霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第六章 刹那(せつな)信心(しんじん)〔三九九〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第9巻 霊主体従 申の巻 篇:第1篇 長途の旅 よみ(新仮名遣い):ちょうとのたび
章:第6章 刹那信心 よみ(新仮名遣い):せつなしんじん 通し章番号:399
口述日:1922(大正11)年02月12日(旧01月16日) 口述場所: 筆録者:森良仁 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年7月5日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]:
三笠丸は怪しき物音ともに、いまや海底に沈もうとしていた。松・竹・梅の三姉妹と照彦は少しも騒がず、天に向かって合掌し、何事かを奏上した。そして竹野姫はすっくとたって吹き来る風に向かい、しとやかに歌い始めた。
神々の助けを請い、自分たちの父を訪ねる心情を吐露し、風をおさめて船を救うように祈願の歌を歌った。
この言霊に、雨も風も波もぴたりと止んだ。そして不思議にも暗礁に乗り上げて沈没しようとしていた三笠丸は、何の故障もなく静かに海面を進行し始めた。
船客たちは三五教の神徳にしきりに感心している。その日の黄昏時、船は智利の港に到着した。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2020-06-23 19:27:58 文字数:2641 OBC :rm0906
愛善世界社版:43頁 八幡書店版:第2輯 290頁 修補版: 校定版:46頁 普及版:18頁 初版: ページ備考:
001 暴風(ばうふう)は百千(ひやくせん)の虎(とら)狼(おほかみ)の一度(いちど)に嘯(うそぶ)き呻(うな)るが如(ごと)く、002猛(たけ)き声(こゑ)を響(ひび)かせ、003遠慮(ゑんりよ)会釈(ゑしやく)もなく吹(ふ)き捲(まく)る。004何(なん)の容赦(ようしや)もあら浪(なみ)の、005立(た)ち来(く)る態(さま)、006実(げ)に凄(すさま)じき光景(くわうけい)なりけり。
007 三笠丸(みかさまる)は怪(あや)しき物音(ものおと)、008ガラガラバチバチ、009今(いま)や海底(かいてい)に沈(しづ)まむとす。
010 数多(あまた)の船客(せんきやく)は、011色(いろ)を失(うしな)ひ、012起(た)ちつ坐(すわ)りつ、013限(かぎ)りある船中(せんちう)を狂(くる)ひ廻(まは)る。
014 松(まつ)、015竹(たけ)、016梅(うめ)のあだ娘(むすめ)、017照彦(てるひこ)の四(よ)人(にん)は、018磐石(ばんじやく)の如(ごと)く少(すこ)しも騒(さわ)がず、019天(てん)に向(むか)つて合掌(がつしやう)し、020何事(なにごと)か頻(しき)りに奏上(そうじやう)せり。
021 窈窕(えうてう)花(はな)の如(ごと)く、022新月(しんげつ)の眉(まゆ)濃(こま)やかに描(ゑが)かれ、023容姿(ようし)端麗(たんれい)なる自然(しぜん)の天色(てんしよく)、024桃(もも)の花(はな)の如(ごと)き竹野姫(たけのひめ)はスツクと起(た)つて吹(ふ)き来(く)る風(かぜ)に打(う)ち向(むか)ひ、025声(こゑ)も淑(しと)やかに歌(うた)ひ始(はじ)むる。
026竹野姫『黒白(あやめ)もわかぬ暗(やみ)の世(よ)の
027汚(けが)れを払(はら)ふ天津風(あまつかぜ)
028今(いま)や吹(ふ)き来(く)る時津風(ときつかぜ)
029吹(ふ)けよ吹(ふ)けふけ科戸(しなど)の風(かぜ)よ
030常世(とこよ)の暗(やみ)を吹(ふ)き払(はら)ひ
031此(こ)の世(よ)の塵(ちり)を清(きよ)めかし
032浪(なみ)よ立(た)て立(た)て高砂(たかさご)の
033尾(を)の上(へ)の松(まつ)のかくるまで
034隠(かく)れてまします高砂(たかさご)の
035父(ちち)の御側(みそば)へ連(つ)れて行(ゆ)け
036常世(とこよ)の浪(なみ)のしき浪(なみ)の
037寄(よ)せ来(く)る音(おと)は松風(まつかぜ)か
038山(やま)の嵐(あらし)かわが恋(こ)ふる
039恋(こひ)しき父(ちち)の御(おん)声(こゑ)か
040心(こころ)のたけのありたけを
041一度(いちど)に開(ひら)く白梅(しらうめ)の
042花(はな)の顔(かんばせ)月(つき)の眉(まゆ)
043竜(たつ)の都(みやこ)に鎮(しづ)まりし
044乙米姫(おとよねひめ)の御(おん)姿(すがた)
045木(こ)の花姫(はなひめ)の顔(かんばせ)は
046天津(あまつ)御空(みそら)を昇(のぼ)ります
047日(ひ)の出神(でのかみ)の如(ごと)くなり
048大空(おほぞら)伝(つた)ふ月(つき)の影(かげ)
049はやく晴(は)らして月照彦(つきてるひこ)の
050神(かみ)の守(まも)りを与(あた)へかし
051俄(にはか)の暴風(しけ)に大足彦(おほだるひこ)の
052神(かみ)の命(みこと)の足真彦(だるまひこ)
053倒(こ)けても起(お)きよ沈(しづ)みても
054直様(すぐさま)浮(う)けよ惟神(かむながら)
055神(かみ)の救(すく)ひの此(この)船(ふね)は
056深(ふか)き恵(めぐ)みを三笠丸(みかさまる)
057空(そら)打(う)ち仰(あふ)ぎ眺(なが)むれば
058春日(かすが)の山(やま)や三笠山(みかさやま)
059峰(みね)より昇(のぼ)る月影(つきかげ)の
060はるる思(おも)ひも今(いま)しばし
061暫(しば)し止(とど)めよ時津風(ときつかぜ)
062風(かぜ)の便(たよ)りにわが父(ちち)の
063ウヅの都(みやこ)に坐(まし)ますと
064探(たづ)ねて来(きた)る姫神(ひめがみ)の
065心(こころ)の露(つゆ)を汲(く)み取(と)れよ
066仮令(たとへ)御船(みふね)はくつがへり
067海(うみ)の藻屑(もくず)となるとても
068神(かみ)より享(う)けし此(この)身体(からだ)
069如何(いか)でか死(し)なむや科戸彦(しなどひこ)
070科戸(しなど)の姫(ひめ)よおだやかに
071鎮(しづ)まり給(たま)へ逸早(いちはや)く
072この世(よ)を渡(わた)すのりの船(ふね)
073三五教(あななひけう)を守(まも)る身(み)の
074わが乗(の)る船(ふね)に穴(あな)はない
075あな有難(ありがた)や三笠丸(みかさまる)
076あな尊(たふと)しの三笠丸(みかさまる)
077神(かみ)の恵(めぐみ)を笠(かさ)に着(き)て
078清(きよ)き教(をしへ)を杖(つゑ)となし
079みろくの船(ふね)に乗(の)せられて
080高砂島(たかさごじま)に進(すす)み行(ゆ)く
081吾(われ)らを守(まも)る大足彦(おほだるひこ)の
082神(かみ)の命(みこと)の御(おん)恵(めぐ)み
083木(こ)の花姫(はなひめ)や乙米姫(おとよねひめ)の
084神(かみ)の命(みこと)や琴平別(ことひらわけ)の
085貴(うづ)の命(みこと)よ朝日子(あさひこ)の
086日(ひ)の出神(でのかみ)よ村肝(むらきも)の
087吾(われ)らが心(こころ)を照(て)らせよや
088心(こころ)の空(そら)はてるの国(くに)
089秘露(ひる)の都(みやこ)も近(ちか)づきて
090春(はる)は過(す)ぐれど巴留(はる)の国(くに)
091進(すす)む妾(わらは)を救(すく)ひませ
092進(すす)む妾(わらは)を救(すく)ひませ
093又(また)此(この)船(ふね)の諸人(もろびと)も
094千尋(ちひろ)の海(うみ)のいや深(ふか)く
095底(そこ)ひも知(し)れぬ御恵(みめぐ)みに
096救(すく)ひ助(たす)けよ天津(あまつ)神(かみ)
097国津(くにつ)御神(みかみ)や綿津(わだつ)神(かみ)
098今(いま)吹(ふ)く風(かぜ)は世(よ)の人(ひと)の
099心(こころ)の塵(ちり)を払(はら)ふ風(かぜ)
100降(ふ)り来(く)る雨(あめ)は世(よ)の人(ひと)の
101汚(けが)れを洗(あら)ふ清(きよ)の雨(あめ)
102今(いま)立(た)つ浪(なみ)は世(よ)の人(ひと)の
103怪(あや)しき行(おこな)ひ断(た)つの浪(なみ)
104風(かぜ)よ吹(ふ)けふけ雨(あめ)も降(ふ)れ
105浪(なみ)よ立(た)て立(た)て勇(いさ)み立(た)て
106心(こころ)のたけの姫(ひめ)が胸(むね)
107一度(いちど)に開(ひら)く梅ケ香姫(うめがかひめ)の
108妹(いも)の命(みこと)や神(かみ)の世(よ)の
109来(く)るをまつよの鶴(つる)の首(くび)
110亀(かめ)の齢(よはひ)の永遠(とこしへ)に
111浪(なみ)をさまれよ四(よ)つの海(うみ)
112天津(あまつ)御空(みそら)は日(ひ)の神(かみ)の
113日(ひ)の出神(でのかみ)と照彦(てるひこ)の
114清(きよ)き心(こころ)を憐(あは)れみて
115船(ふね)諸共(もろとも)に救(すく)ひませ
116船(ふね)諸共(もろとも)に救(すく)ひませ』
117と花(はな)の唇(くちびる)を開(ひら)いて歌(うた)ふ。
118 この言霊(ことたま)に、119雨(あめ)も風(かぜ)も浪(なみ)もピタリと止(や)んで、120再(ふたた)び太平(たいへい)の大海原(おほうなばら)となり、121煌々(くわうくわう)たる夏(なつ)の太陽(たいやう)は、122海面(かいめん)を照(て)らして輝(かがや)き渡(わた)りぬ。
123 暗礁(あんせう)に乗(の)り上(あ)げ、124殆(ほとん)ど海中(かいちう)に没(ぼつ)せむとせし三笠丸(みかさまる)は、125不思議(ふしぎ)なるかな、126何(なん)の故障(こしやう)もなく、127凪(な)ぎ渡(わた)る海面(かいめん)を、128静(しづ)かに滑(な)めて西(にし)へ西(にし)へと進行(しんかう)してゐる。
129 船中(せんちう)には又(また)四五(しご)人(にん)の囁(ささや)き声(ごゑ)一隅(いちぐう)に聞(きこ)ゆ。
130甲(かふ)『エライ事(こと)だつたなア。131この船(ふね)には三(さん)人(にん)の弁財天(べんざいてん)が乗(の)つて御座(ござ)つたお蔭(かげ)で生命(いのち)が救(たす)かつたのだよ。132マアマア吾々(われわれ)もお蔭(かげ)で地獄(ぢごく)行(ゆ)きを助(たす)かつた。133一寸(いつすん)下(した)は水地獄(みづぢごく)だ、134カウして一(いち)枚(まい)板(いた)の上(うへ)は安楽(あんらく)な極楽(ごくらく)だが、135一寸(いつすん)違(ちが)へば地獄(ぢごく)でないか、136これを思(おも)へば吾々(われわれ)はよく考(かんが)へねばなるまい。137日々(にちにち)に行(や)つて居(を)る事(こと)は恰度(ちやうど)此(この)船(ふね)のやうなものだ。138一寸(ちよつと)間違(まちが)うたら地獄(ぢごく)だから、139うかうかしては此(この)世(よ)は渡(わた)れない、140なんぼ陸(あげ)ぢやと言(い)つて、141沈(しづ)まぬとも言(い)へぬ。142陸(あげ)に居(ゐ)ても悪(わる)い事(こと)をすれば、143心(こころ)も沈(しづ)み身(み)も沈(しづ)み、144一家(いつか)親類中(しんるゐぢう)が皆(みな)沈(しづ)んで、145浮(う)かぶ瀬(せ)がなくなつて了(しま)ふのだ。146うかうかしては暮(くら)されぬわい』
147乙(おつ)『さうだネ、148何(なん)は兎(と)もあれ有難(ありがた)い事(こと)だつたネ。149あの三(さん)人(にん)の女神(めがみ)さまは、150アリヤ屹度(きつと)吾々(われわれ)のやうな人間(にんげん)ぢやないぜ。151あまり吾々(われわれ)は慢心(まんしん)が強(つよ)いからナ、152此(この)世(よ)は人間(にんげん)の力(ちから)で渡(わた)れるものなら渡(わた)つて見(み)よ。153力(ちから)のない智慧(ちゑ)の暗(くら)い、154一寸(いつすん)先(さき)の分(わか)らぬ愚(おろか)な人間(にんげん)が、155豪(えら)さうに自然(しぜん)を征服(せいふく)するとか、156神秘(しんぴ)の扉(とびら)を開(ひら)いたとか、157造化(ざうくわ)の妙用(めうよう)を奪(うば)ふとか、158くだらぬ屁理屈(へりくつ)を言(い)つて威張(いば)つて居(を)つた所(ところ)で、159今日(けふ)のやうな浪(なみ)に遭(あ)うたら、160毎日(まいにち)日日(ひにち)船(ふね)を操縦(あやつ)ることを商売(しやうばい)にして居(を)る船頭(せんどう)さまだつて、161どうする事(こと)も出来(でき)やしない。162人間(にんげん)は神(かみ)様(さま)を離(はな)れて、163何(なに)一(ひと)つ此(この)世(よ)に出来(でき)るものはないのだ。164かう言(い)つて吾々(われわれ)が物(もの)を言(い)つてるのも、165皆(みな)神(かみ)様(さま)の尊(たふと)い水火(いき)がこもつて居(を)るからだ。166ウラル教(けう)の宣伝使(せんでんし)のやうに、167呑(の)めよ騒(さわ)げよ一寸(いつすん)先(さき)は闇(やみ)よ、168暗(やみ)のあとには月(つき)が出(で)るなぞと、169勝手(かつて)な熱(ねつ)を吹(ふ)いて、170ドレだけ威張(ゐば)つて見(み)た所(ところ)で、171人間(にんげん)たる以上(いじやう)はダメだ、172ドウしても、173神(かみ)様(さま)の広(ひろ)き厚(あつ)き御恵(みめぐ)みに頼(たよ)らねばならないのだ。174アヽ惟神(かむながら)霊(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)惟神(かむながら)霊(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)』
175丙(へい)『オイお前(まへ)は中々(なかなか)よい心得(こころえ)だ。176ソンナ結構(けつこう)な事(こと)、177何処(どこ)の誰(たれ)に聞(き)いたのだい』
178乙『吾(われ)は黄金山(わうごんざん)に現(あら)はれ給(たま)ひし埴安彦(はにやすひこの)命(みこと)さまのお始(はじ)めになつた、179三五教(あななひけう)の教(をしへ)を聞(き)いて、180それからと言(い)ふものは、181あれ程(ほど)好(す)きな酒(さけ)が自然(しぜん)に飲(の)めなくなつて、182此(この)頃(ごろ)は少(すこ)しの御(お)神酒(みき)を頂(いただ)いても、183直(じき)に酔(よ)うて心持(こころも)ちがよくなつたよ。184今(いま)までは酒(さけ)を飲(の)めば飲(の)むほど、185梯子酒(はしござけ)で飲(の)みたくなり、186腹(はら)は立(た)つて来(く)る。187一寸(ちよつと)したことにもムカついて、188女房(にようばう)を殴(なぐ)る、189徳利(とくり)を投(な)げる、190盃(さかづき)は破(わ)れる、191丼鉢(どんぶりばち)は踊(をど)る、192近所(きんじよ)の人(ひと)達(たち)に悪酒(わるざけ)ぢや、193酒狂(しゆきやう)ぢやと言(い)はれて持(も)て余(あま)された者(もの)だが、194どうしたものか、195三五教(あななひけう)の飯依彦(いひよりひこ)と言(い)ふ竜宮島(りうぐうじま)の宣伝使(せんでんし)が熊襲(くまそ)の国(くに)へ出(で)て来(き)て、196皆(みな)のものを集(あつ)めて、197鎮魂(ちんこん)の洗礼(せんれい)を施(ほどこ)してくれたが最後(さいご)、198気分(きぶん)はスツカリして酒(さけ)は嫌(きら)ひになり、199何(なん)とはなしに世(よ)の中(なか)が面白(おもしろ)くなつて来(き)たのだ。200ホントによい教(をしへ)だよ。201お前(まへ)も一(ひと)つ三五教(あななひけう)に入信(にふしん)したらどうだい。202大(だい)にしては治国(ちこく)平(へい)天下(てんか)の教(をしへ)、203小(せう)にしては修身(しうしん)斉家(せいか)の基本(きほん)たるべき結構(けつこう)な教(をしへ)の道(みち)だよ』
204丙(へい)丁(てい)戊(ぼう)『成程(なるほど)結構(けつこう)だなア。205吾々(われわれ)も無事(ぶじ)安全(あんぜん)な時(とき)には、206ナーニ神(かみ)が此(この)世(よ)に在(あ)るものか、207人間(にんげん)は神(かみ)だ、208人(ひと)は万物(ばんぶつ)の長(ちやう)だ、209天地(てんち)経綸(けいりん)の司宰者(しさいしや)だと威張(ゐば)つて居(ゐ)たが、210今日(こんにち)のやうな目(め)に遇(あ)うては、211吾輩(わがはい)のやうな無神論(むしんろん)者(しや)でも、212何(なん)だか腹(はら)の中(なか)の悪(わる)いコロコロが、213喉(のど)から飛(と)び出(だ)しよつて、214本当(ほんたう)に叶(かな)はぬ時(とき)の神頼(かみだの)み、215手(て)を合(あは)して縋(すが)る気(き)になつて来(く)るワ。216アヽ人間(にんげん)と言(い)ふものは弱(よわ)いものだなア』
217 諸人(もろびと)の囁(ささや)き声(ごゑ)を満載(まんさい)した神(かみ)の守護(まもり)の三笠丸(みかさまる)は、218万里(ばんり)の浪(なみ)を渡(わた)つて、219其(その)日(ひ)の黄昏時(たそがれどき)、220智利(てる)の港(みなと)に近(ちか)づきたり。
221(大正一一・二・一二 旧一・一六 森良仁録)
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