霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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大正八年三月八日

インフォメーション
種類: 年月日:
神霊界掲載号: 神霊界八幡書店復刻版: 八幡書店版伊都能売神諭:
概要: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: 文字数: OBC :is26
001 大正八年三月八日 旧二月七日
002 天(てん)に坐(まし)ます日(ひ)の大神様(おほかみさま)は、003天地(てんち)初発(しよつぱつ)の時(とき)から、004世界(せかい)万物(ばんもつ)を造(つく)りて之(これ)を愛護(あいご)し給(たま)ひ、005永遠無窮(とこしえ)に光(ひか)りを与(あた)え、006地(ち)の世界(せかい)を照(て)らして御守護(ごしゆごう)遊(あそ)ばすなり、007五六七(みろく)の大神様(おほかみさま)は人民(じんみん)よりも下(し)たに降(を)りて、008地(ち)の在(あ)らむ限(かぎ)り、009遺(のこ)る隈(くま)なく、010隠(かく)れて御守護(ごしゆごう)下(くだ)され、011何(なに)一(ひ)とつ自由(じゆう)と云(い)ふ事(こと)も成(な)さらずに、012万物(ばんぶつ)を養育(やういく)遊(あそ)ばして御座(ござ)るなり。013地(ち)の固成主(かためぬし)なる国常立尊(くにとこたちのみこと)は、014坤(ひつじさる)の根神(こんじん)[*「根神」は底本通り]豊雲野尊(とよくもぬのみこと)と水火(いき)を合(あ)はして、015夫(そ)れ夫(ぞ)れの守護神(しゆごうじん)に御苦労(ごくろう)に成(な)りて地(ち)を固(かた)め締(し)め、016一旦(いつたん)は地(ち)の世界(せかい)の主宰者(つかさ)と成(な)りたなれど、017八百万(やほよろづ)の神(かみ)の為(ため)に永(なが)らくの間(あいだ)神(かみ)の世(よ)一代(いちだい)艮(うしとら)へ押込(をしこ)められて、018隠(かげ)から斯世(このよ)を守護(しゆごう)いたして居(を)りた事(こと)の、019誠(まこと)の精神(せいしん)と行状(おこない)が天地(てんち)の大神様(おほかみさま)の御眼(おめ)に留(とど)まりて、020再(ふたた)び地(ち)の世界(せかい)の神界(しんかい)を守護(しゆごう)いたすやうになりたのは、021誠(まこと)に神(かみ)は満足(まんぞく)であれども、022是(これ)だけに乱(みだ)れた世(よ)の中(なか)を、023善(ぜん)一(ひ)とつの神代(かみよ)の神政(しんせい)に改造(たてなを)すのは、024中々(なかなか)大業(たいもう)で在(あ)るから、025昔(むかし)の神代(かみよ)に艮(うしとら)の金神(こんじん)と共(とも)に世(よ)に落(をと)された神々(かみがみ)を、026今度(こんど)の天之岩戸開(あまのいわとびら)きの御用(ごよう)いたさす為(ため)に、027世(よ)に上(あ)げて神政成就(たてなをし)の御用(ごよう)に使(つか)ふから、028其(その)神々(かみがみ)の名(な)を上(うへ)から上(うへ)から表(あら)はして置(を)くぞよ。029国常立尊(くにとこたちのみこと)の侍従長(わきだち)を勤(つと)めたのは、030右(みぎ)が猿田彦命(さるたひこのみこと)と猿田姫命(さるたひめのみこと)の夫婦(ふうふ)なり、031右(みぎ)の侍従(つき)が八雲立命(やくもたちのみこと)と出雲姫命(いづもひめのみこと)の夫婦(ふうふ)なり、032左(ひだり)の侍従長(わきだち)が真心彦命(うらひこのみこと)と事足姫命(ことたるひめのみこと)の夫婦(ふうふ)なり、033左(ひだり)の侍従(つき)が国彦命(くにひこのみこと)と国比女命(くにひめのみこと)の夫婦(ふうふ)の神(かみ)でありたぞよ。034其他(そのほか)に沢山(たくさん)の付々(つきづき)や眷属(けんぞく)は在(あ)りたなれど、035時節(じせつ)に応(をう)じ、036手柄(てがら)に由(よ)りて、037次々(つぎつぎ)に名(な)を表(あら)はすぞよ。038天(てん)の規則(きそく)が破(やぶ)れた始(はじま)りは、039真心彦命(うらひこのみこと)の最(もつと)も愛(あい)して居(を)りた百照彦命(ももてるひこのみこと)に春子姫命(はるこひめのみこと)と申(もう)す妻(つま)がありたが、040真心彦命(うらひこのみこと)は愛情(あいぜう)深(ふか)き神(かみ)で在(あ)つたが、041終(つい)には百照彦(ももてるひこ)の命(みこと)の妻(つま)の春子姫(はるこひめ)に手(て)が掛(かか)り、042不調法(ぶちやうほう)が出来(でき)たので、043天(てん)の大神様(おほかみさま)から役目(やくめ)を御取上(おとりあ)げに成(な)つたのであるぞよ。044真心彦命(うらひこのみこと)は事足姫命(ことたるひめのみこと)と申(もう)す妻神(つまがみ)が在(あ)りて、045広心彦命(ひろむねひこのみこと)、046行成彦命(ゆきなりひこのみこと)と云(い)ふ二柱(ふたはしら)の神子(みこ)が出来(でき)てあるにも関(かか)はらず、047情(なさ)けに耽(おぼ)れて春子姫(はるこひめ)との間(あいだ)に怪(あや)しき行為(おこない)が結(むす)ばれたので、048天(てん)の大神様(おほかみさま)から天(てん)の規則(きそく)破(やぶ)りの罪(つみ)として、049国常立尊(くにとこたちのみこと)の侍従長(わきだち)を退職(たいしよく)されたので、050真心彦命(うらひこのみこと)は自分(じぶん)の失態(しつたい)を愧(は)ぢて終(つい)に国替(くにがへ)を致(いた)されたので在(あ)るぞよ。051そこで八百万(やほよろづ)の神々(かみがみ)も其(その)心事(しんじ)を気之毒(きのどく)に思召(おぼしめ)されて、052種々(いろいろ)と持(も)てなしを成(な)されて、053長男(ちやうなん)の広心彦命(ひろむねひこのみこと)が父神(ちち)の後(あと)を継(つ)ぎて、054左(ひだり)の侍従長(わきだち)と成(な)り、055仁愛(じんあい)を以(もつ)て下(しも)を治(をさ)め、056一時(いちじ)は天下(てんが)泰平(たいへい)に世(よ)が治(をさ)まりて、057国常立尊(くにとこたちのみこと)の威勢(いせい)も揚(あが)りたので在(あ)りたぞよ。058然(しか)る所(ところ)に未亡神(みぼうじん)なる事足姫命(ことたるひめのみこと)は、059夫神(おつと)の御心情(ごしんぜう)も察(さつ)せずに、060春永彦命(はるながひこのみこと)と云(い)ふ後(のち)の夫(をつと)を持(も)ちて、061桃上彦命(ももがみひこのみこと)を生(う)み、062夫婦(ふうふ)の神(かみ)が仲良(なかよ)く暮(くら)して居(を)りたが、063是(これ)が大変(たいへん)に天(てん)の規則(きそく)に照(てら)して面白(おもしろ)く無(な)き行為(をこない)で在(あ)るぞよ。
064 桃上彦命(ももがみひこのみこと)は非常(ひじやう)に下(しも)を憐(あわれ)む、065精神(せいしん)の善(よ)き神(かみ)でありたから、066種違(たねちが)いの兄神(あに)の広心彦命(ひろむねひこのみこと)も大変(たいへん)に安神(あんしん)いたして、067自分(じぶん)の副神(さしそえ)に任(にん)じて、068神界(しんかい)の御用(ごよう)の祐(たす)けを為(さ)せて居(を)りたが、069桃上彦命(ももがみひこのみこと)は月日(つきひ)の経(た)つに連(つ)れて、070始(はじ)めの善良(ぜんれう)なる精神(せいしん)が狂(くる)ひ出(だ)し、071上(うへ)の神(かみ)の命令(めいれい)も聞(き)かず、072外神(かみがみ)の難義(なんぎ)も顧(かへり)みず、073終(つひ)には慢神(まんしん)益々(ますます)増長(ぞうちやう)して、074兄神(あにがみ)の権利(けんり)と地位(ちい)を占領(せんりよう)し、075只管(ひたすら)下(しも)斗(ばか)りの機嫌(きげん)を取(と)る事(こと)に而巳(のみ)心(こころ)を碎(くだ)きたるが故(ゆへ)に、076下(しも)の神々(かみがみ)は恩(をん)に馴(な)れて安楽(あんらく)な道(みち)ばかりに傾(かたむ)き誠(まこと)の天則(てんそく)を守(まも)る神(かみ)の教(をしへ)に反対(はんたい)いたし出(だ)し、077神界(しんかい)の政治(せいじ)は上(あ)げも下(お)ろしも成(な)らぬ如(よ)うに成(な)り果(はて)て、078終(しまい)には重立(をもだち)たる侍従神(つきつき)もチリチリ破乱々々(ばらばら)に世(よ)に押込(をしこ)められて了(しも)ふて、079国常立尊(くにとこたちのみこと)は枝葉(えだは)を断(き)られた大樹(たいじゆ)の如(よ)うに致(いた)されて了(しも)ふたので在(あ)るぞよ。080是(これ)が此世(このよ)に体主霊従(あく)と申(もう)す事(こと)の初(はじま)りであるぞよ。
081◎
082 真心彦命(うらひこのみこと)の未亡神(みぼうじん)なる事足姫命(ことたりひめのみこと)は、083貞操(ていさう)を破(やぶ)りて春永彦命(はるながひこのみこと)と云(い)ふ後(のち)の夫神(をつとがみ)を持(も)ち、084其間(そのあいだ)に生(うま)れた桃上彦命(ももがみひこのみこと)で在(あ)るから、085初(はじ)めの間(あいだ)は大変(たいへん)に円満(ゑんまん)な神(かみ)で在(あ)つたなれども、086母(はは)の規則(きそく)破(やぶ)り、087不貞操(ふていさう)の水火(いき)が伝(つた)はりて居(を)るから、088終(しまい)には勝手(かつて)気儘(きまま)な精神(せいしん)が現(あら)はれて、089野心(やしん)を起(をこ)し、090天地(てんち)の経綸(しぐみ)を破(やぶ)りたので在(あ)るから、091神(かみ)は猶更(なをさら)、092人民(じんみん)は神(かみ)に次(つい)での結構(けつこう)な身魂(みたま)であるから、093夫婦(ふうふ)の道(みち)を大切(たいせつ)に守(まも)り、094一夫一婦(いつぷいつぷ)の規定(きてい)を守(まも)らぬと、095終(つい)には身(み)を亡(ほろ)ぼし、096家(いへ)を破(やぶ)り国家(こくか)に害毒(がいどく)を流(なが)して、097天地(てんち)の規則(きそく)破(やぶ)りの大罪人(だいざいにん)に落(を)ちて苦(くる)しまねば成(な)らぬ事(こと)が出来(しゆつたい)いたすぞよ。098事足姫命(ことたりひめのみこと)の不貞操(ふていさう)な行状(をこない)が元(もと)に成(な)りて、099神界(しんかい)が一旦(いつたん)乱(みだ)れて了(しま)ひ、100次(つぎ)に人民(じんみん)の世界(せかい)が今(いま)の如(よ)うに乱(みだ)れて来(き)たので在(あ)るから、101悪(あく)と云(い)ふ行為(をこない)は毛筋(けすじ)も今度(こんど)は無(な)きやうに、102水晶(すいしよう)の神世(かみよ)に立直(たてなを)すので在(あ)るから、103皆(みな)の人民(じんみん)は互(たがい)に気(き)を注(つ)け合(あ)ふて心得(こころえ)て下(くだ)されよ。104取返(とりかへ)しの成(な)らん事(こと)が出来(しゆつたい)いたすぞよ。105斯(こ)の天則(てんそく)を破(やぶ)りた二柱神(ふたはしらがみ)の子(こ)の桃上彦命(ももがみひこのみこと)が、106大野心(だいやしん)を起(をこ)して、107下々(したじた)の神(かみ)に対(たい)し贔屓(ひいき)を取(と)らんとして、108八方(はつぽう)美人(びじん)主義(しゆぎ)を非常(ひじやう)に発揮(はつき)したる為(ため)、109下(しも)は之(これ)に馴(な)れて上(かみ)の命令(めいれい)を一(ひとつ)も聞(き)かぬやうに成(な)りたので、110他(ほか)の善神(かみ)から大禍津美命(おほまがつみのみこと)と名(な)を付(つ)けられたので在(あ)るぞよ。111この桃上彦命(ももがみひこのみこと)は八十猛彦(やそたけるひこ)と百武留彦(ももたけるひこ)を殊(こと)の外(ほか)寵愛(ちようあい)し、112両神(れうしん)を頤使(つかい)て益々(ますます)自己(われ)の野心(やしん)を遂行(すいこう)いたし、113自由(じゆう)自在(じざい)に斯世(このよ)を持荒(もちあ)らしたが為(ため)に、114今(いま)に世界(せかい)が体主霊従(あく)の身魂(みたま)斗(ばか)りに成(な)りたので在(あ)るぞよ。115それから国常立尊(くにとこたちのみこと)の左(ひだり)の侍従(つき)を勤(つと)めて居(を)りた、116国比古之命(くにひこのみこと)は侍従長(わきだち)の真心彦命(うらひこのみこと)の国替(くにがへ)に由(よ)り、117首長(かしら)の無(な)くなつたのに気(き)を赦(ゆ)るし、118自由自在(じゆうじざい)に自己主義(われよし)の行(や)り方(かた)を致(いた)して世(よ)に現(あら)はれ、119大権力(だいけんりよく)を振(ふ)り舞(ま)はし、120終(つい)に世界(せかい)を乱(みだ)して了(しも)ふたので在(あ)るぞよ。121国比古之命(くにひこのみこと)と国比女命(くにひめのみこと)夫婦(ふうふ)の間(あいだ)に三柱(みはしら)の神子(みこ)が生(うま)れて、122長子(ちやうし)を真道知彦命(まみちしるひこのみこと)、123次子(じし)を青森行成彦命(あをもりゆきなりひこのみこと)、124三子(さんし)を梅ケ香彦命(うめがかひこのみこと)と申(もう)す名(な)が付(つ)けてありたぞよ。125此(こ)の三神(さんじん)の兄弟(きやうだい)は、126父母(ふぼ)の神(かみ)に似(に)ぬ厳格(げんかく)にして、127智仁勇(ちじんゆう)兼備(けんび)の善良(ぜんりやう)な神(かみ)で在(あ)るから、128父母(ちちはは)両神(りようしん)に度々(たびたび)兄弟(きようだい)が交(かわ)る交(がわ)る意見(いけん)を致(いた)したなれど、129少(すこ)しも聞入(ききい)れなき故(ゆへ)に、130何(いづ)れも時節(じせつ)を待(ま)つて父母(ふぼ)の改心(かいしん)を促(うな)がさんと、131古(ふる)き神代(かみよ)の昔(むかし)より、132堪(こら)え堪(こら)えて貯(たくわ)えし、133誠(まこと)の花(はな)の咲(さ)く世(よ)に成(な)りたから、134今度(こんど)の二度目(にどめ)の天之岩戸開(あまのいわとびら)きに就(つい)て、135国常立尊(くにとこたちのみこと)の大神業(だいしんげう)を輔(たす)け、136父母(ふぼ)の大罪(だいざい)を償(つぐな)はんと、137一生懸命(いつせうけんめい)に兄弟(きやうだい)の神(かみ)が力(ちから)を合(あ)はして活動(かつどう)いたして居(を)れるぞよ。
138◎
139 広心彦命(ひろむねひこのみこと)と行成彦命(ゆきなりひこのみこと)は、140真心彦命(うらひこのみこと)と事足姫命(ことたりひめのみこと)と夫婦(ふうふ)の間(あいだ)の神子(みこ)であるぞよ。141桃上彦命(ももがみひこのみこと)は未亡神(みぼうじん)事足姫命(ことたりひめのみこと)と、142後添(のちをひ)の夫神(をつと)春永彦命(はるながひこのみこと)の間(なか)の神子(みこ)であるぞよ。
143◎
144 広心彦命(ひろむねひこのみこと)は桃上彦命(ももがみひこのみこと)の為(ため)に、145非常(ひじやう)なる困難(こんなん)の地位(ちい)に落(を)ち、146筆紙(ひつし)に尽(つく)されぬ程(ほど)の艱難辛苦(かんなんしんく)を致(いた)した神(かみ)であるぞよ。147其(その)原因(げんいん)は父神(ちちがみ)の真心彦命(うらひこのみこと)が大罪(だいざい)を犯(をか)して天則(てんそく)を破(やぶ)り、148侍従長(わきだち)重職(じうしよく)を退(しりぞ)き、149且(か)つ神去(かみさり)ましたので、150忠孝(ちうこう)仁義(じんぎ)に厚(あつ)き広心彦命(ひろむねひこのみこと)は、151昔(むかし)から貯(たくわ)えた善(ぜん)の神力(しんりき)で、152天地(てんち)の神(かみ)の稜威(みいづ)を輝(かが)やかし、153天地万有(てんちばんゆう)を安(やす)きに救(すく)ひ、154且(か)つ父母(ふぼ)両神(れうしん)の大罪(だいざい)を償(つぐな)はんと思召(おぼしめ)しての、155御艱難(ごかんなん)を為(し)て居(を)れるぞよ。156此(この)神(かみ)は至善(しぜん)至愛(しあい)の身魂(みたま)であれど、157其(その)温順(おんじゆん)なる身魂(みたま)の性来(せうらい)として厳(きび)しき事(こと)を申(もう)すのが嫌(いや)で在(あ)つた為(ため)に、158異父弟(をとうと)の桃上彦命(ももがみひこのみこと)の乱政(らんせい)を戒(いまし)め、159改(あらた)めしめる事(こと)が出来(でき)なんだのが、160此(この)神(かみ)の一生(いつせう)の失敗(しつぱい)でありたぞよ。161それで此(こ)の大本(おほもと)の教(をしへ)は、162天(てん)の規則(きそく)に外(は)づれた事(こと)は、163容赦(ようしや)なく厳(きび)しく申(もう)して戒(いまし)める御道(おみち)であるから、164情義(ぜうぎ)にからまれて天(てん)の規則(きそく)を外(はづ)す事(こと)は出来(でき)ぬぞよ。165桃上彦命(ももがみひこのみこと)の行(や)り方(かた)が天則(てんそく)に外(は)づれて居(を)りた斗(ばか)りに、166下々(したじた)が段々(だんだん)と増長(ぞうちよう)して、167君(きみ)、168大臣(おうみ)、169小臣(おみ)、170民(たみ)の四階級(しかいきう)を破壊(はかい)して了(しも)ふたので、171八百万(やほよろづ)の真(まこと)の神々(かみがみ)が忍(しの)び兼(かね)て各自(めんめ)に退職(たいしよく)を致(いた)されたので、172神界(しんかい)の政治(せいじ)は如何(いかん)ともする事(こと)が出来(でき)ぬやうに成(な)りたので在(あ)るぞよ。173そこで広心彦命(ひろむねひこのみこと)は弟神(おとうとがみ)の行成彦命(ゆきなりひこのみこと)と力(ちから)を合(あ)はせ、174心(こころ)を一(いつ)にして天則(てんそく)を厳守(げんしゆ)し、175回天(かいてん)の事業(じげう)を起(をこ)し、176完全(かんぜん)に神代(かみよ)を改造(かいざう)せんと焦慮(せうりよ)せられたなれど、177安逸(あんいつ)なる放縱神政(よのやりかた)に馴(な)れたる神々(かみがみ)は一柱(ひとはしら)も賛成(さんせい)なく、178天地(てんち)は益々(ますます)暗黒界(あんこくかい)と成(な)り、179上(あ)げも下(お)ろしも出来(でき)ず、180万妖億邪(わざわい)一度(いちど)に突発(とつぱつ)したので、181国常立尊(くにとこたちのみこと)の侍従(つき)の役(やく)を勤(つと)めた、182猿田彦命(さるたひこのみこと)の妻神(つまがみ)なる猿田姫命(さるたひめのみこと)と、183八雲立命(やくもたちのみこと)の妻神(つまがみ)なる出雲姫命(いづもひめのみこと)が、184非常(ひじやう)に心(こころ)を配(くば)り身(み)を竭(つく)し、185神政改造(しんせいかいざう)の為(ため)に在(あ)るに在(あ)られん数十万年(すうじうまんねん)の永(なが)い間(あいだ)の御艱難(ごかんなん)を成(な)されて、186今(いま)に神界(しんかい)で大変(たいへん)な御活動(ごかつどう)に成(な)つて居(を)られるが、187今(いま)に苦労(くろう)の花(はな)の咲(さ)くやうに成(な)りて来(き)たから、188今度(こんど)は苦労(くろう)の凝(かたま)りで、189万劫末代(まんごうまつだい)萎(しほ)れぬ結構(けつこう)な生花(いきばな)が開(ひら)くから、190世界(せかい)の人民(じんみん)は是(これ)を見(み)て一日(いちにち)も早(はや)く改心(かいしん)致(いた)して、191君国(くんこく)の為(ため)に出来(でき)るだけの苦労(くろう)を勇(いさ)んで致(いた)して、192日本魂(やまとだましい)に立帰(たちかへ)り、193神国(しんこく)成就(ぜうじゆ)の為(ため)に真心(まごごろ)を尽(つく)して下(くだ)されよ。194後(あと)にも先(さき)にも無(な)き結構(けつこう)な天地(てんち)の岩戸(いわと)が開(ひら)くのであるから、195日本(にほん)の人民(じんみん)は一人(いちにん)なりとも余計(よけい)に改心(かいしん)して、196岩戸(いわと)開(びら)きの御用(ごよう)に身魂(みたま)を捧(ささ)げて下(くだ)されよ。197末代(まつだい)名(な)の残(のこ)る事(こと)であるぞよ。
198 猿田彦命(さるたひこのみこと)と猿田姫命(さるたひめのみこと)の間(なか)に三柱(みはしら)の神子(みこ)が生(うま)れて、199長女(ちようじよ)が杵築姫命(きづきひめのみこと)、200次女(じじよ)が朝子姫命(あさこひめのみこと)、201三女(さんじよ)が猿子姫命(さるこひめのみこと)と申(もう)すぞよ。202天(てん)の規則(きそく)が破(やぶ)れて、203神政(しんせい)が潰滅(ほろび)た際(さい)に、204猿田彦命(さるたひこのみこと)は妻神(つまがみ)の意見(いけん)を聞(き)かず、205却(かへ)つて大(おほい)に立腹(りつぷく)せられ、206三柱(みはしら)の姫神(ひめがみ)を引連(ひきつ)れて天上(てんぜう)に昇(のぼ)りて了(しも)ふた、207神政(しんせい)に冷淡(れいたん)なる神(かみ)であるぞよ。208茲(ここ)に猿田姫命(さるたひめのみこと)は思(をも)ひ掛(が)けも無(な)く夫神(をつとがみ)と三柱(みはしら)の大切(たいせつ)な姫神(ひめがみ)とに生(い)き別(わか)れの辛酸(しんさん)を甞(な)められた、209気(き)の毒(どく)な神(かみ)であるぞよ。210猿田姫命(さるたひめのみこと)は悲歎(ひたん)行(や)る方(かた)なく、211天(てん)を仰(おほ)ぎ地(ち)に伏(ふ)して、212猿田彦命(さるたひこのみこと)に天(てん)より降(くだ)り玉(たま)ひて、213此(こ)の乱(みだ)れた神代(かみよ)を改造(かいざう)し給(たま)へと、214一生懸命(いつせうけんめい)に歎願(たんがん)致(いた)されたなれど、215一徹短慮(いつてつたんりよ)の猿田彦命(さるたひこのみこと)は妻神(つまがみ)の言(ことば)に耳(みみ)を藉(か)さず、216三柱(みはしら)の姫神(ひめがみ)までも地(ち)へ降(をろ)されなんだのであるぞよ。217茲(ここ)に広心彦命(ひろむねひこのみこと)は猿田姫命(さるたひめのみこと)の窮状(きうぜう)を察(さつ)し、218一方(いつぽう)の力(ちから)に成(な)らんと、219弟神(をとうとがみ)の行成彦命(ゆきなりひこのみこと)と相談(さうだん)の上(うへ)、220猿田姫命(さるたひめのみこと)に向(むか)ひて申(もう)さるるには、221斯(こ)の騒動(さうだう)は吾々(われわれ)にも大責任(だいせきにん)あり傍観(ぼうかん)する時(とき)に非(あら)ず、222貴神(あなた)の国土(こくど)の為(ため)に心(こころ)を碎(くだ)きなさるのを御助(おたす)け申上(もうしあ)げたいからと、223兄弟(きやうだい)の神(かみ)が心(こころ)を一(ひと)つに致(いた)して漸(やうや)く苦心(くしん)の結果(けつくわ)、224猿田姫命(さるたひめのみこと)の一時(いちじ)の困難(こんなん)を助(たす)けた誠(まこと)に至善(しぜん)なる神(かみ)でありたぞよ。
225◎
226 茲(ここ)に猿田彦命(さるたひこのみこと)は天上(てんぜう)に昇(のぼ)りて、227自由(じゆう)に神政(しんせい)の経綸(しぐみ)を為(な)さんとすれど、228元(もと)より妻神(つまがみ)を見捨(みすて)られし位(ぐらい)の気儘(きまま)な神(かみ)で在(あ)るから、229真(まこと)の日本魂(やまとだましい)が欠(か)けて居(を)る為(ため)に、230事(こと)志(こころざし)と相違(さうい)し、231中界(ちうかい)の魔神(まじん)とまで成(な)り果(は)てたのであるが、232高天原(たかあまはら)の岩戸(いわと)が開(ひら)けて後(のち)、233皇孫(こうそん)二二岐命(ににぎのみこと)が豊葦原(とよあしはら)の水穂国(みづほのくに)に、234天照皇大神(あまてらすおほかみ)の神勅(しんちよく)を奉(ほう)じて地上(ちじよう)に降臨(こうりん)あらせらるるに際(さい)し、235猿田彦(さるたひこ)大将軍(だいせうぐん)と成(な)りて、236中界(ちうかい)の魔軍(まぐん)を数多(あまた)召(よ)び集(つど)へ、237天(あま)の八衢(やちまた)[*底本は「八街(やまた)」]に出(い)でで、238皇孫(くわうそん)降臨(こうりん)の途(みち)を塞(ふさ)がんと為(な)したるを、239神代(かみよ)の女傑神(じよけつしん)天宇受売命(あめのうづめのみこと)の為(ため)に矛(ほこ)を返(かへ)して皇孫(くわうそん)に帰順(きじゆん)し、240悪心(あくしん)を翻(ひる)がへして忽(たちま)ち善良(ぜんれう)の神(かみ)となり、241皇孫(くわうそん)の御先導(ごせんどう)となりて、242筑紫(つくし)の国(くに)の櫛振(くしふり)の峰(みね)に送(をく)り仕(つか)え奉(まつ)られたのであるぞよ。243此(こ)の天宇受売命(あめのうづめのみこと)は元来(ぐわんらい)は出雲姫命(いづもひめのみこと)の変化(へんげ)の神(かみ)でありたが、244天(てん)の規則(きそく)が破(やぶ)れた折(をり)に、245何(なん)なりとも善(ぜん)を尽(つく)し義(ぎ)を立(た)てて、246神国(しんこく)の麻柱(あなない)の道(みち)を立(た)てんと焦心(しようしん)せられたなれど、247何分(なにぶん)にも肝腎(かんじん)の大本元(だいほんげん)が破壊(はくわい)されて在(あ)るのであるから、248真実(まこと)の神業(しんげう)は成功(せいこう)する事(こと)に至(いた)らずして、249大正(たいせう)の御代(みよ)の今日(こんにち)まで忍耐(にんたい)をいたして居(を)れたが、250此(こ)の神(かみ)の誠(まこと)の活動(かつだう)が成就(ぜうじゆ)するのは今後(これから)であるぞよ。251広心彦命(ひろむねひこのみこと)も非常(ひじやう)に苦心(くしん)致(いた)され、252天(あめ)の下(した)を平(たひら)けく安(やす)らけく治(をさ)め玉(たま)ふ現人神(げんじんしん)の、253隠(かげ)から御守護(ごしゆごう)を致(いた)して居(を)れど、254今(いま)に誠(まこと)の事(こと)は成功(せいこう)致(いた)さず、255小(ちい)さい国(くに)の一(ひと)つ位(ぐら)いでは未(ま)だ十分(じうぶん)の満足(まんぞく)が出来(でき)ぬので、256科学(かがく)の力(ちから)を借(か)りて三千世界(さんぜんせかい)を開(ひら)かうと思召(おぼしめ)し、257○○を用(もち)ゐる程(ほど)益々(ますます)体主霊従(あく)が盛(さか)んになりて来(き)て、258世界(せかい)が段々(だんだん)と乱(みだ)れる斗(ばか)りで、259上(あ)げも下(お)ろしも成(な)らぬやうに成(な)りたなれど、260昔(むかし)の神代(かみよ)の時代(じだい)から絶(た)えずに国土(こくど)を思(をも)ひ、261神君(しんくん)を大切(たいせつ)に思(をも)はれた誠(まこと)の在(あ)る神(かみ)であるから、262今度(こんど)の二度目(にどめ)の世(よ)の元(もと)の生(い)き神(がみ)が、263揃(そろ)ふて艮(うしとら)の金神(こんじん)の配下(はいか)で艮(とどめ)の御用(ごよう)を致(いた)さるるに就(つい)て、264神代(かみよ)からの順次(じゆんじ)を明白(ありやか)に立別(たてわ)けて御用(ごよう)に掛(かか)りて居(を)れるぞよ。265世界(せかい)の人民(じんみん)の昔(むかし)からの因縁(いんねん)の判(わか)る時節(じせつ)に成(な)りたから、266誰(だれ)に由(よ)らず改心(かいしん)が一等(いつとう)ぞよ。
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