霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一三章 訣別(けつべつ)の歌(うた)〔四〇六〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第9巻 霊主体従 申の巻 篇:第3篇 天涯万里 よみ(新仮名遣い):てんがいばんり
章:第13章 訣別の歌 よみ(新仮名遣い):けつべつのうた 通し章番号:406
口述日:1922(大正11)年02月13日(旧01月17日) 口述場所: 筆録者:土井靖都 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年7月5日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]:
照山峠に上った一行は休息を取った。淤縢山津見は智利には狭依彦が宣伝し、秘露には紅葉彦が宣伝をしているので、自分たちはハラの港から直接カルの国へ渡ろう、と提案した。
三姉妹は峠の上から、父親のいる珍の都へ別れを告げる歌を歌った。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2020-06-23 22:17:20 文字数:1708 OBC :rm0913
愛善世界社版:104頁 八幡書店版:第2輯 312頁 修補版: 校定版:110頁 普及版:41頁 初版: ページ備考:
001淤縢山津見(おどやまづみ)の宣伝使(せんでんし)
002心(こころ)の駒山(こまやま)鞭(むち)撻(う)ちて
003進(すす)む珍山彦(うづやまひこ)の神(かみ)
004朝日(あさひ)もてるの神国(かみくに)に
005月(つき)雪(ゆき)花(はな)の三柱(みはしら)の
006姫(ひめ)の命(みこと)と諸共(もろとも)に
007心(こころ)の色(いろ)も照彦(てるひこ)の
008従属(みとも)の司(つかさ)を随(したが)へつ
009たださへ暑(あつ)き夏(なつ)の日(ひ)を
010蓑(みの)と笠(かさ)とに凌(しの)ぎつつ
011草鞋(わらぢ)脚絆(きやはん)の扮装(いでたち)は
012甲斐(かひ)々々(がひ)しくぞ見(み)えにける
013平群(へぐり)の山(やま)を乗(の)り越(こ)えて
014照山峠(てるやまたうげ)の頂上(ちやうじやう)に
015一行(いつかう)漸(やうや)く着(つ)きにけり。
016淤縢山津見(おどやまづみ)『大変(たいへん)汗(あせ)をかきました。017此(こ)の山頂(さんちやう)の木蔭(こかげ)で暫(しばら)く息(いき)を休(やす)めませうかな』
018珍山彦(うづやまひこ)『勿(もち)ですよ、019山(やま)の頂上(ちやうじやう)へ登(のぼ)れば、020吾々(われわれ)は休息(きうそく)するに決(き)めてゐる。021これは吾々(われわれ)宣伝使(せんでんし)の守(まも)るべき一個(いつこ)の不文律(ふぶんりつ)だ。022松代姫(まつよひめ)様(さま)その他(ほか)の御(お)二方(ふたかた)様(さま)も、023もう此(こ)の峠(たうげ)を下(くだ)ると、024御(お)父(とう)さまの居(を)られる珍(うづ)の国(くに)は見(み)えませぬよ。025十分(じふぶん)よく見(み)て置(お)かれるがよろしからう。
026眸(ひとみ)を放(はな)てば連巒(れんらん)畳峰(でふほう)
027遠(とほ)きは緑黛(りよくたい)談(かた)るが如(ごと)く
028近(ちか)きは淡冶(たんや)笑(わら)ふが如(ごと)し
029烟霞(えんか)杳靄(ようあい)の裡(うち)
030伏(ふ)して山河(さんか)を眺望(てうぼう)すれば
031滔々(たうたう)渓流(けいりう)清(きよ)く白帯(はくたい)を晒(さら)すが如(ごと)し
032洋々(やうやう)茫々(ばうばう)海(うみ)に灌(そそ)ぐ』
033駒山彦(こまやまひこ)『ヤア、034珍山彦(うづやまひこ)、035そりや何(なん)だ。036妙(めう)な詩歌(しいか)だな』
037珍山彦『俺(おれ)の詩(し)はあや詩(し)、038可笑詩(をかし)、039面白詩(おもしろし)、040さうして苦詩(くるしい)、041暑苦詩(あつくるしい)中(なか)に涼詩(すずしい)と云(い)ふ珍詩(めづらし)奇詩(きし)だ、042詩歌(しいか)は味(あぢ)はつて見(み)て貰(もら)はぬと困(こま)るよ。043かう見(み)えても大詩人(だいしじん)だからね。044南無(なむ)大慈(だいじ)大悲(だいひ)観世音(くわんぜおん)菩薩(ぼさつ)だ。045アハヽヽヽ』
046淤縢山津見(おどやまづみ)『向(むか)ふに見(み)ゆるはハラの港(みなと)、047智利(てる)の国(くに)には狭依彦(さよりひこ)、048秘露(ひる)の国(くに)には紅葉彦(もみぢひこ)の宣伝使(せんでんし)が控(ひか)へて居(ゐ)るから、049直様(すぐさま)ハラの港(みなと)から、050アタルの都(みやこ)へ着(つ)いて、051カルの国(くに)へツーと行(い)つたら如何(どう)だらうな』
052珍山彦(うづやまひこ)『左様(さう)ですな、053吾々(われわれ)は行(ゆ)く処(ところ)が多(おほ)いのに、054智利(てる)や秘露(ひる)の国(くに)へ行(い)つて宣伝(せんでん)するのは、055笠(かさ)の上(うへ)に笠(かさ)を被(かぶ)つたやうなものだ。056何(いづ)れ脱線(だつせん)だらけの宣伝(せんでん)をやつて居(ゐ)るだらうが、057それでも新水(あらみず)の通(とほ)つたところは、058マー好(よ)いとして、059新(あたら)しいカルの国(くに)へ海上(かいじやう)を船(ふね)でツーとこさと参(まゐ)りませうよ』
060駒山彦(こまやまひこ)『ヤア、061三(さん)人(にん)の女神(めがみ)様(さま)、062脚(あし)は何(ど)うでしたな。063よくマー、064手弱女(たをやめ)の身(み)で吾々(われわれ)と一緒(いつしよ)に来(こ)られましたな。065ヤア、066感心(かんしん)々々(かんしん)』
067竹野姫(たけのひめ)『妾(わらは)は仰(あふ)せの如(ごと)き年若(としわか)き手弱女(たよわめ)。068貴方(あなた)がたの御(お)供(とも)は出来(でき)るか如何(どう)か、069途中(とちう)で御(ご)迷惑(めいわく)をかけてはならないと心配(しんぱい)して居(を)りましたが、070神(かみ)様(さま)の御(お)かげで、071思(おも)はず脚(あし)が先(さき)へ先(さき)へと運(はこ)びまして、072ちつとも疲(つか)れませぬでしたワ』
073梅ケ香姫(うめがかひめ)『姉様(ねえさま)たち、074これが御(お)父(とう)さまの御(お)国(くに)を見離(みはな)れるところですから、075一遍(いつぺん)何(なに)か別(わか)れに歌(うた)ひませうか』
076松代姫(まつよひめ)『姉妹(きやうだい)三(さん)人(にん)が一(ひと)つ歌(うた)つて、077珍(うづ)の国(くに)に別(わか)れませう』
078と、079三(さん)人(にん)一度(いちど)に声(こゑ)を揃(そろ)へて歌(うた)ひ始(はじ)めた。
080松代姫『父(ちち)と母(はは)との永久(とこしへ)に
081鎮(しづ)まりいます珍(うづ)の国(くに)
082珍(うづ)の都(みやこ)を後(あと)にして
083大加牟豆美(おほかむづみ)の神(かみ)となり
084この智利山(てるやま)の坂(さか)の上(へ)に
085登(のぼ)り了(おほ)せし三人(みたり)連(づれ)
086今(いま)吹(ふ)く風(かぜ)は東風(こちかぜ)か
087妾(わらは)三人(みたり)が父母(ちちはは)を
088慕(した)ふ心(こころ)の思(おも)ひねを
089乗(の)せて往(ゆ)け往(ゆ)け珍(うづ)の国(くに)
090深山(みやま)の空(そら)の風(かぜ)薫(かを)る
091色(いろ)も目出度(めでた)き桃上彦(ももがみひこ)の
092神(かみ)の命(みこと)や五月姫(さつきひめ)
093妾(わらは)は常世(とこよ)へ進(すす)む身(み)の
094進(すす)みかねたる珍(うづ)の空(そら)
095空(そら)往(ゆ)く雲(くも)の心(こころ)あらば
096思(おも)ひを乗(の)せて吾(わが)父(ちち)の
097御許(みもと)に送(おく)れ青雲(あをくも)の
098棚引(たなび)くかぎり白雲(しらくも)の
099墜居(おりゐ)向伏(むかふ)すその極(きは)み
100神(かみ)の教(をしへ)を伝(つた)へ行(ゆ)く
101松竹梅(まつたけうめ)の宣伝使(せんでんし)
102心(こころ)の色(いろ)も照彦(てるひこ)の
103清(きよ)き従神(みとも)の御護(みまも)りに
104ハラの港(みなと)を船出(ふなで)して
105波風(なみかぜ)荒(あら)き海原(うなばら)を
106アタルの港(みなと)を指(さ)して行(ゆ)く
107身装(みなり)もカルの国境(くにざかひ)
108心(こころ)の花(はな)や目(め)の国(くに)の
109空(そら)を仰(あふ)ぎつ常世国(とこよくに)
110ロッキー山(ざん)も踏越(ふみこ)えて
111又(また)も海原(うなばら)打(う)ち渡(わた)り
112曲津(まがつ)の猛(たけ)ぶ黄泉島(よもつじま)
113黄泉軍(よもついくさ)を言向(ことむ)けて
114淤縢山津見(おどやまづみ)の神(かみ)様(さま)や
115勇(いさ)む心(こころ)の駒山彦(こまやまひこ)や
116珍山彦(うづやまひこ)と諸共(もろとも)に
117太(ふと)しき勲(いさを)を後(のち)の世(よ)に
118芙蓉(はちす)の山(やま)より尚(なほ)高(たか)く
119竜(たつ)の海(うみ)より弥(いや)深(ふか)き
120神(かみ)の光(ひかり)と御恵(みめぐ)みを
121いや永久(とこしへ)に現(あらは)さむ
122嗚呼(ああ)父上(ちちうへ)よ母上(ははうへ)よ
123名残(なごり)は尽(つ)きじ山(やま)の上(うへ)
124山(やま)より高(たか)き御恵(みめぐ)みの
125その一(ひと)つだも報(むく)い得(え)ず
126出(い)で行(ゆ)く妾(わらは)を宥(ゆる)しませ
127進(すす)む吾(われ)らを恕(ゆる)せかし
128只(ただ)何事(なにごと)も人(ひと)の世(よ)は
129直日(なほひ)に見直(みなほ)し聞(き)き直(なほ)し
130身(み)の過(あやま)ちは宣(の)り直(なほ)す
131三五教(あななひけう)の神(かみ)の教(のり)
132いと平(たひ)らけく安(やす)らけく
133妾(わらは)の罪(つみ)を宣(の)り直(なほ)せ
134朝日(あさひ)は照(て)るとも曇(くも)るとも
135月(つき)は盈(み)つとも虧(か)くるとも
136仮令(たとへ)大地(だいち)は沈(しづ)むとも
137わが垂乳根(たらちね)の慈愛(いつくしみ)
138何時(いつ)の世(よ)にかは忘(わす)るべき
139いつの世(よ)にかは忘(わす)るべき
140松(まつ)、竹(たけ)、梅(うめ)の三人(みたり)連(づれ)
141心(こころ)も智利(てる)の山(やま)の上(うへ)
142遥(はるか)に拝(をが)み奉(たてまつ)る
143遥(はるか)に拝(をが)み奉(たてまつ)る』
144と歌(うた)ひ了(をは)りて芝生(しばふ)の上(うへ)に淑(しと)やかに腰(こし)を下(おろ)して休(やす)らふ。
145珍山彦(うづやまひこ)『ヤア、146流石(さすが)は女(をんな)だ。147女(をんな)らしい優(やさ)しい歌(うた)だ。148それで結構(けつこう)々々(けつこう)、149サアサア、150一同(いちどう)参(まゐ)りませう』
151と先(さき)に立(た)ちて照山峠(てるやまたうげ)を下(くだ)り行(ゆ)く。
152(大正一一・二・一三 旧一・一七 土井靖都録)
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