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聖師伝
はしがき
01 御誕生
02 穴太の里
03 祖父の話
04 祖父の性行
05 祖父の再生
06 幼少年時代
07 小学校時代
08 久兵衛池事件
09 青年時代
10 獣医学の研究
11 父の死
12 青年時代の煩悶
13 高熊山出修の動機
14 高熊山の修行
15 使命の自覚
16 幽斎の修業
17 開祖との会見
18 聖師の大本入り
19 聖師と筆先
20 聖師の苦闘
21 神苑の拡張と造営
22 神島開き
23 大本の発展
24 第一次大本事件
25 霊界物語の口述
26 エスペラントとローマ字の採用
27 世界紅卍字会との提携
28 蒙古入り
29 世界宗教連盟と人類愛善会
30 大正より昭和へ
31 明光社の設立
32 急激な発展
33 第二次大本事件
34 愛善苑の新発足
35 晩年の聖師
36 御昇天
37 御昇天後の大本
【附録】出口聖師年譜
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六、幼少年時代
インフォメーション
題名:
6 幼少年時代
著者:
大本教学院・編
ページ:
目次メモ:
概要:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2024-11-05 05:55:38
OBC :
B100800c06
001
喜三郎さんは幼少の頃から「
喜三
(
きさ
)
やん」と愛称されていましたが、
002
神童だとか、
003
地獄耳、
004
八ツ耳だとか言われたくらい、
005
記憶力がよく、
006
どんなことをきかれても即座に立派な答が出来るので、
007
村人達もみな驚いたということであります。
008
喜三郎さんが七歳のとき、
009
父の吉松氏は船岡の産土神社の祭礼に参拝するために、
010
喜三郎さんをつれて生家へ帰って行きました。
011
そのついでに、
012
船井郡
雀部
(
ささべ
)
の
漆
(
うるし
)
さしの家に立ちより、
013
無病息災のためといって、
014
喜三郎さんの腹部へ十数点の漆をさしてもらいました。
015
そうすると、
016
身体
(
からだ
)
一面に漆が伝播してカユくてたまらず、
017
さらに
瘡
(
くさ
)
になってしまいました。
018
それがために学齢が来ても学校へ行くことが出来ないので、
019
祖母の宇能子さんが平仮名から五十音、
020
単語篇に百人一首、
021
小学読本と次々に教えられました。
022
それで十歳の春、
023
入学した時には大へん学力がついていました。
024
祖母の宇能子さんは、
025
かの有名な
言霊
(
げんれい
)
学者・中村
孝道
(
こうどう
)
の家に生まれたので、
026
言霊学の造詣がふかく、
027
喜三郎さんは十歳ぐらいの時から祖母の口から厳霊の妙法を説明されて、
028
何時とはなく言霊の研究に趣味をもつようになり、
029
人のいない山や野に行って大きな声で『アーオーウーエーイー』と唱え、
030
時々人に見つかって笑われたり、
031
発狂人と誤られたこともありました。
032
喜三郎さんは、
033
少年時代は他の少年らと同じように兵隊ごっこをしたり、
034
川遊びをしたり、
035
相撲をとったりして遊ばれました。
036
喜三郎さんは十二・三歳の頃から、
037
おぼろげながら社会の不正に対して疑いを抱かれるようになりました。
038
みるもいぶせき水呑み百姓の
伜
(
せがれ
)
として、
039
中産以上の児童や百姓や地主から、
040
しいたげられた喜三郎少年の姿は、
041
その「
破衣
(
やぶれごろも
)
」と題する詩の一節によく現れております。
042
破
(
やぶれ
)
衣
(
ごろも
)
043
麦と米とのたきまぜ飯も
044
ろくに食えない百姓のせがれ
045
足袋は目をむき着物は破れ
046
寒さ見にしむ片田舎
047
わしの人生はこんなものか
048
○
049
愛宕の尾根に白雲かかり
050
次第次第にひろがりて
051
み空はくらく雨は降る
052
農家のせわしき田植時
053
夜から夜へと働いて
054
聞くも楽しいほととぎす
055
○
056
冬の
夜霜
(
よしも
)
にふるえてなくか
057
声も悲しい
寒狐
(
かんぎつね
)
058
こんこんこんと咳が出る
059
人の情の薄ごろも
060
如何
(
いか
)
にしのがんこの浮世
061
○
062
花は匂えど秋月照れど
063
遊ぶに
由
(
よし
)
なき小作のせがれ
064
若い時から面やつれ
065
営養不良の悲しさに
066
からだいためし秋の空
067
冷たいうきよの風が吹く
068
これでも私の人生か
069
○
070
僕の人生はどこにある
071
小作の家のせがれぞと
072
地主富者にさげすまれ
073
父の名までも呼び捨てに
074
されてもかえす言葉なし
075
待て待てしばし待てしばし
076
俺
(
わし
)
にも一つの
魂
(
たま
)
がある。
077
(歌集「故山の夢」より)
078
今に自分が壮年になったなら、
079
小作階級を救おうと考えられたのは、
080
この頃でありました。
081
貧しい家に生まれながらも、
082
喜三郎少年は何か一つのほのぼのとした大きな希望の中に生長されたのでありました。
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