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霊界物語
霊主体従(第1~12巻)
第12巻(亥の巻)
序文
凡例
総説歌
第1篇 天岩戸開(一)
第1章 正神邪霊
第2章 直会宴
第3章 蚊取別
第4章 初蚊斧
第5章 初貫徹
第6章 招待
第7章 覚醒
第2篇 天岩戸開(二)
第8章 思出の歌
第9章 正夢
第10章 深夜の琴
第11章 十二支
第12章 化身
第13章 秋月滝
第14章 大蛇ケ原
第15章 宣直し
第16章 国武丸
第3篇 天岩戸開(三)
第17章 雲の戸開
第18章 水牛
第19章 呉の海原
第20章 救ひ舟
第21章 立花島
第22章 一島攻撃
第23章 短兵急
第24章 言霊の徳
第25章 琴平丸
第26章 秋月皎々
第27章 航空船
第4篇 古事記略解
第28章 三柱の貴子
第29章 子生の誓
第30章 天の岩戸
余白歌
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霊界物語
>
霊主体従(第1~12巻)
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第12巻(亥の巻)
> 第3篇 天岩戸開(三) > 第19章 呉の海原
<<< 水牛
(B)
(N)
救ひ舟 >>>
第一九章
呉
(
くれ
)
の
海原
(
うなばら
)
〔五一五〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第12巻 霊主体従 亥の巻
篇:
第3篇 天岩戸開(三)
よみ(新仮名遣い):
あまのいわとびらき(三)
章:
第19章 呉の海原
よみ(新仮名遣い):
くれのうなばら
通し章番号:
515
口述日:
1922(大正11)年03月10日(旧02月12日)
口述場所:
筆録者:
岩田久太郎
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1922(大正11)年9月30日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
時置師は何事か海面に向かって祈祷すると、微笑んで元の席に戻ってしまった。残された三人が時置師の仕業を恐れて話し合っていると、時置師は三人を見つけて、話しかけてきた。
三人は、牛公のように海に投げ入れられるのではないかと恐れて、恐々応対している。そうするうちに、牛公は巨大な亀の背に乗せられて、海面に浮かんできた。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2020-11-12 00:56:33
OBC :
rm1219
愛善世界社版:
161頁
八幡書店版:
第2輯 685頁
修補版:
校定版:
170頁
普及版:
69頁
初版:
ページ備考:
001
時置師
(
ときおかしの
)
神
(
かみ
)
は
牛公
(
うしこう
)
の
投身
(
とうしん
)
したる
海面
(
かいめん
)
に
向
(
むか
)
ひて、
002
暗祈
(
あんき
)
黙祷
(
もくたう
)
しつつあつた。
003
暫
(
しばら
)
くあつて
満面
(
まんめん
)
に
笑
(
ゑみ
)
を
湛
(
たた
)
へ、
004
悠々
(
いういう
)
と
元
(
もと
)
の
席
(
せき
)
に
返
(
かへ
)
つて
行
(
ゆ
)
くのであつた。
005
馬公
(
うまこう
)
は
小声
(
こごゑ
)
になつて、
006
馬公
(
うまこう
)
『オイ
鹿
(
しか
)
、
007
虎
(
とら
)
、
008
どうだ。
009
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
でさへも、
010
牛公
(
うしこう
)
が
海
(
うみ
)
へ
飛込
(
とびこ
)
むだのを
見
(
み
)
て、
011
助
(
たす
)
けようともせず、
012
愉快
(
ゆくわい
)
さうに、
013
ニタリニタリと
笑
(
わら
)
つて
居
(
を
)
つたぢやないか』
014
鹿公
(
しかこう
)
『ウン、
015
さうだのう、
016
偉
(
えら
)
さうに
人
(
ひと
)
を
助
(
たす
)
ける
宣伝使
(
せんでんし
)
だと
云
(
い
)
つた
処
(
ところ
)
で、
017
口
(
くち
)
許
(
ばか
)
りだよ。
018
どうでコンナ
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
になつて
来
(
く
)
れば……
誠
(
まこと
)
の
者
(
もの
)
は
薬
(
くすり
)
にする
程
(
ほど
)
も
無
(
な
)
い……と
云
(
い
)
ふ
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
教
(
をしへ
)
通
(
どほ
)
りぢや。
019
大
(
おほ
)
きな
声
(
こゑ
)
で
喋
(
しやべ
)
つて
居
(
ゐ
)
ると、
020
又
(
また
)
どんな
目
(
め
)
に
逢
(
あ
)
はせられるか
知
(
し
)
れやしないぞ。
021
静
(
しづか
)
にせい、
022
静
(
しづか
)
にせい、
023
云
(
い
)
ひたけら
黙
(
だま
)
つてものを
云
(
い
)
ふのだよ』
024
馬公
(
うまこう
)
『
黙
(
だま
)
つてものを
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
るかい、
025
手品師
(
てじなし
)
でもあるまいし』
026
虎公
(
とらこう
)
『
出来
(
でき
)
いでかい、
027
そこが
以心
(
いしん
)
伝心
(
でんしん
)
だ。
028
目
(
め
)
は
口
(
くち
)
程
(
ほど
)
にものを
云
(
い
)
ふと
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
がある。
029
霊界
(
れいかい
)
物語
(
ものがたり
)
にも
耳
(
みみ
)
で
見
(
み
)
て
目
(
め
)
で
聞
(
き
)
き
鼻
(
はな
)
で
物
(
もの
)
食
(
く
)
うて
口
(
くち
)
で
嗅
(
か
)
がねば
物
(
もの
)
は
分
(
わか
)
らぬ、
030
と
出
(
で
)
て
居
(
を
)
る
[
※
第1巻第24章の章末に記されている歌だが、そちらでは「物は」ではなく「神は」になっている。
]
ぢやないか』
031
馬公
(
うまこう
)
『そんな
事
(
こと
)
はどうでも
良
(
よ
)
いわ。
032
マア
静
(
しづか
)
にしようかい。
033
オイオイ
時置師
(
ときおかしの
)
神
(
かみ
)
が
大
(
おほ
)
きな
目
(
め
)
をむいて、
034
ギロギロと
見廻
(
みまは
)
し
出
(
だ
)
したぢやないか。
035
どうやら
御
(
お
)
鉢
(
はち
)
が
廻
(
まは
)
りさうだぞ』
036
と
云
(
い
)
ひ
乍
(
なが
)
らクルクルと
帯
(
おび
)
を
解
(
ほど
)
きかける。
037
鹿公
(
しかこう
)
『オイ
馬公
(
うまこう
)
、
038
貴様
(
きさま
)
帯
(
おび
)
を
解
(
と
)
いてどうするつもりだ』
039
馬公
(
うまこう
)
『
喧
(
やかま
)
し
云
(
い
)
ふない、
040
是
(
これ
)
には
秘密
(
ひみつ
)
があるのだ。
041
手廻
(
てまは
)
しだ』
042
虎公
(
とらこう
)
『
手廻
(
てまは
)
して
何
(
なん
)
だい』
043
馬公
(
うまこう
)
『
牛公
(
うしこう
)
の
様
(
やう
)
に
着物
(
きもの
)
を
着
(
き
)
たなりで、
044
飛
(
と
)
び
込
(
こ
)
むでもつまらぬから、
045
時置師
(
ときおかしの
)
神
(
かみ
)
が「コラツ」とやつて
来
(
き
)
よつたら、
046
俺
(
おれ
)
はチヤンと
御
(
お
)
先
(
さき
)
に
此
(
この
)
帯
(
おび
)
解
(
と
)
き
置
(
お
)
かしの
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
となつて、
047
真裸
(
まつぱだか
)
のまま
海
(
うみ
)
の
中
(
なか
)
へドブンだ。
048
貴様
(
きさま
)
等
(
ら
)
も
用意
(
ようい
)
せ、
049
用意
(
ようい
)
を』
050
時置師
(
ときおかしの
)
神
(
かみ
)
は
四辺
(
あたり
)
キヨロキヨロ
見廻
(
みまは
)
しながら、
051
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
囁
(
ささや
)
き
話
(
ばなし
)
を
聞
(
き
)
き、
052
時置師
『ヤアー、
053
久
(
ひさ
)
しく
逢
(
あ
)
はなかつた。
054
御
(
お
)
前
(
まへ
)
等
(
ら
)
は
牛公
(
うしこう
)
の
同役
(
どうやく
)
、
055
ウラル
教
(
けう
)
の
目附
(
めつけ
)
の
馬
(
うま
)
、
056
鹿
(
しか
)
、
057
虎
(
とら
)
の
三
(
さん
)
人
(
にん
)
ぢやないか』
058
虎公
(
とらこう
)
『
トラ
違
(
ちが
)
ひます、
059
シカ
と
見
(
み
)
て
下
(
くだ
)
さいませ、
060
決
(
けつ
)
して
ウマ
い
事
(
こと
)
人
(
ひと
)
を
詐
(
いつは
)
る
様
(
やう
)
な、
061
正直
(
しやうぢき
)
な
男
(
をとこ
)
ぢや
御座
(
ござ
)
いませぬ』
062
時置師
(
ときおかし
)
『アハヽヽヽヽ、
063
其
(
その
)
狼狽
(
うろた
)
へ
様
(
やう
)
は
何
(
なん
)
だ、
064
裸
(
はだか
)
になつて
居
(
を
)
るぢやないか』
065
馬公
(
うまこう
)
『
裸
(
はだか
)
で
物
(
もの
)
は
落
(
おと
)
しませぬからなア。
066
肝腎
(
かんじん
)
の
一
(
ひと
)
つより
無
(
な
)
い
命
(
いのち
)
を
落
(
おと
)
しては
約
(
つま
)
らぬから、
067
まさか
の
時
(
とき
)
の
用意
(
ようい
)
に
裸
(
はだか
)
になつて
置
(
お
)
きませうかい。
068
烈
(
はげ
)
しい
時津風
(
ときつかぜ
)
が
吹
(
ふ
)
いて、
069
舟
(
ふね
)
が
覆
(
かへ
)
る
様
(
やう
)
な
事
(
こと
)
があつては
耐
(
たま
)
りませぬから』
070
時置師
(
ときおかし
)
『
御
(
お
)
前
(
まへ
)
は
確
(
たしか
)
に
牛公
(
うしこう
)
の
連
(
つれ
)
だらう、
071
人間
(
にんげん
)
は
正直
(
しやうぢき
)
にするものだぞ』
072
馬公
(
うまこう
)
『ハイハイ、
073
ドウド
許
(
ゆる
)
して
下
(
くだ
)
さいませ。
074
正真
(
ほんま
)
の
事
(
こと
)
を
云
(
い
)
つたら
命
(
いのち
)
がありませぬわ。
075
今日
(
けふ
)
の
時節
(
じせつ
)
は、
076
真実
(
ほんと
)
の
事
(
こと
)
を
云
(
い
)
へば、
077
悪
(
わる
)
い
奴
(
やつ
)
ぢやと
云
(
い
)
つて、
078
酷
(
ひど
)
い
目
(
め
)
に
逢
(
あ
)
はされる
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
です。
079
嘘
(
うそ
)
が
宝
(
たから
)
となる
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
、
080
嘘
(
うそ
)
から
出
(
で
)
た
誠
(
まこと
)
、
081
誠
(
まこと
)
から
出
(
で
)
た
嘘
(
うそ
)
、
082
嘘
(
うそ
)
か
誠
(
まこと
)
か、
083
雨
(
あめ
)
か
風
(
かぜ
)
か、
084
そこはそれ
好
(
よ
)
い
加減
(
かげん
)
に
操
(
あやつ
)
つて
渡
(
わた
)
るのが
当世
(
たうせい
)
の
遣
(
や
)
り
方
(
かた
)
、
085
決
(
けつ
)
して
決
(
けつ
)
して
此
(
この
)
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
に
逆
(
さか
)
らう
様
(
やう
)
な、
086
悪
(
わる
)
い
人間
(
にんげん
)
ぢや
御座
(
ござ
)
いませぬ。
087
時世
(
ときよ
)
時節
(
じせつ
)
に
従
(
したが
)
ふ
善
(
ぜん
)
の
遣
(
や
)
り
方
(
かた
)
、
088
時
(
とき
)
さまに
従
(
したが
)
ひます』
089
時置師
(
ときおかし
)
『アハヽヽヽヽ、
090
どこ
迄
(
まで
)
もウラル
教
(
けう
)
主義
(
しゆぎ
)
だなア』
091
鹿公
(
しかこう
)
『
斯様
(
かやう
)
斯
(
か
)
う
斯
(
か
)
うシカジカの
因縁
(
いんねん
)
によつて、
092
しか
も
同
(
おな
)
じ
国武丸
(
くにたけまる
)
に
一蓮
(
いちれん
)
托生
(
たくしやう
)
、
093
袖
(
そで
)
振
(
ふ
)
り
合
(
あ
)
ふも
他生
(
たしやう
)
の
縁
(
えん
)
、
094
躓
(
つまづ
)
く
石
(
いし
)
も
縁
(
えん
)
の
端
(
はし
)
、
095
団子
(
だんご
)
食
(
く
)
ふのも
囲炉裡
(
ゐろり
)
の
框
(
かまち
)
』
096
時置師
(
ときおかし
)
『コラコラ
何
(
なに
)
を
云
(
い
)
ふのだ、
097
貴様
(
きさま
)
の
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
は
時々
(
ときどき
)
脱線
(
だつせん
)
するから
困
(
こま
)
る』
098
鹿公
(
しかこう
)
『
鹿
(
しか
)
り
鹿
(
しか
)
り、
099
時
(
とき
)
にとつての
時
(
とき
)
さんへの
御
(
お
)
慰
(
なぐさ
)
み、
100
時世
(
ときよ
)
時節
(
じせつ
)
は
恐
(
こは
)
いもの、
101
この
広
(
ひろ
)
い
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
、
102
一
(
ひと
)
つや
二
(
ふた
)
つ
悪
(
わる
)
い
事
(
こと
)
をしたつて、
103
まさか
時
(
とき
)
さまに
遭遇
(
でつくわ
)
すとは
思
(
おも
)
はなかつた。
104
アーアー
広
(
ひろ
)
い
様
(
やう
)
で
狭
(
せま
)
いは
此
(
この
)
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
だ、
105
まだまだ
狭
(
せま
)
いのは
舟
(
ふね
)
の
中
(
なか
)
、
106
も
一
(
ひと
)
つ
狭
(
せま
)
いは
腹
(
はら
)
の
中
(
なか
)
』
107
時置師
(
ときおかし
)
『ナカナカ
能
(
よ
)
う
囀
(
さへづ
)
る
奴
(
やつ
)
だなア』
108
鹿公
(
しかこう
)
『
泣
(
な
)
く
鹿
(
しか
)
よりも
泣
(
な
)
かぬ
螢
(
ほたる
)
が
身
(
み
)
を
焦
(
こが
)
す』
109
時置師
(
ときおかし
)
『
シカ
タの
無
(
な
)
い
奴
(
やつ
)
だ。
110
何
(
なん
)
だビリビリと
震
(
ふる
)
ひよつて』
111
鹿公
(
しかこう
)
『
身体
(
からだ
)
に
憑
(
つ
)
いたる
曲津
(
まがつ
)
神
(
かみ
)
を
震
(
ふる
)
ひ
落
(
おと
)
して
居
(
ゐ
)
るのですよ。
112
どうぞもう
私
(
わたし
)
の
古
(
ふる
)
い
罪
(
つみ
)
は、
113
貴方
(
あなた
)
もさつぱりと、
114
是
(
これ
)
で
見直
(
みなほ
)
し
聞直
(
ききなほ
)
し、
115
都合
(
つがふ
)
がついたら、
116
他
(
ほか
)
の
船
(
ふね
)
にでも
乗
(
の
)
り
直
(
なほ
)
して
下
(
くだ
)
されば、
117
大変
(
たいへん
)
に
都合
(
つがふ
)
が
好
(
よ
)
いのだがなア』
118
時置師
(
ときおかし
)
『
貴様
(
きさま
)
は
面白
(
おもしろ
)
い
奴
(
やつ
)
だ、
119
イヤ
面黒
(
おもくろ
)
い
奴
(
やつ
)
だ。
120
まるで
渋紙
(
しぶかみ
)
様
(
さん
)
の
様
(
やう
)
な
男
(
をとこ
)
だ。
121
顔
(
かほ
)
に
渋味
(
しぶみ
)
があつて
一寸
(
ちよつと
)
確
(
しつか
)
りした
目附役
(
めつけやく
)
、
122
捕手
(
とりて
)
の
役
(
やく
)
には
持
(
も
)
つて
来
(
こ
)
いだ』
123
虎公
(
とらこう
)
『モシモシ
時様
(
ときさん
)
、
124
鹿公
(
しかこう
)
は
最前
(
さいぜん
)
から
随分
(
ずゐぶん
)
云
(
い
)
うて
居
(
ゐ
)
ましたぜ。
125
それはそれは
大変
(
たいへん
)
に
云
(
い
)
うてましたよ』
126
時置師
(
ときおかし
)
『
何
(
なに
)
を
云
(
い
)
うて
居
(
ゐ
)
たのだ』
127
鹿公
(
しかこう
)
『ユフユフ
自適
(
じてき
)
、
128
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
有難
(
ありがた
)
い
事
(
こと
)
を
云
(
い
)
うて
居
(
ゐ
)
たのです。
129
さうして
三五教
(
あななひけう
)
は
結構
(
けつこう
)
な
教
(
をしへ
)
立派
(
りつぱ
)
な
宣伝使
(
せんでんし
)
が
沢山
(
たくさん
)
ござる。
130
中
(
なか
)
にも
取
(
と
)
り
分
(
わ
)
けて
御
(
お
)
慈悲
(
じひ
)
深
(
ぶか
)
い、
131
神力
(
しんりき
)
の
強
(
つよ
)
い、
132
男前
(
をとこまへ
)
のよい
活神
(
いきがみ
)
さまの
様
(
やう
)
な
宣伝使
(
せんでんし
)
と
云
(
い
)
うたら、
133
マー
時
(
とき
)
さまの
時置師
(
ときおかしの
)
神
(
かみ
)
さまより
外
(
ほか
)
にはあるまい……と
云
(
い
)
うて
御
(
お
)
賞
(
ほ
)
め
申
(
まを
)
して
居
(
を
)
つたのですよ』
134
虎公
(
とらこう
)
『コラ
鹿公
(
しかこう
)
、
135
ユフユフ
云
(
い
)
ふない。
136
モシモシ
宣伝使
(
せんでんし
)
様
(
さま
)
、
137
鹿公
(
しかこう
)
のは
嘘
(
うそ
)
から
出
(
で
)
た
誠
(
まこと
)
でなくて
誠
(
まこと
)
から
出
(
で
)
た
嘘
(
うそ
)
ですよ』
138
鹿公
(
しかこう
)
『
構
(
かま
)
ふない、
139
虎
(
とら
)
の
野郎
(
やらう
)
、
140
貴様
(
きさま
)
は
余程
(
よつぽど
)
卑怯
(
ひけふ
)
な
奴
(
やつ
)
だ。
141
俺
(
おれ
)
等
(
ら
)
二人
(
ふたり
)
はどうなつても
好
(
よ
)
い、
142
貴様
(
きさま
)
一人
(
ひとり
)
助
(
たす
)
かりさへすれば
好
(
よ
)
いと
思
(
おも
)
ふのか。
143
よし、
144
それなら
俺
(
おれ
)
にも
考
(
かんが
)
へがある。
145
モシモシ
宣伝使
(
せんでんし
)
様
(
さま
)
、
146
この
虎公
(
とらこう
)
と
云
(
い
)
ふ
奴
(
やつ
)
、
147
コーカス
山
(
ざん
)
の
八王
(
やつこす
)
から
沢山
(
たくさん
)
の
手当
(
てあて
)
を
貰
(
もら
)
ひよつて、
148
実
(
じつ
)
の
処
(
ところ
)
は
貴方
(
あなた
)
の
後
(
あと
)
を
追従
(
つけ
)
て
来
(
き
)
よつたのです、
149
其
(
その
)
証拠
(
しようこ
)
には
此奴
(
こいつ
)
懐
(
ふところ
)
に
呑
(
の
)
んでますぜ』
150
時置師
(
ときおかし
)
『
呑
(
の
)
んで
居
(
を
)
らうが
呑
(
の
)
んで
居
(
を
)
るまいが、
151
どうでも
好
(
い
)
いぢやないか』
152
虎公
(
とらこう
)
『モシモシ
宣伝使
(
せんでんし
)
様
(
さま
)
、
153
私
(
わたくし
)
を
能
(
よ
)
く
了解
(
れうかい
)
して
下
(
くだ
)
さいませ』
154
鹿公
(
しかこう
)
『
何
(
なに
)
を
吐
(
ぬか
)
しよるのだ。
155
そりや
了解
(
れうかい
)
もして
下
(
くだ
)
さるだらう。
156
宣伝使
(
せんでんし
)
を
何々
(
なになに
)
しようと
思
(
おも
)
うて、
157
追従
(
つけ
)
覘
(
ねろ
)
うて
居
(
を
)
る
悪
(
わる
)
い
奴
(
やつ
)
だから、
158
懐
(
ふところ
)
へ
呑
(
の
)
んで
居
(
ゐ
)
ると
云
(
い
)
う
事
(
こと
)
を、
159
御
(
ご
)
了解
(
れうかい
)
して
下
(
くだ
)
さるワイ。
160
蛙
(
かはず
)
は
口
(
くち
)
から、
161
匕首
(
あいくち
)
が
塞
(
ふさ
)
がらぬワイ』
162
かく
話
(
はな
)
す
折
(
をり
)
しも、
163
舟
(
ふね
)
の
前面
(
ぜんめん
)
に
見上
(
みあ
)
げる
許
(
ばか
)
りの
水柱
(
みづばしら
)
立昇
(
たちのぼ
)
るよと
見
(
み
)
る
間
(
ま
)
に、
164
巨大
(
きよだい
)
なる
亀
(
かめ
)
の
背
(
せ
)
に
載
(
の
)
せられて、
165
牛公
(
うしこう
)
は
嬉
(
うれ
)
しさうに
海面
(
かいめん
)
に
浮
(
うか
)
むで
来
(
き
)
た。
166
馬
(
うま
)
、
167
鹿
(
しか
)
、
168
虎
(
とら
)
一度
(
いちど
)
に、
169
馬公、鹿公、虎公
『ヤアー
牛公
(
うしこう
)
が……
助
(
たす
)
かつた』
170
(
大正一一・三・一〇
旧二・一二
岩田久太郎
録)
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