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霊界物語
霊主体従(第1~12巻)
第9巻(申の巻)
序歌
凡例
総説歌
第1篇 長途の旅
第1章 都落
第2章 エデンの渡
第3章 三笠丸
第4章 大足彦
第5章 海上の神姿
第6章 刹那信心
第7章 地獄の沙汰
第2篇 一陽来復
第8章 再生の思
第9章 鴛鴦の衾
第10章 言葉の車
第11章 蓬莱山
第3篇 天涯万里
第12章 鹿島立
第13章 訣別の歌
第14章 闇の谷底
第15章 団子理屈
第16章 蛸釣られ
第17章 甦生
第4篇 千山万水
第18章 初陣
第19章 悔悟の涙
第20章 心の鏡
第21章 志芸山祇
第22章 晩夏の風
第23章 高照山
第24章 玉川の滝
第25章 窟の宿替
第26章 巴の舞
第5篇 百花爛漫
第27章 月光照梅
第28章 窟の邂逅
第29章 九人娘
第30章 救の神
第31章 七人の女
第32章 一絃琴
第33章 栗毛の駒
第34章 森林の囁
第35章 秋の月
第36章 偽神憑
第37章 凱歌
附録 第三回高熊山参拝紀行歌(二)
余白歌
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霊界物語
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霊主体従(第1~12巻)
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第9巻(申の巻)
> 第4篇 千山万水 > 第20章 心の鏡
<<< 悔悟の涙
(B)
(N)
志芸山祇 >>>
第二〇章
心
(
こころ
)
の
鏡
(
かがみ
)
〔四一三〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第9巻 霊主体従 申の巻
篇:
第4篇 千山万水
よみ(新仮名遣い):
せんざんばんすい
章:
第20章 心の鏡
よみ(新仮名遣い):
こころのかがみ
通し章番号:
413
口述日:
1922(大正11)年02月15日(旧01月19日)
口述場所:
筆録者:
北村隆光
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1922(大正11)年7月5日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
三姉妹は月に照らされて崇高な面持ちで船のへさきに立ち、海面に向かって拍手し、虎公と熊公の身の安全を琴平別大神に祈願する歌を歌い、また元の座に復した。
船客たちは、松代姫の宣伝歌や熊公の神懸りの宣示について、雑談にふけっている。自らの身の上を見直したり、虎公は神の教示に感じて海に飛び込んだところから、意外にも根は善人であった、などと話あっている。
また、智利のアリナの滝に現れた宣伝使・狭依彦の噂をなし、鏡の池の洗礼を受けに行こう、と神徳話にふけっている。
船客たちは海に飛び込んだ虎公・熊公の身の上についても心配をしているが、珍山彦はにこにこしながらその話を聞いているのみであった。
アタル丸がようやく港に安着すると、波止場には虎公・熊公が無事に立ってこの船を待ち迎えていた。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2020-06-23 22:43:55
OBC :
rm0920
愛善世界社版:
160頁
八幡書店版:
第2輯 332頁
修補版:
校定版:
166頁
普及版:
66頁
初版:
ページ備考:
001
六
(
ろく
)
月
(
ぐわつ
)
十三夜
(
じふさんや
)
の
皎々
(
かうかう
)
たる
月光
(
げつくわう
)
に
照
(
てら
)
されて、
002
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
松
(
まつ
)
、
003
竹
(
たけ
)
、
004
梅
(
うめ
)
の
娘
(
むすめ
)
、
005
顔
(
かほ
)
の
皮膚
(
ひふ
)
滑
(
なめ
)
らかに
潤
(
うるほ
)
ひのある
眦
(
まなじり
)
、
006
柳
(
やなぎ
)
の
眉
(
まゆ
)
、
007
紅
(
くれなゐ
)
の
頬
(
ほほ
)
、
008
雪
(
ゆき
)
の
肌
(
はだ
)
、
009
殊更
(
ことさら
)
目立
(
めだ
)
ちて
麗
(
うるは
)
しく、
010
三五
(
さんご
)
の
明月
(
めいげつ
)
か、
011
冬
(
ふゆ
)
の
夜
(
よ
)
の
月
(
つき
)
を
宿
(
やど
)
した
積雪
(
せきせつ
)
か、
012
桃
(
もも
)
か
桜
(
さくら
)
か
白梅
(
しらうめ
)
か、
013
丹頂
(
たんちやう
)
の
鶴
(
つる
)
の
掃溜
(
はきだめ
)
に
下
(
お
)
りて
遊
(
あそ
)
ぶが
如
(
ごと
)
き、
014
得
(
え
)
も
言
(
い
)
はれぬ
崇高
(
すうかう
)
な
面容
(
おももち
)
である。
015
三柱
(
みはしら
)
の
女神
(
めがみ
)
は
舷頭
(
げんとう
)
に
立
(
た
)
ち、
016
海面
(
かいめん
)
に
向
(
むか
)
つて
拍手
(
はくしゆ
)
しながら
声
(
こゑ
)
しとやかに
歌
(
うた
)
ふ。
017
松、竹、梅
『
神
(
かみ
)
が
表
(
おもて
)
に
現
(
あら
)
はれて
018
善
(
ぜん
)
と
悪
(
あく
)
とを
立
(
た
)
て
別
(
わ
)
ける
019
この
世
(
よ
)
を
造
(
つく
)
りし
神直日
(
かむなほひ
)
020
心
(
こころ
)
も
広
(
ひろ
)
き
大直日
(
おほなほひ
)
021
ただ
何事
(
なにごと
)
も
人
(
ひと
)
の
世
(
よ
)
は
022
直日
(
なほひ
)
に
見直
(
みなほ
)
せ
聞
(
き
)
き
直
(
なほ
)
せ
023
身
(
み
)
の
過
(
あやま
)
ちは
宣
(
の
)
り
直
(
なほ
)
せ
024
この
世
(
よ
)
を
造
(
つく
)
りし
皇神
(
すめかみ
)
の
025
厳
(
いづ
)
の
御息
(
みいき
)
に
生
(
うま
)
れたる
026
青人草
(
あをひとぐさ
)
は
神々
(
かみがみ
)
の
027
鎮
(
しづ
)
まりいます
生宮
(
いきみや
)
ぞ
028
人
(
ひと
)
の
霊魂
(
みたま
)
は
初
(
はじ
)
めより
029
曇
(
くも
)
り
穢
(
けが
)
れしものならず
030
清
(
きよ
)
き
尊
(
たふと
)
き
天地
(
あめつち
)
の
031
御息
(
みいき
)
を
受
(
う
)
けて
神
(
かみ
)
の
子
(
こ
)
と
032
生
(
うま
)
れ
出
(
い
)
でにしものなれば
033
いとも
広
(
ひろ
)
けき
御心
(
みこころ
)
に
034
万
(
よろづ
)
の
罪
(
つみ
)
を
宣
(
の
)
り
直
(
なほ
)
し
035
助
(
たす
)
け
給
(
たま
)
へや
天津
(
あまつ
)
神
(
かみ
)
036
国津
(
くにつ
)
御神
(
みかみ
)
や
百
(
もも
)
の
神
(
かみ
)
037
琴平別
(
ことひらわけ
)
の
大神
(
おほかみ
)
よ
038
海
(
うみ
)
より
深
(
ふか
)
き
罪咎
(
つみとが
)
を
039
赦
(
ゆる
)
して
神
(
かみ
)
の
船
(
ふね
)
に
乗
(
の
)
せ
040
花
(
はな
)
咲
(
さ
)
き
匂
(
にほ
)
ふ
高砂
(
たかさご
)
の
041
島根
(
しまね
)
に
救
(
すく
)
ひ
給
(
たま
)
へかし
042
心
(
こころ
)
の
浪
(
なみ
)
も
治
(
をさ
)
まりて
043
罪
(
つみ
)
を
悔
(
く
)
いたる
虎公
(
とらこう
)
の
044
心
(
こころ
)
の
空
(
そら
)
は
真寸鏡
(
ますかがみ
)
045
光
(
ひか
)
りも
清
(
きよ
)
き
月照彦
(
つきてるひこ
)
の
046
神
(
かみ
)
の
心
(
こころ
)
に
見直
(
みなほ
)
して
047
身魂
(
みたま
)
を
救
(
すく
)
へ
照彦
(
てるひこ
)
の
048
清
(
きよ
)
き
身魂
(
みたま
)
に
立
(
た
)
て
直
(
なほ
)
し
049
海
(
うみ
)
に
落
(
お
)
ちたる
熊
(
くま
)
、
虎
(
とら
)
の
050
二人
(
ふたり
)
の
御子
(
みこ
)
を
救
(
すく
)
ひませ
051
二人
(
ふたり
)
の
御子
(
みこ
)
を
救
(
すく
)
ひませ
052
三五教
(
あななひけう
)
は
現世
(
うつしよ
)
の
053
穢
(
けが
)
れを
清
(
きよ
)
め
人草
(
ひとぐさ
)
の
054
悩
(
なや
)
みを
救
(
すく
)
ふ
神
(
かみ
)
の
道
(
みち
)
055
鳥
(
とり
)
獣
(
けだもの
)
はまだ
愚
(
おろか
)
056
虫族
(
むしけら
)
までも
御恵
(
みめぐ
)
みの
057
教
(
をしへ
)
の
露
(
つゆ
)
に
霑
(
うるほ
)
ひて
058
天地
(
あめつち
)
四方
(
よも
)
の
海原
(
うなばら
)
も
059
清
(
きよ
)
めて
澄
(
す
)
ます
神心
(
かみごころ
)
060
大御心
(
おほみこころ
)
の
幸
(
さち
)
はひに
061
助
(
たす
)
け
給
(
たま
)
はれ
貴
(
うづ
)
の
御子
(
みこ
)
062
憂瀬
(
うきせ
)
に
沈
(
しづ
)
む
人々
(
ひとびと
)
の
063
身体
(
からだ
)
の
穢
(
けが
)
れと
村肝
(
むらきも
)
の
064
心
(
こころ
)
の
塵
(
ちり
)
を
吹
(
ふ
)
き
払
(
はら
)
ひ
065
朝日
(
あさひ
)
も
清
(
きよ
)
くテルの
国
(
くに
)
066
夜
(
よる
)
なきヒルの
国原
(
くにはら
)
に
067
月日
(
つきひ
)
の
光
(
ひかり
)
隅
(
くま
)
もなく
068
アタルの
港
(
みなと
)
へ
救
(
すく
)
ひませ
069
アタルの
港
(
みなと
)
へ
救
(
すく
)
ひませ』
070
と
歌
(
うた
)
ひ
神言
(
かみごと
)
を
奏上
(
そうじやう
)
し、
071
再
(
ふたた
)
びもとの
座
(
ざ
)
に
帰
(
かへ
)
りぬ。
072
船中
(
せんちう
)
にはヒソビソと
雑談
(
ざつだん
)
がまた
始
(
はじ
)
まる。
073
甲
(
かふ
)
『
今
(
いま
)
の
神懸
(
かむがか
)
りや
歌
(
うた
)
の
心
(
こころ
)
を
何
(
なん
)
と
思
(
おも
)
ふか。
074
実
(
じつ
)
に
恐
(
おそ
)
ろしいやうな、
075
有難
(
ありがた
)
いやうな、
076
結構
(
けつこう
)
なことだのう。
077
俺
(
おれ
)
はモウあの
神懸
(
かむがか
)
りの
言葉
(
ことば
)
を
聞
(
き
)
いて、
078
一
(
ひと
)
つ
一
(
ひと
)
つ
身
(
み
)
にこたへて、
079
自分
(
じぶん
)
が
叱
(
しか
)
られた
様
(
やう
)
な
気
(
き
)
がしたよ』
080
乙
(
おつ
)
『さうだな、
081
俺
(
おい
)
らも
同
(
おな
)
じ
事
(
こと
)
だ。
082
虎公
(
とらこう
)
とか
言
(
い
)
ふ
悪人
(
あくにん
)
ばかりぢやない。
083
胸
(
むね
)
に
手
(
て
)
を
置
(
お
)
いて
考
(
かんが
)
へて
見
(
み
)
ると、
084
吾々
(
われわれ
)
の
腹
(
はら
)
の
中
(
なか
)
にも
悪
(
わる
)
い
奴
(
やつ
)
が
居
(
を
)
つて、
085
暗々裡
(
あんあんり
)
に
罪
(
つみ
)
の
方
(
はう
)
へ
罪
(
つみ
)
の
方
(
はう
)
へと
引張
(
ひつぱ
)
つて
行
(
ゆ
)
かるる
様
(
やう
)
な
気
(
き
)
がしてならぬワ』
086
丙
(
へい
)
『ヤ、
087
誰
(
たれ
)
しも
蓋
(
ふた
)
をあけたら
チヨボ
チヨボだよ。
088
虎公
(
とらこう
)
のやうに
露骨
(
ろこつ
)
に
悪
(
あく
)
をやるか、
089
やらぬかだけのものだ。
090
善人
(
ぜんにん
)
らしい
蚤
(
のみ
)
一
(
ひと
)
つ
殺
(
ころ
)
さぬやうな
優
(
やさ
)
しい
顔
(
かほ
)
した
奴
(
やつ
)
の
中
(
なか
)
に
却
(
かへつ
)
て
悪
(
わる
)
い
奴
(
やつ
)
があるものだ。
091
人間
(
にんげん
)
から
悪人
(
あくにん
)
ぢや
悪人
(
あくにん
)
ぢやと
嫌
(
きら
)
はれる
者
(
もの
)
に
却
(
かへつ
)
て
善人
(
ぜんにん
)
があつたり、
092
聖人
(
せいじん
)
君子
(
くんし
)
を
気取
(
きど
)
つて、
093
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
の
人
(
ひと
)
に
賢人
(
けんじん
)
ぢや、
094
善人
(
ぜんにん
)
ぢやと
持
(
も
)
て
囃
(
はや
)
される
人間
(
にんげん
)
の
中
(
なか
)
に
却
(
かへつ
)
て
悪人
(
あくにん
)
があるものだ。
095
悪魔
(
あくま
)
と
言
(
い
)
ふものは
善人
(
ぜんにん
)
の
身体
(
からだ
)
を
容器
(
いれもの
)
にして
化
(
ば
)
けて
悪
(
わる
)
い
事
(
こと
)
をやるものだよ。
096
之
(
これ
)
だけ
悪
(
あく
)
の
九分
(
くぶ
)
九厘
(
くりん
)
まで
栄
(
さか
)
えた
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
の
人間
(
にんげん
)
に
褒
(
ほ
)
めらるる
者
(
もの
)
はきつと
悪人
(
あくにん
)
だ。
097
彼奴
(
あいつ
)
は
悪
(
わる
)
い
奴
(
やつ
)
だと
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
から
攻撃
(
こうげき
)
される
人間
(
にんげん
)
に
真実
(
ほんたう
)
の
善人
(
ぜんにん
)
があるものだ。
098
あの
虎公
(
とらこう
)
と
言
(
い
)
ふ
奴
(
やつ
)
は
随分
(
ずゐぶん
)
名高
(
なだか
)
い
悪人
(
あくにん
)
だが、
099
真実
(
ほんたう
)
の
彼奴
(
あいつ
)
の
性来
(
しやうらい
)
は
善人
(
ぜんにん
)
だと
見
(
み
)
えて、
100
悔悟
(
くわいご
)
の
念
(
ねん
)
に
堪
(
た
)
へ
兼
(
か
)
ね、
101
大切
(
たいせつ
)
の
生命
(
いのち
)
を
捨
(
す
)
てたぢやないか。
102
人間
(
にんげん
)
は
矢張
(
やつぱ
)
り
神
(
かみ
)
の
子
(
こ
)
だ、
103
「
鳥
(
とり
)
の
将
(
まさ
)
に
死
(
し
)
なむとするやその
声
(
こゑ
)
悲
(
かな
)
し。
104
人
(
ひと
)
の
将
(
まさ
)
に
死
(
し
)
なむとするやその
言
(
げん
)
良
(
よ
)
し」と
言
(
い
)
ふ。
105
吾々
(
われわれ
)
も
一
(
いち
)
時
(
じ
)
も
早
(
はや
)
く
心
(
こころ
)
の
雲
(
くも
)
を
取
(
と
)
り
払
(
はら
)
つて、
106
今夜
(
こんや
)
の
月
(
つき
)
の
様
(
やう
)
な
美
(
うつく
)
しい
心
(
こころ
)
になつて
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
を
渡
(
わた
)
りたいものだなア』
107
丁
(
てい
)
『
然
(
しか
)
し、
108
この
頃
(
ごろ
)
は
妙
(
めう
)
な
事
(
こと
)
があるぢやないか、
109
アリナの
滝
(
たき
)
の
水上
(
みなかみ
)
に
大
(
おほ
)
きな
巌窟
(
いはや
)
があつて、
110
そこには
鏡
(
かがみ
)
の
池
(
いけ
)
とやら
言
(
い
)
ふ
不思議
(
ふしぎ
)
な
池
(
いけ
)
が
出来
(
でき
)
たと
言
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
だ。
111
其処
(
そこ
)
へ
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
狭依彦
(
さよりひこ
)
とか
言
(
い
)
ふ
妙
(
めう
)
な
面
(
つら
)
した
男
(
をとこ
)
がやつて
来
(
き
)
て、
112
数多
(
あまた
)
の
人間
(
にんげん
)
に
洗礼
(
せんれい
)
を
施
(
ほどこ
)
してゐるさうなが、
113
そこで
洗礼
(
せんれい
)
を
受
(
う
)
けた
者
(
もの
)
は、
114
みな
立派
(
りつぱ
)
な
人間
(
にんげん
)
になつて
悪
(
わる
)
い
事
(
こと
)
もせず、
115
喧嘩
(
けんくわ
)
もなし、
116
盗人
(
ぬすびと
)
も
這入
(
はい
)
らず、
117
戸締
(
とじま
)
りもせずとも
夜
(
よる
)
は
安楽
(
あんらく
)
に
眠
(
ねむ
)
れるやうになつたと
言
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
だよ。
118
吾々
(
われわれ
)
も
一度
(
いちど
)
洗礼
(
せんれい
)
を
受
(
う
)
けたいと
思
(
おも
)
つて
居
(
を
)
るのだ。
119
さうした
処
(
ところ
)
が
今度
(
こんど
)
、
120
またヒルの
国
(
くに
)
の
玉川
(
たまがは
)
の
滝
(
たき
)
に
偉
(
えら
)
い
宣伝使
(
せんでんし
)
が
現
(
あら
)
はれたと
言
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
だよ。
121
その
滝
(
たき
)
にも
滝
(
たき
)
の
傍
(
かたはら
)
に
妙
(
めう
)
な
洞穴
(
ほらあな
)
があつて、
122
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
が
もの
を
言
(
い
)
つて
何
(
なに
)
かの
事
(
こと
)
を
聞
(
き
)
かして
下
(
くだ
)
さるさうだ。
123
俺
(
わし
)
はそこへ
一遍
(
いつぺん
)
参
(
まゐ
)
らうと
思
(
おも
)
つて
来
(
き
)
たのだが、
124
お
前
(
まへ
)
らも
何
(
なん
)
なら
一緒
(
いつしよ
)
に
行
(
ゆ
)
かうではないか』
125
甲
(
かふ
)
『さうか、
126
そんな
事
(
こと
)
があるのか。
127
実
(
じつ
)
は
吾々
(
われわれ
)
は、
128
その
狭依彦
(
さよりひこ
)
と
言
(
い
)
ふ
宣伝使
(
せんでんし
)
に
洗礼
(
せんれい
)
を
受
(
う
)
けたのだ。
129
今
(
いま
)
までは
随分
(
ずゐぶん
)
大酒
(
おほざけ
)
も
飲
(
の
)
み
喧嘩
(
けんくわ
)
もし、
130
人
(
ひと
)
を
泣
(
な
)
かした
事
(
こと
)
も
沢山
(
たくさん
)
あつたが、
131
あの
鏡
(
かがみ
)
の
池
(
いけ
)
の
中
(
なか
)
から
妙
(
めう
)
な
神
(
かみ
)
さまの
声
(
こゑ
)
が
聞
(
きこ
)
えて、
132
吾々
(
われわれ
)
の
今
(
いま
)
までやつて
来
(
き
)
た
事
(
こと
)
を
素破
(
すつぱ
)
抜
(
ぬ
)
かれた
時
(
とき
)
の
恐
(
おそ
)
ろしさと
言
(
い
)
つたら、
133
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
しても
身
(
み
)
の
毛
(
け
)
がよだつやうだ。
134
それから
宣伝使
(
せんでんし
)
の
洗礼
(
せんれい
)
を
受
(
う
)
けて
家内中
(
かないぢう
)
睦
(
むつま
)
じう
暮
(
くら
)
し、
135
村
(
むら
)
の
人
(
ひと
)
からも
今
(
いま
)
は
重宝
(
ちようほう
)
がられる
様
(
やう
)
になつたのも、
136
全
(
まつた
)
く
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
御
(
お
)
蔭
(
かげ
)
だよ』
137
乙
(
おつ
)
『それは
結構
(
けつこう
)
だが、
138
あの
虎公
(
とらこう
)
は
如何
(
どう
)
なつたであらうか。
139
今
(
いま
)
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
綺麗
(
きれい
)
な
宣伝使
(
せんでんし
)
がお
祈
(
いの
)
りになつたから、
140
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
は
至仁
(
しじん
)
至愛
(
しあい
)
だから
助
(
たす
)
けて
下
(
くだ
)
さるではあらうが、
141
真実
(
ほんたう
)
に
可哀
(
かあい
)
さうだなア』
142
丁
(
てい
)
『それは
心配
(
しんぱい
)
するには
及
(
およ
)
ばぬよ、
143
改心
(
かいしん
)
した
者
(
もの
)
はきつと
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
が
助
(
たす
)
けて
下
(
くだ
)
さる。
144
まあアタルの
港
(
みなと
)
へこの
船
(
ふね
)
が
着
(
つ
)
く
時分
(
じぶん
)
には、
145
チヤン
と
竜神
(
りうじん
)
さまに
助
(
たす
)
けられて
波止場
(
はとば
)
に「
皆
(
みな
)
さま、
146
お
先
(
さき
)
に
失礼
(
しつれい
)
しました」と
言
(
い
)
ふ
様
(
やう
)
な
調子
(
てうし
)
で
待
(
ま
)
つてゐるだらう』
147
丙
(
へい
)
『そんなうまい
事
(
こと
)
があらうかなア。
148
若
(
も
)
しも
二人
(
ふたり
)
が
助
(
たす
)
かつて
居
(
を
)
る
様
(
やう
)
な
事
(
こと
)
だつたら、
149
吾々
(
われわれ
)
は
村中
(
むらぢう
)
あの
宣伝使
(
せんでんし
)
の
教
(
をしへ
)
に
従
(
したが
)
つて
仕舞
(
しま
)
はう』
150
甲
(
かふ
)
乙
(
おつ
)
丙
(
へい
)
丁
(
てい
)
はヒソビソと、
151
神徳
(
しんとく
)
の
話
(
はなし
)
を
語
(
かた
)
つてゐる。
152
珍山彦
(
うづやまひこ
)
は
無言
(
むごん
)
のまま、
153
四
(
よ
)
人
(
にん
)
の
話
(
はなし
)
をニコニコとして
聞
(
き
)
いて
居
(
ゐ
)
た。
154
アタル
丸
(
まる
)
は
漸
(
やうや
)
うにして、
155
翌日
(
よくじつ
)
の
五
(
いつ
)
つ
時
(
どき
)
にアタルの
港
(
みなと
)
へ
安着
(
あんちやく
)
した。
156
波止場
(
はとば
)
には
虎公
(
とらこう
)
、
157
熊公
(
くまこう
)
が
立
(
た
)
つてこの
船
(
ふね
)
を
待
(
ま
)
ち
迎
(
むか
)
へて
居
(
ゐ
)
る。
158
(
大正一一・二・一五
旧一・一九
北村隆光
録)
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(B)
(N)
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