霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第八章 再生(さいせい)の思(おもひ)〔四〇一〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第9巻 霊主体従 申の巻 篇:第2篇 一陽来復 よみ(新仮名遣い):いちようらいふく
章:第8章 再生の思 よみ(新仮名遣い):さいせいのおもい 通し章番号:401
口述日:1922(大正11)年02月12日(旧01月16日) 口述場所: 筆録者:河津雄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年7月5日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]:
松代姫、竹野姫、梅ケ香姫は、智利の港で男に、父・桃上彦が巴留の国で命を落としたと聞かされて、泣いていた。
従者の照彦は、三人の姫たちを励ましていた。そこへ船中から大蛇彦と名乗る色の黒い男が現れて、桃上彦は珍の国で正鹿山津見という立派な神となって無事であることを告げた。一同は大蛇彦の話に勇気付けられた。
大蛇彦は珍の国まで道案内をしようと申し出た。大蛇彦は、高砂洲での桃上彦の遍歴を歌に歌いこみながら一行を案内した。
大蛇彦が歌を歌い終わると、不思議にも大蛇彦の姿は煙のように消えうせていた。そして一行はいつの間にか珍の国の正鹿山津見(桃上彦)の館の門前にたどり着いていた。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2020-06-23 21:16:38 文字数:1871 OBC :rm0908
愛善世界社版:61頁 八幡書店版:第2輯 297頁 修補版: 校定版:65頁 普及版:26頁 初版: ページ備考:
001 珍(うづ)の都(みやこ)の桃上彦(ももがみひこ)命(みこと)は、002巴留(はる)の都(みやこ)に出(い)でまして、003敵(てき)の鋭(するど)き槍(やり)に突(つ)き刺(さ)され、004沙漠(さばく)の露(つゆ)と消(き)え給(たま)ひしと、005聞(き)くに驚(おどろ)く三柱(みはしら)の姫(ひめ)はワツと絶(た)え入(い)るばかり、006船底(ふなぞこ)に喰(く)ひついて、007声(こゑ)を忍(しの)びに泣(な)き入(い)るにぞ、008照彦(てるひこ)は当惑(たうわく)の息(いき)を漏(も)らしながら、
009照彦『これはしたりお三方(さんかた)様(さま)、010御(お)父上(ちちうへ)の亡(な)くなられたといふことは、011決(けつ)して確(たしか)なものではありませぬ。012察(さつ)する処(ところ)、013吾々(われわれ)に酒代(さかて)が欲(ほ)しさに、014斯様(かやう)なことを申(まを)して吾(われ)らの心(こころ)を動(うご)かせ、015目的(もくてき)を達(たつ)せむとした悪者(わるもの)の悪企(わるだく)みにかかつたのでせう。016必(かなら)ず必(かなら)ず御(ご)心配(しんぱい)下(くだ)さいますな。017行(ゆ)く処(ところ)へ行(い)つて見(み)なくては実否(じつぴ)は判(わか)るものではありませぬ。018道聴(だうちやう)途説(とせつ)に誤(あやま)られて、019肝腎(かんじん)な時(とき)になり、020小(ちひ)さき女(をんな)の胸(むね)を痛(いた)め、021若(も)しも御(おん)身(み)にささはりでも出来(でき)たならば、022この家来(けらい)の照彦(てるひこ)は、023どうして御(おん)父上(ちちうへ)様(さま)に申訳(まをしわけ)が立(た)ちませうか。024冥途(めいど)にござる母(はは)の君(きみ)へも済(す)みませぬ。025どうかお三人(さんにん)様(さん)、026気(き)を確(たしか)に持(も)つて下(くだ)さい、027屹度(きつと)この照彦(てるひこ)が御(ご)主人(しゆじん)様(さま)にお会(あ)はせ申(まを)しませう』
028 松代姫(まつよひめ)は涙(なみだ)を拭(ぬぐ)ひながら、
029松代姫『あゝ照彦(てるひこ)、030よく言(い)うて呉(く)れました。031お前(まへ)の親切(しんせつ)は身(み)に沁(し)み渡(わた)つて嬉(うれ)しいが、032嘘(うそ)とは思(おも)へぬ客人(きやくじん)の咄(はなし)、033まさかの時(とき)には妾(わらは)は何(ど)うしようぞ。034折角(せつかく)長(なが)の海山(うみやま)を越(こ)え、035孱弱(かよわ)き妹(いもうと)を伴(つ)れて、036やうやうここに着(つ)きは着(つ)いたものの、037お父上(ちちうへ)の訃音(ふいん)を聞(き)いて、038天(てん)にも地(ち)にもない一人(ひとり)の親(おや)、039妾(わらは)はどうして忍(しの)ばれませうぞ』
040竹野姫(たけのひめ)『姉様(ねえさま)、041どうなり行(ゆ)くも因縁(いんねん)づく、042万々一(まんまんいち)お父(とう)さまがお隠(かく)れになつたとすれば、043力(ちから)と頼(たの)むは姉(ねえ)さまばかり、044何卒(どうぞ)しつかりして下(くだ)されませ。045梅ケ香姫(うめがかひめ)はやうやう十六(じふろく)歳(さい)、046花(はな)の蕾(つぼみ)の開(ひら)かぬうちから、047こんな憂(う)き目(め)に出会(であ)ふとは、048何(なん)たる因果(いんぐわ)のことでありませう』
049照彦『モシモシお三人(さんにん)様(さま)、050決(けつ)して決(けつ)して御(ご)心配(しんぱい)下(くだ)さいますな、051ここは名(な)に負(お)ふ智利(てる)の国(くに)、052あれ御覧(ごらん)なさいませ、053今日(けふ)の日輪(にちりん)様(さま)は殊更(ことさら)麗(うるは)しい、054御(ご)機嫌(きげん)のよい顔(かほ)をしてにこにこと笑(わら)つてゐられます。055若(も)しもお父(とう)さまが此(この)世(よ)に御座(ござ)らぬやうな事(こと)なれば、056どうして日天(につてん)様(さま)があのやうな麗(うるは)しいお顔(かほ)で吾々(われわれ)を照(てら)して下(くだ)されませうぞ。057要(い)らざる取越(とりこし)苦労(くらう)を止(や)めて、058先(さき)を楽(たの)しんで参(まゐ)りませう。059一歩(いつぽ)々々(いつぽ)珍(うづ)の都(みやこ)へ近寄(ちかよ)るのですから、060サアサア上陸(じやうりく)致(いた)しませう』
061 此(この)時(とき)船(ふね)の一隅(いちぐう)より、062中肉(ちうにく)中背(ちうぜい)の色(いろ)浅黒(あさぐろ)き男(をとこ)、063四(よ)人(にん)の前(まへ)に現(あら)はれ来(きた)り、
064男(大蛇彦)『私(わたくし)は恐(おそ)ろしい名(な)のついた、065大蛇彦(をろちひこ)といふ男(をとこ)でございます。066これから珍(うづ)の国(くに)へ帰(かへ)りますから丁度(ちやうど)よい道伴(みちづれ)、067都(みやこ)近(ちか)くまで御(お)供(とも)いたしませう、068御(ご)安心(あんしん)なされませ。069今(いま)承(うけたま)はれば、070貴女(あなた)様(さま)は珍(うづ)の都(みやこ)に其(その)御(おん)名(な)も高(たか)き桃上彦(ももがみひこの)命(みこと)様(さま)の御(お)娘子(むすめご)とやら、071今(いま)は正鹿(まさか)山津見(やまづみの)神(かみ)といふ立派(りつぱ)な神(かみ)様(さま)になつて、072御(ご)無事(ぶじ)でゐらつしやいます。073決(けつ)して決(けつ)して御(ご)心配(しんぱい)なく、074私(わたくし)と共(とも)にまゐりませう』
075 松代姫(まつよひめ)は飛(と)び立(た)つばかり嬉(うれ)しげに、
076松代姫『それはそれはよい事(こと)を聞(き)かして貰(もら)ひました。077有難(ありがた)うございます』
078 竹野姫(たけのひめ)、079梅ケ香姫(うめがかひめ)は俄(にはか)に顔色(がんしよく)麗(うるは)しく、080冴(さ)え渡(わた)りし声(こゑ)にて、
081竹野姫『お姉(あね)さま、082嬉(うれ)しいワ』
083松代姫『アヽ嬉(うれ)しかろ嬉(うれ)しかろ、084姉(ねえ)さまも嬉(うれ)しい、085心(こころ)が冴(さ)え冴(ざ)えして来(き)ました』
086照彦(てるひこ)『ヤア、087大蛇彦(をろちひこ)さま、088あなたは珍(うづ)の国(くに)の御(お)方(かた)、089イヤモウ、090よいことを聞(き)かして下(くだ)さりました。091吾々(われわれ)もこれで安心(あんしん)いたします。092足(あし)も何(なん)となく軽(かる)いやうな気分(きぶん)になつて来(き)ました。093どうかお頼(たの)みですから、094ひとつ道伴(みちづ)れになつて下(くだ)さいませ』
095大蛇彦『ハイ、096宜(よろ)しう御座(ござ)います。097私(わたくし)が道案内(みちあんない)を致(いた)しませう』
098 三笠丸(みかさまる)を乗(の)り棄(す)て、099ここに一同(いちどう)は智利(てる)の港(みなと)の町(まち)をあとに、100南(みなみ)を指(さ)して心(こころ)もいそいそと進(すす)み行(ゆ)く。
101 大蛇彦(をろちひこ)は先(さき)に立(た)ち、
102大蛇彦『ここは高砂(たかさご)智利(てる)の国(くに)
103竜世(たつよ)の姫(ひめ)の鎮(しづ)まりて
104守(まも)り給(たま)へる神(かみ)の島(しま)
105御空(みそら)に高(たか)く月照彦(つきてるひこ)の
106貴(うづ)の命(みこと)の神魂(かむみたま)
107鏡(かがみ)の池(いけ)に現(あ)れまして
108日(ひ)に夜(よ)に詔(の)らす言霊(ことたま)の
109恵(めぐみ)も深(ふか)き智利(てる)の国(くに)
110珍(うづ)の都(みやこ)に現(あ)れませる
111桃上彦(ももがみひこ)の神司(みつかさ)は
112名(な)さへ目出度(めでた)き宣伝使(せんでんし)
113正鹿(まさか)山津見(やまづみの)神(かみ)となり
114珍山峠(うづやまたうげ)を乗(の)り越(こ)えて
115巴留(はる)の都(みやこ)を救(すく)はむと
116出(い)でます折(をり)しも曲神(まがかみ)の
117鷹取別(たかとりわけ)の僕人(しもびと)に
118とり囲(かこ)まれて玉(たま)の緒(を)の
119一度(いちど)は息(いき)も切(き)れたれど
120木(こ)の花姫(はなひめ)に救(すく)はれて
121再(ふたた)びここに蘇(よみがへ)り
122珍(うづ)の都(みやこ)に帰(かへ)りまし
123花(はな)を欺(あざむ)く手弱女(たをやめ)の
124心(こころ)も清(きよ)き宣伝使(せんでんし)
125五月(さつき)の姫(ひめ)を妻(つま)となし
126淤縢山津見(おどやまづみ)や駒山彦(こまやまひこ)の
127神(かみ)の命(みこと)の宣伝使(せんでんし)
128珍山彦(うづやまひこ)と諸共(もろとも)に
129千歳(ちとせ)を契(ちぎ)る妹(いも)と背(せ)の
130今日(けふ)は祝(いは)ひの宴(うたげ)の庭(には)
131喜(よろこ)びたまへ三柱(みはしら)の
132姫(ひめ)の命(みこと)よ千代(ちよ)八千代(やちよ)
133変(かは)らぬ松(まつ)の色(いろ)深(ふか)く
134心(こころ)のたけのすくすくと
135開(ひら)く梅ケ香(うめがか)芳(かん)ばしも
136月日(つきひ)は空(そら)に照彦(てるひこ)の
137御(お)供(とも)の神(かみ)と諸共(もろとも)に
138大蛇(をろち)の船(ふね)に乗(の)せられて
139はやくもここに着(つ)きにけり
140はやくもここに着(つ)きにけり』
141と歌(うた)ひ終(をは)るよと見(み)れば、142大蛇彦(をろちひこ)の姿(すがた)は煙(けむり)と消(き)えて、143呼(よ)べど叫(さけ)べど何(なん)の応(いら)へもなく、144樹々(きぎ)の梢(こづゑ)を渡(わた)る松風(まつかぜ)の音(おと)、145颯々(さつさつ)と耳(みみ)に響(ひび)くばかりなり。
146 さしもに嶮(けは)しき遠(とほ)き山路(やまみち)も瞬間(またたくひま)に送(おく)られて、147ここに主従(しうじう)四(よ)人(にん)は正鹿(まさか)山津見(やまづみの)神(かみ)の門前(もんぜん)近(ちか)くに現(あら)はれける。
148(大正一一・二・一二 旧一・一六 河津雄録)
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