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霊界物語
霊主体従(第1~12巻)
第12巻(亥の巻)
序文
凡例
総説歌
第1篇 天岩戸開(一)
第1章 正神邪霊
第2章 直会宴
第3章 蚊取別
第4章 初蚊斧
第5章 初貫徹
第6章 招待
第7章 覚醒
第2篇 天岩戸開(二)
第8章 思出の歌
第9章 正夢
第10章 深夜の琴
第11章 十二支
第12章 化身
第13章 秋月滝
第14章 大蛇ケ原
第15章 宣直し
第16章 国武丸
第3篇 天岩戸開(三)
第17章 雲の戸開
第18章 水牛
第19章 呉の海原
第20章 救ひ舟
第21章 立花島
第22章 一島攻撃
第23章 短兵急
第24章 言霊の徳
第25章 琴平丸
第26章 秋月皎々
第27章 航空船
第4篇 古事記略解
第28章 三柱の貴子
第29章 子生の誓
第30章 天の岩戸
余白歌
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霊界物語
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第12巻(亥の巻)
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(B)
(N)
航空船 >>>
第二六章
秋月
(
しうげつ
)
皎々
(
かうかう
)
〔五二二〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第12巻 霊主体従 亥の巻
篇:
第3篇 天岩戸開(三)
よみ(新仮名遣い):
あまのいわとびらき(三)
章:
第26章 秋月皎々
よみ(新仮名遣い):
しゅうげつこうこう
通し章番号:
522
口述日:
1922(大正11)年03月11日(旧02月13日)
口述場所:
筆録者:
北村隆光
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1922(大正11)年9月30日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
十握剣の分霊である秋月姫は、高倉別を高楼に登らせ、防戦の合図の鼓を打たせた。竜山別は敵の正体を認めようと馬に乗って偵察に出た。
合図の鼓で集まってきた館の人数は、わずかに四十八人であった。高倉別は到底敵の大軍を防ぐことができないことを悟り、一同に呉竹の宮の前で祝詞と宣伝歌を唱えさせた。
秋月姫は高殿に登り、寄せ来る敵に向かって祝詞を唱えると、宣伝歌を歌いかけた。高倉別は秋月姫に戦況を報告し、敵軍が撞の御柱大神の御子・天津彦根神に率いられていることを告げた。
そして、敵軍による島人たちの殺戮と、見方の劣勢を報告すると、その場で自害をしようとした。そこへ竜山別が飛んできて、短刀を叩き落した。竜山別に諭されて、自分の不甲斐なさを悔いた高倉別は、秋月姫のいる高殿に登り、共に神に祈願をこらそうと登って行った。
天津彦根神が秋月姫の館に迫り来ると、奥殿の高殿から一弦琴の荘厳な音とさわやかな天津祝詞が聞こえてきた。天津彦根神は祝詞の声に茫然とし、にわかに武具を投げ捨てると、共に神言を奏上し始めた。
兵士たちは将軍のこの挙動を見て驚いたが、ともに武具を投げ捨て、端座して神言を奏上し始めた。
時置師神、行平別神は神軍の後方から、宣伝歌を歌い、面白おかしく舞った。秋月姫が高倉別、竜山別を従えて現われ、しとやかに歌い舞った。神々は敵味方なく、手拍子足拍子を揃えて踊り狂った。
このとき天上の黒雲は晴れ、日がこうこうと輝き始めた。素盞嗚命の疑いはまったく晴れ、天津彦根神は天教山に凱旋して行った。
時置師神、行平別神は伊吹の狭霧を施し、殺された島人を再生させ、負傷者を治して回った。また天の数歌を歌って焼けた林を元の青々とした山に戻した。
高光彦の神も密かにこの島に上陸しており、森林の中に身を潜めて、天の数歌を歌ってこの惨状を平和に鎮めた。秋月姫は高光彦と夫婦となり、この島に留まって神業に従事した。
また、弟の玉光彦は深雪姫を娶り、万寿山に帰って父・磐楠彦の後を継いで永遠に神業に奉仕した。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2020-11-12 01:07:56
OBC :
rm1226
愛善世界社版:
219頁
八幡書店版:
第2輯 707頁
修補版:
校定版:
233頁
普及版:
96頁
初版:
ページ備考:
001
心
(
こころ
)
も
広
(
ひろ
)
き
琵琶
(
びは
)
の
湖
(
うみ
)
002
中
(
なか
)
に
漂
(
ただよ
)
ふ
竹
(
たけ
)
の
島
(
しま
)
003
神
(
かむ
)
素盞嗚
(
すさのをの
)
大神
(
おほかみ
)
の
004
瑞
(
みづ
)
の
御霊
(
みたま
)
と
現
(
あ
)
れませる
005
十握剣
(
とつかつるぎ
)
の
分霊
(
わけみたま
)
006
秋月姫
(
あきづきひめ
)
の
神司
(
かむづかさ
)
は
007
島
(
しま
)
の
頂上
(
いただき
)
を
搗
(
つ
)
き
固
(
かた
)
め
008
珍
(
うづ
)
の
御舎
(
みあらか
)
千木
(
ちぎ
)
高
(
たか
)
く
009
仕
(
つか
)
へ
奉
(
まつ
)
りて
皇神
(
すめかみ
)
の
010
瑞
(
みづ
)
の
御霊
(
みたま
)
を
朝夕
(
あさゆふ
)
に
011
斎
(
いつ
)
き
奉
(
まつ
)
らせ
天地
(
あめつち
)
に
012
塞
(
ふさ
)
がる
四方
(
よも
)
の
村雲
(
むらくも
)
を
013
払
(
はら
)
ひ
清
(
きよ
)
めて
麗
(
うるは
)
しき
014
神
(
かみ
)
の
御稜威
(
みいづ
)
を
照
(
てら
)
さむと
015
朝
(
あさ
)
な
夕
(
ゆふ
)
なに
真心
(
まごころ
)
を
016
籠
(
こ
)
めて
祈願
(
いのり
)
の
神嘉言
(
かむよごと
)
017
市杵嶋
(
いちきしま
)
姫
(
ひめ
)
神司
(
かむつかさ
)
018
夜
(
よ
)
も
呉竹
(
くれたけ
)
の
宮
(
みや
)
の
奥
(
おく
)
に
019
天津
(
あまつ
)
祝詞
(
のりと
)
の
太祝詞
(
ふとのりと
)
020
宣
(
の
)
らせ
給
(
たま
)
へる
折
(
をり
)
もあれ
021
眼下
(
がんか
)
に
響
(
ひび
)
く
鬨
(
とき
)
の
声
(
こゑ
)
022
沖
(
おき
)
の
嵐
(
あらし
)
か
波
(
なみ
)
の
音
(
ね
)
か
023
穏
(
おだや
)
かならぬ
物音
(
ものおと
)
と
024
足
(
あし
)
もいそいそ
高楼
(
たかどの
)
に
025
上
(
のぼ
)
りて
真下
(
ました
)
を
眺
(
なが
)
むれば
026
思
(
おも
)
ひも
掛
(
か
)
けぬ
戦士
(
いくさびと
)
027
雲霞
(
うんか
)
の
如
(
ごと
)
く
群
(
むら
)
がりて
028
鋼鉄
(
まがね
)
の
鉾
(
ほこ
)
を
打振
(
うちふ
)
りつ
029
島
(
しま
)
に
住
(
す
)
まへる
百人
(
ももびと
)
を
030
当
(
あた
)
るを
幸
(
さいは
)
ひ
斬
(
き
)
りまくる
031
その
勢
(
いきほひ
)
に
辟易
(
へきえき
)
し
032
右往
(
うわう
)
左往
(
さわう
)
に
逃
(
に
)
げ
惑
(
まど
)
ふ
033
その
惨状
(
さんじやう
)
は
中々
(
なかなか
)
に
034
他所
(
よそ
)
の
見
(
み
)
る
目
(
め
)
も
憐
(
あは
)
れなり
035
処
(
ところ
)
狭
(
せ
)
きまで
茂
(
しげ
)
りたる
036
小笹
(
をざさ
)
の
籔
(
やぶ
)
に
火
(
ひ
)
放
(
はな
)
てば
037
折
(
をり
)
から
吹
(
ふ
)
き
来
(
く
)
る
潮風
(
しほかぜ
)
に
038
火
(
ひ
)
は
煽
(
あふ
)
られて
濛々
(
もうもう
)
と
039
破竹
(
はちく
)
の
音
(
おと
)
も
騒
(
さわ
)
がしく
040
宛然
(
さながら
)
修羅
(
しゆら
)
の
戦場
(
せんぢやう
)
と
041
忽
(
たちま
)
ち
変
(
かは
)
る
神
(
かみ
)
の
島
(
しま
)
042
見
(
み
)
るに
忍
(
しの
)
びぬ
次第
(
しだい
)
なり。
043
秋月姫
(
あきづきひめ
)
は
立
(
た
)
ち
上
(
あが
)
り、
044
秋月姫
『ヤアヤア、
045
敵軍
(
てきぐん
)
間近
(
まぢか
)
く
押寄
(
おしよ
)
せたり。
046
高倉別
(
たかくらわけ
)
はあらざるか、
047
竜山別
(
たつやまわけ
)
は
何処
(
いづこ
)
ぞ』
048
と
呼
(
よば
)
はる
声
(
こゑ
)
に、
049
高倉別
(
たかくらわけ
)
は
目
(
め
)
を
擦
(
こす
)
り
乍
(
なが
)
ら
忽
(
たちま
)
ちこの
場
(
ば
)
に
飛
(
と
)
むで
出
(
い
)
で、
050
高倉別
『
只今
(
ただいま
)
お
召
(
め
)
しになつたのは
何
(
なん
)
の
御用
(
ごよう
)
で
御座
(
ござ
)
いますか』
051
秋月姫
(
あきづきひめ
)
『
汝
(
なんじ
)
高倉別
(
たかくらわけ
)
、
052
速
(
すみやか
)
に
高楼
(
たかどの
)
に
上
(
のぼ
)
り
相図
(
あひづ
)
の
鼓
(
つづみ
)
を
打
(
う
)
てよ』
053
ハツと
答
(
こた
)
へて、
054
高倉別
(
たかくらわけ
)
は
飛鳥
(
ひてう
)
の
如
(
ごと
)
く
高楼
(
たかどの
)
目
(
め
)
がけて
馳上
(
はせのぼ
)
り、
055
高倉別
『
神聖
(
しんせい
)
無比
(
むひ
)
のこの
嶋
(
しま
)
に
向
(
むか
)
つて
攻
(
せ
)
め
来
(
きた
)
る
大軍
(
たいぐん
)
は
果
(
はた
)
して
何者
(
なにもの
)
ぞ。
056
ウラル
姫
(
ひめ
)
の
部下
(
ぶか
)
の
魔軍
(
まぐん
)
か、
057
但
(
ただし
)
は
天教山
(
てんけうざん
)
の
神軍
(
しんぐん
)
か。
058
何
(
なに
)
は
兎
(
と
)
もあれ、
059
防禦
(
ふせぎ
)
の
用意
(
ようい
)
』
060
と
其
(
その
)
儘
(
まま
)
ヒラリと
一足飛
(
いつそくと
)
び、
061
高倉別
『ヤアヤア
竜山別
(
たつやまわけ
)
はあらざるか。
062
敵軍
(
てきぐん
)
間近
(
まぢか
)
く
押寄
(
おしよ
)
せ
来
(
きた
)
り
乱暴
(
らんばう
)
狼藉
(
ろうぜき
)
、
063
竹藪
(
たけやぶ
)
に
火
(
ひ
)
を
放
(
はな
)
つて
只
(
ただ
)
一戦
(
いつせん
)
にこの
神嶋
(
かみしま
)
を
屠
(
ほふ
)
らむとする
憎
(
につく
)
き
計画
(
たくみ
)
と
覚
(
おぼ
)
えたり。
064
ヤアヤア
諸人
(
もろびと
)
共
(
ども
)
、
065
防禦
(
ふせぎ
)
の
用意
(
ようい
)
』
066
と
呼
(
よば
)
はれば、
067
竜山別
(
たつやまわけ
)
は
声
(
こゑ
)
に
応
(
おう
)
じてこの
場
(
ば
)
に
現
(
あら
)
はれ
来
(
きた
)
り、
068
竜山別
『
思
(
おも
)
ひ
掛
(
が
)
けなき
敵
(
てき
)
の
襲撃
(
しふげき
)
、
069
敵
(
てき
)
は
何者
(
なにもの
)
なるや、
070
一先
(
ひとま
)
づ
偵察
(
ていさつ
)
仕
(
つかまつ
)
らむ』
071
高倉別
(
たかくらわけ
)
は
早
(
はや
)
く
行
(
ゆ
)
けよと
下知
(
げち
)
すれば、
072
ハイと
答
(
こた
)
へて
竜山別
(
たつやまわけ
)
は、
073
栗毛
(
くりげ
)
の
馬
(
うま
)
に
跨
(
またが
)
り、
074
八十曲
(
やそまが
)
りの
坂道
(
さかみち
)
を
手綱
(
たづな
)
を
掻
(
か
)
い
繰
(
く
)
り、
075
シトシトと
阪下
(
さかもと
)
さして
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く。
076
高倉別
(
たかくらわけ
)
は
館
(
やかた
)
の
内
(
うち
)
の
人数
(
ひとかず
)
を
残
(
のこ
)
らず
招集
(
よびあつ
)
めたるに、
077
集
(
あつ
)
まるもの
男女
(
だんぢよ
)
合
(
あは
)
せて
僅
(
わずか
)
に
四十八
(
しじふはち
)
人
(
にん
)
。
078
高倉別
『ヤア
皆
(
みな
)
の
者
(
もの
)
共
(
ども
)
、
079
雲霞
(
うんか
)
の
如
(
ごと
)
き
大軍
(
たいぐん
)
本島
(
ほんたう
)
に
攻
(
せ
)
め
寄
(
よ
)
せたり。
080
斯
(
か
)
くなる
上
(
うへ
)
は
衆寡
(
しうくわ
)
敵
(
てき
)
せず、
081
体
(
たい
)
を
以
(
もつ
)
て
体
(
たい
)
に
対
(
たい
)
し、
082
力
(
ちから
)
を
以
(
もつ
)
て
力
(
ちから
)
に
対
(
たい
)
する
時
(
とき
)
は
勝敗
(
しようはい
)
已
(
すで
)
に
明々
(
めいめい
)
白々
(
はくはく
)
たり。
083
如
(
し
)
かず、
084
汝
(
なんぢ
)
等
(
ら
)
は
口
(
くち
)
を
清
(
きよ
)
め
手
(
て
)
を
洗
(
あら
)
ひ、
085
呉竹
(
くれたけ
)
の
宮
(
みや
)
の
前
(
まへ
)
に
致
(
いた
)
つて
恭
(
うやうや
)
しく
神言
(
かみごと
)
を
奏上
(
そうじやう
)
し、
086
宣伝歌
(
せんでんか
)
を
唱
(
とな
)
へて
神
(
かみ
)
の
守護
(
しゆご
)
を
受
(
う
)
け、
087
寄
(
よ
)
せ
来
(
く
)
る
敵
(
てき
)
を
言向
(
ことむ
)
け
和
(
やは
)
せよ。
088
我
(
われ
)
はこれより
奥
(
おく
)
に
進
(
すす
)
み
秋月姫
(
あきづきひめ
)
の
御
(
おん
)
身
(
み
)
の
上
(
うへ
)
を
守護
(
しゆご
)
し
奉
(
たてまつ
)
らむ』
089
と
言
(
い
)
ひ
捨
(
す
)
て
奥殿
(
おくでん
)
目
(
め
)
がけて
進
(
すす
)
み
入
(
い
)
る。
090
一同
(
いちどう
)
は
命
(
めい
)
の
如
(
ごと
)
く
身体
(
からだ
)
を
清
(
きよ
)
め
呉竹
(
くれたけ
)
の
宮
(
みや
)
の
前
(
まへ
)
に
端坐
(
たんざ
)
し
声
(
こゑ
)
も
朗
(
ほがら
)
かに
天津
(
あまつ
)
祝詞
(
のりと
)
を
奏上
(
そうじやう
)
したりける。
091
秋月姫
(
あきづきひめ
)
は
高楼
(
たかどの
)
に
登
(
のぼ
)
り、
092
寄
(
よ
)
せ
来
(
く
)
る
敵
(
てき
)
に
打向
(
うちむか
)
ひ
悠々
(
いういう
)
迫
(
せま
)
らざる
態度
(
たいど
)
を
以
(
もつ
)
て
声
(
こゑ
)
淑
(
しとや
)
かに
天津
(
あまつ
)
祝詞
(
のりと
)
の
神嘉言
(
かむよごと
)
を
奏上
(
そうじやう
)
し、
093
終
(
をは
)
つて
天地
(
てんち
)
に
向
(
むか
)
ひ
祈願
(
きぐわん
)
の
言葉
(
ことば
)
を
奏上
(
そうじやう
)
し
給
(
たま
)
ふ。
094
秋月姫
(
あきづきひめ
)
『
仰
(
あふ
)
げば
高
(
たか
)
し
久方
(
ひさかた
)
の
095
天津
(
あまつ
)
御空
(
みそら
)
を
知食
(
しろしめ
)
す
096
神
(
かむ
)
伊邪那岐
(
いざなぎ
)
の
大御神
(
おほみかみ
)
097
大海原
(
おほうなばら
)
を
知食
(
しろしめ
)
す
098
神
(
かむ
)
伊邪那美
(
いざなみ
)
の
大御神
(
おほみかみ
)
099
神
(
かむ
)
素盞嗚
(
すさのをの
)
大神
(
おほかみ
)
と
100
現
(
あ
)
れ
出
(
い
)
でませる
大空
(
おほぞら
)
の
101
光
(
ひかり
)
も
清
(
きよ
)
き
月照彦
(
つきてるひこ
)
の
102
神
(
かみ
)
の
命
(
みこと
)
や
足真彦
(
だるまひこ
)
103
少名彦
(
すくなひこ
)
神
(
がみ
)
、
弘子彦
(
ひろやすひこ
)
の
104
神
(
かみ
)
の
霊
(
みたま
)
の
幸
(
さちは
)
ひに
105
醜
(
しこ
)
の
軍
(
いくさ
)
を
言向
(
ことむ
)
けて
106
この
竹嶋
(
たけしま
)
に
寄来
(
よせきた
)
る
107
百
(
もも
)
の
仇
(
あだ
)
をば
平
(
たひら
)
けく
108
いと
安
(
やす
)
らけく
鎮
(
しづ
)
めませ
109
十握
(
とつか
)
の
剣
(
つるぎ
)
の
威徳
(
ゐとく
)
にて
110
勢
(
いきほひ
)
猛
(
たけ
)
り
進
(
すす
)
みくる
111
荒
(
あら
)
ぶる
神
(
かみ
)
も
程々
(
ほどほど
)
に
112
生言霊
(
いくことたま
)
の
御光
(
みひかり
)
に
113
照
(
てら
)
し
給
(
たま
)
ひて
天
(
あめ
)
が
下
(
した
)
114
四方
(
よも
)
の
国
(
くに
)
には
仇
(
あだ
)
もなく
115
穢
(
けが
)
れも
罪
(
つみ
)
も
枉事
(
まがこと
)
も
116
薙払
(
なぎはら
)
へかし
神
(
かみ
)
の
風
(
かぜ
)
117
神
(
かみ
)
が
表
(
おもて
)
に
現
(
あら
)
はれて
118
善
(
ぜん
)
と
悪
(
あく
)
とを
立別
(
たてわ
)
ける
119
善
(
ぜん
)
を
助
(
たす
)
けて
悪神
(
あくがみ
)
を
120
言向
(
ことむ
)
け
和
(
やは
)
す
神
(
かみ
)
の
道
(
みち
)
121
唯
(
ただ
)
何事
(
なにごと
)
も
人
(
ひと
)
の
世
(
よ
)
は
122
直日
(
なほひ
)
に
見直
(
みなほ
)
し
聞直
(
ききなほ
)
し
123
世
(
よ
)
の
枉事
(
まがごと
)
は
詔
(
の
)
り
直
(
なほ
)
す
124
誠
(
まこと
)
の
神
(
かみ
)
の
在
(
ま
)
しまさば
125
嶋
(
しま
)
に
塞
(
ふさ
)
がる
村雲
(
むらくも
)
を
126
霽
(
はら
)
して
誠
(
まこと
)
の
日月
(
じつげつ
)
を
127
照
(
てら
)
させ
給
(
たま
)
へ
逸早
(
いちはや
)
く
128
此
(
この
)
世
(
よ
)
を
造
(
つく
)
りし
大本
(
おほもと
)
の
129
皇
(
すめ
)
大神
(
おほかみ
)
の
御
(
おん
)
前
(
まへ
)
に
130
畏
(
かしこ
)
み
畏
(
かしこ
)
み
祈
(
ね
)
ぎ
奉
(
まつ
)
る』
131
と
歌
(
うた
)
ひ
終
(
をは
)
り、
132
高楼
(
たかどの
)
より
降
(
くだ
)
り
来
(
く
)
る
折
(
をり
)
しも、
133
高倉別
(
たかくらわけ
)
は
馬
(
うま
)
に
跨
(
またが
)
り
急
(
いそ
)
ぎ
館
(
やかた
)
に
立帰
(
たちかへ
)
り、
134
高倉別
『
秋月姫
(
あきづきひめの
)
神
(
かみ
)
に
申
(
まを
)
し
上
(
あ
)
げます。
135
当山
(
たうざん
)
の
寄
(
よ
)
せ
手
(
て
)
はウラル
彦
(
ひこ
)
、
136
ウラル
姫
(
ひめ
)
の
魔軍
(
まぐん
)
ならむと
思
(
おも
)
ひきや、
137
撞
(
つき
)
の
御柱
(
みはしら
)
大神
(
おほかみ
)
の
珍
(
うづ
)
の
御子
(
みこ
)
なる
五柱
(
いつはしら
)
の
一神
(
いちにん
)
、
138
天津彦根
(
あまつひこねの
)
神
(
かみ
)
、
139
鋼鉄
(
まがね
)
の
鉾
(
ほこ
)
を
打揮
(
うちふる
)
ひ
竹藪
(
たけやぶ
)
に
火
(
ひ
)
を
放
(
はな
)
ち、
140
狼狽
(
うろた
)
へ
騒
(
さわ
)
いで
逃
(
に
)
げ
廻
(
まは
)
る
嶋人
(
しまびと
)
を
一人
(
ひとり
)
々々
(
ひとり
)
引捕
(
ひきとら
)
へ、
141
見
(
み
)
るも
悲惨
(
ひさん
)
なその
振舞
(
ふるまひ
)
、
142
建物
(
たてもの
)
を
破壊
(
はくわい
)
し
生物
(
いきもの
)
を
屠戮
(
とりく
)
し
乱暴
(
らんばう
)
狼藉
(
ろうぜき
)
至
(
いた
)
らざる
無
(
な
)
く、
143
群
(
むら
)
がる
数万
(
すうまん
)
の
軍勢
(
ぐんぜい
)
に
対
(
たい
)
し、
144
味方
(
みかた
)
は
僅
(
わづか
)
に
老若
(
らうにやく
)
男女
(
なんによ
)
を
合
(
あは
)
して
四十
(
しじふ
)
余
(
よ
)
人
(
にん
)
、
145
人
(
ひと
)
盛
(
さかん
)
なれば
天
(
てん
)
に
勝
(
か
)
つとやら、
146
もう
斯
(
か
)
うなる
上
(
うへ
)
は
是非
(
ぜひ
)
に
及
(
およ
)
ばず
潔
(
いさぎよ
)
く
自刃
(
じじん
)
を
遂
(
と
)
げ、
147
名
(
な
)
も
無
(
な
)
き
敵
(
てき
)
の
奴輩
(
やつばら
)
に
殺
(
ころ
)
されむは
末代
(
まつだい
)
の
恥
(
はぢ
)
、
148
我
(
われ
)
より
冥途
(
めいど
)
の
魁
(
さきがけ
)
仕
(
つかまつ
)
らむ』
149
と
早
(
はや
)
くも
両肌
(
もろはだ
)
を
脱
(
ぬ
)
ぎ、
150
短刀
(
たんたう
)
を
脇腹
(
わきばら
)
に
突
(
つ
)
き
立
(
た
)
てむとする
一刹那
(
いちせつな
)
竜山別
(
たつやまわけ
)
は、
151
宙
(
ちう
)
を
飛
(
と
)
むでこの
場
(
ば
)
に
現
(
あら
)
はれ
来
(
きた
)
り、
152
高倉別
(
たかくらわけ
)
が
短刀
(
たんたう
)
を
矢庭
(
やには
)
に
引奪
(
ひつたく
)
り
声
(
こゑ
)
を
励
(
はげ
)
まして、
153
竜山別
『ヤア
高倉別
(
たかくらわけ
)
殿
(
どの
)
、
154
貴神
(
きしん
)
は
尊
(
たふと
)
き
神
(
かみ
)
に
仕
(
つか
)
ふる
神司
(
かむづかさ
)
、
155
この
場
(
ば
)
に
及
(
およ
)
ンで
神
(
かみ
)
より
受
(
う
)
けし
貴重
(
きちよう
)
なる
生命
(
せいめい
)
を
自
(
みづか
)
ら
捨
(
す
)
てむとし
給
(
たま
)
ふは
何事
(
なにごと
)
ぞ。
156
今
(
いま
)
の
今迄
(
いままで
)
全心
(
ぜんしん
)
全力
(
ぜんりよく
)
をつくし、
157
力
(
ちから
)
およばずして
後
(
あと
)
に
運命
(
うんめい
)
を
天
(
てん
)
に
任
(
まか
)
さむのみ。
158
是
(
これ
)
人
(
ひと
)
を
教
(
をし
)
ふる
我々
(
われわれ
)
の
採
(
と
)
るべき
道
(
みち
)
には
非
(
あら
)
ざるか。
159
少時
(
しばらく
)
思
(
おも
)
ひとどまり
給
(
たま
)
へ。
160
善悪
(
ぜんあく
)
邪正
(
じやせい
)
を
鏡
(
かがみ
)
にかけし
如
(
ごと
)
く
明知
(
めいち
)
し
給
(
たま
)
ふ
誠
(
まこと
)
の
神
(
かみ
)
はいかで
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
を
捨
(
す
)
て
給
(
たま
)
はむや。
161
自殺
(
じさつ
)
は
罪悪中
(
ざいあくちう
)
の
罪悪
(
ざいあく
)
なり。
162
貴神
(
きしん
)
は
何故
(
なにゆゑ
)
に
斯
(
か
)
かる
危急
(
ききふ
)
の
場合
(
ばあひ
)
に
臨
(
のぞ
)
みて
神
(
かみ
)
に
祈願
(
きぐわん
)
せざるや』
163
高倉別
(
たかくらわけ
)
『アヽ
貴神
(
きしん
)
は
竜山別
(
たつやまわけ
)
殿
(
どの
)
、
164
俄
(
にはか
)
の
敵
(
てき
)
の
襲来
(
しふらい
)
に
心
(
こころ
)
も
眩
(
くら
)
み
一身
(
いつしん
)
の
処置
(
しよち
)
に
迷
(
まよ
)
ひ、
165
神
(
かみ
)
を
忘
(
わす
)
れ
道
(
みち
)
を
忘
(
わす
)
れたるこそ
我
(
わが
)
不覚
(
ふかく
)
、
166
恥
(
はづ
)
かしさの
限
(
かぎ
)
りなれ。
167
然
(
しか
)
らば
仰
(
あふ
)
せの
如
(
ごと
)
くこれより
高楼
(
たかどの
)
に
登
(
のぼ
)
り、
168
天地
(
てんち
)
の
神
(
かみ
)
に
祈願
(
きぐわん
)
を
凝
(
こ
)
らさむ』
169
と
悠々
(
いういう
)
として
高楼
(
たかどの
)
目
(
め
)
がけて
登
(
のぼ
)
り
行
(
ゆ
)
く。
170
天津彦根
(
あまつひこねの
)
神
(
かみ
)
は
数万
(
すうまん
)
の
神軍
(
しんぐん
)
を
率
(
ひき
)
ゐて
勝
(
かち
)
に
乗
(
じやう
)
じ
表門
(
おもてもん
)
に
迫
(
せま
)
り
来
(
き
)
たる。
171
館
(
やかた
)
の
老若
(
らうにやく
)
男女
(
なんによ
)
は
悲鳴
(
ひめい
)
をあげて
前後
(
ぜんご
)
左右
(
さいう
)
に
逃
(
に
)
げ
廻
(
まは
)
るにぞ
勝誇
(
かちほこ
)
つたる
神軍
(
しんぐん
)
は
潮
(
うしほ
)
の
如
(
ごと
)
くに
門内
(
もんない
)
に
乱
(
みだ
)
れ
入
(
い
)
る。
172
奥殿
(
おくでん
)
の
高楼
(
たかどの
)
には
荘厳
(
さうごん
)
なる
一絃琴
(
いちげんきん
)
の
音
(
ね
)
爽
(
さはや
)
かに
天津
(
あまつ
)
祝詞
(
のりと
)
の
声
(
こゑ
)
清々
(
すがすが
)
しく
響
(
ひび
)
き
居
(
ゐ
)
る。
173
天津彦根
(
あまつひこねの
)
神
(
かみ
)
は
祝詞
(
のりと
)
の
声
(
こゑ
)
に
心
(
こころ
)
和
(
やはら
)
ぎ
茫然
(
ばうぜん
)
として
耳
(
みみ
)
を
傾
(
かたむ
)
け
聞
(
き
)
き
入
(
い
)
りぬ。
174
暫
(
しばら
)
くにして
太刀
(
たち
)
、
175
弓矢
(
ゆみや
)
を
大地
(
だいち
)
に
投
(
な
)
げ
付
(
つ
)
け
両手
(
りやうて
)
を
拍
(
う
)
つて
共
(
とも
)
に
神言
(
かみごと
)
を
奏上
(
そうじやう
)
する
急変
(
きふへん
)
の
態度
(
たいど
)
に
数多
(
あまた
)
の
戦士
(
いくさびと
)
は、
176
大将軍
(
だいしやうぐん
)
のこの
挙動
(
きよどう
)
に
感染
(
かんせん
)
しけむ、
177
何
(
いづ
)
れも
武器
(
ぶき
)
を
捨
(
す
)
て
大地
(
だいち
)
に
端坐
(
たんざ
)
して
両手
(
もろで
)
を
拍
(
う
)
ち
天津
(
あまつ
)
祝詞
(
のりと
)
を
声
(
こゑ
)
高々
(
たかだか
)
と
奏上
(
そうじやう
)
する。
178
時置師
(
ときおかしの
)
神
(
かみ
)
、
179
行平別
(
ゆきひらわけの
)
神
(
かみ
)
は
宣伝歌
(
せんでんか
)
を
歌
(
うた
)
ひながら
神軍
(
しんぐん
)
の
後方
(
こうはう
)
に
立
(
た
)
つて
面白
(
おもしろ
)
可笑
(
をか
)
くし
手
(
て
)
を
振
(
ふ
)
り
足
(
あし
)
を
轟
(
とどろ
)
かし
歌
(
うた
)
ひ
舞
(
ま
)
ふ。
180
秋月姫
(
あきづきひめ
)
は
高倉別
(
たかくらわけ
)
、
181
竜山別
(
たつやまわけ
)
を
従
(
したが
)
へこの
場
(
ば
)
に
現
(
あら
)
はれ、
182
長袖
(
ちやうしう
)
しとやかに、
183
秋月姫
『とうとうたらりや、
184
とうたらり、
185
たらりやアたらり、
186
とうたらり』
187
と
扇
(
あふぎ
)
を
開
(
ひら
)
いて
地
(
ち
)
踏
(
ふ
)
み
鳴
(
な
)
らし
舞
(
ま
)
ひ
狂
(
くる
)
ひ
玉
(
たま
)
ふ。
188
高倉別
(
たかくらわけ
)
、
189
竜山別
(
たつやまわけ
)
を
初
(
はじ
)
め
神軍
(
しんぐん
)
の
大将
(
たいしやう
)
天津彦根
(
あまつひこねの
)
命
(
みこと
)
、
190
時置師
(
ときおかしの
)
神
(
かみ
)
、
191
行平別
(
ゆきひらわけの
)
神
(
かみ
)
は
中央
(
ちうあう
)
に
現
(
あら
)
はれ、
192
秋月姫
(
あきづきひめ
)
と
諸共
(
もろとも
)
に
手拍子
(
てびやうし
)
足拍子
(
あしびやうし
)
を
揃
(
そろ
)
へ、
193
敵味方
(
てきみかた
)
の
区別
(
くべつ
)
も
忘
(
わす
)
れて
狂
(
くる
)
ふが
如
(
ごと
)
く
踊
(
をど
)
り
廻
(
まは
)
る。
194
この
時
(
とき
)
天上
(
てんじやう
)
に
群
(
むら
)
がれる
黒雲
(
くろくも
)
は
科戸
(
しなど
)
の
風
(
かぜ
)
に
吹
(
ふ
)
き
散
(
ち
)
りて、
195
天日
(
てんじつ
)
の
光
(
ひかり
)
晃々
(
くわうくわう
)
と
輝
(
かがや
)
き
始
(
はじ
)
め
素盞嗚
(
すさのをの
)
命
(
みこと
)
の
疑
(
うたがひ
)
は
全
(
まつた
)
く
晴
(
は
)
れ
渡
(
わた
)
つた。
196
天津彦根
(
あまつひこねの
)
神
(
かみ
)
は
喜
(
よろこ
)
び
勇
(
いさ
)
むで
数多
(
あまた
)
の
将卒
(
しやうそつ
)
を
引連
(
ひきつ
)
れ、
197
琵琶
(
びは
)
の
湖
(
うみ
)
を
渡
(
わた
)
りて
天教山
(
てんけうざん
)
に
凱旋
(
がいせん
)
せり。
198
後
(
あと
)
に
残
(
のこ
)
りし
時置師
(
ときおかしの
)
神
(
かみ
)
、
199
行平別
(
ゆきひらわけの
)
神
(
かみ
)
は、
200
或
(
あるひ
)
は
殺
(
ころ
)
され
或
(
あるひ
)
は
負傷
(
ふしやう
)
に
悩
(
なや
)
む
嶋人
(
しまびと
)
に
一々
(
いちいち
)
伊吹
(
いぶき
)
の
狭霧
(
さぎり
)
を
施
(
ほどこ
)
し、
201
死
(
し
)
したる
者
(
もの
)
を
生
(
い
)
かし
傷
(
きず
)
つける
者
(
もの
)
を
癒
(
い
)
やし、
202
焼
(
や
)
けたる
林
(
はやし
)
は
天
(
あま
)
の
数歌
(
かずうた
)
を
歌
(
うた
)
ひ
上
(
あ
)
げて
再
(
また
)
旧
(
もと
)
の
如
(
ごと
)
く
青々
(
あをあを
)
と
緑
(
みどり
)
の
山
(
やま
)
に
化
(
くわ
)
せしめける。
203
茲
(
ここ
)
にまた
高光彦
(
たかてるひこ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
は
時置師
(
ときおかしの
)
神
(
かみ
)
、
204
行平別
(
ゆきひらわけの
)
神
(
かみ
)
と
共
(
とも
)
に
窃
(
ひそか
)
にこの
嶋
(
しま
)
に
現
(
あらは
)
れ
来
(
きた
)
り、
205
森林
(
しんりん
)
の
中
(
なか
)
に
身
(
み
)
を
潜
(
ひそ
)
めて
天
(
あま
)
の
数歌
(
かずうた
)
を
歌
(
うた
)
ひこの
惨状
(
さんじやう
)
を
平和
(
へいわ
)
に
治
(
をさ
)
めたる
勇神
(
ゆうしん
)
なり。
206
秋月姫
(
あきづきひめ
)
は
高光彦
(
たかてるひこ
)
と
結婚
(
けつこん
)
の
約
(
やく
)
を
結
(
むす
)
び、
207
永
(
なが
)
くこの
島
(
しま
)
に
留
(
とど
)
まりて
神業
(
しんげふ
)
に
参加
(
さんか
)
し
給
(
たま
)
ひぬ。
208
又
(
また
)
、
209
中
(
なか
)
の
弟
(
おとうと
)
玉光彦
(
たまてるひこ
)
は
瀬戸
(
せと
)
の
海
(
うみ
)
の
一
(
ひと
)
つ
島
(
じま
)
なる
深雪姫
(
みゆきひめ
)
を
娶
(
めと
)
り、
210
万寿山
(
まんじゆざん
)
に
立
(
た
)
ち
帰
(
かへ
)
り
父
(
ちち
)
磐樟彦
(
いはくすひこの
)
神
(
かみ
)
の
後継者
(
こうけいしや
)
となりて
永遠
(
ゑいゑん
)
に
神業
(
しんげふ
)
に
参加
(
さんか
)
し
給
(
たま
)
ひけるとなむ。
211
(
大正一一・三・一一
旧二・一三
北村隆光
録)
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