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霊界物語
霊主体従(第1~12巻)
第12巻(亥の巻)
序文
凡例
総説歌
第1篇 天岩戸開(一)
第1章 正神邪霊
第2章 直会宴
第3章 蚊取別
第4章 初蚊斧
第5章 初貫徹
第6章 招待
第7章 覚醒
第2篇 天岩戸開(二)
第8章 思出の歌
第9章 正夢
第10章 深夜の琴
第11章 十二支
第12章 化身
第13章 秋月滝
第14章 大蛇ケ原
第15章 宣直し
第16章 国武丸
第3篇 天岩戸開(三)
第17章 雲の戸開
第18章 水牛
第19章 呉の海原
第20章 救ひ舟
第21章 立花島
第22章 一島攻撃
第23章 短兵急
第24章 言霊の徳
第25章 琴平丸
第26章 秋月皎々
第27章 航空船
第4篇 古事記略解
第28章 三柱の貴子
第29章 子生の誓
第30章 天の岩戸
余白歌
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霊界物語
>
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第12巻(亥の巻)
> 第1篇 天岩戸開(一) > 第6章 招待
<<< 初貫徹
(B)
(N)
覚醒 >>>
第六章
招待
(
せうたい
)
〔五〇二〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第12巻 霊主体従 亥の巻
篇:
第1篇 天岩戸開(一)
よみ(新仮名遣い):
あまのいわとびらき(一)
章:
第6章 招待
よみ(新仮名遣い):
しょうたい
通し章番号:
502
口述日:
1922(大正11)年03月06日(旧02月08日)
口述場所:
筆録者:
加藤明子
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1922(大正11)年9月30日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
宣伝使一行は、酋長・夏山彦の饗応を受けた。
蚊取別が滑稽な宣伝歌を歌って場をにぎわす。後からその場にやってきた初公も、自分の改心を読み込んだ宣伝歌を歌う。その様子のおかしさに、一同は笑い転げた。
一行は夏山彦に別れを告げて、白瀬川の悪魔を言向け和しに出立した。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2020-11-13 17:17:50
OBC :
rm1206
愛善世界社版:
48頁
八幡書店版:
第2輯 643頁
修補版:
校定版:
50頁
普及版:
20頁
初版:
ページ備考:
001
四
(
よ
)
人
(
にん
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
は
夏山彦
(
なつやまひこ
)
の
案内
(
あんない
)
に
連
(
つ
)
れ
奥
(
おく
)
の
間
(
ま
)
に
請
(
せう
)
ぜられ、
002
間
(
ま
)
もなく
鄭重
(
ていちよう
)
なる
馳走
(
ちそう
)
は
運
(
はこ
)
ばれた。
003
夏山彦
(
なつやまひこ
)
は
恭
(
うやうや
)
しく
一同
(
いちどう
)
の
前
(
まへ
)
に
現
(
あら
)
はれ
来
(
き
)
たり、
004
夏山彦
『
貴方
(
あなた
)
がたは
我
(
わ
)
が
信
(
しん
)
ずる
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
様
(
さま
)
、
005
かかる
見苦
(
みぐる
)
しき
荒家
(
あばらや
)
を、
006
よくもお
訪
(
たづ
)
ね
下
(
くだ
)
さいました。
007
何卒
(
なにとぞ
)
ゆつくりと
御飯
(
ごはん
)
を
召
(
め
)
し
上
(
あが
)
つて、
008
お
話
(
はなし
)
を
聞
(
き
)
かして
下
(
くだ
)
さいませ』
009
蚊取別
(
かとりわけ
)
『ヤアこれはこれは、
010
思
(
おも
)
ひがけなき
御
(
ご
)
馳走
(
ちそう
)
、
011
恐
(
おそ
)
れ
入
(
い
)
つてござる。
012
その
恐
(
おそ
)
れ
入
(
い
)
つた
序
(
ついで
)
には
昨夜
(
さくや
)
の
国魂
(
くにたま
)
の
森
(
もり
)
の
騒動
(
さうだう
)
、
013
貴方
(
あなた
)
も
随分
(
ずゐぶん
)
恐
(
おそ
)
れ
入
(
い
)
つたやうな
為体
(
ていたらく
)
で
尻
(
しり
)
に
帆
(
ほ
)
をかけ、
014
サツサと
四十八
(
しじふはつ
)
手
(
て
)
の
奥
(
おく
)
の
手
(
て
)
を
出
(
だ
)
してお
帰
(
かへ
)
りになりましたな。
015
ああいふ
乱暴
(
らんばう
)
な
酒
(
さけ
)
の
酔
(
ゑひ
)
を
相手
(
あひて
)
にしても
結
(
つま
)
りませぬ。
016
サツサと
逃
(
に
)
げるが
一番
(
いちばん
)
賢
(
かしこ
)
いやり
方
(
かた
)
「
負
(
まけ
)
てのく
人
(
ひと
)
を
弱
(
よわ
)
しと
思
(
おも
)
ふなよ、
017
智慧
(
ちゑ
)
の
力
(
ちから
)
の
強
(
つよ
)
ければなり」だ。
018
アハヽヽヽヽ』
019
夏山彦
(
なつやまひこ
)
『
昨夜
(
さくや
)
は
町内
(
ちやうない
)
の
者
(
もの
)
が、
020
あまり
御
(
ご
)
陽気
(
やうき
)
が
悪
(
わる
)
いので、
021
難儀
(
なんぎ
)
を
致
(
いた
)
して
居
(
を
)
りますので、
022
これは
何
(
なに
)
かお
天道
(
てんだう
)
様
(
さま
)
のお
叱
(
しか
)
りを
受
(
う
)
けて
居
(
ゐ
)
るのであらうと
思
(
おも
)
ひ、
023
お
神酒
(
みき
)
に
事
(
こと
)
寄
(
よ
)
せて、
024
国魂
(
くにたま
)
の
宮様
(
みやさま
)
にお
参
(
まゐ
)
りをさし、
025
少
(
すこ
)
しでも
敬神
(
けいしん
)
の
念
(
ねん
)
を
起
(
おこ
)
させようと
思
(
おも
)
つて
俄
(
にはか
)
に
布令
(
ふれい
)
を
廻
(
まは
)
し、
026
この
町
(
まち
)
の
富豪
(
ふがう
)
春公
(
はるこう
)
と
云
(
い
)
ふ
男
(
をとこ
)
に
酒
(
さけ
)
を
献納
(
けんなふ
)
させて
祭典
(
さいてん
)
を
営
(
いとな
)
みました。
027
今
(
いま
)
の
人間
(
にんげん
)
は
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
に
参
(
まゐ
)
れと
云
(
い
)
うたところが、
028
参
(
まゐ
)
るものは
一人
(
ひとり
)
もありませぬ。
029
酒
(
さけ
)
が
呑
(
の
)
まれると
云
(
い
)
ふので
皆
(
みな
)
やつて
来
(
き
)
たのですよ。
030
本当
(
ほんたう
)
に
困
(
こま
)
つたものです。
031
皆
(
みな
)
八岐
(
やまた
)
の
大蛇
(
をろち
)
とか、
032
金毛
(
きんまう
)
九尾
(
きうび
)
の
狐
(
きつね
)
とかの
悪神
(
あくがみ
)
の
捕虜
(
とりこ
)
となつて
仕舞
(
しま
)
つて
居
(
を
)
るのですから、
033
始末
(
しまつ
)
に
了
(
を
)
へないのです。
034
酒
(
さけ
)
を
飲
(
の
)
めば
管
(
くだ
)
を
巻
(
ま
)
く
熱
(
ねつ
)
を
吹
(
ふ
)
く、
035
怒
(
おこ
)
る、
036
暴
(
あば
)
れる、
037
喧嘩
(
けんくわ
)
をする、
038
いやもう
酋長
(
しうちやう
)
の
役
(
やく
)
も
骨
(
ほね
)
の
折
(
を
)
れたものです』
039
高光彦
(
たかてるひこ
)
『これだけ
悪魔
(
あくま
)
の
蔓
(
はびこ
)
る
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
にもかかはらず、
040
酋長
(
しうちやう
)
の
貴方
(
あなた
)
が
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
を
信仰
(
しんかう
)
されると
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
を
聞
(
き
)
きまして
余程
(
よほど
)
我々
(
われわれ
)
も
心強
(
こころづよ
)
くなりました。
041
こんな
常闇
(
とこやみ
)
の
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
になつて
来
(
き
)
たら
到底
(
たうてい
)
人間
(
にんげん
)
の
力
(
ちから
)
でどうする
事
(
こと
)
も
出来
(
でき
)
ませぬ。
042
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
のお
力
(
ちから
)
を
借
(
か
)
りるより
道
(
みち
)
はありますまい』
043
夏山彦
(
なつやまひこ
)
『
仰
(
あふ
)
せの
通
(
とほ
)
りです。
044
しかし
困
(
こま
)
つた
事
(
こと
)
には
筑紫
(
つくし
)
の
島
(
しま
)
の
豊
(
とよ
)
の
国
(
くに
)
を
流
(
なが
)
れる
白瀬川
(
しらせがは
)
の
六
(
む
)
つの
滝
(
たき
)
に
大変
(
たいへん
)
な
悪魔
(
あくま
)
が
現
(
あら
)
はれて、
045
其処
(
そこ
)
から
黒雲
(
くろくも
)
を
起
(
おこ
)
し
妖気
(
えうき
)
を
立
(
た
)
て、
046
数多
(
あまた
)
の
人民
(
じんみん
)
を
苦
(
くる
)
しめます。
047
どうかして
之
(
これ
)
を
言向
(
ことむ
)
け
和
(
やは
)
したいものですが、
048
我々
(
われわれ
)
の
力
(
ちから
)
には
到底
(
たうてい
)
およばないと
断念
(
だんねん
)
して、
049
一
(
いち
)
日
(
にち
)
も
早
(
はや
)
く
神力
(
しんりき
)
の
強
(
つよ
)
い
宣伝使
(
せんでんし
)
がお
出
(
いで
)
になつて
言向
(
ことむ
)
け
和
(
やは
)
して
下
(
くだ
)
さるやうと、
050
朝
(
あさ
)
な
夕
(
ゆふ
)
な
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
に
祈
(
いの
)
つて
居
(
ゐ
)
ました。
051
その
甲斐
(
かひ
)
あつて
今日
(
けふ
)
は
結構
(
けつこう
)
な
宣伝使
(
せんでんし
)
が、
052
しかも
四
(
よ
)
人
(
にん
)
連
(
づ
)
れ、
053
この
荒家
(
あばらや
)
にお
越
(
こ
)
し
下
(
くだ
)
さつたのは、
054
全
(
まつた
)
く
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
尊
(
たふと
)
き
御
(
お
)
恵
(
めぐ
)
み』
055
と
言
(
い
)
ひながら
落涙
(
らくるゐ
)
に
咽
(
むせ
)
ぶ。
056
高光彦
(
たかてるひこ
)
『ともかく
悪魔
(
あくま
)
退治
(
たいぢ
)
の
前祝
(
まへいは
)
ひとして
一同
(
いちどう
)
打
(
う
)
ち
揃
(
そろ
)
うて
宣伝歌
(
せんでんか
)
を
歌
(
うた
)
ひませう。
057
サアサア
蚊取別
(
かとりわけ
)
さま
貴方
(
あなた
)
から
歌
(
うた
)
つて
下
(
くだ
)
さい』
058
蚊取別
(
かとりわけ
)
『よろしい、
059
あまり
私
(
わたくし
)
の
声
(
こゑ
)
は
聞
(
きこ
)
え
過
(
すぎ
)
るので
悪魔
(
あくま
)
が
滝
(
たき
)
から
逃
(
に
)
げると
困
(
こま
)
るから、
060
まづ
三等
(
さんとう
)
位
(
くらゐ
)
な
声
(
こゑ
)
を
出
(
だ
)
して
歌
(
うた
)
つて
見
(
み
)
ませう。
061
貴方
(
あなた
)
がたは
本当
(
ほんたう
)
の
私
(
わたくし
)
の
言霊
(
ことたま
)
を
聞
(
き
)
いた
事
(
こと
)
はありますまいが、
062
上中下
(
じやうちうげ
)
三段
(
さんだん
)
の
言霊
(
ことたま
)
の
遣
(
つか
)
ひ
分
(
わ
)
け、
063
マア
一番
(
いちばん
)
お
安価
(
やすい
)
ところで
願
(
ねが
)
ひませうかい。
064
アハヽヽヽヽ』
065
と
一人
(
ひとり
)
笑
(
わら
)
ひながら
元気
(
げんき
)
よく
立
(
た
)
ち
上
(
あが
)
り、
066
少
(
すこ
)
し
低
(
ひく
)
い
声
(
こゑ
)
で、
067
蚊取別
『
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
068
高光
(
たかてる
)
、
玉光
(
たまてる
)
、
国光
(
くにてる
)
の
069
神
(
かみ
)
の
司
(
つかさ
)
や
蚊取別
(
かとりわけ
)
070
三人
(
みたり
)
四人
(
よつたり
)
四柱
(
よはしら
)
の
071
此
(
この
)
世
(
よ
)
の
柱
(
はしら
)
と
現
(
あら
)
はれた
072
神力
(
しんりき
)
強
(
つよ
)
い
宣伝使
(
せんでんし
)
073
中
(
なか
)
に
取
(
と
)
り
分
(
わ
)
け
蚊取別
(
かとりわけ
)
074
神
(
かみ
)
の
命
(
みこと
)
は
天
(
あめ
)
が
下
(
した
)
075
四方
(
よも
)
の
国々
(
くにぐに
)
かけ
廻
(
めぐ
)
る
076
神
(
かみ
)
の
司
(
つかさ
)
に
擢
(
ぬき
)
んでて
077
姿
(
すがた
)
も
優
(
すぐ
)
れた
黒
(
くろ
)
い
顔
(
かほ
)
078
頭
(
あたま
)
も
優
(
すぐ
)
れてよく
光
(
ひか
)
る
079
こんな
顔
(
かほ
)
でも
女房
(
にようばう
)
は
080
人並
(
ひとなみ
)
優
(
すぐ
)
れて
美
(
うつく
)
しい
081
天女
(
てんによ
)
のやうな
祝姫
(
はふりひめ
)
』
082
高光彦
(
たかてるひこ
)
『モシモシ
蚊取別
(
かとりわけ
)
さま、
083
そんな
宣伝歌
(
せんでんか
)
がありますか、
084
奥
(
おく
)
さまのお
惚
(
のろ
)
けは
止
(
や
)
めて
貰
(
もら
)
ひませうかい』
085
蚊取別
(
かとりわけ
)
『ヤア、
086
あまり
堅苦
(
かたくる
)
しい
事
(
こと
)
を
云
(
い
)
ふと
肩
(
かた
)
が
凝
(
こ
)
る。
087
マア
一寸
(
ちよつと
)
お
愛想
(
あいさう
)
に
白瀬川
(
しらせがは
)
の
悪魔
(
あくま
)
を
誤魔化
(
ごまくわ
)
すために
歌
(
うた
)
つて
見
(
み
)
たのです。
088
肝腎要
(
かんじんかなめ
)
の
宣伝歌
(
せんでんか
)
は
正念場
(
しやうねんば
)
にならぬと
出
(
だ
)
せませぬ。
089
それよりも
高光
(
たかてる
)
さま、
090
貴方
(
あなた
)
も
飛
(
と
)
び
切
(
き
)
り
上等
(
じやうとう
)
の
言霊
(
ことたま
)
を
出
(
だ
)
して
歌
(
うた
)
つて
下
(
くだ
)
さいナ』
091
初公
(
はつこう
)
は、
092
ヌツ
と
此
(
この
)
場
(
ば
)
に
現
(
あら
)
はれ
来
(
きた
)
り、
093
初公
(
はつこう
)
『ヤア
皆
(
みな
)
さま、
094
遅刻
(
ちこく
)
致
(
いた
)
しました。
095
遅刻
(
ちこく
)
した
罰金
(
ばつきん
)
に
ホヤホヤ
の
宣伝使
(
せんでんし
)
に
一
(
ひと
)
つ
歌
(
うた
)
はして
下
(
くだ
)
さいませぬか』
096
高光彦
(
たかてるひこ
)
『ヤアよい
処
(
ところ
)
へ
助
(
たす
)
け
船
(
ぶね
)
が
来
(
き
)
た。
097
初
(
はつ
)
さまどうぞ
頼
(
たの
)
みます』
098
初公
(
はつこう
)
『
宣伝歌
(
せんでんか
)
も
今日
(
けふ
)
が
本当
(
ほんたう
)
の
初
(
はつ
)
ですから
彼方
(
あちら
)
へ
はつ
れ
此方
(
こちら
)
へ
はつ
れ
はつ
はつするやうな
事
(
こと
)
を
言
(
い
)
ふかも
知
(
し
)
れませぬ。
099
膳
(
ぜん
)
もつて
椀
(
わん
)
もつて
箸
(
はし
)
もつてお
断
(
ことわ
)
り
申
(
まを
)
して
置
(
お
)
きます』
100
蚊取別
(
かとりわけ
)
『コラコラ
脱線
(
だつせん
)
するな。
101
直
(
すぐ
)
に
喰
(
く
)
ふ
事
(
こと
)
を
云
(
い
)
ふから
困
(
こま
)
る。
102
ちと
真面目
(
まじめ
)
にならぬか』
103
初公
(
はつこう
)
『ハイハイ、
104
確
(
たしか
)
に
承知
(
しようち
)
仕
(
つかまつ
)
りまして
御座
(
ござ
)
いますで
御座
(
ござ
)
いまするで
御座
(
ござ
)
います』
105
蚊取別
(
かとりわけ
)
『アハヽヽヽ、
106
まする、
107
ますると、
108
ますます
可笑
(
おか
)
しい
胡魔
(
ごま
)
する
男
(
をとこ
)
だなア』
109
初公
(
はつこう
)
『
初
(
はつ
)
にお
聞
(
き
)
きに
達
(
たつ
)
しまする
宣伝歌
(
せんでんか
)
の
儀
(
ぎ
)
は、
110
まづもつて
左
(
さ
)
の
通
(
とほ
)
りで
御座
(
ござ
)
いまする。
111
』
112
初公
『イホの
都
(
みやこ
)
の
主宰神
(
つかさがみ
)
113
夏山彦
(
なつやまひこ
)
の
酋長
(
しうちやう
)
は
114
人
(
ひと
)
の
頭
(
あたま
)
を
春公
(
はるこう
)
と
115
共
(
とも
)
に
参
(
まゐ
)
つた
神
(
かみ
)
の
前
(
まへ
)
116
鰌
(
どぜう
)
のやうに
人
(
ひと
)
を
見
(
み
)
て
117
酒
(
さけ
)
で
殺
(
ころ
)
そと
甘
(
うま
)
くない
118
酒
(
さけ
)
をどつさり
持
(
も
)
つて
来
(
き
)
て
119
飲
(
の
)
めよ
騒
(
さわ
)
げよ
歌
(
うた
)
へよ
舞
(
ま
)
へよ
120
酔
(
よ
)
うて
管
(
くだ
)
まけ
改心
(
かいしん
)
せいと
121
何
(
なに
)
を
云
(
い
)
ふやら
分
(
わか
)
らない
122
町
(
まち
)
の
奴
(
やつ
)
等
(
ら
)
は
業
(
ごふ
)
煮
(
に
)
やし
123
泣
(
な
)
くやら
笑
(
わら
)
ふやら
怒
(
おこ
)
るやら
124
飛
(
と
)
んだり
跳
(
は
)
ねたり
舞
(
ま
)
ひ
狂
(
くる
)
ひ
125
酔
(
ゑひ
)
が
廻
(
まは
)
つてそろそろと
126
人
(
ひと
)
の
頭
(
あたま
)
を
春公
(
はるこう
)
に
127
お
米
(
こめ
)
を
出
(
だ
)
せと
強請
(
ねだ
)
つたら
128
何
(
なん
)
ぢやかんぢやと
頭
(
かぶり
)
ふる
129
此処
(
ここ
)
へ
出
(
で
)
て
来
(
き
)
た
蚊取別
(
かとりわけ
)
130
渋
(
しぶ
)
かみ
さまのやうな
顔
(
かほ
)
131
服装
(
なり
)
に
似合
(
にあは
)
ぬよい
声
(
こゑ
)
で
132
歌
(
うた
)
を
歌
(
うた
)
つて
面白
(
おもしろ
)
く
133
両手
(
りやうて
)
を
組
(
く
)
むで
指先
(
ゆびさき
)
で
134
ウンと
一声
(
ひとこゑ
)
初
(
はつ
)
さまも
135
町
(
まち
)
の
奴
(
やつ
)
等
(
ら
)
も
一時
(
いつとき
)
に
136
化石
(
くわせき
)
のやうな
霊
(
たま
)
縛
(
しば
)
り
137
これや
耐
(
たま
)
らぬと
各自
(
めいめい
)
が
138
目
(
め
)
をむき
鼻
(
はな
)
をむくひまに
139
夏山彦
(
なつやまひこ
)
の
酋長
(
しうちやう
)
や
140
春公
(
はるこう
)
の
奴
(
やつ
)
が
飛
(
と
)
んで
逃
(
に
)
げ
141
サア
仕舞
(
しま
)
つたと
思
(
おも
)
ふうち
142
この
三
(
さん
)
人
(
にん
)
が
現
(
あら
)
はれて
143
ウンとも
云
(
い
)
はず
蚊取別
(
かとりわけ
)
144
皆
(
みな
)
の
体
(
からだ
)
をぐにやぐにやに
145
旧
(
もと
)
へ
返
(
かへ
)
して
呉
(
く
)
れた
故
(
ゆゑ
)
146
此
(
この
)
初
(
はつ
)
さまも
驚
(
おどろ
)
いて
147
四
(
よ
)
人
(
にん
)
の
方
(
かた
)
の
供
(
とも
)
となり
148
漸
(
やうや
)
う
此処
(
ここ
)
へやつて
来
(
き
)
た
149
サアこれからはこれからは
150
神
(
かみ
)
の
神力
(
しんりき
)
身
(
み
)
に
受
(
う
)
けて
151
白瀬
(
しらせ
)
の
川
(
かは
)
の
六
(
む
)
つ
滝
(
だき
)
に
152
障
(
さや
)
る
魔神
(
まがみ
)
を
悉
(
ことごと
)
く
153
天地
(
てんち
)
の
神
(
かみ
)
の
言霊
(
ことたま
)
に
154
伊吹
(
いぶき
)
払
(
はら
)
うて
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
の
155
曇
(
くも
)
りや
塵
(
ちり
)
を
掃
(
は
)
き
清
(
きよ
)
め
156
天
(
あま
)
の
岩戸
(
いはと
)
を
押開
(
おしひら
)
き
157
いかい
手柄
(
てがら
)
をたててやろ
158
これが
初公
(
はつこう
)
の
第一
(
だいいち
)
の
159
後前
(
あとさき
)
にない
楽
(
たの
)
しみぢや
160
神
(
かみ
)
が
表
(
おもて
)
に
現
(
あら
)
はれて
161
善
(
ぜん
)
と
悪
(
あく
)
とを
立
(
た
)
て
別
(
わ
)
ける
162
此
(
この
)
世
(
よ
)
を
造
(
つく
)
りし
神直日
(
かむなほひ
)
163
御霊
(
みたま
)
も
広
(
ひろ
)
き
大直日
(
おほなほひ
)
164
直日
(
なほひ
)
の
神
(
かみ
)
の
御教
(
みをしへ
)
を
165
如何
(
いか
)
なる
悪
(
あく
)
の
曲神
(
まがかみ
)
も
166
聞
(
き
)
いたら
往生
(
わうじやう
)
せにや
止
(
や
)
まぬ
167
サアこれからはこれからは
168
吹
(
ふ
)
いて
吹
(
ふ
)
いて
吹
(
ふ
)
き
捲
(
まく
)
り
169
天地
(
てんち
)
を
清
(
きよ
)
めて
神
(
かみ
)
の
世
(
よ
)
に
170
初
(
はじ
)
めて
澄
(
す
)
ます
初
(
はつ
)
さまの
171
行末
(
ゆくすゑ
)
こそは
頼
(
たの
)
もしい
172
行末
(
ゆくすゑ
)
こそは
頼
(
たの
)
もしい
173
七十五
(
しちじふご
)
米
(
メートル
)
の
風
(
かぜ
)
じやもの』
174
一同
(
いちどう
)
は
初公
(
はつこう
)
の
手
(
て
)
つきの
可笑
(
をか
)
しさに
腹
(
はら
)
を
抱
(
かか
)
へて
笑
(
わら
)
ひこける。
175
宣伝使
(
せんでんし
)
一行
(
いつかう
)
は
初公
(
はつこう
)
を
従
(
したが
)
へ、
176
夏山彦
(
なつやまひこ
)
に
別
(
わか
)
れを
告
(
つ
)
げ、
177
白瀬川
(
しらせがは
)
の
一
(
いち
)
の
滝
(
たき
)
さして
勢
(
いきほひ
)
込
(
こ
)
んで
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く。
178
(
大正一一・三・六
旧二・八
加藤明子
録)
Δこのページの一番上に戻るΔ
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