霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一二章 化身(けしん)〔五〇八〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第12巻 霊主体従 亥の巻 篇:第2篇 天岩戸開(二) よみ(新仮名遣い):あまのいわとびらき(二)
章:第12章 化身 よみ(新仮名遣い):けしん 通し章番号:508
口述日:1922(大正11)年03月09日(旧02月11日) 口述場所: 筆録者:北村隆光 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年9月30日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]:
祝姫は宣伝使一同に挨拶し、蚊取別にも夫に対する挨拶をした。
蚊取別は厳然と威儀を正し、祝姫に向かって突然、離縁を申し渡した。そして、自分は実は女房を持てない因縁があるのだ、と明かした。
蚊取別は、自分は大自在天の部下・蚊取別の姿に化けているのだが、実はある尊い神様の命によって、宣伝使の養成に力を注ぐ使命を持った神である、と明かした。
そして、蚊取別は夏山彦と祝姫の結婚を仲人した。
その後宣伝使一行と祝姫は、白瀬川の滝の魔神を言向け和すために出発した。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2020-11-12 00:37:23 文字数:1853 OBC :rm1212
愛善世界社版:105頁 八幡書店版:第2輯 664頁 修補版: 校定版:110頁 普及版:45頁 初版: ページ備考:
001 夏山彦(なつやまひこ)と共(とも)に此(この)場(ば)に現(あら)はれた祝姫(はふりひめ)は、002轟(とどろ)く胸(むね)を撫(な)で擦(さす)り乍(なが)ら、
003祝姫(はふりひめ)『これはこれは御(ご)一同(いちどう)様(さま)、004御(ご)苦労(くらう)様(さま)で御座(ござ)いました。005妾(わらは)は三五教(あななひけう)の宣伝使(せんでんし)祝姫(はふりひめ)と申(まを)すもの、006白瀬川(しらせがは)の魔神(まがみ)を言向和(ことむけやは)さむと難処(なんしよ)を伝(つた)ひ漸(やうや)く秋月(あきづき)の滝(たき)に着(つ)く折(をり)しも、007魔神(まがみ)の為(た)めに悩(なや)まされ生命(いのち)危(あやふ)き折柄(をりから)、008イホの酋長(しうちやう)即(すなは)ち此処(ここ)に在(ま)します夏山彦(なつやまひこ)様(さま)に助(たす)けられ救(すく)はれて当家(たうけ)にお世話(せわ)となり、009漸(やうや)く病労(いたつき)の身(み)を元(もと)に復(かへ)し、010これより世(よ)の為(た)めに神(かみ)様(さま)の御用(ごよう)に立(た)ち出(い)でむと思(おも)つて居(ゐ)た処(ところ)で御座(ござ)います。011アヽ貴神(あなた)は我(わが)夫(つま)、012蚊取別(かとりわけ)の宣伝使(せんでんし)、013ようマア御(ご)無事(ぶじ)で居(ゐ)て下(くだ)さいました』
014と涙(なみだ)と共(とも)に語(かた)る。
015 蚊取別(かとりわけ)は儼然(げんぜん)として容(かたち)を更(あらた)め襟(えり)を正(ただ)し、016祝姫(はふりひめ)をグツと睨(にら)み乍(なが)ら、
017蚊取別『今日(けふ)より都合(つがふ)によつて汝(なんぢ)を離縁(りえん)する』
018祝姫(はふりひめ)『エ、019それは又(また)、020如何(どう)した理由(わけ)』
021蚊取別(かとりわけ)『我(われ)は女房(にようばう)を持(も)てぬ因縁(いんねん)があるのだ。022夫(それ)故(ゆゑ)汝(なんぢ)と結婚(けつこん)の約(やく)を結(むす)ぶは結(むす)んだものの、023未(いま)だ一度(いちど)も枕(まくら)を共(とも)にした事(こと)は無(な)い。024実(じつ)に二人(ふたり)の仲(なか)は清浄(せいじやう)潔白(けつぱく)、025汚(けが)しも穢(けが)されもせぬ仲(なか)、026今日(けふ)限(かぎ)り離縁(りえん)を致(いた)す。027斯(か)くなる上(うへ)は従前(じうぜん)の通(とほ)り押(お)しも押(お)されもせぬ互(たがひ)に三五教(あななひけう)の宣伝使(せんでんし)だ。028サア祝姫(はふりひめ)さま、029その覚悟(かくご)で交際(つきあ)つて下(くだ)さい』
030祝姫(はふりひめ)『これは心得(こころえ)ぬ貴方(あなた)の御(お)言葉(ことば)、031妾(わらは)が貞操(みさを)の点(てん)について何(なに)か御(お)心(こころ)に触(さ)へられたるには非(あら)ざるか、032心許(こころもと)なし、033包(つつ)まず隠(かく)さず宣(の)らせ玉(たま)へ』
034と涙(なみだ)を袖(そで)に拭(ぬぐ)ひつつ其(その)場(ば)にワツと倒(たふ)れ伏(ふ)しける。
035蚊取別(かとりわけ)『祝姫(はふりひめ)殿(どの)、036切(せつ)なるお心(こころ)はお察(さつ)しする。037貴女(あなた)の潔白(けつぱく)なる心(こころ)は私(わたくし)は十分(じふぶん)諒解(りやうかい)して居(ゐ)る。038この蚊取別(かとりわけ)は、039もと大自在天(だいじざいてん)の臣下(しんか)たりし蚊取別(かとりわけ)に姿(すがた)を変(へん)じ居(を)れ共(ども)、040実(じつ)は贋物(にせもの)である。041我(われ)はある尊(たふと)き神(かみ)の命(めい)を受(う)け、042宣伝使(せんでんし)の養成(やうせい)に全力(ぜんりよく)を注(そそ)いで居(を)るもの、043実際(じつさい)の処(ところ)を言(い)へば大化物(おほばけもの)だ。044安心(あんしん)して何卒(どうか)夏山彦(なつやまひこ)と結婚(けつこん)して下(くだ)さい』
045祝姫(はふりひめ)『エ、046貴神(あなた)は何(いづ)れの神(かみ)様(さま)』
047蚊取別(かとりわけ)『それを明(あ)かす事(こと)丈(だけ)は待(ま)つて貰(もら)ひ度(た)い』
048初公(はつこう)『ヤア蚊取別(かとりわけ)、049なヽヽヽ何(なん)だ、050ばヽヽヽ化物(ばけもの)見(み)た様(やう)な男(をとこ)だな。051夜前(やぜん)お前(まへ)が忍(しの)び足(あし)に聞(き)きに行(ゆ)きよつたのが、052不思議(ふしぎ)だと思(おも)つて居(を)つたら、053天(てん)にも地(ち)にも無(な)い最愛(さいあい)の女房(にようばう)だつたのだな。054それは無理(むり)もない、055尤(もつと)もだ。056然(しか)し乍(なが)ら今(いま)聞(き)けば一回(いつくわい)も枕(まくら)を並(なら)べた事(こと)も無(な)いと言(い)ふ事(こと)だが、057随分(ずゐぶん)素気(すげ)ない男(をとこ)だなア。058さうして夏山彦(なつやまひこ)の酋長(しうちやう)の女房(にようばう)になれとは何(なに)が何(なに)やら訳(わけ)が分(わか)らぬ。059オイ、060も一遍(いつぺん)俺(おれ)の鼻(はな)を捻(ねじ)つて見(み)て呉(く)れないか。061根(ね)つから葉(は)つから目(め)から口(くち)から鼻(はな)から合点(がてん)の虫(むし)が承知(しようち)せぬワイ』
062蚊取別(かとりわけ)『アハヽヽヽヽ』
063 高光彦(たかてるひこ)は蚊取別(かとりわけ)の顔(かほ)を穴(あな)のあく程(ほど)ながめ乍(なが)ら、
064高光彦『貴神(あなた)は初(はじ)めてお目(め)にかかつた時(とき)から、065何(なん)だか不思議(ふしぎ)な宣伝使(せんでんし)だと思(おも)つてゐました。066いやもう感心(かんしん)致(いた)しました。067夏山彦(なつやまひこ)さま、068蚊取別(かとりわけ)の宣伝使(せんでんし)はこれや屹度(きつと)三十三(さんじふさん)相(さう)に身(み)を変(へん)じて御座(ござ)る神(かみ)様(さま)ですよ、069仰(おほせ)の通(とほ)り祝姫(はふりひめ)さまと御(ご)結婚(けつこん)を遊(あそ)ばしませ。070神(かみ)様(さま)の結(むす)むだ結構(けつこう)な縁(えん)だから祝姫(はふりひめ)さまも決心(けつしん)をして、071此(この)方(かた)の仰有(おつしや)る通(とほ)りなさるが宜(よろ)しからう。072夏山彦(なつやまひこ)さまもよもや嫌(きら)ひな仲(なか)ではありますまい。073是(これ)で貴神(あなた)の心(こころ)の暗(やみ)も杜鵑(ほととぎす)もをさまりませう』
074夏山彦(なつやまひこ)『アヽ勿体(もつたい)ない、075如何(どう)してどうして祝姫(はふりひめ)さまを女房(にようばう)に持(も)つことが出来(でき)ませうか。076今(いま)承(うけたま)はれば蚊取別(かとりわけ)の宣伝使(せんでんし)の奥(おく)さまとやら、077聞(き)いて驚愕(びつくり)致(いた)しました。078私(わたくし)の今迄(いままで)の心(こころ)を打(う)ち割(わ)つて申(まを)せば、079初(はじ)めは三五(あななひ)の教(をしへ)に帰依(きえ)し次(つぎ)に神(かみ)様(さま)に帰依(きえ)し、080遂(つひ)には宣伝使(せんでんし)に帰依(きえ)する様(やう)になり、081それが重(かさ)なつて恋(こひ)の病(やまひ)におち、082煩悶(はんもん)苦悩(くなう)を続(つづ)けて居(を)りました。083人民(じんみん)の頭(かしら)となり乍(なが)ら実(じつ)にお恥(はづか)しい心(こころ)で御座(ござ)います。084私(わたくし)も因縁(いんねん)が恐(おそ)ろしくなつて来(き)ました。085何卒(どうぞ)このこと計(ばか)りは許(ゆる)して下(くだ)さいませ、086今迄(いままで)の恋愛心(れんあいしん)をスツカリ捨(す)てて仕舞(しま)ひますから』
087蚊取別(かとりわけ)『それはいけませぬ。088帰依(きえ)した宣伝使(せんでんし)を忘(わす)るれば従(したが)つて道(みち)を忘(わす)れ、089神(かみ)を忘(わす)れる事(こと)になつて来(く)る。090帰依心(きえしん)、091帰依道(きえだう)、092帰依師(きえし)だ。093凡(すべ)て信仰(しんかう)は恋慕(れんぼ)の心(こころ)を持(も)たねばならぬ。094サアサ、095私(わたくし)がこれから媒酌(なかうど)を致(いた)しますから、096御(ご)心配(しんぱい)なく結婚(けつこん)の式(しき)を一(いち)時(じ)も早(はや)く挙(あ)げて下(くだ)さい。097神(かみ)が許(ゆる)した夫婦(ふうふ)の縁(えん)、098誰(たれ)に憚(はばか)る事(こと)もない、099御(ご)両人(りやうにん)共(とも)、100少(すこ)しも蚊取別(かとりわけ)に遠慮(ゑんりよ)して貰(もら)つては困(こま)る』
101玉光彦(たまてるひこ)『ヤア、102これで私(わたくし)の夢(ゆめ)も実現(じつげん)した。103矢張(やつぱり)正夢(まさゆめ)であつたか』
104国光彦(くにてるひこ)『不思議(ふしぎ)な事(こと)ですな。105兄(にい)さまの夢(ゆめ)に迄(まで)チヤンと分(わか)つて居(ゐ)るのだから、106これや屹度(きつと)神(かみ)の許(ゆる)された縁(えん)でせう。107御(ご)主人(しゆじん)様(さま)、108蚊取別(かとりわけ)の神(かみ)様(さま)の仰(おつ)しやる通(とほ)り、109素直(すなほ)に結婚(けつこん)の式(しき)を挙(あ)げたが宜(よろ)しからう』
110初公(はつこう)『イヤ、111もう昨晩(ゆうべ)の夢(ゆめ)と言(い)ひトンと訳(わけ)が分(わか)らぬ様(やう)になつて来(き)たワイ。112斯(こ)う百(ひやく)日(にち)も月日(つきひ)の御(お)光(ひかり)が拝(をが)めぬ様(やう)になつた世(よ)の中(なか)だから、113何(いづ)れ種々(いろいろ)の化物(ばけもの)が現(あら)はれるのだらう。114こいつは矢張(やつぱり)怪(あや)しいものだ』
115 蚊取別(かとりわけ)の媒酌(なかうど)によつて此処(ここ)に二人(ふたり)は結婚(けつこん)の式(しき)を挙(あ)げ、116祝姫(はふりひめ)は一行(いつかう)五(ご)人(にん)と共(とも)に白瀬川(しらせがは)の魔神(まがみ)を言向和(ことむけやは)すべく、117館(やかた)を後(あと)に六(ろく)人(にん)連(づ)れ宣伝歌(せんでんか)を歌(うた)ひ乍(なが)ら、118朧月夜(おぼろづきよ)の如(ごと)き春(はる)の日(ひ)をシナイ山(ざん)の山麓(さんろく)指(さ)して進(すす)み行(ゆ)く。
119(大正一一・三・九 旧二・一一 北村隆光録)
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