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霊界物語
霊主体従(第1~12巻)
第12巻(亥の巻)
序文
凡例
総説歌
第1篇 天岩戸開(一)
第1章 正神邪霊
第2章 直会宴
第3章 蚊取別
第4章 初蚊斧
第5章 初貫徹
第6章 招待
第7章 覚醒
第2篇 天岩戸開(二)
第8章 思出の歌
第9章 正夢
第10章 深夜の琴
第11章 十二支
第12章 化身
第13章 秋月滝
第14章 大蛇ケ原
第15章 宣直し
第16章 国武丸
第3篇 天岩戸開(三)
第17章 雲の戸開
第18章 水牛
第19章 呉の海原
第20章 救ひ舟
第21章 立花島
第22章 一島攻撃
第23章 短兵急
第24章 言霊の徳
第25章 琴平丸
第26章 秋月皎々
第27章 航空船
第4篇 古事記略解
第28章 三柱の貴子
第29章 子生の誓
第30章 天の岩戸
余白歌
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霊界物語
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第12巻(亥の巻)
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<<< 雲の戸開
(B)
(N)
呉の海原 >>>
第一八章
水牛
(
すゐぎう
)
〔五一四〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第12巻 霊主体従 亥の巻
篇:
第3篇 天岩戸開(三)
よみ(新仮名遣い):
あまのいわとびらき(三)
章:
第18章 水牛
よみ(新仮名遣い):
すいぎゅう
通し章番号:
514
口述日:
1922(大正11)年03月10日(旧02月12日)
口述場所:
筆録者:
藤津久子
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1922(大正11)年9月30日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
嵐が晴れて、月が皓皓と橘島を照らした。船客一同は歓呼の声をあげた。船の一隅から大男が立ち上がり、宣伝歌を歌い始めた。一同に、身も心も清めて誠の言霊で神に祈れ、と諭した。
船客の甲は、この奇瑞を目の当たりにして、改心の言を口にした。乙は、今宣伝歌を歌った宣伝使は、以前に黒野ケ原の孔雀姫の館で会ったと気づいた。
この船客たちは、孔雀姫の館で時置師神によって三五教にいったんは改心したように見せかけて、コーカス山の中腹でウラル教に寝返ろうとした、牛、馬、鹿、虎の四人の捕り手たちであった。
四人は、時置師にあいさつしようかしまいか、思案している。牛公は躊躇していると、時置師の方から見つけて、声をかけられてしまった。
時置師は牛公の身体中の悪魔を引き抜いてやろう、と言う。すると牛公は海の中に飛び込んでしまった。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2020-11-19 18:00:22
OBC :
rm1218
愛善世界社版:
152頁
八幡書店版:
第2輯 681頁
修補版:
校定版:
161頁
普及版:
65頁
初版:
ページ備考:
001
今
(
いま
)
まで
暗黒
(
あんこく
)
に
包
(
つつ
)
まれたる
天地
(
てんち
)
は、
002
忽然
(
こつぜん
)
として
現
(
あら
)
はれ
出
(
い
)
でたる
三五
(
さんご
)
の
月
(
つき
)
に
照
(
てら
)
されて、
003
明
(
あか
)
さも
明
(
あか
)
し
呉
(
くれ
)
の
海
(
うみ
)
の
遥
(
はるか
)
の
沖
(
おき
)
に
浮
(
うか
)
び
出
(
い
)
でたる
橘島
(
たちばなじま
)
を
眺
(
なが
)
めて、
004
船客
(
せんきやく
)
一同
(
いちどう
)
は
船端
(
ふなばた
)
を
叩
(
たた
)
いて
歓呼
(
くわんこ
)
の
叫
(
さけ
)
びいや
高
(
たか
)
く、
005
沖
(
おき
)
の
鴎
(
かもめ
)
の
歌
(
うた
)
ふが
如
(
ごと
)
く、
006
喜
(
よろこ
)
び
勇
(
いさ
)
むで
島影
(
しまかげ
)
目
(
め
)
がけて
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く。
007
船頭
(
せんどう
)
は
声
(
こゑ
)
も
涼
(
すず
)
しく、
008
春風
(
はるかぜ
)
に
送
(
おく
)
られて
唄
(
うた
)
ひ
始
(
はじ
)
めたり。
009
船頭
『
海
(
うみ
)
の
底
(
そこ
)
には
竜宮
(
りうぐう
)
が
見
(
み
)
える
010
天
(
あめ
)
と
地
(
つち
)
との
真釣
(
まつ
)
り
合
(
あ
)
ひ
011
俺
(
おれ
)
も
竜宮
(
りうぐう
)
の
宝
(
たから
)
が
見
(
み
)
たい
012
波
(
なみ
)
を
開
(
ひら
)
いて
呉
(
くれ
)
の
海
(
うみ
)
』
013
船
(
ふね
)
の
一隅
(
いちぐう
)
より、
014
大男
(
おほをとこ
)
ヌツクと
立
(
た
)
つて、
015
時置師
『
月
(
つき
)
は
照
(
て
)
るとも
呉
(
くれ
)
の
海
(
うみ
)
016
コーカス
山
(
ざん
)
の
彼方
(
あなた
)
より
017
現
(
あら
)
はれ
来
(
きた
)
る
紫
(
むらさき
)
の
018
雲
(
くも
)
を
迎
(
むか
)
へて
眺
(
なが
)
むれば
019
黄金
(
こがね
)
の
玉
(
たま
)
か
白玉
(
しらたま
)
か
020
天津
(
あまつ
)
乙女
(
をとめ
)
の
雪
(
ゆき
)
の
肌
(
はだ
)
021
花
(
はな
)
の
姿
(
すがた
)
に
月
(
つき
)
の
眉
(
まゆ
)
022
橘姫
(
たちばなひめ
)
の
神司
(
かむづかさ
)
023
御供
(
みとも
)
の
神
(
かみ
)
を
従
(
したが
)
へて
024
常夜
(
とこよ
)
の
闇
(
やみ
)
を
照
(
てら
)
さむと
025
舞
(
ま
)
ひ
降
(
くだ
)
りたる
御姿
(
みすがた
)
は
026
橘姫
(
たちばなひめ
)
か
深雪姫
(
みゆきひめ
)
027
隈
(
くま
)
なく
照
(
て
)
れる
秋月姫
(
あきづきひめ
)
の
028
神
(
かみ
)
の
命
(
みこと
)
か
白雲
(
しらくも
)
の
029
空
(
そら
)
分
(
わ
)
け
上
(
のぼ
)
る
雄々
(
をを
)
しさよ
030
コーカス
山
(
ざん
)
に
舞
(
ま
)
ひ
上
(
のぼ
)
り
031
ウラルの
姫
(
ひめ
)
の
醜神
(
しこがみ
)
を
032
言向
(
ことむ
)
け
和
(
や
)
はし
神
(
かみ
)
祭
(
まつ
)
り
033
仕
(
つか
)
へおほせて
下
(
くだ
)
り
来
(
く
)
る
034
石凝姥
(
いしこりどめ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
035
神
(
かむ
)
伊邪那岐
(
いざなぎ
)
の
大神
(
おほかみ
)
の
036
御帯
(
みおび
)
と
現
(
あ
)
れし
時置師
(
ときおかし
)
037
神
(
かみ
)
の
命
(
みこと
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
038
石凝姥
(
いしこりどめ
)
の
石
(
いし
)
よりも
039
固
(
かた
)
く
腹帯
(
はらおび
)
締
(
し
)
め
直
(
なほ
)
し
040
時
(
とき
)
じく
襲
(
おそ
)
ふ
曲神
(
まがかみ
)
を
041
山
(
やま
)
の
尾毎
(
をごと
)
に
追
(
お
)
ひ
払
(
はら
)
ひ
042
川
(
かは
)
の
瀬
(
せ
)
毎
(
ごと
)
に
吹
(
ふ
)
き
散
(
ち
)
らし
043
祓
(
はらひ
)
清
(
きよ
)
めて
呉
(
くれ
)
の
海
(
うみ
)
044
国武丸
(
くにたけまる
)
に
乗
(
の
)
り
込
(
こ
)
むで
045
進
(
すす
)
む
折
(
をり
)
しも
和田津
(
わだつ
)
神
(
かみ
)
046
醜
(
しこ
)
の
囁
(
ささや
)
き
曲言
(
まがこと
)
に
047
怒
(
いか
)
らせ
給
(
たま
)
ひて
時津風
(
ときつかぜ
)
048
波
(
なみ
)
を
荒立
(
あらだ
)
て
旋風
(
つむじかぜ
)
049
船
(
ふね
)
砕
(
くだ
)
かむとする
時
(
とき
)
に
050
天教
(
てんけう
)
地教
(
ちけう
)
や
黄金山
(
わうごんざん
)
に
051
永久
(
とは
)
に
現
(
あ
)
れます
三五
(
あななひ
)
の
052
神
(
かみ
)
の
命
(
みこと
)
の
開
(
ひら
)
きたる
053
いとも
尊
(
たふと
)
き
太祝詞
(
ふとのりと
)
054
心
(
こころ
)
清
(
きよ
)
めて
宣
(
の
)
りつれば
055
天津
(
あまつ
)
神
(
かみ
)
たち
国津
(
くにつ
)
神
(
かみ
)
056
大海原
(
おほうなばら
)
に
現
(
あ
)
れませる
057
神
(
かみ
)
も
諾
(
うべな
)
ひ
給
(
たま
)
ひしか
058
風
(
かぜ
)
も
鎮
(
しづ
)
まり
波
(
なみ
)
さへも
059
いと
穏
(
おだや
)
かに
治
(
をさ
)
まりぬ
060
仰
(
あふ
)
げば
尊
(
たふと
)
き
神
(
かみ
)
の
島
(
しま
)
061
橘姫
(
たちばなひめ
)
の
守
(
まも
)
ります
062
その
神島
(
かみしま
)
も
目
(
ま
)
のあたり
063
高
(
たか
)
く
輝
(
かがや
)
く
大空
(
おほぞら
)
の
064
月
(
つき
)
に
心
(
こころ
)
を
任
(
まか
)
せつつ
065
罪科
(
つみとが
)
重
(
おも
)
き
諸人
(
もろびと
)
の
066
汚
(
けが
)
れを
乗
(
の
)
せて
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く
067
祓戸
(
はらひど
)
四柱
(
よはしら
)
大御神
(
おほみかみ
)
068
祓
(
はら
)
はせ
給
(
たま
)
へ
現身
(
うつそみ
)
の
069
罪
(
つみ
)
や
汚
(
けが
)
れや
魂
(
たま
)
の
垢
(
あか
)
070
赤
(
あか
)
き
心
(
こころ
)
を
皇神
(
すめかみ
)
の
071
御前
(
みまへ
)
に
清
(
きよ
)
く
奉
(
たてまつ
)
り
072
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
の
一
(
ひと
)
つ
火
(
び
)
に
073
習
(
なら
)
ひて
誠
(
まこと
)
の
献
(
ささ
)
げ
物
(
もの
)
074
仕
(
つか
)
へ
奉
(
まつ
)
らむ
今日
(
けふ
)
の
旅
(
たび
)
075
国武丸
(
くにたけまる
)
に
今
(
いま
)
乗
(
の
)
れる
076
百人
(
ももびと
)
、
千人
(
ちびと
)
、
万人
(
よろづびと
)
は
077
恵
(
めぐ
)
みも
深
(
ふか
)
き
天地
(
あめつち
)
の
078
神
(
かみ
)
の
心
(
こころ
)
を
嬉
(
うれ
)
しみて
079
身
(
み
)
も
魂
(
たましひ
)
も
荒磯
(
あらいそ
)
の
080
潮
(
しほ
)
に
清
(
きよ
)
めて
仕
(
つか
)
へよや
081
凡
(
すべ
)
て
天地
(
てんち
)
の
大神
(
おほかみ
)
の
082
誠
(
まこと
)
の
道
(
みち
)
に
叶
(
かな
)
ひなば
083
只
(
ただ
)
一口
(
ひとくち
)
の
言霊
(
ことたま
)
も
084
神
(
かみ
)
は
諾
(
うべな
)
ひ
給
(
たま
)
ふべし
085
祈
(
いの
)
れや
祈
(
いの
)
れ
諸人
(
もろびと
)
よ
086
心
(
こころ
)
一
(
ひと
)
つに
祈
(
いの
)
るべし
087
アヽ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
088
御霊
(
みたま
)
幸
(
さちは
)
ひましませよ』
089
と
歌
(
うた
)
つて
元
(
もと
)
の
席
(
せき
)
に
着
(
つ
)
く。
090
甲
(
かふ
)
『イヤお
蔭
(
かげ
)
で、
091
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
此
(
この
)
世
(
よ
)
に
在
(
あ
)
ると
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
が
明瞭
(
はつきり
)
して
来
(
き
)
た
様
(
やう
)
だ。
092
吾々
(
われわれ
)
は
彼
(
あ
)
の
時
(
とき
)
に、
093
宣伝使
(
せんでんし
)
が
祈
(
いの
)
つて
呉
(
く
)
れなかつたら、
094
今頃
(
いまごろ
)
は
魚腹
(
ぎよふく
)
に
葬
(
はうむ
)
られて
居
(
ゐ
)
る
処
(
ところ
)
だつた。
095
天
(
てん
)
からは
美
(
うる
)
はしい
女神
(
めがみ
)
様
(
さん
)
が
沢山
(
たくさん
)
な
供
(
とも
)
を
連
(
つ
)
れて
現
(
あら
)
はれ、
096
何
(
なん
)
とも
知
(
し
)
れぬ
馨
(
かをり
)
の
高
(
たか
)
い
花
(
はな
)
を
降
(
ふ
)
らして
下
(
くだ
)
さつた。
097
もう
此
(
こ
)
れ
限
(
かぎ
)
り
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
事
(
こと
)
は
俺
(
おれ
)
は
疑
(
うたが
)
はない。
098
神
(
かみ
)
は
無
(
な
)
いと
思
(
おも
)
へばある。
099
有
(
あ
)
ると
思
(
おも
)
へば
無
(
な
)
い。
100
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
、
101
心
(
こころ
)
の
誠
(
まこと
)
一
(
ひと
)
つに
神
(
かみ
)
が
宿
(
やど
)
つて
下
(
くだ
)
さると
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
丈
(
だ
)
けは
承知
(
しようち
)
が
出来
(
でき
)
たよ』
102
乙
(
おつ
)
『それだから、
103
己
(
おれ
)
が
何時
(
いつ
)
も
云
(
い
)
うて
居
(
ゐ
)
るのだ。
104
神
(
かみ
)
を
認
(
みと
)
める
迄
(
まで
)
のお
前
(
まへ
)
の
心
(
こころ
)
と、
105
神
(
かみ
)
を
認
(
みと
)
めてからのお
前
(
まへ
)
の
心
(
こころ
)
と、
106
どれ
丈
(
だ
)
け
違
(
ちが
)
ふか』
107
甲
(
かふ
)
『
何
(
なん
)
だか
今迄
(
いままで
)
は
此
(
こ
)
の
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
が
不安
(
ふあん
)
で、
108
向
(
むか
)
ふが
暗
(
くら
)
い
様
(
やう
)
で
何時
(
いつ
)
も
恟々
(
びくびく
)
として、
109
世間
(
せけん
)
を
怖
(
おそ
)
れ
人
(
ひと
)
を
疑
(
うたが
)
ひ、
110
遂
(
つひ
)
には
女房
(
にようばう
)
迄
(
まで
)
疑
(
うたが
)
つて、
111
修羅
(
しゆら
)
の
妄執
(
まうしふ
)
に
悩
(
なや
)
まされてゐたが、
112
今日
(
けふ
)
は
初
(
はじ
)
めて
世界晴
(
せかいば
)
れがした
様
(
やう
)
な
爽快
(
さうくわい
)
な
心
(
こころ
)
になつたよ。
113
これと
云
(
い
)
ふのも
矢張
(
やつぱり
)
吾々
(
われわれ
)
を
守
(
まも
)
り
給
(
たま
)
ふ、
114
大慈
(
だいじ
)
大悲
(
だいひ
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
御恵
(
みめぐ
)
みは
云
(
い
)
ふも
更
(
さら
)
なり、
115
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
が
真心
(
まごころ
)
籠
(
こ
)
めて、
116
天地
(
てんち
)
にお
祈
(
いの
)
り
下
(
くだ
)
さつたお
蔭
(
かげ
)
だナア』
117
乙
(
おつ
)
『
今
(
いま
)
、
118
宣伝歌
(
せんでんか
)
を
歌
(
うた
)
はれたのは、
119
お
前
(
まへ
)
誰
(
たれ
)
だか
知
(
し
)
つてるか』
120
甲
(
かふ
)
『
何
(
なん
)
だか
聞
(
き
)
いた
様
(
やう
)
な
声
(
こゑ
)
だが、
121
余
(
あんま
)
りよく
変
(
かは
)
つて
居
(
ゐ
)
るので
早速
(
さつそく
)
には
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
せない』
122
乙
(
おつ
)
『あの
方
(
かた
)
は
何時
(
いつ
)
やら、
123
黒野
(
くろの
)
ケ
原
(
はら
)
の
孔雀姫
(
くじやくひめ
)
の
館
(
やかた
)
で
御
(
お
)
目
(
め
)
に
掛
(
かか
)
つた
御
(
お
)
方
(
かた
)
ぢやないか』
124
丙
(
へい
)
『さうださうだ、
125
捕手
(
とりて
)
に
向
(
むか
)
つた
時
(
とき
)
に
孔雀姫
(
くじやくひめ
)
の
館
(
やかた
)
で、
126
吾々
(
われわれ
)
五
(
ご
)
人
(
にん
)
の
者
(
もの
)
が、
127
猫
(
ねこ
)
を
摘
(
つま
)
むだ
様
(
やう
)
に
提
(
ひつさ
)
げられ、
128
どうなる
事
(
こと
)
かと
震々
(
ぶるぶる
)
慄
(
ふる
)
つて
居
(
ゐ
)
た
所
(
ところ
)
、
129
酒
(
さけ
)
を
飲
(
の
)
まして
結構
(
けつこう
)
な
教
(
をしへ
)
を
聞
(
き
)
かして
呉
(
く
)
れた
宣伝使
(
せんでんし
)
だ。
130
その
時
(
とき
)
俺
(
おれ
)
達
(
たち
)
が、
131
捕手
(
とりて
)
の
役
(
やく
)
は
厭
(
いや
)
になつたから
辞
(
や
)
めると
云
(
い
)
つたら「お
前
(
まへ
)
達
(
たち
)
はそれが
天職
(
てんしよく
)
だから」と
仰有
(
おつしや
)
つた
方
(
かた
)
だ。
132
何
(
なん
)
と
悪
(
わる
)
い
事
(
こと
)
は
出来
(
でき
)
ぬものだなア。
133
世間
(
せけん
)
が
広
(
ひろ
)
いと
云
(
い
)
つても、
134
何処
(
どこ
)
で
出会
(
でつくわ
)
すか
分
(
わか
)
つたものぢやない。
135
オイお
前
(
まへ
)
達
(
たち
)
もお
礼
(
れい
)
旁
(
かたがた
)
、
136
コーカス
山
(
ざん
)
で
御
(
ご
)
無礼
(
ぶれい
)
を
働
(
はたら
)
いた
事
(
こと
)
をお
詫
(
わ
)
びしようぢやないか』
137
甲
(
かふ
)
『そいつは
一寸
(
ちよつと
)
考
(
かんが
)
へ
物
(
もの
)
だぞ。
138
牛
(
うし
)
、
139
馬
(
うま
)
、
140
鹿
(
しか
)
、
141
虎
(
とら
)
の
四
(
よ
)
人
(
にん
)
は
随分
(
ずゐぶん
)
寝返
(
ねがへ
)
りを
打
(
う
)
つて、
142
あつちに
付
(
つ
)
きこつちに
付
(
つ
)
き
余
(
あま
)
り
宜
(
よ
)
くない
事
(
こと
)
をやつてゐるから、
143
迂闊
(
うつかり
)
名乗
(
なの
)
つて
出
(
で
)
ようものなら、
144
今度
(
こんど
)
こそ、
145
どんな
目
(
め
)
に
逢
(
あ
)
ふか
分
(
わか
)
りやしない。
146
マア
知
(
し
)
らぬ
顔
(
かほ
)
して
居
(
を
)
る
事
(
こと
)
だなア』
147
丁
(
てい
)
『それでも
何
(
なん
)
だか
済
(
す
)
まぬ
様
(
やう
)
な
心持
(
こころもち
)
がする、
148
一視
(
いちし
)
同仁
(
どうじん
)
を
旨
(
むね
)
とする
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
様
(
さま
)
がどうして
吾々
(
われわれ
)
を
苦
(
くる
)
しめる
様
(
やう
)
な
事
(
こと
)
をなさるものか。
149
従順
(
すなほ
)
に
名乗
(
なの
)
つて、
150
お
詫
(
わ
)
びもし
御
(
お
)
礼
(
れい
)
も
申上
(
まをしあ
)
げたら
何
(
ど
)
うだ』
151
甲
(
かふ
)
『お
前
(
まへ
)
達
(
たち
)
はそれで
宜
(
よ
)
いが、
152
この
牛公
(
うしこう
)
は
巌
(
いはや
)
の
中
(
なか
)
まで、
153
沢山
(
たくさん
)
な
宣伝使
(
せんでんし
)
を
引張
(
ひつぱり
)
込
(
こ
)
むで
苦
(
くる
)
しめた、
154
ウラル
姫
(
ひめ
)
の
捕手
(
とりて
)
の
頭
(
かしら
)
だつたから、
155
到底
(
たうてい
)
俺
(
おれ
)
丈
(
だ
)
けは
助
(
たす
)
かりつこはない。
156
貴様
(
きさま
)
達
(
たち
)
が
名乗
(
なの
)
つて
出
(
で
)
ると
其
(
その
)
序
(
ついで
)
に
俺
(
おれ
)
の
事
(
こと
)
が
現
(
あら
)
はれて
来
(
く
)
るから
俺
(
おれ
)
を
助
(
たす
)
けると
思
(
おも
)
つて
名乗
(
なの
)
るのは
見合
(
みあは
)
して
呉
(
く
)
れないか』
157
乙
(
おつ
)
『そんな、
158
股倉
(
またぐら
)
に
何
(
なに
)
やらを
挟
(
はさ
)
むで
居
(
ゐ
)
る
様
(
やう
)
な
気味
(
きび
)
の
悪
(
わる
)
い
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
るものかい。
159
此
(
この
)
船
(
ふね
)
には
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
が
六
(
ろく
)
人
(
にん
)
も
乗
(
の
)
つて
厶
(
ござ
)
るぞ。
160
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
従順
(
すなほ
)
に、
161
尾
(
を
)
を
掉
(
ふ
)
つて
此
(
この
)
場
(
ば
)
を
逃
(
のが
)
れるのだ、
162
改心
(
かいしん
)
した
様
(
やう
)
な
顔
(
かほ
)
して
居
(
を
)
れば
宜
(
よ
)
いのだ。
163
然
(
しか
)
しながら
俺
(
おれ
)
達
(
たち
)
は
心
(
こころ
)
の
底
(
そこ
)
から
改心
(
かいしん
)
して
居
(
ゐ
)
るのだが、
164
どうしても
貴様
(
きさま
)
は
発根
(
ほつこん
)
の
改心
(
かいしん
)
が
出来
(
でき
)
ねば、
165
貴様
(
きさま
)
丈
(
だ
)
けは
柔順
(
おとなし
)
うして
改心
(
かいしん
)
らしう
見
(
み
)
せて
居
(
を
)
れば
宜
(
よ
)
いぢやないか。
166
向
(
むか
)
ふの
方
(
はう
)
から、
167
オイ、
168
其処
(
そこ
)
に
居
(
ゐ
)
るのは
牛
(
うし
)
、
169
馬
(
うま
)
、
170
鹿
(
しか
)
、
171
虎
(
とら
)
ぢやないかと
云
(
い
)
はれてからは
余
(
あんま
)
り
気
(
き
)
が
利
(
き
)
かぬぢやないか。
172
お
月様
(
つきさま
)
が
御
(
お
)
出
(
で
)
ましになつて、
173
其処
(
そこ
)
らが
明
(
あか
)
くなり、
174
風
(
かぜ
)
が
止
(
や
)
むで
波
(
なみ
)
がをさまり、
175
ヤレ
楽
(
らく
)
ぢやと
思
(
おも
)
へば
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
の
顔
(
かほ
)
がアリアリと
見
(
み
)
え
出
(
だ
)
した。
176
こちらが
見
(
み
)
えると
同様
(
どうやう
)
に、
177
向
(
むか
)
ふも
俺
(
おれ
)
達
(
たち
)
の
顔
(
かほ
)
が
透
(
す
)
きとほる
様
(
やう
)
に
見
(
み
)
えて
居
(
ゐ
)
るに
違
(
ちが
)
ひない。
178
嗚呼
(
ああ
)
照
(
て
)
る
月
(
つき
)
も
恨
(
うら
)
めしいが
曇
(
くも
)
るのも
恨
(
うら
)
めしいだらうな、
179
牛公
(
うしこう
)
』
180
牛公
(
うしこう
)
『マアマア
一寸
(
ちよつと
)
思案
(
しあん
)
さして
呉
(
く
)
れ。
181
何
(
なん
)
だか
大勢
(
おほぜい
)
の
前
(
まへ
)
で、
182
謝罪
(
あやま
)
つたり
叱
(
しか
)
られたりするのは
見
(
み
)
つとも
宜
(
よ
)
くない。
183
マア
行
(
ゆ
)
く
処
(
ところ
)
まで
行
(
い
)
かうぢやないか』
184
丙
(
へい
)
『
貴様
(
きさま
)
は
淡白
(
あつさり
)
せぬ
物
(
もの
)
臭
(
ぐさ
)
い
男
(
をとこ
)
だナア。
185
徳利
(
とくり
)
に
味噌
(
みそ
)
を
詰
(
つ
)
めて
逆
(
さか
)
に
振
(
ふ
)
つて
出
(
だ
)
す
様
(
やう
)
な
男
(
をとこ
)
だ。
186
綺麗
(
きれい
)
な
座敷
(
ざしき
)
の
真中
(
まんなか
)
で、
187
裃
(
かみしも
)
を
着
(
つ
)
けた
儘
(
まま
)
、
188
沢山
(
どつさり
)
糞
(
くそ
)
を
垂
(
た
)
れて、
189
立
(
た
)
つにも
立
(
た
)
たれずと
云
(
い
)
ふ
体裁
(
ていさい
)
だ。
190
貴様
(
きさま
)
は
牛公
(
うしこう
)
だから、
191
最前
(
さいぜん
)
からグヅグヅ
云
(
い
)
つて、
192
謝罪
(
あやま
)
りに
行
(
ゆ
)
かうと
云
(
い
)
ふのにビクともせぬのは、
193
大方
(
おほかた
)
股
(
また
)
に
牛糞
(
うしくそ
)
でも
挟
(
はさ
)
むで
居
(
ゐ
)
るのだらう。
194
体
(
てい
)
好
(
よ
)
く、
195
余
(
あま
)
り
海
(
うみ
)
が
荒
(
あ
)
れて
怖
(
こは
)
かつたので
牛糞
(
うしくそ
)
が
出
(
で
)
たと
白状
(
はくじやう
)
せぬかい』
196
牛公
(
うしこう
)
『
鹿公
(
しかこう
)
の
云
(
い
)
ふ
通
(
とほ
)
り、
197
大
(
おほ
)
きな
声
(
こゑ
)
では
云
(
い
)
へぬが、
198
実
(
じつ
)
は
動
(
うご
)
く
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
ぬのだよ、
199
糞
(
くそ
)
忌々
(
いまいま
)
しい』
200
かく
語
(
かた
)
る
折
(
をり
)
しも、
201
時置師
(
ときおかし
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
は、
202
スツクと
立
(
た
)
つて
此方
(
こなた
)
に、
203
人
(
ひと
)
を
分
(
わ
)
けて
進
(
すす
)
み
来
(
きた
)
り、
204
時置師
『イヤ
牛公
(
うしこう
)
か、
205
随分
(
ずゐぶん
)
貴様
(
きさま
)
は
悪
(
わる
)
い
奴
(
やつ
)
だ、
206
何
(
ど
)
うだ、
207
最前
(
さいぜん
)
の
嵐
(
あらし
)
は
何
(
ど
)
う
思
(
おも
)
つたか。
208
貴様
(
きさま
)
の
様
(
やう
)
な
悪人
(
あくにん
)
が
乗
(
の
)
つて
居
(
ゐ
)
るものだから、
209
竜神
(
りうじん
)
様
(
さん
)
が
御
(
ご
)
立腹
(
りつぷく
)
遊
(
あそ
)
ばしたのだ。
210
俺
(
わし
)
がこれから
貴様
(
きさま
)
の
身体
(
からだ
)
の
悪魔
(
あくま
)
を、
211
引抜
(
ひきぬ
)
いてやらう』
212
牛公
『
何
(
なに
)
、
213
私
(
わたし
)
の
首
(
くび
)
を
引抜
(
ひきぬ
)
く。
214
それはマア
待
(
ま
)
つて
下
(
くだ
)
さい』
215
時置師
『
否
(
いや
)
、
216
逢
(
あ
)
うた
時
(
とき
)
に
笠脱
(
かさぬ
)
げと
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
がある。
217
時
(
とき
)
に
取
(
と
)
つての
時置師
(
ときおかし
)
の
荒料理
(
あられうり
)
だ、
218
其処
(
そこ
)
動
(
うご
)
くな』
219
乙
(
おつ
)
『オイ
牛公
(
うしこう
)
、
220
本当
(
ほんたう
)
に
動
(
うご
)
くな、
221
動
(
うご
)
くと
臭
(
くさ
)
いからな』
222
時置師
(
ときおかしの
)
神
(
かみ
)
は
委細
(
ゐさい
)
構
(
かま
)
はず、
223
牛公
(
うしこう
)
の
前
(
まへ
)
に
進
(
すす
)
むで
来
(
く
)
る。
224
牛公
(
うしこう
)
は、
225
キヤアと
一声
(
ひとこゑ
)
叫
(
さけ
)
び
乍
(
なが
)
ら
月
(
つき
)
照
(
て
)
り
渡
(
わた
)
る
波
(
なみ
)
を
目
(
め
)
がけて、
226
ザンブと
許
(
ばか
)
り
飛
(
と
)
び
込
(
こ
)
み、
227
ブルブルブルと
音
(
おと
)
を
立
(
た
)
てて
黒
(
くろ
)
き
姿
(
すがた
)
は
後
(
あと
)
白波
(
しらなみ
)
と
消
(
き
)
え
失
(
う
)
せにけり。
228
折柄
(
をりから
)
の
順風
(
じゆんぷう
)
に
真帆
(
まほ
)
を
上
(
あ
)
げたる
国武丸
(
くにたけまる
)
は
何
(
なん
)
の
容赦
(
ようしや
)
もなく
此
(
この
)
悲劇
(
ひげき
)
を
振
(
ふ
)
り
捨
(
す
)
てて
先
(
さき
)
へ
先
(
さき
)
へと
進行
(
しんかう
)
を
続
(
つづ
)
くる。
229
(
大正一一・三・一〇
旧二・一二
藤津久子
録)
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