霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一二章 鹿島立(かしまだち)〔四〇五〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第9巻 霊主体従 申の巻 篇:第3篇 天涯万里 よみ(新仮名遣い):てんがいばんり
章:第12章 鹿島立 よみ(新仮名遣い):かしまだち 通し章番号:405
口述日:1922(大正11)年02月13日(旧01月17日) 口述場所: 筆録者:有田九皐 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年7月5日
概要: 舞台:ウヅの館 あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
数日滞在の後、淤縢山津見は、正鹿山津見に珍の国の後事を託して、珍山彦・駒山彦を従えて再び宣伝の旅に出ようとしていた。
松代姫は淤縢山津見に、自分たち三姉妹も宣伝使としてお供に連れて行ってもらえるように頼み込んだ。父・正鹿山津見も娘たちの決心に感じ、珍山彦に娘を託した。
珍山彦は、照山峠を越えてハラの港、智利、秘露、カル、目の国を越えて、遠く常世の国へと進んで行くのだ、と宣伝の道筋を一同に示した。また正鹿山津見は照彦を宣伝使一行の供として行くことを許した。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2020-06-23 22:15:36 OBC :rm0912
愛善世界社版:99頁 八幡書店版:第2輯 310頁 修補版: 校定版:105頁 普及版:39頁 初版: ページ備考:
001 (ここ)淤縢山(おどやま)津見(づみの)(かみ)は、002正鹿(まさか)山津見(やまづみの)(かみ)細々(こまごま)後事(こうじ)(たく)し、
003淤縢山津見黄泉(よもつ)比良坂(ひらさか)(たたか)ひまで、004(うづ)(くに)五月姫(さつきひめ)(とも)(まも)らせ(たま)へ』
005()(のこ)し、006珍山彦(うづやまひこ)007駒山彦(こまやまひこ)(ともな)ひ、008数日(すうじつ)滞在(たいざい)(のち)(わか)れを()げて()でむとする(とき)009松代姫(まつよひめ)淤縢山(おどやま)津見(づみの)(かみ)(そで)(ひか)へて、
010松代姫()(しばら)()()(くだ)されませ。011(わらは)(さん)(にん)姉妹(きやうだい)は、012(かみ)(さま)(ひろ)(あつ)(おん)(めぐ)みに(よく)し、013(こひ)しき(ちち)にも出会(であ)ひ、014(いま)また慈愛(じあい)(ふか)(はは)(さづ)かり、015最早(もはや)心残(こころのこ)りも御座(ござ)いませねば、016(なに)とぞ(わらは)()(とも)()使(つか)(くだ)さいますまいか。017(をんな)ながらも黄泉(よもつ)比良坂(ひらさか)(たたか)ひに(はたら)かして(いただ)きたう(ぞん)じます。018どうぞ(ひろ)大御心(おほみこころ)見直(みなほ)()(なほ)して是非(ぜひ)()(とも)に……』
019真心(まごころ)(おもて)(あら)はして(たの)()るにぞ、020淤縢山津見(おどやまづみ)は、
021淤縢山津見『それは感心(かんしん)なことです。022(しか)しながら吾々(われわれ)自由(じいう)にならぬ。023正鹿(まさか)山津見(やまづみの)(かみ)(さま)()(ゆる)しを()られた(うへ)024()同道(どうだう)(いた)しませう』
025 竹野姫(たけのひめ)026梅ケ香姫(うめがかひめ)二人(ふたり)は、027(こゑ)(そろ)へて両手(りやうて)をつきながら、
028竹野姫、梅ケ香姫()うぞ(わらは)()(とも)(いた)したう御座(ござ)いますワ』
029珍山彦(うづやまひこ)『ヤア、030(いま)までは(をとこ)()(にん)(をんな)一人(ひとり)031それでさへも随分(ずゐぶん)道中(だうちう)(にぎ)はうたものだ。032(なん)()つても駒山(こまやま)さまのやうなデレのスーが(まじ)つて()るのだからなア。033(しか)るに今度(こんど)()三人(さんにん)()(ひめ)さまがお()(あそ)ばすとなれば、034道中(だうちう)随分(ずゐぶん)(にぎ)はふ(こと)であらう。035(をんな)(さん)(にん)()れば(かしま)しいと()ふことがある。036イヤもう、037さうなれば鹿島立(かしまだち)でなくて、038かしましい()ちだ。039(しか)しながら()(こころざし)感心(かんしん)々々(かんしん)040どれどれこれから()珍山彦(うづやまひこ)(おん)父上(ちちうへ)(うかが)うて()()げませう』
041正鹿(まさか)山津見(やまづみの)(かみ)居間(ゐま)引返(ひきかへ)し、042(さん)(にん)(むすめ)(ねが)ひを打破(うちわ)つて細々(こまごま)()()つるにぞ、043正鹿(まさか)山津見(やまづみの)(かみ)(むすめ)勇気(ゆうき)(かん)じ、
044正鹿山津見『アヽ折角(せつかく)可愛(かあい)(むすめ)()うたと(おも)へば、045もう(わか)れねばならぬか。046イヤこれも神国(しんこく)のため、047()(みち)のためだ。048会者(ゑしや)定離(ぢやうり)浮世(うきよ)(つね)049どうぞ珍山彦(うづやまひこ)さま、050(むすめ)たちを(よろ)しく()(ねが)(いた)します』
051(こゑ)(くも)らせながら(こた)ふるを、052珍山彦(うづやまひこ)は、
053珍山彦結構(けつこう)だ。054その覚悟(かくご)がなくては(かみ)(さま)宮仕(みやづか)へは到底(たうてい)(つと)まらない』
055(さん)(にん)(むすめ)(まへ)(あら)はれて、
056珍山彦(さん)(にん)()姉妹(きやうだい)057(よろこ)びなさいませ。058(じつ)()(とう)さまの(こころ)立派(りつぱ)なものだ。059()(おや)にして()()あり、060()()にして()(おや)あり、061()(をつと)にして()(つま)あり、062()(つま)にして()(をつと)あり、063()(きみ)にして()(しん)あり、064()(しん)にして()(きみ)ありだ』
065 駒山彦(こまやまひこ)は、
066駒山彦『オイ、067グヅ(やま)068なにをグヅグヅ()つて()るのだ。069(おな)(こと)ばかり()(かへ)して、070(また)そろそろ地金(ぢがね)()()たな』
071松代姫(まつよひめ)(しか)らば(わらは)姉妹(おとどい)(さん)(にん)072()(とも)(つか)へませう。073何分(なにぶん)(よろ)しく()(ねが)(いた)します。074()一同(いちどう)(さま)
075(かしら)()げて叮嚀(ていねい)挨拶(あいさつ)なすにぞ、076二人(ふたり)(いもうと)()をついて、
077竹野姫、梅ケ香姫何分(なにぶん)(よろ)しく』
078(ゑみ)(うか)べて(たの)()る。
079珍山彦(うづやまひこ)『サテ、080これからは(なが)道中(だうちう)だ。081照山峠(てるやまたうげ)()えて、082ハラの(みなと)()で、083智利(てる)084秘露(ひる)長途(ちやうと)をとぼとぼ(あゆ)んでカルの(くに)(わた)り、085()(くに)086常世(とこよ)(くに)(すす)んで()くのだから、087七六ケ(しちむつか)しい挨拶(あいさつ)(かた)()つて(こま)る。088これからの道中(だうちう)は、089師弟(してい)だとか、090老幼(らうえう)男女(だんぢよ)障壁(しやうへき)をすつかり()つて、091(たがひ)()ひたいことも()()つて()くのだから、092(その)心算(つもり)心安(こころやす)くして(くだ)さい』
093三人『ハイハイ、094有難(ありがた)御座(ござ)います』
095(さん)(にん)(うれ)(なみだ)にくれてゐる。
096 正鹿山津見(まさかやまづみ)097五月姫(さつきひめ)門口(かどぐち)(おく)(きた)り、098一行(いつかう)安全(あんぜん)(しゆく)し、099()(わか)れむとするところへ照彦(てるひこ)()(きた)り、
100照彦『モシモシ、101(わたくし)はヱルサレムから三人(さんにん)(さま)()(あと)(した)つて(まゐ)つたもので御座(ござ)います。102(いま)此処(ここ)()(わか)(まを)しては、103(なん)となく心許(こころもと)ない(かん)じが(いた)します。104どうぞ特別(とくべつ)()詮議(せんぎ)(もつ)て、105宣伝使(せんでんし)()(とも)(かな)はずとも、106()(ひめ)(さま)()(とも)をさして(いただ)きたう御座(ござ)います』
107(うら)めしさうに(なみだ)()むにぞ、108正鹿山津見(まさかやまづみ)は、
109正鹿山津見『ヤア、110照彦(てるひこ)か。111(わし)(さん)(にん)(むすめ)宣伝使(せんでんし)一行(いつかう)()(あづ)けしたものの、112孱弱(かよわ)(むすめ)のしかも(さん)(にん)113嘸々(さぞさぞ)()迷惑(めいわく)なさることであらう。114照彦(てるひこ)115其方(そなた)(むすめ)たちの(あと)()いて、116いろいろと世話(せわ)をしてやつて(くだ)さい』
117照彦『ヤア()(ゆる)(くだ)さいますか、118有難(ありがた)御座(ござ)います』
119照彦(てるひこ)()えの面色(おももち)(いさ)ましく、120一行(いつかう)(あと)()いて、121(うづ)(みやこ)一同(いちどう)宣伝使(せんでんし)(とも)()()りにけり。
122大正一一・二・一三 旧一・一七 有田九皐録)
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