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霊界物語
霊主体従(第1~12巻)
第9巻(申の巻)
序歌
凡例
総説歌
第1篇 長途の旅
第1章 都落
第2章 エデンの渡
第3章 三笠丸
第4章 大足彦
第5章 海上の神姿
第6章 刹那信心
第7章 地獄の沙汰
第2篇 一陽来復
第8章 再生の思
第9章 鴛鴦の衾
第10章 言葉の車
第11章 蓬莱山
第3篇 天涯万里
第12章 鹿島立
第13章 訣別の歌
第14章 闇の谷底
第15章 団子理屈
第16章 蛸釣られ
第17章 甦生
第4篇 千山万水
第18章 初陣
第19章 悔悟の涙
第20章 心の鏡
第21章 志芸山祇
第22章 晩夏の風
第23章 高照山
第24章 玉川の滝
第25章 窟の宿替
第26章 巴の舞
第5篇 百花爛漫
第27章 月光照梅
第28章 窟の邂逅
第29章 九人娘
第30章 救の神
第31章 七人の女
第32章 一絃琴
第33章 栗毛の駒
第34章 森林の囁
第35章 秋の月
第36章 偽神憑
第37章 凱歌
附録 第三回高熊山参拝紀行歌(二)
余白歌
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<<< 鴛鴦の衾
(B)
(N)
蓬莱山 >>>
第一〇章
言葉
(
ことば
)
の
車
(
くるま
)
〔四〇三〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第9巻 霊主体従 申の巻
篇:
第2篇 一陽来復
よみ(新仮名遣い):
いちようらいふく
章:
第10章 言葉の車
よみ(新仮名遣い):
ことばのくるま
通し章番号:
403
口述日:
1922(大正11)年02月13日(旧01月17日)
口述場所:
筆録者:
河津雄
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1922(大正11)年7月5日
概要:
舞台:
ウヅの館
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
五月姫は四十五清音を読み込んだ契りの歌を歌った。珍山彦は駒山彦に祝歌を促す。駒山彦が祝歌を披露した後は、正鹿山津見が珍山彦に促されて歌を歌った。
その歌には、かつて聖地エルサレムでの自らの悪政の失敗と、日の出神の救い、海底竜宮での苦労、高砂洲での宣伝から今に至るまでの経歴と、改心の誓いと喜びが読み込まれていた。
珍山彦は松代姫に親子対面の祝いの歌を促す。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2020-06-23 22:03:40
OBC :
rm0910
愛善世界社版:
75頁
八幡書店版:
第2輯 302頁
修補版:
校定版:
79頁
普及版:
31頁
初版:
ページ備考:
001
五月姫
(
さつきひめ
)
は
立
(
た
)
つて
唄
(
うた
)
ふ。
002
五月姫
『
あ
ふげば
高
(
たか
)
し
天
(
あま
)
の
原
(
はら
)
003
い
行
(
ゆ
)
き
渡
(
わた
)
らふ
日
(
ひ
)
の
神
(
かみ
)
の
004
う
づの
都
(
みやこ
)
の
守護神
(
まもりがみ
)
005
え
にしの
糸
(
いと
)
に
繋
(
つな
)
がれて
006
お
しの
衾
(
ふすま
)
の
永久
(
とこしへ
)
に
007
か
はらざらまし
何時
(
いつ
)
までも
008
き
よく
正
(
ただ
)
しき
相生
(
あひおひ
)
の
009
く
にの
護
(
まも
)
りと
現
(
あら
)
はれて
010
け
しき
卑
(
いや
)
しき
曲津見
(
まがつみ
)
を
011
こ
らしてここに
神
(
かみ
)
の
国
(
くに
)
012
さ
かゆる
松
(
まつ
)
も
高砂
(
たかさご
)
の
013
し
ま
根
(
ね
)
に
清
(
きよ
)
く
麗
(
うるは
)
しく
014
す
みきる
老
(
おい
)
の
尉
(
じやう
)
と
姥
(
うば
)
015
せ
ぜの
流
(
なが
)
れは
変
(
かは
)
るとも
016
そ
ろふて
二人
(
ふたり
)
松
(
まつ
)
の
葉
(
は
)
の
017
た
がひに
心
(
こころ
)
を
合
(
あ
)
はせつつ
018
ち
代
(
よ
)
も
八千代
(
やちよ
)
も
永久
(
とこしへ
)
に
019
つ
ると
亀
(
かめ
)
との
齢
(
よはひ
)
もて
020
て
らす
高砂島
(
たかさごじま
)
の
森
(
もり
)
021
と
きは
堅磐
(
かきは
)
に
治
(
をさ
)
めませ
022
な
み
風
(
かぜ
)
荒
(
あら
)
き
海原
(
うなばら
)
を
023
に
しや
東
(
ひがし
)
や
北
(
きた
)
南
(
みなみ
)
024
ぬ
ひ
行
(
ゆ
)
く
船
(
ふね
)
の
徐々
(
しづしづ
)
と
025
ね
底
(
そこ
)
の
国
(
くに
)
の
果
(
は
)
てまでも
026
の
どかにしらす
天津
(
あまつ
)
神
(
かみ
)
027
は
留
(
る
)
の
国
(
くに
)
をば
立
(
た
)
ち
出
(
い
)
でて
028
ひ
照
(
で
)
りきびしき
砂原
(
すなはら
)
を
029
ふ
みわけ
進
(
すす
)
む
四人
(
よにん
)
連
(
づ
)
れ
030
へ
り
譲
(
くだ
)
れとの
御教
(
みをしへ
)
の
031
ほ
まれは
四方
(
よも
)
に
響
(
ひび
)
くなり
032
ま
さ
鹿山津見
(
かやまづみの
)
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
033
み
のいたづきを
救
(
すく
)
ひつつ
034
む
すぶ
縁
(
えにし
)
の
温泉場
(
をんせんば
)
035
め
ぐり
会
(
あ
)
うたる
妹
(
いも
)
と
背
(
せ
)
の
036
も
も
世
(
よ
)
の
契
(
ちぎり
)
百歳
(
ももとせ
)
や
037
や
千代
(
ちよ
)
の
固
(
かた
)
め
睦
(
むつ
)
まじく
038
い
や
永久
(
とこしへ
)
に
永久
(
とこしへ
)
に
039
ゆ
みづ
湧
(
わ
)
き
出
(
づ
)
る
珍山
(
うづやま
)
の
040
え
にしも
深
(
ふか
)
き
旅
(
たび
)
の
空
(
そら
)
041
よ
は
紫陽花
(
あぢさゐ
)
の
変
(
かは
)
るとも
042
わ
が
身
(
み
)
に
持
(
も
)
てる
真心
(
まごころ
)
は
043
ゐ
く
千代
(
ちよ
)
までも
変
(
かは
)
らまじ
044
う
づ
山彦
(
やまひこ
)
の
御
(
おん
)
神
(
かみ
)
に
045
ゑ
にしの
糸
(
いと
)
を
結
(
むす
)
ばれて
046
を
さまる
今日
(
けふ
)
の
夕
(
ゆふべ
)
かな』
047
と、
048
四十五
(
しじふご
)
清音
(
せいおん
)
の
言霊歌
(
ことたまうた
)
を
歌
(
うた
)
ふ。
049
駒山彦
(
こまやまひこ
)
『ヤア、
050
恐
(
おそ
)
れ
入
(
い
)
りました。
051
四十五
(
しじふご
)
清音
(
せいおん
)
の
祝
(
いは
)
ひの
御
(
おん
)
歌
(
うた
)
、
052
どうか
始終
(
しじゆう
)
御静穏
(
ごせいをん
)
でゐらつしやいますやうに』
053
珍山彦
(
うづやまひこ
)
『オイ、
054
駒山
(
こまやま
)
さま、
055
大分
(
だいぶん
)
によう
転
(
ころ
)
ぶな』
056
駒山彦
『きまつた
事
(
こと
)
だ。
057
山
(
やま
)
の
頂辺
(
てつぺん
)
から、
058
駒
(
こま
)
を
転
(
ころ
)
がしたやうなものだよ。
059
アハヽヽヽ』
060
珍山彦
『サア
駒山
(
こまやま
)
さま、
061
山
(
やま
)
の
頂辺
(
てつぺん
)
から
駒
(
こま
)
を
転
(
ころ
)
がすのだよ。
062
一
(
ひと
)
つ
言霊歌
(
ことたまうた
)
を
聴
(
き
)
かして
貰
(
もら
)
ひませうかな』
063
駒山彦
『
歌
(
うた
)
は
御免
(
ごめん
)
だ、
064
不調法
(
ぶてうはふ
)
だからな』
065
珍山彦
『この
目出度
(
めでた
)
い
場所
(
ばしよ
)
で、
066
御免
(
ごめん
)
だの、
067
不調法
(
ぶてうはふ
)
だのと、
068
是非
(
ぜひ
)
言霊
(
ことたま
)
の
宣
(
の
)
り
直
(
なほ
)
しをやつて
貰
(
もら
)
ひたいものだ。
069
主人側
(
しゆじんがは
)
の
五月姫
(
さつきひめ
)
さまが
言霊
(
ことたま
)
でお
歌
(
うた
)
ひになつたのだもの、
070
お
客側
(
きやくがは
)
の
貴公
(
きこう
)
がまた
言霊
(
ことたま
)
で
返歌
(
へんか
)
をするのは
当然
(
たうぜん
)
だ。
071
吾々
(
われわれ
)
は
一度
(
いちど
)
歌
(
うた
)
つたから
最早
(
もはや
)
満期
(
まんき
)
免除
(
めんぢよ
)
だ。
072
サアサア
早
(
はや
)
く
早
(
はや
)
く、
073
言霊
(
ことたま
)
の
駒
(
こま
)
を
山
(
やま
)
の
上
(
うへ
)
から
転
(
ころ
)
がしたり
転
(
ころ
)
がしたり、
074
珍山彦
(
うづやまひこ
)
の
所望
(
しよもう
)
だ』
075
駒山彦
(
こまやまひこ
)
も、
076
駒山彦
『
こま
つたな、
077
止
(
や
)
むに
止
(
や
)
まれぬこの
場
(
ば
)
の
仕儀
(
しぎ
)
、
078
オツトドツコイ
祝儀
(
しうぎ
)
だ。
079
あ
ふげば
高
(
たか
)
し
山
(
やま
)
の
端
(
は
)
を
080
い
づる
月日
(
つきひ
)
のきらきらと
081
う
づの
都
(
みやこ
)
を
照
(
てら
)
すなり
082
え
にしは
尽
(
つ
)
きぬ
五月姫
(
さつきひめ
)
083
お
しの
衾
(
ふすま
)
の
暖
(
あたた
)
かに
084
か
たみに
手
(
て
)
に
手
(
て
)
をとり
交
(
かは
)
し
085
き
のふも
今日
(
けふ
)
も
睦
(
むつ
)
まじく
086
く
らせよ
暮
(
くら
)
せ
二人
(
ふたり
)
連
(
づ
)
れ
087
け
はしき
山
(
やま
)
を
乗
(
の
)
り
越
(
こ
)
えて
088
こ
こに
漸
(
やうや
)
く
月
(
つき
)
の
宵
(
よひ
)
089
さ
かづき
交
(
かは
)
す
目出度
(
めでた
)
さよ
090
し
ま
根
(
ね
)
に
生
(
お
)
ふる
松ケ枝
(
まつがえ
)
に
091
す
ずしく
澄
(
す
)
める
月影
(
つきかげ
)
は
092
せ
ん
秋万歳
(
しうばんざい
)
尉
(
じやう
)
と
姥
(
うば
)
093
そ
ろふ
夫婦
(
ふうふ
)
の
友白髪
(
ともしらが
)
094
た
かさご
島
(
じま
)
の
守護神
(
まもりがみ
)
095
ち
よに
八千代
(
やちよ
)
に
色
(
いろ
)
深
(
ふか
)
く
096
つ
るの
巣
(
す
)
籠
(
ごも
)
る
神
(
かみ
)
の
島
(
しま
)
097
て
らす
朝日
(
あさひ
)
は
清
(
きよ
)
くして
098
と
こよの
闇
(
やみ
)
を
晴
(
は
)
らすなり
099
な
つの
半
(
なかば
)
の
五月空
(
さつきぞら
)
100
に
しに
出
(
い
)
で
入
(
い
)
る
月照彦
(
つきてるひこ
)
は
101
ぬ
ば
玉
(
たま
)
の
世
(
よ
)
を
照
(
て
)
らしつつ
102
ね
底
(
そこ
)
の
国
(
くに
)
まで
救
(
すく
)
ひゆく
103
の
山
(
やま
)
もかすみ
笑
(
わら
)
ふなる
104
は
る(
巴留
(
はる
)
)の
栄
(
さか
)
えは
桃
(
もも
)
の
花
(
はな
)
105
ひ
らく
常磐
(
ときは
)
の
松代姫
(
まつよひめ
)
106
ふ
たりの
娘御
(
むすめご
)
諸共
(
もろとも
)
に
107
へ
ぐりの
山
(
やま
)
をあとにして
108
ほ
のかに
夢
(
ゆめ
)
の
跡
(
あと
)
尋
(
たづ
)
ね
109
ま
ぎて
来
(
きた
)
りし
父
(
ちち
)
の
国
(
くに
)
110
み
たり
逢
(
あ
)
うたり
今日
(
けふ
)
の
宵
(
よひ
)
111
む
すぶ
夫婦
(
ふうふ
)
の
新枕
(
にひまくら
)
112
め
でたかりける
次第
(
しだい
)
なり
113
も
も
上彦
(
がみひこ
)
は
年
(
とし
)
長
(
なが
)
く
114
や
ちよの
春
(
はる
)
の
玉椿
(
たまつばき
)
115
い
づみのみたまの
御教
(
みをしへ
)
を
116
ゆ
はより
堅
(
かた
)
く
守
(
まも
)
りませ
117
え
にしは
尽
(
つ
)
きじ
月照
(
つきてる
)
の
118
よ
は
紫陽花
(
あぢさゐ
)
の
変
(
かは
)
るとも
119
わ
かやぐ
胸
(
むね
)
を
素手
(
すだ
)
抱
(
だ
)
きて
120
ゐ
きと
水火
(
いき
)
とを
合
(
あは
)
せつつ
121
う
つし
世
(
よ
)
幽世
(
かくりよ
)
隔
(
へだ
)
てなく
122
ゑ
らぎ
楽
(
たの
)
しめ
神
(
かみ
)
の
世
(
よ
)
の
123
を
さまる
五月
(
さつき
)
の
今日
(
けふ
)
五日
(
いつか
)
』
124
と
歌
(
うた
)
ひ
了
(
をは
)
れば、
125
珍山彦
(
うづやまひこ
)
は
膝
(
ひざ
)
を
打
(
う
)
つて、
126
珍山彦
『ヤア、
127
転
(
ころ
)
んだ
転
(
ころ
)
んだ、
128
駒公
(
こまこう
)
がころんだ』
129
駒山彦
(
こまやまひこ
)
『これで
駒山
(
こまやま
)
は
除隊
(
ぢよたい
)
ですかな』
130
珍山彦
(
うづやまひこ
)
は、
131
珍山彦
『ヤア、
132
じよたい
のない
男
(
をとこ
)
だな。
133
それよりも
五月姫
(
さつきひめ
)
さま、
134
アヽこの
館
(
やかた
)
の
奥
(
おく
)
さまとならば、
135
じよたい
のう
しよたい
を
保
(
も
)
つのだよ。
136
心
(
こころ
)
の
底
(
そこ
)
から
水晶
(
すゐしやう
)
に
研
(
みが
)
いて
研
(
みが
)
き
上
(
あ
)
げて、
137
華
(
くわ
)
を
去
(
さ
)
り
実
(
じつ
)
に
就
(
つ
)
き、
138
曲津
(
まがつ
)
の
正体
(
しやうたい
)
を
出
(
だ
)
してしまふのだ』
139
五月姫
(
さつきひめ
)
は
小
(
ちひ
)
さき
声
(
こゑ
)
にて、
140
五月姫
『ハイハイ』
141
とばかりうなづく。
142
珍山彦
(
うづやまひこ
)
『サア、
143
これから
御
(
ご
)
主人公
(
しゆじんこう
)
の
番
(
ばん
)
だ。
144
まさか
否
(
いや
)
とは
言
(
い
)
はれますまい。
145
サアサア
祝
(
いは
)
ひ
歌
(
うた
)
を
歌
(
うた
)
つて
下
(
くだ
)
さい。
146
珍山彦
(
うづやまひこ
)
の
註文
(
ちうもん
)
だ』
147
正鹿山津見
(
まさかやまづみ
)
『
皆
(
みな
)
さまの
立派
(
りつぱ
)
な
御
(
お
)
歌
(
うた
)
を
聴
(
き
)
いて、
148
恐
(
おそ
)
れ
入
(
い
)
りました。
149
私
(
わたし
)
の
言霊
(
ことたま
)
は、
150
充分
(
じゆうぶん
)
研
(
みが
)
けて
居
(
を
)
りませぬから、
151
耳
(
みみ
)
ざはりになりませうが、
152
今日
(
けふ
)
は
思
(
おも
)
ひ
切
(
き
)
つて、
153
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
御
(
お
)
力
(
ちから
)
を
借
(
か
)
りて
歌
(
うた
)
はして
頂
(
いただ
)
きませう。
154
あゝ
思
(
おも
)
へば
昔
(
むかし
)
其
(
そ
)
の
昔
(
むかし
)
155
高天原
(
たかあまはら
)
に
生
(
あ
)
れませる
156
心
(
こころ
)
もひろき
広宗彦
(
ひろむねひこ
)
の
157
兄
(
あに
)
の
命
(
みこと
)
に
助
(
たす
)
けられ
158
神
(
かみ
)
の
真釣
(
まつり
)
を
補
(
おぎな
)
ひの
159
かみと
代
(
かは
)
りし
桃上彦
(
ももがみひこ
)
の
160
神
(
かみ
)
の
命
(
みこと
)
のなれの
果
(
はて
)
161
心
(
こころ
)
の
駒
(
こま
)
の
進
(
すす
)
む
間
(
ま
)
に
162
八十
(
やそ
)
の
曲津
(
まがつ
)
に
使
(
つか
)
はれて
163
恵
(
めぐみ
)
も
深
(
ふか
)
き
広宗彦
(
ひろむねひこ
)
の
164
兄
(
あに
)
の
命
(
みこと
)
に
相
(
あひ
)
反
(
そむ
)
き
165
二人
(
ふたり
)
の
兄
(
あに
)
を
退
(
しりぞ
)
けて
166
かみ
の
まつり
を
握
(
にぎ
)
りたる
167
高天原
(
たかあまはら
)
の
主宰神
(
つかさがみ
)
168
常世
(
とこよ
)
の
闇
(
やみ
)
の
深
(
ふか
)
くして
169
心
(
こころ
)
は
雲
(
くも
)
る
常世彦
(
とこよひこ
)
170
常世
(
とこよ
)
の
姫
(
ひめ
)
に
謀
(
はか
)
られて
171
恋
(
こひ
)
しき
都
(
みやこ
)
や
三柱
(
みはしら
)
の
172
愛
(
うつ
)
しき
御子
(
みこ
)
を
振
(
ふ
)
り
捨
(
す
)
てて
173
行方
(
ゆくへ
)
も
知
(
し
)
らぬ
流浪
(
さすらひ
)
の
174
身
(
み
)
のなり
果
(
は
)
ては
和田
(
わだ
)
の
原
(
はら
)
175
浪
(
なみ
)
に
浮
(
うか
)
べる
一
(
ひと
)
つ
島
(
じま
)
176
竜宮
(
りうぐう
)
の
島
(
しま
)
に
渡
(
わた
)
らむと
177
高砂丸
(
たかさごまる
)
に
身
(
み
)
をまかせ
178
常世
(
とこよ
)
の
浪
(
なみ
)
の
重浪
(
しきなみ
)
を
179
渡
(
わた
)
る
折
(
をり
)
しも
吹
(
ふ
)
き
来
(
きた
)
る
180
颶風
(
はやて
)
に
船
(
ふね
)
は
打
(
う
)
ち
破
(
わ
)
られ
181
吾
(
われ
)
は
儚
(
はか
)
なき
露
(
つゆ
)
の
身
(
み
)
の
182
朝日
(
あさひ
)
に
消
(
き
)
ゆる
悲
(
かな
)
しさを
183
闇
(
やみ
)
を
照
(
て
)
らして
昇
(
のぼ
)
り
来
(
く
)
る
184
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
の
御光
(
みひかり
)
や
185
琴平別
(
ことひらわけ
)
の
救
(
すく
)
ひ
舟
(
ぶね
)
186
背
(
せな
)
に
跨
(
またが
)
り
遥々
(
はるばる
)
と
187
千尋
(
ちひろ
)
の
海
(
うみ
)
の
底
(
そこ
)
の
宮
(
みや
)
188
乙米姫
(
おとよねひめ
)
の
知食
(
しろしめ
)
す
189
竜
(
たつ
)
の
宮居
(
みやゐ
)
の
金門
(
かなど
)
守
(
も
)
る
190
賤
(
いや
)
しき
司
(
つかさ
)
と
仕
(
つか
)
へつつ
191
涙
(
なみだ
)
に
沈
(
しづ
)
む
折
(
をり
)
からに
192
浪
(
なみ
)
を
照
(
てら
)
して
出
(
い
)
で
来
(
きた
)
る
193
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
に
救
(
すく
)
はれて
194
神
(
かむ
)
伊邪那美
(
いざなみ
)
の
大神
(
おほかみ
)
や
195
従属
(
みとも
)
の
神
(
かみ
)
と
諸共
(
もろとも
)
に
196
音
(
おと
)
に
名高
(
なだか
)
き
竜宮
(
りうぐう
)
を
197
亀
(
かめ
)
の
背中
(
せなか
)
に
乗
(
の
)
せられて
198
躍
(
をど
)
り
浮
(
うか
)
びし
淤縢山祇
(
おどやまずみ
)
の
199
神
(
かみ
)
の
命
(
みこと
)
や
和田
(
わだ
)
の
原
(
はら
)
200
つらなぎ
渡
(
わた
)
る
浪
(
なみ
)
の
上
(
うへ
)
201
大海原
(
おほうなばら
)
の
真中
(
まんなか
)
に
202
皇
(
すめ
)
大神
(
おほかみ
)
と
右
(
みぎ
)
左
(
ひだり
)
203
袂
(
たもと
)
を
別
(
わか
)
ち
高砂
(
たかさご
)
の
204
朝日
(
あさひ
)
も
智利
(
てる
)
の
国
(
くに
)
を
越
(
こ
)
え
205
珍
(
うづ
)
の
都
(
みやこ
)
に
辿
(
たど
)
り
着
(
つ
)
き
206
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
の
任
(
ま
)
けのまに
207
名
(
な
)
さへ
目出度
(
めでた
)
き
宣伝使
(
せんでんし
)
208
巴留
(
はる
)
の
御国
(
みくに
)
を
救
(
すく
)
はむと
209
山野
(
やまの
)
を
渉
(
わた
)
り
はる
ばると
210
吾
(
われ
)
は
都
(
みやこ
)
に
竜世姫
(
たつよひめ
)
211
三五
(
さんご
)
の
月
(
つき
)
照
(
て
)
る
真夜中
(
まよなか
)
に
212
威勢
(
ゐせい
)
も
高
(
たか
)
き
鷹取別
(
たかとりわけ
)
の
213
醜
(
しこ
)
の
軍
(
いくさ
)
の
戦士
(
いくさびと
)
が
214
鋭
(
するど
)
き
槍
(
やり
)
の
錆
(
さび
)
となり
215
沙漠
(
さばく
)
の
中
(
なか
)
に
埋
(
う
)
められて
216
やうやう
息
(
いき
)
を
吹
(
ふ
)
き
返
(
かへ
)
し
217
闇
(
やみ
)
に
紛
(
まぎ
)
れて
帰
(
かへ
)
り
往
(
ゆ
)
く
218
負傷
(
てきず
)
は
痛
(
いた
)
く
足
(
あし
)
蹇
(
な
)
へて
219
一足
(
ひとあし
)
さへもままならぬ
220
破目
(
はめ
)
に
陥
(
おちい
)
る
谷
(
たに
)
の
底
(
そこ
)
221
流
(
なが
)
るる
水
(
みづ
)
を
掬
(
むす
)
ぶ
時
(
とき
)
222
香
(
かを
)
り
床
(
ゆか
)
しく
味
(
あぢ
)
もよき
223
瑞
(
みづ
)
の
御魂
(
みたま
)
の
幸
(
さち
)
はひを
224
喜
(
よろこ
)
び
谷間
(
たにま
)
を
攀
(
よ
)
ぢ
登
(
のぼ
)
り
225
温泉
(
いでゆ
)
の
いさ
に
浴
(
ゆあみ
)
して
226
百
(
もも
)
の
負傷
(
てきず
)
は
癒
(
い
)
えたれど
227
如何
(
いかが
)
はしけむ
玉
(
たま
)
の
緒
(
を
)
の
228
命
(
いのち
)
の
絶
(
た
)
ゆる
折柄
(
をりから
)
に
229
淤縢山津見
(
おどやまづみ
)
や
五月姫
(
さつきひめ
)
230
珍山
(
うづやま
)
、
駒山
(
こまやま
)
現
(
あら
)
はれて
231
神
(
かみ
)
の
救
(
すく
)
ひの
御手
(
みて
)
をのべ
232
助
(
たす
)
け
給
(
たま
)
ひし
嬉
(
うれ
)
しさよ
233
茲
(
ここ
)
に
五
(
ご
)
人
(
にん
)
の
神
(
かみ
)
の
子
(
こ
)
は
234
さしも
嶮
(
けは
)
しき
珍山
(
うづやま
)
の
235
峠
(
たうげ
)
を
越
(
こ
)
えて
千引岩
(
ちびきいは
)
の
236
上
(
うへ
)
に
一夜
(
いちや
)
を
明
(
あか
)
しつつ
237
天雲山
(
あまくもやま
)
をも
打越
(
うちこ
)
えて
238
木
(
こ
)
の
花姫
(
はなひめ
)
の
分霊
(
わけみたま
)
239
大蛇
(
をろち
)
の
船
(
ふね
)
に
助
(
たす
)
けられ
240
もとの
住家
(
すみか
)
に
立帰
(
たちかへ
)
り
241
憩
(
いこ
)
ふ
間
(
ま
)
もなく
淤縢山祇
(
おどやまずみ
)
の
242
神
(
かみ
)
の
命
(
みこと
)
の
御
(
お
)
執
(
とり
)
成
(
な
)
し
243
珍山彦
(
うづやまひこ
)
の
真心
(
まごころ
)
に
244
今日
(
けふ
)
は
妹背
(
いもせ
)
の
新枕
(
にひまくら
)
245
天津
(
あまつ
)
御神
(
みかみ
)
や
国津
(
くにつ
)
神
(
かみ
)
246
百神
(
ももがみ
)
等
(
たち
)
に
永久
(
とこしへ
)
の
247
誓約
(
うけひ
)
をたてし
今日
(
けふ
)
の
宵
(
よひ
)
248
清
(
きよ
)
き
心
(
こころ
)
の
玉椿
(
たまつばき
)
249
八千代
(
やちよ
)
の
春
(
はる
)
の
梅
(
うめ
)
の
花
(
はな
)
250
開
(
ひら
)
いて
散
(
ち
)
りて
実
(
み
)
を
結
(
むす
)
ぶ
251
みろく
の
世
(
よ
)
までも
変
(
かは
)
らまじ
252
朝日
(
あさひ
)
は
照
(
て
)
るとも
曇
(
くも
)
るとも
253
月
(
つき
)
は
盈
(
み
)
つとも
虧
(
か
)
くるとも
254
高砂島
(
たかさごじま
)
の
永久
(
とこしへ
)
に
255
妹背
(
いもせ
)
の
仲
(
なか
)
は
睦
(
むつ
)
まじく
256
親子
(
おやこ
)
夫婦
(
ふうふ
)
は
睦
(
むつ
)
び
合
(
あ
)
ひ
257
花
(
はな
)
咲
(
さ
)
く
御代
(
みよ
)
を
楽
(
たの
)
しまむ
258
花
(
はな
)
咲
(
さ
)
く
御代
(
みよ
)
を
楽
(
たの
)
しまむ
259
此
(
この
)
世
(
よ
)
を
造
(
つく
)
りし
神直日
(
かむなほひ
)
260
心
(
こころ
)
も
広
(
ひろ
)
き
大直日
(
おほなほひ
)
261
ただ
何事
(
なにごと
)
も
人
(
ひと
)
の
世
(
よ
)
は
262
直日
(
なほひ
)
に
見直
(
みなほ
)
し
聞直
(
ききなほ
)
し
263
身
(
み
)
の
過
(
あやまち
)
は
宣
(
の
)
り
直
(
なほ
)
し
264
光
(
ひかり
)
眩
(
まば
)
ゆき
伊都能売
(
いづのめ
)
の
265
神
(
かみ
)
の
御魂
(
みたま
)
と
現
(
あら
)
はれて
266
天地
(
あめつち
)
四方
(
よも
)
の
国々
(
くにぐに
)
を
267
守
(
まも
)
る
諸神
(
もろがみ
)
諸人
(
もろびと
)
と
268
共
(
とも
)
に
生代
(
いくよ
)
を
楽
(
たの
)
しまむ
269
共
(
とも
)
に
足代
(
たるよ
)
を
楽
(
たの
)
しまむ』
270
と、
271
声
(
こゑ
)
もすずしく
歌
(
うた
)
ひ
終
(
をは
)
る。
272
一同
(
いちどう
)
は
手
(
て
)
を
拍
(
う
)
つて
感嘆
(
かんたん
)
の
声
(
こゑ
)
を
漏
(
も
)
らすのみ。
273
珍山彦
(
うづやまひこ
)
は、
274
珍山彦
『サアサア、
275
これで
婚礼組
(
こんれいぐみ
)
の
歌
(
うた
)
は
一通
(
ひととほ
)
り
済
(
す
)
んだ。
276
これから
親子
(
おやこ
)
対面
(
たいめん
)
の
御
(
お
)
祝
(
いは
)
ひだ。
277
モシモシ
松代姫
(
まつよひめ
)
様
(
さま
)
、
278
貴女
(
あなた
)
のお
番
(
ばん
)
です。
279
御
(
ご
)
遠慮
(
ゑんりよ
)
なく
親
(
おや
)
の
前
(
まへ
)
だ、
280
お
歌
(
うた
)
ひなさいませ』
281
松代姫
(
まつよひめ
)
は、
282
松代姫
『ハイ』
283
と
答
(
こた
)
へて
立
(
た
)
ち
上
(
あが
)
りぬ。
284
(
大正一一・二・一三
旧一・一七
河津雄
録)
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【第10章 言葉の車|第9巻|霊主体従|霊界物語|/rm0910】
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