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聖師伝
はしがき
01 御誕生
02 穴太の里
03 祖父の話
04 祖父の性行
05 祖父の再生
06 幼少年時代
07 小学校時代
08 久兵衛池事件
09 青年時代
10 獣医学の研究
11 父の死
12 青年時代の煩悶
13 高熊山出修の動機
14 高熊山の修行
15 使命の自覚
16 幽斎の修業
17 開祖との会見
18 聖師の大本入り
19 聖師と筆先
20 聖師の苦闘
21 神苑の拡張と造営
22 神島開き
23 大本の発展
24 第一次大本事件
25 霊界物語の口述
26 エスペラントとローマ字の採用
27 世界紅卍字会との提携
28 蒙古入り
29 世界宗教連盟と人類愛善会
30 大正より昭和へ
31 明光社の設立
32 急激な発展
33 第二次大本事件
34 愛善苑の新発足
35 晩年の聖師
36 御昇天
37 御昇天後の大本
【附録】出口聖師年譜
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二九、世界宗教連盟と人類愛善会
インフォメーション
題名:
29 世界宗教連盟と人類愛善会
著者:
大本教学院・編
ページ:
目次メモ:
概要:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
B100800c29
001
入蒙後、
002
聖師は明智光秀の城趾・亀山を
天恩郷
(
てんおんきょう
)
と命名し、
003
その建設に着手されました。
004
この城趾は大正八年に大本の手に入っていたのですが、
005
瑞祥館
(
ずいしょうかん
)
、
006
バラック式の大道場と小さな食堂が建っているだけで、
007
雑木雑草のしげるに任せてありました。
008
聖師はまず大本瑞祥会本部を亀岡より綾部に移し、
009
自ら基礎工事監督の任にあたって
光照殿
(
こうしょうでん
)
の造営にかかり、
010
世界宗教連盟を画策されたのであります。
011
聖師は綾部に参拝した
季
(
り
)
松年
(
しょうねん
)
氏を先駆者とし、
012
大正十四年陰暦四月十二日、
013
松村
真澄
(
まさずみ
)
氏に全権をゆだねて世界宗教連合会の成立をうながすべく、
014
北京に派遣することにされました。
015
北京では熱心な仏教家として知られた
洪
(
こう
)
徳磁
(
とくじ
)
氏が、
016
李松年氏より伝えられた使命を果すべく準備を整えていました。
017
松村氏は、
018
折から北京に滞在して一行の来意を伝え聞いて歓迎の意を表すべく心待ちに待っていた
章嘉
(
しょうか
)
活仏
(
かつぶつ
)
と会見し、
019
将来を約し、
020
かつこの際、
021
中国において世界宗教連合会の発起せられたることの機宜に適したこと、
022
蒙古入りの消息などを伝えたところ、
023
章嘉活仏は自分の本懐もここに存するといって固き握手を交換しました。
024
かくして松村氏の一行は、
025
中国における各宗教の本部をおとずれ、
026
各代表者に神意を伝え、
027
ここに大正十四年五月二十日、
028
北京
悟善
(
ごぜん
)
社において世界宗教連合会の発会式を挙げ、
029
まず東亜の宗教的連盟を確実にして、
030
しかるのちに西漸することに方針が定められたのであります。
031
聖師の提唱によって万教同根の真理の上に立ち、
032
普天教
(
ふてんきょう
)
、
033
道教、
034
救世新教、
035
仏陀教、
036
回教、
037
仏教、
038
キリスト教の一部によって、
039
ここに世界宗教連合会が生まれ、
040
総本部を北京におき、
041
東洋本部を亀岡の天恩郷におくことになりました。
042
世界宗教連合会の設立に引つづき、
043
六月九日、
044
聖師の提唱によって綾部に設立されたのが人類愛善会であります。
045
総本部は後に亀岡に移され聖師が総裁に推載されました。
046
人類愛善会の主旨は、
047
次の如くであります。
048
人類愛善会主旨
049
本会は人類愛善の大義を発揚し、
050
全人類の親睦融和を来たし、
051
永遠に幸福と歓喜とに充てる光明世界を実現するため、
052
最善の力をつくさんことを期するものである。
053
そもそも人類は本来兄弟同胞であり、
054
一心同体である。
055
この本義に立帰らんとすることは、
056
万人霊性深奥の要求であり、
057
また人類最高の理想である。
058
しかるに近年世態急転して
世道
(
せどう
)
日にくらく、
059
人心日にすさびてその
帰趨
(
きすう
)
真に憂うべく、
060
おそるべきものがある。
061
かくの如くにして進まんには、
062
世界の前途は思い知らるるのである。
063
されば吾等はこの際躍進して、
064
あるいは人種、
065
あるいは宗教等あらゆる障壁を超越して人類愛善の大義にめざめ、
066
この厄難より脱し、
067
さらに進んで地上永遠の光明世界を建設しなければならぬ。
068
これ実に本会が
茲
(
ここ
)
に設立せられたる所以である。
069
大正十四年六月九日
070
聖師はさらに八月ジュネーヴにおいて開かれる第十七回万国エスペラント大会に西村
光月
(
こうげつ
)
氏を出席せしめられ、
071
大会後はパリに欧州本部を設立され、
072
エスペラントによる機関誌〝Oomoto Internacia〟(国際大本)およびローマ字雑誌「日本人」を発行して、
073
各地に支部を設けられました。
074
ことにドイツの「白色旗」、
075
ブルガリアの「白色連盟」と提携して活動しました。
076
機関誌「国際大本」は、
077
四十数ヵ国にわたって読者を獲得しました。
078
一方内地においては、
079
大正十四年十月「人類愛善新聞」が機関紙として発行されることになりました。
080
人類愛善会の崇高な理想は人々の注意をひき、
081
内地はもちろん、
082
朝鮮、
083
台湾、
084
満州、
085
中国、
086
南北アメリカ、
087
南洋、
088
東印度の各地、
089
フランス、
090
イタリヤ、
091
チェコスロバキヤ、
092
ドイツ、
093
スイス、
094
ブルガリヤ、
095
ハンガリヤ、
096
ポーランド、
097
ペルシャ、
098
スペインなどの各地に支部が設置され、
099
その主旨に共鳴入会する人々が続出しました。
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