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霊界物語
霊主体従(第1~12巻)
第12巻(亥の巻)
序文
凡例
総説歌
第1篇 天岩戸開(一)
第1章 正神邪霊
第2章 直会宴
第3章 蚊取別
第4章 初蚊斧
第5章 初貫徹
第6章 招待
第7章 覚醒
第2篇 天岩戸開(二)
第8章 思出の歌
第9章 正夢
第10章 深夜の琴
第11章 十二支
第12章 化身
第13章 秋月滝
第14章 大蛇ケ原
第15章 宣直し
第16章 国武丸
第3篇 天岩戸開(三)
第17章 雲の戸開
第18章 水牛
第19章 呉の海原
第20章 救ひ舟
第21章 立花島
第22章 一島攻撃
第23章 短兵急
第24章 言霊の徳
第25章 琴平丸
第26章 秋月皎々
第27章 航空船
第4篇 古事記略解
第28章 三柱の貴子
第29章 子生の誓
第30章 天の岩戸
余白歌
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霊界物語
>
霊主体従(第1~12巻)
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第12巻(亥の巻)
> 第1篇 天岩戸開(一) > 第4章 初蚊斧
<<< 蚊取別
(B)
(N)
初貫徹 >>>
第四章
初蚊斧
(
はつかふ
)
〔五〇〇〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第12巻 霊主体従 亥の巻
篇:
第1篇 天岩戸開(一)
よみ(新仮名遣い):
あまのいわとびらき(一)
章:
第4章 初蚊斧
よみ(新仮名遣い):
はつこう
通し章番号:
500
口述日:
1922(大正11)年03月06日(旧02月08日)
口述場所:
筆録者:
松村真澄
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1922(大正11)年9月30日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
三宣伝使は蚊取別に自己紹介し、挨拶を交わした。三兄弟の宣伝使は、豊の国の白瀬川の滝に潜む魔神を言向け和すために旅をしている、と蚊取別に旅の目的を告げた。
偶然にも、蚊取別も白瀬川の大瀑布の魔神を退治にやってきたことを知った。
蚊取別は、霊縛をかけた群集たちに宣伝しようと、固まっている初公に、宣伝歌を歌わせる。初公は、かつての大自在天の部下であった。そのため蚊取別の昔の悪行を覚えていて、それを宣伝歌に歌いこんだ。
初公は、町の者がかわいそうだから、悪の仮面をかぶって酋長や春公に強談判をしただけなのだ、と言い訳をする。そして、蚊取別の改心を信用せず、三五教の仮面をかぶって悪いことをしているのだろう、と逆に問いかける。
蚊取別は、初公が霊縛をかけられながらも歯に衣を着せぬ物言いをするので、逆に感心して霊縛を解く。
初公は、他の者の霊縛も解くように懇願する。蚊取別は、神様の力で鎮魂ができるのだと諭し、初公に神様の機械になってやってみろ、と促す。
初公は不安の念にかられながらも、惟神霊幸倍坐世を二回唱えて人々に鎮魂術をかけると、一同は元の姿に戻った。人々は涙を流して宣伝使一同に感謝を現した。
初公は、酋長が自分を逮捕しに来ることを心配している。蚊取別は初公に、酋長や春公を言向け和しておいて、白瀬川の魔神退治に一緒に出かけよう、と誘う。
蚊取別はその場の村人一同に教えを諭し、四人の宣伝使は初公を伴って、酋長の館を指して進んでいった。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2020-11-11 23:17:17
OBC :
rm1204
愛善世界社版:
29頁
八幡書店版:
第2輯 636頁
修補版:
校定版:
30頁
普及版:
11頁
初版:
ページ備考:
001
三柱
(
みはしら
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
は
蚊取別
(
かとりわけ
)
の
立
(
た
)
てる
前
(
まへ
)
に
現
(
あらは
)
れ、
002
高光彦
(
たかてるひこ
)
『ヤ、
003
これはこれは
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
蚊取別
(
かとりわけ
)
様
(
さま
)
とやら、
004
初
(
はじ
)
めてお
目
(
め
)
にかかります。
005
御
(
ご
)
高名
(
かうめい
)
は
父
(
ちち
)
から
承
(
うけたま
)
はりました。
006
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
御
(
お
)
引合
(
ひきあは
)
せ、
007
思
(
おも
)
はぬ
所
(
ところ
)
でお
目
(
め
)
にかかりました』
008
蚊取別
(
かとりわけ
)
『ヤア、
009
貴神
(
あなた
)
等
(
がた
)
が
万寿山
(
まんじゆざん
)
の
磐樟彦
(
いはくすひこの
)
命
(
みこと
)
の
御
(
お
)
子
(
こ
)
達
(
たち
)
ですか。
010
神国
(
しんこく
)
の
為
(
ため
)
に
御
(
ご
)
苦労
(
くらう
)
で
御座
(
ござ
)
います。
011
あなた
方
(
がた
)
は
是
(
これ
)
から
何
(
いづ
)
れの
方面
(
はうめん
)
にお
越
(
こ
)
しのお
考
(
かんが
)
へですか』
012
高光彦
『ハイ
我々
(
われわれ
)
はイホの
都
(
みやこ
)
を
越
(
こ
)
えて、
013
筑紫島
(
つくしじま
)
、
014
豊
(
とよ
)
の
国
(
くに
)
の
白瀬川
(
しらせがは
)
の
滝
(
たき
)
に
魔神
(
まがみ
)
が
潜
(
ひそ
)
むで
災害
(
わざはひ
)
をなすと
聞
(
き
)
き、
015
言向和
(
ことむけやは
)
す
為
(
ため
)
に
参
(
まゐ
)
る
途中
(
とちう
)
で
御座
(
ござ
)
います』
016
蚊取別
(
かとりわけ
)
『それは
結構
(
けつこう
)
ですナ。
017
白瀬川
(
しらせがは
)
には
六箇
(
ろくこ
)
の
大瀑布
(
だいばくふ
)
があつて、
018
そこには
悪竜
(
あくりう
)
悪蛇
(
あくだ
)
が
棲処
(
すみか
)
を
構
(
かま
)
へ、
019
八頭
(
やつがしら
)
八尾
(
やつを
)
の
大蛇
(
をろち
)
と
気脈
(
きみやく
)
を
通
(
つう
)
じて、
020
此
(
この
)
通
(
とほ
)
り
天
(
てん
)
を
曇
(
くも
)
らせ、
021
地
(
ち
)
を
汚
(
けが
)
して
居
(
を
)
るといふ
事
(
こと
)
、
022
私
(
わたし
)
も
一旦
(
いつたん
)
黄金山
(
わうごんざん
)
に
帰
(
かへ
)
り、
023
附近
(
ふきん
)
の
地
(
ち
)
を
宣伝
(
せんでん
)
して
居
(
ゐ
)
ましたが、
024
今度
(
こんど
)
は
長駆
(
ちやうく
)
して
白瀬川
(
しらせがは
)
の
魔神
(
まがみ
)
を
退治
(
たいぢ
)
る
積
(
つも
)
りで、
025
此処
(
ここ
)
迄
(
まで
)
やつて
来
(
き
)
た
途中
(
とちう
)
、
026
見
(
み
)
れば、
027
前方
(
ぜんぱう
)
に
炬火
(
たいまつ
)
の
光
(
ひかり
)
、
028
人
(
ひと
)
の
叫
(
さけ
)
び
声
(
ごゑ
)
、
029
合点
(
がつてん
)
行
(
ゆ
)
かずと
宣伝歌
(
せんでんか
)
を
歌
(
うた
)
ひながら
走
(
はし
)
つて
来
(
き
)
て
見
(
み
)
れば、
030
豈
(
あに
)
図
(
はか
)
らむや、
031
御覧
(
ごらん
)
の
通
(
とほ
)
り
立派
(
りつぱ
)
な
人形
(
にんぎやう
)
の
陳列会
(
ちんれつくわい
)
、
032
何処
(
どこ
)
の
技師
(
ぎし
)
が
作
(
つく
)
つたものか
知
(
し
)
りませぬが、
033
よくも
出来
(
でき
)
たものです。
034
おまけに
此
(
この
)
人形
(
にんぎやう
)
は
別
(
べつ
)
に
仕掛
(
しかけ
)
はない
様
(
やう
)
ですが、
035
目
(
め
)
の
玉
(
たま
)
を
動
(
うご
)
かし、
036
涙
(
なみだ
)
をこぼし、
037
つひ
最前
(
さいぜん
)
までは、
038
酒
(
さけ
)
を
喰
(
く
)
ふ
法螺
(
ほら
)
をふく、
039
歌
(
うた
)
を
唄
(
うた
)
ふといふ
妙
(
めう
)
な
人形
(
にんぎやう
)
です』
040
三
(
さん
)
人
(
にん
)
『アハヽヽヽ』
041
蚊取別
(
かとりわけ
)
『
皆
(
みな
)
さまどうでせう。
042
一々
(
いちいち
)
この
人形
(
にんぎやう
)
に
魂
(
たましひ
)
を
入
(
い
)
れて、
043
ものを
言
(
い
)
はせ、
044
立派
(
りつぱ
)
に
立働
(
たちはたら
)
く
様
(
やう
)
にやつて
見
(
み
)
ませうか。
045
きつと
三五教
(
あななひけう
)
の
教
(
をしへ
)
に
帰順
(
きじゆん
)
する
様
(
やう
)
になるでせう』
046
高光彦
(
たかてるひこ
)
『
我々
(
われわれ
)
は
万寿山
(
まんじゆざん
)
を
立出
(
たちいで
)
てより、
047
まだ
一回
(
いつくわい
)
も
宣伝
(
せんでん
)
を
試
(
こころ
)
みた
事
(
こと
)
はありませぬ。
048
何分
(
なにぶん
)
にも
沙漠
(
さばく
)
や
野原
(
のはら
)
ばかりを
渡
(
わた
)
つて
来
(
き
)
たものですから………』
049
蚊取別
(
かとりわけ
)
『
私
(
わたし
)
が
一寸
(
ちよつと
)
手本
(
てほん
)
を
出
(
だ
)
しますから
手伝
(
てつだ
)
つて
下
(
くだ
)
さい』
050
といひ
乍
(
なが
)
ら、
051
化石
(
くわせき
)
の
様
(
やう
)
になつた
人々
(
ひとびと
)
の
前
(
まへ
)
に
坐
(
すわ
)
り
込
(
こ
)
み、
052
蚊取別
『サアサア
人形
(
にんぎやう
)
さま、
053
お
前
(
まへ
)
は
目
(
め
)
ばかり
動
(
うご
)
かして
居
(
を
)
るが、
054
今
(
いま
)
口
(
くち
)
を
動
(
うご
)
く
様
(
やう
)
にしてやる。
055
私
(
わし
)
の
言
(
い
)
ふ
通
(
とほ
)
りに
云
(
い
)
ふのだよ……ウンよしよし、
056
承知
(
しようち
)
か、
057
頷
(
うなづ
)
いて
居
(
を
)
るナ……
神
(
かみ
)
が
表
(
おもて
)
に
現
(
あら
)
はれて』
058
初
(
はつ
)
、
059
口
(
くち
)
をモジヤモジヤさせ
乍
(
なが
)
ら、
060
初公
(
はつこう
)
『カメカオモテテニアラワワレテ』
061
蚊取別
(
かとりわけ
)
『モツト
確乎
(
しつかり
)
言
(
い
)
はぬか。
062
サアも
一遍
(
いつぺん
)
言
(
い
)
うた』
063
初公
(
はつこう
)
『カ……カ……
敵
(
かな
)
わぬ、
064
カニして
下
(
くだ
)
さい。
065
必
(
かなら
)
ず
必
(
かなら
)
ず
心
(
こころ
)
を
直
(
なほ
)
します』
066
蚊取別
(
かとりわけ
)
『ヨシ、
067
それは
分
(
わか
)
つたが、
068
神
(
かみ
)
が
表
(
おもて
)
に
現
(
あら
)
はれてを
歌
(
うた
)
へ』
069
初
(
はつ
)
は、
070
初公
『
神
(
かみ
)
が
表
(
おもて
)
に
現
(
あら
)
はれて
071
善
(
ぜん
)
と
悪
(
あく
)
とを
立別
(
たてわけ
)
る
072
此
(
この
)
世
(
よ
)
を
造
(
つく
)
りし
神直日
(
かむなほひ
)
073
心
(
こころ
)
も
広
(
ひろ
)
き
大直日
(
おほなほひ
)
074
ただ
何事
(
なにごと
)
も
人
(
ひと
)
の
世
(
よ
)
は
075
直日
(
なほひ
)
に
見直
(
みなほ
)
せ
聞直
(
ききなほ
)
せ
076
身
(
み
)
の
過
(
あやま
)
ちは
宣
(
の
)
り
直
(
なほ
)
せ
077
蚊取
(
かとり
)
の
別
(
わけ
)
の
神
(
かみ
)
さまよ
078
聞
(
き
)
けばお
前
(
まへ
)
も
其
(
その
)
昔
(
むかし
)
079
良
(
よ
)
くもない
事
(
こと
)
沢山
(
やつと
)
して
080
悪神
(
あくがみ
)
さまと
歌
(
うた
)
はれて
081
今
(
いま
)
は
偉
(
えら
)
そに
其処
(
そこ
)
ら
中
(
ぢう
)
082
牛
(
うし
)
から
馬
(
うま
)
に
乗
(
の
)
り
替
(
か
)
へて
083
善
(
ぜん
)
ぢや
悪
(
あく
)
ぢやと
言
(
い
)
ひ
歩
(
ある
)
く
084
ホンに
世界
(
せかい
)
は
広
(
ひろ
)
いもの
085
わしも
昔
(
むかし
)
は
自在天
(
じざいてん
)
086
神
(
かみ
)
に
仕
(
つか
)
へた
悪神
(
あくがみ
)
ぢや
087
其
(
その
)
時
(
とき
)
お
前
(
まへ
)
は
猩々
(
しやうじやう
)
の
088
様
(
やう
)
にガブガブ
酒
(
さけ
)
喰
(
くら
)
ひ
089
人
(
ひと
)
を
泣
(
な
)
かした
奴
(
やつ
)
なれど
090
どうした
風
(
かぜ
)
の
吹
(
ふ
)
き
廻
(
まは
)
し
091
今
(
いま
)
は
立派
(
りつぱ
)
な
宣伝使
(
せんでんし
)
092
心
(
こころ
)
の
色
(
いろ
)
は
変
(
かは
)
れども
093
やつぱり
変
(
かは
)
らぬ
其
(
その
)
姿
(
すがた
)
094
茹蛸
(
ゆでだこ
)
みた
様
(
よ
)
な
姿
(
すがた
)
して
095
人
(
ひと
)
を
教
(
をし
)
へて
歩
(
ある
)
くとは
096
それやマア
何
(
なん
)
とした
事
(
こと
)
か
097
ホンに
世界
(
せかい
)
は
広
(
ひろ
)
いもの』
098
蚊取別
(
かとりわけ
)
『コラコラ
何
(
なに
)
を
言
(
い
)
ふのだ。
099
昔
(
むかし
)
は
昔
(
むかし
)
、
100
改心
(
かいしん
)
すれば
其
(
その
)
日
(
ひ
)
から
善
(
ぜん
)
の
神
(
かみ
)
だ。
101
口
(
くち
)
だけ
自由
(
じいう
)
にして
遣
(
や
)
れば、
102
直
(
すぐ
)
にそれだから………
貴様
(
きさま
)
も
容易
(
ようい
)
に
改心
(
かいしん
)
は
出来相
(
でけさう
)
にもない。
103
マア
改心
(
かいしん
)
の
出来
(
でけ
)
るまで、
104
百
(
ひやく
)
年
(
ねん
)
でも
千
(
せん
)
年
(
ねん
)
でも
固
(
かた
)
くなつて
鯱
(
しやち
)
こばつて
居
(
を
)
るが
宜
(
い
)
いワイ』
105
初公
(
はつこう
)
『お
前
(
まへ
)
も
昔
(
むかし
)
馴染
(
なじみ
)
だ。
106
つひ
心安
(
こころやす
)
いものだから
言
(
い
)
つたのだ。
107
そんな
意地
(
いぢ
)
の
悪
(
わる
)
い
事
(
こと
)
言
(
い
)
はずに、
108
身体
(
からだ
)
を
旧
(
もと
)
の
通
(
とほ
)
りにせむかい
蚊取別
(
かとりわけ
)
』
109
蚊取別
『アハヽ、
110
どこまでも
負惜
(
まけをし
)
みの
強
(
つよ
)
い
奴
(
やつ
)
だナア』
111
初公
(
はつこう
)
『
弱
(
よわ
)
くて
此
(
この
)
世
(
よ
)
が
渡
(
わた
)
れるか。
112
負惜
(
まけをし
)
みなつと
強
(
つよ
)
くなければ、
113
優勝
(
いうしよう
)
劣敗
(
れつぱい
)
弱肉
(
じやくにく
)
強食
(
きやうしよく
)
の
此
(
この
)
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
が
渡
(
わた
)
れるものか。
114
善
(
ぜん
)
ぢや
善
(
ぜん
)
ぢや
世
(
よ
)
の
為
(
ため
)
だ、
115
国
(
くに
)
の
為
(
ため
)
ぢや、
116
人
(
ひと
)
の
為
(
ため
)
には
身命
(
しんめい
)
を
賭
(
と
)
してナンて
吐
(
ぬ
)
かす
奴
(
やつ
)
は、
117
みんな
偽善者
(
ぎぜんしや
)
だ。
118
俺
(
おれ
)
は
斯
(
こ
)
う
見
(
み
)
えても、
119
悪
(
あく
)
にも
強
(
つよ
)
ければ
善
(
ぜん
)
にも
強
(
つよ
)
いのだ。
120
併
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
らどうしたものか、
121
悪
(
あく
)
は
行
(
や
)
りたくない。
122
町
(
まち
)
の
奴
(
やつ
)
が
可愛相
(
かあいさう
)
だから、
123
厭
(
いや
)
でも
応
(
おう
)
でも
悪
(
あく
)
の
仮面
(
かめん
)
を
被
(
かぶ
)
つて
憎
(
にく
)
まれ
者
(
もの
)
になつて、
124
酋長
(
しうちやう
)
や
物持
(
ものもち
)
の
春公
(
はるこう
)
に
掛合
(
かけあ
)
つて
見
(
み
)
たのだ。
125
世間
(
せけん
)
の
奴
(
やつ
)
は
善
(
ぜん
)
に
見
(
み
)
せて
悪
(
あく
)
を
行
(
や
)
る、
126
俺
(
おれ
)
は
悪
(
あく
)
に
見
(
み
)
せて
善
(
ぜん
)
を
行
(
おこな
)
ふのだ。
127
蚊取別
(
かとりわけ
)
、
128
お
前
(
まへ
)
も
取分
(
とりわ
)
けて
抜目
(
ぬけめ
)
のない
男
(
をとこ
)
だつた。
129
常世
(
とこよ
)
会議
(
くわいぎ
)
では
一寸
(
ちよつと
)
失敗
(
しくじ
)
りよつたが、
130
しかし
宣伝使
(
せんでんし
)
の
仮面
(
かめん
)
を
被
(
かぶ
)
つて
相
(
あひ
)
変
(
かは
)
らず
悪
(
わる
)
い
事
(
こと
)
を
行
(
や
)
つとるのだらう。
131
顔
(
かほ
)
も
知
(
し
)
らぬ
宣伝使
(
せんでんし
)
なら、
132
叮寧
(
ていねい
)
に
頼
(
たの
)
みもし、
133
謝罪
(
あやまり
)
もするが、
134
何分
(
なにぶん
)
お
前
(
まへ
)
の
素性
(
すじやう
)
を
百
(
ひやく
)
も
承知
(
しようち
)
、
135
万
(
まん
)
も
合点
(
がつてん
)
して
居
(
を
)
る
俺
(
おれ
)
としては、
136
チヤンチヤラ
可笑
(
おか
)
しいて、
137
真面目
(
まじめ
)
に
改心
(
かいしん
)
するなぞと
言
(
い
)
はれたものかい。
138
そんな
悪戯
(
いたづら
)
をせずに
早
(
はや
)
く
霊縛
(
れいばく
)
を
解
(
と
)
け』
139
蚊取別
(
かとりわけ
)
『
解
(
と
)
いてやるが、
140
解
(
と
)
いたらモウ
喋
(
しやべ
)
らぬか。
141
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
若
(
わか
)
い
宣伝使
(
せんでんし
)
の
前
(
まへ
)
で、
142
昔
(
むかし
)
の
棚卸
(
たなおろ
)
しをやられると
面目玉
(
めんぼくだま
)
を
潰
(
つぶ
)
して
了
(
しま
)
ふ。
143
どうだ、
144
何
(
なに
)
も
言
(
い
)
はぬと
誓
(
ちか
)
ふか』
145
初公
(
はつこう
)
『チガフかチガハヌか、
146
そら
知
(
し
)
らぬが、
147
記憶
(
きおく
)
にある
事
(
こと
)
は、
148
俺
(
おれ
)
が
言
(
い
)
ふまいと
思
(
おも
)
つても、
149
腹
(
はら
)
の
中
(
なか
)
から
言
(
い
)
うて
来
(
く
)
るのだから
仕方
(
しかた
)
がないワ。
150
一寸先
(
いつすんさき
)
の
事
(
こと
)
は
分
(
わか
)
らぬから、
151
堅
(
かた
)
い
約束
(
やくそく
)
は
出来
(
でけ
)
ぬワイ。
152
俺
(
おれ
)
の
身体
(
からだ
)
が
自由
(
じいう
)
になつたら、
153
虫
(
むし
)
の
居所
(
ゐどころ
)
に
依
(
よ
)
つては、
154
お
前
(
まへ
)
の
薬鑵頭
(
やくわんあたま
)
をブン
擲
(
なぐ
)
るかも
知
(
し
)
れぬ、
155
其
(
その
)
時
(
とき
)
は
其
(
その
)
時
(
とき
)
の
事
(
こと
)
だ』
156
蚊取別
(
かとりわけ
)
『イヤア
面白
(
おもしろ
)
い。
157
貴様
(
きさま
)
見
(
み
)
かけに
寄
(
よ
)
らぬ
正直
(
しやうぢき
)
な
奴
(
やつ
)
だ。
158
中々
(
なかなか
)
よく
身魂
(
みたま
)
が
研
(
みが
)
けて
居
(
を
)
るワイ』
159
初公
(
はつこう
)
『ハヽヽヽヽ、
160
さうだらう。
161
大勢
(
おほぜい
)
の
代
(
かは
)
りになつて、
162
名誉
(
めいよ
)
も、
163
生命
(
いのち
)
も、
164
何
(
なに
)
も
投出
(
なげだ
)
して、
165
此
(
この
)
イホの
都
(
みやこ
)
でも
威勢
(
ゐせい
)
の
高
(
たか
)
い
酋長
(
しうちやう
)
や、
166
物持
(
ものもち
)
の
春公
(
はるこう
)
に
掛合
(
かけあ
)
うて
居
(
を
)
る
位
(
くらゐ
)
だから、
167
何
(
いづ
)
れ
明日
(
あす
)
位
(
くらゐ
)
には
酋長
(
しうちやう
)
の
奴
(
やつ
)
、
168
沢山
(
たくさん
)
な
家来
(
けらい
)
を
連
(
つ
)
れて
俺
(
おれ
)
を
召捕
(
めしと
)
りに
来
(
く
)
るのは、
169
印判
(
はんこ
)
で
押
(
お
)
した
様
(
やう
)
なものだよ』
170
蚊取別
(
かとりわけ
)
は、
171
蚊取別
『サア、
172
これから
霊縛
(
れいばく
)
を
解
(
と
)
いてやる』
173
といひ
乍
(
なが
)
ら、
174
蚊取別
『ウン』
175
と
一声
(
ひとこゑ
)
。
176
初公
(
はつこう
)
は
旧
(
もと
)
の
身体
(
からだ
)
に
復
(
ふく
)
し、
177
初公
『ヤア、
178
有難
(
ありがた
)
う。
179
蚊取別
(
かとりわけ
)
大明神
(
だいみやうじん
)
、
180
よつぽどお
前
(
まへ
)
は
御
(
ご
)
神徳
(
しんとく
)
を
貰
(
もら
)
うたなア。
181
私
(
わし
)
もこれ
丈
(
だけ
)
の
神力
(
しんりき
)
があれば、
182
酋長
(
しうちやう
)
の
三
(
さん
)
人
(
にん
)
や
五
(
ご
)
人
(
にん
)
位
(
ぐらゐ
)
ウーンと
霊
(
れい
)
をかけて、
183
対方
(
むかふ
)
をウンと
堅
(
たて
)
に
首
(
くび
)
を
振
(
ふ
)
らしてやるのだけれどナア』
184
蚊取別
(
かとりわけ
)
『そンな
事
(
こと
)
は
何
(
なん
)
でもないワ、
185
俺
(
おれ
)
がするのぢやない。
186
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
のお
力
(
ちから
)
だ。
187
俺
(
おれ
)
の
背後
(
うしろ
)
には
結構
(
けつこう
)
な
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
が
守護
(
しゆご
)
して
御座
(
ござ
)
るのだ』
188
初公
(
はつこう
)
『アヽさうか、
189
偉
(
えら
)
いものだナア。
190
併
(
しか
)
し
俺
(
おれ
)
だけ
自由
(
じいう
)
になつたが、
191
他
(
ほか
)
の
者
(
もの
)
は
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
だ。
192
一
(
ひと
)
つ
皆
(
みな
)
にそのウンを
行
(
や
)
つて
呉
(
く
)
れぬか』
193
蚊取別
(
かとりわけ
)
『お
前
(
まへ
)
が
俺
(
おれ
)
の
行
(
や
)
つた
様
(
やう
)
に
手
(
て
)
を
組
(
く
)
んで、
194
皆
(
みんな
)
の
者
(
もの
)
にウンと
一声
(
ひとこゑ
)
かけて
見
(
み
)
よ。
195
忽
(
たちま
)
ち
旧
(
もと
)
の
通
(
とほ
)
りになるのは
請合
(
うけあひ
)
だ。
196
併
(
しか
)
し
神力
(
しんりき
)
が
現
(
あら
)
はれても、
197
お
前
(
まへ
)
の
力
(
ちから
)
だと
思
(
おも
)
つたら
違
(
ちが
)
ふぞ。
198
九分
(
くぶ
)
九厘
(
くりん
)
まで
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
のお
力
(
ちから
)
だから、
199
さう
心得
(
こころえ
)
ろ』
200
初公
(
はつこう
)
『
行
(
や
)
つても
可
(
よ
)
からうかな。
201
私
(
わし
)
の
様
(
よ
)
な
素人
(
しろうと
)
がウンを
行
(
や
)
つても
利
(
き
)
くだらうか』
202
蚊取別
(
かとりわけ
)
『それが
悪
(
わる
)
いのだ。
203
自分
(
じぶん
)
が
行
(
や
)
ると
思
(
おも
)
ふから
間違
(
まちが
)
ふのだ。
204
お
前
(
まへ
)
は
唯
(
ただ
)
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
機械
(
からくり
)
になる
丈
(
だけ
)
だ。
205
サア
手
(
て
)
を
組
(
く
)
むで
一同
(
いちどう
)
に
向
(
む
)
かつてウンと
行
(
や
)
つて
試
(
み
)
い』
206
初公
(
はつこう
)
は
不安
(
ふあん
)
の
念
(
ねん
)
に
駆
(
か
)
られ
乍
(
なが
)
ら、
207
惟神
(
かむながら
)
霊
(
たま
)
幸倍
(
ちはへ
)
坐世
(
ませ
)
を
二回
(
にくわい
)
心細
(
こころぼそ
)
げに
唱
(
とな
)
へて、
208
大勢
(
おほぜい
)
に
向
(
むか
)
ひ、
209
ウンと
鎮魂術
(
ちんこんじゆつ
)
を
行
(
おこな
)
ふ。
210
不思議
(
ふしぎ
)
にも
一同
(
いちどう
)
は
旧
(
もと
)
の
姿
(
すがた
)
に
立復
(
たちかへ
)
り
四
(
よ
)
人
(
にん
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
の
前
(
まへ
)
に
走
(
はし
)
り
来
(
きた
)
り、
211
跪
(
ひざまづ
)
いて
涙
(
なみだ
)
を
流
(
なが
)
し
合掌
(
がつしやう
)
し
居
(
ゐ
)
たりけり。
212
初公
『ヤア
皆
(
みな
)
さま、
213
安心
(
あんしん
)
なされ、
214
この
初公
(
はつこう
)
が
御
(
ご
)
神力
(
しんりき
)
を
頂
(
いただ
)
いたらこんなものだ。
215
モウモウ
明日
(
あした
)
の
事
(
こと
)
は
心配
(
しんぱい
)
するに
及
(
およ
)
ばぬ。
216
今日
(
けふ
)
の
事
(
こと
)
は
今日
(
けふ
)
一生
(
いつしやう
)
懸命
(
けんめい
)
に
働
(
はたら
)
いて、
217
取越
(
とりこし
)
苦労
(
くらう
)
をせぬ
様
(
やう
)
にするのだ。
218
マアマア
揃
(
そろ
)
うて
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
にお
礼
(
れい
)
を
申上
(
まをしあ
)
げようかい。
219
酋長
(
しうちやう
)
や
春公
(
はるこう
)
は
逃
(
に
)
げて
了
(
しま
)
つたが、
220
何
(
いづ
)
れ
捕手
(
とりて
)
が
来
(
く
)
るだろう。
221
来
(
き
)
たつて
構
(
かま
)
はぬ。
222
この
初公
(
はつこう
)
が
一寸
(
ちよつと
)
手
(
て
)
を
組
(
く
)
んでただ
一声
(
ひとこゑ
)
、
223
ウンとやれば、
224
何
(
なん
)
の
事
(
こと
)
はない。
225
ウンもスンも
言
(
い
)
はずに
往生
(
わうじやう
)
するのだ。
226
ナンと
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
は
偉
(
えら
)
いものだらう』
227
高光彦
(
たかてるひこ
)
『ヤア
何事
(
なにごと
)
も
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
のお
蔭
(
かげ
)
です。
228
どうだ
初
(
はつ
)
さま、
229
是
(
これ
)
から
酋長
(
しうちやう
)
や
春
(
はる
)
さまを
言向和
(
ことむけや
)
はしておいて、
230
白瀬川
(
しらせがは
)
の
悪魔
(
あくま
)
退治
(
たいぢ
)
と
出
(
で
)
かけたらどうだ。
231
お
前
(
まへ
)
のウンの
試
(
ため
)
し
時
(
どき
)
だ』
232
初公
(
はつこう
)
『イヤ
有難
(
ありがた
)
う、
233
私
(
わたし
)
は
神力
(
しんりき
)
はないが
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
神力
(
しんりき
)
で
天晴
(
あつぱ
)
れ
悪神
(
あくがみ
)
を
言向
(
ことむ
)
けて
見
(
み
)
ませう』
234
群集
(
ぐんしふ
)
の
中
(
なか
)
より
現
(
あら
)
はれたる
斧公
(
をのこう
)
は
顔
(
かほ
)
をあげて、
235
斧公
『ヤア
初
(
はつ
)
さまよ、
236
お
前
(
まへ
)
は
本当
(
ほんたう
)
に
偉
(
えら
)
い
奴
(
やつ
)
だ、
237
よう
変
(
かは
)
つたものだナ。
238
昔
(
むかし
)
は
悪
(
わる
)
い
男
(
をとこ
)
だつたが、
239
義侠心
(
ぎけふしん
)
に
富
(
と
)
んだ
人
(
ひと
)
だと
町中
(
まちぢう
)
の
評判
(
ひやうばん
)
だよ。
240
どうぞ
俺
(
おれ
)
にも
其
(
その
)
ウンを
教
(
をし
)
へて
貰
(
もら
)
うて
呉
(
く
)
れぬか。
241
お
前
(
まへ
)
が
宣伝使
(
せんでんし
)
のお
伴
(
とも
)
をして
此
(
この
)
町
(
まち
)
を
立退
(
たちの
)
くとなると、
242
後
(
あと
)
が
寂
(
さび
)
しいからのう』
243
初公
(
はつこう
)
『それもそうだ…………モシモシ、
244
蚊取別
(
かとりわけ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
様
(
さま
)
、
245
此
(
この
)
斧公
(
おのこう
)
にも
許
(
ゆる
)
してやつて
下
(
くだ
)
さいナ』
246
蚊取別
(
かとりわけ
)
『
私
(
わたし
)
が
許
(
ゆる
)
すのぢやない。
247
三五教
(
あななひけう
)
の
教
(
をしへ
)
が
有難
(
ありがた
)
いといふ
事
(
こと
)
が
分
(
わか
)
れば、
248
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
が
直接
(
ちよくせつ
)
に
御
(
ご
)
神徳
(
しんとく
)
を
授
(
さづ
)
けて
下
(
くだ
)
さるのだ。
249
モシモシ
斧
(
をの
)
さまとやら、
250
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
は
おの
ぞみ
次第
(
しだい
)
、
251
おの
おの
身魂
(
みたま
)
相応
(
さうおう
)
の
御用
(
ごよう
)
を
仰付
(
おほせつ
)
けられるのだから、
252
十分
(
じふぶん
)
に
魂
(
たま
)
を
研
(
みが
)
きなさい。
253
初
(
はつ
)
さまが
此
(
この
)
町
(
まち
)
に
居
(
を
)
るとお
前
(
まへ
)
達
(
たち
)
は
気
(
き
)
を
許
(
ゆる
)
してもたれる
気
(
き
)
になるから
可
(
い
)
かない。
254
初
(
はつ
)
さまが
此
(
この
)
町
(
まち
)
を
立去
(
たちさ
)
つたが
最後
(
さいご
)
、
255
皆
(
みんな
)
の
心
(
こころ
)
が
引締
(
ひきしま
)
り、
256
人
(
ひと
)
を
杖
(
つゑ
)
に
突
(
つ
)
くといふ
依頼心
(
いらいしん
)
がなくなつて
了
(
しま
)
ふ。
257
さうすれば
力
(
ちから
)
と
頼
(
たの
)
むのは
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
ばかりだ。
258
そこにならぬと
御
(
ご
)
神力
(
しんりき
)
は
与
(
あた
)
へて
下
(
くだ
)
さらぬ。
259
マア
安心
(
あんしん
)
して
大神
(
おほかみ
)
様
(
さま
)
を
信仰
(
しんかう
)
しなさい。
260
天下
(
てんか
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
は
決
(
けつ
)
して
嘘
(
うそ
)
や
掛値
(
かけね
)
は
言
(
い
)
はぬ。
261
お
前
(
まへ
)
さまは
初公
(
はつこう
)
さまの
代
(
かは
)
りになつて、
262
町
(
まち
)
の
者
(
もの
)
等
(
ら
)
を
守
(
まも
)
つてやつて
下
(
くだ
)
さい』
263
斧公
(
おのこう
)
『
有難
(
ありがた
)
う
御座
(
ござ
)
います。
264
何分
(
なにぶん
)
宜
(
よろ
)
しく……』
265
と
頭
(
かしら
)
を
地
(
ち
)
に
着
(
つ
)
け
涕泣
(
ていきふ
)
し
居
(
ゐ
)
る。
266
いよいよ
四
(
よ
)
人
(
にん
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
は
初公
(
はつこう
)
を
伴
(
ともな
)
ひ、
267
酋長
(
しうちやう
)
の
館
(
やかた
)
を
指
(
さ
)
して
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く。
268
(
大正一一・三・六
旧二・八
松村真澄
録)
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