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霊界物語
霊主体従(第1~12巻)
第9巻(申の巻)
序歌
凡例
総説歌
第1篇 長途の旅
第1章 都落
第2章 エデンの渡
第3章 三笠丸
第4章 大足彦
第5章 海上の神姿
第6章 刹那信心
第7章 地獄の沙汰
第2篇 一陽来復
第8章 再生の思
第9章 鴛鴦の衾
第10章 言葉の車
第11章 蓬莱山
第3篇 天涯万里
第12章 鹿島立
第13章 訣別の歌
第14章 闇の谷底
第15章 団子理屈
第16章 蛸釣られ
第17章 甦生
第4篇 千山万水
第18章 初陣
第19章 悔悟の涙
第20章 心の鏡
第21章 志芸山祇
第22章 晩夏の風
第23章 高照山
第24章 玉川の滝
第25章 窟の宿替
第26章 巴の舞
第5篇 百花爛漫
第27章 月光照梅
第28章 窟の邂逅
第29章 九人娘
第30章 救の神
第31章 七人の女
第32章 一絃琴
第33章 栗毛の駒
第34章 森林の囁
第35章 秋の月
第36章 偽神憑
第37章 凱歌
附録 第三回高熊山参拝紀行歌(二)
余白歌
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霊界物語
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> 第1篇 長途の旅 > 第6章 刹那信心
<<< 海上の神姿
(B)
(N)
地獄の沙汰 >>>
第六章
刹那
(
せつな
)
信心
(
しんじん
)
〔三九九〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第9巻 霊主体従 申の巻
篇:
第1篇 長途の旅
よみ(新仮名遣い):
ちょうとのたび
章:
第6章 刹那信心
よみ(新仮名遣い):
せつなしんじん
通し章番号:
399
口述日:
1922(大正11)年02月12日(旧01月16日)
口述場所:
筆録者:
森良仁
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1922(大正11)年7月5日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
三笠丸は怪しき物音ともに、いまや海底に沈もうとしていた。松・竹・梅の三姉妹と照彦は少しも騒がず、天に向かって合掌し、何事かを奏上した。そして竹野姫はすっくとたって吹き来る風に向かい、しとやかに歌い始めた。
神々の助けを請い、自分たちの父を訪ねる心情を吐露し、風をおさめて船を救うように祈願の歌を歌った。
この言霊に、雨も風も波もぴたりと止んだ。そして不思議にも暗礁に乗り上げて沈没しようとしていた三笠丸は、何の故障もなく静かに海面を進行し始めた。
船客たちは三五教の神徳にしきりに感心している。その日の黄昏時、船は智利の港に到着した。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2020-06-23 19:27:58
OBC :
rm0906
愛善世界社版:
43頁
八幡書店版:
第2輯 290頁
修補版:
校定版:
46頁
普及版:
18頁
初版:
ページ備考:
001
暴風
(
ばうふう
)
は
百千
(
ひやくせん
)
の
虎
(
とら
)
狼
(
おほかみ
)
の
一度
(
いちど
)
に
嘯
(
うそぶ
)
き
呻
(
うな
)
るが
如
(
ごと
)
く、
002
猛
(
たけ
)
き
声
(
こゑ
)
を
響
(
ひび
)
かせ、
003
遠慮
(
ゑんりよ
)
会釈
(
ゑしやく
)
もなく
吹
(
ふ
)
き
捲
(
まく
)
る。
004
何
(
なん
)
の
容赦
(
ようしや
)
もあら
浪
(
なみ
)
の、
005
立
(
た
)
ち
来
(
く
)
る
態
(
さま
)
、
006
実
(
げ
)
に
凄
(
すさま
)
じき
光景
(
くわうけい
)
なりけり。
007
三笠丸
(
みかさまる
)
は
怪
(
あや
)
しき
物音
(
ものおと
)
、
008
ガラガラバチバチ、
009
今
(
いま
)
や
海底
(
かいてい
)
に
沈
(
しづ
)
まむとす。
010
数多
(
あまた
)
の
船客
(
せんきやく
)
は、
011
色
(
いろ
)
を
失
(
うしな
)
ひ、
012
起
(
た
)
ちつ
坐
(
すわ
)
りつ、
013
限
(
かぎ
)
りある
船中
(
せんちう
)
を
狂
(
くる
)
ひ
廻
(
まは
)
る。
014
松
(
まつ
)
、
015
竹
(
たけ
)
、
016
梅
(
うめ
)
の
あだ
娘
(
むすめ
)
、
017
照彦
(
てるひこ
)
の
四
(
よ
)
人
(
にん
)
は、
018
磐石
(
ばんじやく
)
の
如
(
ごと
)
く
少
(
すこ
)
しも
騒
(
さわ
)
がず、
019
天
(
てん
)
に
向
(
むか
)
つて
合掌
(
がつしやう
)
し、
020
何事
(
なにごと
)
か
頻
(
しき
)
りに
奏上
(
そうじやう
)
せり。
021
窈窕
(
えうてう
)
花
(
はな
)
の
如
(
ごと
)
く、
022
新月
(
しんげつ
)
の
眉
(
まゆ
)
濃
(
こま
)
やかに
描
(
ゑが
)
かれ、
023
容姿
(
ようし
)
端麗
(
たんれい
)
なる
自然
(
しぜん
)
の
天色
(
てんしよく
)
、
024
桃
(
もも
)
の
花
(
はな
)
の
如
(
ごと
)
き
竹野姫
(
たけのひめ
)
はスツクと
起
(
た
)
つて
吹
(
ふ
)
き
来
(
く
)
る
風
(
かぜ
)
に
打
(
う
)
ち
向
(
むか
)
ひ、
025
声
(
こゑ
)
も
淑
(
しと
)
やかに
歌
(
うた
)
ひ
始
(
はじ
)
むる。
026
竹野姫
『
黒白
(
あやめ
)
もわかぬ
暗
(
やみ
)
の
世
(
よ
)
の
027
汚
(
けが
)
れを
払
(
はら
)
ふ
天津風
(
あまつかぜ
)
028
今
(
いま
)
や
吹
(
ふ
)
き
来
(
く
)
る
時津風
(
ときつかぜ
)
029
吹
(
ふ
)
けよ
吹
(
ふ
)
けふけ
科戸
(
しなど
)
の
風
(
かぜ
)
よ
030
常世
(
とこよ
)
の
暗
(
やみ
)
を
吹
(
ふ
)
き
払
(
はら
)
ひ
031
此
(
こ
)
の
世
(
よ
)
の
塵
(
ちり
)
を
清
(
きよ
)
めかし
032
浪
(
なみ
)
よ
立
(
た
)
て
立
(
た
)
て
高砂
(
たかさご
)
の
033
尾
(
を
)
の
上
(
へ
)
の
松
(
まつ
)
の
かくる
まで
034
隠
(
かく
)
れてまします
高砂
(
たかさご
)
の
035
父
(
ちち
)
の
御側
(
みそば
)
へ
連
(
つ
)
れて
行
(
ゆ
)
け
036
常世
(
とこよ
)
の
浪
(
なみ
)
の
しき
浪
(
なみ
)
の
037
寄
(
よ
)
せ
来
(
く
)
る
音
(
おと
)
は
松風
(
まつかぜ
)
か
038
山
(
やま
)
の
嵐
(
あらし
)
かわが
恋
(
こ
)
ふる
039
恋
(
こひ
)
しき
父
(
ちち
)
の
御
(
おん
)
声
(
こゑ
)
か
040
心
(
こころ
)
の
たけの
ありたけを
041
一度
(
いちど
)
に
開
(
ひら
)
く
白梅
(
しらうめ
)
の
042
花
(
はな
)
の
顔
(
かんばせ
)
月
(
つき
)
の
眉
(
まゆ
)
043
竜
(
たつ
)
の
都
(
みやこ
)
に
鎮
(
しづ
)
まりし
044
乙米姫
(
おとよねひめ
)
の
御
(
おん
)
姿
(
すがた
)
045
木
(
こ
)
の
花姫
(
はなひめ
)
の
顔
(
かんばせ
)
は
046
天津
(
あまつ
)
御空
(
みそら
)
を
昇
(
のぼ
)
ります
047
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
の
如
(
ごと
)
くなり
048
大空
(
おほぞら
)
伝
(
つた
)
ふ
月
(
つき
)
の
影
(
かげ
)
049
はやく
晴
(
は
)
らして
月照彦
(
つきてるひこ
)
の
050
神
(
かみ
)
の
守
(
まも
)
りを
与
(
あた
)
へかし
051
俄
(
にはか
)
の
暴風
(
しけ
)
に
大足彦
(
おほだるひこ
)
の
052
神
(
かみ
)
の
命
(
みこと
)
の
足真彦
(
だるまひこ
)
053
倒
(
こ
)
けても
起
(
お
)
きよ
沈
(
しづ
)
みても
054
直様
(
すぐさま
)
浮
(
う
)
けよ
惟神
(
かむながら
)
055
神
(
かみ
)
の
救
(
すく
)
ひの
此
(
この
)
船
(
ふね
)
は
056
深
(
ふか
)
き
恵
(
めぐ
)
みを
三笠丸
(
みかさまる
)
057
空
(
そら
)
打
(
う
)
ち
仰
(
あふ
)
ぎ
眺
(
なが
)
むれば
058
春日
(
かすが
)
の
山
(
やま
)
や
三笠山
(
みかさやま
)
059
峰
(
みね
)
より
昇
(
のぼ
)
る
月影
(
つきかげ
)
の
060
はるる
思
(
おも
)
ひも
今
(
いま
)
しばし
061
暫
(
しば
)
し
止
(
とど
)
めよ
時津風
(
ときつかぜ
)
062
風
(
かぜ
)
の
便
(
たよ
)
りにわが
父
(
ちち
)
の
063
ウヅの
都
(
みやこ
)
に
坐
(
まし
)
ますと
064
探
(
たづ
)
ねて
来
(
きた
)
る
姫神
(
ひめがみ
)
の
065
心
(
こころ
)
の
露
(
つゆ
)
を
汲
(
く
)
み
取
(
と
)
れよ
066
仮令
(
たとへ
)
御船
(
みふね
)
はくつがへり
067
海
(
うみ
)
の
藻屑
(
もくず
)
となるとても
068
神
(
かみ
)
より
享
(
う
)
けし
此
(
この
)
身体
(
からだ
)
069
如何
(
いか
)
でか
死
(
し
)
なむや
科戸彦
(
しなどひこ
)
070
科戸
(
しなど
)
の
姫
(
ひめ
)
よおだやかに
071
鎮
(
しづ
)
まり
給
(
たま
)
へ
逸早
(
いちはや
)
く
072
この
世
(
よ
)
を
渡
(
わた
)
す
のり
の
船
(
ふね
)
073
三五教
(
あななひけう
)
を
守
(
まも
)
る
身
(
み
)
の
074
わが
乗
(
の
)
る
船
(
ふね
)
に
穴
(
あな
)
はない
075
あな
有難
(
ありがた
)
や
三笠丸
(
みかさまる
)
076
あな
尊
(
たふと
)
しの
三笠丸
(
みかさまる
)
077
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐみ
)
を
笠
(
かさ
)
に
着
(
き
)
て
078
清
(
きよ
)
き
教
(
をしへ
)
を
杖
(
つゑ
)
となし
079
みろくの
船
(
ふね
)
に
乗
(
の
)
せられて
080
高砂島
(
たかさごじま
)
に
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く
081
吾
(
われ
)
らを
守
(
まも
)
る
大足彦
(
おほだるひこ
)
の
082
神
(
かみ
)
の
命
(
みこと
)
の
御
(
おん
)
恵
(
めぐ
)
み
083
木
(
こ
)
の
花姫
(
はなひめ
)
や
乙米姫
(
おとよねひめ
)
の
084
神
(
かみ
)
の
命
(
みこと
)
や
琴平別
(
ことひらわけ
)
の
085
貴
(
うづ
)
の
命
(
みこと
)
よ
朝日子
(
あさひこ
)
の
086
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
よ
村肝
(
むらきも
)
の
087
吾
(
われ
)
らが
心
(
こころ
)
を
照
(
て
)
らせよや
088
心
(
こころ
)
の
空
(
そら
)
は
てる
の
国
(
くに
)
089
秘露
(
ひる
)
の
都
(
みやこ
)
も
近
(
ちか
)
づきて
090
春
(
はる
)
は
過
(
す
)
ぐれど
巴留
(
はる
)
の
国
(
くに
)
091
進
(
すす
)
む
妾
(
わらは
)
を
救
(
すく
)
ひませ
092
進
(
すす
)
む
妾
(
わらは
)
を
救
(
すく
)
ひませ
093
又
(
また
)
此
(
この
)
船
(
ふね
)
の
諸人
(
もろびと
)
も
094
千尋
(
ちひろ
)
の
海
(
うみ
)
のいや
深
(
ふか
)
く
095
底
(
そこ
)
ひも
知
(
し
)
れぬ
御恵
(
みめぐ
)
みに
096
救
(
すく
)
ひ
助
(
たす
)
けよ
天津
(
あまつ
)
神
(
かみ
)
097
国津
(
くにつ
)
御神
(
みかみ
)
や
綿津
(
わだつ
)
神
(
かみ
)
098
今
(
いま
)
吹
(
ふ
)
く
風
(
かぜ
)
は
世
(
よ
)
の
人
(
ひと
)
の
099
心
(
こころ
)
の
塵
(
ちり
)
を
払
(
はら
)
ふ
風
(
かぜ
)
100
降
(
ふ
)
り
来
(
く
)
る
雨
(
あめ
)
は
世
(
よ
)
の
人
(
ひと
)
の
101
汚
(
けが
)
れを
洗
(
あら
)
ふ
清
(
きよ
)
の
雨
(
あめ
)
102
今
(
いま
)
立
(
た
)
つ
浪
(
なみ
)
は
世
(
よ
)
の
人
(
ひと
)
の
103
怪
(
あや
)
しき
行
(
おこな
)
ひ
断
(
た
)
つの
浪
(
なみ
)
104
風
(
かぜ
)
よ
吹
(
ふ
)
けふけ
雨
(
あめ
)
も
降
(
ふ
)
れ
105
浪
(
なみ
)
よ
立
(
た
)
て
立
(
た
)
て
勇
(
いさ
)
み
立
(
た
)
て
106
心
(
こころ
)
の
たけの
姫
(
ひめ
)
が
胸
(
むね
)
107
一度
(
いちど
)
に
開
(
ひら
)
く
梅ケ香姫
(
うめがかひめ
)
の
108
妹
(
いも
)
の
命
(
みこと
)
や
神
(
かみ
)
の
世
(
よ
)
の
109
来
(
く
)
るを
まつよ
の
鶴
(
つる
)
の
首
(
くび
)
110
亀
(
かめ
)
の
齢
(
よはひ
)
の
永遠
(
とこしへ
)
に
111
浪
(
なみ
)
をさまれよ
四
(
よ
)
つの
海
(
うみ
)
112
天津
(
あまつ
)
御空
(
みそら
)
は
日
(
ひ
)
の
神
(
かみ
)
の
113
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
と
照彦
(
てるひこ
)
の
114
清
(
きよ
)
き
心
(
こころ
)
を
憐
(
あは
)
れみて
115
船
(
ふね
)
諸共
(
もろとも
)
に
救
(
すく
)
ひませ
116
船
(
ふね
)
諸共
(
もろとも
)
に
救
(
すく
)
ひませ』
117
と
花
(
はな
)
の
唇
(
くちびる
)
を
開
(
ひら
)
いて
歌
(
うた
)
ふ。
118
この
言霊
(
ことたま
)
に、
119
雨
(
あめ
)
も
風
(
かぜ
)
も
浪
(
なみ
)
もピタリと
止
(
や
)
んで、
120
再
(
ふたた
)
び
太平
(
たいへい
)
の
大海原
(
おほうなばら
)
となり、
121
煌々
(
くわうくわう
)
たる
夏
(
なつ
)
の
太陽
(
たいやう
)
は、
122
海面
(
かいめん
)
を
照
(
て
)
らして
輝
(
かがや
)
き
渡
(
わた
)
りぬ。
123
暗礁
(
あんせう
)
に
乗
(
の
)
り
上
(
あ
)
げ、
124
殆
(
ほとん
)
ど
海中
(
かいちう
)
に
没
(
ぼつ
)
せむとせし
三笠丸
(
みかさまる
)
は、
125
不思議
(
ふしぎ
)
なるかな、
126
何
(
なん
)
の
故障
(
こしやう
)
もなく、
127
凪
(
な
)
ぎ
渡
(
わた
)
る
海面
(
かいめん
)
を、
128
静
(
しづ
)
かに
滑
(
な
)
めて
西
(
にし
)
へ
西
(
にし
)
へと
進行
(
しんかう
)
してゐる。
129
船中
(
せんちう
)
には
又
(
また
)
四五
(
しご
)
人
(
にん
)
の
囁
(
ささや
)
き
声
(
ごゑ
)
一隅
(
いちぐう
)
に
聞
(
きこ
)
ゆ。
130
甲
(
かふ
)
『エライ
事
(
こと
)
だつたなア。
131
この
船
(
ふね
)
には
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
弁財天
(
べんざいてん
)
が
乗
(
の
)
つて
御座
(
ござ
)
つたお
蔭
(
かげ
)
で
生命
(
いのち
)
が
救
(
たす
)
かつたのだよ。
132
マアマア
吾々
(
われわれ
)
もお
蔭
(
かげ
)
で
地獄
(
ぢごく
)
行
(
ゆ
)
きを
助
(
たす
)
かつた。
133
一寸
(
いつすん
)
下
(
した
)
は
水地獄
(
みづぢごく
)
だ、
134
カウして
一
(
いち
)
枚
(
まい
)
板
(
いた
)
の
上
(
うへ
)
は
安楽
(
あんらく
)
な
極楽
(
ごくらく
)
だが、
135
一寸
(
いつすん
)
違
(
ちが
)
へば
地獄
(
ぢごく
)
でないか、
136
これを
思
(
おも
)
へば
吾々
(
われわれ
)
はよく
考
(
かんが
)
へねばなるまい。
137
日々
(
にちにち
)
に
行
(
や
)
つて
居
(
を
)
る
事
(
こと
)
は
恰度
(
ちやうど
)
此
(
この
)
船
(
ふね
)
のやうなものだ。
138
一寸
(
ちよつと
)
間違
(
まちが
)
うたら
地獄
(
ぢごく
)
だから、
139
うかうかしては
此
(
この
)
世
(
よ
)
は
渡
(
わた
)
れない、
140
なんぼ
陸
(
あげ
)
ぢやと
言
(
い
)
つて、
141
沈
(
しづ
)
まぬとも
言
(
い
)
へぬ。
142
陸
(
あげ
)
に
居
(
ゐ
)
ても
悪
(
わる
)
い
事
(
こと
)
をすれば、
143
心
(
こころ
)
も
沈
(
しづ
)
み
身
(
み
)
も
沈
(
しづ
)
み、
144
一家
(
いつか
)
親類中
(
しんるゐぢう
)
が
皆
(
みな
)
沈
(
しづ
)
んで、
145
浮
(
う
)
かぶ
瀬
(
せ
)
がなくなつて
了
(
しま
)
ふのだ。
146
うかうかしては
暮
(
くら
)
されぬわい』
147
乙
(
おつ
)
『さうだネ、
148
何
(
なん
)
は
兎
(
と
)
もあれ
有難
(
ありがた
)
い
事
(
こと
)
だつたネ。
149
あの
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
女神
(
めがみ
)
さまは、
150
アリヤ
屹度
(
きつと
)
吾々
(
われわれ
)
のやうな
人間
(
にんげん
)
ぢやないぜ。
151
あまり
吾々
(
われわれ
)
は
慢心
(
まんしん
)
が
強
(
つよ
)
いからナ、
152
此
(
この
)
世
(
よ
)
は
人間
(
にんげん
)
の
力
(
ちから
)
で
渡
(
わた
)
れるものなら
渡
(
わた
)
つて
見
(
み
)
よ。
153
力
(
ちから
)
のない
智慧
(
ちゑ
)
の
暗
(
くら
)
い、
154
一寸
(
いつすん
)
先
(
さき
)
の
分
(
わか
)
らぬ
愚
(
おろか
)
な
人間
(
にんげん
)
が、
155
豪
(
えら
)
さうに
自然
(
しぜん
)
を
征服
(
せいふく
)
するとか、
156
神秘
(
しんぴ
)
の
扉
(
とびら
)
を
開
(
ひら
)
いたとか、
157
造化
(
ざうくわ
)
の
妙用
(
めうよう
)
を
奪
(
うば
)
ふとか、
158
くだらぬ
屁理屈
(
へりくつ
)
を
言
(
い
)
つて
威張
(
いば
)
つて
居
(
を
)
つた
所
(
ところ
)
で、
159
今日
(
けふ
)
のやうな
浪
(
なみ
)
に
遭
(
あ
)
うたら、
160
毎日
(
まいにち
)
日日
(
ひにち
)
船
(
ふね
)
を
操縦
(
あやつ
)
ることを
商売
(
しやうばい
)
にして
居
(
を
)
る
船頭
(
せんどう
)
さまだつて、
161
どうする
事
(
こと
)
も
出来
(
でき
)
やしない。
162
人間
(
にんげん
)
は
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
を
離
(
はな
)
れて、
163
何
(
なに
)
一
(
ひと
)
つ
此
(
この
)
世
(
よ
)
に
出来
(
でき
)
るものはないのだ。
164
かう
言
(
い
)
つて
吾々
(
われわれ
)
が
物
(
もの
)
を
言
(
い
)
つてるのも、
165
皆
(
みな
)
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
尊
(
たふと
)
い
水火
(
いき
)
がこもつて
居
(
を
)
るからだ。
166
ウラル
教
(
けう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
のやうに、
167
呑
(
の
)
めよ
騒
(
さわ
)
げよ
一寸
(
いつすん
)
先
(
さき
)
は
闇
(
やみ
)
よ、
168
暗
(
やみ
)
のあとには
月
(
つき
)
が
出
(
で
)
るなぞと、
169
勝手
(
かつて
)
な
熱
(
ねつ
)
を
吹
(
ふ
)
いて、
170
ドレだけ
威張
(
ゐば
)
つて
見
(
み
)
た
所
(
ところ
)
で、
171
人間
(
にんげん
)
たる
以上
(
いじやう
)
はダメだ、
172
ドウしても、
173
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
広
(
ひろ
)
き
厚
(
あつ
)
き
御恵
(
みめぐ
)
みに
頼
(
たよ
)
らねばならないのだ。
174
アヽ
惟神
(
かむながら
)
霊
(
たま
)
幸倍
(
ちはへ
)
坐世
(
ませ
)
惟神
(
かむながら
)
霊
(
たま
)
幸倍
(
ちはへ
)
坐世
(
ませ
)
』
175
丙
(
へい
)
『オイお
前
(
まへ
)
は
中々
(
なかなか
)
よい
心得
(
こころえ
)
だ。
176
ソンナ
結構
(
けつこう
)
な
事
(
こと
)
、
177
何処
(
どこ
)
の
誰
(
たれ
)
に
聞
(
き
)
いたのだい』
178
乙
『
吾
(
われ
)
は
黄金山
(
わうごんざん
)
に
現
(
あら
)
はれ
給
(
たま
)
ひし
埴安彦
(
はにやすひこの
)
命
(
みこと
)
さまのお
始
(
はじ
)
めになつた、
179
三五教
(
あななひけう
)
の
教
(
をしへ
)
を
聞
(
き
)
いて、
180
それからと
言
(
い
)
ふものは、
181
あれ
程
(
ほど
)
好
(
す
)
きな
酒
(
さけ
)
が
自然
(
しぜん
)
に
飲
(
の
)
めなくなつて、
182
此
(
この
)
頃
(
ごろ
)
は
少
(
すこ
)
しの
御
(
お
)
神酒
(
みき
)
を
頂
(
いただ
)
いても、
183
直
(
じき
)
に
酔
(
よ
)
うて
心持
(
こころも
)
ちがよくなつたよ。
184
今
(
いま
)
までは
酒
(
さけ
)
を
飲
(
の
)
めば
飲
(
の
)
むほど、
185
梯子酒
(
はしござけ
)
で
飲
(
の
)
みたくなり、
186
腹
(
はら
)
は
立
(
た
)
つて
来
(
く
)
る。
187
一寸
(
ちよつと
)
したことにも
ムカ
ついて、
188
女房
(
にようばう
)
を
殴
(
なぐ
)
る、
189
徳利
(
とくり
)
を
投
(
な
)
げる、
190
盃
(
さかづき
)
は
破
(
わ
)
れる、
191
丼鉢
(
どんぶりばち
)
は
踊
(
をど
)
る、
192
近所
(
きんじよ
)
の
人
(
ひと
)
達
(
たち
)
に
悪酒
(
わるざけ
)
ぢや、
193
酒狂
(
しゆきやう
)
ぢやと
言
(
い
)
はれて
持
(
も
)
て
余
(
あま
)
された
者
(
もの
)
だが、
194
どうしたものか、
195
三五教
(
あななひけう
)
の
飯依彦
(
いひよりひこ
)
と
言
(
い
)
ふ
竜宮島
(
りうぐうじま
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
が
熊襲
(
くまそ
)
の
国
(
くに
)
へ
出
(
で
)
て
来
(
き
)
て、
196
皆
(
みな
)
のものを
集
(
あつ
)
めて、
197
鎮魂
(
ちんこん
)
の
洗礼
(
せんれい
)
を
施
(
ほどこ
)
してくれたが
最後
(
さいご
)
、
198
気分
(
きぶん
)
はスツカリして
酒
(
さけ
)
は
嫌
(
きら
)
ひになり、
199
何
(
なん
)
とはなしに
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
が
面白
(
おもしろ
)
くなつて
来
(
き
)
たのだ。
200
ホントによい
教
(
をしへ
)
だよ。
201
お
前
(
まへ
)
も
一
(
ひと
)
つ
三五教
(
あななひけう
)
に
入信
(
にふしん
)
したらどうだい。
202
大
(
だい
)
にしては
治国
(
ちこく
)
平
(
へい
)
天下
(
てんか
)
の
教
(
をしへ
)
、
203
小
(
せう
)
にしては
修身
(
しうしん
)
斉家
(
せいか
)
の
基本
(
きほん
)
たるべき
結構
(
けつこう
)
な
教
(
をしへ
)
の
道
(
みち
)
だよ』
204
丙
(
へい
)
丁
(
てい
)
戊
(
ぼう
)
『
成程
(
なるほど
)
結構
(
けつこう
)
だなア。
205
吾々
(
われわれ
)
も
無事
(
ぶじ
)
安全
(
あんぜん
)
な
時
(
とき
)
には、
206
ナーニ
神
(
かみ
)
が
此
(
この
)
世
(
よ
)
に
在
(
あ
)
るものか、
207
人間
(
にんげん
)
は
神
(
かみ
)
だ、
208
人
(
ひと
)
は
万物
(
ばんぶつ
)
の
長
(
ちやう
)
だ、
209
天地
(
てんち
)
経綸
(
けいりん
)
の
司宰者
(
しさいしや
)
だと
威張
(
ゐば
)
つて
居
(
ゐ
)
たが、
210
今日
(
こんにち
)
のやうな
目
(
め
)
に
遇
(
あ
)
うては、
211
吾輩
(
わがはい
)
のやうな
無神論
(
むしんろん
)
者
(
しや
)
でも、
212
何
(
なん
)
だか
腹
(
はら
)
の
中
(
なか
)
の
悪
(
わる
)
いコロコロが、
213
喉
(
のど
)
から
飛
(
と
)
び
出
(
だ
)
しよつて、
214
本当
(
ほんたう
)
に
叶
(
かな
)
はぬ
時
(
とき
)
の
神頼
(
かみだの
)
み、
215
手
(
て
)
を
合
(
あは
)
して
縋
(
すが
)
る
気
(
き
)
になつて
来
(
く
)
るワ。
216
アヽ
人間
(
にんげん
)
と
言
(
い
)
ふものは
弱
(
よわ
)
いものだなア』
217
諸人
(
もろびと
)
の
囁
(
ささや
)
き
声
(
ごゑ
)
を
満載
(
まんさい
)
した
神
(
かみ
)
の
守護
(
まもり
)
の
三笠丸
(
みかさまる
)
は、
218
万里
(
ばんり
)
の
浪
(
なみ
)
を
渡
(
わた
)
つて、
219
其
(
その
)
日
(
ひ
)
の
黄昏時
(
たそがれどき
)
、
220
智利
(
てる
)
の
港
(
みなと
)
に
近
(
ちか
)
づきたり。
221
(
大正一一・二・一二
旧一・一六
森良仁
録)
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