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聖師伝
はしがき
01 御誕生
02 穴太の里
03 祖父の話
04 祖父の性行
05 祖父の再生
06 幼少年時代
07 小学校時代
08 久兵衛池事件
09 青年時代
10 獣医学の研究
11 父の死
12 青年時代の煩悶
13 高熊山出修の動機
14 高熊山の修行
15 使命の自覚
16 幽斎の修業
17 開祖との会見
18 聖師の大本入り
19 聖師と筆先
20 聖師の苦闘
21 神苑の拡張と造営
22 神島開き
23 大本の発展
24 第一次大本事件
25 霊界物語の口述
26 エスペラントとローマ字の採用
27 世界紅卍字会との提携
28 蒙古入り
29 世界宗教連盟と人類愛善会
30 大正より昭和へ
31 明光社の設立
32 急激な発展
33 第二次大本事件
34 愛善苑の新発足
35 晩年の聖師
36 御昇天
37 御昇天後の大本
【附録】出口聖師年譜
(メニューの右肩に*1が付いているものは、本文がまだテキスト化されていないもの。*2は内容がほぼ同じ他のテキストがあるもの。)
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> 15 使命の自覚
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一五、使命の自覚
インフォメーション
題名:
15 使命の自覚
著者:
大本教学院・編
ページ:
目次メモ:
概要:
備考:
タグ:
スエデンボルグ(スウェーデンボルグ、スエーデンボルグ)
データ凡例:
データ最終更新日:
2020-07-04 19:18:01
OBC :
B100800c15
001
喜三郎さんの肉体は、
002
高熊山の巌窟の上に端坐しておられたのですが、
003
霊魂が肉体を遊離して
神使
(
しんし
)
に導かれ霊界を逍遥し、
004
天地創造の時代から神界の組織経綸、
005
天国地獄の情況等くわしく探険して来られたのであります。
006
「霊界物語」全八十一巻はこの時の霊界探険を基礎として述べられたものでありますが、
007
おそらく、
008
こうした破天荒の霊的体験は、
009
かのキリスト神学界の大偉人として知られているスエデンボルグを凌駕するものでありましょう。
010
この修業は旧二月九日から一週間にわたって行われたのでありまして、
011
喜三郎さんは、
012
はじめて自己の救世の使命を自覚されたのであります。
013
この時、
014
喜三郎さんが神使より受けた教訓は大略左の通りでありました。
015
「
澆季
(
ぎょうき
)
末法にかたむいた邪神の荒ぶ今のときにあたって、
016
お前は至粋至純なる
惟神
(
かむながら
)
の
大道
(
だいどう
)
を研究し
身魂
(
みたま
)
をきよめ、
017
立派なる宣伝使となって世界にむかい、
018
神道のラッパを吹き立て世界を覚醒せなくてはならぬ。
019
今に於て惟神の大道を宣伝し、
020
世界の目を醒ますものがなければ、
021
今日の社会の維持することは出来ない。
022
ひいては世界の破滅を招来することは鏡にかけて見るようだ。
023
お前はこれから神のしもべとなって、
024
暗黒世界の光となり、
025
冷酷社会の
温味
(
ぬくみ
)
となり、
026
腐りきった身魂を救いきよめる塩となり、
027
身魂の病をいやす薬ともなり、
028
四魂
(
しこん
)
をみがき
五情
(
ごじょう
)
[
※
一霊四魂と五情の戒律のこと
]
をきたえ、
029
誠の大和魂となって、
030
天地の花と
謳
(
うた
)
われ果実と喜ばれ、
031
世のため道のためにつくしてくれねばならぬ。
032
真の勇、
033
真の親、
034
真の愛、
035
真の智慧を輝かし、
036
この大任を完成せんとするは、
037
なかなか容易な事業ではない。
038
今後十年の間はその方の研究の時期である。
039
その間におこるところの艱難辛苦は非常なものだ。
040
これを忍耐せなくては汝の使命を果すことは出来ないぞ。
041
しばしば神の
試
(
ためし
)
にもあい、
042
邪神の群に包囲され苦しむこともあるであろう。
043
前途にあたって深い谷もあり、
044
剣の山や血の池地獄や、
045
蛇の
室
(
むろ
)
、
046
蜂の室、
047
暴風怒濤に苦しみ、
048
一命の危いこともしばしばあるであろう。
049
手足の爪までぬかれて、
050
神
(
かむ
)
やらいに
退
(
やら
)
われることも覚悟しておらねばならぬ。
051
さりながら少しも恐るるにはおよばぬ。
052
神様を力に誠を杖に猛進せよ。
053
いかなる災害に遭うとも決して退却してはならぬ。
054
何ごともみな神の御経綸だと思え。
055
一時の失敗や艱難に出あうたために、
056
神の道に遠ざかり心を変じてはならぬ。
057
ミロクの神の
御心
(
みこころ
)
を、
058
生命のつづくかぎり遵奉し、
059
かつ世界へ拡充せよ。
060
神々は汝の身を照らし、
061
汝の身辺につきそうてこの使命を果たすべく守りたもうであろう。
062
特に十年間はもっとも必要な修業時代だ」
063
二月十五日の正午前、
064
喜三郎さんは帰宅されました。
065
家族の者はもちろん、
066
親戚、
067
株内近所の人々は大騒ぎをしていたところへ、
068
喜三郎さんがひょっこり戻って来られたものですから、
069
みな集まって来ていろいろ尋ねましたが、
070
神様から修業をさせられた、
071
などと言ったところで、
072
信ずる筈がありませんので、
073
黙って答えられませんでした。
074
そうすると、
075
翌々日から再び身体が強直状態になって手足の自由がきかぬようになり、
076
口もきけなくなりましたが、
077
意識はハッキリしていて、
078
耳はよく聞えるのでした。
079
やがて医者が来る、
080
天理教の教師や法華信者のお婆さんが来る、
081
祈祷僧が来る。
082
てんでにいろいろなことを言うので、
083
「自分は何でもない、
084
神さまから修行させられているのだ」と言おうとされましたが、
085
口がきけず、
086
皆のするままにしておきますと、
087
親戚のある男がやって来て、
088
089
「これはてっきり狸がついたのに違いない、
090
一つ青松葉でくすべてやろう」
091
と言って、
092
唐がらしと青松葉をくすべて、
093
煙をウチワで喜三郎さんの鼻の穴へあおぎこもうとしたときに、
094
母の
世根子
(
よねこ
)
さんが入って来られ、
095
096
「まあそんな手荒いことをしないで」
097
と泣いてとめられました。
098
喜三郎さんは母の眼から涙が自分の顔の上に落ちたと思うと、
099
何だか知らぬが、
100
一筋の
金色
(
こんじき
)
の綱が下って来たので手早く握ったと思う途端に、
101
再び身体の自由がきき、
102
口もきけるようになりました。
103
こうした状態が一週間つづき、
104
その間に、
105
やはり喜三郎さんの霊魂は霊界を逍遥されたのであります。
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【15 使命の自覚|聖師伝|聖師伝/B100800c15】
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