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霊界物語
霊主体従(第1~12巻)
第12巻(亥の巻)
序文
凡例
総説歌
第1篇 天岩戸開(一)
第1章 正神邪霊
第2章 直会宴
第3章 蚊取別
第4章 初蚊斧
第5章 初貫徹
第6章 招待
第7章 覚醒
第2篇 天岩戸開(二)
第8章 思出の歌
第9章 正夢
第10章 深夜の琴
第11章 十二支
第12章 化身
第13章 秋月滝
第14章 大蛇ケ原
第15章 宣直し
第16章 国武丸
第3篇 天岩戸開(三)
第17章 雲の戸開
第18章 水牛
第19章 呉の海原
第20章 救ひ舟
第21章 立花島
第22章 一島攻撃
第23章 短兵急
第24章 言霊の徳
第25章 琴平丸
第26章 秋月皎々
第27章 航空船
第4篇 古事記略解
第28章 三柱の貴子
第29章 子生の誓
第30章 天の岩戸
余白歌
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霊界物語
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第12巻(亥の巻)
> 第3篇 天岩戸開(三) > 第21章 立花島
<<< 救ひ舟
(B)
(N)
一島攻撃 >>>
第二一章
立花島
(
たちばなじま
)
〔五一七〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第12巻 霊主体従 亥の巻
篇:
第3篇 天岩戸開(三)
よみ(新仮名遣い):
あまのいわとびらき(三)
章:
第21章 立花島
よみ(新仮名遣い):
たちばなじま
通し章番号:
517
口述日:
1922(大正11)年03月10日(旧02月12日)
口述場所:
筆録者:
北村隆光
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1922(大正11)年9月30日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
乗り合わせていた高光彦の宣伝使は、石凝姥宣伝使、時置師宣伝使に丁重に挨拶すると、宣伝歌を歌い始めた。
宣伝歌は橘姫の神徳を称え、四柱の牛、馬、鹿、虎に対して、神の道に誠を尽くすように諭していた。
舟は立花嶋に安着した。無事に上陸した牛、馬、鹿、虎ははしゃいで馬鹿話をしている。時置師は、ここは橘姫の鎮まる聖地なので、慎むようにと一同に注意した。
この島は、世界一切の草木が繁茂し、穀物や果物が自然になる楽園の島であった。邪神の邪気によって地上は涸れて生気を失っていたが、この島の植物だけは繁茂していた。
玉光彦、国光彦は島を賛美する宣伝歌を歌った。行平別は、世界が凶作にあえいでいるのに、この島だけは反映している、橘姫よこの恵みを一人占めせずに人々の悩みを癒せよ、と歌った。
橘姫は姿を表し、右手に稲穂、左手に橙を携え、天の数歌を歌い、稲穂を天空高く放り上げた。稲穂は四方に散乱して、豊葦原の瑞穂の国を実現した。
左手の木の実を高く投げ上げると、豊葦原の瑞穂の国は、食物果物よく実る神代となった。これは、天の岩戸開きのご神業の一部である。
橘姫は、国光彦と夫婦となってこの島に鎮まり、国土鎮護の神となった。天の真奈井における誓約の際に現れた三女神の多岐都比売命は、橘姫の後身である。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2020-11-12 00:58:43
OBC :
rm1221
愛善世界社版:
172頁
八幡書店版:
第2輯 689頁
修補版:
校定版:
182頁
普及版:
75頁
初版:
ページ備考:
001
高光彦
(
たかてるひこ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
は
石凝姥
(
いしこりどめ
)
、
002
時置師
(
ときおかし
)
の
二人
(
ふたり
)
に
向
(
むか
)
ひ
慇懃
(
いんぎん
)
に
挨拶
(
あいさつ
)
を
述
(
の
)
べ、
003
朝日
(
あさひ
)
に
向
(
むか
)
つて
宣伝歌
(
せんでんか
)
を
歌
(
うた
)
ひ
始
(
はじ
)
めたり。
004
高光彦
『
朝日
(
あさひ
)
は
光
(
ひか
)
る
月
(
つき
)
は
盈
(
み
)
つ
005
大海原
(
おほうなばら
)
に
潮
(
しほ
)
は
満
(
み
)
つ
006
潮満球
(
しほみつだま
)
や
潮干
(
しほひる
)
の
007
大御宝
(
おほみたから
)
と
現
(
あら
)
はれて
008
波
(
なみ
)
押
(
お
)
し
分
(
わ
)
けて
昇
(
のぼ
)
る
日
(
ひ
)
の
009
光
(
ひかり
)
は
清
(
きよ
)
く
赤玉
(
あかだま
)
の
010
緒
(
を
)
さへ
光
(
ひか
)
りて
白玉
(
しろたま
)
の
011
厳
(
いづ
)
と
瑞
(
みづ
)
との
其
(
その
)
神姿
(
すがた
)
012
愈
(
いよいよ
)
高
(
たか
)
く
美
(
うる
)
はしく
013
豊栄
(
とよさか
)
昇
(
のぼ
)
る
天
(
あま
)
の
原
(
はら
)
014
コーカス
山
(
ざん
)
も
唯
(
ただ
)
ならず
015
大海原
(
おほうなばら
)
に
漂
(
ただよ
)
へる
016
四方
(
よも
)
の
国々
(
くにぐに
)
島々
(
しまじま
)
は
017
皆
(
みな
)
明
(
あきら
)
けく
成
(
な
)
りにけり
018
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
の
一
(
ひと
)
つ
火
(
び
)
は
019
天津
(
あまつ
)
御空
(
みそら
)
や
国土
(
くにつち
)
に
020
照
(
て
)
り
渡
(
わた
)
るなり
隈
(
くま
)
もなく
021
清
(
きよ
)
き
神代
(
かみよ
)
の
守護神
(
まもりがみ
)
022
三五教
(
あななひけう
)
の
御教
(
みをしへ
)
を
023
千代
(
ちよ
)
に
八千代
(
やちよ
)
に
橘
(
たちばな
)
の
024
島
(
しま
)
に
在
(
ま
)
します
姫神
(
ひめがみ
)
の
025
齢
(
よはひ
)
も
長
(
なが
)
き
竹生島
(
ちくぶしま
)
026
橘島
(
たちばなじま
)
と
名
(
な
)
を
変
(
か
)
へて
027
呉
(
くれ
)
の
海原
(
うなばら
)
照
(
てら
)
しつつ
028
憂瀬
(
うきせ
)
に
落
(
お
)
ちて
苦
(
くる
)
しまむ
029
百
(
もも
)
の
罪人
(
つみびと
)
助
(
たす
)
け
行
(
ゆ
)
く
030
神
(
かみ
)
の
尊
(
たふと
)
き
試錬
(
こころみ
)
に
031
遭
(
あ
)
ひし
牛
(
うし
)
、
馬
(
うま
)
、
鹿
(
しか
)
、
虎
(
とら
)
の
032
ウラルの
神
(
かみ
)
の
目付役
(
めつけやく
)
033
心
(
こころ
)
の
嵐
(
あらし
)
も
浪
(
なみ
)
も
凪
(
な
)
ぎ
034
今
(
いま
)
は
漸
(
やうや
)
く
静
(
しづ
)
の
海
(
うみ
)
035
波風
(
なみかぜ
)
立
(
た
)
たぬ
歓喜
(
よろこび
)
に
036
枉
(
まが
)
の
身魂
(
みたま
)
を
吹
(
ふ
)
き
払
(
はら
)
ふ
037
旭日
(
あさひ
)
は
空
(
そら
)
に
高光彦
(
たかてるひこ
)
の
038
貴
(
うづ
)
の
命
(
みこと
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
039
天津
(
あまつ
)
神
(
かみ
)
より
賜
(
たま
)
ひてし
040
玉光彦
(
たまてるひこ
)
の
神身魂
(
かむみたま
)
041
直日
(
なほひ
)
に
照
(
て
)
りて
顕国
(
うつしくに
)
042
有
(
あ
)
らむ
限
(
かぎ
)
りは
光彦
(
てるひこ
)
の
043
この
三柱
(
みはしら
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
044
国武丸
(
くにたけまる
)
に
乗
(
の
)
り
合
(
あ
)
ひて
045
名乗
(
なの
)
り
合
(
あ
)
ひたる
十柱
(
とはしら
)
の
046
珍
(
うづ
)
の
御子
(
みこ
)
こそ
尊
(
たふと
)
けれ
047
畏
(
かしこ
)
き
神
(
かみ
)
の
御恵
(
みめぐみ
)
を
048
一日
(
ひとひ
)
片時
(
かたとき
)
忘
(
わす
)
れなよ
049
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐみ
)
を
忘
(
わす
)
れたる
050
時
(
とき
)
こそ
曲
(
まが
)
の
襲
(
おそ
)
ふ
時
(
とき
)
051
身
(
み
)
に
過
(
あやま
)
ちの
出
(
いづ
)
る
時
(
とき
)
052
身
(
み
)
に
災
(
わざはひ
)
の
来
(
きた
)
る
時
(
とき
)
053
天
(
あめ
)
と
地
(
つち
)
との
神々
(
かみがみ
)
の
054
深
(
ふか
)
き
恵
(
めぐみ
)
を
忘
(
わす
)
るるな
055
神
(
かみ
)
に
次
(
つ
)
いでは
父母
(
ちちはは
)
の
056
山
(
やま
)
より
高
(
たか
)
く
海
(
うみ
)
よりも
057
深
(
ふか
)
き
恵
(
めぐみ
)
も
片時
(
かたとき
)
も
058
忘
(
わす
)
れてならぬ
四柱
(
よはしら
)
の
059
牛
(
うし
)
、
馬
(
うま
)
、
鹿
(
しか
)
、
虎
(
とら
)
神
(
かみ
)
の
御子
(
みこ
)
060
朝日
(
あさひ
)
は
照
(
て
)
るとも
曇
(
くも
)
るとも
061
月
(
つき
)
は
盈
(
み
)
つとも
虧
(
か
)
くるとも
062
仮令
(
たとへ
)
曲津
(
まがつ
)
は
荒
(
すさ
)
ぶとも
063
大地
(
だいち
)
は
泥
(
どろ
)
に
浸
(
ひた
)
るとも
064
誠
(
まこと
)
の
力
(
ちから
)
は
世
(
よ
)
を
救
(
すく
)
ふ
065
現界
(
うつしよ
)
、
幽界
(
かくりよ
)
、
神界
(
かみのよ
)
を
066
通
(
とほ
)
して
我身
(
わがみ
)
を
常久
(
とことは
)
に
067
救
(
すく
)
ふは
誠
(
まこと
)
の
道
(
みち
)
のみぞ
068
誠
(
まこと
)
を
尽
(
つく
)
せ
何時迄
(
いつまで
)
も
069
身魂
(
みたま
)
を
研
(
みが
)
け
常久
(
とことは
)
に
070
朝
(
あさ
)
な
夕
(
ゆふ
)
なに
省
(
かへり
)
みて
071
心
(
こころ
)
を
配
(
くば
)
れ
珍
(
うづ
)
の
御子
(
みこ
)
072
アヽ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
073
御霊
(
みたま
)
幸
(
さちは
)
ひましませよ
074
御霊
(
みたま
)
幸
(
さちは
)
ひましませよ』
075
と
歌
(
うた
)
ひ
終
(
をは
)
つて
旧
(
もと
)
の
席
(
せき
)
へ
復
(
かへ
)
り
合掌
(
がつしやう
)
する。
076
船
(
ふね
)
は
漸
(
やうや
)
くにして
橘
(
たちばな
)
の
島
(
しま
)
に
安着
(
あんちやく
)
した。
077
六
(
ろく
)
人
(
にん
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
を
初
(
はじ
)
め
船中
(
せんちう
)
の
人々
(
ひとびと
)
は
一人
(
ひとり
)
も
残
(
のこ
)
らず
島
(
しま
)
に
上陸
(
じやうりく
)
した。
078
牛公
(
うしこう
)
『ヤア
有難
(
ありがた
)
い
有難
(
ありがた
)
い、
079
この
橘島丸
(
たちばなじままる
)
に
乗
(
の
)
つて
居
(
を
)
れば、
080
どんな
風
(
かぜ
)
が
吹
(
ふ
)
いた
処
(
ところ
)
で
最早
(
もはや
)
沈没
(
ちんぼつ
)
する
虞
(
おそれ
)
は
無
(
な
)
いわ。
081
仮令
(
たとへ
)
天
(
てん
)
が
地
(
ち
)
となり
地
(
ち
)
が
天
(
てん
)
となり、
082
如何
(
いか
)
なる
暴風
(
ばうふう
)
吹
(
ふ
)
き
来
(
きた
)
るとも、
083
岩
(
いは
)
より
堅
(
かた
)
い
此
(
この
)
船
(
ふね
)
は
牛公
(
うしこう
)
の
腕
(
うで
)
の
様
(
やう
)
なものだ。
084
オイ
馬鹿虎
(
ばかとら
)
、
085
何
(
なん
)
だ
青黒
(
あをぐろ
)
い
面
(
つら
)
をしよつて
鼻
(
はな
)
を
拭
(
ふ
)
かぬか、
086
醜
(
みつともな
)
い』
087
馬公
(
うまこう
)
『チツト
風
(
かぜ
)
を
引
(
ひ
)
いたものだからナア』
088
牛公
(
うしこう
)
『
風
(
かぜ
)
を
引
(
ひ
)
かなくても
貴様
(
きさま
)
の
鼻
(
はな
)
は
年中
(
ねんぢう
)
だ、
089
恰度
(
てうど
)
下水鼻
(
げすゐばな
)
だ』
090
時置師
(
ときおかし
)
『コラコラ、
091
また
噪
(
はしや
)
ぎよるか。
092
此
(
この
)
島
(
しま
)
は
無駄口
(
むだぐち
)
を
言
(
い
)
ふ
処
(
ところ
)
で
無
(
な
)
いぞ。
093
畏
(
おそ
)
れ
多
(
おほ
)
くも
須佐之男
(
すさのをの
)
大神
(
おほかみ
)
様
(
さま
)
の
珍
(
うづ
)
の
三柱
(
みはしら
)
の
御子
(
みこ
)
、
094
剣
(
つるぎ
)
の
威徳
(
ゐとく
)
に
現
(
あら
)
はれ
給
(
たま
)
うた
橘姫
(
たちばなひめ
)
さまのお
鎮
(
しづ
)
まり
遊
(
あそ
)
ばす
神島
(
かみじま
)
だ。
095
チツト
言霊
(
ことたま
)
を
慎
(
つつし
)
むだが
宜
(
よ
)
からう。
096
心得
(
こころえ
)
が
悪
(
わる
)
いと
又
(
また
)
帰
(
かへ
)
りがけに
海
(
うみ
)
が
荒
(
あ
)
れるぞ』
097
牛
(
うし
)
、
098
鹿
(
しか
)
、
099
馬
(
うま
)
、
100
虎
(
とら
)
の
四
(
よ
)
人
(
にん
)
はハイハイと
畏
(
かしこ
)
まり、
101
力
(
ちから
)
無
(
な
)
げに
俯向
(
うつむ
)
いて
居
(
ゐ
)
る。
102
此
(
この
)
島
(
しま
)
は
世界
(
せかい
)
一切
(
いつさい
)
の
所有
(
あらゆる
)
草木
(
さうもく
)
繁茂
(
はんも
)
し、
103
稲
(
いね
)
麦
(
むぎ
)
豆
(
まめ
)
粟
(
あは
)
黍
(
きび
)
の
類
(
たぐひ
)
、
104
果物
(
くだもの
)
、
105
蔓物
(
つるもの
)
総
(
すべ
)
て
自然
(
しぜん
)
に
出来
(
でき
)
て
居
(
ゐ
)
る
蓬莱
(
ほうらい
)
の
島
(
しま
)
である。
106
地上
(
ちじやう
)
の
山川
(
さんせん
)
草木
(
さうもく
)
は
涸
(
か
)
れ
干
(
ほ
)
し、
107
萎
(
しを
)
れて
生気
(
せいき
)
を
失
(
うしな
)
ひたるにも
拘
(
かか
)
はらず、
108
此
(
この
)
島
(
しま
)
のみは
水々
(
みづみづ
)
しき
草木
(
さうもく
)
の
艶
(
つや
)
、
109
殊更
(
ことさら
)
美
(
うる
)
はしく
味
(
あぢ
)
良
(
よ
)
き
果物
(
くだもの
)
枝
(
えだ
)
も
折
(
を
)
れむ
許
(
ばか
)
りに
実
(
みの
)
りつつあるのである。
110
何処
(
どこ
)
とも
無
(
な
)
く
糸竹
(
しちく
)
管絃
(
くわんげん
)
の
響
(
ひびき
)
幽
(
かす
)
かに
聞
(
きこ
)
え、
111
百花
(
ももばな
)
千花
(
ちばな
)
の
馥郁
(
ふくいく
)
たる
香気
(
かうき
)
は
人
(
ひと
)
の
心魂
(
しんこん
)
をして
清鮮
(
せいせん
)
ならしめ、
112
腸
(
はらわた
)
をも
洗
(
あら
)
ひ
去
(
さ
)
らるる
如
(
ごと
)
き
爽快
(
さうくわい
)
の
念
(
ねん
)
に
充
(
みた
)
さる。
113
玉光彦
(
たまてるひこ
)
は
潮水
(
しほみづ
)
に
手
(
て
)
を
洗
(
あら
)
ひ
口
(
くち
)
を
漱
(
すす
)
ぎ
声
(
こゑ
)
爽
(
さわや
)
かに
歌
(
うた
)
ふ。
114
玉光彦
『
天津
(
あまつ
)
御神
(
みかみ
)
や
国津
(
くにつ
)
神
(
かみ
)
115
選
(
えら
)
びに
選
(
えら
)
びし
此
(
この
)
島
(
しま
)
は
116
花
(
はな
)
も
非時
(
ときじく
)
薫
(
かを
)
るなり
117
薫
(
かを
)
りゆかしき
樹々
(
きぎ
)
の
実
(
み
)
は
118
味
(
あぢ
)
も
殊更
(
ことさら
)
美
(
うる
)
はしく
119
色
(
いろ
)
鮮
(
あざや
)
かに
光
(
ひか
)
るなり
120
神
(
かみ
)
の
造
(
つく
)
りしパラダイス
121
永久
(
とは
)
の
教
(
をしへ
)
の
花
(
はな
)
咲
(
さ
)
きて
122
斯
(
か
)
く
美
(
うる
)
はしき
珍
(
うづ
)
の
島
(
しま
)
123
高天
(
たかま
)
の
原
(
はら
)
と
開
(
ひら
)
けしか
124
荒
(
すさ
)
び
果
(
は
)
てたる
荒野原
(
あれのはら
)
125
山川
(
やまかは
)
越
(
こ
)
えて
今
(
いま
)
此処
(
ここ
)
に
126
波
(
なみ
)
を
渡
(
わた
)
りて
来
(
き
)
て
見
(
み
)
れば
127
思
(
おも
)
ひも
寄
(
よ
)
らぬ
清
(
スガ
)
の
島
(
しま
)
128
大御恵
(
おほみめぐみ
)
は
目
(
ま
)
のあたり
129
四辺
(
あたり
)
輝
(
かがや
)
く
島山
(
しまやま
)
の
130
橘姫
(
たちばなひめ
)
の
御
(
おん
)
神姿
(
すがた
)
131
鏡
(
かがみ
)
に
映
(
うつ
)
る
如
(
ごと
)
くなり
132
高天原
(
たかあまはら
)
の
神
(
かみ
)
の
国
(
くに
)
133
高天原
(
たかあまはら
)
のパラダイス
134
千代
(
ちよ
)
に
八千代
(
やちよ
)
に
此
(
この
)
栄
(
さか
)
え
135
変
(
かは
)
らざらまし
橘姫
(
たちばなひめ
)
の
136
神
(
かみ
)
の
命
(
みこと
)
の
御舎
(
みあらか
)
と
137
常磐
(
ときは
)
の
松
(
まつ
)
の
永久
(
とこしへ
)
に
138
色
(
いろ
)
も
褪
(
あ
)
せざれ
葉
(
は
)
も
散
(
ち
)
るな
139
神
(
かみ
)
の
守護
(
まもり
)
の
永久
(
とこしへ
)
に
140
神
(
かみ
)
の
恩恵
(
めぐみ
)
の
常久
(
とことは
)
に』
141
と
歌
(
うた
)
つて
神
(
かみ
)
の
御徳
(
みとく
)
を
讃美
(
さんび
)
したりき。
142
国光彦
(
くにてるひこ
)
は
又
(
また
)
もや
涼
(
すず
)
しき
声
(
こゑ
)
を
張
(
は
)
り
上
(
あ
)
げて、
143
国光彦
『
雲井
(
くもゐ
)
の
空
(
そら
)
の
限
(
かぎ
)
りなく
144
海
(
うみ
)
の
底
(
そこ
)
ひの
極
(
きは
)
みなく
145
満
(
み
)
ち
足
(
た
)
らひたる
神
(
かみ
)
の
徳
(
とく
)
146
神
(
かみ
)
の
水火
(
いき
)
より
生
(
うま
)
れたる
147
此
(
この
)
神島
(
かみしま
)
に
来
(
き
)
て
見
(
み
)
れば
148
百
(
もも
)
の
草木
(
くさき
)
は
生茂
(
おひしげ
)
り
149
青人草
(
あをひとぐさ
)
の
非時
(
ときじく
)
に
150
食
(
く
)
ひて
生
(
い
)
くべき
食物
(
たなつもの
)
151
百
(
もも
)
の
木
(
こ
)
の
実
(
み
)
も
豊
(
ゆた
)
やかに
152
枝
(
えだ
)
も
撓
(
たわ
)
わに
実
(
みの
)
るなり
153
天津
(
あまつ
)
日影
(
ひかげ
)
はいと
清
(
きよ
)
く
154
波
(
なみ
)
また
清
(
きよ
)
き
呉
(
くれ
)
の
海
(
うみ
)
155
神
(
かみ
)
の
御子
(
みこ
)
たる
民草
(
たみぐさ
)
の
156
心
(
こころ
)
の
色
(
いろ
)
の
清
(
きよ
)
ければ
157
此
(
この
)
島
(
しま
)
のみか
四方
(
よも
)
の
国
(
くに
)
158
何処
(
いづく
)
の
果
(
は
)
ても
天地
(
あめつち
)
の
159
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐみ
)
に
潤
(
うるほ
)
ひて
160
楽
(
たのし
)
み
尽
(
つ
)
きぬパラダイス
161
神
(
かみ
)
の
心
(
こころ
)
を
慎
(
つつし
)
みて
162
深
(
ふか
)
く
悟
(
さと
)
りて
三五
(
あななひ
)
の
163
誠
(
まこと
)
の
教
(
をしへ
)
に
服
(
まつろ
)
へば
164
御空
(
みそら
)
は
清
(
きよ
)
く
地
(
つち
)
清
(
きよ
)
く
165
波
(
なみ
)
平
(
たひら
)
けく
山
(
やま
)
や
野
(
の
)
は
166
何時
(
いつ
)
も
青々
(
あをあを
)
松
(
まつ
)
緑
(
みどり
)
167
松
(
まつ
)
の
神世
(
かみよ
)
の
常久
(
とことは
)
に
168
栄
(
さか
)
えしものを
現身
(
うつそみ
)
の
169
ねぢけ
曲
(
まが
)
れる
人心
(
ひとごころ
)
170
日
(
ひ
)
に
夜
(
よ
)
に
天地
(
てんち
)
を
穢
(
けが
)
したる
171
醜言霊
(
しこことたま
)
の
醜
(
しこ
)
の
呼吸
(
いき
)
172
草木
(
くさき
)
を
枯
(
か
)
らし
山河
(
やまかは
)
の
173
水
(
みづ
)
まで
涸
(
か
)
らす
愚
(
おろか
)
さよ
174
嗚呼
(
ああ
)
この
島
(
しま
)
を
鑑
(
かがみ
)
とし
175
心
(
こころ
)
を
清
(
きよ
)
め
身
(
み
)
を
清
(
きよ
)
め
176
四方
(
よも
)
の
国々
(
くにぐに
)
皇神
(
すめかみ
)
の
177
誠
(
まこと
)
の
道
(
みち
)
を
伝
(
つた
)
ふべし
178
世
(
よ
)
は
常久
(
とことは
)
に
橘
(
たちばな
)
の
179
姫
(
ひめ
)
の
命
(
みこと
)
の
知食
(
しろしめ
)
す
180
橘島
(
たちばなじま
)
のいと
清
(
きよ
)
く
181
波
(
なみ
)
も
静
(
しづ
)
まれ
四
(
よ
)
つの
海
(
うみ
)
182
魔神
(
まがみ
)
の
猛
(
たけ
)
ぶ
葦原
(
あしはら
)
の
183
醜
(
しこ
)
の
醜草
(
しこぐさ
)
薙払
(
なぎはら
)
ひ
184
天
(
あま
)
の
岩戸
(
いはと
)
を
押
(
お
)
し
開
(
ひら
)
き
185
天地
(
あめつち
)
四方
(
よも
)
の
国々
(
くにぐに
)
を
186
日
(
ひ
)
の
出国
(
でのくに
)
と
開
(
ひら
)
くべし
187
嗚呼
(
ああ
)
尊
(
たふと
)
しや
有難
(
ありがた
)
や
188
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐ
)
みの
限
(
かぎ
)
りなく
189
君
(
きみ
)
の
恵
(
めぐ
)
みの
極
(
きは
)
みなく
190
親子
(
おやこ
)
夫婦
(
ふうふ
)
は
睦
(
むつ
)
び
合
(
あ
)
ひ
191
人
(
ひと
)
と
人
(
ひと
)
とは
親
(
したし
)
みて
192
歓
(
ゑら
)
ぎて
暮
(
くら
)
す
神
(
かみ
)
の
国
(
くに
)
193
一度
(
いちど
)
に
開
(
ひら
)
く
白梅
(
しらうめ
)
の
194
花
(
はな
)
の
薫
(
かをり
)
を
松竹
(
まつたけ
)
の
195
清
(
きよ
)
き
操
(
みさを
)
も
変
(
かは
)
らざれ
196
清
(
きよ
)
き
神世
(
かみよ
)
も
変
(
かは
)
らざれ
197
堅磐
(
かきは
)
常盤
(
ときは
)
の
松
(
まつ
)
緑
(
みどり
)
198
ミロクの
神
(
かみ
)
が
現
(
あら
)
はれて
199
天津教
(
あまつをしへ
)
を
経緯
(
たてよこ
)
の
200
綾
(
あや
)
と
錦
(
にしき
)
の
機
(
はた
)
織
(
お
)
らす
201
アヽ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
202
御霊
(
みたま
)
の
幸
(
さち
)
を
願
(
ねが
)
ふなり
203
千代
(
ちよ
)
に
八千代
(
やちよ
)
に
常久
(
とことは
)
に
204
千代
(
ちよ
)
に
八千代
(
やちよ
)
に
常久
(
とことは
)
に』
205
行平別
(
ゆきひらわけ
)
は
大口
(
おほぐち
)
を
開
(
あ
)
けて
又
(
また
)
もや
歌
(
うた
)
ひ
始
(
はじ
)
めた。
206
行平別
『
山川
(
やまかは
)
どよみ
国土
(
くぬち
)
揺
(
ゆ
)
り
207
青垣山
(
あをがきやま
)
は
枯
(
か
)
れ
果
(
は
)
てて
208
何処
(
どこ
)
も
彼処
(
かしこ
)
も
火
(
ひ
)
を
点
(
とぼ
)
す
209
野辺
(
のべ
)
の
百草
(
ももくさ
)
露
(
つゆ
)
も
無
(
な
)
く
210
萎
(
しを
)
れ
返
(
かへ
)
りて
枯
(
か
)
るる
世
(
よ
)
に
211
神
(
かみ
)
も
守
(
まも
)
つて
呉
(
くれ
)
の
海
(
うみ
)
212
唐紅
(
からくれなゐ
)
の
如
(
ごと
)
くなる
213
枯野
(
かれの
)
の
原
(
はら
)
の
地
(
つち
)
の
上
(
うへ
)
214
露
(
つゆ
)
を
帯
(
お
)
びたる
緑葉
(
みどりば
)
は
215
一
(
ひと
)
つも
無
(
な
)
しと
思
(
おも
)
ふたに
216
これやマア
何
(
なん
)
とした
事
(
こと
)
か
217
この
島
(
しま
)
だけは
青々
(
あをあを
)
と
218
五穀
(
ごこく
)
は
稔
(
みの
)
り
木
(
き
)
は
栄
(
さか
)
え
219
果物
(
くだもの
)
熟
(
じゆく
)
して
甘
(
うま
)
さうな
220
自然
(
しぜん
)
に
唾
(
つばき
)
が
湍
(
ほとばし
)
る
221
一視
(
いつし
)
同仁
(
どうじん
)
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
222
心
(
こころ
)
に
似合
(
にあ
)
はぬ
何
(
なん
)
として
223
此
(
この
)
島
(
しま
)
だけは
幸
(
さち
)
多
(
おほ
)
き
224
思
(
おも
)
ひまはせば
廻
(
まは
)
す
程
(
ほど
)
225
腹
(
はら
)
が
たち
ばな
島
(
しま
)
の
山
(
やま
)
226
云
(
い
)
ひたい
理窟
(
りくつ
)
は
山々
(
やまやま
)
あれど
227
心
(
こころ
)
穢
(
きたな
)
き
人間
(
にんげん
)
の
228
身
(
み
)
の
分際
(
ぶんざい
)
を
省
(
かへり
)
みて
229
理窟
(
りくつ
)
を
言
(
い
)
ふのは
止
(
や
)
めにしよう
230
人
(
ひと
)
さへ
住
(
す
)
まぬ
此
(
この
)
島
(
しま
)
に
231
米
(
こめ
)
が
実
(
みの
)
つて
何
(
なん
)
になる
232
果物
(
くだもの
)
熟
(
じゆく
)
して
何
(
なん
)
とする
233
余
(
あま
)
りに
神
(
かみ
)
は
気
(
き
)
が
利
(
き
)
かぬ
234
サアこれからは
此
(
この
)
方
(
はう
)
の
235
生言霊
(
いくことたま
)
の
力
(
ちから
)
にて
236
四方
(
よも
)
の
国々
(
くにぐに
)
島々
(
しまじま
)
に
237
緑
(
みどり
)
の
木草
(
きくさ
)
珍
(
うづ
)
の
稲
(
いね
)
238
豊
(
とよ
)
の
果物
(
くだもの
)
一々
(
いちいち
)
に
239
移
(
うつ
)
して
世人
(
よびと
)
を
救
(
すく
)
ふべし
240
橘島
(
たちばなじま
)
の
姫神
(
ひめがみ
)
よ
241
行平別
(
ゆきひらわけ
)
の
言霊
(
ことたま
)
を
242
𪫧怜
(
うまら
)
に
委曲
(
つばら
)
に
聞
(
き
)
こしめせ
243
若
(
も
)
しも
諾
(
き
)
かれなそれでよい
244
行平別
(
ゆきひらわけ
)
にも
腹
(
はら
)
がある
245
聞
(
き
)
いた
印
(
しるし
)
にや
一時
(
いつとき
)
も
246
早
(
はや
)
く
姿
(
すがた
)
を
変
(
か
)
へられよ
247
此
(
この
)
島山
(
しまやま
)
が
枯
(
か
)
れ
果
(
は
)
てて
248
枯
(
か
)
れ
野
(
の
)
の
如
(
ごと
)
くなつたなら
249
豊葦原
(
とよあしはら
)
の
国々
(
くにぐに
)
は
250
皆
(
みな
)
生々
(
いきいき
)
とするであらう
251
橘姫
(
たちばなひめ
)
は
只
(
ただ
)
一人
(
ひとり
)
252
栄
(
さか
)
えの
国
(
くに
)
に
安々
(
やすやす
)
と
253
其
(
その
)
日
(
ひ
)
を
暮
(
くら
)
し
四方国
(
よもくに
)
の
254
青人草
(
あをひとぐさ
)
の
悩
(
なや
)
みをば
255
他所
(
よそ
)
に
見
(
み
)
るのか
逸早
(
いちはや
)
く
256
印
(
しるし
)
を
見
(
み
)
せよ
片時
(
かたとき
)
も
257
疾
(
と
)
く
速
(
すみ
)
やけく
我
(
わが
)
前
(
まへ
)
に』
258
と
大音声
(
だいおんじやう
)
に
呼
(
よばは
)
つた。
259
此
(
この
)
時
(
とき
)
何処
(
いづこ
)
ともなく
忽然
(
こつぜん
)
として
現
(
あら
)
はれたる
高尚
(
かうしやう
)
優美
(
いうび
)
の
橘姫
(
たちばなひめ
)
は、
260
右
(
みぎ
)
の
手
(
て
)
に
稲穂
(
いなほ
)
を
持
(
も
)
ち、
261
左
(
ひだり
)
の
手
(
て
)
に
橙
(
だいだい
)
の
木実
(
このみ
)
を
携
(
たづさ
)
へて
来
(
きた
)
り、
262
天
(
あま
)
の
数歌
(
かずうた
)
淑
(
しとや
)
かに
歌
(
うた
)
ひ
終
(
をは
)
つて
右
(
みぎ
)
の
手
(
て
)
の
稲
(
いね
)
を
天空
(
てんくう
)
高
(
たか
)
く
放
(
ほ
)
り
上
(
あ
)
げ
給
(
たま
)
うた。
263
稲穂
(
いなほ
)
は
風
(
かぜ
)
のまにまに
四方
(
よも
)
に
散乱
(
さんらん
)
し
豊葦原
(
とよあしはら
)
の
瑞穂
(
みづほ
)
の
国
(
くに
)
を
実現
(
じつげん
)
する
事
(
こと
)
とはなりぬ。
264
左
(
ひだり
)
の
手
(
て
)
に
持
(
も
)
たせ
給
(
たま
)
ふ
木実
(
このみ
)
を
又
(
また
)
もや
中天
(
ちうてん
)
に
投
(
な
)
げ
上
(
あ
)
げ
給
(
たま
)
へば、
265
億兆
(
おくてう
)
無数
(
むすう
)
の
果物
(
くだもの
)
となつて
四方
(
よも
)
に
散乱
(
さんらん
)
しければ、
266
豊葦原
(
とよあしはら
)
の
瑞穂国
(
みづほくに
)
の
食物
(
をしもの
)
果物
(
くだもの
)
はこれより
良
(
よ
)
く
実
(
みの
)
り、
267
万民
(
ばんみん
)
安堵
(
あんど
)
する
神世
(
かみよ
)
の
端緒
(
たんしよ
)
を
開
(
ひら
)
かれにける。
268
これ
天
(
あま
)
の
岩戸
(
いはと
)
開
(
びら
)
きの
一部
(
いちぶ
)
の
御
(
ご
)
神業
(
しんげふ
)
なり。
269
『
因
(
ちなみ
)
に
曰
(
い
)
ふ』
橘姫
(
たちばなひめ
)
は
三光
(
さんくわう
)
の
一人
(
ひとり
)
なる
国光彦
(
くにてるひこ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
と
共
(
とも
)
に
夫婦
(
ふうふ
)
となり、
270
この
嶋
(
しま
)
に
永遠
(
ゑいゑん
)
に
鎮
(
しづ
)
まりて
国土
(
こくど
)
鎮護
(
ちんご
)
の
神
(
かみ
)
となつた。
271
天
(
あめ
)
の
真奈井
(
まなゐ
)
に
於
(
お
)
ける
日神
(
ひのかみ
)
との
誓約
(
うけひ
)
の
段
(
だん
)
に
現
(
あら
)
はれたる
三女神
(
さんによしん
)
の
中
(
なか
)
の
多岐都
(
たきつ
)
比売
(
ひめの
)
命
(
みこと
)
は
橘姫
(
たちばなひめの
)
命
(
みこと
)
の
後身
(
こうしん
)
なりと
知
(
し
)
るべし。
272
(
大正一一・三・一〇
旧二・一二
北村隆光
録)
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