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霊界物語
霊主体従(第1~12巻)
第12巻(亥の巻)
序文
凡例
総説歌
第1篇 天岩戸開(一)
第1章 正神邪霊
第2章 直会宴
第3章 蚊取別
第4章 初蚊斧
第5章 初貫徹
第6章 招待
第7章 覚醒
第2篇 天岩戸開(二)
第8章 思出の歌
第9章 正夢
第10章 深夜の琴
第11章 十二支
第12章 化身
第13章 秋月滝
第14章 大蛇ケ原
第15章 宣直し
第16章 国武丸
第3篇 天岩戸開(三)
第17章 雲の戸開
第18章 水牛
第19章 呉の海原
第20章 救ひ舟
第21章 立花島
第22章 一島攻撃
第23章 短兵急
第24章 言霊の徳
第25章 琴平丸
第26章 秋月皎々
第27章 航空船
第4篇 古事記略解
第28章 三柱の貴子
第29章 子生の誓
第30章 天の岩戸
余白歌
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霊界物語
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霊主体従(第1~12巻)
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第12巻(亥の巻)
> 第3篇 天岩戸開(三) > 第24章 言霊の徳
<<< 短兵急
(B)
(N)
琴平丸 >>>
第二四章
言霊
(
ことたま
)
の
徳
(
とく
)
〔五二〇〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第12巻 霊主体従 亥の巻
篇:
第3篇 天岩戸開(三)
よみ(新仮名遣い):
あまのいわとびらき(三)
章:
第24章 言霊の徳
よみ(新仮名遣い):
ことたまのとく
通し章番号:
520
口述日:
1922(大正11)年03月11日(旧02月13日)
口述場所:
筆録者:
岩田久太郎
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1922(大正11)年9月30日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
手力男神は、館の正門に厳然として現われ、敵軍の襲来を待っている。攻め寄せる軍は、天菩比命に率いられ、血染めの刀を引っさげて館に迫り来る有様は、地獄の光景のようであった。
天菩比命は手力男神を認めると、名乗りを上げた。曰く、撞の御柱神の命によって悪逆無道の素盞嗚命を征伐にやって来たのだ、という。
手力男命はにっこりとして門を左右に開け、天菩比命の軍を招きいれた。そして食事を取って休息するようにと促し、自分たちは善言美詞によって言向け和す素盞嗚命の大御心を奉戴するものである、と宣言した。そして、疑う天菩比命らに対して、用意した酒食を毒見して見せた。
なおも罠を疑う天菩比命に対して、手力男は、七十五声の言霊、善言美詞によって天地清明、天下太平にこの世を収める言霊以外に何もないことを釈明した。
そこへ高杉別がやってきて、奥殿で大神の御神慮を伺ったところ、言霊をもって荒ぶる神を言向け和すように戒めを受けた、という。そして手力男の神の先見を称えた。
天菩比命はこの有様を見てすっかり殺伐たる心を忘れてしまい、部下たちに武具を脱いで休息するようにと命じた。数多の将卒たちは武装を解いて酒食を食らい、歓喜に踊り舞った。
このとき深雪姫は兵士たちが酒を酌み交わしている宴の場に現れて、声も涼しく宣伝歌を歌った。その歌は、素盞嗚命の真意を説き、天照大御神の誤解を解くように諭していた。
天菩比命はこの歌を聞いて懺悔の念に堪えず、涙に暮れていた。そのとき、両軍の間に巨大な火光が現れ、美しい男神となった。この神は伊弉諾命の御子・日の出神であった。正邪善悪の証明のために、天教山よりお降りになったのであった。
天菩比命の復命により、いよいよ須佐之男命の麗しき御心が判明した。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
サルヂニヤ島(サルヂニヤ、一つ島)
データ凡例:
データ最終更新日:
2020-11-12 01:04:56
OBC :
rm1224
愛善世界社版:
199頁
八幡書店版:
第2輯 699頁
修補版:
校定版:
211頁
普及版:
86頁
初版:
ページ備考:
001
手力男
(
たぢからをの
)
神
(
かみ
)
は
正門
(
せいもん
)
に
現
(
あらは
)
れ、
002
儼然
(
げんぜん
)
として
敵軍
(
てきぐん
)
の
襲来
(
しふらい
)
を
心待
(
こころまち
)
に
待
(
ま
)
つて
居
(
を
)
る。
003
天菩比
(
あめのほひの
)
命
(
みこと
)
は
数多
(
あまた
)
の
軍勢
(
ぐんぜい
)
を
引連
(
ひきつ
)
れ、
004
軍卒
(
ぐんそつ
)
は
手
(
て
)
に
手
(
て
)
に
松明
(
たいまつ
)
を
持
(
も
)
ち、
005
四辺
(
あたり
)
に
火
(
ひ
)
をつけ
焼
(
や
)
き
滅
(
ほろ
)
ぼしつつ
進
(
すす
)
み
来
(
く
)
る。
006
後
(
あと
)
よりは
一隊
(
いつたい
)
の
軍勢
(
ぐんぜい
)
、
007
血刀
(
ちがたな
)
を
振
(
ふる
)
つて
登
(
のぼ
)
り
来
(
く
)
る。
008
その
光景
(
くわうけい
)
恰
(
あたか
)
も
地獄道
(
ぢごくだう
)
の
如
(
ごと
)
く
思
(
おも
)
はれけり。
009
菩比
(
ほひの
)
命
(
みこと
)
は
門前
(
もんぜん
)
に
現
(
あらは
)
れ、
010
手力男
(
たぢからをの
)
神
(
かみ
)
に
向
(
むか
)
ひて、
011
菩比
(
ほひの
)
命
(
みこと
)
『オー、
012
汝
(
なんじ
)
は
何神
(
なにがみ
)
なるか、
013
速
(
はや
)
須佐之男
(
すさのを
)
の
悪逆
(
あくぎやく
)
無道
(
ぶだう
)
なる
邪神
(
じやしん
)
に
従
(
したが
)
ふ
曲津
(
まがつ
)
神
(
かみ
)
、
014
我
(
われ
)
は
天教山
(
てんけうざん
)
に
在
(
ま
)
します
撞
(
つき
)
の
御柱
(
みはしらの
)
神
(
かみ
)
の
神命
(
しんめい
)
を
奉
(
ほう
)
じ、
015
汝
(
なんぢ
)
等
(
ら
)
を
征伐
(
せいばつ
)
せむが
為
(
ため
)
に
立向
(
たちむか
)
うたり。
016
最早
(
もはや
)
この
嶋
(
しま
)
は
殆
(
ほとん
)
ど
焼
(
や
)
き
尽
(
つく
)
し、
017
汝
(
なんぢ
)
等
(
ら
)
が
部下
(
ぶか
)
の
将卒
(
しやうそつ
)
は、
018
大半
(
たいはん
)
刃
(
やいば
)
の
錆
(
さび
)
と
消
(
き
)
え
失
(
う
)
せたれば、
019
最早
(
もはや
)
抵抗
(
ていかう
)
するの
余力
(
よりよく
)
もなかるべし。
020
イザ
尋常
(
じんじやう
)
に
此
(
この
)
門
(
もん
)
を
開
(
ひら
)
き
降伏
(
かうふく
)
せよ』
021
と
馬上
(
ばじやう
)
に
跨
(
またが
)
つた
儘
(
まま
)
、
022
威丈高
(
ゐたけだか
)
に
呼
(
よば
)
はり
居
(
を
)
る。
023
手力男
(
たぢからをの
)
神
(
かみ
)
は
莞爾
(
くわんじ
)
として、
024
門
(
もん
)
を
左右
(
さいう
)
にサツと
開
(
ひら
)
き、
025
手力男神
『サアサア、
026
門
(
もん
)
は
斯
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
く
開放
(
かいはう
)
致
(
いた
)
しました。
027
何卒
(
なにとぞ
)
御
(
ご
)
自由
(
じいう
)
に
御
(
お
)
這入
(
はい
)
り
下
(
くだ
)
さいませ。
028
数多
(
あまた
)
の
軍卒
(
ぐんそつ
)
等
(
たち
)
に
於
(
おい
)
ても、
029
嘸
(
さぞ
)
お
疲
(
つか
)
れで
御座
(
ござ
)
いませう。
030
是丈
(
これだけ
)
の
嶋
(
しま
)
に
火
(
ひ
)
を
放
(
はな
)
つて
焼
(
や
)
きなさるのも
並大抵
(
なみたいてい
)
の
御
(
ご
)
苦労
(
くらう
)
では
御座
(
ござ
)
いますまい。
031
御
(
お
)
蔭
(
かげ
)
でこの
嶋
(
しま
)
を
荒
(
あら
)
す
猛獣
(
まうじう
)
毒蛇
(
どくじや
)
も
殆
(
ほと
)
ンど
全滅
(
ぜんめつ
)
致
(
いた
)
しました。
032
お
腹
(
なか
)
が
空
(
す
)
いたでせう、
033
喉
(
のど
)
がお
乾
(
かわ
)
きでせう。
034
此処
(
ここ
)
に
沢山
(
たくさん
)
の
握
(
にぎ
)
り
飯
(
めし
)
、
035
酒
(
さけ
)
も
用意
(
ようい
)
がして
御座
(
ござ
)
います。
036
何万
(
なんまん
)
人
(
にん
)
のお
方
(
かた
)
が
御
(
お
)
上
(
あが
)
り
下
(
くだ
)
さつても
恥
(
はぢ
)
を
掻
(
か
)
きませぬ。
037
どうぞ
緩
(
ゆる
)
りと
御
(
お
)
上
(
あが
)
り
下
(
くだ
)
さいませ。
038
その
様
(
やう
)
に
恐
(
こは
)
い
顔
(
かほ
)
をして、
039
肩臂
(
かたひぢ
)
怒
(
いか
)
らし、
040
固
(
かた
)
くなつて
居
(
を
)
られては
御
(
お
)
肩
(
かた
)
が
凝
(
こ
)
りませう。
041
我々
(
われわれ
)
は
善言
(
ぜんげん
)
美詞
(
びし
)
の
言霊
(
ことたま
)
を
以
(
もつ
)
て、
042
直日
(
なほひ
)
に
見直
(
みなほ
)
し
宣
(
の
)
り
直
(
なほ
)
す、
043
神
(
かむ
)
須佐之男
(
すさのをの
)
大神
(
おほかみ
)
の
御
(
ご
)
神慮
(
しんりよ
)
を
奉戴
(
ほうたい
)
するもの、
044
決
(
けつ
)
して
決
(
けつ
)
して
酒
(
さけ
)
にも
飯
(
めし
)
にも
毒
(
どく
)
などは
入
(
い
)
れて
居
(
を
)
りませぬ、
045
御緩
(
ごゆる
)
りとお
召
(
め
)
し
上
(
あが
)
り
下
(
くだ
)
さいます
様
(
やう
)
に』
046
菩比
(
ほひの
)
命
(
みこと
)
『ヤアー、
047
汝
(
なんぢ
)
は
百計
(
ひやくけい
)
尽
(
つ
)
き、
048
毒
(
どく
)
を
以
(
もつ
)
て、
049
我
(
われ
)
等
(
ら
)
を
全滅
(
ぜんめつ
)
せむとの
巧
(
たくみ
)
であらう。
050
その
手
(
て
)
は
食
(
く
)
はぬぞ』
051
手力男神
『
是
(
これ
)
は
是
(
これ
)
は、
052
迷惑
(
めいわく
)
千万
(
せんばん
)
。
053
然
(
しか
)
らば
手力男
(
たぢからを
)
が
御
(
お
)
毒見
(
どくみ
)
を
致
(
いた
)
しませう』
054
と
云
(
い
)
ひ
乍
(
なが
)
ら、
055
酒樽
(
さかだる
)
に
柄杓
(
ひしやく
)
を
突
(
つ
)
き
込
(
こ
)
み、
056
掬
(
すく
)
うては
二三杯
(
にさんばい
)
グツと
飲
(
の
)
み、
057
握
(
にぎ
)
り
飯
(
めし
)
を
矢庭
(
やには
)
に
五
(
いつ
)
つ
六
(
むつ
)
つ
頬張
(
ほほば
)
つて
見
(
み
)
せた。
058
菩比命
『
然
(
しか
)
らば
暫
(
しばら
)
く
休息
(
きうそく
)
いたす。
059
今
(
いま
)
の
間
(
うち
)
に
館内
(
くわんない
)
の
者
(
もの
)
共
(
ども
)
、
060
城
(
しろ
)
明渡
(
あけわた
)
しの
準備
(
じゆんび
)
を
致
(
いた
)
せ』
061
手力男神
『マアマア、
062
さう
厳
(
きび
)
しく
仰
(
あふ
)
せられるに
及
(
およ
)
びませぬ。
063
同
(
おな
)
じ
天地
(
てんち
)
の
神
(
かみ
)
の
水火
(
いき
)
より
生
(
うま
)
れた
人間
(
にんげん
)
同志
(
どうし
)
、
064
心
(
こころ
)
一
(
ひと
)
つの
持様
(
もちやう
)
で
敵
(
てき
)
もなければ
味方
(
みかた
)
もない、
065
何
(
いづ
)
れも
神
(
かみ
)
の
水火
(
いき
)
より
生
(
うま
)
れた
我々
(
われわれ
)
、
066
天下
(
てんか
)
の
喜
(
よろこ
)
びも
天下
(
てんか
)
の
悲
(
かな
)
しみも
皆
(
みな
)
一蓮
(
いちれん
)
托生
(
たくしやう
)
で
厶
(
ござ
)
る』
067
菩比命
『
汝
(
なんぢ
)
はこの
場
(
ば
)
に
望
(
のぞ
)
んで
気楽
(
きらく
)
千万
(
せんばん
)
な
事
(
こと
)
を
申
(
まを
)
す
奴
(
やつ
)
、
068
何
(
なに
)
か
深
(
ふか
)
い
秘密
(
ひみつ
)
が
包
(
つつ
)
まれてあるに
相違
(
さうゐ
)
なからう。
069
左様
(
さやう
)
な
事
(
こと
)
に
欺
(
あざむ
)
かるる
菩火
(
ほひ
)
ではないぞ』
070
手力男神
『
手力男
(
たぢからを
)
の
秘密
(
ひみつ
)
と
申
(
まを
)
せば
七十五
(
しちじふご
)
声
(
せい
)
の
言霊
(
ことたま
)
、
071
美言美詞
(
みやび
)
の
神嘉言
(
かむよごと
)
の
威徳
(
ゐとく
)
に
依
(
よ
)
つて、
072
天地
(
てんち
)
清明
(
せいめい
)
国土
(
こくど
)
安穏
(
あんをん
)
、
073
病
(
やまひ
)
無
(
な
)
く
争
(
あらそ
)
ひ
無
(
な
)
く、
074
天下
(
てんか
)
太平
(
たいへい
)
にこの
世
(
よ
)
を
治
(
をさ
)
める、
075
言霊
(
ことたま
)
の
秘密
(
ひみつ
)
より
外
(
ほか
)
には
何物
(
なにもの
)
も
御座
(
ござ
)
いませむ』
076
高杉別
(
たかすぎわけ
)
はこの
場
(
ば
)
に
立現
(
たちあらは
)
れ、
077
高杉別
『オー、
078
手力男
(
たぢからを
)
殿
(
どの
)
、
079
唯今
(
ただいま
)
奥殿
(
おくでん
)
に
進
(
すす
)
み
入
(
い
)
り、
080
深雪姫
(
みゆきひめ
)
の
御前
(
みまへ
)
に
致
(
いた
)
つて、
081
御
(
ご
)
神慮
(
しんりよ
)
を
伺
(
うかが
)
ひ
奉
(
たてまつ
)
るに、
082
瑞
(
みづ
)
の
御霊
(
みたま
)
の
御
(
おん
)
仰
(
あふ
)
せ、
083
言霊
(
ことたま
)
を
以
(
もつ
)
て
荒
(
あら
)
ぶる
神
(
かみ
)
を
言向
(
ことむ
)
け
和
(
やは
)
せとの
御
(
お
)
戒
(
いまし
)
め。
084
イヤハヤ
貴神
(
きしん
)
の
遣
(
や
)
り
方
(
かた
)
には
高杉別
(
たかすぎわけ
)
も
感服
(
かんぷく
)
致
(
いた
)
した。
085
大国別
(
ひろくにわけ
)
様
(
さま
)
も
貴神
(
きしん
)
と
同様
(
どうやう
)
の
御
(
ご
)
意見
(
いけん
)
で
御座
(
ござ
)
る』
086
手力男神
『
左様
(
さやう
)
で
御座
(
ござ
)
らう。
087
オー、
088
菩比
(
ほひの
)
命
(
みこと
)
様
(
さま
)
、
089
斯
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
く
当館
(
たうやかた
)
は
表
(
おもて
)
は
武器
(
ぶき
)
を
以
(
もつ
)
て
飾
(
かざ
)
り、
090
勇敢
(
ゆうかん
)
決死
(
けつし
)
の
武士
(
つはもの
)
も
数多
(
あまた
)
養
(
やしな
)
ひ
居
(
を
)
れども、
091
御覧
(
ごらん
)
の
如
(
ごと
)
く、
092
貴神
(
きしん
)
が
獅子
(
しし
)
奮迅
(
ふんじん
)
の
勢
(
いきほひ
)
を
以
(
もつ
)
て、
093
血染
(
ちぞめ
)
焼尽
(
やきつく
)
しの
攻撃軍
(
こうげきぐん
)
に
向
(
むか
)
ひ、
094
悠揚
(
いうやう
)
せまらず
御覧
(
ごらん
)
の
如
(
ごと
)
く、
095
剣
(
つるぎ
)
は
鞘
(
さや
)
に
弓
(
ゆみ
)
は
袋
(
ふくろ
)
に
納
(
をさ
)
まり
返
(
かへ
)
つた
此
(
この
)
場
(
ば
)
の
光景
(
くわうけい
)
、
096
刃
(
やいば
)
に
血
(
ち
)
塗
(
ぬ
)
らずして
敵
(
てき
)
を
喜
(
よろこ
)
ばせ、
097
敵
(
てき
)
を
味方
(
みかた
)
と
見做
(
みな
)
して
取扱
(
とりあつか
)
ふは、
098
仁慈
(
じんじ
)
の
神
(
かみ
)
の
思召
(
おぼしめし
)
よくよく
大神
(
おほかみ
)
の
御
(
ご
)
誠意
(
せいい
)
を
御
(
ご
)
認識
(
にんしき
)
の
上
(
うへ
)
、
099
撞
(
つき
)
の
御柱
(
みはしら
)
の
大神
(
おほかみ
)
に
具
(
つぶ
)
さに
言上
(
ごんじやう
)
あらむ
事
(
こと
)
を
望
(
のぞ
)
みます』
100
菩比命
『
案
(
あん
)
に
相違
(
さうゐ
)
の
貴神
(
きしん
)
らの
振舞
(
ふるまひ
)
、
101
今
(
いま
)
まで
逸
(
はや
)
り
切
(
き
)
つたる
勇気
(
ゆうき
)
も、
102
何処
(
どこ
)
やらへ
消
(
き
)
え
失
(
う
)
せた
様
(
やう
)
な
心地
(
ここち
)
で
御座
(
ござ
)
る。
103
ヤアヤア
部下
(
ぶか
)
の
将卒
(
しやうそつ
)
共
(
ども
)
、
104
菩比
(
ほひの
)
命
(
みこと
)
が
命令
(
めいれい
)
だ、
105
直
(
ただ
)
ちに
甲冑
(
かつちゆう
)
を
脱
(
ぬ
)
ぎ
捨
(
す
)
て、
106
武器
(
ぶき
)
を
放
(
はな
)
し、
107
この
場
(
ば
)
に
一同
(
いちどう
)
集
(
あつ
)
まつて
休息
(
きうそく
)
を
致
(
いた
)
せ』
108
此
(
この
)
一言
(
いちごん
)
に、
109
逸
(
はや
)
り
切
(
き
)
つたる
数多
(
あまた
)
の
将卒
(
しやうそつ
)
は、
110
武装
(
ぶさう
)
を
解
(
と
)
き、
111
この
場
(
ば
)
に
喜々
(
きき
)
として
現
(
あらは
)
れ
来
(
きた
)
り、
112
酒
(
さけ
)
に
酔
(
ゑ
)
ひ
握
(
にぎ
)
り
飯
(
めし
)
に
腹
(
はら
)
を
膨
(
ふく
)
らせ、
113
歓喜
(
くわんき
)
を
尽
(
つく
)
して
踊
(
をど
)
り
舞
(
ま
)
ひ
修羅
(
しゆら
)
は
忽
(
たちま
)
ち
天国
(
てんごく
)
と
化
(
くわ
)
したり。
114
この
時
(
とき
)
深雪姫
(
みゆきひめの
)
命
(
みこと
)
は
大国別
(
ひろくにわけ
)
に
導
(
みちび
)
かれ、
115
門内
(
もんない
)
の
広庭
(
ひろには
)
に、
116
数多
(
あまた
)
の
軍卒
(
ぐんそつ
)
及
(
およ
)
び
部下
(
ぶか
)
将卒
(
しやうそつ
)
の
他愛
(
たあい
)
もなく
酒
(
さけ
)
酌
(
く
)
み
交
(
かは
)
し
喜
(
よろこ
)
び
戯
(
たはむ
)
るる
前
(
まへ
)
に
現
(
あらは
)
れ、
117
声
(
こゑ
)
も
涼
(
すず
)
しく
歌
(
うた
)
ひ
始
(
はじ
)
め
賜
(
たま
)
ふ。
118
深雪姫
『コーカス
山
(
ざん
)
に
現
(
あ
)
れませる
119
瑞
(
みづ
)
の
御霊
(
みたま
)
の
御言
(
みこと
)
もて
120
御山
(
みやま
)
を
遠
(
とほ
)
くサルヂニヤ
121
この
神嶋
(
かみしま
)
に
現
(
あらは
)
れて
122
世
(
よ
)
の
有様
(
ありさま
)
を
深雪姫
(
みゆきひめ
)
123
八十
(
やそ
)
の
曲津
(
まがつ
)
の
猛
(
たけ
)
びをば
124
鎮
(
しづ
)
めむ
為
(
ため
)
に
言霊
(
ことたま
)
の
125
珍
(
うづ
)
の
息吹
(
いぶき
)
を
放
(
はな
)
てども
126
曇
(
くも
)
り
切
(
き
)
つたる
曲津見
(
まがつみ
)
の
127
服
(
まつ
)
らふ
由
(
よし
)
もなきままに
128
神
(
かみ
)
の
御霊
(
みたま
)
の
現
(
あ
)
れませる
129
十握
(
とつか
)
の
剣
(
つるぎ
)
を
数
(
かず
)
多
(
おほ
)
く
130
造
(
つく
)
りそなへて
世
(
よ
)
を
守
(
まも
)
る
131
神
(
かみ
)
の
心
(
こころ
)
は
徒
(
いたづ
)
らに
132
剣
(
つるぎ
)
を
以
(
もつ
)
て
世
(
よ
)
を
治
(
をさ
)
め
133
弓矢
(
ゆみや
)
を
以
(
もつ
)
て
曲神
(
まがかみ
)
を
134
言向
(
ことむ
)
け
和
(
やは
)
す
為
(
ため
)
ならず
135
心
(
こころ
)
の
霊
(
たま
)
を
固
(
かた
)
めむと
136
玉
(
たま
)
の
剣
(
つるぎ
)
を
打
(
う
)
たせつつ
137
神世
(
かみよ
)
を
開
(
ひら
)
く
神業
(
かむわざ
)
を
138
天教山
(
てんけうざん
)
に
現
(
あ
)
れませる
139
撞
(
つき
)
の
御柱
(
みはしら
)
大神
(
おほかみ
)
は
140
いよいよ
怪
(
あや
)
しと
思召
(
おぼしめ
)
し
141
深
(
ふか
)
くも
厭
(
いと
)
はせ
嫌
(
きら
)
ひまし
142
菩比
(
ほひの
)
命
(
みこと
)
に
言任
(
ことま
)
けて
143
此処
(
ここ
)
に
攻
(
せ
)
め
寄
(
よ
)
せ
玉
(
たま
)
ひしは
144
我
(
われ
)
等
(
ら
)
が
心
(
こころ
)
を
白波
(
しらなみ
)
の
145
瀬戸
(
せと
)
の
海
(
うみ
)
よりいや
深
(
ふか
)
く
146
疑
(
うたが
)
ひ
玉
(
たま
)
ふ
験
(
しるし
)
なり
147
七十五
(
しちじふご
)
声
(
せい
)
の
言霊
(
ことたま
)
に
148
世
(
よ
)
の
悉
(
ことごと
)
は
何事
(
なにごと
)
も
149
直日
(
なほひ
)
に
見直
(
みなほ
)
し
聞直
(
ききなほ
)
し
150
言向
(
ことむけ
)
和
(
やは
)
し
宣
(
の
)
り
直
(
なほ
)
す
151
誠
(
まこと
)
一
(
ひと
)
つの
一
(
ひと
)
つ
島
(
じま
)
152
天
(
あめ
)
の
真名井
(
まなゐ
)
にふり
滌
(
すす
)
ぎ
153
さ
嚼
(
がみ
)
に
嚼
(
か
)
みて
吹
(
ふ
)
き
棄
(
す
)
つる
154
気吹
(
いぶき
)
の
狭霧
(
さぎり
)
に
生
(
うま
)
れたる
155
我
(
われ
)
は
多紀理
(
たぎり
)
の
毘売
(
ひめの
)
神
(
かみ
)
156
心
(
こころ
)
平
(
たひら
)
に
安
(
やす
)
らかに
157
神
(
かむ
)
須佐之男
(
すさのをの
)
大神
(
おほかみ
)
の
158
赤
(
あか
)
き
心
(
こころ
)
を
真具
(
まつぶ
)
さに
159
天
(
あめ
)
に
帰
(
かへ
)
りて
大神
(
おほかみ
)
の
160
命
(
みこと
)
の
前
(
まへ
)
に
逸早
(
いちはや
)
く
161
宣
(
の
)
らせたまへや
菩比
(
ほひ
)
の
神
(
かみ
)
162
朝日
(
あさひ
)
は
照
(
て
)
るとも
曇
(
くも
)
るとも
163
月
(
つき
)
は
盈
(
み
)
つとも
虧
(
か
)
くるとも
164
君
(
きみ
)
に
対
(
たい
)
して
村肝
(
むらきも
)
の
165
穢
(
きたな
)
き
心
(
こころ
)
あるべきか
166
天津
(
あまつ
)
御神
(
みかみ
)
も
見
(
み
)
そなはせ
167
国津
(
くにつ
)
御神
(
みかみ
)
も
知
(
し
)
ろしめせ
168
空
(
そら
)
に
輝
(
かがや
)
く
朝日子
(
あさひこ
)
の
169
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
の
一
(
ひと
)
つ
火
(
び
)
に
170
照
(
てら
)
して
神
(
かみ
)
が
真心
(
まごころ
)
を
171
高天原
(
たかあまはら
)
に
細
(
こま
)
やかに
172
宣
(
の
)
らせ
玉
(
たま
)
へよ
菩比
(
ほひ
)
の
神
(
かみ
)
173
善
(
ぜん
)
と
悪
(
あく
)
とを
立別
(
たてわ
)
ける
174
神
(
かみ
)
が
表
(
おもて
)
に
現
(
あらは
)
れて
175
疑
(
うたが
)
ひ
深
(
ふか
)
き
空蝉
(
うつせみ
)
の
176
心
(
こころ
)
の
闇
(
やみ
)
の
岩屋戸
(
いはやど
)
を
177
開
(
ひら
)
かせ
玉
(
たま
)
へスクスクに
178
唯
(
ただ
)
何事
(
なにごと
)
も
人
(
ひと
)
の
世
(
よ
)
は
179
直日
(
なほひ
)
に
見直
(
みなほ
)
し
聞直
(
ききなほ
)
し
180
宣
(
の
)
り
直
(
なほ
)
しませ
天津
(
あまつ
)
神
(
かみ
)
181
御空
(
みそら
)
も
清
(
きよ
)
く
天照
(
あまて
)
らす
182
皇
(
すめ
)
大神
(
おほかみ
)
の
御
(
おん
)
前
(
まへ
)
に
183
謹
(
つつし
)
み
敬
(
うやま
)
ひ
畏
(
かし
)
こみて
184
猛
(
たけ
)
く
雄々
(
をを
)
しく
現
(
あらは
)
れし
185
十握
(
とつか
)
の
剣
(
つるぎ
)
は
姫神
(
ひめがみ
)
の
186
神言
(
みこと
)
の
剣
(
つるぎ
)
いと
清
(
きよ
)
く
187
光
(
ひか
)
り
輝
(
かがや
)
く
神御霊
(
かむみたま
)
188
瑞
(
みづ
)
の
御霊
(
みたま
)
を
大神
(
おほかみ
)
の
189
御前
(
みまへ
)
に
捧
(
ささ
)
げ
奉
(
たてまつ
)
る』
190
と
歌
(
うた
)
ひ
了
(
をは
)
れば、
191
菩比
(
ほひの
)
命
(
みこと
)
は
思
(
おも
)
ひ
掛
(
がけ
)
無
(
な
)
きこの
場
(
ば
)
の
光景
(
くわうけい
)
に
力
(
ちから
)
脱
(
ぬ
)
け、
192
懺悔
(
ざんげ
)
の
念
(
ねん
)
に
堪
(
た
)
へ
兼
(
かね
)
て、
193
さしもに
猛
(
たけ
)
き
勇将
(
ゆうしやう
)
も、
194
涙
(
なみだ
)
に
暮
(
く
)
るる
計
(
ばか
)
りなりける。
195
忽
(
たちま
)
ち
天空
(
てんくう
)
を
轟
(
とどろ
)
かし、
196
この
場
(
ば
)
に
舞
(
ま
)
ひ
降
(
くだ
)
る
巨大
(
きよだい
)
の
火光
(
くわくわう
)
、
197
彼我
(
ひが
)
両軍
(
りやうぐん
)
の
頭上
(
づじやう
)
を、
198
前後
(
ぜんご
)
左右
(
さいう
)
に
音響
(
おんきやう
)
をたてて
廻転
(
くわいてん
)
し
始
(
はじ
)
めたり。
199
神々
(
かみがみ
)
は
一斉
(
いつせい
)
に
天
(
てん
)
を
仰
(
あふ
)
ぎ、
200
この
光景
(
くわうけい
)
を
見詰
(
みつ
)
めつつあつた。
201
火光
(
くわくわう
)
はたちまち
変
(
へん
)
じて
麗
(
うるは
)
しき
男神
(
をとこがみ
)
となり、
202
空中
(
くうちう
)
に
佇立
(
ちよりつ
)
して
一同
(
いちどう
)
の
頭上
(
づじやう
)
を
瞰下
(
みくだ
)
し
玉
(
たま
)
ひつつありき。
203
この
神
(
かみ
)
は
伊弉諾
(
いざなぎの
)
命
(
みこと
)
の
珍
(
うづ
)
の
御子
(
みこ
)
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
であつた。
204
正邪
(
せいじや
)
善悪
(
ぜんあく
)
の
証明
(
あかし
)
の
為
(
ため
)
に
天教山
(
てんけうざん
)
より
神勅
(
しんちよく
)
を
奉
(
ほう
)
じて、
205
降
(
くだ
)
り
玉
(
たま
)
うたのである。
206
忽
(
たちま
)
ち
白煙
(
はくえん
)
となつて
中空
(
ちうくう
)
に
消
(
き
)
え
玉
(
たま
)
ひ、
207
後
(
あと
)
は
嚠喨
(
りうりやう
)
たる
音楽
(
おんがく
)
聞
(
きこ
)
え、
208
次第
(
しだい
)
々々
(
しだい
)
に
音楽
(
おんがく
)
の
音
(
ね
)
も
遠
(
とほ
)
くなり
行
(
ゆ
)
きぬ。
209
いよいよ
菩比
(
ほひの
)
命
(
みこと
)
の
降臨
(
かうりん
)
によつて、
210
須佐之男
(
すさのをの
)
命
(
みこと
)
の
麗
(
うるは
)
しき
御心
(
みこころ
)
判明
(
はんめい
)
し、
211
命
(
みこと
)
は
直
(
ただち
)
に
高天原
(
たかあまはら
)
に
此
(
この
)
由
(
よし
)
を
復命
(
ふくめい
)
さるる
事
(
こと
)
とはなりける。
212
(
大正一一・三・一一
旧二・一三
岩田久太郎
録)
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