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霊界物語
霊主体従(第1~12巻)
第12巻(亥の巻)
序文
凡例
総説歌
第1篇 天岩戸開(一)
第1章 正神邪霊
第2章 直会宴
第3章 蚊取別
第4章 初蚊斧
第5章 初貫徹
第6章 招待
第7章 覚醒
第2篇 天岩戸開(二)
第8章 思出の歌
第9章 正夢
第10章 深夜の琴
第11章 十二支
第12章 化身
第13章 秋月滝
第14章 大蛇ケ原
第15章 宣直し
第16章 国武丸
第3篇 天岩戸開(三)
第17章 雲の戸開
第18章 水牛
第19章 呉の海原
第20章 救ひ舟
第21章 立花島
第22章 一島攻撃
第23章 短兵急
第24章 言霊の徳
第25章 琴平丸
第26章 秋月皎々
第27章 航空船
第4篇 古事記略解
第28章 三柱の貴子
第29章 子生の誓
第30章 天の岩戸
余白歌
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霊界物語
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第12巻(亥の巻)
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<<< 立花島
(B)
(N)
短兵急 >>>
第二二章
一島
(
ひとつじま
)
攻撃
(
こうげき
)
〔五一八〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第12巻 霊主体従 亥の巻
篇:
第3篇 天岩戸開(三)
よみ(新仮名遣い):
あまのいわとびらき(三)
章:
第22章 一島攻撃
よみ(新仮名遣い):
ひとつじまこうげき
通し章番号:
518
口述日:
1922(大正11)年03月11日(旧02月13日)
口述場所:
筆録者:
加藤明子
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1922(大正11)年9月30日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
尚武の気に富む深雪姫は、サルジニヤ島にあって、アルプス山より掘り出した鋼鉄で種々の武器を作り、国家鎮護の神業に奉仕するため、島に英雄豪傑を集めて悪魔征討の準備をしていた。
天照大御神はこの様子に、素盞嗚命が善言美詞をもって世の曲業を見直し聞き直し宣り直すべき惟神の大道を無視しているのは、高天原を占領しようという汚い心があるのではないか、と疑いを抱いた。
サルジニヤ島では、兵士たちが日夜訓練をしている。新入り兵の御年村の虎公は、深雪姫が武を蓄えているのは、三五教の精神を忘れたからではない、悪魔を武の威徳によって帰順させるためであり、また、まさかの事態に備えているのだ、と語る。
兵士たちは、館が騒がしくなったのを見て、一目散に走って帰った。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
サルヂニヤ島(サルジニヤ、一つ島)
データ凡例:
データ最終更新日:
2020-11-12 00:59:32
OBC :
rm1222
愛善世界社版:
184頁
八幡書店版:
第2輯 693頁
修補版:
校定版:
194頁
普及版:
79頁
初版:
ページ備考:
001
大空
(
おほぞら
)
に
雲
(
くも
)
立
(
た
)
ち
塞
(
ふさ
)
ぎ
海原
(
うなばら
)
に
002
霧
(
きり
)
立
(
た
)
ち
籠
(
こ
)
めて
四方
(
よも
)
の
国
(
くに
)
003
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐみ
)
の
露
(
つゆ
)
もなく
004
山川
(
やまかは
)
草木
(
くさき
)
泣
(
な
)
き
干
(
ほ
)
して
005
黒白
(
あやめ
)
も
分
(
わ
)
かぬ
暗
(
やみ
)
の
夜
(
よ
)
を
006
今
(
いま
)
や
照
(
てら
)
さむ
瀬戸
(
せと
)
の
海
(
うみ
)
007
百
(
もも
)
の
神
(
かみ
)
たち
百人
(
ももびと
)
を
008
松
(
まつ
)
の
神代
(
かみよ
)
の
末
(
すゑ
)
長
(
なが
)
く
009
救
(
すく
)
はむために
素盞嗚
(
すさのを
)
の
010
神
(
かみ
)
の
御言
(
みこと
)
を
畏
(
かしこ
)
みて
011
思
(
おも
)
ひは
積
(
つも
)
る
深雪姫
(
みゆきひめ
)
012
解
(
と
)
くるよしなき
真心
(
まごころ
)
の
013
誠
(
まこと
)
一
(
ひと
)
つの
一
(
ひと
)
つ
島
(
じま
)
014
熱
(
あつ
)
き
涙
(
なみだ
)
の
多気理
(
たぎり
)
姫
(
ひめ
)
015
コーカス
山
(
ざん
)
に
現
(
あ
)
れませる
016
十握
(
とつか
)
の
剣
(
つるぎ
)
の
威徳
(
ゐとく
)
にて
017
雲霧
(
くもきり
)
四方
(
よも
)
に
切
(
き
)
り
払
(
はら
)
ひ
018
醜
(
しこ
)
の
曲津
(
まがつ
)
を
除
(
のぞ
)
かむと
019
高杉別
(
たかすぎわけ
)
の
籠
(
こも
)
りたる
020
この
神島
(
かみしま
)
に
宮柱
(
みやばしら
)
021
太敷
(
ふとしき
)
立
(
た
)
てて
世
(
よ
)
を
偲
(
しの
)
ぶ
022
瑞霊
(
みづのみたま
)
の
深雪姫
(
みゆきひめ
)
023
吹
(
ふ
)
き
来
(
く
)
る
風
(
かぜ
)
も
腥
(
なまぐさ
)
く
024
人馬
(
じんば
)
の
音
(
おと
)
は
絶間
(
たえま
)
なく
025
矢叫
(
やさけ
)
びの
声
(
こゑ
)
鬨
(
とき
)
の
声
(
こゑ
)
026
世
(
よ
)
は
騒
(
さわ
)
がしく
群鳥
(
むらどり
)
の
027
群
(
む
)
れ
立
(
た
)
つばかり
沖
(
おき
)
つ
鳥
(
とり
)
028
沖
(
おき
)
の
鴎
(
かもめ
)
の
声
(
こゑ
)
さへも
029
いと
佗
(
わび
)
しげに
聞
(
きこ
)
ゆなり
030
ここは
名
(
な
)
に
負
(
お
)
ふサルジニヤ
031
神
(
かみ
)
の
守
(
まも
)
りもアルプスの
032
鋼
(
まがね
)
、
鉄
(
くろがね
)
取
(
と
)
り
出
(
い
)
でて
033
百
(
もも
)
の
兵器
(
つはもの
)
造
(
つく
)
りつつ
034
珍
(
うづ
)
の
御魂
(
みたま
)
と
仕
(
つか
)
へたる
035
心
(
こころ
)
も
猛
(
たけ
)
き
兵士
(
つはもの
)
は
036
雲
(
くも
)
の
如
(
ごと
)
くに
集
(
あつ
)
まれり。
037
コーカス
山
(
ざん
)
の
珍
(
うづ
)
の
宮
(
みや
)
に、
038
御巫子
(
みかんのこ
)
として
仕
(
つか
)
へたる、
039
月
(
つき
)
雪
(
ゆき
)
花
(
はな
)
の
姉妹
(
おとどひ
)
の
一人
(
ひとり
)
、
040
深雪姫
(
みゆきひめ
)
は、
041
尚武
(
しやうぶ
)
勇健
(
ゆうけん
)
の
気質
(
きしつ
)
に
富
(
と
)
み、
042
十握
(
とつか
)
の
剣
(
つるぎ
)
の
威徳
(
ゐとく
)
に
感
(
かん
)
じて、
043
アルプス
山
(
さん
)
の
鋼鉄
(
まがね
)
を
掘出
(
ほりだ
)
し、
044
種々
(
しゆじゆ
)
の
武器
(
ぶき
)
を
造
(
つく
)
り
備
(
そな
)
へて、
045
国家
(
こくか
)
鎮護
(
ちんご
)
の
神業
(
しんげふ
)
に
奉仕
(
ほうし
)
せむと、
046
天下
(
てんか
)
の
英雄
(
えいゆう
)
豪傑
(
がうけつ
)
を
此
(
この
)
島
(
しま
)
に
集
(
あつ
)
め、
047
悪魔
(
あくま
)
征討
(
せいたう
)
の
準備
(
じゆんび
)
に
備
(
そな
)
へつつあつた。
048
宮殿
(
きうでん
)
の
屋根
(
やね
)
は
千木
(
ちぎ
)
、
049
勝男木
(
かつをぎ
)
を
高
(
たか
)
く、
050
千木
(
ちぎ
)
の
先
(
さき
)
は
鋭利
(
えいり
)
なる
両刃
(
もろは
)
の
剣
(
つるぎ
)
を
以
(
もつ
)
て
造
(
つく
)
り、
051
勝男木
(
かつをぎ
)
もまた
両端
(
りやうたん
)
を
剣
(
つるぎ
)
の
如
(
ごと
)
く
尖
(
とが
)
らせ、
052
館
(
やかた
)
の
周囲
(
しうゐ
)
には
剣
(
つるぎ
)
の
垣
(
かき
)
を
繞
(
めぐ
)
らし、
053
曲津
(
まがつ
)
の
侵入
(
しんにふ
)
を
許
(
ゆる
)
さず
用心
(
ようじん
)
堅固
(
けんご
)
の
金城
(
きんじやう
)
鉄壁
(
てつぺき
)
なりける。
054
武勇
(
ぶゆう
)
の
神
(
かみ
)
は
先
(
さき
)
を
争
(
あらそ
)
うてこの
一
(
ひと
)
つ
島
(
じま
)
に
集
(
あつ
)
まり
来
(
きた
)
り、
055
天下
(
てんか
)
の
邪神
(
じやしん
)
を
掃蕩
(
さうたう
)
し、
056
遍
(
あまね
)
く
神人
(
しんじん
)
を
安堵
(
あんど
)
せしめむと
昼夜
(
ちうや
)
間断
(
かんだん
)
なく
武術
(
ぶじゆつ
)
の
稽古
(
けいこ
)
に
余念
(
よねん
)
なく、
057
剣戟
(
けんげき
)
射御
(
しやぎよ
)
に
勤
(
いそし
)
む
声
(
こゑ
)
は
瀬戸
(
せと
)
の
海
(
うみ
)
を
越
(
こ
)
えて、
058
遠
(
とほ
)
く
天教山
(
てんけうざん
)
に
鎮
(
しづ
)
まります
撞
(
つき
)
の
御柱
(
みはしら
)
の
神
(
かみ
)
、
059
天照
(
あまてらす
)
大神
(
おほかみ
)
の
御
(
おん
)
許
(
もと
)
にも、
060
手
(
て
)
に
取
(
と
)
るが
如
(
ごと
)
く
轟
(
とどろ
)
き
渡
(
わた
)
りぬ。
061
天照
(
あまてらす
)
大御神
(
おほみかみ
)
は、
062
善言
(
ぜんげん
)
美詞
(
びし
)
をもつて
世
(
よ
)
の
曲業
(
まがわざ
)
を、
063
見直
(
みなほ
)
し
聞
(
き
)
き
直
(
なほ
)
し
詔
(
の
)
り
直
(
なほ
)
すべき
天地
(
てんち
)
惟神
(
かむながら
)
の
大道
(
だいだう
)
を
無視
(
むし
)
して、
064
殺伐
(
さつばつ
)
なる
武器
(
ぶき
)
を
造
(
つく
)
り
武芸
(
ぶげい
)
を
励
(
はげ
)
むは
弟神
(
おとうとがみ
)
素盞嗚
(
すさのをの
)
命
(
みこと
)
の
高天原
(
たかあまはら
)
を
占領
(
せんりやう
)
せむとする、
065
汚
(
きたな
)
き
心
(
こころ
)
のあるならむと、
066
内心
(
ないしん
)
日夜
(
にちや
)
不快
(
ふくわい
)
の
念
(
ねん
)
に
駆
(
か
)
られ
給
(
たま
)
ひつつあらせられた。
067
四五
(
しご
)
の
勇士
(
ゆうし
)
は
武術
(
ぶじゆつ
)
の
稽古
(
けいこ
)
を
終
(
をは
)
り、
068
眺望
(
てうばう
)
よき
一
(
ひと
)
つ
島
(
じま
)
の
山巓
(
さんてん
)
に
登
(
のぼ
)
り、
069
諸々
(
もろもろ
)
の
木実
(
このみ
)
を
漁
(
あさ
)
り、
070
瓢
(
ふくべ
)
の
酒
(
さけ
)
を
傾
(
かたむ
)
けながら
雑談
(
ざつだん
)
に
耽
(
ふけ
)
り
居
(
ゐ
)
る。
071
甲
(
かふ
)
『
我々
(
われわれ
)
はかうして
昼夜
(
ちうや
)
の
区別
(
くべつ
)
なく
太刀打
(
たちうち
)
の
稽古
(
けいこ
)
、
072
槍
(
やり
)
の
稽古
(
けいこ
)
に
体
(
からだ
)
も
骨
(
ほね
)
もグダグダになつて
仕舞
(
しま
)
つた。
073
太刀
(
たち
)
と
槍
(
やり
)
との
稽古
(
けいこ
)
が
済
(
す
)
めば、
074
また
弓
(
ゆみ
)
の
稽古
(
けいこ
)
、
075
馬
(
うま
)
乗
(
の
)
りの
稽古
(
けいこ
)
をと
強
(
しひ
)
られるのだ。
076
敵
(
てき
)
も
無
(
な
)
いのに
此
(
この
)
離島
(
はなれじま
)
で、
077
これだけ
武芸
(
ぶげい
)
を
励
(
はげ
)
まされるのは
何
(
なん
)
のためだらう』
078
乙
(
おつ
)
『
平和
(
へいわ
)
の
時
(
とき
)
に
武
(
ぶ
)
を
練
(
ね
)
るのが
武術
(
ぶじゆつ
)
の
奥義
(
おくぎ
)
だ。
079
サア
戦争
(
せんそう
)
が
勃発
(
ぼつぱつ
)
したからと
云
(
い
)
つて、
080
俄
(
にはか
)
に
慌
(
あわ
)
てたところが、
081
何
(
なん
)
の
役
(
やく
)
にも
立
(
た
)
たない。
082
武士
(
ぶし
)
は
国
(
くに
)
を
護
(
まも
)
るものだ。
083
常
(
つね
)
から
武術
(
ぶじゆつ
)
の
鍛練
(
たんれん
)
が
必要
(
ひつえう
)
だから、
084
それで
日々
(
にちにち
)
稽古
(
けいこ
)
をさせられるのだよ』
085
丙
(
へい
)
『かう
毎日
(
まいにち
)
日日
(
ひにち
)
空
(
そら
)
は
曇
(
くも
)
り、
086
地
(
ち
)
は
霧
(
きり
)
とも
靄
(
もや
)
とも
知
(
し
)
れぬ
物
(
もの
)
が
立
(
た
)
ち
籠
(
こ
)
めて、
087
一間先
(
いつけんさき
)
が
碌々
(
ろくろく
)
見
(
み
)
えぬやうになつて
来
(
き
)
たのだから、
088
此
(
この
)
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
が
物騒
(
ぶつそう
)
で、
089
安心
(
あんしん
)
して
暮
(
くら
)
されぬやうになつたので、
090
各自
(
めいめい
)
護身
(
ごしん
)
のために、
091
大慈
(
だいじ
)
大悲
(
だいひ
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
が
武術
(
ぶじゆつ
)
を
奨励
(
しやうれい
)
なさるのだよ』
092
甲
(
かふ
)
『
三五教
(
あななひけう
)
の
教
(
をしへ
)
には……
神
(
かみ
)
は
言霊
(
ことたま
)
をもつて
言向
(
ことむ
)
け
和
(
やは
)
すのであるから、
093
武器
(
ぶき
)
をもつて
征伐
(
せいばつ
)
を
行
(
おこな
)
つたり、
094
侵略
(
しんりやく
)
したり、
095
他
(
た
)
の
国
(
くに
)
を
併呑
(
へいどん
)
するやうな
体主
(
たいしゆ
)
霊従
(
れいじう
)
的
(
てき
)
の
教
(
をしへ
)
でない。
096
道義
(
だうぎ
)
的
(
てき
)
に
世界
(
せかい
)
を
統一
(
とういつ
)
するのだ……と
仰
(
あふ
)
せられて
居
(
を
)
るではないか、
097
何
(
なに
)
を
苦
(
くる
)
しむで
武備
(
ぶび
)
を
整
(
ととの
)
へ、
098
平地
(
へいち
)
に
浪
(
なみ
)
を
起
(
おこ
)
すやうな
事
(
こと
)
をなさるのだらう。
099
まるでウラル
教
(
けう
)
のやうぢやないか』
100
乙
(
おつ
)
『さうだなア、
101
三五教
(
あななひけう
)
の
教理
(
けうり
)
とは
名実
(
めいじつ
)
相
(
あひ
)
反
(
はん
)
して
居
(
を
)
るやり
方
(
かた
)
だ。
102
大声
(
おほごゑ
)
では
言
(
い
)
はれぬが、
103
これや
何
(
なん
)
でも
深雪姫
(
みゆきひめ
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
に
八岐
(
やまた
)
の
大蛇
(
をろち
)
か、
104
鬼
(
おに
)
が
憑
(
つ
)
いて
為
(
さ
)
せるのだらうよ』
105
丙
(
へい
)
『
実際
(
じつさい
)
それだつたら
我々
(
われわれ
)
は
実
(
じつ
)
に
約
(
つま
)
らぬものだ。
106
一生
(
いつしやう
)
懸命
(
けんめい
)
骨身
(
ほねみ
)
を
砕
(
くだ
)
くやうな
辛
(
つら
)
い
稽古
(
けいこ
)
をさせられて、
107
天則
(
てんそく
)
違反
(
ゐはん
)
の
大罪
(
だいざい
)
を
重
(
かさ
)
ねるやうでは
約
(
つま
)
らぬじやないか』
108
丁
(
てい
)
『
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
が
武
(
ぶ
)
を
練
(
ね
)
り、
109
数多
(
あまた
)
の
武器
(
ぶき
)
を
蓄
(
たくは
)
へ
給
(
たま
)
ふのは
変事
(
へんじ
)
に
際
(
さい
)
して
天下
(
てんか
)
万民
(
ばんみん
)
を
救
(
すく
)
うためだよ。
110
大慈
(
だいじ
)
大悲
(
だいひ
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
が
何
(
なに
)
しに
好
(
この
)
むで
殺伐
(
さつばつ
)
な
修業
(
しうげふ
)
を
遊
(
あそ
)
ばすものかい。
111
悪魔
(
あくま
)
は
剣
(
つるぎ
)
の
威徳
(
ゐとく
)
に
恐
(
おそ
)
れ、
112
武術
(
ぶじゆつ
)
の
徳
(
とく
)
によつて
心
(
こころ
)
を
改
(
あらた
)
め、
113
善道
(
ぜんだう
)
に
帰順
(
きじゆん
)
するものだ。
114
如何
(
いか
)
に
善言
(
ぜんげん
)
美詞
(
びし
)
の
言霊
(
ことたま
)
と
雖
(
いへど
)
も、
115
曇
(
くも
)
り
切
(
き
)
つたる
悪神
(
あくがみ
)
の
耳
(
みみ
)
には
入
(
はい
)
るものでない、
116
そこで
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
が
大慈
(
だいじ
)
大悲心
(
だいひしん
)
を
発揮
(
はつき
)
して、
117
眼
(
め
)
にものを
見
(
み
)
せて、
118
改心
(
かいしん
)
させると
云
(
い
)
ふお
経綸
(
しぐみ
)
だ。
119
素盞嗚
(
すさのをの
)
命
(
みこと
)
様
(
さま
)
は
一寸
(
ちよつと
)
見
(
み
)
たところでは、
120
実
(
じつ
)
に
恐
(
おそ
)
ろしい、
121
猛
(
たけ
)
しい
戦
(
いくさ
)
好
(
ず
)
きの
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
のやうだが、
122
決
(
けつ
)
して
殺伐
(
さつばつ
)
な
事
(
こと
)
はお
好
(
この
)
みにはならぬ。
123
それ
故
(
ゆゑ
)
に
此
(
この
)
世
(
よ
)
に
愛想
(
あいさう
)
を
尽
(
つ
)
かして、
124
円満
(
ゑんまん
)
具足
(
ぐそく
)
温和
(
をんわ
)
なる
月
(
つき
)
の
大神
(
おほかみ
)
の
世界
(
せかい
)
へ
帰
(
かへ
)
り
度
(
た
)
いと
云
(
い
)
つて、
125
日夜
(
にちや
)
御
(
お
)
歎
(
なげ
)
き
遊
(
あそ
)
ばし、
126
慈愛
(
じあい
)
の
涙
(
なみだ
)
に
暮
(
く
)
れて
居
(
を
)
られると、
127
そこへ
御
(
お
)
父神
(
ちちがみ
)
が
天
(
てん
)
よりお
降
(
くだ
)
りになつて、
128
お
前
(
まへ
)
のやうな
気
(
き
)
の
弱
(
よわ
)
い
事
(
こと
)
ではどうして
此
(
この
)
世
(
よ
)
が
治
(
をさ
)
まるか、
129
勇気
(
ゆうき
)
絶倫
(
ぜつりん
)
の
汝
(
なんぢ
)
を
選
(
えら
)
むで、
130
悪魔
(
あくま
)
の
蔓
(
はびこ
)
る
海原
(
うなばら
)
の
国
(
くに
)
を
修理
(
しうり
)
固成
(
こせい
)
せよと
命令
(
めいれい
)
を
下
(
くだ
)
してあるに、
131
その
女々
(
めめ
)
しいやり
方
(
かた
)
は
怪
(
け
)
しからぬ、
132
と
云
(
い
)
つて
大変
(
たいへん
)
に
御
(
ご
)
立腹
(
りつぷく
)
遊
(
あそ
)
ばしたので、
133
素盞嗚
(
すさのをの
)
命
(
みこと
)
様
(
さま
)
は、
134
姉君
(
あねぎみ
)
の
天照
(
あまてらす
)
大神
(
おほかみ
)
にお
暇乞
(
いとまごひ
)
のために、
135
高天原
(
たかあまはら
)
にお
上
(
のぼ
)
りになつたと
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
だ。
136
其
(
その
)
御魂
(
みたま
)
を
受
(
う
)
け
継
(
つ
)
いだる
珍
(
うづ
)
の
御子
(
みこ
)
深雪姫
(
みゆきひめ
)
様
(
さま
)
は、
137
尚武
(
しやうぶ
)
勇健
(
ゆうけん
)
なる
女神
(
めがみ
)
に
在
(
ましま
)
す
故
(
ゆゑ
)
に
まさか
の
時
(
とき
)
の
用意
(
ようい
)
に
武
(
ぶ
)
を
練
(
ね
)
つて
居
(
を
)
らるるのであらうよ。
138
武術
(
ぶじゆつ
)
は
決
(
けつ
)
して
折伏
(
しやくふく
)
のためではない、
139
摂受
(
せつじゆ
)
のためだ。
140
悪魔
(
あくま
)
を
払
(
はら
)
ひ
万民
(
ばんみん
)
を
救
(
すく
)
ふ
真心
(
まごころ
)
から
出
(
い
)
でさせられた
御
(
ご
)
神策
(
しんさく
)
に
違
(
ちが
)
ひないワ』
141
甲
(
かふ
)
『お
前
(
まへ
)
はよく
詳
(
くは
)
しい
事
(
こと
)
を
知
(
し
)
つて
居
(
ゐ
)
るなア、
142
一体
(
いつたい
)
何処
(
どこ
)
から
来
(
き
)
たのだ。
143
此
(
この
)
道場
(
だうぢやう
)
へ
来
(
き
)
てから
未
(
ま
)
だ
間
(
ま
)
もないに、
144
武術
(
ぶじゆつ
)
は
中々
(
なかなか
)
立派
(
りつぱ
)
なものだなア』
145
丁
(
てい
)
『
俺
(
おれ
)
か、
146
俺
(
おれ
)
は
元
(
もと
)
は
百姓
(
ひやくしやう
)
だ。
147
御年村
(
みとせむら
)
の
虎公
(
とらこう
)
と
云
(
い
)
ふ
男
(
をとこ
)
だよ』
148
甲
(
かふ
)
『ヤア、
149
お
前
(
まへ
)
があの
名高
(
なだか
)
い
自称
(
じしよう
)
艮
(
うしとら
)
の
金神
(
こんじん
)
だな、
150
道理
(
だうり
)
で
大
(
おほ
)
きな
男
(
をとこ
)
だと
思
(
おも
)
つたよ』
151
虎公
(
とらこう
)
『アア、
152
確
(
たしか
)
に
夫
(
それ
)
とは
分
(
わか
)
らぬが、
153
何
(
なん
)
だか
館
(
やかた
)
は
騒動
(
さうだう
)
がおつ
始
(
ぱじ
)
まつたやうだ。
154
サア
皆
(
みな
)
の
連中
(
れんちう
)
、
155
愚図
(
ぐづ
)
々々
(
ぐづ
)
しては
居
(
を
)
れない。
156
早
(
はや
)
く
館
(
やかた
)
へ
駆
(
か
)
けつけよう』
157
と
虎
(
とら
)
さまを
先頭
(
せんとう
)
に
一同
(
いちどう
)
は
丘
(
をか
)
を
下
(
くだ
)
り、
158
館
(
やかた
)
を
指
(
さ
)
して
一散走
(
いつさんばし
)
りに
駆
(
か
)
けり
行
(
ゆ
)
く。
159
(
大正一一・三・一一
旧二・一三
加藤明子
録)
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