霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一二章 鹿島立(かしまだち)〔四〇五〕

インフォメーション
著者: 巻: 篇: よみ(新仮名遣い):
章: よみ(新仮名遣い): 通し章番号:
口述日: 口述場所: 筆録者: 校正日: 校正場所: 初版発行日:
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじはMさん作成です(一部加筆訂正してあります)。一部の章はAIによって要約を作成しています。[×閉じる]: 主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: 文字数: OBC :rm0912
愛善世界社版: 八幡書店版: 修補版: 校定版: 普及版: 初版: ページ備考:
001 茲(ここ)に淤縢山(おどやま)津見(づみの)神(かみ)は、002正鹿(まさか)山津見(やまづみの)神(かみ)に細々(こまごま)と後事(こうじ)を托(たく)し、
003淤縢山津見『黄泉(よもつ)比良坂(ひらさか)の戦(たたか)ひまで、004珍(うづ)の国(くに)を五月姫(さつきひめ)と共(とも)に守(まも)らせ給(たま)へ』
005と言(い)ひ残(のこ)し、006珍山彦(うづやまひこ)、007駒山彦(こまやまひこ)を伴(ともな)ひ、008数日(すうじつ)滞在(たいざい)の後(のち)別(わか)れを告(つ)げて出(い)でむとする時(とき)、009松代姫(まつよひめ)は淤縢山(おどやま)津見(づみの)神(かみ)の袖(そで)を控(ひか)へて、
010松代姫『先(ま)づ暫(しばら)く御(お)待(ま)ち下(くだ)されませ。011妾(わらは)三(さん)人(にん)の姉妹(きやうだい)は、012神(かみ)様(さま)の広(ひろ)き厚(あつ)き御(おん)恵(めぐ)みに浴(よく)し、013恋(こひ)しき父(ちち)にも出会(であ)ひ、014今(いま)また慈愛(じあい)深(ふか)き母(はは)を授(さづ)かり、015最早(もはや)心残(こころのこ)りも御座(ござ)いませねば、016何(なに)とぞ妾(わらは)を御(お)供(とも)に御(お)使(つか)ひ下(くだ)さいますまいか。017女(をんな)ながらも黄泉(よもつ)比良坂(ひらさか)の戦(たたか)ひに働(はたら)かして頂(いただ)きたう存(ぞん)じます。018どうぞ広(ひろ)き大御心(おほみこころ)に見直(みなほ)し聞(き)き直(なほ)して是非(ぜひ)御(お)供(とも)に……』
019と真心(まごころ)を面(おもて)に現(あら)はして頼(たの)み入(い)るにぞ、020淤縢山津見(おどやまづみ)は、
021淤縢山津見『それは感心(かんしん)なことです。022併(しか)しながら吾々(われわれ)の自由(じいう)にならぬ。023正鹿(まさか)山津見(やまづみの)神(かみ)様(さま)に御(お)許(ゆる)しを得(え)られた上(うへ)、024御(ご)同道(どうだう)致(いた)しませう』
025 竹野姫(たけのひめ)、026梅ケ香姫(うめがかひめ)の二人(ふたり)は、027声(こゑ)を揃(そろ)へて両手(りやうて)をつきながら、
028竹野姫、梅ケ香姫『何(ど)うぞ妾(わらは)も御(お)供(とも)が致(いた)したう御座(ござ)いますワ』
029珍山彦(うづやまひこ)『ヤア、030今(いま)までは男(をとこ)四(よ)人(にん)と女(をんな)一人(ひとり)、031それでさへも随分(ずゐぶん)道中(だうちう)は賑(にぎ)はうたものだ。032何(なん)と云(い)つても駒山(こまやま)さまのやうなデレのスーが混(まじ)つて居(ゐ)るのだからなア。033然(しか)るに今度(こんど)は御(お)三人(さんにん)の御(お)姫(ひめ)さまがお越(こ)し遊(あそ)ばすとなれば、034道中(だうちう)は随分(ずゐぶん)賑(にぎ)はふ事(こと)であらう。035女(をんな)が三(さん)人(にん)寄(よ)れば姦(かしま)しいと云(い)ふことがある。036イヤもう、037さうなれば鹿島立(かしまだち)でなくて、038かしましい立(だ)ちだ。039併(しか)しながら其(そ)の志(こころざし)は感心(かんしん)々々(かんしん)、040どれどれこれから此(こ)の珍山彦(うづやまひこ)が御(おん)父上(ちちうへ)に伺(うかが)うて来(き)て上(あ)げませう』
041と正鹿(まさか)山津見(やまづみの)神(かみ)の居間(ゐま)に引返(ひきかへ)し、042三(さん)人(にん)の娘(むすめ)の願(ねが)ひを打破(うちわ)つて細々(こまごま)と陳(の)べ立(た)つるにぞ、043正鹿(まさか)山津見(やまづみの)神(かみ)は娘(むすめ)の勇気(ゆうき)に感(かん)じ、
044正鹿山津見『アヽ折角(せつかく)可愛(かあい)い娘(むすめ)に会(あ)うたと思(おも)へば、045もう別(わか)れねばならぬか。046イヤこれも神国(しんこく)のため、047御(お)道(みち)のためだ。048会者(ゑしや)定離(ぢやうり)は浮世(うきよ)の常(つね)、049どうぞ珍山彦(うづやまひこ)さま、050娘(むすめ)たちを宜(よろ)しく御(お)願(ねが)ひ致(いた)します』
051と声(こゑ)を曇(くも)らせながら答(こた)ふるを、052珍山彦(うづやまひこ)は、
053珍山彦『結構(けつこう)だ。054その覚悟(かくご)がなくては神(かみ)様(さま)の宮仕(みやづか)へは到底(たうてい)勤(つと)まらない』
055と三(さん)人(にん)の娘(むすめ)の前(まへ)に現(あら)はれて、
056珍山彦『三(さん)人(にん)の御(ご)姉妹(きやうだい)、057喜(よろこ)びなさいませ。058実(じつ)に御(お)父(とう)さまの心(こころ)は立派(りつぱ)なものだ。059此(こ)の親(おや)にして此(こ)の児(こ)あり、060此(こ)の児(こ)にして此(こ)の親(おや)あり、061此(こ)の夫(をつと)にして此(こ)の妻(つま)あり、062此(こ)の妻(つま)にして此(こ)の夫(をつと)あり、063此(こ)の君(きみ)にして此(こ)の臣(しん)あり、064此(こ)の臣(しん)にして此(こ)の君(きみ)ありだ』
065 駒山彦(こまやまひこ)は、
066駒山彦『オイ、067グヅ山(やま)、068なにをグヅグヅ言(い)つて居(ゐ)るのだ。069同(おな)じ事(こと)ばかり繰(く)り返(かへ)して、070又(また)そろそろ地金(ぢがね)が出(で)て来(き)たな』
071松代姫(まつよひめ)『然(しか)らば妾(わらは)姉妹(おとどい)三(さん)人(にん)、072御(お)供(とも)に仕(つか)へませう。073何分(なにぶん)宜(よろ)しく御(お)願(ねが)ひ致(いた)します。074御(ご)一同(いちどう)様(さま)』
075と頭(かしら)を下(さ)げて叮嚀(ていねい)に挨拶(あいさつ)なすにぞ、076二人(ふたり)の妹(いもうと)も手(て)をついて、
077竹野姫、梅ケ香姫『何分(なにぶん)宜(よろ)しく』
078と笑(ゑみ)を浮(うか)べて頼(たの)み入(い)る。
079珍山彦(うづやまひこ)『サテ、080これからは長(なが)の道中(だうちう)だ。081照山峠(てるやまたうげ)を越(こ)えて、082ハラの港(みなと)に出(い)で、083智利(てる)、084秘露(ひる)と長途(ちやうと)をとぼとぼ歩(あゆ)んでカルの国(くに)へ渡(わた)り、085目(め)の国(くに)、086常世(とこよ)の国(くに)と進(すす)んで行(ゆ)くのだから、087七六ケ(しちむつか)しい挨拶(あいさつ)は肩(かた)が凝(こ)つて困(こま)る。088これからの道中(だうちう)は、089師弟(してい)だとか、090老幼(らうえう)男女(だんぢよ)の障壁(しやうへき)をすつかり取(と)つて、091互(たがひ)に云(い)ひたいことも言(い)ひ合(あ)つて行(ゆ)くのだから、092其(その)心算(つもり)で心安(こころやす)くして下(くだ)さい』
093三人『ハイハイ、094有難(ありがた)う御座(ござ)います』
095と三(さん)人(にん)は嬉(うれ)し涙(なみだ)にくれてゐる。
096 正鹿山津見(まさかやまづみ)、097五月姫(さつきひめ)は門口(かどぐち)に送(おく)り来(きた)り、098一行(いつかう)の安全(あんぜん)を祝(しゆく)し、099立(た)ち別(わか)れむとするところへ照彦(てるひこ)は馳(は)せ来(きた)り、
100照彦『モシモシ、101私(わたくし)はヱルサレムから三人(さんにん)様(さま)の御(お)後(あと)を慕(した)つて参(まゐ)つたもので御座(ござ)います。102今(いま)此処(ここ)で御(お)別(わか)れ申(まを)しては、103何(なん)となく心許(こころもと)ない感(かん)じが致(いた)します。104どうぞ特別(とくべつ)の御(ご)詮議(せんぎ)を以(もつ)て、105宣伝使(せんでんし)の御(お)供(とも)は叶(かな)はずとも、106御(お)姫(ひめ)様(さま)の御(お)供(とも)をさして頂(いただ)きたう御座(ござ)います』
107と怨(うら)めしさうに涙(なみだ)含(ぐ)むにぞ、108正鹿山津見(まさかやまづみ)は、
109正鹿山津見『ヤア、110照彦(てるひこ)か。111儂(わし)も三(さん)人(にん)の娘(むすめ)を宣伝使(せんでんし)の一行(いつかう)に御(お)預(あづ)けしたものの、112孱弱(かよわ)き娘(むすめ)のしかも三(さん)人(にん)、113嘸々(さぞさぞ)御(ご)迷惑(めいわく)なさることであらう。114照彦(てるひこ)、115其方(そなた)は娘(むすめ)たちの後(あと)に踵(つ)いて、116いろいろと世話(せわ)をしてやつて下(くだ)さい』
117照彦『ヤア御(お)許(ゆる)し下(くだ)さいますか、118有難(ありがた)う御座(ござ)います』
119と照彦(てるひこ)は栄(は)えの面色(おももち)勇(いさ)ましく、120一行(いつかう)の後(あと)に踵(つ)いて、121珍(うづ)の都(みやこ)を一同(いちどう)の宣伝使(せんでんし)と共(とも)に立(た)ち去(さ)りにけり。
122(大正一一・二・一三 旧一・一七 有田九皐録)
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