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霊界物語
霊主体従(第1~12巻)
第12巻(亥の巻)
序文
凡例
総説歌
第1篇 天岩戸開(一)
第1章 正神邪霊
第2章 直会宴
第3章 蚊取別
第4章 初蚊斧
第5章 初貫徹
第6章 招待
第7章 覚醒
第2篇 天岩戸開(二)
第8章 思出の歌
第9章 正夢
第10章 深夜の琴
第11章 十二支
第12章 化身
第13章 秋月滝
第14章 大蛇ケ原
第15章 宣直し
第16章 国武丸
第3篇 天岩戸開(三)
第17章 雲の戸開
第18章 水牛
第19章 呉の海原
第20章 救ひ舟
第21章 立花島
第22章 一島攻撃
第23章 短兵急
第24章 言霊の徳
第25章 琴平丸
第26章 秋月皎々
第27章 航空船
第4篇 古事記略解
第28章 三柱の貴子
第29章 子生の誓
第30章 天の岩戸
余白歌
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霊界物語
>
霊主体従(第1~12巻)
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第12巻(亥の巻)
> 第4篇 古事記略解 > 第30章 天の岩戸
<<< 子生の誓
(B)
(N)
余白歌 >>>
第三〇章
天
(
あま
)
の
岩戸
(
いはと
)
〔五二六〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第12巻 霊主体従 亥の巻
篇:
第4篇 古事記略解
よみ(新仮名遣い):
こじきりゃっかい
章:
第30章 天の岩戸
よみ(新仮名遣い):
あまのいわと
通し章番号:
526
口述日:
口述場所:
筆録者:
松村真澄、谷村真友[#講演筆録]
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1922(大正11)年9月30日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
天照大御神はあまりのことに、天の岩戸に籠もってしまったが、これは現代で言えば、主宰の地位を辞職された、ということである。
世の中の統治が崩れて混乱した。そこで貴賎の別なくすべての人々が国家を憂い、集まって議論をした。
そして思兼の神の発案によって、天から下った教えを取り、世を治めるために必要な武具を作り、霊能の反映であり言霊である鏡を作ったのである。
そうして、神占を行って神勅を乞うたのである。その結果、祭典を行って天神地祇を祀らねばならぬ、という結論に決まった。神楽の準備をなされた。
今日の世の中は、ちょうど神楽の獅子舞のように混乱紛糾の極みにいたっていると見ることができる。
天の宇受女命とは、難局に当たって活躍する男勝りの女である。それが飛んだり跳ねたり、国家的大活動をなした、ということである。そこで八百万の神々らは元気付いて、どっと笑った。
信仰ができて神の御心がわかったならば、国家的な大難にも、談笑遊楽のうちに対処することができるようになるのである。
天照大御神の姿が鏡に映ったというのは、鏡は言霊であるから、八百万の神々が言霊によって岩戸を開いた、ということを意味しているのである。一つの大きな言霊を為して、天照大御神をお寄せになった、ということである。
さて、岩戸が開いた後、岩戸を閉めた者を罰しなければならない。しかし岩戸が閉まった原因を作ったのは、本来はほとんど世界中の八百万の神々の責任である。しかし全員を罰するわけにはいかないので、贖い主を立てる必要がある。
罪ある神々は自分を省みず、もったいなくも須佐之男命御一柱に罪を負わせて、根の堅洲国に追放されたのであった。
変性男子の役目は統治であるが、変性女子の役目は、この世が続く限り、罪人のためにどこまでも犠牲になる、ということなのである。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
御統麻琉(美須麻琉)
データ凡例:
データ最終更新日:
2021-06-12 12:28:55
OBC :
rm1230
愛善世界社版:
273頁
八幡書店版:
第2輯 728頁
修補版:
校定版:
289頁
普及版:
121頁
初版:
ページ備考:
初出
[?]
この文献の初出または底本となったと思われる文献です。
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:
神霊界
>
大正9年11月11日号(第131号)
>
天の岩戸開〔古事記の真解〕
001
今迄
(
いままで
)
耐
(
こら
)
へに
耐
(
こら
)
へておいでになつた
天照
(
あまてらす
)
大御神
(
おほみかみ
)
は、
002
余
(
あま
)
りの
事
(
こと
)
に
驚
(
おどろ
)
き
且
(
かつ
)
お
怒
(
いか
)
り
遊
(
あそ
)
ばして
是
(
これ
)
ではもう
堪
(
たま
)
らぬといふので、
003
天
(
あま
)
の
岩屋戸
(
いはやど
)
を
建
(
た
)
てて
直様
(
すぐさま
)
その
中
(
なか
)
にお
入
(
はい
)
りになり、
004
戸
(
と
)
を
堅
(
かた
)
く
閉
(
とざ
)
してお
籠
(
こも
)
りになつて
了
(
しま
)
つた。
005
是
(
これ
)
も
亦
(
また
)
形容
(
けいよう
)
でありまして、
006
小
(
ちひ
)
さく
譬
(
たとへ
)
て
見
(
み
)
ますれば、
007
この
東京市
(
とうきやうし
)
は
市長
(
しちやう
)
が
治
(
をさ
)
めて
居
(
を
)
る。
008
然
(
しか
)
るに
到底
(
たうてい
)
私
(
わたくし
)
の
力
(
ちから
)
では
東京
(
とうきやう
)
は
治
(
をさ
)
まらない、
009
仕方
(
しかた
)
がないと
言
(
い
)
つて
辞職
(
じしよく
)
して
了
(
しま
)
ふ。
010
市役所
(
しやくしよ
)
に
出
(
で
)
て
来
(
こ
)
ない
様
(
やう
)
になる。
011
一国
(
いつこく
)
に
就
(
つい
)
て
言
(
い
)
へば
総理
(
そうり
)
大臣
(
だいじん
)
が
私
(
わたくし
)
の
力
(
ちから
)
でこの
国
(
くに
)
は
治
(
をさ
)
まらないからと
言
(
い
)
つて
辞職
(
じしよく
)
して
了
(
しま
)
ふ。
012
一国
(
いつこく
)
にしても
一市
(
いちし
)
にしても、
013
主宰者
(
しゆさいしや
)
が
居
(
を
)
らぬでは
外
(
ほか
)
の
者
(
もの
)
にはどうする
事
(
こと
)
も
出来
(
でき
)
ないと
云
(
い
)
ふ
其
(
その
)
人
(
ひと
)
に
辞職
(
じしよく
)
されて
了
(
しま
)
うたなら
其
(
その
)
国
(
くに
)
なり
其
(
その
)
市
(
し
)
なりはどうでせう。
014
詰
(
つま
)
り
此
(
この
)
只今
(
ただいま
)
でいふ
辞職
(
じしよく
)
といふのが、
015
天
(
あま
)
の
岩屋戸
(
いはやど
)
へ
天照
(
あまてらす
)
大御神
(
おほみかみ
)
がお
籠
(
こも
)
りになつたと
同
(
おな
)
じ
様
(
やう
)
なことであります。
016
『
即
(
すなは
)
ち
高天原
(
たかあまはら
)
皆
(
みな
)
暗
(
くら
)
く
葦原
(
あしはら
)
の
中津国
(
なかつくに
)
悉
(
ことごと
)
に
闇
(
くら
)
し』
017
真暗闇
(
まつくらやみ
)
では
何
(
ど
)
うしようにも
方針
(
はうしん
)
がつかない、
018
葦原
(
あしはら
)
の
中津国
(
なかつくに
)
の
大政府
(
だいせいふ
)
が
仆
(
たほ
)
れた
為
(
ため
)
に
其
(
その
)
所在地
(
しよざいち
)
たる
高天原
(
たかあまはら
)
を
初
(
はじ
)
め
全国
(
ぜんこく
)
が
火
(
ひ
)
の
消
(
き
)
えたる
如
(
ごと
)
くになつて
了
(
しま
)
つた。
019
下
(
しも
)
の
方
(
はう
)
の
者
(
もの
)
では
施政
(
しせい
)
の
方針
(
はうしん
)
は
分
(
わか
)
らない。
020
どうもかうも
手
(
て
)
のつけ
様
(
やう
)
がない。
021
『
茲
(
ここ
)
に
万
(
よろづ
)
の
神
(
かみ
)
のおとなひは、
022
五月蠅
(
さばへ
)
なす
皆
(
みな
)
湧
(
わ
)
き、
023
万
(
よろづ
)
の
妖
(
わざはひ
)
悉
(
ことごと
)
に
発
(
おこ
)
りき』
024
今度
(
こんど
)
はもう
昼
(
ひる
)
も
夜
(
よる
)
もない
真暗
(
まつくら
)
がりぢや。
025
斯
(
か
)
うなつて
来
(
く
)
ると
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
はどうなり
行
(
ゆ
)
くか、
026
丁度
(
ちやうど
)
今日
(
こんにち
)
に
就
(
つい
)
て
考
(
かんが
)
へて
見
(
み
)
ると
面白
(
おもしろ
)
い。
027
政治
(
せいぢ
)
は
勿論
(
もちろん
)
教育
(
けういく
)
も
経済
(
けいざい
)
も、
028
内治
(
ないぢ
)
も
外交
(
ぐわいかう
)
も
滅茶
(
めつちや
)
苦茶
(
くちや
)
である。
029
一切
(
いつさい
)
万事
(
ばんじ
)
真暗
(
まつくら
)
がりの
世
(
よ
)
になつてゐる。
030
どこにどうしようにも
見当
(
けんたう
)
がつかない。
031
斯
(
か
)
うなつて
来
(
く
)
ると、
032
此
(
これ
)
に
発
(
はつ
)
して
来
(
く
)
るのは
各
(
かく
)
階級
(
かいきふ
)
の
風俗
(
ふうぞく
)
の
紊乱
(
びんらん
)
であります。
033
不良
(
ふりやう
)
人民
(
じんみん
)
が
殖
(
ふ
)
ゑ
窃盗
(
せつたう
)
が
横行
(
わうかう
)
し、
034
強盗
(
がうたう
)
が
顔
(
かほ
)
を
出
(
だ
)
す、
035
神代
(
かみよ
)
に
於
(
おい
)
ても、
036
万
(
よろづ
)
の
妖
(
わざはひ
)
が
総
(
すべ
)
ての
事
(
こと
)
に、
037
彼方
(
あちら
)
にも
此方
(
こちら
)
にも
五
(
ご
)
月
(
ぐわつ
)
の
蠅
(
はい
)
の
如
(
ごと
)
くに
発生
(
はつせい
)
して
来
(
き
)
たのである。
038
之
(
これ
)
を
天
(
あま
)
の
岩屋戸
(
いはやど
)
隠
(
がく
)
れと
申
(
まを
)
すのでありますけれども、
039
今日
(
こんにち
)
の
世態
(
せたい
)
を
考
(
かんが
)
へますと、
040
恰
(
あたか
)
も
神代
(
かみよ
)
に
於
(
お
)
ける
岩屋戸
(
いはやど
)
の
閉
(
た
)
てられた
時
(
とき
)
と
同
(
おな
)
じやうに
思
(
おも
)
はれます。
041
『
是
(
これ
)
を
以
(
もつ
)
て
八百万
(
やほよろづ
)
の
神
(
かみ
)
』
042
はどうする
事
(
こと
)
も
出来
(
でき
)
ないから、
043
『
天
(
あめ
)
の
安河原
(
やすかはら
)
に
神集
(
かむつど
)
ひに
集
(
つど
)
ひて』
044
相談
(
さうだん
)
をなされた。
045
之
(
これ
)
を
高天原
(
たかあまはら
)
即
(
すなは
)
ち
天上
(
てんじやう
)
の
議場
(
ぎぢやう
)
に
集
(
あつ
)
まつたのだと
云
(
い
)
ふ
人
(
ひと
)
もあります。
046
平等
(
びやうどう
)
なる
神々
(
かみがみ
)
様
(
さま
)
が、
047
物
(
もの
)
を
洗
(
あら
)
ふ、
048
流
(
なが
)
すと
云
(
い
)
ふ
意味
(
いみ
)
の
公平
(
こうへい
)
無私
(
むし
)
なる
土地
(
とち
)
に
集
(
あつ
)
まつたのであります。
049
安
(
やす
)
ということは
安全
(
あんぜん
)
と
云
(
い
)
ふことで、
050
この
安
(
やす
)
らかなる
地点
(
ちてん
)
即
(
すなは
)
ち
風水火
(
ふうすゐくわ
)
なり
饑病戦
(
きびやうせん
)
なりその
他
(
た
)
総
(
すべ
)
ての
禍災
(
くわさい
)
を
防
(
ふせ
)
ぐことの
出来
(
でき
)
る、
051
然
(
しか
)
も
何
(
なん
)
等
(
ら
)
圧迫
(
あつぱく
)
を
被
(
かうむ
)
ることのない
場所
(
ばしよ
)
であります。
052
さうしてこの
清
(
きよ
)
らかな
場所
(
ばしよ
)
へは、
053
上下
(
じやうげ
)
貴賤
(
きせん
)
の
区別
(
くべつ
)
なく
総
(
すべ
)
ての
人々
(
ひとびと
)
が、
054
国
(
くに
)
を
憂
(
うれ
)
ひ、
055
国家
(
こくか
)
を
救
(
すく
)
はなくてはならぬと
云
(
い
)
ふ、
056
潔
(
きよ
)
らかな
精神
(
せいしん
)
を
以
(
もつ
)
て
集
(
あつ
)
まつて
来
(
き
)
たのであります。
057
『
高御
(
たかみ
)
産巣日
(
むすび
)
の
神
(
かみ
)
の
御子
(
みこ
)
、
058
思兼
(
おもひかね
)
の
神
(
かみ
)
に
思
(
おも
)
はしめて』
059
この
思兼
(
おもひかね
)
の
神
(
かみ
)
は
今日
(
こんにち
)
でいうと
枢密院
(
すうみつゐん
)
の
議長
(
ぎちやう
)
といふ
様
(
やう
)
な
役目
(
やくめ
)
であります。
060
一番
(
いちばん
)
思慮
(
しりよ
)
の
深
(
ふか
)
い
人
(
ひと
)
、
061
さうして
神
(
かみ
)
の
教
(
をしへ
)
を
受
(
う
)
けた
人
(
ひと
)
、
062
この
人
(
ひと
)
に
天
(
あま
)
の
岩屋戸
(
いはやど
)
を
開
(
ひら
)
き
天下
(
てんか
)
を
救
(
すく
)
ふべき
方法
(
はうはふ
)
を
尋
(
たづ
)
ねまして、
063
その
結果
(
けつくわ
)
、
064
『
常夜
(
とこよ
)
の
長鳴鳥
(
ながなきどり
)
を
集
(
つど
)
へて
鳴
(
な
)
かしめて』
065
常夜
(
とこよ
)
といふのは
常闇
(
とこやみ
)
の
世
(
よ
)
の
事
(
こと
)
であります。
066
即
(
すなは
)
ち
永遠
(
ゑいゑん
)
無窮
(
むきう
)
に
日月
(
じつげつ
)
と
共
(
とも
)
に、
067
国事
(
こくじ
)
に
就
(
つい
)
て
憂
(
うれ
)
ひ
活動
(
くわつどう
)
をして
居
(
を
)
る
神
(
かみ
)
、
068
此
(
これ
)
等
(
ら
)
の
神
(
かみ
)
等
(
たち
)
を
集
(
あつ
)
めて
泣
(
な
)
かせるといふのは
各自
(
めいめい
)
に
意見
(
いけん
)
を
吐
(
は
)
かせると
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
である。
069
その
結果
(
けつくわ
)
、
070
『
天
(
あめ
)
の
安
(
やす
)
の
河
(
かは
)
の
河上
(
かはかみ
)
の
天
(
あま
)
の
堅石
(
かたいは
)
を
取
(
と
)
り、
071
天
(
あま
)
の
金山
(
かなやま
)
の
鉄
(
かね
)
を
取
(
と
)
りて、
072
鍛人
(
かぬち
)
、
073
天津
(
あまつ
)
麻羅
(
まら
)
を
求
(
ま
)
ぎて、
074
伊斯許理度売
(
いしこりどめ
)
の
命
(
みこと
)
に
科
(
おほ
)
せて
鏡
(
かがみ
)
を
作
(
つく
)
らしめ』
075
この
堅
(
かた
)
い
石
(
いは
)
を
取
(
と
)
るといふことは、
076
皇化
(
くわうくわ
)
万世
(
ばんせい
)
動
(
うご
)
かぬ
岩
(
いは
)
に
松
(
まつ
)
といふ、
077
天
(
てん
)
から
下
(
くだ
)
つた
所
(
ところ
)
の
教
(
をしへ
)
を
取
(
と
)
るといふことである。
078
天
(
あま
)
の
金山
(
かなやま
)
の
鉄
(
かね
)
を
取
(
と
)
るといふことはどちらもカネである。
079
鍛人
(
かぬち
)
、
080
これは
鍛冶屋
(
かぢや
)
といふ
意味
(
いみ
)
でありますけれども、
081
総
(
すべ
)
て
世
(
よ
)
を
治
(
をさ
)
めるに
必要
(
ひつえう
)
なる
道具
(
だうぐ
)
、
082
一切
(
いつさい
)
の
武器
(
ぶき
)
などを
拵
(
こしら
)
へたのであります。
083
次
(
つぎ
)
に
鏡
(
かがみ
)
を
造
(
つく
)
らしめる。
084
鏡
(
かがみ
)
は
人物
(
じんぶつ
)
の
反映
(
はんえい
)
である。
085
霊能
(
れいのう
)
の
反映
(
はんえい
)
である。
086
故
(
ゆゑ
)
に
歴代
(
れきだい
)
の
天皇
(
てんのう
)
は
之
(
これ
)
を
御
(
お
)
祀
(
まつ
)
りになつて
居
(
を
)
る。
087
鏡
(
かがみ
)
は
皇室
(
くわうしつ
)
の
宝物
(
ほうもつ
)
になつて
居
(
を
)
るのであります。
088
鏡
(
かがみ
)
は
神
(
かみ
)
であります。
089
さうして
言霊
(
ことたま
)
であります。
090
言霊
(
ことたま
)
七十五
(
しちじふご
)
音
(
おん
)
を
真澄
(
ますみ
)
の
鏡
(
かがみ
)
と
申
(
まを
)
します。
091
三種
(
さんしゆ
)
の
神器
(
しんき
)
の
一
(
ひとつ
)
を
八咫
(
やあた
)
の
鏡
(
かがみ
)
と
申
(
まを
)
すのは
即
(
すなは
)
ち
七十五
(
しちじふご
)
声
(
せい
)
の
言霊
(
ことたま
)
であります。
092
それから
言霊
(
ことたま
)
が
日本人
(
にほんじん
)
のは
非常
(
ひじやう
)
に
円満
(
ゑんまん
)
清朗
(
せいろう
)
であるといふのは、
093
是
(
これ
)
は
日本
(
にほん
)
の
国
(
くに
)
に
金
(
きん
)
の
徳
(
とく
)
があるからであります。
094
地
(
ち
)
の
中
(
なか
)
に
金
(
きん
)
といふものが
多
(
おほ
)
い、
095
外国
(
ぐわいこく
)
と
違
(
ちが
)
うて
黄金
(
わうごん
)
の
精
(
せい
)
が
多
(
おほ
)
い。
096
故
(
ゆゑ
)
に
日本人
(
にほんじん
)
の
音声
(
おんせい
)
は
清
(
きよ
)
いのであります。
097
鳴物
(
なりもの
)
でも
金
(
きん
)
が
入
(
はい
)
つて
居
(
ゐ
)
ると
善
(
よ
)
い
音
(
ね
)
が
出
(
で
)
ます。
098
金
(
きん
)
の
多
(
おほ
)
いと
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
の
為
(
ため
)
に
天
(
あま
)
の
金山
(
かなやま
)
の
鉄
(
かね
)
を
取
(
と
)
りてと
出
(
で
)
て
居
(
を
)
るのであります。
099
それから
伊斯許理度売
(
いしこりどめの
)
命
(
みこと
)
に
鏡
(
かがみ
)
を
作
(
つく
)
らしめるとは、
100
伊斯許理度売
(
いしこりどめの
)
命
(
みこと
)
の
伊
(
い
)
は
発音
(
はつおん
)
であつて、
101
斯許理
(
しこり
)
といふのは
熱中
(
ねつちゆう
)
することで、
102
一生
(
いつしやう
)
懸命
(
けんめい
)
に
国
(
くに
)
の
為
(
ため
)
に
奔走
(
ほんそう
)
する
神
(
かみ
)
、
103
さういふ
神
(
かみ
)
を
寄
(
よ
)
せて
言霊
(
ことたま
)
の
鏡
(
かがみ
)
を
作
(
つく
)
らせたのであります。
104
次
(
つぎ
)
に、
105
『
珠
(
たま
)
を
作
(
つく
)
らしめ』
106
又
(
また
)
107
『
天
(
あま
)
の
香山
(
かぐやま
)
の
真男鹿
(
さをしか
)
』
108
の
角
(
つの
)
を
取
(
と
)
つて
占
(
うら
)
なはしめることになつた。
109
天
(
あま
)
の
香山
(
かぐやま
)
といふのは
鼻成山
(
はななすやま
)
と
云
(
い
)
ふ
意義
(
いぎ
)
で、
110
神人
(
しんじん
)
を
生
(
い
)
かす
山
(
やま
)
の
事
(
こと
)
であります。
111
此
(
この
)
112
『
天
(
あま
)
の
香山
(
かぐやま
)
の
真男鹿
(
さをしか
)
の
肩
(
かた
)
を
打抜
(
うちぬ
)
きに
抜
(
ぬ
)
きて』
113
さうして
何
(
ど
)
ういふことをしたらよいか
神勅
(
しんちよく
)
を
乞
(
こ
)
はれたのであります。
114
今
(
いま
)
の
神占
(
おみくじ
)
は
殆
(
ほとん
)
どそんなことはありませぬが、
115
昔
(
むかし
)
は
鹿
(
しか
)
の
骨
(
ほね
)
を
火
(
ひ
)
に
焼
(
や
)
いて、
116
その
割目
(
われめ
)
で
吉凶
(
きちきよう
)
を
占
(
うらな
)
うた。
117
実際
(
じつさい
)
八百万
(
やほよろづ
)
の
神
(
かみ
)
が
集
(
あつ
)
まつて、
118
種々
(
しゆじゆ
)
雑多
(
ざつた
)
なことをして
国
(
くに
)
の
為
(
た
)
めにどうしたらよいかと
考
(
かんが
)
へた。
119
其
(
その
)
中
(
うち
)
には
易
(
えき
)
を
見
(
み
)
る
神
(
かみ
)
もあつたので
御座
(
ござ
)
います。
120
易
(
えき
)
を
見
(
み
)
て
方針
(
はうしん
)
を
決
(
き
)
めたり、
121
其
(
その
)
他
(
た
)
いろいろに
考
(
かんが
)
へ、
122
四方
(
しはう
)
八方
(
はつぱう
)
から
考
(
かんが
)
へて
行
(
い
)
つた
結果
(
けつくわ
)
、
123
そこで
初
(
はじ
)
めて、
124
岩屋戸
(
いはやど
)
を
開
(
ひら
)
くに
就
(
つい
)
ては
祭典
(
さいてん
)
をして
天神
(
てんしん
)
地祇
(
ちぎ
)
を
祭
(
まつ
)
らなくてはいかぬといふことに
決
(
きま
)
つた。
125
先
(
ま
)
づ、
126
『
真賢木
(
まさかき
)
を、
127
根抜
(
ねこぢ
)
に
掘
(
こじ
)
て、
128
上枝
(
ほつえ
)
に
八咫
(
やさか
)
の
勾珠
(
まがたま
)
の、
129
五百津
(
いほつ
)
の
御統麻琉
(
みすまる
)
の
玉
(
たま
)
を
取
(
と
)
り
著
(
つ
)
け、
130
中枝
(
なかつえ
)
には、
131
八咫鏡
(
やあたかがみ
)
を
取
(
と
)
りかけ、
132
下枝
(
しづえ
)
に、
133
白
(
しろ
)
丹寸手
(
にぎて
)
、
134
青丹寸手
(
あをにぎて
)
を
取
(
と
)
り
垂
(
し
)
でて』
135
つまりこれは
今日
(
こんにち
)
で
言
(
い
)
ふ
神楽
(
かぐら
)
であります。
136
伊勢
(
いせ
)
神宮
(
じんぐう
)
では
昔
(
むかし
)
から
十二組
(
じふにくみ
)
の
大神楽
(
だいかぐら
)
がありますが、
137
これは
岩屋戸
(
いはやど
)
開
(
びら
)
きの
事
(
こと
)
をお
示
(
しめ
)
しになつて
居
(
を
)
るのであります。
138
前
(
まへ
)
にも
申上
(
まをしあ
)
げましたやうに
現代
(
げんだい
)
の
世態
(
せたい
)
を
考
(
かんが
)
へますると
今日
(
こんにち
)
は
所謂
(
いはゆる
)
世界
(
せかい
)
の
大神楽
(
だいかぐら
)
を
奏
(
そう
)
しなくてはならぬときであります。
139
あのお
神楽
(
かぐら
)
のときに
出
(
で
)
て
参
(
まゐ
)
りまする
翁獅子
(
おきなじし
)
、
140
あれは
既
(
すで
)
に
大
(
おほ
)
きなおそろしい
面
(
つら
)
をした
獅子
(
しし
)
を
被
(
かぶ
)
つて、
141
刀
(
かたな
)
を
口
(
くち
)
にくはへ
毛
(
け
)
を
下
(
た
)
らして
居
(
を
)
る。
142
この
形
(
かたち
)
は
何
(
なん
)
であるか。
143
眼
(
め
)
は
金
(
きん
)
、
144
鼻
(
はな
)
の
孔
(
あな
)
も
金
(
きん
)
、
145
歯
(
は
)
も
金
(
きん
)
、
146
而
(
しか
)
も
其
(
その
)
口
(
くち
)
を
動
(
うご
)
かして、
147
本当
(
ほんたう
)
に
恐
(
おそ
)
ろしいやうであるけれど、
148
真中
(
まんなか
)
には
人
(
ひと
)
が
入
(
はい
)
つて
操
(
あやつ
)
つて
居
(
を
)
るばかりか、
149
頭
(
あたま
)
の
方
(
はう
)
こそ
立派
(
りつぱ
)
だが
後
(
うしろ
)
の
方
(
はう
)
には
尾
(
を
)
も
何
(
なに
)
もない。
150
だんだらの
条
(
すぢ
)
のやうなものが
入
(
はい
)
つてゐる
布
(
ぬの
)
に
過
(
す
)
ぎない。
151
そこにも
人
(
ひと
)
が
隠
(
かく
)
れて
居
(
ゐ
)
て
前
(
まへ
)
の
者
(
もの
)
と
調子
(
てうし
)
を
合
(
あは
)
せて
操
(
あやつ
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
152
これが
獅子舞
(
ししまひ
)
の
真相
(
しんさう
)
であります。
153
所
(
ところ
)
で
今日
(
こんにち
)
の
世界
(
せかい
)
の
外交術
(
ぐわいかうじゆつ
)
は
皆
(
みな
)
この
獅子舞
(
ししまひ
)
であります。
154
表面
(
へうめん
)
は
非常
(
ひじやう
)
に
大
(
おほ
)
きないはゆる
獅子口
(
ししぐち
)
を
開
(
あ
)
けて、
155
今
(
いま
)
にも
噛
(
か
)
みつきさうにして、
156
怖
(
おそ
)
ろしいやうであるが、
157
中
(
なか
)
に
入
(
はい
)
つて
見
(
み
)
ると、
158
人
(
ひと
)
が
獅子
(
しし
)
の
口
(
くち
)
を
開
(
あ
)
けて
舞
(
ま
)
うてゐるのである。
159
ちやうど
今日
(
こんにち
)
は
神楽
(
かぐら
)
をあげてゐるのである。
160
それから
大神楽
(
だいかぐら
)
のときに
芸人
(
げいにん
)
が
鞠
(
まり
)
を
上
(
あ
)
げたり、
161
下
(
おろ
)
したりする。
162
これは
霊
(
みたま
)
の
上
(
あが
)
り
下
(
さが
)
りを
示
(
しめ
)
して
居
(
を
)
るのである。
163
また
一
(
いつ
)
尺
(
しやく
)
位
(
ぐらゐ
)
の
両端
(
りやうたん
)
に
布切
(
ぬのぎ
)
れの
付
(
つ
)
いた
妙
(
めう
)
な
棒
(
ぼう
)
のやうなものを
上
(
あ
)
げたり
下
(
おろ
)
したりする。
164
これは
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
の
柱
(
はしら
)
が、
165
上
(
うへ
)
のものは
下敷
(
したじき
)
となり
下
(
した
)
のものは
上
(
うへ
)
になりて
行
(
ゆ
)
く、
166
即
(
すなは
)
ち
立替
(
たてかへ
)
をするといふことを
示
(
しめ
)
してあるのである。
167
それから
盆
(
ぼん
)
の
上
(
うへ
)
や
傘
(
かさ
)
の
背
(
せ
)
に
一文銭
(
いちもんせん
)
を
転
(
ころ
)
がせて
一生
(
いつしやう
)
懸命
(
けんめい
)
きりきり
廻
(
まは
)
して
居
(
を
)
る。
168
これは
何
(
なに
)
をして
居
(
を
)
るのであるかといふと、
169
今日
(
こんにち
)
の
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
は
金融
(
きんゆう
)
が
逼迫
(
ひつぱく
)
して、
170
一文
(
いちもん
)
の
金
(
かね
)
も
一生
(
いつしやう
)
懸命
(
けんめい
)
に
走
(
はし
)
り
廻
(
まは
)
つてゐる。
171
千
(
せん
)
円
(
ゑん
)
の
財産
(
ざいさん
)
でもつて
一万
(
いちまん
)
円
(
ゑん
)
も
二万
(
にまん
)
円
(
ゑん
)
もの
仕事
(
しごと
)
をしてゐる。
172
だから
一朝
(
いつてう
)
経済界
(
けいざいかい
)
の
変調
(
へんてう
)
が
起
(
おこ
)
るとポツツリ
運転
(
うんてん
)
が
止
(
とま
)
つて
了
(
しま
)
ふ。
173
そう
云
(
い
)
ふ
工合
(
ぐあひ
)
に
金融
(
きんゆう
)
が
切迫
(
せつぱく
)
してゐると
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
を
表
(
あらは
)
してゐる。
174
次
(
つぎ
)
に
剣
(
つるぎ
)
の
舞
(
まひ
)
をやつて
居
(
を
)
る。
175
頭
(
あたま
)
を
地
(
ち
)
につけて
反
(
そ
)
り
身
(
み
)
になつて
一生
(
いつしやう
)
懸命
(
けんめい
)
にやつてゐる。
176
これはいはゆる
危険
(
きけん
)
な
相互
(
さうご
)
傷
(
きずつ
)
き
倒
(
たふ
)
れると
云
(
い
)
ふ
戦争
(
せんそう
)
をして
居
(
を
)
る
意味
(
いみ
)
である。
177
それから
茶碗
(
ちやわん
)
に
水
(
みづ
)
をつぎ
込
(
こ
)
み
長
(
なが
)
い
細
(
ほそ
)
い
竹
(
たけ
)
の
先
(
さき
)
にのせて、
178
下
(
した
)
から
芸人
(
げいにん
)
がキリキリ
廻
(
まは
)
して
居
(
を
)
る。
179
あの
通
(
とほ
)
り
危
(
あやふ
)
い。
180
茶碗
(
ちやわん
)
が
落
(
お
)
ちたらポカンと
割
(
わ
)
れる。
181
無論
(
むろん
)
水
(
みづ
)
はこぼれる。
182
所
(
ところ
)
が
落
(
お
)
ちないのはこのキリキリ
廻
(
まは
)
して
居
(
を
)
る
竹
(
たけ
)
の
所
(
ところ
)
が
要
(
かなめ
)
であるからで、
183
すなはち
要
(
かなめ
)
を
握
(
にぎ
)
つて
居
(
を
)
るからであります。
184
要
(
かなめ
)
と
云
(
い
)
ふものは
中心
(
ちうしん
)
である。
185
いはゆる
神
(
かみ
)
であるからして
引
(
ひ
)
つくり
覆
(
かへ
)
らぬ。
186
又
(
また
)
おやまの
道中
(
だうちう
)
と
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
をやりますが
神楽
(
かぐら
)
が
出来
(
でき
)
て、
187
獅子舞
(
ししまひ
)
姿
(
すがた
)
でおやまの
道中
(
だうちう
)
をして
居
(
を
)
る
真似
(
まね
)
をする。
188
ちやうど
今日
(
こんにち
)
の
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
の
様
(
やう
)
に
男
(
をとこ
)
の
頭
(
あたま
)
の
上
(
うへ
)
に
女
(
をんな
)
が
上
(
あが
)
つて
居
(
を
)
るやうな
工合
(
ぐあひ
)
になつて
居
(
を
)
る。
189
それから
獅子
(
しし
)
の
後持
(
あともち
)
といふのがある。
190
さうしておやまの
道中
(
だうちう
)
には
傘
(
がさ
)
をさして
妙
(
めう
)
な
獅子舞
(
ししまひ
)
を
致
(
いた
)
しますが、
191
今日
(
こんにち
)
の
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
に
於
(
お
)
きましても
男
(
をとこ
)
が
下
(
した
)
になり
女
(
をんな
)
が
上
(
うへ
)
になつて
之
(
これ
)
を
使
(
つか
)
つてるのと
同
(
おな
)
じ
事
(
こと
)
でありますが、
192
またこの
獅子舞
(
ししまひ
)
は
達磨
(
だるま
)
大師
(
だいし
)
の
真似
(
まね
)
をして
見
(
み
)
せる。
193
足
(
あし
)
を
下
(
した
)
にして
大
(
だい
)
の
字
(
じ
)
になつたり、
194
逆様
(
さかさま
)
にひつくり
返
(
かへ
)
つたりして
見
(
み
)
せる。
195
上
(
うへ
)
になつたり
下
(
した
)
になつたりキリキリ
舞
(
まひ
)
をしてゐる。
196
後持
(
あともち
)
が
大
(
だい
)
の
字
(
じ
)
になつて
見
(
み
)
せたり
逆様
(
さかさま
)
になつて
見
(
み
)
せたりする。
197
上
(
うへ
)
のも
大
(
だい
)
の
字
(
じ
)
、
198
中
(
なか
)
のも
大
(
だい
)
の
字
(
じ
)
、
199
あとのも
大
(
だい
)
の
字
(
じ
)
逆様
(
さかさま
)
ぢやと
申
(
まを
)
して
一生
(
いつしやう
)
懸命
(
けんめい
)
やつてゐる。
200
一方
(
いつぱう
)
では
大神楽
(
だいかぐら
)
の
親父
(
おやぢ
)
と
云
(
い
)
ふのがあつて、
201
片方
(
かたはう
)
で
芸人
(
げいにん
)
の
真似
(
まね
)
をしては
邪魔
(
じやま
)
をしたり、
202
いらぬ
口
(
くち
)
を
叩
(
たた
)
いたりして、
203
頭
(
あたま
)
をポンと
敲
(
たた
)
かれたり、
204
突
(
つ
)
かれたりしてお
客
(
きやく
)
さまを
笑
(
わら
)
はせる。
205
笑
(
わら
)
はせる
丈
(
だけ
)
ならよいが
大変
(
たいへん
)
な
邪魔
(
じやま
)
をする。
206
この
親父
(
おやぢ
)
は
唖
(
おし
)
や
聾
(
つんぼ
)
の
真似
(
まね
)
をして
舞
(
まひ
)
もせずに
邪魔
(
じやま
)
をする。
207
今日
(
こんにち
)
の
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
にもかう
云
(
い
)
ふ
獅子舞
(
ししまひ
)
の
親父
(
おやぢ
)
がゐる。
208
元老
(
げんらう
)
とか
何
(
なん
)
とか
言
(
い
)
うて、
209
若
(
わか
)
い
屈強
(
くつきやう
)
盛
(
ざか
)
りの
者
(
もの
)
が
一生
(
いつしやう
)
懸命
(
けんめい
)
に
芸当
(
げいたう
)
をやつてゐる
所
(
ところ
)
へ
口嘴
(
くちばし
)
を
出
(
だ
)
したり、
210
邪魔
(
じやま
)
をしたりする、
211
時
(
とき
)
には
頭
(
あたま
)
をポンとやられる。
212
さうして
一番
(
いちばん
)
しまひに
弐
(
に
)
円
(
ゑん
)
なり
五
(
ご
)
円
(
ゑん
)
なりの
金
(
かね
)
をせしめる、
213
芸
(
げい
)
をすませて、
214
親父
(
おやぢ
)
はアバババと
言
(
い
)
うて
帰
(
かへ
)
つてしまふ。
215
このアバババは
言霊
(
ことたま
)
から
申
(
まを
)
しますと、
216
総
(
すべ
)
ての
物
(
もの
)
の
終
(
をは
)
り、
217
大船
(
おほふね
)
が
海上
(
かいじやう
)
で
沈没
(
ちんぼつ
)
をした
時
(
とき
)
や、
218
開
(
あ
)
いた
口
(
くち
)
が
閉
(
ふさ
)
がらぬ
様
(
やう
)
な
困
(
こま
)
つて
失望
(
しつばう
)
したとき、
219
どうもこうも
出来
(
でき
)
ぬやうな
苦境
(
くきやう
)
に
陥
(
おちい
)
つてしまつたと
云
(
い
)
ふ
時
(
とき
)
の
表示
(
へうじ
)
であります。
220
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
、
221
今日
(
こんにち
)
の
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
は
大神楽
(
だいかぐら
)
を
廻
(
まは
)
して
居
(
を
)
る
時
(
とき
)
であります。
222
神代
(
かみよ
)
の
岩戸
(
いはと
)
開
(
びら
)
きの
神楽
(
かぐら
)
と、
223
今日
(
こんにち
)
の
世
(
よ
)
の
神楽
(
かぐら
)
とは
余程
(
よほど
)
変
(
かは
)
つて
居
(
を
)
りますけれども、
224
その
大精神
(
だいせいしん
)
に
於
(
おい
)
ては
同一
(
どういつ
)
であります。
225
神楽舞
(
かぐらまひ
)
の
時
(
とき
)
に
囃子
(
はやし
)
が
太鼓
(
たいこ
)
を
打
(
う
)
つのは
大砲
(
たいはう
)
や
小銃弾
(
せうじうだん
)
や
爆裂弾
(
ばくれつだん
)
の
響
(
ひび
)
き
渡
(
わた
)
る
形容
(
けいよう
)
であり
笛
(
ふえ
)
を
吹
(
ふ
)
くのはラツパを
吹
(
ふ
)
き
立
(
た
)
てる
形容
(
けいよう
)
であり、
226
銅鉢
(
どうばち
)
を
左右
(
さいう
)
の
手
(
て
)
に
持
(
も
)
つてチヤンチヤン
鳴
(
な
)
らし
立
(
た
)
てるのは、
227
世界
(
せかい
)
が
両方
(
りやうはう
)
に
別
(
わか
)
れて
互
(
たがひ
)
に
打合
(
うちあ
)
ふといふ
事
(
こと
)
の
暗示
(
あんじ
)
であります。
228
そこで、
229
『
天
(
あめ
)
の
宇受売
(
うづめの
)
命
(
みこと
)
、
230
天
(
あま
)
の
香山
(
かぐやま
)
の
天
(
あま
)
の
蘿
(
ひかげ
)
を、
231
手次
(
たすき
)
に
繋
(
か
)
けて、
232
天
(
あめ
)
の
真析
(
まさき
)
を
鬘
(
かづら
)
として、
233
天
(
あま
)
の
香山
(
かぐやま
)
の
小竹葉
(
ささば
)
を
手草
(
たぐさ
)
に
結
(
ゆ
)
ひて、
234
天
(
あま
)
の
岩屋戸
(
いはやど
)
に
空槽伏
(
うけふ
)
せて』
235
いろいろの
葉
(
は
)
を
頭
(
あたま
)
につけたり、
236
葛
(
かづら
)
を
襷
(
たすき
)
にかけたりして、
237
岩屋戸
(
いはやど
)
の
前
(
まへ
)
へ
行
(
い
)
つて、
238
起
(
お
)
きたり
逆様
(
さかさま
)
になつたり、
239
足拍子
(
あしびやうし
)
を
取
(
と
)
つてどんどんどんどんやつた。
240
『
踏
(
ふ
)
み
動響
(
とどろか
)
し、
241
神懸
(
かむがかり
)
して、
242
胸乳
(
むなちち
)
を
掻
(
か
)
き
出
(
い
)
で、
243
裳紐
(
もひも
)
を
陰上
(
ほと
)
に
押
(
お
)
し
垂
(
た
)
れき』
244
岩屋戸
(
いはやど
)
を
開
(
ひら
)
く
為
(
ため
)
に、
245
宇受売
(
うづめ
)
の
命
(
みこと
)
が
起
(
お
)
きたり、
246
逆様
(
さかさま
)
になつたり、
247
一生
(
いつしやう
)
懸命
(
けんめい
)
に
神懸
(
かむがか
)
りをやつた。
248
神懸
(
かむがか
)
りに
就
(
つ
)
いてはここには
省略
(
しやうりやく
)
する。
249
これはその
人
(
ひと
)
一人
(
ひとり
)
の
事
(
こと
)
ではありませぬ。
250
宇受売
(
うづめ
)
と
云
(
い
)
ふのは、
251
女
(
をんな
)
の
事
(
こと
)
を
申
(
まを
)
しますが、
252
俗
(
ぞく
)
に
男女
(
をとこをんな
)
と
言
(
い
)
はれる
女
(
をんな
)
であつて、
253
男
(
をとこ
)
のやうな
強
(
つよ
)
い
人
(
ひと
)
をオスメまたはオスシと
言
(
い
)
ひます。
254
これは
宇受売
(
うづめ
)
から
初
(
はじ
)
まつたのである。
255
女
(
をんな
)
は
女
(
をんな
)
らしくしなければならないので
御座
(
ござ
)
いますけれども、
256
然
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら、
257
天
(
あま
)
の
岩屋戸
(
いはやど
)
の
閉
(
しま
)
つたと
言
(
い
)
ふ
様
(
やう
)
な
国
(
くに
)
の
大事
(
だいじ
)
の
際
(
さい
)
には、
258
女
(
をんな
)
だとて
女
(
をんな
)
らしくして
居
(
ゐ
)
られない
場合
(
ばあひ
)
があります。
259
男
(
をとこ
)
も
女
(
をんな
)
も
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
がなされました
様
(
やう
)
に
一生
(
いつしやう
)
懸命
(
けんめい
)
になつて
国事
(
こくじ
)
に
奔走
(
ほんそう
)
せなければならぬ。
260
総
(
すべ
)
て
女
(
をんな
)
と
云
(
い
)
ふ
者
(
もの
)
は
人
(
ひと
)
の
心
(
こころ
)
を
柔
(
やはら
)
げる
所
(
ところ
)
の
天職
(
てんしよく
)
を
有
(
も
)
つて
居
(
を
)
ります。
261
今
(
いま
)
誰
(
たれ
)
も
彼
(
かれ
)
も、
262
皆
(
みな
)
の
者
(
もの
)
が
岩戸
(
いはと
)
開
(
びら
)
きの
為
(
ため
)
に
心配
(
しんぱい
)
をしてゐる。
263
顔
(
かほ
)
をしかめて
考
(
かんが
)
へ
込
(
こ
)
んでゐるその
際
(
さい
)
に、
264
宇受売
(
うづめの
)
命
(
みこと
)
、
265
すなはち
男勝
(
をとこまさ
)
りの
女
(
をんな
)
が
出
(
で
)
て
来
(
き
)
て、
266
とんだり、
267
跳
(
は
)
ねたり、
268
腹匐
(
はらば
)
うたり、
269
面白
(
おもしろ
)
い
事
(
こと
)
をして
見
(
み
)
せたり、
270
いはゆる
国家
(
こくか
)
的
(
てき
)
大活動
(
だいくわつどう
)
をした
為
(
ため
)
に、
271
『かれ
高天原
(
たかあまはら
)
、
272
動
(
ゆす
)
りて
八百万
(
やほよろづ
)
の
神
(
かみ
)
、
273
共
(
とも
)
に
咲
(
わら
)
ひき』
274
一度
(
いちど
)
にどつと
笑
(
わら
)
つた。
275
非常
(
ひじやう
)
に
元気
(
げんき
)
づいて
国家
(
こくか
)
の
一大
(
いちだい
)
難局
(
なんきよく
)
を
談笑
(
だんせう
)
快楽
(
くわいらく
)
の
中
(
うち
)
に
治
(
をさ
)
めて
了
(
しま
)
つたのであります。
276
現代
(
げんだい
)
に
於
(
おい
)
ても
女
(
をんな
)
の
方
(
かた
)
も
活動
(
くわつどう
)
して
下
(
くだ
)
されまして
岩屋戸
(
いはやど
)
の
開
(
ひら
)
く
様
(
やう
)
にせなければならぬと
存
(
ぞん
)
じます。
277
昔
(
むかし
)
もさうでありました。
278
『ここに、
279
天照
(
あまてらす
)
大御神
(
おほみかみ
)
、
280
怪
(
あや
)
しと
思
(
おも
)
ほして、
281
天
(
あま
)
の
岩屋戸
(
いはやど
)
を
細目
(
ほそめ
)
に
開
(
ひら
)
きて、
282
内
(
うち
)
より
告
(
の
)
り
給
(
たま
)
へるは』
283
岩屋戸
(
いはやど
)
に
隠
(
かく
)
れてゐられました
大神
(
おほかみ
)
様
(
さま
)
は、
284
今
(
いま
)
私
(
わたくし
)
は
岩屋戸
(
いはやど
)
に
隠
(
かく
)
れて
了
(
しま
)
つた
以上
(
いじやう
)
は、
285
葦原
(
あしはら
)
の
中
(
なか
)
つ
国
(
くに
)
も、
286
天地
(
てんち
)
も
共
(
とも
)
に
真闇
(
まつくら
)
になつて、
287
さぞ
神々
(
かみがみ
)
は
困
(
こま
)
つてゐるであらう、
288
と
思
(
おも
)
ふに
何故
(
なにゆゑ
)
か
岩屋戸
(
いはやど
)
の
外
(
そと
)
で、
289
太鼓
(
たいこ
)
を
打
(
う
)
つ、
290
鐘
(
かね
)
を
叩
(
たた
)
く、
291
笛
(
ふえ
)
を
吹
(
ふ
)
く、
292
どんどん
足拍子
(
あしびやうし
)
がする、
293
宇受売
(
うづめ
)
の
命
(
みこと
)
が
嬉
(
うれ
)
しさうに
噪
(
さわ
)
ぐ、
294
八百万
(
やほよろづ
)
の
神
(
かみ
)
たちが
一緒
(
いつしよ
)
になつてどつと
笑
(
わら
)
ひ
楽
(
あそ
)
ぶ。
295
余
(
あま
)
り
不思議
(
ふしぎ
)
に
思
(
おも
)
はれて
中
(
なか
)
から
仰
(
あふ
)
せになつた。
296
『
吾
(
あ
)
が
隠
(
かく
)
れますに
因
(
よ
)
りて、
297
天
(
あま
)
の
原
(
はら
)
自
(
おのづか
)
ら
闇
(
くら
)
く、
298
葦原
(
あしはら
)
の
中津国
(
なかつくに
)
も
皆
(
みな
)
闇
(
くら
)
けむと
思
(
おも
)
ふを、
299
何故
(
などて
)
天
(
あめの
)
宇受売
(
うづめ
)
は
楽
(
あそ
)
びし、
300
亦
(
また
)
八百万
(
やほよろづ
)
の
神
(
かみ
)
、
301
諸々
(
もろもろ
)
笑
(
わら
)
ふぞ』
302
何故
(
なにゆゑ
)
そんなにをかしいか。
303
すると
天
(
あめの
)
宇受売
(
うづめの
)
命
(
みこと
)
が、
304
『
汝
(
な
)
が
命
(
みこと
)
に
益
(
まさ
)
りて、
305
貴
(
たつと
)
き
神
(
かみ
)
坐
(
いま
)
すが
故
(
ゆゑ
)
に、
306
歓咲
(
ゑら
)
ぎ
楽
(
あそ
)
ぶと
申
(
まを
)
しき』
307
何
(
なん
)
でもその
国
(
くに
)
に
大国難
(
だいこくなん
)
が
出来
(
でき
)
たときは
皆
(
み
)
なの
顔色
(
がんしよく
)
は
変
(
かは
)
るものである。
308
お
筆先
(
ふでさき
)
にも『
信仰
(
しんかう
)
がないと
正勝
(
まさか
)
のときには
大方
(
おほかた
)
顔色
(
かほいろ
)
が
土
(
つち
)
のやうになるぞよ』とあります。
309
信仰
(
しんかう
)
が
出来
(
でき
)
て
神諭
(
しんゆ
)
の
精神
(
せいしん
)
が
解
(
わか
)
り
神
(
かみ
)
の
御心
(
みこころ
)
に
叶
(
かな
)
へばやれ
来
(
き
)
たそれ
来
(
き
)
たと、
310
勇
(
いさ
)
むで
大国難
(
だいこくなん
)
を
談笑
(
だんせう
)
遊楽
(
いうらく
)
の
間
(
あひだ
)
に
処理
(
しより
)
する
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
るのである。
311
私
(
わたくし
)
は
永年間
(
ながねんかん
)
御
(
ご
)
神諭
(
しんゆ
)
を
拝
(
はい
)
し、
312
かつ
御
(
ご
)
神意
(
しんい
)
を
少
(
すこ
)
し
許
(
ばか
)
り
了解
(
れうかい
)
さして
頂
(
いただ
)
いただけでも、
313
心中
(
しんちう
)
平素
(
へいそ
)
に
安
(
やす
)
く
楽
(
たの
)
しき
思
(
おも
)
ひに
充
(
み
)
ち、
314
如何
(
いか
)
なる
難事
(
なんじ
)
に
出会
(
しゆつくわい
)
しても
左迄
(
さまで
)
難事
(
なんじ
)
とも
思
(
おも
)
はず、
315
何事
(
なにごと
)
も
神
(
かみ
)
の
思召
(
おぼしめし
)
と
信
(
しん
)
じて、
316
人力
(
じんりよく
)
のあらむ
限
(
かぎ
)
りを
安々
(
やすやす
)
と
尽
(
つく
)
さして
頂
(
いただ
)
いて
居
(
を
)
ります。
317
凡
(
すべ
)
て
事業
(
じげふ
)
は
大事業
(
だいじげふ
)
だとか、
318
大難事
(
だいなんじ
)
だとか
思
(
おも
)
ふやうでは、
319
回天
(
くわいてん
)
の
神業
(
しんげふ
)
は
勤
(
つと
)
まらない。
320
三千
(
さんぜん
)
世界
(
せかい
)
の
立替
(
たてかへ
)
立直
(
たてなほ
)
しに
対
(
たい
)
しても
夫
(
そ
)
れが
完成
(
くわんせい
)
は
浄瑠璃
(
じやうるり
)
一切
(
ひとき
)
り
稽古
(
けいこ
)
する
位
(
くらゐ
)
により
思
(
おも
)
つて
居
(
を
)
らないのですから、
321
実
(
じつ
)
に
平気
(
へいき
)
の
平左
(
へいざ
)
で
日夜
(
にちや
)
神業
(
しんげふ
)
に
面白
(
おもしろ
)
く
楽
(
たの
)
しく
奉仕
(
ほうし
)
して
居
(
を
)
ります。
322
然
(
さ
)
う
云
(
い
)
ふ
工合
(
ぐあひ
)
に、
323
総
(
すべ
)
ての
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
が
信仰
(
しんかう
)
の
下
(
もと
)
に、
324
喜
(
よろこ
)
び
勇
(
いさ
)
んで
元気
(
げんき
)
よく
活動
(
くわつどう
)
されたのであります。
325
それで
何故
(
なにゆゑ
)
、
326
諸々
(
もろもろ
)
笑
(
わら
)
ふぞとお
尋
(
たづ
)
ねになつた。
327
そこで、
328
あなたに
優
(
まさ
)
つた
偉
(
えら
)
い
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
がおいでになつたから
喜
(
よろこ
)
び
勇
(
いさ
)
んで
居
(
を
)
りますと
答
(
こた
)
へられた。
329
すでにその
前
(
まへ
)
に
天
(
あめ
)
の
児屋根
(
こやねの
)
命
(
みこと
)
、
330
これは
祭祀
(
さいし
)
のことを
掌
(
つかさど
)
つた
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
、
331
後
(
のち
)
には
中臣
(
なかとみ
)
となつて
国政
(
こくせい
)
を
料理
(
れうり
)
した
藤原家
(
ふぢはらけ
)
の
先祖
(
せんぞ
)
であります。
332
この
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
がその
時
(
とき
)
天神
(
てんしん
)
地祇
(
ちぎ
)
にお
供
(
そな
)
へをしたり、
333
太玉
(
ふとたまの
)
命
(
みこと
)
が
太玉串
(
ふとたまぐし
)
を
奉
(
たてまつ
)
つて
神勅
(
しんちよく
)
を
受
(
う
)
け、
334
一方
(
いつぱう
)
占
(
うらなひ
)
の
道
(
みち
)
によつて、
335
万事
(
ばんじ
)
万端
(
ばんたん
)
、
336
ちやんと
手筈
(
てはづ
)
が
整
(
ととの
)
つてあつたので
御座
(
ござ
)
います。
337
所
(
ところ
)
へ
案
(
あん
)
の
如
(
ごと
)
く
天照
(
あまてらす
)
大御神
(
おほみかみ
)
様
(
さま
)
は、
338
『
愈
(
いよいよ
)
奇
(
あや
)
しと
思
(
おも
)
ほして』
339
そつと
細目
(
ほそめ
)
に
戸
(
と
)
をお
開
(
あ
)
けになつた。
340
するとそれがパツと
鏡
(
かがみ
)
に
映
(
うつ
)
つたので、
341
『
天
(
あめ
)
の
手力男
(
たぢからをの
)
神
(
かみ
)
、
342
其
(
その
)
手
(
て
)
を
取
(
と
)
りて
引
(
ひ
)
き
出
(
だ
)
しまつりき』
343
其
(
その
)
間
(
あひだ
)
に
布刀玉
(
ふとたまの
)
命
(
みこと
)
が
注連縄
(
しめなは
)
をその
後
(
あと
)
に
引
(
ひ
)
き
渡
(
わた
)
して、
344
此処
(
ここ
)
より
中
(
うち
)
にはもうお
入
(
はい
)
り
下
(
くだ
)
さいますなと
申
(
まを
)
した。
345
これで
天地
(
てんち
)
は
照明
(
せうめい
)
になつた。
346
この
鏡
(
かがみ
)
に
天照
(
あまてらす
)
大御神
(
おほみかみ
)
の
御姿
(
みすがた
)
が
映
(
うつ
)
つたとありますのは、
347
つまりは
言霊
(
げんれい
)
で
御座
(
ござ
)
います。
348
八咫
(
やあた
)
の
鏡
(
かがみ
)
は
今
(
いま
)
は
器物
(
きぶつ
)
にして
祀
(
まつ
)
られて
天照
(
あまてらす
)
大御神
(
おほみかみ
)
の
御
(
ご
)
神体
(
しんたい
)
でありますが、
349
太古
(
たいこ
)
は
七十五
(
しちじふご
)
声
(
せい
)
の
言霊
(
ことたま
)
であります。
350
各々
(
めいめい
)
に
七十五
(
しちじふご
)
声
(
せい
)
を
揃
(
そろ
)
へて
来
(
き
)
た。
351
すなはち
八百万
(
やほよろづ
)
の
誠
(
まこと
)
の
神
(
かみ
)
たちがよつて
来
(
き
)
て
言霊
(
ことたま
)
を
上
(
あ
)
げたから
岩屋戸
(
いはやど
)
が
開
(
あ
)
いたのであります。
352
天津
(
あまつ
)
神
(
かみ
)
の
霊
(
れい
)
をこめたる
言霊
(
ことたま
)
によつて
再
(
ふたた
)
び
天上
(
てんじやう
)
天下
(
てんか
)
が
明
(
あきら
)
かになつたのであります。
353
決
(
けつ
)
して
鏡
(
かがみ
)
に
映
(
うつ
)
つたから
自分
(
じぶん
)
でのこのこ
御
(
お
)
出
(
で
)
ましになつたと
言
(
い
)
ふやうな
訳
(
わけ
)
ではありませぬ。
354
つまり
献饌
(
けんせん
)
し
祝詞
(
のりと
)
を
上
(
あ
)
げて
鎮魂
(
ちんこん
)
帰神
(
きしん
)
の
霊法
(
れいはふ
)
に
合致
(
がつち
)
して、
355
一
(
ひと
)
つの
大
(
おほ
)
きな
言霊
(
ことたま
)
と
為
(
な
)
して
天照
(
あまてらす
)
大御神
(
おほみかみ
)
を、
356
見事
(
みごと
)
言霊
(
ことたま
)
にお
寄
(
よ
)
せになつたのであります。
357
それから
注連縄
(
しめなは
)
、
358
これは
七五三
(
しめなは
)
と
書
(
か
)
きます。
359
その
通
(
とほ
)
り、
360
この
言霊
(
ことたま
)
と
云
(
い
)
ふものは
総
(
すべ
)
て
七五三
(
しちごさん
)
の
波
(
なみ
)
を
打
(
う
)
つて
行
(
ゆ
)
くものであります。
361
さうして
注連縄
(
しめなは
)
を
引
(
ひ
)
き
渡
(
わた
)
してもう
一辺
(
いつぺん
)
岩屋戸
(
いはやど
)
が
開
(
ひら
)
いた
以上
(
いじやう
)
は、
362
再
(
ふたた
)
び
此
(
これ
)
が
閉
(
ふさ
)
がらぬやうにと
申上
(
まをしあ
)
げた。
363
『かれ、
364
天照
(
あまてらす
)
大御神
(
おほみかみ
)
、
365
出
(
い
)
で
坐
(
ま
)
せる
時
(
とき
)
に、
366
高天原
(
たかあまはら
)
も
葦原
(
あしはら
)
の
中津国
(
なかつくに
)
も
自
(
おのづか
)
ら
照
(
て
)
り
明
(
あか
)
りき』
367
言霊
(
ことたま
)
の
鏡
(
かがみ
)
に
天照
(
あまてらす
)
大御神
(
おほみかみ
)
の
御
(
お
)
姿
(
すがた
)
が
映
(
うつ
)
つて、
368
総
(
すべ
)
ての
災禍
(
さいくわ
)
はなくなり、
369
愈
(
いよいよ
)
本当
(
ほんたう
)
のみろくの
世
(
よ
)
に
岩屋戸
(
いはやど
)
が
開
(
あ
)
いたのであります。
370
そこで
岩屋戸
(
いはやど
)
開
(
びら
)
きが
立派
(
りつぱ
)
に
終
(
をは
)
つて、
371
天地
(
てんち
)
照明
(
せうめい
)
、
372
万神
(
ばんしん
)
自
(
おのづか
)
ら
楽
(
たの
)
しむやうになつたけれども、
373
今度
(
こんど
)
は
岩屋戸
(
いはやど
)
を
閉
(
し
)
めさせた
発頭人
(
ほつとうにん
)
をどうかしなければならぬ。
374
天
(
てん
)
は
賞罰
(
しやうばつ
)
を
明
(
あきら
)
かにすとは
此処
(
ここ
)
で
御座
(
ござ
)
います。
375
が
岩屋戸
(
いはやど
)
を
閉
(
し
)
めたものは
三
(
さん
)
人
(
にん
)
や
五
(
ご
)
人
(
にん
)
ではない、
376
殆
(
ほとん
)
ど
世界
(
せかい
)
全体
(
ぜんたい
)
の
神々
(
かみがみ
)
が
閉
(
し
)
めるやうにしたのである。
377
で
岩屋戸
(
いはやど
)
が
開
(
ひら
)
いたときに、
378
之
(
これ
)
を
罰
(
ばつ
)
しないでは
神
(
かみ
)
の
法
(
ほふ
)
に
逆
(
さか
)
らふのである。
379
併
(
しか
)
し
罪
(
つみ
)
するとすれば
総
(
すべ
)
ての
者
(
もの
)
を
罪
(
つみ
)
しなければならぬ。
380
総
(
すべ
)
てのものを
罰
(
ばつ
)
するとすれば、
381
世界
(
せかい
)
は
潰
(
つぶ
)
れて
了
(
しま
)
ふ。
382
そこで
一
(
ひと
)
つの
贖罪者
(
とくざいしや
)
を
立
(
た
)
てねばならぬ。
383
総
(
すべ
)
てのものの
発頭人
(
ほつとうにん
)
である、
384
贖主
(
あがなひぬし
)
である。
385
仏教
(
ぶつけう
)
でも
基督教
(
キリストけう
)
でも
斯
(
か
)
う
云
(
い
)
ふので
御座
(
ござ
)
いますが、
386
とにかく
他
(
た
)
の
総
(
すべ
)
ての
罪
(
つみ
)
ある
神
(
かみ
)
は
自分
(
じぶん
)
等
(
ら
)
の
不善
(
ふぜん
)
なりし
行動
(
かうどう
)
を
顧
(
かへり
)
みず、
387
勿体
(
もつたい
)
なくも
大神
(
おほかみ
)
の
珍
(
うづ
)
の
御子
(
みこ
)
なる
建速
(
たけはや
)
須佐之男
(
すさのをの
)
命
(
みこと
)
御
(
お
)
一柱
(
ひとはしら
)
に
罪
(
つみ
)
を
負
(
お
)
はして、
388
鬚
(
ひげ
)
を
斬
(
き
)
り、
389
手足
(
てあし
)
の
爪
(
つめ
)
をも
抜
(
ぬ
)
き
取
(
と
)
りて
根
(
ね
)
の
堅洲国
(
かたすのくに
)
へ
追
(
お
)
ひ
退
(
の
)
けたのであります。
390
要
(
えう
)
するに
大本
(
おほもと
)
の
教
(
をしへ
)
は
変性
(
へんじやう
)
男子
(
なんし
)
と
変性
(
へんじやう
)
女子
(
によし
)
との
徳
(
とく
)
を
説
(
と
)
くのであります。
391
変性
(
へんじやう
)
男子
(
なんし
)
の
役目
(
やくめ
)
と
云
(
い
)
ふものは
総
(
すべ
)
て
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
が
治
(
をさ
)
まつたならば
余
(
あま
)
り
六ケ敷
(
むつかし
)
い
用
(
よう
)
は
無
(
な
)
い、
392
統治
(
とうぢ
)
さへ
遊
(
あそ
)
ばしたら
良
(
よ
)
いのであります。
393
之
(
これ
)
に
反
(
はん
)
して
変性
(
へんじやう
)
女子
(
によし
)
の
役
(
やく
)
はこの
世
(
よ
)
の
続
(
つづ
)
く
限
(
かぎ
)
り
罪人
(
ざいにん
)
の
為
(
た
)
めに
何処
(
どこ
)
までも
犠牲
(
ぎせい
)
になる
所
(
ところ
)
の
役
(
やく
)
をせねばならぬので
御座
(
ござ
)
います。
394
岩屋戸
(
いはやど
)
開
(
びら
)
きに
就
(
つい
)
てはこれからさきに
申
(
まを
)
し
上
(
あ
)
げますと
尚
(
なほ
)
いろいろのことがありますけれども、
395
今日
(
けふ
)
はまづ
岩屋戸
(
いはやど
)
が
開
(
ひら
)
いて
結末
(
けつまつ
)
がついた
所
(
ところ
)
まで
申上
(
まをしあ
)
げておきます。
396
(
大正九・一〇・一五
講演筆録)
397
(
大正一一・三・七
旧二・九
再録 高熊山御入山二十五年記念日
松村真澄 谷村真友
録)
398
(昭和九・一二・九 王仁校正)
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