わがとき
)
は
到
(
いた
)
らざりけり
079
大神
(
おほかみ
)
の
依
(
よ
)
さし
給
(
たま
)
ひし
此
(
この
)
月日
(
つきひ
)
080
あだに
過
(
すご
)
さむ
身
(
み
)
こそうたてき
081
主
(
ス
)
の
神
(
かみ
)
の
大御心
(
おほみこころ
)
を
汲
(
く
)
み
奉
(
まつ
)
り
082
岐美
(
きみ
)
の
御旨
(
みむね
)
を
悟
(
さと
)
りては
泣
(
な
)
く
083
泣
(
な
)
くさへも
自由
(
じいう
)
にならぬ
吾身
(
わがみ
)
なり
084
神
(
かみ
)
にある
身
(
み
)
は
殊更
(
ことさら
)
つらし』
085
顕津男
(
あきつを
)
の
神
(
かみ
)
は、
086
之
(
これ
)
に
答
(
こた
)
へて
謡
(
うた
)
ひ
給
(
たま
)
はく、
087
『
比女神
(
ひめがみ
)
の
心
(
こころ
)
汲
(
く
)
まぬにあらねども
088
時
(
とき
)
到
(
いた
)
るまで
忍
(
しの
)
びて
待
(
ま
)
ちませ
089
吾
(
われ
)
とても
木石
(
ぼくせき
)
ならぬ
身
(
み
)
にしあれば
090
汝
(
なれ
)
の
悲
(
かな
)
しき
心
(
こころ
)
は
知
(
し
)
れり』
091
寿々子
(
すずこ
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
は
謡
(
うた
)
ひ
給
(
たま
)
ふ。
092
『
斯
(
か
)
くならば
束
(
つか
)
の
間
(
ま
)
さへも
忍
(
しの
)
び
得
(
え
)
じ
093
岐美
(
きみ
)
が
心
(
こころ
)
の
弱
(
よわ
)
きをかなしむ
094
天地
(
あめつち
)
に
憚
(
はばか
)
る
事
(
こと
)
のあるべきや
095
主
(
ス
)
の
大神
(
おほかみ
)
の
依
(
よ
)
さしなりせば』
096
顕津男の
神
(
かみ
)
『
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
も
暫
(
しば
)
しの
間
(
あひだ
)
待
(
ま
)
たれたし
097
我
(
われ
)
にも
春
(
はる
)
の
備
(
そな
)
へありせば』
098
斯
(
か
)
く
互
(
たがひ
)
に
歌
(
うた
)
を
取交
(
とりかは
)
し
時
(
とき
)
の
到
(
いた
)
るを
待
(
ま
)
ち
給
(
たま
)
ひぬ。
099
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
も
亦
(
また
)
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
まし
給
(
たま
)
はく、
100
『
岐美
(
きみ
)
思
(
おも
)
ふ
心
(
こころ
)
は
暗
(
やみ
)
にあらねども
101
思
(
おも
)
ひにもゆる
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
吾
(
われ
)
は
102
あさからぬ
朝香
(
あさか
)
の
比女
(
ひめ
)
の
胸
(
むね
)
の
火
(
ひ
)
を
103
消
(
け
)
し
止
(
と
)
め
給
(
たま
)
へ
瑞
(
みづ
)
の
大神
(
おほかみ
)
104
朝夕
(
あさゆふ
)
を
岐美
(
きみ
)
に
侍
(
はべ
)
らふ
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
の
105
深
(
ふか
)
き
心
(
こころ
)
を
汲
(
く
)
ませ
給
(
たま
)
はれ
106
心
(
こころ
)
弱
(
よわ
)
き
岐美
(
きみ
)
と
思
(
おも
)
ひて
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
107
朝
(
あさ
)
な
夕
(
ゆふ
)
なのいきどうろしもよ
108
曇
(
くも
)
りたる
神
(
かみ
)
の
心
(
こころ
)
を
迎
(
むか
)
へます
109
岐美
(
きみ
)
の
心
(
こころ
)
の
弱
(
よわ
)
きをかなしむ
110
燃
(
も
)
えさかる
炎
(
ほのほ
)
を
消
(
け
)
さむ
術
(
すべ
)
もなし
111
幾度
(
いくたび
)
死
(
し
)
なまく
思
(
おも
)
ひたりしよ
112
顕津男
(
あきつを
)
の
神
(
かみ
)
にいませば
明
(
あきら
)
けく
113
此
(
この
)
世
(
よ
)
に
晴
(
は
)
れて
見合
(
みあ
)
ひましませ
114
一度
(
ひとたび
)
のみとのまぐはひあらずして
115
忍
(
しの
)
ばるべしやは
若
(
わか
)
き
女
(
め
)
の
身
(
み
)
に
116
厳
(
いづ
)
の
御霊
(
みたま
)
神
(
かみ
)
の
教
(
をしへ
)
は
重
(
おも
)
けれど
117
あまりの
堅
(
かた
)
きをうらみつつ
生
(
い
)
く
118
主
(
ス
)
の
神
(
かみ
)
の
許
(
ゆる
)
し
玉
(
たま
)
ひし
道
(
みち
)
なれば
119
如何
(
いか
)
でためらふことのあるべき』
120
顕津男
(
あきつを
)
の
神
(
かみ
)
は、
121
之
(
これ
)
に
答
(
こた
)
へて
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
ませる。
122
『あさからぬ
真心
(
まごころ
)
清
(
きよ
)
き
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
123
汝
(
なれ
)
の
艱
(
なや
)
みは
吾
(
われ
)
も
知
(
し
)
るなり
124
心
(
こころ
)
弱
(
よわ
)
き
我
(
われ
)
にあらねど
今
(
いま
)
暫
(
しば
)
し
125
真
(
まこと
)
の
神
(
かみ
)
の
出
(
い
)
づるまで
待
(
ま
)
て
126
我
(
われ
)
とても
依
(
よ
)
さしの
神業
(
みわざ
)
遂
(
と
)
げざるを
127
朝
(
あさ
)
な
夕
(
ゆふ
)
なに
悲
(
かな
)
しみて
居
(
を
)
り』
128
朝香
(
あさか
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
は
再
(
ふたた
)
び
謡
(
うた
)
ひ
給
(
たま
)
ふ。
129
『
朝夕
(
あさゆふ
)
をこめて
恨
(
うら
)
みし
吾
(
わが
)
心
(
こころ
)
130
朝香
(
あさか
)
の
比女
(
ひめ
)
のあさましきかな
131
燃
(
も
)
ゆる
火
(
ひ
)
の
火中
(
ほなか
)
に
立
(
た
)
ちし
心地
(
ここち
)
して
132
朝
(
あさ
)
な
夕
(
ゆふ
)
なを
岐美
(
きみ
)
思
(
おも
)
ひ
泣
(
な
)
く
133
村肝
(
むらきも
)
の
心
(
こころ
)
の
誠
(
まこと
)
を
岐美
(
きみ
)
の
前
(
まへ
)
に
134
打明
(
うちあ
)
けしこそせめてもと
慰
(
なぐさ
)
む』
135
宇都子
(
うづこ
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
は、
136
顕津男
(
あきつを
)
の
神
(
かみ
)
の
前
(
まへ
)
に
御歌
(
みうた
)
詠
(
よ
)
まし
給
(
たま
)
ふ。
137
『
村肝
(
むらきも
)
の
心
(
こころ
)
は
炎
(
ほのほ
)
に
包
(
つつ
)
まれて
138
つれなき
岐美
(
きみ
)
を
恨
(
うら
)
むのみなる
139
よしやよし
百神
(
ももがみ
)
如何
(
いか
)
にはかゆとも
140
神
(
かみ
)
の
神業
(
みわざ
)
をばはかるべしやは
141
岐美
(
きみ
)
こそは
比古遅
(
ひこぢ
)
にませば
神
(
かみ
)
の
為
(
た
)
め
142
経綸
(
しぐみ
)
のために
憚
(
はばか
)
り
給
(
たま
)
ふな
143
朝夕
(
あさゆふ
)
に
御側
(
みそば
)
を
近
(
ちか
)
く
仕
(
つか
)
へつつ
144
岐美
(
きみ
)
にまみゆることの
苦
(
くる
)
しき
145
宇都比女
(
うづひめ
)
が
貴
(
うづ
)
の
心
(
こころ
)
を
明
(
あか
)
さむと
146
岐美
(
きみ
)
の
御前
(
みまへ
)
に
言挙
(
ことあ
)
げするも
147
岐美
(
きみ
)
思
(
おも
)
ふ
心
(
こころ
)
の
糸
(
いと
)
は
百千々
(
ももちぢ
)
に
148
乱
(
みだ
)
れ
乱
(
みだ
)
れて
解
(
と
)
くよしもなし
149
御側
(
みそば
)
近
(
ちか
)
く
仕
(
つか
)
へ
奉
(
まつ
)
らふ
身
(
み
)
ながらも
150
言問
(
ことと
)
ふさへも
儘
(
まま
)
ならぬ
身
(
み
)
よ
151
蟹
(
かに
)
が
行
(
ゆ
)
く
横
(
よこ
)
さの
神
(
かみ
)
の
言
(
こと
)
の
葉
(
は
)
を
152
拾
(
ひろ
)
ひ
給
(
たま
)
はず
吹
(
ふ
)
き
捨
(
す
)
てませよ
153
言霊
(
ことたま
)
の
伊吹
(
いぶ
)
きの
狭霧
(
さぎり
)
に
醜草
(
しこぐさ
)
の
154
醜
(
しこ
)
の
言
(
こと
)
の
葉
(
は
)
吹
(
ふ
)
き
払
(
はら
)
ひませ
155
御
(
おん
)
側
(
そば
)
に
侍
(
はべ
)
るはつらし
御
(
おん
)
側
(
そば
)
を
156
離
(
はな
)
るるも
憂
(
う
)
き
吾
(
われ
)
なりにけり
157
神業
(
かむわざ
)
の
何時
(
いつ
)
果
(
は
)
つるとも
知
(
し
)
らずして
158
月日
(
つきひ
)
を
送
(
おく
)
る
吾身
(
わがみ
)
をぞ
悲
(
かな
)
しき
159
此
(
この
)
上
(
うへ
)
は
心
(
こころ
)
の
駒
(
こま
)
を
立
(
た
)
て
直
(
なほ
)
し
160
吾
(
われ
)
にゆるせよ
一夜
(
いちや
)
の
契
(
ちぎ
)
りを』
161
顕津男
(
あきつを
)
の
神
(
かみ
)
、
162
答
(
こた
)
へて
謡
(
うた
)
ひ
給
(
たま
)
はく、
163
『
手枕
(
たまくら
)
の
夢
(
ゆめ
)
は
夜
(
よ
)
な
夜
(
よ
)
な
見
(
み
)
ながらも
164
逢
(
あ
)
ひ
見
(
み
)
ることのあたはぬ
苦
(
くる
)
しさ
165
主
(
ス
)
の
神
(
かみ
)
に
言訳
(
いひわ
)
け
立
(
た
)
たず
側
(
そば
)
の
女
(
め
)
に
166
男
(
を
)
の
甲斐
(
かひ
)
もなきわが
身
(
み
)
は
苦
(
くる
)
しき
167
今
(
いま
)
暫
(
しば
)
し
神々
(
かみがみ
)
の
心
(
こころ
)
明
(
あ
)
くるまで
168
時
(
とき
)
を
待
(
ま
)
たせよいとほしの
汝
(
なれ
)
』
169
宇都子
(
うづこ
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
は
再
(
ふたた
)
び
謡
(
うた
)
ひ
給
(
たま
)
ふ。
170
『はしたなき
女
(
をみな
)
の
繰
(
く
)
り
言
(
ごと
)
繰
(
く
)
り
返
(
かへ
)
し
171
岐美
(
きみ
)
なやませしことの
悲
(
かな
)
しき
172
恥
(
はづ
)
かしさ
苦
(
くる
)
しさ
面
(
おも
)
はほてれども
173
得堪
(
えた
)
へ
兼
(
か
)
ねつつ
真心
(
まごころ
)
のべしよ
174
此
(
この
)
上
(
うへ
)
は
岐美
(
きみ
)
をなやます
力
(
ちから
)
なし
175
神
(
かみ
)
に
任
(
まか
)
せて
時
(
とき
)
を
待
(
ま
)
たむか
176
惟神
(
かむながら
)
神
(
かみ
)
の
依
(
よ
)
さしのなかりせば
177
かほどに
吾
(
われ
)
は
悩
(
なや
)
まじものを』
178
梅咲
(
うめさく
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
も
亦
(
また
)
述懐
(
じゆつくわい
)
の
歌
(
うた
)
を
述
(
の
)
べ
給
(
たま
)
ふ。
179
『
如月
(
きさらぎ
)
の
梅
(
うめ
)
咲
(
さ
)
く
春
(
はる
)
に
逢
(
あ
)
ひながら
180
かをるすべなき
現身
(
うつせみ
)
の
花
(
はな
)
181
大方
(
おほかた
)
の
春
(
はる
)
の
陽気
(
やうき
)
の
漂
(
ただよ
)
へる
182
此
(
この
)
天界
(
てんかい
)
を
淋
(
さび
)
しむ
吾
(
われ
)
なり
183
春
(
はる
)
立
(
た
)
ちて
梅
(
うめ
)
咲
(
さ
)
く
比女
(
ひめ
)
のあだ
花
(
ばな
)
を
184
岐美
(
きみ
)
はあはれと
思召
(
おぼしめ
)
さずや
185
天地
(
あめつち
)
も
一度
(
いちど
)
に
梅
(
うめ
)
咲
(
さ
)
く
比女
(
ひめ
)
のわれ
186
小
(
ちひ
)
さきことを
如何
(
いか
)
で
思
(
おも
)
はむ
187
背
(
せ
)
の
君
(
きみ
)
の
苦
(
くる
)
しき
心
(
こころ
)
を
諾
(
うべな
)
ひて
188
吾
(
われ
)
はもださむ
春
(
はる
)
の
身
(
み
)
なれど
189
開
(
ひら
)
くべきよしなき
花
(
はな
)
と
知
(
し
)
りながら
190
岐美
(
きみ
)
の
恋
(
こひ
)
しくなりまさりつつ
191
春
(
はる
)
立
(
た
)
ちて
梅
(
うめ
)
咲
(
さ
)
く
比女
(
ひめ
)
の
初花
(
はつはな
)
は
192
開
(
ひら
)
かむとして
霜
(
しも
)
に
打
(
う
)
たれつ
193
雪
(
ゆき
)
も
降
(
ふ
)
れ
霜
(
しも
)
も
霰
(
あられ
)
も
降
(
ふ
)
りて
来
(
こ
)
よ
194
春
(
はる
)
をかかへし
梅咲
(
うめさく
)
比女
(
ひめ
)
よ
195
惟神
(
かむながら
)
時
(
とき
)
の
到
(
いた
)
るを
待
(
ま
)
たむかと
196
幾度
(
いくど
)
か
心
(
こころ
)
を
立直
(
たてなほ
)
しつつ
197
曇
(
くも
)
りたる
此
(
こ
)
の
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
を
照
(
てら
)
します
198
岐美
(
きみ
)
の
神業
(
みわざ
)
の
苦
(
くる
)
しさに
泣
(
な
)
く』
199
顕津男
(
あきつを
)
の
神
(
かみ
)
謡
(
うた
)
ひ
給
(
たま
)
ふ。
200
『
真心
(
まごころ
)
の
君
(
きみ
)
の
真言
(
まこと
)
にあひてわれ
201
安
(
やす
)
くなりつつなほもかなしき
202
百神
(
ももがみ
)
の
醜
(
しこ
)
のたけびは
恐
(
おそ
)
れねど
203
乱
(
みだ
)
れ
行
(
ゆ
)
く
世
(
よ
)
を
思
(
おも
)
ひてためらふ
204
今
(
いま
)
の
世
(
よ
)
に
厳
(
いづ
)
の
御霊
(
みたま
)
の
道
(
みち
)
なくば
205
わが
神業
(
かむわざ
)
はやすしと
思
(
おも
)
へり
206
さりながら
厳
(
いづ
)
の
御霊
(
みたま
)
の
光
(
ひかり
)
なくば
207
瑞
(
みづ
)
の
力
(
ちから
)
は
備
(
そな
)
はらざるべし
208
汝
(
なれ
)
こそは
我
(
われ
)
の
心
(
こころ
)
をよく
知
(
し
)
れり
209
我
(
われ
)
また
汝
(
なれ
)
が
心
(
こころ
)
をあはれむ
210
ぬゑ
草
(
くさ
)
の
女
(
め
)
にしあれども
汝
(
な
)
が
心
(
こころ
)
の
211
雄々
(
をを
)
しさ
赤
(
あか
)
さに
感謝
(
かんしや
)
の
念
(
ねん
)
湧
(
わ
)
く
212
今
(
いま
)
暫
(
しば
)
し
待
(
ま
)
たせ
給
(
たま
)
へよ
汝
(
な
)
が
心
(
こころ
)
に
213
添
(
そ
)
はむ
月日
(
つきひ
)
も
無
(
な
)
きにあらねば
214
朝夕
(
あさゆふ
)
に
神業
(
みわざ
)
を
思
(
おも
)
ふわが
胸
(
むね
)
を
215
覚
(
さと
)
らす
公
(
きみ
)
の
心
(
こころ
)
嬉
(
うれ
)
しも』
216
梅咲
(
うめさく
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
は
又
(
また
)
謡
(
うた
)
ひ
給
(
たま
)
ふ。
217
『
愛恋
(
いとこ
)
やの
岐美
(
きみ
)
の
言霊
(
ことたま
)
耳
(
みみ
)
にして
218
梅
(
うめ
)
咲
(
さ
)
く
春
(
はる
)
に
逢
(
あ
)
ふ
心地
(
ここち
)
せし
219
惟神
(
かむながら
)
岐美
(
きみ
)
の
心
(
こころ
)
に
任
(
まか
)
せつつ
220
忍
(
しの
)
び
奉
(
まつ
)
らむ
幾年
(
いくとせ
)
までも
221
村肝
(
むらきも
)
の
心
(
こころ
)
のたけを
岐美
(
きみ
)
の
前
(
まへ
)
に
222
今
(
いま
)
あかしたることの
嬉
(
うれ
)
しき
223
天界
(
てんかい
)
はよし
破
(
やぶ
)
るとも
愛恋
(
いとこ
)
やの
224
岐美
(
きみ
)
の
真言
(
まこと
)
は
忘
(
わす
)
れざるべき
225
主
(
ス
)
の
神
(
かみ
)
の
造
(
つく
)
り
玉
(
たま
)
ひし
天界
(
てんかい
)
にも
226
朝夕
(
あさゆふ
)
かかる
悩
(
なや
)
みを
持
(
も
)
つも
227
真清水
(
ましみづ
)
に
昆虫
(
うじむし
)
のわく
例
(
ためし
)
あり
228
天界
(
てんかい
)
なりとてかはりあるべき』
229
花子
(
はなこ
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
の
歌
(
うた
)
。
230
『
天界
(
てんかい
)
に
非時
(
ときじく
)
匂
(
にほ
)
ふ
花子
(
はなこ
)
比女
(
ひめ
)
の
231
花
(
はな
)
は
香
(
か
)
もなく
艶
(
つや
)
だにもなし
232
天界
(
てんかい
)
の
花
(
はな
)
と
咲
(
さ
)
くべき
吾身
(
わがみ
)
なり
233
岐美
(
きみ
)
は
何故
(
なにゆゑ
)
手折
(
たを
)
りまさずや
234
花
(
はな
)
も
実
(
み
)
も
無
(
な
)
き
岐美
(
きみ
)
かもと
朝夕
(
あさゆふ
)
に
235
涙
(
なみだ
)
の
雨
(
あめ
)
に
潤
(
うるほ
)
ふ
吾
(
われ
)
なり
236
よしやよし
百神
(
ももがみ
)
如何
(
いか
)
に
譏
(
そし
)
るとも
237
躇
(
ためら
)
ふことなく
手折
(
たを
)
り
給
(
たま
)
はれ
238
天国
(
てんごく
)
の
春
(
はる
)
に
逢
(
あ
)
ひたる
花子
(
はなこ
)
比女
(
ひめ
)
の
239
心
(
こころ
)
に
時
(
とき
)
じく
降
(
ふ
)
る
時雨
(
しぐれ
)
かな
240
玉
(
たま
)
の
緒
(
を
)
の
命
(
いのち
)
までもと
思
(
おも
)
ひつつ
241
吾
(
われ
)
は
野
(
の
)
に
咲
(
さ
)
く
紫雲英
(
げんげ
)
の
花
(
はな
)
かも
242
神業
(
かむわざ
)
はただに
畏
(
かしこ
)
しためらひて
243
ただ
徒
(
いたづ
)
らに
過
(
すご
)
すべきやは
244
朝夕
(
あさゆふ
)
につれ
無
(
な
)
き
岐美
(
きみ
)
に
侍
(
はべ
)
りつつ
245
神業
(
かむわざ
)
の
日
(
ひ
)
を
待
(
ま
)
つ
身
(
み
)
はうたてき
246
玉
(
たま
)
の
緒
(
を
)
の
命
(
いのち
)
死
(
し
)
せむと
思
(
おも
)
ふまで
247
胸
(
むね
)
の
炎
(
ほのほ
)
は
燃
(
も
)
え
盛
(
さか
)
りつつ
248
炎々
(
えんえん
)
と
御空
(
みそら
)
をこがす
火炎
(
くわえん
)
にも
249
似
(
に
)
て
苦
(
くる
)
しもよあつき
心
(
こころ
)
は
250
厳
(
いづ
)
の
御霊
(
みたま
)
の
神
(
かみ
)
の
教
(
をしへ
)
は
聞
(
き
)
きながら
251
瑞
(
みづ
)
の
御霊
(
みたま
)
をあはれと
思
(
おも
)
へり
252
大局
(
たいきよく
)
に
目
(
め
)
をつけずして
百神
(
ももがみ
)
は
253
小
(
ちひ
)
さきことに
言
(
こと
)
さやぐかも
254
神界
(
しんかい
)
の
大経綸
(
だいけいりん
)
を
妨
(
さまた
)
ぐる
255
醜
(
しこ
)
の
曲神
(
まがかみ
)
打払
(
うちはら
)
ひませよ』
256
顕津男
(
あきつを
)
の
神
(
かみ
)
、
257
答
(
こた
)
へて
謡
(
うた
)
ひ
給
(
たま
)
ふ。
258
『
愛善
(
あいぜん
)
の
神
(
かみ
)
の
教
(
をしへ
)
を
説
(
と
)
く
身
(
み
)
には
259
如何
(
いか
)
ではふらむ
醜
(
しこ
)
の
曲霊
(
まがひ
)
を
260
わが
力
(
ちから
)
及
(
およ
)
ばむ
限
(
かぎ
)
り
説
(
と
)
き
諭
(
さと
)
し
261
愛
(
あい
)
と
善
(
ぜん
)
とに
照
(
てら
)
さむとぞ
思
(
おも
)
ふ
262
愛善
(
あいぜん
)
の
心
(
こころ
)
しなくば
我
(
われ
)
とても
263
経綸
(
しぐみ
)
の
神業
(
みわざ
)
ためらひはせじ
264
瑞々
(
みづみづ
)
し
瑞
(
みづ
)
の
御霊
(
みたま
)
の
神業
(
かむわざ
)
は
265
一神
(
ひとり
)
も
捨
(
す
)
てぬ
誓
(
ちか
)
ひなりけり
266
花
(
はな
)
も
実
(
み
)
もある
言
(
こと
)
の
葉
(
は
)
にほだされて
267
悲
(
かな
)
しくなりぬ
汝
(
なれ
)
が
真言
(
まこと
)
に』
268
花子
(
はなこ
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
は
又
(
また
)
謡
(
うた
)
ひ
給
(
たま
)
ふ。
269
『
花
(
はな
)
も
実
(
み
)
もある
身魂
(
みたま
)
ぞと
宣
(
の
)
らすこそ
270
命
(
いのち
)
にかへて
嬉
(
うれ
)
しかりけり
271
よしやよし
岐美
(
きみ
)
に
逢
(
あ
)
ふ
日
(
ひ
)
のあらぬとも
272
吾
(
われ
)
はうらまじ
歎
(
なげ
)
かじと
思
(
おも
)
ふ
273
曲神
(
まがかみ
)
の
中
(
なか
)
に
交
(
まじ
)
こり
雄々
(
をを
)
しくも
274
忍
(
しの
)
ばす
岐美
(
きみ
)
の
心
(
こころ
)
をいとしむ
275
女
(
め
)
の
子
(
こ
)
吾
(
われ
)
岐美
(
きみ
)
の
真心
(
まごころ
)
知
(
し
)
る
故
(
ゆゑ
)
に
276
只
(
ただ
)
一度
(
ひとたび
)
の
言挙
(
ことあ
)
げせざりき
277
神業
(
かむわざ
)
を
誰
(
たれ
)
はばからず
勤
(
つと
)
むべき
278
時
(
とき
)
を
待
(
ま
)
ちつつ
楽
(
たの
)
しみ
暮
(
くら
)
さむ』
279
(
昭和八・一〇・一一
旧八・二二
於水明閣
森良仁
謹録)
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