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聖師伝
はしがき
01 御誕生
02 穴太の里
03 祖父の話
04 祖父の性行
05 祖父の再生
06 幼少年時代
07 小学校時代
08 久兵衛池事件
09 青年時代
10 獣医学の研究
11 父の死
12 青年時代の煩悶
13 高熊山出修の動機
14 高熊山の修行
15 使命の自覚
16 幽斎の修業
17 開祖との会見
18 聖師の大本入り
19 聖師と筆先
20 聖師の苦闘
21 神苑の拡張と造営
22 神島開き
23 大本の発展
24 第一次大本事件
25 霊界物語の口述
26 エスペラントとローマ字の採用
27 世界紅卍字会との提携
28 蒙古入り
29 世界宗教連盟と人類愛善会
30 大正より昭和へ
31 明光社の設立
32 急激な発展
33 第二次大本事件
34 愛善苑の新発足
35 晩年の聖師
36 御昇天
37 御昇天後の大本
【附録】出口聖師年譜
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> 22 神島開き
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二二、神島開き
インフォメーション
題名:
22 神島開き
著者:
大本教学院・編
ページ:
目次メモ:
概要:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
B100800c22
001
大正五年
[
※
1916年
]
、
002
聖師が四十六歳の春であります。
003
聖師の霊眼に
坤
(
ひつじさる
)
の方の海中にホーロクを伏せたような島が映ずるのでしたが、
004
それから歯ぐきの上のところがウヅき出し、
005
四十八日目にシャリになって出ました。
006
こころみに手にとって見ますと、
007
毎日霊眼で見せられていた島の形そのままでありました。
008
聖師は直ちに調査を始められますと、
009
播州
(
ばんしゅう
)
高砂沖にホーロク島、
010
一名・
神島
(
かみじま
)
といわれる島
[
※
家島諸島の上島のこと
]
のあることがわかりましたので、
011
旧五月五日踏査されました。
012
この島は、
013
昔から「朝日の
直
(
ただ
)
刺す夕日の日照らす高砂沖の一つ島一つ松、
014
松の根元に三千世界の宝いけおく」と言い伝えられた島であります。
015
さらに旧五月二十五日に、
016
聖師はじめ役員信者一行六十三人が参拝することになり、
017
高砂の港から船を出しました。
018
その日は、
019
朝のうちは大変好い日であったのに、
020
エライ風と雨になって来ましたので、
021
船頭は船を出せないと言いますし、
022
一同は「早く船にのせてくれ」といって、
023
二時間ばかり両方でネリ合っていましたが、
024
一同は船を出しさえしたら、
025
天気は晴れるというので、
026
当時船の準備を頼まれていた漁師の橋本福太郎氏は、
027
とにかく港の口まで船を出すことにしました。
028
いよいよ船を出しますと、
029
急に今までの雨もやみ風もしずまり、
030
浪
(
なみ
)
もおだやかになって日の光りがさして来ました。
031
一同は祝詞を奏上しつつ進みました。
032
だんだん船が進むに従って風が凪ぎ、
033
南風が北風にかわり、
034
帆をかけて神島に進みました。
035
午後四時ごろ神島に着き、
036
当日女装をされた聖師は山の頂上で神霊を奉迎され、
037
日の暮れ方一行は無事高砂に帰られました。
038
この神島は丹後沖の無人島・
沓島
(
めしま
)
と相ならんで、
039
大本にとっては非常に因縁の深い島でありまして、
040
沓島は艮の金神・
国常立
(
くにとこたちの
)
大神
(
おおかみ
)
の神霊の落ちておられた島であり、
041
神島は国常立大神の妻神、
042
坤の金神・
豊雲野
(
とよくもぬの
)
大神の神霊の落ちておられた島であるということが明かになったのであります。
043
聖師が女装をして女神の姿で神島にお渡りになったのも、
044
この坤の金神に因縁があったからであります。
045
「
感謝祈願詞
(
みやびのことば
)
」の中に「総ての
感謝
(
ゐやい
)
と
祈願
(
いのり
)
は、
046
千座
(
ちくら
)
の
置戸
(
おきど
)
を負ひて、
047
玉垣の
内津御国
(
うちつみくに
)
の
秀津間
(
ほづま
)
の国の
海中
(
わだなか
)
の、
048
沓島
(
おもと
)
神島
(
うらと
)
の
無人島
(
しまじま
)
に
神
(
かむ
)
退
(
やら
)
いに
退
(
やら
)
はれ、
049
天津罪
(
あまつつみ
)
、
050
国津罪、
051
ここたくの
罪科
(
つみ
)
を、
052
祓い給ひし、
053
現世
(
うつしよ
)
幽界
(
かくりよ
)
の
守神
(
まもりがみ
)
なる、
054
国の
大御祖
(
おほみおや
)
国常立大神、
055
豊雲野大神、
056
亦
伊都
(
いづ
)
の
御魂
(
みたま
)
美都
(
みづ
)
の御魂の
御名
(
みな
)
に
幸
(
さきは
)
え給いて
聞
(
きこ
)
し
食
(
め
)
し云々」と示されてある
所以
(
ゆえん
)
であります。
057
その後、
058
同年の旧九月八日開祖を始め出口家一統、
059
その他多数の役員信者は綾部を出発して、
060
翌九日神島に参拝されました。
061
この時、
062
聖師は枯枝で
箒
(
ほうき
)
と熊手の形をこしらえ、
063
地上に投げられましたところ、
064
二代すみ子さんの膝にいた六歳の
一二三
(
ひふみ
)
さんと二歳の
尚江
(
ひさえ
)
さんがそれを拾ってごもくを海の方へ掃き出しました。
065
開祖はすみ子さんにむかって「高砂の
尉
(
じょう
)
と
姥
(
うば
)
とが二人の子供にうつって、
066
実地を見せているが、
067
判るか」と言われました。
068
昔から結婚式を挙げる時に用いられる高砂の尉と姥というのは、
069
お目出度いものであるとされて何の意味かハッキリしませんでしたが、
070
この尉とは艮の金神・国常立大神のことであり、
071
姥とは坤の金神・豊雲野大神のことであるということが明かになったのであります。
072
この神島の参拝によって尉と姥がそろって大本へ上り、
073
金龍海の大八洲神社に神霊が鎮祭されることになり、
074
それから大本の神業は、
075
いちじるしい進展を遂げてゆきました。
076
神諭
(
しんゆ
)
に示されている「松の根元の大掃除」が露骨になって行ったのであります。
077
この日、
078
開祖の手から聖師に関して次のような重大な筆先が出されたのであります。
079
「
五六七神
(
みろく
)
様
(
さま
)
の霊はみな神島へ落ちておられて、
080
未申
(
ひつじさる
)
の金神どの、
081
素盞嗚
(
すさのおの
)
尊
(
みこと
)
と小松林の霊が
五六七
(
みろくの
)
神
(
かみ
)
の
御霊
(
みたま
)
で、
082
結構な御用がさしてありたぞよ。
083
ミロク様が根本の天の御先祖様であるぞよ。
084
国常立尊は地の先祖であるぞよ。
085
二度目の世の立替については、
086
天地の先祖がここまでの苦労をいたさんと、
087
物ごと成就いたさんから永い間みなを苦労させたなれど、
088
ここまでに世界中が
混乱
(
なる
)
ことが、
089
世の元からよく判りて居りての
経綸
(
しぐみ
)
でありたぞよ。
090
天地の
開
(
ひら
)
ける時節が参りて来たから、
091
守護神に改心が出来んと、
092
人民には判りかけがいたさんから、
093
変性
(
へんじょう
)
男子
(
なんし
)
があらわれて、
094
世界の実地を分けてみせるなり、
095
次に変性
女子
(
にょし
)
があらわれると、
096
ビックリをいたして、
097
世界中が一度の改心を致さなならんやうな神事があるから、
098
改心が一等ぞよ。
099
今度神島へ坤の金神の身魂が御参りになりたに就て、
100
変性女子の御苦労な御用の
事実
(
こと
)
をあらわすぞよ。
101
変性女子があらわれると、
102
坤の金神どのの
神力
(
ちから
)
が出るから、
103
誠の心で願えば、
104
何事でも直ぐに聞済みあるぞよ。
105
天の御先祖様が世に落ちて御出ましたゆえ、
106
地の世界の先祖も、
107
世に落ちておりたから、
108
世界中が
暗黒
(
くらやみ
)
同様になりてしもうて、
109
この世の立替いたすのには、
110
なかなかに骨が折れるなれど、
111
何かの時節がまいりたから、
112
これから変性女子の身魂を表に出して、
113
実地の
経綸
(
しぐみ
)
いたさして、
114
三千世界の
総方様
(
そうほうさま
)
へ
御目
(
おんめ
)
にかけるが近よりたぞよ。
115
出口直八十一歳の時の
筆記
(
しるし
)
」
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第六歌集『霧の海』
を掲載しました。
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