霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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序文(じよぶん)

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第12巻 霊主体従 亥の巻 篇:前付 よみ(新仮名遣い):
章:序文 よみ(新仮名遣い):じょぶん 通し章番号:
口述日:1922(大正11)年03月06日(旧02月08日) 口述場所: 筆録者:外山豊二 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年9月30日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
教祖の筆先とは、霊眼に映った現在過去未来や神々の言霊を断片的に筆写したものである。
演劇にたとえてみれば、各役者のせりふを抜書きした、暗記用の覚書のようなものである。だから、神劇全体を目撃したものでなければ、その真意を評することはできないのである。
それぞれのせりふを集めて一つの芝居を仕組むのは、緯の役なのである。
霊界物語の役目とは、太古の神々の活動を始め、現在過去未来の神界の活劇を、断片的に示すことなのである。だから、教祖の筆先を緯役が勝手に組み替えた、というのは大なる誤解である。
むしろ、筆先の断片を抜き出して勝手に解釈し、真の神の教えを軽信した結果、昨春のような事件を引き起こしたのである。
物語は歴史のみでなく、教訓でもあり、筆先の解説でもあり、確言書でもあり、また大神劇の脚本でもあるのである。この物語に拠らなければ、神界の御経綸・御意思は到底分かるものではないのである。
物語は、数十万年前の霊界の事を示しているので、多々不思議な点がある。故に不審な点も多々あると思うが、筆先と霊界物語は経緯不離の関係にあることを考えて欲しい。
今まで緯役が発表した筆先の解釈は、緯役自身が神界の実地に触れて根拠のある点のみを、発表しているのである。それが理解できないのは、神劇を目撃していないからである。
それゆえに、霊界物語(=神劇)を発表することにしたのである。
筆先に一言一句も変えてはならない、とあるが、緯役にはよく調べて出してくれ、とも言っている。「変えてはならない」とは、緯役以外の者に対しての言葉であることを、混同してはならない。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm120001
愛善世界社版:前付 1頁 八幡書店版:第2輯 621頁 修補版: 校定版:前付 1頁 普及版:前付 1頁 初版: ページ備考:
001 教祖(けうそ)()筆先(ふでさき)霊界(れいかい)物語(ものがたり)(つい)て、002(すこ)しく所感(しよかん)()べて()きます。
003 (そもそ)教祖(けうそ)()(とほ)して()かれた筆先(ふでさき)は、004到底(たうてい)現代人(げんだいじん)智識(ちしき)学力(がくりよく)(これ)解釈(かいしやく)する(こと)出来(でき)ぬものであります。005如何(いかん)となれば、006筆先(ふでさき)教祖(けうそ)霊眼(れいがん)(えい)じた瞬間(しゆんかん)過現未(くわげんみ)現象(げんしやう)や、007(また)神々(かみがみ)言霊(ことたま)断片(だんぺん)惟神(かむながら)(てき)(ろく)したものですから、008一言(いちごん)一句(いつく)(いへど)もその言語(げんご)出所(しゆつしよ)(とき)位置(ゐち)とを霊眼(れいがん)(ひら)いて洞観(どうくわん)せなくては、009(その)真相(しんさう)(わか)るものではありませぬ。010(これ)今日(こんにち)演劇(えんげき)(たとへ)()れば、011(うしとら)金神(こんじん)筆先(ふでさき)()(もと)に、012塩谷(えんや)判官(はんぐわん)高貞(たかさだ)言語(げんご)もあれば、013高野(かうの)師直(もろなほ)014大星(おほほし)由良之介(ゆらのすけ)015大野(おほの)九太夫(くだゆふ)016千崎(せんざき)弥五郎(やごらう)017早野(はやの)勘平(かんぺい)018(かる)019大野(おほの)定九郎(さだくらう)020加古川(かこがは)本蔵(ほんざう)021桃井(もものゐ)若狭之介(わかさのすけ)などの役者(やくしや)各自(かくじ)台詞(せりふ)使(つか)ふのを、022由良之介(ゆらのすけ)由良之介(ゆらのすけ)一人(ひとり)(たい)する台詞(せりふ)023九太夫(くだゆふ)九太夫(くだゆふ)一人(ひとり)のみの台詞(せりふ)(あつ)めたのが、024教祖(けうそ)筆先(ふでさき)であります。025所謂(いはゆる)芝居(しばゐ)下稽古(したげいこ)(とき)に、026各役者(かくやくしや)自分(じぶん)(ふん)すべき役目(やくめ)台詞(せりふ)のみを()(おぼ)ゆるための抜書(ぬきがき)のやうなものであります。027(ゆゑ)に、028実際(じつさい)霊界(れいかい)にある神劇(しんげき)目撃(もくげき)したものでなければ、029筆先(ふでさき)批評(ひへう)する(こと)出来(でき)ませぬ。030(たと)へば大星(おほほし)由良之介(ゆらのすけ)台詞(せりふ)筆先(ふでさき)()れば、031(じつ)感心(かんしん)()忠臣(ちうしん)義士(ぎし)模範(もはん)とする(こと)出来(でき)ますが、032(これ)(はん)して九太夫(くだゆふ)台詞(せりふ)(しる)した筆先(ふでさき)()(とき)は、033(じつ)嘔吐(おうど)(もよほ)而已(のみ)ならず、034(じつ)()しからぬ筆先(ふでさき)()えるのであります。035(ゆゑ)(かみ)(さま)は、036三千(さんぜん)世界(せかい)大芝居(おほしばゐ)であるぞよと、037筆先(ふでさき)()いて()られます。038(その)各自(かくじ)台詞書(せりふがき)(あつ)めて、039(ひと)つの芝居(しばゐ)仕組(しぐ)むのが(よこ)(やく)であります。040(ゆゑ)霊界(れいかい)物語(ものがたり)筆先(ふでさき)断片(だんぺん)(てき)なるに(はん)し、041忠臣蔵(ちうしんぐら)全脚本(ぜんきやくほん)とも()ふべきものであります。042筆先(ふでさき)(なか)にも、043智恵(ちゑ)(がく)では(この)筆先(ふでさき)到底(たうてい)(わか)るもので()い、044因縁(いんねん)霊魂(みたま)神界(しんかい)実地(じつち)()せてあるから、045(その)(もの)(なほ)とでなければ筆先(ふでさき)精神(せいしん)(わか)らぬぞよ、046(しる)してあるのを()ても(わか)りませう。047(また)(とき)(ところ)位置(ゐち)とに()りて、048筆先(ふでさき)文句(もんく)異同(いどう)あるのも当然(たうぜん)である。049軽々(かるがる)しく筆先(ふでさき)人間(にんげん)論評(ろんぺう)すべきものではありませぬ。050筆先(ふでさき)(けつ)して純然(じゆんぜん)たる教典(けうてん)ではありませぬ。
051 (えう)するに、052太古(たいこ)神々(かみがみ)活動(くわつどう)(はじ)め、053現在(げんざい)未来(みらい)神界(しんかい)活劇(くわつげき)を、054断片(だんぺん)(てき)(しめ)した台詞(せりふ)()きに()ぎませぬ。055(これ)(ひと)つに(とり)まつめてその真相(しんさう)劇化(げきくわ)して、056完全(くわんぜん)世人(せじん)(しめ)(やう)にするのが霊界(れいかい)物語(ものがたり)編纂(へんさん)大使命(だいしめい)なのであります。057右様(みぎやう)性質(せいしつ)筆先(ふでさき)一所(いつしよ)(あつ)めて、058神劇(しんげき)真相(しんさう)()発表(はつぺう)せむと努力(どりよく)する緯役(よこやく)苦心(くしん)をも(さと)らずに、059緯役(よこやく)完全(くわんぜん)筆先(ふでさき)をワヤに(つく)りかへたなぞと批評(ひひやう)する(ひと)は、060筆先(ふでさき)(しん)価値(かち)なり(また)(かみ)()意志(いし)(もつ)て、061自分(じぶん)意志(いし)同一(どういつ)見做(みな)した人々(ひとびと)(あやま)りであります。062教祖(けうそ)()かれた筆先(ふでさき)台詞書(せりふがき))の九太夫(くだゆう)(まき)()(ひと)は、063キツト(うしとら)金神(こんじん)(をしへ)(あく)であると()ふであらう。064由良之介(ゆらのすけ)台詞書(せりふがき)()(ひと)は、065(さだ)めて(うしとら)金神(こんじん)(をしへ)立派(りつぱ)結構(けつこう)(をしへ)であると()ふでありませう。066この台詞書(せりふがき)整理(せいり)して立派(りつぱ)神劇(しんげき)組立(くみた)てた(うへ)067(はじ)めて平民(へいみん)教育(けういく)芝居(しばゐ)ともなり、068バイブルともなるのであります。069九太夫(くだゆう)(いち)(にん)台詞(せりふ)()たり、070由良之介(ゆらのすけ)一人(ひとり)台詞書(せりふがき)のみを()て、071(ぜん)だの(あく)だの(ちう)だの不忠(ふちう)だのと批評(ひひやう)するのは、072批評(ひひやう)する(ひと)間違(まちが)つて()るのであります。073(ゆゑ)緯役(よこやく)大正(たいしやう)(じふ)(ねん)(きう)()(ぐわつ)十八(じふはち)(にち)074教祖(けうそ)神霊(しんれい)()請求(せいきう)()つて、075病躯(びやうく)(しの)臥床(ぐわしやう)(まま)霊界(れいかい)物語(ものがたり)口述(こうじゆつ)することと(いた)しました。076(しか)るに霊界(れいかい)物語(ものがたり)簡明(かんめい)()くとか、077冗長(じようちやう)にして捕捉(ほそく)する(こと)出来(でき)ないとか、078複雑(ふくざつ)(これ)()むの(はん)()へないとか、079神劇(しんげき)としても俗化(ぞくくわ)して()神威(しんゐ)冒涜(ばうとく)するものだとか、080(はなは)だしきは緯役(よこやく)精神(せいしん)そのものの発露(はつろ)だとか、081種々(しゆじゆ)雑多(ざつた)小言(こごと)()きますが、082緯役(よこやく)として霊界(れいかい)物語(ものがたり)口述(こうじゆつ)(はじ)めたのは、083今迄(いままで)信徒(しんと)方々(かたがた)筆先(ふでさき)台詞書(せりふがき)(しか)九太夫(くだゆう)台詞(せりふ)(まこと)(かみ)(をしへ)(ごと)軽信(けいしん)された結果(けつくわ)084昨春(さくしゆん)(やう)事件(じけん)突発(とつぱつ)する(やう)になつたのだから、085過失(くわしつ)(ふたた)びせざらしめむとして、086病中(びやうちう)(しの)本物語(ほんものがたり)著述(ちよじゆつ)する(こと)()つたのであります。087(けつ)して道楽(だうらく)物好(ものず)きでコンナ(こと)出来(でき)ませうか。
088 馬琴(ばきん)二十八(にじふはち)年間(ねんかん)(つひや)して八犬伝(はつけんでん)(つく)りました。089この霊界(れいかい)物語(ものがたり)は、090(わづ)かに(いち)(ねん)()らずの(あひだ)にて口述(こうじゆつ)日数(につすう)百五十(ひやくごじふ)(にち)091(しか)八犬伝(はつけんでん)三倍(さんばい)超過(てうくわ)して()大部(たいぶ)なものであります。092(いづ)れも人間(にんげん)頭脳(づなう)産物(さんぶつ)でない(こと)は、093(すこ)著述(ちよじゆつ)経験(けいけん)ある文士(ぶんし)なれば一目(いちもく)瞭然(れうぜん)たるべきものだと(かんが)へます。094(また)(なか)には、095霊界(れいかい)物語(ものがたり)神幽現(しんいうげん)三界(さんかい)歴史(れきし)であつて、096家庭(かてい)宝典(ほうてん)たる教化(けうくわ)(てき)価値(かち)なきものだと()つて()布教師(ふけうし)があるさうですが、097()霊界(れいかい)物語(ものがたり)読了(どくれう)せないからの(あやま)りであります。098第一(だいいつ)(くわん)より第四(だいよん)(くわん)(まで)(ぐらゐ)()むだ(ひと)は、099教訓(けうくん)(てき)よりも歴史(れきし)(てき)方面(はうめん)(おほ)いものと思惟(しゐ)されるのは(むし)当然(たうぜん)だろうと(おも)ひます。100(しか)霊界(れいかい)物語(ものがたり)歴史(れきし)でもあり、101教訓(けうくん)でもあり、102教祖(けうそ)筆先(ふでさき)解説書(かいせつしよ)であり、103確言書(かくげんしよ)であり、104大神劇(だいしんげき)脚本(きやくほん)であります。105この物語(ものがたり)()らなければ、106教祖(けうそ)筆先(ふでさき)断片(だんぺん)(てき)台詞書(せりふがき))のみにては、107到底(たうてい)神界(しんかい)()経綸(けいりん)()意志(いし)(わか)るものでは()いのであります。
108 霊界(れいかい)物語(ものがたり)文句(もんく)(なか)に、109一旦(いつたん)帰幽(きいう)した神人(しんじん)時代(じだい)不相応(ふさうおう)後世(こうせい)まで()きて()種々(しゆじゆ)活動(くわつどう)をしたり、110(また)ヱルサレムの(みやこ)現今(げんこん)(せう)亜細亜(アジア)土耳古(トルコ)であつたりするなどは、111現代人(げんだいじん)(もつと)(うたが)ひの(たね)()くものと予期(よき)して()ます。112(しか)(なに)()つても数十万(すふじふまん)年前(ねんぜん)物語(ものがたり)であり、113(また)霊界(れいかい)(しゆ)として口述(こうじゆつ)したのですから、114不審(ふしん)(てん)沢山(たくさん)にあるでせう。115口述者(こうじゆつしや)自身(じしん)(おい)ても不審(ふしん)116不可解(ふかかい)(てん)沢山(たくさん)ありませう。117筆先(ふでさき)霊界(れいかい)物語(ものがたり)とは経緯(けいゐ)不離(ふり)関係(くわんけい)にある(こと)(かんが)へて(もら)ひたい。118また(いま)まで発表(はつぺう)した神諭(しんゆ)は、119由良之介(ゆらのすけ)千崎(せんざき)弥五郎(やごらう)台詞(せりふ)のみを教訓(けうくん)として発表(はつぺう)したものであります。120たまに九太夫(くだゆふ)台詞(せりふ)のやうに(ひと)()つて(かん)じられる(てん)がある(やう)なのは、121(その)(ひと)神劇(しんげき)全体(ぜんたい)()()ないから(おこ)誤解(ごかい)であります。122由良之介(ゆらのすけ)でも七段目(しちだんめ)茶屋場(ちややば)あたりでは、123一寸(ちよつと)()ると九太夫(くだゆふ)(しき)言辞(げんじ)(ろう)してゐる。124されど(かれ)心中(しんちう)(けつ)して(あく)ではない。125緯役(よこやく)として(いま)まで発表(はつぺう)した神諭(しんゆ)を、126九太夫(くだゆふ)(しき)(てん)がある(やう)(かい)するのは、127霊界(れいかい)真相(しんさう)(わか)らないからであります。128(いづ)れも緯役(よこやく)として解決(かいけつ)()かない(やう)なものや、129悪言(あくげん)(てき)筆先(ふでさき)(けつ)して発表(はつぺう)はして()ませぬ。130精神(せいしん)のゆがみたる(ひと)()たら(わる)()えるであらうが、131緯役(よこやく)として神界(しんかい)実地(じつち)()根拠(こんきよ)ある(てん)のみを選抜(せんばつ)して神諭(しんゆ)とした(まで)であります。132(わる)()ゆるのは神霊(しんれい)活劇(くわつげき)()ないからであります。133(ゆゑ)にその(もう)(ひら)くために、134本書(ほんしよ)発表(はつぺう)する(こと)となつたのであります。
135 (なか)には『筆先(ふでさき)一字(いちじ)(なほ)すことは()らぬぞよ』とあるのを(たて)()り、136緯役(よこやく)(なほ)したのが不都合(ふつがふ)だと()つて()(ひと)がある。137(これ)(いち)()いて()()らぬ(ひと)(あやま)りである。138変性(へんじやう)女子(によし)緯役(よこやく)だから()放題(はうだい)出口直(でぐちなほ)()かしてあるから、139女子(によし)がよく調(しら)べて(なほ)して()して(くだ)さいと(しめ)してある。140(これ)緯役(よこやく)としての使命(しめい)である。141一字(いちじ)(なほ)(こと)()らぬぞよ』と(しめ)されたる意義(いぎ)は、142変性(へんじやう)女子(によし)以下(いか)当時(たうじ)筆記者(ひつきしや)(たい)して(しめ)された筆先(ふでさき)(ことば)である。143(これ)混同(こんどう)して緯役(よこやく)云々(うんうん)するのは(すこ)早計(さうけい)でありませう。
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