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霊界物語
霊主体従(第1~12巻)
第12巻(亥の巻)
序文
凡例
総説歌
第1篇 天岩戸開(一)
第1章 正神邪霊
第2章 直会宴
第3章 蚊取別
第4章 初蚊斧
第5章 初貫徹
第6章 招待
第7章 覚醒
第2篇 天岩戸開(二)
第8章 思出の歌
第9章 正夢
第10章 深夜の琴
第11章 十二支
第12章 化身
第13章 秋月滝
第14章 大蛇ケ原
第15章 宣直し
第16章 国武丸
第3篇 天岩戸開(三)
第17章 雲の戸開
第18章 水牛
第19章 呉の海原
第20章 救ひ舟
第21章 立花島
第22章 一島攻撃
第23章 短兵急
第24章 言霊の徳
第25章 琴平丸
第26章 秋月皎々
第27章 航空船
第4篇 古事記略解
第28章 三柱の貴子
第29章 子生の誓
第30章 天の岩戸
余白歌
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霊界物語
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霊主体従(第1~12巻)
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第12巻(亥の巻)
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<<< 大蛇ケ原
(B)
(N)
国武丸 >>>
第一五章
宣直
(
のりなほ
)
し〔五一一〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第12巻 霊主体従 亥の巻
篇:
第2篇 天岩戸開(二)
よみ(新仮名遣い):
あまのいわとびらき(二)
章:
第15章 宣直し
よみ(新仮名遣い):
のりなおし
通し章番号:
511
口述日:
1922(大正11)年03月10日(旧02月12日)
口述場所:
筆録者:
松村仙造
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1922(大正11)年9月30日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
一行は、次に深雪の滝を言向け和そうと進んで行くが、その途上、蚊取別は祝姫に、引き返して今後は夏山彦を補佐するように、と諭した。
祝姫は宣伝の旅に執着を示すが、蚊取別の説得を最後に承諾すると、どこからともなく大火光が現れて、蚊取別・祝姫の姿は消えてしまった。
夫婦、親子、主従となるべき身魂は、もとは一定不変である。しかし世の中の事情で、不相応の身魂同士の婚姻や主従関係ができることがある。それはうまくいかないものである。
蚊取別は、祝姫がそういう間違った相手との婚姻を成さないように、仮の夫婦になって守っていたのであった。
身魂不相応により、最初の相手と死別や離別しなければならなくなったとき、二回目の相手と結婚することができる。しかし、三度目はもうしてはならないのが、神界の不文律である。
残された一同は、蚊取別の神慮・神力に感嘆し、これから大蛇の滝を征服しようとする自分たちの使命の重みに、自らの身を振り返った。そして、実は悪魔は自分の心に潜んでいるのであり、これを追い出してこそ悪魔の征服ができるのだと悟るに到った。
一同は端座して天津祝詞を唱え、宣伝歌を高唱した。言霊の剣を穏やかに使い、心の中の醜の霊を追い出すように、と歌った。
すると暗黒に閉ざされていた天地は夜が明けたように日が輝き、騒然たる瀑布の音は止み、猛獣の叫び声も止まった。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2020-11-12 00:45:01
OBC :
rm1215
愛善世界社版:
124頁
八幡書店版:
第2輯 671頁
修補版:
校定版:
130頁
普及版:
53頁
初版:
ページ備考:
001
峰
(
みね
)
の
嵐
(
あらし
)
や
松風
(
まつかぜ
)
の
音
(
おと
)
002
高熊山
(
たかくまやま
)
の
岩
(
いは
)
の
前
(
まへ
)
003
霊
(
れい
)
より
覚
(
さ
)
めし
瑞月
(
ずゐげつ
)
は
004
神
(
かみ
)
の
使
(
つかひ
)
に
十四夜
(
いざよひ
)
の
005
御空
(
みそら
)
を
仰
(
あふ
)
ぎ
眺
(
なが
)
むれば
006
星
(
ほし
)
の
瞬
(
またた
)
きやうやうに
007
霞
(
かす
)
みて
月
(
つき
)
も
弥仙山
(
みせんざん
)
008
峰
(
みね
)
の
後
(
うしろ
)
にかくろひて
009
鶏鳴
(
けいめい
)
間
(
ま
)
もなき
朝嵐
(
あさあらし
)
010
冷
(
つめ
)
たき
風
(
かぜ
)
に
吹
(
ふ
)
かれつつ
011
又
(
また
)
もや
霊
(
みたま
)
は
悠々
(
いういう
)
と
012
果
(
はて
)
しもあらぬ
神界
(
しんかい
)
の
013
方
(
かた
)
へと
息
(
いき
)
せき
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く
014
水音
(
みなおと
)
高
(
たか
)
きナイル
河
(
がは
)
015
春
(
はる
)
の
初
(
はじめ
)
と
言
(
い
)
ひ
乍
(
なが
)
ら
016
名
(
な
)
は
秋月
(
あきづき
)
の
大瀑布
(
だいばくふ
)
017
八岐
(
やまた
)
大蛇
(
をろち
)
の
片割
(
かたわれ
)
なる
018
醜
(
しこ
)
の
大蛇
(
をろち
)
を
言向
(
ことむ
)
けて
019
此
(
この
)
世
(
よ
)
の
曲
(
まが
)
を
祝姫
(
はふりひめ
)
020
蚊取
(
かとり
)
の
別
(
わけ
)
や
三光
(
さんくわう
)
の
021
神
(
かみ
)
の
使
(
つか
)
ひの
宣伝使
(
せんでんし
)
022
高熊
(
たかくま
)
ならぬ
高光彦
(
たかてるひこ
)
023
神
(
かみ
)
の
霊
(
みたま
)
の
玉光彦
(
たまてるひこ
)
024
御稜威
(
みいづ
)
も
高
(
たか
)
き
国光彦
(
くにてるひこ
)
025
風
(
かぜ
)
にちらつく
行平別
(
ゆきひらわけ
)
の
026
茲
(
ここ
)
に
六人
(
むたり
)
の
神司
(
かむづかさ
)
027
深雪
(
みゆき
)
の
滝
(
たき
)
の
曲神
(
まがかみ
)
を
028
善言
(
みやび
)
美詞
(
ことば
)
の
神言
(
かみごと
)
に
029
吹
(
ふ
)
き
払
(
はら
)
はむと
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く
030
夢
(
ゆめ
)
の
中
(
なか
)
なる
物語
(
ものがたり
)
。
031
行平別
(
ゆきひらわけ
)
『サア
今度
(
こんど
)
は
深雪
(
みゆき
)
の
滝
(
たき
)
だ。
032
皆
(
みな
)
さま
一緒
(
いつしよ
)
に
前後
(
ぜんご
)
左右
(
さいう
)
より
言霊
(
ことたま
)
を
以
(
もつ
)
て
攻
(
せ
)
め
掛
(
かけ
)
ませうか、
033
また
秋月
(
あきづき
)
の
滝
(
たき
)
の
様
(
やう
)
に
私
(
わたし
)
一
(
いち
)
人
(
にん
)
に
一任
(
いちにん
)
されては
困
(
こま
)
りますよ』
034
蚊取別
(
かとりわけ
)
『イヤ、
035
深雪
(
みゆき
)
の
滝
(
たき
)
は
一人
(
ひとり
)
で
結構
(
けつこう
)
だ。
036
行平別
(
ゆきひらわけ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
に
頼
(
たの
)
むでおかう。
037
祝姫
(
はふりひめ
)
さま、
038
あなたの
弔
(
とむら
)
ひ
合戦
(
がつせん
)
も
是
(
これ
)
で
帳消
(
ちやうけし
)
だ。
039
今後
(
こんご
)
は
夏山彦
(
なつやまひこ
)
の
奥
(
おく
)
さまだから、
040
今迄
(
いままで
)
の
様
(
やう
)
に
天下
(
てんか
)
を
自由
(
じいう
)
自在
(
じざい
)
に
濶歩
(
くわつぽ
)
する
事
(
こと
)
は
出来
(
でき
)
ない。
041
夫唱
(
ふしやう
)
婦随
(
ふずゐ
)
の
天則
(
てんそく
)
に
従
(
したが
)
つて
家庭
(
かてい
)
を
守
(
まも
)
らねばならぬ。
042
人
(
ひと
)
は
一代
(
いちだい
)
名
(
な
)
は
末代
(
まつだい
)
、
043
夏山彦
(
なつやまひこ
)
の
奥
(
おく
)
さまは、
044
秋月
(
あきづき
)
の
滝
(
たき
)
の
悪魔
(
あくま
)
を
退治
(
たいぢ
)
に
往
(
い
)
つて
悪神
(
あくがみ
)
の
為
(
ため
)
に
苦
(
くるし
)
められ、
045
大失敗
(
だいしつぱい
)
を
演
(
えん
)
じ、
046
夏山彦
(
なつやまひこ
)
に
助
(
たす
)
けられ、
047
その
情
(
なさけ
)
に
絆
(
ほだ
)
されて
夫婦
(
ふうふ
)
になつた、
048
宣伝使
(
せんでんし
)
を
失敗
(
しくじ
)
つた、
049
有終
(
いうしう
)
の
美
(
び
)
を
全
(
まつた
)
うする
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
なかつたと、
050
末代
(
まつだい
)
の
語草
(
かたりぐさ
)
になつては
詰
(
つま
)
らないから
結婚
(
けつこん
)
をされた
後
(
あと
)
ではあれども、
051
宣伝使
(
せんでんし
)
の
務
(
つと
)
めを
全
(
まつた
)
うさせたい
為
(
ため
)
に、
052
秋月
(
あきづき
)
の
滝
(
たき
)
にあなたを
連
(
つ
)
れて
来
(
き
)
たのだ。
053
最早
(
もはや
)
秋月
(
あきづき
)
の
滝
(
たき
)
の
征服
(
せいふく
)
も
無事
(
ぶじ
)
に
片付
(
かたづ
)
いた
以上
(
いじやう
)
は、
054
宣伝使
(
せんでんし
)
としての
責任
(
せきにん
)
も、
055
完全
(
くわんぜん
)
に
果
(
はた
)
されたと
云
(
い
)
ふものだ。
056
サア
是
(
これ
)
から
夏山彦
(
なつやまひこ
)
の
館
(
やかた
)
に
帰
(
かへ
)
り、
057
賢妻
(
けんさい
)
良母
(
りやうぼ
)
となつて、
058
イホの
都
(
みやこ
)
に
善政
(
ぜんせい
)
を
布
(
し
)
く
夫
(
をつと
)
の
神業
(
しんげふ
)
を
内助
(
ないじよ
)
するのだ。
059
最早
(
もはや
)
宣伝使
(
せんでんし
)
の
役
(
やく
)
も
神界
(
しんかい
)
より
免除
(
めんぢよ
)
された。
060
サアサア
早
(
はや
)
く
還
(
かへ
)
りませう』
061
祝姫
(
はふりひめ
)
『
折角
(
せつかく
)
秋月
(
あきづき
)
の
滝
(
たき
)
迄
(
まで
)
来
(
き
)
たのですから、
062
モウ
私
(
わたくし
)
も
宣伝使
(
せんでんし
)
の
年
(
ねん
)
の
明
(
あき
)
、
063
花々
(
はなばな
)
しく
残
(
のこ
)
りの
滝
(
たき
)
の
魔神
(
まがみ
)
を
征伐
(
せいばつ
)
する
迄
(
まで
)
待
(
ま
)
つて
下
(
くだ
)
さいますまいか』
064
蚊取別
(
かとりわけ
)
『それはいけませぬ、
065
何事
(
なにごと
)
も
八分
(
はちぶ
)
といふ
所
(
ところ
)
が
良
(
よ
)
いのだ。
066
十分
(
じふぶん
)
手柄
(
てがら
)
をしてやらうと
思
(
おも
)
へば、
067
却
(
かへつ
)
て
失敗
(
しつぱい
)
の
基
(
もと
)
となる。
068
たとへ
失敗
(
しつぱい
)
せずとも、
069
白瀬川
(
しらせがは
)
の
悪魔
(
あくま
)
は
全部
(
ぜんぶ
)
我々
(
われわれ
)
が
征服
(
せいふく
)
したのだと
云
(
い
)
ふ
慢心
(
まんしん
)
が
起
(
おこ
)
るから
其
(
その
)
慢心
(
まんしん
)
が
貴女
(
あなた
)
の
婦徳
(
ふとく
)
を
傷
(
きず
)
つける
基
(
もと
)
となるから、
070
これで
打切
(
うちきり
)
にするが
宜
(
よろ
)
しい』
071
行平別
(
ゆきひらわけ
)
『さうだなア、
072
蚊取別
(
かとりわけ
)
の
仰有
(
おつしや
)
る
通
(
とほ
)
りだ。
073
祝姫
(
はふりひめ
)
さま、
074
此
(
この
)
方
(
かた
)
は
斯
(
こ
)
う
見
(
み
)
えても、
075
普通
(
あたりまへ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
ではない、
076
天教山
(
てんけうざん
)
より
現
(
あら
)
はれたる
尊
(
たふと
)
い
天使
(
てんし
)
に
間違
(
まちがひ
)
ない、
077
天使
(
てんし
)
の
命令
(
めいれい
)
だ。
078
素直
(
すなほ
)
にお
聞
(
きき
)
なさるが
良
(
よ
)
からう』
079
祝姫
(
はふりひめ
)
『アヽ
仕方
(
しかた
)
がありませぬ、
080
今迄
(
いままで
)
は
山野
(
さんや
)
河海
(
かかい
)
を
跋渉
(
ばつせふ
)
し、
081
種々
(
いろいろ
)
の
苦心
(
くしん
)
惨怛
(
さんたん
)
たる
辛
(
つら
)
い
目
(
め
)
も
味
(
あぢ
)
はひ、
082
また
愉快
(
ゆくわい
)
な
事
(
こと
)
にも
会
(
あ
)
つて
来
(
き
)
ましたが、
083
今日
(
けふ
)
から
最早
(
もはや
)
宣伝使
(
せんでんし
)
が
出来
(
でき
)
ないかと
思
(
おも
)
へば
何
(
なん
)
だか
心残
(
こころのこ
)
りがある
様
(
やう
)
です。
084
矢張
(
やつぱ
)
り
妾
(
わたし
)
は
温
(
あたたか
)
き
家庭
(
かてい
)
に
蟄居
(
ちつきよ
)
して
安楽
(
あんらく
)
に
暮
(
くら
)
すよりも、
085
貴神
(
あなた
)
方
(
がた
)
と
共
(
とも
)
に
命懸
(
いのちがけ
)
の
苦労
(
くらう
)
をする
方
(
はう
)
が、
086
何程
(
なにほど
)
愉快
(
ゆくわい
)
だか
分
(
わか
)
りませぬ。
087
アヽどうして
男
(
をとこ
)
に
生
(
うま
)
れて
来
(
こ
)
なかつただらう』
088
蚊取別
(
かとりわけ
)
『
執着心
(
しふちやくしん
)
をサラリと
抛
(
ほ
)
つて、
089
夏山彦
(
なつやまひこ
)
の
奥様
(
おくさま
)
となり、
090
三五教
(
あななひけう
)
の
神
(
かみ
)
を
尊敬
(
そんけい
)
し、
091
且
(
かつ
)
その
教
(
をしへ
)
を
管轄下
(
くわんかつか
)
の
人民
(
じんみん
)
に
懇切
(
こんせつ
)
に
説
(
と
)
き
諭
(
さと
)
して
神業
(
しんげふ
)
を
助
(
たす
)
けなさい。
092
サア
私
(
わたくし
)
が
送
(
おく
)
つて
上
(
あ
)
げませう。
093
目
(
め
)
を
塞
(
ふさ
)
ぎなさい、
094
途中
(
とちう
)
に
目
(
め
)
を
開
(
あ
)
けると
大変
(
たいへん
)
ですから、
095
蚊取別
(
かとりわけ
)
がサア
目
(
め
)
を
開
(
あ
)
けなさいと
云
(
い
)
ふ
迄
(
まで
)
開
(
あ
)
けてはなりませぬよ』
096
祝姫
(
はふりひめ
)
『ハイ』
097
と
答
(
こた
)
へて
従順
(
すなを
)
に
瞑目
(
めいもく
)
する。
098
この
時
(
とき
)
何処
(
どこ
)
ともなく
四辺
(
あたり
)
を
照
(
てら
)
す
大火光
(
だいくわくわう
)
が
現
(
あら
)
はれ
来
(
き
)
たり、
099
一行
(
いつかう
)
の
頭上
(
づじやう
)
を
四五回
(
しごくわい
)
ブウブウと
音
(
おと
)
を
立
(
た
)
てて
循環
(
じゆんかん
)
し、
100
轟然
(
がうぜん
)
たる
大音響
(
だいおんきやう
)
と
共
(
とも
)
に、
101
白煙
(
はくえん
)
となつて
消
(
き
)
え
失
(
う
)
せた。
102
見
(
み
)
れば
蚊取別
(
かとりわけ
)
、
103
祝姫
(
はふりひめ
)
の
姿
(
すがた
)
は
最早
(
もはや
)
この
場
(
ば
)
に
見
(
み
)
えずなりにける。
104
附言
(
ふげん
)
105
夫婦
(
ふうふ
)
となるべき
霊
(
みたま
)
、
106
親子
(
おやこ
)
となるべき
霊魂
(
みたま
)
、
107
主従
(
しうじう
)
師弟
(
してい
)
となるべき
身魂
(
みたま
)
は、
108
固
(
もと
)
より
一定
(
いつてい
)
不変
(
ふへん
)
のものである。
109
併
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
の
義理
(
ぎり
)
とか、
110
何
(
なん
)
とか
種々
(
いろいろ
)
の
事情
(
じじやう
)
の
為
(
ため
)
に
已
(
や
)
むを
得
(
え
)
ず、
111
不相応
(
ふさうおう
)
の
身魂
(
みたま
)
と
結婚
(
けつこん
)
をしたり、
112
師弟
(
してい
)
の
約
(
やく
)
を
結
(
むす
)
んだりする
事
(
こと
)
がある。
113
但
(
ただ
)
し
霊
(
みたま
)
と
霊
(
みたま
)
との
因縁
(
いんねん
)
なき
時
(
とき
)
は、
114
中途
(
ちうと
)
にして
破
(
やぶ
)
れるものである。
115
蚊取別
(
かとりわけ
)
の
天使
(
てんし
)
は、
116
祝姫
(
はふりひめ
)
の
霊
(
みたま
)
の
夫婦
(
ふうふ
)
に
巡
(
めぐ
)
り
会
(
あ
)
ふまで、
117
他
(
た
)
の
異
(
ことな
)
りたる
霊
(
みたま
)
と
結婚
(
けつこん
)
をなし、
118
天分
(
てんぶん
)
使命
(
しめい
)
を
中途
(
ちうと
)
にして
過
(
あやま
)
たむ
事
(
こと
)
を
恐
(
おそ
)
れ、
119
種々
(
いろいろ
)
と
工夫
(
くふう
)
を
凝
(
こ
)
らし、
120
一旦
(
いつたん
)
自分
(
じぶん
)
の
妻神
(
つまがみ
)
と
名付
(
なづ
)
け、
121
時機
(
じき
)
の
来
(
く
)
るのを
待
(
ま
)
たせつつあつたのは、
122
神
(
かみ
)
の
大慈
(
だいじ
)
大悲
(
だいひ
)
の
御
(
ご
)
守護
(
しゆご
)
であつた。
123
故
(
ゆゑ
)
に
人
(
ひと
)
は
結婚
(
けつこん
)
に
先立
(
さきだ
)
ち、
124
産土
(
うぶすな
)
の
神
(
かみ
)
の
認許
(
にんきよ
)
を
受
(
う
)
け
神示
(
しんじ
)
を
蒙
(
かうむ
)
つた
上
(
うへ
)
にて
結婚
(
けつこん
)
せざれば、
125
地位
(
ちゐ
)
財産
(
ざいさん
)
名望
(
めいばう
)
義理
(
ぎり
)
人情
(
にんじやう
)
恋愛
(
れんあい
)
等
(
とう
)
の
体主
(
たいしゆ
)
霊従
(
れいじう
)
的
(
てき
)
境遇
(
きやうぐう
)
に
支配
(
しはい
)
されて、
126
一生
(
いつしやう
)
不愉快
(
ふゆくわい
)
なる
夫婦
(
ふうふ
)
の
生涯
(
しやうがい
)
を
送
(
おく
)
る
様
(
やう
)
な
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
てはならぬから、
127
人倫
(
じんりん
)
の
大本
(
たいほん
)
たる
夫婦
(
ふうふ
)
の
道
(
みち
)
は、
128
神
(
かみ
)
の
許
(
ゆる
)
しを
受
(
う
)
け、
129
妄
(
みだ
)
りに
軽々
(
かるがる
)
しく
結婚
(
けつこん
)
してはならないものである。
130
中
(
なか
)
には
二度目
(
にどめ
)
の
妻
(
つま
)
、
131
所謂
(
いはゆる
)
二世
(
にせい
)
の
妻
(
つま
)
を
持
(
も
)
たねばならぬ
様
(
やう
)
な
場合
(
ばあひ
)
があるが、
132
これは
第一世
(
だいいつせい
)
の
妻
(
つま
)
と
霊
(
れい
)
が
合
(
あ
)
はなかつたり、
133
或
(
あるひ
)
は
合
(
あ
)
つてゐても
肉体
(
にくたい
)
が
霊
(
れい
)
に
添
(
そ
)
はずして、
134
夭死
(
えうし
)
したりするものである。
135
併
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら
愛情
(
あいじやう
)
と
言
(
い
)
ひ、
136
家庭
(
かてい
)
の
切廻
(
きりまは
)
しと
云
(
い
)
ひ、
137
どうしても
第一世
(
だいいつせい
)
の
妻
(
つま
)
に
比
(
くら
)
ぶれば、
138
第二世
(
だいにせい
)
の
妻
(
つま
)
は
劣
(
おと
)
つて
居
(
ゐ
)
るものである。
139
要
(
えう
)
するに、
140
二世
(
にせい
)
の
妻
(
つま
)
は、
141
妻
(
つま
)
といふ
名
(
な
)
はあつても、
142
大抵
(
たいてい
)
は
一世
(
いつせい
)
の
妻
(
つま
)
の
代理
(
だいり
)
たるべき
者
(
もの
)
であるからである。
143
また
中
(
なか
)
には
第一世
(
だいいつせい
)
の
妻
(
つま
)
より
二世
(
にせい
)
の
妻
(
つま
)
の
方
(
はう
)
が、
144
何
(
なに
)
かに
付
(
つ
)
けて
優
(
まさ
)
つたのもある。
145
それは
第一世
(
だいいつせい
)
の
妻
(
つま
)
は
夫婦
(
ふうふ
)
の
霊
(
れい
)
が
合
(
あ
)
うて
居
(
ゐ
)
なかつたので、
146
第二世
(
だいにせい
)
の
妻
(
つま
)
が
本当
(
ほんたう
)
の
霊
(
れい
)
の
合
(
あ
)
うた
夫婦
(
ふうふ
)
の
場合
(
ばあひ
)
である。
147
二回
(
にくわい
)
とも
霊
(
れい
)
の
合
(
あ
)
はぬ
夫婦
(
ふうふ
)
となり、
148
中途
(
ちうと
)
にしてどちらかが
欠
(
か
)
げ、
149
第三回
(
だいさんくわい
)
目
(
め
)
に
霊
(
れい
)
の
合
(
あ
)
うた
者
(
もの
)
が
発見
(
はつけん
)
されても、
150
最早
(
もはや
)
三世
(
さんせい
)
の
妻
(
つま
)
は
持
(
も
)
つ
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
ないのが、
151
神界
(
しんかい
)
の
不文律
(
ふぶんりつ
)
である。
152
祝姫
(
はふりひめ
)
も
斯
(
かか
)
る
過失
(
あやまち
)
に
陥
(
おちい
)
らざる
様
(
やう
)
と
蚊取別
(
かとりわけ
)
の
天使
(
てんし
)
は、
153
今日
(
こんにち
)
まで
姫
(
ひめ
)
の
身辺
(
しんぺん
)
を
保護
(
ほご
)
すべく
夫婦
(
ふうふ
)
の
名
(
な
)
を
附
(
ふ
)
して
居
(
ゐ
)
たのである。
154
蚊取別
(
かとりわけ
)
祝姫
(
はふりひめ
)
は、
155
白煙
(
はくえん
)
となつて
此
(
この
)
場
(
ば
)
に
姿
(
すがた
)
を
隠
(
かく
)
した
跡
(
あと
)
に
四
(
よ
)
人
(
にん
)
は
茫然
(
ばうぜん
)
として
白煙
(
はくえん
)
立上
(
たちあが
)
る
雲
(
くも
)
の
彼方
(
あなた
)
を
見
(
み
)
て、
156
感歎
(
かんたん
)
稍
(
やや
)
久
(
ひさ
)
しうし、
157
高光彦
(
たかてるひこ
)
『ヤア
今
(
いま
)
まで
蚊取別
(
かとりわけ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
は
変
(
かは
)
つた
人
(
ひと
)
だと
思
(
おも
)
つて
居
(
ゐ
)
たが、
158
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
と
云
(
い
)
ふものは
実
(
じつ
)
に
何処
(
どこ
)
までも
行届
(
ゆきとど
)
いたものだナア。
159
唯
(
ただ
)
一人
(
ひとり
)
の
祝姫
(
はふりひめ
)
の
一生
(
いつしやう
)
を
守
(
まも
)
るべく、
160
種々
(
いろいろ
)
の
手段
(
しゆだん
)
を
以
(
もつ
)
て
操縦
(
さうじう
)
された
其
(
その
)
御
(
ご
)
神業
(
しんげふ
)
、
161
小
(
ちひ
)
さい
事
(
こと
)
にも
大
(
おほ
)
きい
事
(
こと
)
にも
気
(
き
)
のつくものだ。
162
我々
(
われわれ
)
も
細心
(
さいしん
)
の
注意
(
ちうい
)
を
払
(
はら
)
つて
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
に
立
(
た
)
たねばならぬ。
163
况
(
ま
)
して
今日
(
こんにち
)
の
如
(
ごと
)
き
常暗
(
とこやみ
)
の
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
に、
164
蚊取別
(
かとりわけ
)
の
様
(
やう
)
な
人
(
ひと
)
は
目薬
(
めぐすり
)
にしたいと
思
(
おも
)
つてもあるものでない。
165
サア
之
(
これ
)
から
我々
(
われわれ
)
も
知
(
し
)
らず
知
(
し
)
らずの
慢心
(
まんしん
)
を
省
(
かへり
)
みて
本当
(
ほんたう
)
の
神心
(
かみごころ
)
にならねば、
166
五
(
いつ
)
つの
滝
(
たき
)
の
曲神
(
まがかみ
)
を
征服
(
せいふく
)
どころか
却
(
かへつ
)
て
征服
(
せいふく
)
されて
了
(
しま
)
はねばならぬ。
167
アー
何
(
なん
)
だか
蚊取別
(
かとりわけ
)
さまの
帰
(
かへ
)
られた
後
(
あと
)
は、
168
鳥
(
とり
)
も
通
(
かよ
)
はぬ
離島
(
はなれじま
)
に
唯
(
ただ
)
一人
(
ひとり
)
棄
(
す
)
てられた
様
(
やう
)
な
心持
(
こころもち
)
になつて
来
(
き
)
た』
169
玉光彦
(
たまてるひこ
)
『さうですナ、
170
各自
(
めいめい
)
に
腹帯
(
はらおび
)
を
締
(
し
)
めて
掛
(
かか
)
らねばなりませぬ。
171
人
(
ひと
)
は
背水
(
はいすゐ
)
の
陣
(
ぢん
)
を
張
(
は
)
らねば
何事
(
なにごと
)
も
成功
(
せいこう
)
しませぬ。
172
勇断
(
ゆうだん
)
果決
(
くわけつ
)
、
173
獅子
(
しし
)
奮迅
(
ふんじん
)
の
勢
(
いきほひ
)
を
以
(
もつ
)
て、
174
先
(
ま
)
づ
自分
(
じぶん
)
の
霊
(
れい
)
に
憑依
(
ひようい
)
せる
悪魔
(
あくま
)
を
追出
(
おひだ
)
し、
175
清浄
(
せいじやう
)
潔白
(
けつぱく
)
の
霊
(
れい
)
になつた
上
(
うへ
)
悪魔
(
あくま
)
を
征服
(
せいふく
)
する
資格
(
しかく
)
が
初
(
はじめ
)
て
出来
(
でき
)
るのだ。
176
大瀑布
(
だいばくふ
)
に
悪魔
(
あくま
)
が
居
(
ゐ
)
ると
思
(
おも
)
へば、
177
豈
(
あに
)
図
(
はか
)
らむや、
178
自分
(
じぶん
)
の
心
(
こころ
)
の
奥
(
おく
)
に
白瀬川
(
しらせがは
)
の
大瀑布
(
だいばくふ
)
が
懸
(
かか
)
り、
179
そこに
大蛇
(
をろち
)
の
悪魔
(
あくま
)
が
巣
(
す
)
ぐうて
居
(
を
)
るのだ。
180
身外
(
しんぐわい
)
の
敵
(
てき
)
は
容易
(
ようい
)
に
征服
(
せいふく
)
出来
(
でき
)
るが
心内
(
しんない
)
の
敵
(
てき
)
は
退治
(
たいぢ
)
が
出来
(
でき
)
難
(
にく
)
い。
181
先
(
ま
)
づ
深雪
(
みゆき
)
の
滝
(
たき
)
の
悪魔
(
あくま
)
に
突撃
(
とつげき
)
するまでに、
182
各自
(
めいめい
)
の
悪魔
(
あくま
)
を
征服
(
せいふく
)
し、
183
或
(
あるひ
)
は
帰順
(
きじゆん
)
せしめて
後
(
のち
)
に
掛
(
かか
)
りませうか』
184
高光彦
(
たかてるひこ
)
『アーさうだ。
185
悪魔
(
あくま
)
に
対
(
むか
)
ふのは、
186
恰度
(
ちやうど
)
的
(
まと
)
に
向
(
むか
)
つて
弓
(
ゆみ
)
を
射
(
い
)
る
様
(
やう
)
なものだ。
187
弓
(
ゆみ
)
を
射
(
い
)
る
者
(
もの
)
は
其
(
その
)
身
(
み
)
を
正
(
ただ
)
しうして、
188
一分
(
いちぶ
)
一厘
(
いちりん
)
の
隙間
(
すきま
)
もなく、
189
阿吽
(
あうん
)
の
呼吸
(
いき
)
の
合
(
あ
)
つた
時
(
とき
)
始
(
はじ
)
めて、
190
弓
(
ゆみ
)
を
満月
(
まんげつ
)
の
如
(
ごと
)
くに
引絞
(
ひきしぼ
)
り、
191
私
(
わたくし
)
の
心
(
こころ
)
を
加
(
くは
)
へず
秋
(
あき
)
の
木
(
こ
)
の
葉
(
は
)
の
風
(
かぜ
)
もなきに、
192
自然
(
しぜん
)
に
落
(
お
)
つるが
如
(
ごと
)
き
無我
(
むが
)
無心
(
むしん
)
の
境
(
きやう
)
に
入
(
い
)
りて、
193
自然
(
しぜん
)
に
矢
(
や
)
が
弦
(
つる
)
を
離
(
はな
)
れる。
194
さすれば
其
(
その
)
矢
(
や
)
は
的
(
まと
)
の
中心
(
ちうしん
)
に
当
(
あた
)
る
様
(
やう
)
なものだ。
195
先
(
ま
)
づ
己
(
おのれ
)
の
霊
(
れい
)
を
正
(
ただ
)
しうするのが
肝腎
(
かんじん
)
だ』
196
国光彦
(
くにてるひこ
)
『
敵
(
てき
)
は
本能寺
(
ほんのうじ
)
にあり、
197
我
(
わが
)
身
(
み
)
の
敵
(
てき
)
は
我
(
わが
)
心
(
こころ
)
に
潜
(
ひそ
)
む。
198
心
(
こころ
)
の
敵
(
てき
)
を
滅
(
ほろぼ
)
せば、
199
如何
(
いか
)
に
常暗
(
とこやみ
)
の
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
とは
云
(
い
)
へ、
200
我
(
われ
)
に
取
(
と
)
りては
悪魔
(
あくま
)
も
大蛇
(
をろち
)
もナイル
河
(
がは
)
、
201
尊
(
たふと
)
き
神代
(
かみよ
)
を
深雪
(
みゆき
)
の
滝
(
たき
)
、
202
速河
(
はやかは
)
の
瀬
(
せ
)
に
失
(
さすら
)
ひ
流
(
なが
)
す、
203
神司
(
かむつかさ
)
麻柱
(
あななひ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
、
204
深雪
(
みゆき
)
の
滝
(
たき
)
に
向
(
むか
)
ふに
先立
(
さきだ
)
ちて
先
(
ま
)
づ
自己
(
じこ
)
の
霊
(
れい
)
の
洗濯
(
せんたく
)
にかかりませう』
205
行平別
(
ゆきひらわけ
)
『アヽ、
206
万寿山
(
まんじゆざん
)
の
御
(
ご
)
兄弟
(
きやうだい
)
の
深刻
(
しんこく
)
なるお
話
(
はなし
)
に
依
(
よ
)
りて、
207
私
(
わたくし
)
の
心
(
こころ
)
の
岩戸
(
いはと
)
も、
208
サラリと
開
(
ひら
)
けました。
209
アレ
御覧
(
ごらん
)
なさいませ、
210
天津
(
あまつ
)
御空
(
みそら
)
には
喜悦
(
よろこび
)
の
太陽
(
たいやう
)
晃々
(
くわうくわう
)
として
輝
(
かがや
)
き
始
(
はじ
)
めました。
211
これ
果
(
はた
)
して
何
(
なん
)
の
祥瑞
(
しやうずゐ
)
でせうか』
212
高光彦
(
たかてるひこ
)
『
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
に
鬼
(
おに
)
も
大蛇
(
をろち
)
も
悪魔
(
あくま
)
も
有
(
あ
)
るものでない、
213
ある
様
(
やう
)
に
見
(
み
)
えるのだ。
214
各自
(
めいめい
)
の
心
(
こころ
)
に
誠
(
まこと
)
の
日月
(
じつげつ
)
が
照
(
て
)
り
輝
(
かがや
)
き、
215
神
(
かみ
)
の
慈愛
(
じあい
)
の
心
(
こころ
)
の
鏡
(
かがみ
)
に
映
(
うつ
)
つたならば、
216
天地
(
てんち
)
清明
(
せいめい
)
安養
(
あんやう
)
浄土
(
じやうど
)
、
217
サアサア
皆
(
みな
)
さま、
218
打揃
(
うちそろ
)
うて
天津
(
あまつ
)
祝詞
(
のりと
)
を
奏上
(
そうじやう
)
致
(
いた
)
しませう』
219
四
(
よ
)
人
(
にん
)
は
茲
(
ここ
)
に
端坐
(
たんざ
)
し、
220
天津
(
あまつ
)
祝詞
(
のりと
)
を
奏上
(
そうじやう
)
し
終
(
をは
)
つて
宣伝歌
(
せんでんか
)
を
高唱
(
かうしやう
)
する。
221
三光、行平別
『
神
(
かみ
)
が
表
(
おもて
)
に
現
(
あら
)
はれて
222
善
(
ぜん
)
と
悪
(
あく
)
とを
立別
(
たてわ
)
ける
223
善悪
(
ぜんあく
)
不二
(
ふじ
)
の
神
(
かみ
)
の
道
(
みち
)
224
善
(
ぜん
)
を
思
(
おも
)
へば
善
(
ぜん
)
となり
225
悪
(
あく
)
を
思
(
おも
)
へば
悪
(
あく
)
となる
226
舌
(
した
)
の
剣
(
つるぎ
)
の
切先
(
きつさき
)
に
227
鬼
(
おに
)
も
悪魔
(
あくま
)
も
曲霊
(
まがつひ
)
も
228
先
(
さき
)
を
争
(
あらそ
)
ひ
出
(
い
)
で
来
(
きた
)
る
229
この
世
(
よ
)
曇
(
くも
)
るも
舌
(
した
)
の
為
(
ため
)
230
争
(
あらそ
)
ひ
起
(
おこ
)
るも
舌
(
した
)
のため
231
敵
(
てき
)
に
悩
(
なや
)
むも
舌
(
した
)
のため
232
この
世
(
よ
)
を
照
(
てら
)
すも
舌
(
した
)
の
為
(
ため
)
233
人
(
ひと
)
を
救
(
すく
)
ふも
舌
(
した
)
のため
234
天国
(
てんごく
)
浄土
(
じやうど
)
も
舌
(
した
)
の
為
(
ため
)
235
地獄
(
ぢごく
)
極楽
(
ごくらく
)
舌
(
した
)
のため
236
世
(
よ
)
のことごとは
押並
(
おしな
)
べて
237
舌
(
した
)
の
毒
(
どく
)
より
湧
(
わ
)
き
出
(
い
)
づる
238
舌
(
した
)
の
奥
(
おく
)
には
心
(
こころ
)
あり
239
鬼
(
おに
)
が
出
(
い
)
づるも
心
(
こころ
)
から
240
大蛇
(
をろち
)
探女
(
さぐめ
)
も
心
(
こころ
)
から
241
神
(
かみ
)
も
仏
(
ほとけ
)
も
心
(
こころ
)
から
242
心
(
こころ
)
の
持様
(
もちやう
)
唯
(
ただ
)
一
(
ひと
)
つ
243
心
(
こころ
)
に
花
(
はな
)
の
開
(
ひら
)
くとき
244
天地
(
あめつち
)
四方
(
よも
)
に
花
(
はな
)
開
(
ひら
)
く
245
心
(
こころ
)
に
凩
(
こがらし
)
荒
(
すさ
)
ぶとき
246
世界
(
せかい
)
に
凩
(
こがらし
)
吹
(
ふ
)
きまくる
247
人
(
ひと
)
を
殺
(
ころ
)
すも
村肝
(
むらきも
)
の
248
心
(
こころ
)
の
呼吸
(
いき
)
の
舌
(
した
)
の
先
(
さき
)
249
人
(
ひと
)
を
救
(
すく
)
ふも
舌
(
した
)
の
先
(
さき
)
250
神
(
かみ
)
となるのも
舌
(
した
)
の
先
(
さき
)
251
鬼
(
おに
)
となるのも
舌
(
した
)
の
先
(
さき
)
252
人
(
ひと
)
は
第一
(
だいいち
)
言霊
(
ことたま
)
の
253
天
(
あま
)
の
瓊矛
(
ぬぼこ
)
と
称
(
たた
)
へたる
254
舌
(
した
)
の
剣
(
つるぎ
)
を
慎
(
つつし
)
みて
255
慈愛
(
じあい
)
の
鞘
(
さや
)
によく
納
(
をさ
)
め
256
妄
(
みだ
)
りに
抜
(
ぬ
)
くな
放
(
はな
)
つなよ
257
善言
(
ぜんげん
)
美詞
(
びし
)
の
神嘉言
(
かむよごと
)
258
使
(
つか
)
ふは
舌
(
した
)
の
役目
(
やくめ
)
ぞや
259
善言
(
ぜんげん
)
美詞
(
びし
)
は
天地
(
あめつち
)
の
260
醜
(
しこ
)
の
悪魔
(
あくま
)
を
吹
(
ふ
)
き
払
(
はら
)
ふ
261
生言霊
(
いくことたま
)
の
剣
(
つるぎ
)
ぞや
262
アヽ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
263
霊
(
たま
)
幸倍
(
ちはへ
)
坐世
(
ませ
)
言霊
(
ことたま
)
の
264
舌
(
した
)
の
剣
(
つるぎ
)
を
穏
(
おだや
)
かに
265
使
(
つか
)
はせ
給
(
たま
)
へ
天津
(
あまつ
)
神
(
かみ
)
266
国津
(
くにつ
)
神
(
かみ
)
たち
百
(
もも
)
の
神
(
かみ
)
267
神代
(
かみよ
)
を
開
(
ひら
)
く
言霊
(
ことたま
)
の
268
清
(
きよ
)
き
御水火
(
みいき
)
に
曲津見
(
まがつみ
)
の
269
醜
(
しこ
)
の
霊
(
みたま
)
は
消
(
き
)
え
失
(
う
)
せむ
270
此
(
この
)
世
(
よ
)
を
造
(
つく
)
りし
神直日
(
かむなほひ
)
271
心
(
こころ
)
も
広
(
ひろ
)
き
大直日
(
おほなほひ
)
272
唯
(
ただ
)
何事
(
なにごと
)
も
人
(
ひと
)
の
世
(
よ
)
は
273
直日
(
なほひ
)
に
見直
(
みなほ
)
せ
聞直
(
ききなほ
)
せ
274
身
(
み
)
の
過
(
あやま
)
ちは
詔
(
の
)
り
直
(
なほ
)
せ』
275
と
歌
(
うた
)
ひ
終
(
をは
)
るや、
276
百
(
ひやく
)
日
(
にち
)
百夜
(
ひやくや
)
暗黒
(
あんこく
)
に
鎖
(
とざ
)
されたる
天地
(
てんち
)
は、
277
茲
(
ここ
)
に
豁然
(
かつぜん
)
として
夜
(
よ
)
の
明
(
あ
)
けたる
如
(
ごと
)
く、
278
日
(
ひ
)
は
晃々
(
くわうくわう
)
として
天
(
てん
)
に
輝
(
かがや
)
き、
279
今迄
(
いままで
)
騒然
(
さうぜん
)
たる
瀑布
(
ばくふ
)
の
響
(
ひびき
)
はピタリと
止
(
と
)
まり、
280
虎
(
とら
)
狼
(
おほかみ
)
獅子
(
しし
)
大蛇
(
をろち
)
鬼
(
おに
)
の
叫
(
さけ
)
びも
瞬
(
またた
)
く
間
(
うち
)
、
281
若葉
(
わかば
)
を
渡
(
わた
)
る
春風
(
しゆんぷう
)
の
響
(
ひびき
)
とこそはなりにける。
282
(
大正一一・三・一〇
旧二・一二
松村真澄
録)
Δこのページの一番上に戻るΔ
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(B)
(N)
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