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霊界物語
霊主体従(第1~12巻)
第12巻(亥の巻)
序文
凡例
総説歌
第1篇 天岩戸開(一)
第1章 正神邪霊
第2章 直会宴
第3章 蚊取別
第4章 初蚊斧
第5章 初貫徹
第6章 招待
第7章 覚醒
第2篇 天岩戸開(二)
第8章 思出の歌
第9章 正夢
第10章 深夜の琴
第11章 十二支
第12章 化身
第13章 秋月滝
第14章 大蛇ケ原
第15章 宣直し
第16章 国武丸
第3篇 天岩戸開(三)
第17章 雲の戸開
第18章 水牛
第19章 呉の海原
第20章 救ひ舟
第21章 立花島
第22章 一島攻撃
第23章 短兵急
第24章 言霊の徳
第25章 琴平丸
第26章 秋月皎々
第27章 航空船
第4篇 古事記略解
第28章 三柱の貴子
第29章 子生の誓
第30章 天の岩戸
余白歌
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霊界物語
>
霊主体従(第1~12巻)
>
第12巻(亥の巻)
> 第4篇 古事記略解 > 第29章 子生の誓
<<< 三柱の貴子
(B)
(N)
天の岩戸 >>>
第二九章
子生
(
こうみ
)
の
誓
(
ちかひ
)
〔五二五〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第12巻 霊主体従 亥の巻
篇:
第4篇 古事記略解
よみ(新仮名遣い):
こじきりゃっかい
章:
第29章 子生の誓
よみ(新仮名遣い):
こうみのちかい
通し章番号:
525
口述日:
口述場所:
筆録者:
谷村真友[#講演筆録]
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1922(大正11)年9月30日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
須佐之男命は根の堅洲国に行く前に、姉神である天照大御神にいとまごいを告げに高天原にやってきた。これは大事件であるというので、国内が大騒ぎになった。
天照大御神はこの騒ぎを聞いて、弟神に何か悪い心があって高天原にやってくるのではないか、と疑いの心を持った。そこで、戦闘の準備をして荒々しく弟神を迎えた。ちょうど、今日の新聞が、大本を疑ってかかるような状態である。
そこで須佐之男命は姉神に弁解をされたが、姉神は証拠を見せろと仰せになる。そこで、御子生みの誓約をすることになった。
須佐之男命の剣から生まれたのは、多紀理姫命、市寸嶋比売命、多気津姫命の三女神であった。それぞれ尚武勇健、稜威直進、正義純直という言霊学上の解釈になる。これが瑞霊の霊性である。
須佐之男命の武器からは従順な女神がお生まれになった。
一方、天照大御神の鏡からは、猛々しい五柱の男神がお生まれになった。これによって、天照大御神は変性男子、須佐之男命は変性女子である御魂が立て別けられたのである。
須佐之男命には悪い心がなかったことが明らかになった。つまり誓約には勝ったのだが、須佐之男命に従う者らはこの結果に増長し、さまざまな乱暴を行い始めた。
天照大御神は、弟神がこのような乱暴を行うはずがないとして静観していた。しかし機織り(世界経綸)をしているときに、馬の皮を上から落とされて邪魔をされた。またそれで機織り女が死んでしまうという事件が起きた。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
御統真琉(美須麻琉)、熊野久須毘命(熊野樟日命)
データ凡例:
データ最終更新日:
2021-09-22 04:00:20
OBC :
rm1229
愛善世界社版:
259頁
八幡書店版:
第2輯 722頁
修補版:
校定版:
275頁
普及版:
114頁
初版:
ページ備考:
初出
[?]
この文献の初出または底本となったと思われる文献です。
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:
神霊界
>
大正9年11月11日号(第131号)
>
天の岩戸開〔古事記の真解〕
001
そこで
須佐之男
(
すさのをの
)
命
(
みこと
)
がお
父
(
とう
)
さんの
伊邪那岐
(
いざなぎの
)
命
(
みこと
)
に
申上
(
まをしあ
)
げられましたのには、
002
然
(
しか
)
らば
私
(
わたくし
)
は
根
(
ね
)
の
堅洲国
(
かたすくに
)
に
参
(
まゐ
)
ります。
003
併
(
しか
)
しそれにつきましては、
004
高天原
(
たかあまはら
)
に
坐
(
ま
)
す
姉君
(
あねぎみ
)
の
天照
(
あまてらす
)
大御神
(
おほみかみ
)
に
一度
(
いちど
)
お
暇
(
いとま
)
乞
(
ご
)
ひを
致
(
いた
)
して
参
(
まゐ
)
り
度
(
たい
)
と
存
(
ぞん
)
じます。
005
高天原
(
たかあまはら
)
に
上
(
のぼ
)
りますと
申
(
まを
)
されて、
006
『
乃
(
すなは
)
ち
天
(
あめ
)
に
参上
(
まゐのぼ
)
りますときに、
007
山川
(
やまかは
)
悉
(
ことごと
)
く
動
(
どよ
)
み、
008
国土
(
くにつち
)
皆
(
みな
)
震
(
ゆ
)
りき』
009
天
(
てん
)
にお
上
(
あが
)
りになるといふ
此
(
この
)
天
(
あめ
)
は
大本
(
おほもと
)
で
言
(
い
)
へば
高天原
(
たかあまはら
)
で、
010
今日
(
こんにち
)
に
譬
(
たと
)
へて
見
(
み
)
たならば
国
(
くに
)
の
政治
(
せいぢ
)
の
中心
(
ちうしん
)
で
現代
(
げんだい
)
日本
(
にほん
)
の
高天原
(
たかあまはら
)
は
東京
(
とうきやう
)
であります。
011
神界
(
しんかい
)
にも
政治
(
せいぢ
)
の
中心
(
ちうしん
)
が
高天原
(
たかあまはら
)
にあつたのは
当然
(
たうぜん
)
で
御座
(
ござ
)
います。
012
そこでいよいよ
高天原
(
たかあまはら
)
に
上
(
のぼ
)
り
給
(
たま
)
はむとするとき
山
(
やま
)
も
川
(
かは
)
も
悉
(
ことごと
)
く
動
(
うご
)
いた。
013
国土
(
くにつち
)
皆
(
みな
)
震
(
ふる
)
ひ
出
(
だ
)
しました。
014
即
(
すなは
)
ち
物質界
(
ぶつしつかい
)
の
上
(
うへ
)
にも
精神界
(
せいしんかい
)
の
上
(
うへ
)
にも、
015
大地震
(
だいぢしん
)
があつたのであります。
016
併
(
しか
)
しこれは
形容
(
けいよう
)
であつて、
017
社会
(
しやくわい
)
万民
(
ばんみん
)
総
(
すべ
)
てのものが
今更
(
いまさら
)
のやうに
驚
(
おどろ
)
き、
018
国土
(
こくど
)
の
神々
(
かみがみ
)
が
一度
(
いちど
)
に
震駭
(
しんがい
)
した。
019
今日
(
こんにち
)
の
言葉
(
ことば
)
で
言
(
い
)
へば
内乱
(
ないらん
)
が
起
(
おこ
)
つたといふやうな
意味
(
いみ
)
で
非常
(
ひじやう
)
な
騒
(
さわ
)
ぎであります。
020
須佐之男
(
すさのをの
)
命
(
みこと
)
がこれから
根
(
ね
)
の
堅洲国
(
かたすくに
)
においでになるに
就
(
つい
)
ては、
021
今度
(
こんど
)
お
暇
(
いとま
)
乞
(
ご
)
ひの
為
(
ため
)
に
高天原
(
たかあまはら
)
にお
上
(
あが
)
りになるといふので、
022
国中
(
くにぢう
)
非常
(
ひじやう
)
な
大騒
(
おほさわ
)
ぎで、
023
終
(
つひ
)
に
騒乱
(
さうらん
)
が
起
(
おこ
)
つたのであります。
024
一方
(
いつぱう
)
天照
(
あまてらす
)
大御神
(
おほみかみ
)
様
(
さま
)
は、
025
今度
(
こんど
)
須佐之男
(
すさのをの
)
命
(
みこと
)
が
天
(
てん
)
に
上
(
のぼ
)
るに
就
(
つい
)
て、
026
国中
(
くにぢう
)
大騒
(
おほさわ
)
ぎであるといふことを
聞
(
きこ
)
し
召
(
め
)
されて、
027
大
(
おほ
)
いにお
驚
(
おどろ
)
きになつて、
028
『あが
汝兄
(
なせ
)
の
命
(
みこと
)
の
上
(
のぼ
)
り
来
(
き
)
ます
由
(
ゆゑ
)
は、
029
必
(
かなら
)
ず
美
(
うつく
)
しき
心
(
こころ
)
ならじ、
030
我
(
あ
)
が
国
(
くに
)
を
奪
(
うば
)
はむと
欲
(
おもほ
)
すにこそ』
031
と
詔
(
の
)
り
給
(
たま
)
うて
弟
(
おとうと
)
の
須佐之男
(
すさのをの
)
命
(
みこと
)
が
海原
(
うなばら
)
を
治
(
しら
)
さずして、
032
高天原
(
たかあまはら
)
に
上
(
のぼ
)
つて
来
(
く
)
るといふことであるが、
033
これは
必
(
かなら
)
ず
美
(
うつく
)
しい
心
(
こころ
)
ではなからう。
034
我
(
わが
)
此
(
この
)
主宰
(
しゆさい
)
する
所
(
ところ
)
の
高天原
(
たかあまはら
)
を
占領
(
せんりやう
)
に
来
(
く
)
るのであらうと
仰
(
あふ
)
せになつて、
035
『
御髪
(
みかみ
)
を
解
(
と
)
き
御美髪
(
みみづら
)
に
纏
(
ま
)
かして』
036
男
(
をとこ
)
の
髪
(
かみ
)
のやうに
結
(
むす
)
ひ
直
(
なほ
)
して
大丈夫
(
ますらを
)
の
装束
(
しやうぞく
)
をして
数多
(
あまた
)
の
部下
(
ぶか
)
を
整列
(
せいれつ
)
せしめ、
037
戦
(
たたか
)
ひの
用意
(
ようい
)
をなさつたのであります。
038
元来
(
ぐわんらい
)
変性
(
へんじやう
)
男子
(
なんし
)
の
霊性
(
れいせい
)
はお
疑
(
うたがひ
)
が
深
(
ふか
)
いもので、
039
わしの
国
(
くに
)
を
奪
(
と
)
りに
来
(
く
)
る、
040
或
(
あるひ
)
は
自分
(
じぶん
)
の
自由
(
じいう
)
にする
心算
(
つもり
)
であらう、
041
斯
(
こ
)
う
御
(
ご
)
心配
(
しんぱい
)
になつたのであります。
042
丁度
(
ちやうど
)
これに
似
(
に
)
たことが、
043
明治
(
めいぢ
)
二十五
(
にじふご
)
年
(
ねん
)
以来
(
いらい
)
のお
筆先
(
ふでさき
)
に
非常
(
ひじやう
)
に
沢山
(
たくさん
)
書
(
か
)
いてあります。
044
変性
(
へんじやう
)
女子
(
によし
)
が
高天原
(
たかあまはら
)
へ
来
(
き
)
て
潰
(
つぶ
)
して
了
(
しま
)
うと
云
(
い
)
つて、
045
変性
(
へんじやう
)
女子
(
によし
)
の
行動
(
かうどう
)
に
対
(
たい
)
して
非常
(
ひじやう
)
に
圧迫
(
あつぱく
)
を
加
(
くは
)
へられる。
046
また
女子
(
によし
)
が
大本
(
おほもと
)
全体
(
ぜんたい
)
を
破壊
(
つぶ
)
して
了
(
しま
)
うといふやうなことが、
047
お
筆先
(
ふでさき
)
に
現
(
あらは
)
れて
居
(
を
)
ります。
048
それで
教主
(
けうしゆ
)
初
(
はじ
)
め
役員
(
やくゐん
)
一同
(
いちどう
)
、
049
教祖
(
けうそ
)
の
教
(
をしへ
)
の
通
(
とほ
)
りに
此
(
この
)
皇国
(
くわうこく
)
の
為
(
た
)
め、
050
霊主
(
れいしゆ
)
体従
(
たいじゆう
)
の
神教
(
しんけう
)
を
説
(
と
)
いて
日夜
(
にちや
)
務
(
つと
)
めて
居
(
ゐ
)
るので
御座
(
ござ
)
いますが、
051
併
(
しか
)
し
大本
(
おほもと
)
教祖
(
けうそ
)
も
変性
(
へんじやう
)
男子
(
なんし
)
の
霊魂
(
みたま
)
であつて
矢張
(
やつぱり
)
疑
(
うたがひ
)
が
深
(
ふか
)
いといふ
点
(
てん
)
もあります。
052
天照
(
あまてらす
)
大御神
(
おほみかみ
)
様
(
さま
)
は、
053
疑
(
うたが
)
ひ
深
(
ぶか
)
くも
弟
(
おとうと
)
の
美
(
うつく
)
しい
心
(
こころ
)
を、
054
これは
悪
(
わる
)
い
心
(
こころ
)
を
以
(
もつ
)
て
来
(
き
)
たのではあるまいかとお
疑
(
うたがひ
)
になつたのであります。
055
教祖
(
けうそ
)
もさう
云
(
い
)
ふ
工合
(
ぐあひ
)
に
変性
(
へんじやう
)
男子
(
なんし
)
の
神界
(
しんかい
)
の
型
(
かた
)
が
出来
(
でき
)
て
居
(
ゐ
)
るのであります。
056
さうして、
057
『
左右
(
さいう
)
の
御美髪
(
みみづら
)
にも
御
(
お
)
鬘
(
かづら
)
にも、
058
左右
(
ひだりみぎ
)
の
御手
(
みて
)
にも、
059
各
(
おのおの
)
八坂
(
やさか
)
の
勾玉
(
まがたま
)
の
五百津
(
いほつ
)
の
御統真琉
(
みすまる
)
の
珠
(
たま
)
を
纏
(
ま
)
き
持
(
も
)
たして、
060
背
(
せ
)
には
千入
(
ちのり
)
の
靱
(
ゆぎ
)
を
負
(
お
)
ひ』
061
矢筒
(
やつつ
)
や
弓
(
ゆみ
)
をお
持
(
も
)
ちになりて、
062
『
伊都
(
いづ
)
の
竹鞆
(
たけとも
)
を
取
(
と
)
り
佩
(
おは
)
して
弓腹
(
ゆはら
)
を
振
(
ふ
)
り
立
(
た
)
てて』
063
弓
(
ゆみ
)
を
一生
(
いつしやう
)
懸命
(
けんめい
)
に、
064
ギユツト
満月
(
まんげつ
)
の
如
(
ごと
)
く
引
(
ひ
)
き
絞
(
しぼ
)
つて、
065
『
堅庭
(
かたには
)
は
向股
(
むかもも
)
に
踏
(
ふ
)
みなづみ、
066
沫雪
(
あはゆき
)
なす
蹶
(
くえ
)
散
(
ばらら
)
かして、
067
伊都
(
いづ
)
の
男健
(
をたけ
)
び
踏
(
ふ
)
み
健
(
たけ
)
びて
待
(
ま
)
ち
問
(
と
)
ひ
給
(
たま
)
はく』
068
男健
(
をたけ
)
びといふのは、
069
角力
(
すもう
)
取
(
と
)
りが
土俵
(
どへう
)
に
上
(
あが
)
つてドンドンと
四股
(
しこ
)
を
踏
(
ふ
)
んで、
070
全身
(
ぜんしん
)
の
勇気
(
ゆうき
)
を
出
(
だ
)
す
有様
(
ありさま
)
であつて、
071
弟
(
おとうと
)
が
軍勢
(
ぐんぜい
)
を
引
(
ひ
)
き
連
(
つ
)
れて
来
(
き
)
たならば
一撃
(
いちげき
)
の
下
(
もと
)
に
討
(
う
)
ち
亡
(
ほろ
)
ぼして
了
(
しま
)
うて
遣
(
や
)
らうと、
072
高天原
(
たかあまはら
)
の
軍勢
(
ぐんぜい
)
を
御
(
お
)
呼
(
よ
)
び
集
(
あつ
)
めになつたのであります。
073
如何
(
いか
)
にも
女神
(
めがみ
)
の
勇
(
いさ
)
ましさと、
074
偉
(
えら
)
い
勢
(
いきほひ
)
を
形容
(
けいよう
)
してあります。
075
弟
(
おとうと
)
の
須佐之男
(
すさのをの
)
命
(
みこと
)
が
上
(
のぼ
)
つて
来
(
く
)
るのは、
076
高天原
(
たかあまはら
)
を
攻
(
せ
)
め
落
(
おと
)
さうと
思
(
おも
)
つて
来
(
く
)
るのではないかと、
077
非常
(
ひじやう
)
に
御
(
ご
)
心配
(
しんぱい
)
になつてそれに
対
(
たい
)
する
用意
(
ようい
)
をしてお
待
(
ま
)
ちになつたのであります。
078
今日
(
こんにち
)
世人
(
せじん
)
や
新聞
(
しんぶん
)
雑誌
(
ざつし
)
記者
(
きしや
)
や
既成
(
きせい
)
宗教家
(
しうけうか
)
や
学者
(
がくしや
)
などが、
079
大本
(
おほもと
)
が
何
(
なに
)
か
妙
(
めう
)
なことを
考
(
かんが
)
へて
居
(
を
)
るのではあるまいかと、
080
変
(
へん
)
な
所
(
ところ
)
へ
気
(
き
)
を
廻
(
まは
)
して
居
(
ゐ
)
るのと
同
(
おな
)
じことであります。
081
そこで、
082
『
何故
(
なにゆゑ
)
上来
(
のぼりき
)
ませると
問
(
と
)
ひ
給
(
たま
)
ひき』
083
汝
(
な
)
は
海原
(
うなはら
)
を
治
(
をさ
)
めて
居
(
を
)
ればよいのである。
084
然
(
しか
)
るに
今頃
(
いまごろ
)
何
(
なに
)
が
為
(
た
)
めに
高天原
(
たかあまはら
)
へ
出
(
で
)
て
来
(
き
)
たかとお
問
(
と
)
ひになつた。
085
すると
須佐之男
(
すさのをの
)
命
(
みこと
)
が
答
(
こた
)
へられた。
086
私
(
わたくし
)
が
今
(
いま
)
来
(
き
)
て
見
(
み
)
れば、
087
大変
(
たいへん
)
な
防備
(
ばうび
)
がしてある。
088
大変
(
たいへん
)
な
軍備
(
ぐんび
)
がして
有
(
あ
)
りますが、
089
これは
私
(
わたくし
)
に
対
(
たい
)
する
備
(
そな
)
へでせうが、
090
私
(
わたくし
)
は
決
(
けつ
)
して
然
(
さ
)
う
云
(
い
)
ふ
穢
(
きたな
)
い
考
(
かんが
)
へは
持
(
も
)
つて
居
(
を
)
りませぬ。
091
ただ
父君
(
ちちぎみ
)
伊邪那岐
(
いざなぎの
)
命
(
みこと
)
が
何故
(
なにゆゑ
)
その
方
(
はう
)
は
泣
(
な
)
くかとお
尋
(
たづ
)
ねになりましたから、
092
実状
(
じつじやう
)
を
申上
(
まをしあ
)
げるのはどうも
辛
(
つら
)
う
御座
(
ござ
)
いますし、
093
親様
(
おやさま
)
に
心配
(
しんぱい
)
をかけるのは
畏
(
おそ
)
れ
多
(
おほ
)
いと
思
(
おも
)
つて、
094
私
(
わたくし
)
は
母
(
はは
)
の
国
(
くに
)
に
参
(
まゐ
)
らうと
思
(
おも
)
ひますと
申
(
まを
)
し
上
(
あ
)
げました
所
(
ところ
)
が、
095
父
(
ちち
)
の
大御神
(
おほみかみ
)
は
以
(
もつ
)
ての
外
(
ほか
)
のお
怒
(
いか
)
りで、
096
此
(
この
)
国
(
くに
)
を
治
(
をさ
)
めるだけの
力
(
ちから
)
無
(
な
)
きものなら、
097
勝手
(
かつて
)
に
行
(
ゆ
)
けと
仰有
(
おつしや
)
つて、
098
手足
(
てあし
)
の
爪
(
つめ
)
を
抜
(
ぬ
)
き、
099
鬚
(
ひげ
)
をぬき、
100
髪
(
かみ
)
の
毛
(
け
)
を
一本
(
いつぽん
)
もないやうに、
101
こんな
風
(
ふう
)
にせられました。
102
で
私
(
わたくし
)
はこれから
母
(
はは
)
の
国
(
くに
)
に
参
(
まゐ
)
りますといふことを
姉上
(
あねうへ
)
に
申上
(
まをしあ
)
げに
参
(
まゐ
)
つたのであります。
103
然
(
さ
)
うしますると
天照
(
あまてらす
)
大御神
(
おほみかみ
)
様
(
さま
)
は、
104
果
(
はた
)
して
然
(
しか
)
らば、
105
汝
(
なんぢ
)
は
何
(
なに
)
によつてその
心
(
こころ
)
の
綺麗
(
きれい
)
なことを
証明
(
しようめい
)
するか、
106
証拠
(
しようこ
)
を
見
(
み
)
せて
貰
(
もら
)
ひ
度
(
た
)
いと
仰
(
おほ
)
せられた。
107
そこで
須佐之男
(
すさのをの
)
命
(
みこと
)
は、
108
『
各
(
おのおの
)
誓
(
ちか
)
ひて
御子
(
みこ
)
生
(
う
)
まな』
109
誓
(
ちか
)
ひといふことは、
110
誓約
(
せいやく
)
のことであります。
111
若
(
も
)
しも
私
(
わたくし
)
が
悪
(
わる
)
かつたならば
斯々
(
かくかく
)
、
112
善
(
よ
)
かつたならば
斯々
(
かくかく
)
といふ
誓
(
ちか
)
ひであります。
113
『
故爾
(
かれここ
)
に
各
(
おのおの
)
天
(
あめ
)
の
安河
(
やすかは
)
を
中
(
なか
)
に
置
(
お
)
きて
誓
(
うけ
)
ふときに』
114
天
(
あめ
)
の
安河
(
やすかは
)
といふのは、
115
非常
(
ひじやう
)
に
清浄
(
せいじやう
)
な
所
(
ところ
)
を
意味
(
いみ
)
するのであります。
116
総
(
すべ
)
て
河
(
かは
)
の
流
(
なが
)
れのやうに、
117
少
(
すこ
)
しも
滞
(
とどこほ
)
らない
留
(
とど
)
まらない
所
(
ところ
)
は
綺麗
(
きれい
)
であります。
118
物
(
もの
)
を
溜
(
ため
)
るといふことは
腐敗
(
ふはい
)
を
意味
(
いみ
)
します。
119
この
綺麗
(
きれい
)
な
清
(
きよ
)
らかな、
120
公平
(
こうへい
)
無私
(
むし
)
な
所
(
ところ
)
を、
121
天
(
あめ
)
の
安河
(
やすかは
)
といふのであります。
122
それを
真中
(
まんなか
)
にして、
123
本当
(
ほんたう
)
の
公平
(
こうへい
)
無私
(
むし
)
なる
鏡
(
かがみ
)
を
茲
(
ここ
)
に
立
(
た
)
てて、
124
さうして
両方
(
りやうはう
)
から
誓約
(
せいやく
)
をせられました。
125
どう
云
(
い
)
ふ
誓約
(
せいやく
)
であるかといふに、
126
須佐之男
(
すさのをの
)
命
(
みこと
)
は
十拳
(
とつか
)
の
剣
(
つるぎ
)
を
持
(
も
)
つて
居
(
を
)
られた。
127
剣
(
つるぎ
)
といふものは
男
(
をとこ
)
の
魂
(
たましひ
)
であります。
128
昔
(
むかし
)
から
我
(
わが
)
国
(
くに
)
では
刀
(
かたな
)
を
武士
(
ぶし
)
の
魂
(
たましひ
)
又
(
また
)
は
大和
(
やまと
)
魂
(
だましひ
)
と
申
(
まを
)
して
居
(
を
)
ります。
129
女
(
をんな
)
の
魂
(
たましひ
)
は
鏡
(
かがみ
)
であります。
130
乃
(
すなは
)
ちお
前
(
まへ
)
の
魂
(
たましひ
)
である
所
(
ところ
)
の
剣
(
つるぎ
)
を
渡
(
わた
)
せと
天照
(
あまてらす
)
大御神
(
おほみかみ
)
が
仰
(
あふ
)
せられたから、
131
それをお
渡
(
わた
)
しになると、
132
天照
(
あまてらす
)
大御神
(
おほみかみ
)
は
三
(
み
)
つに
折
(
を
)
つて、
133
『
天
(
あめ
)
の
真名井
(
まなゐ
)
に
振
(
ふ
)
り
滌
(
すす
)
ぎてさ
嚼
(
が
)
みに
嚼
(
か
)
みて
吹
(
ふ
)
き
棄
(
う
)
つる
気吹
(
いぶき
)
の
狭霧
(
さぎり
)
に
成
(
な
)
りませる
神
(
かみ
)
の
御名
(
みな
)
は』
134
第一番
(
だいいちばん
)
にお
生
(
うま
)
れになつた
神
(
かみ
)
は
多紀理
(
たぎり
)
姫
(
ひめの
)
命
(
みこと
)
、
135
次
(
つぎ
)
に
市寸嶋
(
いちきしま
)
比売
(
ひめの
)
命
(
みこと
)
、
136
次
(
つぎ
)
に
多気津
(
たきつ
)
姫
(
ひめの
)
命
(
みこと
)
の
三女神
(
さんによしん
)
で
現
(
げん
)
に
竹生嶋
(
ちくぶしま
)
に
祀
(
まつ
)
つてあります。
137
安芸
(
あき
)
の
宮嶋
(
みやじま
)
に
祀
(
まつ
)
つてありますのは
市杵島
(
いちきしま
)
姫
(
ひめの
)
命
(
みこと
)
であります。
138
次
(
つぎ
)
に
多紀理
(
たぎり
)
姫
(
ひめの
)
命
(
みこと
)
、
139
多岐津
(
たきつ
)
比売
(
ひめの
)
命
(
みこと
)
、
140
この
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
女神
(
めがみ
)
がお
生
(
うま
)
れになつた。
141
今度
(
こんど
)
は
須佐之男
(
すさのをの
)
命
(
みこと
)
、
142
この
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
は
非常
(
ひじやう
)
に
怖
(
こは
)
い、
143
絵
(
ゑ
)
で
見
(
み
)
る
鐘馗
(
しようき
)
さんみたいな
暴悪
(
ばうあく
)
無類
(
むるゐ
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
のやうに
見
(
み
)
える、
144
おまけに
剣
(
つるぎ
)
まで
佩
(
は
)
ひて
居
(
を
)
られる、
145
その
剣
(
つるぎ
)
をお
調
(
しら
)
べになると、
146
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
綺麗
(
きれい
)
な
姫
(
ひめ
)
様
(
さま
)
がお
生
(
うま
)
れになつて
居
(
ゐ
)
るのである。
147
この
三女神
(
さんぢよしん
)
は
竹生島
(
ちくぶしま
)
その
他
(
た
)
の
神社
(
じんじや
)
に
祀
(
まつ
)
つてあります。
148
三女神
(
さんぢよしん
)
の
神名
(
しんめい
)
を
言霊
(
ことたま
)
上
(
じやう
)
より
解釈
(
かいしやく
)
すれば『
多紀理
(
たぎり
)
姫
(
ひめの
)
命
(
みこと
)
は
尚武
(
しやうぶ
)
勇健
(
ゆうけん
)
の
神
(
かみ
)
』『
市寸島
(
いちきしま
)
姫
(
ひめ
)
は
稜威
(
りようゐ
)
直進
(
ちよくしん
)
、
149
正義
(
せいぎ
)
純直
(
じゆんちよく
)
の
神
(
かみ
)
』『
多気津
(
たきつ
)
姫
(
ひめの
)
命
(
みこと
)
は
突進
(
とつしん
)
的
(
てき
)
勢力
(
せいりよく
)
迅速
(
じんそく
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
』で
是
(
これ
)
が
真正
(
しんせい
)
の
瑞
(
みづ
)
の
御魂
(
みたま
)
の
霊性
(
れいせい
)
であります。
150
この
竹生島
(
ちくぶしま
)
とは
竹生
(
たけなり
)
と
書
(
か
)
きまして
昔
(
むかし
)
から
武器
(
ぶき
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
としてあります。
151
即
(
すなは
)
ち
武器
(
ぶき
)
といふのは、
152
竹
(
たけ
)
が
初
(
はじ
)
まりであつて、
153
先
(
ま
)
づ
竹槍
(
たけやり
)
を
造
(
つく
)
つた。
154
そして
竹
(
たけ
)
で
箭
(
や
)
を
造
(
つく
)
り、
155
弓
(
ゆみ
)
を
拵
(
こしら
)
へることを
発明
(
はつめい
)
したといふやうな
工合
(
ぐあひ
)
に、
156
今
(
いま
)
の
武器
(
ぶき
)
の
初
(
はじ
)
めは
竹
(
たけ
)
であつた
故
(
ゆゑ
)
に
武
(
ぶ
)
の
字
(
じ
)
をタケと
読
(
よ
)
むのであります。
157
そこで
今
(
いま
)
建速
(
たけはや
)
須佐之男
(
すさのをの
)
命
(
みこと
)
の
持
(
も
)
つて
居
(
を
)
られました
剣
(
つるぎ
)
、
158
つまり
須佐之男
(
すさのをの
)
命
(
みこと
)
様
(
さま
)
の
御霊
(
みたま
)
である
所
(
ところ
)
の
刀
(
かたな
)
からは
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
姫神
(
ひめがみ
)
がお
生
(
うま
)
れになつた。
159
刀
(
かたな
)
を
持
(
も
)
つて
居
(
を
)
るから
建速
(
たけはや
)
と
申
(
まを
)
すとも
言
(
い
)
ひます。
160
多紀理
(
たぎり
)
比売
(
ひめ
)
は
手切姫
(
たぎりひめ
)
で
斬
(
き
)
る。
161
多岐都
(
たきつ
)
比売
(
ひめ
)
は
手
(
て
)
で
突
(
つ
)
くといふ
意味
(
いみ
)
にもなります。
162
伊突姫
(
いつきひめ
)
も
突刺
(
つきさ
)
す
意味
(
いみ
)
である。
163
すると
槍
(
やり
)
とか
剣
(
つるぎ
)
とかは
伊突
(
いつ
)
き、
164
手切
(
たぎ
)
り、
165
手断突
(
たきつ
)
の
働
(
はたら
)
きになつて
居
(
を
)
ります。
166
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
立派
(
りつぱ
)
な
綺麗
(
きれい
)
な
極
(
ごく
)
従順
(
じうじゆん
)
な
鏡
(
かがみ
)
の
如
(
ごと
)
き
姫神
(
ひめがみ
)
様
(
さま
)
でありました。
167
それで
之
(
こ
)
れを
瑞
(
みづ
)
の
霊
(
みたま
)
とも、
168
三人
(
みつ
)
の
瑞
(
みづ
)
の
霊
(
みたま
)
[
※
御校正本・愛世版では「三人の瑞の霊」だが、校定版・八幡版では「三人の霊」に直している。
]
とも
申
(
まを
)
します。
169
三月
(
さんぐわつ
)
三日
(
みつか
)
の
節句
(
せつく
)
を
女
(
をんな
)
の
節句
(
せつく
)
として
祝
(
いは
)
ひますのも
然
(
さ
)
う
云
(
い
)
ふ
所
(
ところ
)
から
出
(
で
)
て
居
(
を
)
ります。
170
それから
今度
(
こんど
)
は
須佐之男
(
すさのをの
)
命
(
みこと
)
が
天照
(
あまてらす
)
大御神
(
おほみかみ
)
の
御
(
お
)
用
(
もち
)
ゐになつて
居
(
を
)
ります
珠
(
たま
)
、
171
平和
(
へいわ
)
の
象徴
(
しやうちやう
)
たる
所
(
ところ
)
の
飾
(
かざ
)
りの
八坂
(
やさか
)
の
勾瓊
(
まがたま
)
を
御
(
お
)
受
(
う
)
けになつて、
172
天
(
あま
)
の
真名井
(
まなゐ
)
の
綺麗
(
きれい
)
な
水
(
みづ
)
にお
滌
(
すす
)
ぎになつて、
173
『さがみにかみて
吹
(
ふ
)
き
棄
(
う
)
つる
気吹
(
いぶき
)
の
狭霧
(
さぎり
)
に
成
(
な
)
りませる
神
(
かみ
)
の
御名
(
みな
)
は』
174
玉
(
たま
)
と
云
(
い
)
ふものは
元来
(
ぐわんらい
)
清
(
きよ
)
く
美
(
うつく
)
しい
光
(
ひか
)
り
輝
(
かがや
)
く
真善美
(
しんぜんび
)
のものであつて、
175
刀
(
かたな
)
の
如
(
ごと
)
くに
斬
(
き
)
つたり
突
(
つ
)
いたりするものではありませぬ。
176
実
(
じつ
)
に
平和
(
へいわ
)
に
見
(
み
)
えるものであります。
177
これは
左
(
ひだり
)
とか
右
(
みぎ
)
りとか
沢山
(
たくさん
)
ありますけれども
長
(
なが
)
くなりますから
委
(
くわ
)
しく
申上
(
まをしあ
)
げませぬ。
178
而
(
しか
)
して
気吹
(
いぶき
)
の
狭霧
(
さぎり
)
になりませるとありますのは、
179
此処
(
ここ
)
はつまり
鎮魂
(
ちんこん
)
であります。
180
初
(
はじ
)
め
先
(
ま
)
づ
鎮魂
(
ちんこん
)
して
各自
(
かくじ
)
の
霊
(
れい
)
を
調
(
しら
)
べるのであります。
181
吾々
(
われわれ
)
の
静坐
(
せいざ
)
瞑目
(
めいもく
)
して
致
(
いた
)
して
居
(
を
)
ります
所
(
ところ
)
の
鎮魂
(
ちんこん
)
と
同
(
おな
)
じ
意味
(
いみ
)
であります。
182
如何
(
いか
)
なる
守護神
(
しゆごじん
)
が
現
(
あら
)
はれてゐるか、
183
霊魂
(
みたま
)
の
集中
(
しうちう
)
を
審
(
あらた
)
めて
見
(
み
)
るので
御座
(
ござ
)
います。
184
そこでお
生
(
うま
)
れになりましたのが、
185
正勝
(
まさか
)
吾勝
(
あかつ
)
勝速日
(
かちはやひ
)
天
(
あめ
)
の
忍穂耳
(
おしほみみの
)
命
(
みこと
)
、
186
不撓
(
ふたう
)
不屈
(
ふくつ
)
勝利
(
しようり
)
光栄
(
くわうえい
)
の
神
(
かみ
)
、
187
次
(
つぎ
)
に
鎮魂
(
ちんこん
)
してお
生
(
うま
)
れになつたのが
天
(
あめ
)
の
菩卑能
(
ほひの
)
命
(
みこと
)
、
188
血染
(
ちぞめ
)
焼尽
(
せうじん
)
の
神
(
かみ
)
。
189
次
(
つぎ
)
が
天津
(
あまつ
)
日子根
(
ひこね
)
の
命
(
みこと
)
、
190
破壊
(
はくわい
)
屠戮
(
とりく
)
の
神
(
かみ
)
。
191
次
(
つぎ
)
に
活津
(
いきつ
)
彦根
(
ひこねの
)
命
(
みこと
)
、
192
打撃
(
だげき
)
攻撃
(
こうげき
)
電撃
(
でんげき
)
の
神
(
かみ
)
。
193
次
(
つぎ
)
が
熊野
(
くまぬ
)
久須毘
(
くすびの
)
命
(
みこと
)
、
194
両刃
(
もろは
)
長剣
(
ちやうけん
)
の
神
(
かみ
)
。
195
都合
(
つがふ
)
五柱
(
いつはしら
)
の
男
(
をとこ
)
の
命
(
みこと
)
がお
生
(
うま
)
れになつたのであります。
196
天照
(
あまてらす
)
大御神
(
おほみかみ
)
は
姿
(
すがた
)
は
女
(
をんな
)
である。
197
女
(
をんな
)
の
肉体
(
にくたい
)
をお
有
(
も
)
ちであつたので
御座
(
ござ
)
いますが、
198
その
霊
(
れい
)
は
以上
(
いじやう
)
述
(
の
)
べた
如
(
ごと
)
く
実
(
じつ
)
に
勇壮
(
ゆうさう
)
無比
(
むひ
)
の
男神
(
だんしん
)
でありました。
199
鎮魂
(
ちんこん
)
の
結果
(
けつくわ
)
お
生
(
うま
)
れ
遊
(
あそ
)
ばしたのは
五柱
(
いつはしら
)
の
男
(
をとこ
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
霊性
(
れいせい
)
が
現
(
あら
)
はれた、
200
それで
姿
(
すがた
)
は
女
(
をんな
)
であつて
男
(
をとこ
)
の
御霊
(
みたま
)
を
備
(
そな
)
へて
居
(
を
)
られますから、
201
天照
(
あまてらす
)
大御神
(
おほみかみ
)
を
変性
(
へんじやう
)
男子
(
なんし
)
と
申
(
まを
)
し、
202
厳
(
いづ
)
の
御魂
(
みたま
)
と
申
(
まを
)
し、
203
須佐之男
(
すさのをの
)
命
(
みこと
)
は
姿
(
すがた
)
は
男
(
をとこ
)
であつても
女
(
をんな
)
の
霊
(
れい
)
をおもちであつたから
変性
(
へんじやう
)
女子
(
によし
)
と
謂
(
い
)
ひ
瑞
(
みづ
)
の
御魂
(
みたま
)
といふので
御座
(
ござ
)
います。
204
而
(
しか
)
して
前
(
まへ
)
の
三女
(
みつ
)
の
霊
(
みたま
)
に
対
(
たい
)
して、
205
この
五柱
(
いつはしら
)
の
命
(
みこと
)
を
五男
(
いつ
)
の
霊
(
みたま
)
とも
申
(
まを
)
します。
206
之
(
これ
)
を
仏教
(
ぶつけう
)
では
八大
(
はちだい
)
竜王
(
りうわう
)
と
唱
(
とな
)
へまして、
207
京都
(
きやうと
)
の
祇園
(
ぎをん
)
では
八王子
(
はちわうじ
)
というて
御
(
お
)
祭
(
まつ
)
りになつて
在
(
あ
)
ります。
208
茲
(
ここ
)
で
初
(
はじ
)
めて
須佐之男
(
すさのをの
)
命
(
みこと
)
は
表面
(
へうめん
)
怖
(
こは
)
い
暴逆
(
ばうぎやく
)
な
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
であるけれども
実
(
じつ
)
は
極
(
ご
)
く
優美
(
やさ
)
しい、
209
善
(
よ
)
い
心
(
こころ
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
であるといふことが
解
(
わか
)
り、
210
これに
引
(
ひ
)
きかへ
天照
(
あまてらす
)
大御神
(
おほみかみ
)
は
極
(
ご
)
くお
優
(
やさ
)
しい、
211
鏡
(
かがみ
)
からぬけ
出
(
いで
)
たやうな
玲瓏
(
れいろう
)
たるお
方
(
かた
)
でありますけれども、
212
前
(
まへ
)
の
言霊解
(
ことたまかい
)
の
如
(
ごと
)
き
御霊
(
みたま
)
があつたのであります。
213
ここで
一
(
ひと
)
つよく
考
(
かんが
)
へなければならぬ
事
(
こと
)
は
天照
(
あまてらす
)
大御神
(
おほみかみ
)
のお
言葉
(
ことば
)
に、
214
『
言向
(
ことむ
)
け
和
(
や
)
はせ』
215
と
書
(
か
)
いてありますが、
216
言葉
(
ことば
)
を
以
(
もつ
)
て
世界
(
せかい
)
を
治
(
をさ
)
めよといふことになります。
217
さうしますと
天照
(
あまてらす
)
大御神
(
おほみかみ
)
は
外交
(
ぐわいかう
)
の
難
(
むづか
)
しい
事
(
こと
)
について
御
(
ご
)
子孫
(
しそん
)
にお
示
(
しめ
)
しになつたのでありまして、
218
どこまでも
此
(
この
)
珠
(
たま
)
を
以
(
もつ
)
て
充分
(
じうぶん
)
に
平和
(
へいわ
)
を
旨
(
むね
)
として
治
(
をさ
)
めて
行
(
ゆ
)
かなくてはいかぬといふ
御
(
お
)
心
(
こころ
)
でありました。
219
然
(
しか
)
るに
須佐之男
(
すさのをの
)
命
(
みこと
)
は
根
(
ね
)
の
堅洲国
(
かたすのくに
)
へ
行
(
ゆ
)
くについても、
220
武備
(
ぶび
)
を
非常
(
ひじやう
)
に
盛
(
さか
)
んにして
軍艦
(
ぐんかん
)
を
沢山
(
たくさん
)
に
拵
(
こしら
)
へ、
221
大砲
(
たいはう
)
を
沢山
(
たくさん
)
造
(
つく
)
るといふ、
222
所謂
(
いはゆる
)
武装
(
ぶさう
)
的
(
てき
)
平和
(
へいわ
)
のお
心
(
こころ
)
である。
223
斯
(
こ
)
う
考
(
かんが
)
へますと、
224
今
(
いま
)
の
外国
(
ぐわいこく
)
の
主義
(
しゆぎ
)
が
須佐之男
(
すさのをの
)
命
(
みこと
)
のと
同
(
おな
)
じである。
225
体主
(
たいしゆ
)
霊従
(
れいじう
)
である。
226
天照
(
あまてらす
)
大御神
(
おほみかみ
)
は
日本国
(
にほんこく
)
になつて
居
(
を
)
るといつてもよいと
思
(
おも
)
ひます。
227
日本人
(
にほんじん
)
の
心
(
こころ
)
の
中
(
なか
)
には
武備
(
ぶび
)
がある。
228
大和
(
やまと
)
魂
(
だましひ
)
がある。
229
けれども
表面
(
へうめん
)
には
武装
(
ぶさう
)
がないのである。
230
いざといふ
場合
(
ばあひ
)
には
稜威
(
いづ
)
の
雄健
(
をたけ
)
び、
231
踏健
(
ふみたけ
)
びをしなくてはならぬがその
間
(
かん
)
には
常
(
つね
)
に
極
(
ご
)
く
平和
(
へいわ
)
に
落着
(
おちつ
)
いて
居
(
を
)
る。
232
然
(
しか
)
るに
外国
(
ぐわいこく
)
は
始終
(
しじう
)
刀
(
かたな
)
を
有
(
もつ
)
てゐる。
233
外
(
そと
)
に
向
(
むか
)
つて
十拳
(
とつか
)
の
剣
(
つるぎ
)
を
握
(
にぎ
)
つてゐるけれども、
234
愈
(
いよいよ
)
戦
(
たたか
)
ふとなれば、
235
あちらは
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
女
(
をんな
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
であるのに
反
(
はん
)
して、
236
表面
(
へうめん
)
弱
(
よわ
)
い
如
(
ごと
)
くに
見
(
み
)
えても
五
(
ご
)
人
(
にん
)
の
男
(
をとこ
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
霊性
(
れいせい
)
が
出
(
で
)
て
来
(
く
)
るのである。
237
この
霊
(
れい
)
および
身魂
(
みたま
)
のことに
就
(
つい
)
てはお
筆先
(
ふでさき
)
にも
出
(
で
)
て
居
(
を
)
ります。
238
身魂
(
みたま
)
の
善悪
(
ぜんあく
)
を
改
(
あらた
)
めると
申
(
まを
)
されてあります。
239
『
是
(
ここ
)
に
天照
(
あまてらす
)
大御神
(
おほみかみ
)
、
240
須佐之男
(
すさのをの
)
命
(
みこと
)
に
告
(
の
)
り
給
(
たま
)
はく』
241
後
(
あと
)
から
生
(
うま
)
れた
所
(
ところ
)
の
五柱
(
いつはしら
)
の
神
(
かみ
)
はわしの
有
(
も
)
つて
居
(
ゐ
)
る
珠
(
たま
)
から
出
(
で
)
て
来
(
き
)
たものであるから
自分
(
じぶん
)
の
子
(
こ
)
である。
242
所謂
(
いはゆる
)
自分
(
じぶん
)
の
魂
(
たま
)
から
出
(
で
)
た
男神
(
なんしん
)
はみな
自分
(
じぶん
)
の
子
(
こ
)
である。
243
それから
先刻
(
せんこく
)
生
(
うま
)
れた
姫御児
(
ひめみこ
)
はその
種
(
たね
)
が
汝
(
なれ
)
が
魂
(
たま
)
十拳
(
とつか
)
の
剣
(
つるぎ
)
から
出
(
で
)
たのだからこれは
汝
(
なんぢ
)
の
子
(
こ
)
であると
仰有
(
おつしや
)
つた。
244
これで
身魂
(
みたま
)
の
立
(
た
)
て
分
(
わ
)
けが
出来
(
でき
)
た。
245
須佐之男
(
すさのをの
)
命
(
みこと
)
は
変性
(
へんじやう
)
女子
(
によし
)
で、
246
天照
(
あまてらす
)
大御神
(
おほみかみ
)
は
変性
(
へんじやう
)
男子
(
なんし
)
であるといふことが
明
(
あきら
)
かになつた。
247
所
(
ところ
)
が
須佐之男
(
すさのをの
)
命
(
みこと
)
は、
248
姉
(
あね
)
天照
(
あまてらす
)
大御神
(
おほみかみ
)
は
今迄
(
いままで
)
は
私
(
わたくし
)
の
心
(
こころ
)
を
疑
(
うたが
)
うて
御座
(
ござ
)
つたが、
249
これで
私
(
わたくし
)
の
清明
(
せいめい
)
潔白
(
けつぱく
)
な
事
(
こと
)
は
証拠
(
しようこ
)
立
(
だ
)
てられた。
250
私
(
わたくし
)
の
心
(
こころ
)
の
綺麗
(
きれい
)
な
事
(
こと
)
は
私
(
わたくし
)
の
魂
(
たましひ
)
から
生
(
うま
)
れた
手弱女
(
たをやめ
)
によつて
解
(
わか
)
りませう。
251
あの
弱々
(
よわよわ
)
しい
女子
(
によし
)
では
戦
(
いくさ
)
をする
事
(
こと
)
は
出来
(
でき
)
ますまい。
252
斯
(
こ
)
う
考
(
かんが
)
へたならば
最前
(
さいぜん
)
あなたは、
253
私
(
わたくし
)
が
高天原
(
たかあまはら
)
を
奪
(
と
)
りに
来
(
き
)
たらうと
仰
(
おほせ
)
られたがあれは
間違
(
まちが
)
ひでせう。
254
私
(
わたくし
)
の
言
(
い
)
ふことが
本当
(
ほんたう
)
でせう。
255
『これによりて
言
(
まを
)
さば
自
(
おのづか
)
ら
我
(
われ
)
勝
(
かち
)
ぬと
言
(
い
)
ひて、
256
勝
(
かち
)
さびに
天照
(
あまてらす
)
大御神
(
おほみかみ
)
の
営田
(
みつくだ
)
の
畔離
(
あはな
)
ち、
257
溝埋
(
みぞう
)
め、
258
亦
(
また
)
其
(
そ
)
の
大嘗
(
おほにへ
)
聞
(
きこ
)
し
召
(
め
)
す
殿
(
との
)
に
屎
(
くそ
)
まり
散
(
ち
)
らしき』
259
この
言葉
(
ことば
)
は
少
(
すくな
)
いけれども、
260
この
意味
(
いみ
)
は、
261
当時
(
たうじ
)
須佐之男
(
すさのをの
)
命
(
みこと
)
様
(
さま
)
にも
尚
(
な
)
ほ
沢山
(
たくさん
)
の
臣下
(
しんか
)
が
在
(
あ
)
つた。
262
茲
(
ここ
)
に
須佐之男
(
すさのをの
)
命
(
みこと
)
に
反対
(
はんたい
)
するものと、
263
味方
(
みかた
)
するものとが
出来
(
でき
)
て
来
(
き
)
たので
迷
(
まよ
)
ひが
起
(
おこ
)
つたのであります。
264
須佐之男
(
すさのをの
)
命
(
みこと
)
がお
勝
(
かち
)
になつて、
265
増長
(
ぞうちよう
)
なさつたといふよりも
寧
(
むし
)
ろ、
266
私
(
わたくし
)
の
綺麗
(
きれい
)
な
心
(
こころ
)
は
解
(
わか
)
つた
筈
(
はず
)
である。
267
然
(
しか
)
るに
尚
(
なほ
)
悪
(
わる
)
いと
仰
(
あふ
)
せになるのは
心地
(
ここち
)
が
悪
(
わる
)
い、
268
不快
(
ふくわい
)
であるといふので
終
(
つひ
)
に
自暴
(
じばう
)
自棄
(
じき
)
に
陥
(
おちい
)
つたのであります。
269
やけくそを
起
(
おこ
)
した
結果
(
けつくわ
)
が、
270
田
(
た
)
の
畦
(
あぜ
)
を
壊
(
こは
)
したり、
271
溝
(
みぞ
)
を
埋
(
うづ
)
めたり、
272
御
(
お
)
食事
(
しよくじ
)
をなさる
所
(
ところ
)
へ
糞
(
くそ
)
をやり
散
(
ち
)
らして、
273
いろいろ
乱暴
(
らんばう
)
のあらむ
限
(
かぎ
)
りを、
274
須佐之男
(
すさのをの
)
命
(
みこと
)
に
味方
(
みかた
)
する
系統
(
けいとう
)
の
者
(
もの
)
が
行
(
おこな
)
つたのであります。
275
天照
(
あまてらす
)
大御神
(
おほみかみ
)
は
此
(
この
)
状態
(
じやうたい
)
を
御覧
(
ごらん
)
になり、
276
弟
(
おとうと
)
は
決
(
けつ
)
してあの
多量
(
たりやう
)
の
糞
(
くそ
)
をまいたりする
筈
(
はず
)
はない、
277
酒
(
さけ
)
に
酔
(
よ
)
つて
何
(
なに
)
か
吐
(
は
)
いたのであらう。
278
畔
(
あぜ
)
を
離
(
はな
)
ちたり、
279
溝
(
みぞ
)
を
埋
(
う
)
めるのは、
280
丁度
(
ちやうど
)
今
(
いま
)
でいふ
耕地
(
かうち
)
整理
(
せいり
)
のやうなもので、
281
いらぬ
畔
(
あぜ
)
や
溝
(
みぞ
)
を
潰
(
つぶ
)
して
沢山
(
たくさん
)
米
(
こめ
)
が
出来
(
でき
)
るようにする
為
(
た
)
めだらうと、
282
所謂
(
いはゆる
)
直日
(
なほひ
)
に
見直
(
みなほ
)
し
詔
(
の
)
り
直
(
なほ
)
して、
283
一切
(
いつさい
)
のことを
総
(
すべ
)
て
善意
(
ぜんい
)
に
御
(
ご
)
解釈
(
かいしやく
)
されて
所謂
(
いはゆる
)
詔
(
の
)
り
直
(
なほ
)
し
給
(
たま
)
うたのであります。
284
何
(
なん
)
でも
善
(
い
)
い
方
(
はう
)
に
解
(
かい
)
して
行
(
ゆ
)
けば
波瀾
(
はらん
)
は
少
(
すくな
)
いもので
御座
(
ござ
)
います。
285
天照
(
あまてらす
)
大御神
(
おほみかみ
)
も
善意
(
ぜんい
)
に
解
(
かい
)
して
居
(
を
)
られましたけれども、
286
御
(
ご
)
神意
(
しんい
)
を
悟
(
さと
)
らぬ
神
(
かみ
)
等
(
たち
)
の
乱暴
(
らんばう
)
は
愈
(
いよいよ
)
長
(
ちやう
)
じて
遣
(
や
)
り
方
(
かた
)
が
余
(
あま
)
りに
酷
(
ひど
)
くなる。
287
八百万
(
やほよろづ
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
方
(
がた
)
がどうしてもお
鎮
(
しづ
)
まりがない。
288
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
が
大騒
(
おほさわ
)
ぎになつた。
289
彼方
(
あちら
)
でも
此方
(
こちら
)
でも
暴動
(
ばうどう
)
が
起
(
おこ
)
る。
290
無茶
(
むちや
)
苦茶
(
くちや
)
な
有様
(
ありさま
)
になつた。
291
そのうちに、
292
『
天照
(
あまてらす
)
大御神
(
おほみかみ
)
、
293
忌服屋
(
いむはたや
)
に
坐
(
まし
)
まして、
294
神御衣
(
かむはた
)
織
(
お
)
らしめ
給
(
たま
)
ふときに、
295
其
(
そ
)
の
服屋
(
はたや
)
の
頂
(
むね
)
を
穿
(
うが
)
ちて、
296
天
(
あめ
)
の
斑馬
(
ふちこま
)
を
逆剥
(
さかは
)
ぎに
剥
(
は
)
ぎて
堕
(
おと
)
し
入
(
い
)
るるときに、
297
天
(
あめ
)
の
御衣
(
みそ
)
織女
(
おりめ
)
、
298
見驚
(
みおどろ
)
きて
梭
(
ひ
)
に
陰上
(
ほと
)
を
衝
(
つ
)
きて
死
(
みう
)
せき』
299
斯
(
こ
)
う
云
(
い
)
ふ
事件
(
じけん
)
が
起
(
おこ
)
つたので
御座
(
ござ
)
います。
300
ここで
機
(
はた
)
を
織
(
お
)
るといふことは、
301
世界
(
せかい
)
の
経綸
(
けいりん
)
といふことであります。
302
経
(
たて
)
と
緯
(
よこ
)
との
仕組
(
しぐみ
)
をして
頂
(
いただ
)
いて
居
(
を
)
つたのであります。
303
すると
此
(
この
)
経綸
(
けいりん
)
を
妨
(
さまた
)
げた。
304
天
(
あめ
)
の
斑馬
(
ふちこま
)
暴
(
あば
)
れ
馬
(
うま
)
の
皮
(
かは
)
を
逆剥
(
さかはぎ
)
にして、
305
上
(
うへ
)
からどつと
放
(
はな
)
したので、
306
機
(
はた
)
を
織
(
お
)
つて
居
(
ゐ
)
た
稚比売
(
わかひめ
)
の
命
(
みこと
)
は
大変
(
たいへん
)
に
驚
(
おどろ
)
いた。
307
驚
(
おどろ
)
いた
途端
(
とたん
)
に
梭
(
をさ
)
に
秀処
(
ほと
)
を
刺
(
さ
)
し
亡
(
な
)
くなつてお
了
(
しま
)
ひになつたのであります。
308
さあ
大変
(
たいへん
)
な
騒動
(
さうだう
)
になつて
来
(
き
)
た。
309
(
大正九・一〇・一五
講演筆録)
310
(
大正一一・三・六
旧二・八
谷村真友
再録)
Δこのページの一番上に戻るΔ
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(B)
(N)
天の岩戸 >>>
霊界物語
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霊主体従(第1~12巻)
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