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聖師伝
はしがき
01 御誕生
02 穴太の里
03 祖父の話
04 祖父の性行
05 祖父の再生
06 幼少年時代
07 小学校時代
08 久兵衛池事件
09 青年時代
10 獣医学の研究
11 父の死
12 青年時代の煩悶
13 高熊山出修の動機
14 高熊山の修行
15 使命の自覚
16 幽斎の修業
17 開祖との会見
18 聖師の大本入り
19 聖師と筆先
20 聖師の苦闘
21 神苑の拡張と造営
22 神島開き
23 大本の発展
24 第一次大本事件
25 霊界物語の口述
26 エスペラントとローマ字の採用
27 世界紅卍字会との提携
28 蒙古入り
29 世界宗教連盟と人類愛善会
30 大正より昭和へ
31 明光社の設立
32 急激な発展
33 第二次大本事件
34 愛善苑の新発足
35 晩年の聖師
36 御昇天
37 御昇天後の大本
【附録】出口聖師年譜
(メニューの右肩に*1が付いているものは、本文がまだテキスト化されていないもの。*2は内容がほぼ同じ他のテキストがあるもの。)
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一九、聖師と筆先
インフォメーション
題名:
19 聖師と筆先
著者:
大本教学院・編
ページ:
目次メモ:
概要:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
B100800c19
001
話は元にもどりますが、
002
聖師は二度目に大本に来られてから、
003
本町の西村庄兵衛氏の離れ座敷で、
004
筆先をしらべておられましたところ、
005
どことなく不可解な箇所が日々に発見されてくるようで、
006
筆先を絶対に信ずることが出来ませんでした。
007
当時の煩悶を聖師は次のように書いておられます。
008
「私は非常な煩悶をおぼえ、
009
ついには神諭を見るのがいやになり、
010
到底我々の信仰に適しないものと断定して、
011
綾部の地を立ち去る考えをおこしておりますと、
012
出口開祖様から、
013
お筆先が出たから上田さんに一読を願いたいと、
014
使いの人に持たせて送られましたから、
015
また例のくだらぬ神諭じゃなと、
016
心中いささか軽侮の念で拝読すると、
017
上田は神界の
経綸
(
しぐみ
)
で神がひきよせたのじゃ、
018
出口直の末子の澄子と神約がむすばれてあるから、
019
出口家の世つぎとなって、
020
大本の教えを開くべきものじゃ、
021
との神諭であります。
022
私はこれは全く開祖の神経で、
023
こんなことを書かれるのであろう、
024
と一笑に附しておりました。
025
……おまけに、
026
私が高熊山の修業中に、
027
なんじ今後十年の間は修業の時機なり、
028
大なる悪魔と戦い神の試験に合うべしと、
029
神人
(
しんじん
)
より教えられたる先入思想が時々勃発して、
030
開祖はいよいよ神人より教誡されたる悪魔に相違あるまい。
031
万々一あやまって悪魔の捕虜となって開祖を信じ、
032
かつ不可解至極の神諭を天下に流布して、
033
多数人の霊魂を汚読し、
034
迷妄に落すようなことがあっては、
035
それこそ天地いれざる大重罪悪ではあると思われてならぬ。
036
放火や殺人や強盗などは重罪ではあるが、
037
その罪悪にはかぎりがあるが、
038
思想上の犯罪は山野を焼く火のごとく無限である。
039
折角結構な日本国に、
040
しかも聖明の御世に生をうけたる幸福なる
身魂
(
みたま
)
でありながら、
041
邪神の捕虜となり、
042
大切なる大神様の御子まで邪道にみちびくようなことになっては、
043
永遠無窮の大犯罪を重ねるので、
044
この上の恐ろしきものはないと考えました。
045
……」
046
大本の歴史の上で、
047
誰しもはじめ不可解に思うのは、
048
筆先に「
男子
(
なんし
)
と
女子
(
にょし
)
との戦いで、
049
世界にあることを大本の中で見せてある」という事実にぶつかった時でありましょう。
050
この男子というのは、
051
筆先に
変性
(
へんじょう
)
男子
(
なんし
)
(女体男霊)とあって開祖を指したものであり、
052
女子とは
変性
(
へんじょう
)
女子
(
にょし
)
(男体女霊)とあって、
053
聖師を指されたものであります。
054
聖師の書かれた文章から見れば、
055
開祖を疑い、
056
筆先を疑って非常に煩悶されたことは明かでありますが、
057
内心ひとり煩悶しておられたのではなく、
058
開祖との間に神がかり状態で、
059
はげしい争いとなってあらわれたのであります。
060
神がかり状態が鎮まりますと、
061
開祖と聖師とは実に仲がよく、
062
開祖は聖師を頼りにされますし、
063
聖師は開祖を大切にされました。
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