霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第二章 直会宴(なほらひえん)〔四九八〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第12巻 霊主体従 亥の巻 篇:第1篇 天岩戸開(一) よみ(新仮名遣い):あまのいわとびらき(一)
章:第2章 直会宴 よみ(新仮名遣い):なおらいえん 通し章番号:498
口述日:1922(大正11)年03月06日(旧02月08日) 口述場所: 筆録者:藤津久子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年9月30日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一部の章はAIによって要約を作成しています。[×閉じる]:
磐楠彦の三人の息子・高光彦、玉光彦、国光彦は、筑紫島に渡り、イホの都に宣伝歌を歌いながらやって来た。
三人はとある森林にやってきて、野宿に一夜の宿を取った。そこには小さな国魂神の祠があった。夜中ごろ、大勢の人が祠にやってくる物音がした。兄弟は目を覚まし、耳を傾けた。
一人の男が代表して神酒を献じ、何事か祈りを捧げた。続いて直会の宴になり、人々のざわめきが聞こえた。
兄弟たちが人々の話を窺っていると、天候不順で不作の村では、村人たちが酋長や長者の春公に不満を持ち、財産を開放するように要求していた。酋長や春公は、蓄えはまさかのときの備えであって、ここは耐えて生活をなんとかつないで凌ぐ時機だと説得している。
村人たちはほとんどがウラル教だったが、酋長と春公は三五教であることを自ら明かしていた。
村人の初公は、ついに強硬手段に出て、人々を率いて酋長と春公に襲い掛かった。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2020-11-11 23:01:23 文字数:2733 OBC :rm1202
愛善世界社版:14頁 八幡書店版:第2輯 630頁 修補版: 校定版:14頁 普及版:5頁 初版: ページ備考:
001千歳(ちとせ)の老松(らうしよう)雲表(うんぺう)に
002聳(そび)えて高(たか)き万寿山(まんじゆざん)
003堅磐(かきは)常盤(ときは)の松(まつ)の世(よ)を
004知(しら)す磐樟彦(いはくすひこ)の神(かみ)
005花(はな)は紅(くれなゐ)葉(は)は緑(みどり)
006花(はな)の都(みやこ)の緑(みどり)の流(なが)れ
007フサの国(くに)をば後(あと)にして
008聖地(せいち)を越(こ)えて茲(ここ)に兄弟(きやうだい)三(さん)人(にん)は
009住江(すみのえ)の国(くに)を跋渉(ばつせふ)し
010イホの都(みやこ)ものり越(こ)えて
011愈(いよいよ)筑紫(つくし)の島(しま)に着(つ)く
012心(こころ)つくしの益良男(ますらを)が
013純世(すみよ)の姫(ひめ)の鎮(しづ)まりし
014其(その)国魂(くにたま)を清(きよ)めむと
015神(かみ)の教(をしへ)を白瀬川(しらせがは)
016一(ひ)二(ふ)三(み)四(よ)五(いつ)つ六(む)つの滝(たき)
017水音(みなおと)高(たか)き宣伝歌(せんでんか)
018歌(うた)ひ歌(うた)ひて進(すす)み行(ゆ)く。
019 高光彦(たかてるひこ)、020玉光彦(たまてるひこ)、021国光彦(くにてるひこ)の三(さん)人(にん)は、022イホの都(みやこ)に宣伝歌(せんでんか)を歌(うた)ひながら進(すす)み行(ゆ)くのであつた。
023 日(ひ)は黄昏(たそが)れて長(なが)き春日(はるひ)の旅(たび)に疲(つか)れたる三(さん)人(にん)は、024とある森林(しんりん)に蓑(みの)を敷(し)き、025露(つゆ)を凌(しの)ぎ、026一夜(いちや)を明(あ)かしけり。
027 此処(ここ)には小(ちひ)さき国魂神(くにたまがみ)の祠(ほこら)あり。028三(さん)人(にん)は祠(ほこら)の後(うしろ)に身(み)を横(よこ)たへ眠(ねむ)つて居(ゐ)ると、029夜半(よは)と覚(おぼ)しき頃(ころ)大勢(おほぜい)の人声(ひとごゑ)聞(きこ)え来(き)たり。030三(さん)人(にん)はこの声(こゑ)に目(め)を醒(さ)まし、031耳(みみ)を傾(かたむ)け、032其(その)話(はなし)を私(ひそ)かに聞(き)き居(ゐ)る。033群集(ぐんしふ)の中(なか)より一人(ひとり)の男(をとこ)が選(えら)ばれたるが、034祠(ほこら)の前(まへ)に立(た)ち現(あら)はれ灯火(とうくわ)を献(けん)じ、035神酒(みき)を捧(ささ)げ何事(なにごと)か祈願(きぐわん)を籠(こ)め終(をは)つて直会(なほらひ)の宴(えん)に移(うつ)りしと見(み)え、036人々(ひとびと)の声(こゑ)は刻々(こくこく)に高(たか)くなり、037歌(うた)ふもの、038飲(の)むもの、039踊(をど)るもの、040泣(な)く、041笑(わら)ふ、042怒(いか)る、043種々(しゆじゆ)様々(さまざま)の活劇(くわつげき)が演(えん)ぜられつつありける。
044 三(さん)人(にん)は祠(ほこら)の蔭(かげ)より床(ゆか)しげに人々(ひとびと)の話(はなし)を、045耳(みみ)を澄(す)まし、046息(いき)を殺(ころ)して窺(うかが)ひ居(ゐ)る。
047甲(かふ)(春公)『ヨウ、048酋長(しうちやう)さま、049御(ご)苦労(くらう)さまでしたが神(かみ)様(さま)は何(なん)と御(お)告(つ)げがありましたか』
050酋長(しうちやう)『有(あ)つたでもなし、051無(な)かつたでもなし。052マアマア皆(みな)の者(もの)が心(こころ)を一(ひと)つにして善(ぜん)と悪(あく)とを弁(わきま)へ、053善(ぜん)の方(はう)へ進(すす)むより仕方(しかた)がないなア』
054乙(おつ)『膳飽(ぜんあく)と云(い)つたつて、055此(この)頃(ごろ)の様(やう)に百(ひやく)日(にち)許(ばか)り日天(につてん)様(さま)の御(お)顔(かほ)もろくに見(み)えず、056お月様(つきさま)は曇(くも)り勝(が)ちで夜(よる)は殆(ほと)ンど真(しん)の闇(やみ)、057昼(ひる)と云(い)つた処(ところ)が今(いま)までの朧月夜(おぼろつきよ)の様(やう)なものだ。058これでは五穀(ごこく)も実(みの)らず果物(くだもの)は皆(みな)虫(むし)が入(い)つて食(く)へる様(やう)になるまでにバタリと地(ち)に落(お)ちる。059病気(びやうき)は彼方(あちら)此方(こちら)に起(おこ)る。060大勢(おほぜい)の人間(にんげん)の食(た)べる米(こめ)はなし、061果物(くだもの)はなし、062どうして膳(ぜん)に飽(あ)く事(こと)が出来(でき)るものか』
063甲(かふ)(春公)『オイ、064貴様(きさま)は間違(まちが)つてゐるよ。065善(ぜん)と云(い)へば正直(しやうぢき)な心(こころ)を持(も)つて神(かみ)様(さま)を敬(うやま)ひ、066我(わが)身(み)を捨(す)てても人(ひと)の為(た)めになる事(こと)をするのだ。067悪(あく)といへばそれの反対(はんたい)だよ』
068乙(おつ)『そんな事(こと)は三歳児(みつご)でも知(し)つてるワイ。069善(よ)い事(こと)をすれば其(その)時(とき)から気分(きぶん)が良(よ)くなる。070悪(わる)い事(こと)をすれば何(なん)となしに気分(きぶん)が悪(わる)い。071何物(なにもの)かに叱(しか)られる様(やう)な心持(こころも)ちになつて来(く)る。072然(しか)し乍(なが)ら肝腎(かんじん)の生命(いのち)の親(おや)の食物(くひもの)がなくて、073可愛(かあい)い女房(にようばう)や子(こ)が、074骨(ほね)と皮(かは)とに痩衰(やせおとろ)へ渇命(かつめい)に及(およ)ばうとして居(ゐ)るのに、075これを見乍(みなが)ら何(ど)うして人(ひと)の事(こと)処(どころ)か。076どうしてもかうしても利己主義(われよし)になるのは止(や)むを得(え)ぬぢやないか』
077甲(かふ)(春公)『そこを辛抱(しんばう)して、078人(ひと)を助(たす)けるのだ。079それでなければ善(ぜん)と云(い)ふ事(こと)が出来(でき)ぬよ』
080乙(おつ)『さう偉(えら)さうに理窟(りくつ)を云(い)ふのなら、081貴様(きさま)の家(うち)の倉(くら)をあけて町中(まちぢう)の者(もの)に其(その)米(こめ)を施(ほどこ)してやつたらどうだい。082言(い)ふべくして行(おこな)ふべからざる善(ぜん)は偽善(ぎぜん)だ。083貴様(きさま)は飢(う)ゑた味(あぢ)を知(し)らぬからそんな気楽(きらく)な理窟(りくつ)や大平楽(たいへいらく)を並(なら)べるのだ。084どうだ善(ぜん)と悪(あく)とが解(わか)つたか』
085一同(いちどう)『賛成(さんせい)々々(さんせい)。086初公(はつこう)の云(い)ふ通(とほ)りだ。087神(かみ)様(さま)のお言葉(ことば)通(どほ)り善悪(ぜんあく)を立別(たてわ)けて困(こま)つた者(もの)を助(たす)ける様(やう)に、088春公(はるこう)さまの倉(くら)を開(あ)けて町中(まちぢう)の者(もの)に善(ぜん)の鑑(かがみ)を出(だ)して貰(もら)はうかい』
089春公(はるこう)『イヤ、090俺(おれ)も皆(みな)の者(もの)を助(たす)けてやりたいと思(おも)うて、091三杯(さんばい)食(く)ふ処(ところ)は二杯(にはい)にして貯(た)めてあるのだ。092然(しか)し乍(なが)らこれはまさかの時(とき)に助(たす)ける為(た)めだ。093未(ま)だ俺(おれ)の処(ところ)の米(こめ)を出(だ)して町中(まちぢう)へ分配(ぶんぱい)する時期(じき)ではない。094今(いま)出(だ)してやると、095誰(たれ)も彼(かれ)も宜(よ)い気(き)になつて毎日(まいにち)日日(ひにち)飲(の)み食(く)ひに耽(ふけ)り、096終(しま)ひには喧嘩(けんくわ)計(ばか)りする様(やう)になつて、097お天道(てんだう)様(さま)に冥加(みやうが)が悪(わる)いから、098反(かへ)つて善(ぜん)が悪(あく)になると俺(おれ)も困(こま)るから、099マアマア働(はたら)ける丈(だ)けは働(はたら)いて、100愈(いよいよ)世界(せかい)が真暗(まつくら)がりになる様(やう)な事(こと)が出(で)て来(き)た其(その)時(とき)こそ、101世(よ)の中(なか)は相身(あひみ)互(たがひ)ぢや。102お前(まへ)達(たち)が勝手(かつて)に倉(くら)をあけて食(く)ふ様(やう)にする』
103丙(へい)『それも一(ひと)つの理窟(りくつ)だが持(も)つとる奴(やつ)は穢(きたな)いものだ。104何(なん)の彼(か)のと理窟(りくつ)を付(つ)けて出(だ)し惜(をし)みをするものだ。105末(すゑ)の百(ひやく)より今(いま)の五十(ごじふ)と云(い)ふ事(こと)もある。106先(さき)になつて善(ぜん)をするより善(ぜん)は急(いそ)げだ。107今(いま)の内(うち)に倉(くら)を開(あ)け放(はな)して町中(まちぢう)を助(たす)けたら、108どれ丈(だ)け春公(はるこう)さまの光(ひかり)が輝(かがや)くか知(し)れまい。109ナア春(はる)さま、110悪(わる)い事(こと)は云(い)はぬ、111人気(にんき)の立(た)つた時(とき)にホツ放(ぽ)り出(だ)すのだぜ。112それがお前(まへ)の身(み)の為(た)めだよ』
113春公(はるこう)『皆(みな)の人(ひと)達(たち)、114よう考(かんが)へて見(み)てくれ。115斯(こ)う百(ひやく)日(にち)余(あま)りも日(ひ)は照(て)らず、116闇(やみ)の夜(よ)は続(つづ)く。117山(やま)の木(き)は枯(か)れる、118毎日(まいにち)々々(まいにち)地響(ぢひび)きはする、119病人(びやうにん)は沢山(たくさん)出来(でき)る、120先(さき)が案(あん)じられて仕方(しかた)がないぢやないか。121今(いま)の間(うち)は、122木(き)の葉(は)でも根(ね)でも、123草(くさ)でも噛(か)んで生命(いのち)を繋(つな)いで置(お)くのだ。124木(き)の葉(は)は枯(か)れ、125地(ち)の上(うへ)に何一(なにひと)つ食(く)ふ物(もの)がなくなつた時(とき)に初(はじ)めて倉(くら)をあけて、126米(こめ)や麦(むぎ)や、127粟(あは)、128黍(きび)、129稗(ひえ)などを搗(つ)いて各自(めいめい)が粥(かゆ)にでもして、130世界(せかい)の大峠(おほたうげ)を凌(しの)ぐ様(やう)にしなくては心細(こころぼそ)いからな』
131丁(てい)『木(き)を食(く)への、132草(くさ)を食(く)へのと余(あま)り人間(にんげん)を莫迦(ばか)にして呉(く)れるな。133虫(むし)か牛馬(ぎうば)か何(な)ンぞの様(やう)に人間(にんげん)が木(き)や草(くさ)を食(く)はれるものなら誰(たれ)も働(はたら)きはしない。134ヘン、135余(あま)り莫迦(ばか)にするな』
136春公(はるこう)『お前(まへ)達(たち)は、137難儀(なんぎ)だ!困(こま)る!と口々(くちぐち)に悔(くや)んで居(ゐ)るけれど、138毎日(まいにち)酒(さけ)を飲(の)み、139米(こめ)が美味(うま)い、140味(あぢ)ないと小言(こごと)云(い)つてる間(あひだ)は駄目(だめ)だよ』
141初公(はつこう)『そンな理窟(りくつ)は止(や)めにして不言(ふげん)実行(じつかう)が大切(たいせつ)だ。142有(あ)る者(もの)は無(な)い様(やう)な顔(かほ)をするし、143無(な)い者(もの)は有(あ)る様(やう)な顔(かほ)をしたい世(よ)の中(なか)だ。144兎(と)も角(かく)酋長(しうちやう)さまに明瞭(はつきり)と神(かみ)様(さま)に伺(うかが)つて貰(もら)つて、145春公(はるこう)の倉(くら)を開(あ)けたが宜(よ)いか開(あ)けぬがよいか判断(はんだん)して貰(もら)はう。146モシモシ酋長(しうちやう)さま、147もう一度(いちど)神(かみ)様(さま)に右(みぎ)の事(こと)を伺(うかが)つて下(くだ)さいな』
148酋長(しうちやう)『神(かみ)の言葉(ことば)に二言(にごん)はない。149善悪(ぜんあく)をよく弁(わきま)へて正直(しやうぢき)にするが一番(いちばん)だ』
150乙(おつ)『酋長(しうちやう)様(さま)は三五教(あななひけう)ですか、151よう善(ぜん)とか悪(あく)とか仰有(おつしや)いますな』
152酋長(しうちやう)『さうだ、153俺(おれ)は三五教(あななひけう)だ。154此(こ)のイホの人間(にんげん)は八分(はちぶ)までウラル教(けう)だから秘(かく)して居(を)つたが、155もう斯(か)うなつては神(かみ)様(さま)に対(たい)して畏(おそ)れ多(おほ)いから、156明瞭(はつきり)と三五教(あななひけう)だと言明(げんめい)して置(お)く。157お前(まへ)達(たち)が毎日(まいにち)日日(ひにち)ウラル教(けう)に呆(はう)けて仕事(しごと)もせずに酒(さけ)計(ばか)り飲(の)んで、158利己主義(われよし)を行(や)つて世(よ)の中(なか)を曇(くも)らすものだから、159地(ち)の上(うへ)は一面(いちめん)に邪気(じやき)が発生(はつせい)し、160山(やま)は枯(か)れる河(かは)は干(ひ)る、161五穀(ごこく)は実(みの)らず果物(くだもの)は熟(じゆく)さず、162日月(じつげつ)の光(ひかり)も黒雲(くろくも)につつまれて皆(みな)見(み)えぬ様(やう)な世(よ)の中(なか)になつて了(しま)ふたのだ。163それでもまだ改心(かいしん)が出来(でき)ねば、164どんな事(こと)が出(で)て来(く)るか分(わか)つたものぢやない。165ちつとは俺(おれ)の云(い)ふ事(こと)も聞(き)いて貰(もら)ひたい。166お前(まへ)達(たち)の為(ため)だ。167酋長(しうちやう)は床(とこ)の置物(おきもの)だとか云(い)つて、168何時(いつ)も俺(おれ)を莫迦(ばか)扱(あつか)ひして聞(き)いて呉(く)れぬものだから、169天地(てんち)の神(かみ)様(さま)が吾々(われわれ)を戒(いまし)める為(た)めにこんな常闇(とこやみ)の世界(せかい)を現(あら)はしなさつたのだ。170もう今日(けふ)限(かぎ)り今(いま)までの悪(わる)い精神(せいしん)を立替(たてか)へて善(ぜん)に立帰(たちかへ)りますと此(この)神前(しんぜん)で誓(ちか)つてくれ』
171初公(はつこう)『ヨシ分(わか)つた。172酋長(しうちやう)と春公(はるこう)とは腹(はら)を合(あは)せて神(かみ)様(さま)を楯(たて)に、173自分(じぶん)計(ばか)り安楽(あんらく)に暮(くら)して、174俺(おれ)達(たち)の苦(くる)しむのを高見(たかみ)から見物(けんぶつ)すると云(い)ふ悪(わる)い量見(りやうけん)だナ。175オイ皆(みな)の奴(やつ)、176酋長(しうちやう)と春公(はるこう)の首(くび)ツ玉(たま)を抜(ぬ)くのだ。177ヤイヤイ酒(さけ)に喰(くら)ひ酔(よ)うて、178吠(ほえ)たり笑(わら)つたりして居(を)る場合(ばあひ)ぢやないぞ。179俺(おれ)達(たち)の一身(いつしん)上(じやう)に関(くわん)する大問題(だいもんだい)だぞ』
180と呶鳴(どな)り付(つ)ける。181一同(いちどう)は初公(はつこう)の号令(がうれい)の下(もと)に立(た)ち上(あが)り、182酋長(しうちやう)と春公(はるこう)を目(め)がけて各自(てんで)に棍棒(こんぼう)を打(う)ち振(ふ)り乍(なが)ら、183四方(しはう)八方(はつぱう)より酒(さけ)の機嫌(きげん)で打(う)つて掛(かか)る。184嗚呼(ああ)この結果(けつくわ)は如何(いか)に治(をさ)まらむとするか。
185(大正一一・三・六 旧二・八 藤津久子録)
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